【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】 - 1542546882

1： ◆x0SRSoJXe.：2018/11/18(日) 22:14:42 ID:NOfdPGR20: 　　∧　｀i¨ヽ　　　i 　 i 　γ⌒ヽ｀i¨ヽ　｀i￣'｀|￣｀ヽ.　　.i＼　i＼
　 _/,,∧ ├く　　 ∧ .∧　｛{　　 }｝|-く.　├一.|　　｝　　.| | ヽ| .:iヽ
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●この作品は株式会社フロム・ソフトウェアによって平成18年12月21日に発売された、『アーマード・コア4』の二次創作作品です

●原作との相違点も多く、作者の知識の至らない点は自己解釈によって補われています。あらかじめご了承ください

●この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません
1502： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/18(金) 00:11:28 ID:hrq0zAy.0: 　　　　　　　　＿＿＿_
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　　　　　　／::::::::::　　　　　＼　　　　　　ただいま、アリス。
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　　　　　|:::::::::::::::　　　　　　　　　|　　　　　変なんかじゃないお……とても素敵だお。
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　　　　　　　　i{　l　　ｌ ll　ｌ l　　　　l　 /　l
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　　　　　　　 i{　　　　 l ヽ'⌒　)／旡Ｖ　ﾉ
　　　　　　　 '　　 l ＼ `､ '￣｀　　ゝｲ〈
　　　　　　 i{ 　 /ゝ、｀ヽゝ '''' 　｀　/　l　　　　　　　　もう、なに泣いてるのよ。
　　　　　　/ 　 /: : : ヽ　ヽ　　　ｰ '´/ｌ　l
　　　　　　　 /: : : : : 〕､ヽ-　, --ｉｌﾊ　l　　　　　　　　早く上がりなさい。お腹、減ってるでしょ？
　　　　 /　　/: : : ／￣丶　ヽｰし: :l j　l/
　　　　　　 /: : : /　　　　‘， l 　 l:/__
　　　/　　/: : : : '　　　　 ‘，l　　＼ヽ‐､
　　 /　／ /: : : ' 　　　 /　l ﾘ　　　＼ヽ
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　 i / l 　ｌ　　' 　　　 /／　　　　＼　　＼
　ｌｌ　ｌ　　ｌ　/　　　　　'　　 l　　　　　　 ::::.　　ヽ
　 ll　l　　 / 　　　 /　　　:.　　　　　　 ..:::::::::..　　l
　ヽ丶　/　　　　　'　　　　 :.. 　　　　 ──‐　 /
　　　　Ｖ　　　 /!　　　　　丶　　　　　..::::::::::／
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自分にこんな時がくるなんて、思ってもみなかった。
血と泥に塗れて、死ぬまでずっとこのままだと思っていた。
それがずっと続くと思っていた。

血を流しているのは今でも同じだが、こんな涙を流す日が来るとは想像し得なかった。

ぼろぼろと涙を溢していると、アリスに手を引かれた。
引っ張られるままにキッチンに行くと、そこには様々な調理器具が並べられていた。
二つ並べて設置されたコンロの右側には鍋が置かれ、湯気が立っていた。
縁からはレードルの柄が覗いている。

覗き込んでみると、コンソメスープらしきものが入っていた。

「つ、作ってたのかお？」

「ええ。でも、一人でやるのは程々にしといたわ。案外難しいものだってわかったから」

そう言うと、アリスは引き出しから小皿を取り出し、鍋の中身を軽く注ぐと
やる夫に差し出してきた。味見してみろ、ということらしい。

期待に沸き立ちながら、見るからに温かそうなスープを啜った。
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1503： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/18(金) 00:11:48 ID:hrq0zAy.0: 　　　　　　＿＿＿_
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　　　　　　　　　　　　 -‐… r示㍉
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　　　　　　　　／　 _､rｆﾆﾆしﾉ宀冖宀冖ﾆﾐh､　　　っ
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　　　　 r ､　.||　んし厂　　　　　　　 |　＼　＼
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　　　　乂____ノ|[　＼[　ぅう''ﾞ⌒　＼ﾉ/'＾㍉ィ／/
　　　　　乂从　　＼ |　 ''"　　　　｀ ''' 彡　 /　　　　　　　　　ぷっ……あははははっ！
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　　　　 // //ニ}iト｡,　 ⌒「´　（　 jﾉ／　〃　　　　　　　　　　　なに、その顔……！
　　　　 .// //ニニﾆﾆﾐｋ　ト　.,_　　イ:|:|　//
　　　　 //,イ/ニニニニﾆﾊ. |h=少ニニ}/　ノｲ　　　　　　　　　　　　あなた、そんな変な顔もできるのね。
　　　 //ﾆノニニニニニﾆ} 从芥二ﾆﾆ}／|　圦
　　 .//ニニニニニニﾆﾆノﾍ/ ||ニニﾆ}　 |　|　＼
　､／/{ニニニニニ＼＿＿ﾉﾆ, |ﾄニニﾆ＼　 |　　＼
／／　{ニニﾆ＼ニニニニﾆﾆ］　＼ニﾆﾆ}　|
／　　Λニニﾆﾆ＼ニニニニﾘ　　　 ∨ﾆﾆ}　　　＼　　＼
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八ニニニニ/ニ|　｜　｢ ∨ニ∨=|　　　　　＼､　　　　　 /　　/／
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そして吹き出した。それも盛大に、壁にかかるほどに。
強烈な塩気に、反射的に飲み込むこともできず吹き出した。

咳き込むやる夫を見ながら、アリスが朗らかに笑う。

「ごめんなさい。でも、自分一人で大して何も見ずに『こんなものでしょ』
ってやったらこの有様よ。さ、一緒に作りましょう？
簡単なものから始めていけば、大丈夫よ。
レシピもちゃんと見つけてきたから」

彼女はひとしきり笑い終えると、穏やかな表情で手近なタオルを取り、
いそいそとやる夫の口を拭いてくれた。
気恥ずかしくもなるが、それ以上に嬉しかった。

それからやる夫たちは、データベースのレシピを基に、ああでもないこうでもないと
四苦八苦しながら、なんとかシチューとバケットという夕食を作った。

途中でやる夫がキッチンナイフで指を切ってしまったり、
アリスが皿を割ってしまったりと色々あったが、なんとか出来上がった。

初めて手に取る手つかずの野菜や肉の見た目や感触、
匂いは新鮮そのものだった。

鶏もも肉も皮やそれに見える毛穴などから、かつて鶏として生きていた頃が想像でき、
ただ口にするためだけの存在というよりも、命であったものを調理して
食事としているということを薄っすらと自覚させられた。
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1504： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/18(金) 00:12:08 ID:hrq0zAy.0: 　　　　　　　　_　 -――　―-　_
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「ちゃんとレシピ通り作ると、ちゃんと食べられるものになるのねえ」

テーブルに二人分の食事を並べて、二人揃ってソファに座って向かい合った。
深皿に並々と注がれた乳白色のシチューには人参やじゃが芋が浮かび、
バケットも少し切り口が荒いものの、ほんのり焦げ目がついて麦の焼けた
香ばしさが感じられた。

食べましょうか、とアリスの一声の後にシチューをスプーンで啜ると、
温かく優しい味がした。特別な食材も調理法も用いていない、
素人が作った分味も落ちているはずの料理なのに、
今まで食べた食事のすべてが見劣りして見えた。

何物にも代えがたい、そんな味がした。

アリスもにこにことシチューに漬けたバケットを口に運びながら、
時折楽しげに体を揺らした。

食事の合間に、お互いのしてきた仕事の話もした。

「アリスは、どれくらい先に帰ってきてたんだお？」

「ちょうど一日前よ。IGIOの大型MT群を軒並みおしゃかにしてあげたわ。
あなたは……帰ってきたときの様子からして、きつかったみたいね」
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1505： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/18(金) 00:12:31 ID:hrq0zAy.0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rf==く　〈＜ﾉ_人､,_
　　　　　　　　　　　　　　／´　　rf∨'/≧==彡'ﾟ'辷〉ﾐ、
　　　　　　　　　　　　　　　／　 /　　.rf∨'///////辷〉　 ‘，
　　　　　　　　　　　　　 /|ｌ　　　/　　rf∨'/////辷〉　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　 / i|　||　 |　＼　.ｒｆ∨////辷〉　　　 !
　　　　　　　　　　　　　 /　||　|ｌ　 |　|:　|l　　}////辷〉　　　　 i
　　　　　　　　　　　　 Ⅵ ﾄ!.∨ﾄﾄ､ﾄ.｀!从| (＞＜)彡　　　　　i
　　　　　　　　　　　　ﾍ! ∨ﾊｨf=ミ､　/ /　 }丶　　　　　　 !　　　　　　今日は早めに寝ましょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　.／イ乂人ノ　　　　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　く __　　　 /　/,∧　　　　　　〈　　　　　　　疲れてるだろうし、お湯を張りましょう？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ ) 　 ./／./　∧　　､　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　　 ≧=-.''ﾞ＜＼ '　,　ヽ　　ﾍ　　　　　　　先に入っていいわよ。
　　　　　　　　　　　　　　　 /´　 /}　/イ'´￣｀¨ヽ　　' ,　　 .',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　/ /j　/　　　　 '，､　'　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　〈./　{＿　i　　　　　 i　｀ﾊ　　 '，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　　　　 }　　　　 /　 .| ､　　',　　.!
　　　　　　　　　　　　　　　＞　 ,__　　　ﾉ　　　　/　 } } ‘,　　i 　 .|
　　　　　　　　　　　／　　／　　　　　 }　　　 /　 /　! .! 　 .|.}　 }
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　　　　　　　　　　　　:,　　　　　　　　　　　′　　　 /　　,　,ｲ.ﾘ //／
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　　　　　　　　　　＞ﾍ　　　　　　.ｨ/ 　　　 .′　!
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帰れる場所。
待っていてくれる人。
共に笑える時間。

それらを守ることと、戦うことが同じであるのなら。
自分は彼女と共にある限り、戦い続けるだろう。

コロニーから一歩外に出れば、硝煙と死に溢れた世界が広がっている。
その時になれば、また戦いの時間が来る。

だからこそ、今この瞬間だけは、何もかもを忘れていたかった。
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1506： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/18(金) 00:12:46 ID:hrq0zAy.0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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1507： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/18(金) 00:15:37 ID:hrq0zAy.0: 以上だ。なんだかんだと一週目も佳境、早くて年内、遅くとも来年の春までには終わりそうかな。

次回は31日の木曜日午後九時からにしようと思う。シーユーアゲイン。
1508：安価のやる夫だお：2019/10/18(金) 00:16:23 ID:Hyo1XIOM0: 乙でした
1509： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/18(金) 00:18:58 ID:hrq0zAy.0: ああ、ファンボックスのURLってここに貼っておいていいんだろうか……

Twitter上で支援について意見を募った時に賛同してくれる人が少数だがいたので、Twitter上だけで公開したのだが、

ここでもそういった方はいるだろうか？　その場合はこちらで言ってくれると嬉しい。URLを貼ろう。

なんだかんだお金が集まれば私も労働時間を減らしてその分スレとか書けるので助かるし……

この身において凄い傲慢な行為をしているような気が未だにするが……まあ、よろしくね……
1510：安価のやる夫だお：2019/10/18(金) 17:30:05 ID:yi6gb3co0: 乙。貼ってくれれば一食分位出すぞ。ツイッターはろくにやってないからめんどい
1511：安価のやる夫だお：2019/10/18(金) 23:37:37 ID:XIIifAyM0: 乙でした
1512：安価のやる夫だお：2019/10/19(土) 00:22:38 ID:yCnbGUEc0: おつでした

ロールシャッハの機体は何で止まったのか分からんかった
しかし、戦争を止めない企業はクソだね
1513： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/19(土) 01:22:51 ID:fSUMiv060: >>1510
相分かった、こちらがURLとなる……

ttps://www.pixiv.net/fanbox?utm_campaign=www_sidebar&utm_medium=site_flow&utm_source=pixiv

一応色々お返しとかも考えてるから、要望あったら言ってね……

ありがとほんと
1514：安価のやる夫だお：2019/10/28(月) 21:14:34 ID:/DAYchNo0: >>1513
これトップページに行くんだけどスマホだけ？
1515： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/30(水) 17:46:48 ID:9KTt84Uk0: ttps://www.pixiv.net/fanbox/creator/10986695
うーん、もしかしたらurlを間違えていたかもしれない

これでどうだろうか・・・
1516： ◆x0SRSoJXe.：2019/10/31(木) 17:37:06 ID:GVEJLkXk0: 申し訳ない、延期のお知らせだ。
今日は＞＞1の精神状態的に無理そうなんだ。
許してほしい・・・

次回は来週の月曜日午後九時からとしよう・・・
1517：安価のやる夫だお：2019/10/31(木) 19:56:36 ID:4SpxRkGg0: お大事に
1518： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:06:43 ID:G/2mGvVY0: 　　　　／||ミ
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1519：安価のやる夫だお：2019/11/04(月) 21:08:22 ID:J7a2Jcfg0: ハロー
1520： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:16:18 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　／: : : : : : : : : : ::',
　　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　しばらくぶりだね。待たせた……本当に待たせてしまった。
　.　｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　チミたちには百万の感謝と謝罪でも足りない。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　うちに来てタンスにお蔵入りして一年が経とうとしているTENGAをファックする権利をやろう。
　　　丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　　｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
1521： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:18:00 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　 ,- ‐‐ -　､
　　　　　ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀､
　　　　　　i_ _ _ : : : : : : :{　　 / : : /
　　　　　　｀,_　_｀=-: : : :| 　ノ : : /　　　　　では早速始めていこう。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　申し訳ないが……お察しの通りアリスちゃんはあっち方面ではヘタレだ！
　　　　　　　ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　　　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　あっち方面はもう少し待っていただこうか！　今回もモコイさんと地獄に付き合ってもらう！
　　　　　　i: : : : : : : : : : : !
.　　　　　（｀ー‐-　　-‐　_}
1522： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:18:11 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
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甘い匂いが漂ってきた気がした。
布団を体の上から退け、張り付いた瞼をこじ開ける。

反射的に隣を向くが、アリスの姿はなかった。
起き上がり、重い体を引きずるようにしてベッドから出る。

昨日は夕食を済ませた後、手早く風呂に入り、二人で眠った。
ベッドが一つしかないから二人で一緒に寝ているわけだが、
もう一つベッドを用意しようと思えばどうということはないはずだ。

それを敢えてしないというのは、つまり、そういうことなのだろう。
嫌だと思うわけもないし、気恥ずかしさもだいぶ薄れた。
ベッドの中で触れ合ったりするわけではないが、安心できた。
それが何よりも大きかった。
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1523： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:19:50 ID:G/2mGvVY0: 　 // /　 /　　　,/ /　　 ,,イ／／/　/＼;_:!::|　!　ヾ::!
　 Y　|　/!　　　! /　 _∠/-／ナ /─ ,//!:| /　　j:::!　/
　　　 i　! |　　　|/ .／　/／　_j／　　//.|::|''　　/ヽ:ヽ|
　　　　ゞ! ＼　i! /i　　,ｨ';-f＝'j〆　　// /::|　　/　 !:::||
　　　　　　　＼|::/　　" 　（:o／　　j/　 !:::|　 /,／/j/
　　　　　　 ,. ゝ'　　　´￣´"　　　/　,イ! :| ,,/ イ/
　　　　　 ,.　　　　　　　　　／／　| .::|／　/　　　　　　おはよう。もう朝の九時よ？
　　　　ヽ　　　　　　　／,／　イ',ｌ :::|''　/
　　　　　　ｉ　　　　　　　　／／ ,ｨ " |　| :::|　/　j !　　　　　　「おはよう、アリス」
　　　　　　 !`　　　　　 ,／-ｰ "'　　　| /ｌ::::| /　 i |
　　　　　　丶　　　　　´　　　　　　 // `"'j/　　| |　/　　　　　酷い顔してるわねえ、顔洗ってらっしゃい。
　　　　　　　 `!　　　　　　　　　　　//　 /:::|　　 | |　|
　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　 //　 /|::::|　　 | |　l　　　　　　あ、お茶淹れたけど、飲むわよね。
　　　　　　　　 `─ -. ､..＿　　　 //　 / j:::/ｌ　　.| !　l
　　　　　　　　　　　　　　　￣ヽ//　 /　 |:| |　　 /　ゞ　　　　　　蜂蜜入れる？
　　　　　　　　　　　　　　　　　 //.　/　,,イ| |　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 _., -/" ／／/ / |　　 |
　　　　　　　　　　　　／::／''/／／: : j / ::|　　 |
　　　　　　　　　　／:::::/　,/　／ : : : /ﾒ:::::|　　 |
　　　　　　　　　　＼::::::ソ .／: : : : . //::::::|　　 |

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乾いた口をゆすごうと洗面所へ向かうと、通りすがったキッチンでアリスを見つけた。
手元にはトレーの上に載せられたティーカップが湯気を立てている。
傍にはコンロに載せられた鍋や耐熱ガラスのティーポットなどがあった。
ポットの中は赤に近い茶色の液体で満たされており、底に茶葉が溜まっていた。
以前お邪魔した時はティーバッグだった気がするが、その辺りも手間をかけること
にしたのだろう。

あれ以来、やる夫たちは何もかも機械やインスタント頼りだった生活を改めた。
一人で生活する分には便利なのだが、二人でいる分には味気ない。
それに、こうしている間は、手間をかける時間もある。

アリスに促され、洗面所に行き顔を洗う。
鑑に映る自分の顔は、今までにないくらい血色がよく見えた。
目も充血しておらず、昔の自分からは想像できないような小綺麗さがあった。

変わったな、と口には出さずに呟く。
あれから色々なものが変わった。暮らす場所、共に過ごす人。
昔の自分には、到底想像し得ないものだった。
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1524： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:20:43 ID:G/2mGvVY0: 　 |　 |　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{;;i´√ﾏ　{ﾑ　 i! i!￣
　 |　 | 　　|　　　　| 　　　　　　　　　|　　　　　　　ﾑﾏ/i!　 {{　 }ﾊ　i! i!
　 |　 |　　 |　　　　ｌ　　　.|　　　　 |　|!　　|　　　|;;ﾑ　 |　ﾏ　 |;ﾊ　ヾ
　 |　 i! 　　|　　　　 i　　　 |　　　　　}}ﾊ|　斗´i!i! .|ヽ;;i　.|　　iﾑ. ﾏﾊ　　＼
　 | 　 i!　　 i　　　　 ∨　 .i!　　　　i!/ 斗´从＿_ﾘi.| ﾉ;;| /|　　.iﾑ　ヽi　　　＼
.　 i　　i!　　 i　　　　 ∨　i! 　　 /ｰ ´　_x≦笊　 |i;;;;;|/ .iヾ　 iﾑ　＼
　　i　　i!　　　i!从从　 ∨ i!　　 / 　彡弌:::::ソ´　ｉﾏ;;|　 | i!　 i_ﾑ＼　＼
.　　i　　i!　　　-‐―‐ヾ. ＼ヾ　/　　　　´¨￣　　 }　ﾏ}　i!∨ヾヽ}　＼　＼　　　　　…………。
　　 i　ﾑ　　　i! ,xz笊仆､ヽ/　　　　　　　　　　/从{| | /､ヽ,　xzzzzx
　　　i　.ﾑ　　　ﾍ ⌒弋_ソ　　　　　　　　 // / | ﾚx≦//////////
.　　　}　iﾑ∨　　ヾ､　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ /　.|∧/////////////
.　　　|　|ﾏ､.∨　　ﾑ＼　　　　ヽ　　　　　　　 / 　 |///////////////
.　　　|　! .ﾏ.　ヽ　　.! 　ヽ　　　ｰ-‐ ´　　　　/　／///////////////
.　　　| .|　ヾ､　＼　}　　　｀＞x　　　　　　　　 /／/////////////////
.　　　ﾚ′　／/// 从≧x___ へ　｀≧-　　__ 　／/////////////////
　　　　　／/////////////// ＼_　／／￣////////////////////

　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　／　　 ─　　 ― ヽ
　　　　　　／　　（ ●）　（ ●）'
　　　　　　|　　　　（__人__）　　|　　　　　　　　　　　どうかしたかお？　やる夫のことじっと見つめたりして。
　　　　　　＼　　　　｀ ⌒´ 　,／　 (　::)
　　　　　　／　　　　　　ー‐　　ヽ　( ::)　　　　　　　　　「いや、あなたってお行儀いいなって。スラムで育った風には見えないわ」
　　　　　/　　　　　／＾ｰ r￣￣￣i
　　　　　|　　 i　　 /　　　ﾉ、＿__ノ
　　　　　|　　 l　／　　r‐´　　￣ |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
リビングに戻ってアリスが淹れてくれた紅茶を啜る。
口当たりがよく、ほんのりとした甘さがあって飲みやすかった。
温かいものが喉を通り、胃へと落ちていく感覚は心地が良い。

ふと、アリスがそんなやる夫の様子をじっと見つめているのに気づいた。
自分はカップを握った手を宙で止めたまま、薄っすらと唇の端に笑みを浮かべている。

行儀が良いと言われて、やる夫は三か月近く前、なのはに引き取られてからの
一か月を思い出した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1525： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:23:25 ID:G/2mGvVY0: ～回想～
　　　　　　　　　､_
　　　　　　　　 -―‐-､＼ヽ、
　　　　　　￣.＞ー-､ヽ}　ｒ‐-ｖ-―-　、
　　　　　　／.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　 :.＼ ,､ィ´￣.＼
　　　　　 '／／.::.:.／.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、彡ヽ:.:.｀ヽ:.:.:.:.ヽ
　　　　　 'イ.::.:.／.::.:./.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨,ﾊ:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.|
　　　　　　 /.:.:/.::.〃/.::.:.//.: /l｜:.:.:.:.:ヽ.:.:.Ｖ }'j:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　! .:ﾊ:.:./.:/.::../メ､/人|匕人::.｜ﾊ.:,' |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　 ∨ ｌ,｜:.!:::./ ○　　　 ○　ヽｲ//　|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|　　　　　　あーもう、こんなに食い散らかして……
　　　　　　　ﾘハﾍ:;'.""　　　　 """Y'「）. 　|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　 |:.ﾄ、　r―‐､　　ｲ:.|´　　|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|　　　　　　ほら、フォークを逆手で持たないの。
　　　　　　　　　 i:j 　＞､￣￣_ イ　|:.i　　　|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　'　　_,ｒト三トﾊ､　!' 　　 |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|　　　　　　「さかて……？」
　　　　　　　　　　 ,r‐'´ヽ∧_＾_∧/ ｀ヽ、. 　 |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　 /::::::／ゝ':,.从./ /＼:::｀>、 |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|　　　　　　　ちょっと貸しなさい、握り方はこう。
　　　　　　　　 ,'::::／　　ヽ∨/｀　　ヽ´ ﾍ.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　 ./｀´　/ 　　　 |　　　　　i　　';:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|　　　　　　　あと食べながら喋らない。飲み込んでからにしなさい。

　　　　　　　　､＿,. -'ｰﾍ,,_ 　　＿＿_
　　　　　　　／ : : : : : : : : v:´: : : : : : : : :: ＼
　　　　　　　´￣＞'"´　": : : : : : : : : : : : : :: ＼　／￣ヽ、
　　　Ο　　　／: : : ／,:´: : : : : : : : : : : : : : ヽ::∨ : : : : : ヽ
　　　　　　　/: : : ／ .: / : ,: : : : : : : : : : : : : i: : :|l : : : : : : :|
　　　　ﾟ　　 i　／i:: : : i : 7||:ﾊ::|i:: : /!ﾊ:.,ｨ !|｜::八 : : : : : : |
　　に　　　 i/ 　 |: : /| -l/‐ﾚ'ﾘ丶ﾄ|-‐ｻﾅﾚ/:/ 　＼: : : : |　　こ)　　　　　待って待って、なんでそんな血まみれなの！？
　　　　　　　　　　Ⅵ　､:ﾄﾞ ○　＿　○ 〃ｨ:/,-､　 | : : : :|
　　　　Ｏ　　　　　(_うﾄ､ゝ　　/　　ヽ　彡ソ仆ン　　j: :|:: ::|　　　○　　　　　「すみません、髭剃るの初めてで」
　　　　　　　　　Ｏ　＼ノ＞､」＿　レｲ「_」ｒ'´　　　|: :l: : |
　　　　　　　　　　　　　｀''-〈　l 只 l　ゝ´　　　　　　|: :l: :|　ﾟ　Ｏ　　　　　　　と、とりあえず止血……わーっ！？　続けようとしないで！
　　　　　　　　　　　　　　　（'^/∧ヽY 　　　　　　　l: :l: :|
　　　　　　　　　　　　　　　冫ｌ/　　} 　　　　　　　!::l: .|　　　　　　　　　　　手を止めなさい！
　　　　　　　　　　　　　　　く＞∧.イ｀>　　　　　　|::l: /

　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　_ -――-　＼／: : : : : : : ::｀ヽ. .
　∠,-‐ｧ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼　／￣｀ヽ、
　　　／/: : : : : : : : : : : : : : : : : :ノ ( :: : :∨: : : : : : : :＼
　／／: : : : : : : :ﾄ: ./ {.:.ﾊ.:!＜: : :⌒: :}: : .|l: : : : : : : : : .:|
/／//: : : : : i i　ﾄ､メ、ヽl ヽ／＞x.ﾍ: : :八 : : : : : : : : :|
　　/: : : i: : : |: |{　＼千‐‐ｖ"　　 }} 〉:.:./　＼: : : : : : :.:|　　　　　　食べられそうだと思っても口に入れるのはやめなさーーいっ！！
　　|: l: : | : : :l: :|ﾍ　ﾉ三三ヽ. __,ノ /　/　　　 |.: : : : : : :|
　　|',: : ｌ: ',l./|　　∧∧∧∧∧〃⌒..へ. 　　　j: :|. : :: : :|　　　　　　「食べられそうだったから、つい……」
　　Vヽﾄ､ヾ｜ ./　　　　　　　{{ ／ヽ.　　）　 |: :l:. : :: : |
　　　　　ヽ: ＞' . ＿＿＿＿∧{ ｀ヽ　〃　 |: :l:.: : :: .:|　　　　　　　お腹壊したらどうするのっ！　石鹸は食べ物じゃありません！
　　　　　　/⌒ヽ_,ｖ＜　l只l　　/　ヾ.__／　　 l: : l: : :: :.:|
　　　　　人___ノ　ヽ//∧ヽ /　 <´　　　　　 !: :l::: :: :.:.|　　　　　　　　分からなかったら変なことする前に私に聞きなさい！　まったくもー！！
　　　　　　　　｀¨¨７　Ｖ　Ｖ　　 >、　　　　|:::::l::::.: .:/
　　　　　　　　　　く＞､∧＿ . .イ｀>'　　　　　l: :| : : /
　　　　　　　　　　/ ＞――‐‐＜ヽ　　　　　ヽ:|: /
　　　　　　　 / /　　　　　　　ヽ.)　　　　　ヽ/
.　　　　　　〈_/
1526： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:24:26 ID:G/2mGvVY0: ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
　　　　　　　　　　　　　○
　　　　　　　　　　　о
　　　　　　　　　　｡
.　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　 '"　　 U　　　｀丶、
　　　／　＼　　　　　　　　　＼
. 　 /　　　　｀¨″　 `'ｰ'"￣｀
　　{　　三三　　　　三三　　　}　　　　　　その辺りは、なのはさんに叩き込まれたんだお。
.　　'.　　　　　　　　　　Ｊ　/
　　　＼ｕ　　ﾞ'ー'^'ー'ﾞ　　／　　　　　　　　いや……あの時は本当に手間かけさせたお。
　　　　｀¨７　　￣　　　 ‘,
　　　　　 /　　　　　　　　　　‘,

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恐らく、いや、間違いなくやる夫が養成所で孤立していた原因は、
そういった一般教養の著しい欠如だろう。

なのはとトウキョウのネクスト収容施設で過ごした最初の一か月は、
基礎知識の勉強と生活指導となった。

伊達に十三年間近く孤児として生きていたわけではない。
最初は栄養状態も最悪で軽い衰弱と診断され、
知識の方も、ベルトの閉め方すら分からなかったのだ。

知っていたのは自分がいた居住エリアのゴミ箱の配置場所や人通りが少なく
誰かに見つかりにくい物陰、ぼろぼろの財布を抜き取る際のコツなど、
スラムで生きるのに必要なことだけだった。

なのはも「トウキョウはオルデンブルク管理下のコロニーの中では手が行き届いてなくて、
スラム化が激しいって聞いてたし、結構治安も悪かったはずだけど……、
よく十三年も大した怪我もなく生きてこられたものだよね、びっくり」と言っていた。

そのような中でなんとか生きてきたものの、気付けば生きるために必要なもの
以外のたくさんのものが削げ落ちていった。
今では、仕事から戻ってきた父母が持ち帰ってきた配給食の味も思い出せない。
たまの贅沢と何かの菓子のようなものをくれたことがあった気がするが、
朧気でその時の父母の顔すら陰っていた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1527： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:31:37 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　 (_／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／)-′　｀
　　　　　　　　　　／　　　　　　 γ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／)｀　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 _{/:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ- ′　　　　　　　　＼
　　　　　　　 /　　　　　　　　 (_7:i:i:i:i:i:i:i:i:/}　　　　　　 ,
.　　　　　　 /　　　　　　　　　(`{:i:i:i:i:i:i:i:/ノ　 :/　　　 /:.　　　　`､　　　 `､
　　　　　　　 '　　　　　　　　　　(ヽ:i:i:i:i:i:i/)　　 ;′　　 ′:.　　　　 :',　　　　',
　　　　　　　　　　　　　　 _､‐'' ＞┐r‐ ﾐ=_　　 | : 　　 {: : : : 　　',　 i:.　　　 }
　　　　　　 ;′ 　　　 /ニ／　,イ{:{: : : ＼＼　|.: : 　　{: : : : :. 　 ',:. }:ヽ: :　　}
　　　　　　 ;′　 /　　　＼､__／/　 '､: 　　 > ヽ: {: :. 　 { i:i: : : : 　 }: :}: :i: : 　/
　　　　　 ;′ : /　　　.:|　＞-/:　ハ＼_／／ji :{!: :.　 {:从 : : i: : :}: :}: :}: : ./
　　　　 ;′. :/　　　 : l　　/ﾆ': 　 { : }＼彡': : ハ |＼: : |_j -＼ﾊ: /ﾆﾊ: i: :/
　　　　 ;′: /　　　.: : j 　/ﾆ'{: :.　:i : }ﾆ}　.: :/ 　＼　' ´-‐‐ 　 j/rｫ　}/|/　　　　　それじゃ、私もなのはに感謝しなきゃね。
　　　　 ;′ /　　. : : :;′/ﾆ':.{: :　 :{: :iﾆ}: .: /l 　／　,斗f坏､　　 {ﾘ!
　　　 ;′:/　　. : : : :;′ ｉﾆ|: {: :　　:', ﾆ}: : ji｜　　イ　辷ｿ　　　　＼　　　　　　　　今のあなたがいるのって、なのはのおかげだもの。
　　　 ,′/　 . : : : : :;′. :|ﾆ|/{: :.　 : :,ﾆ}: : ハ|／)／ )　　　　　　 /
.　　 /: ,:′: : : : : : /　.: : レ': :,: :i:　 : ∨､ :|／／／　　　　　 ,　　　　　　　　　
　　/／ . : : : : : : / . : : : :/ : : ', :l:　: f　rⅤ　/　,:´　,...　--､　　　/　_
　／　 . : : : : : : /. : : : : /: : :／! l: :. : ､.∨　/　 {　/　r‐―'　　 '´'"_　＼
　　 . : : : : : :／: : : : :,.:': :／:i:i:i| :l: : : :}　　　　｀~　 {　　　　//／｀`ヽ、ヽ
　　: :_____: ／_: : : :.／／(_＼:i:i:l :l: : : ', 　　　　　 '￣￣i　l{´ , --　,..　}
　／:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}h､ヽ )　 `(＼l :l: : : `､　　　　　　　∨: } |　ゝ'　 __　　　!
　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼⌒)　｀（| :|: : /(`＼　　　　 ∨j {　 } r'‐…' 　 ,
　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`､⌒)　 | :| : {　＼. `､　　　　　 }/,ﾊ.　Ｙ! ー‐
　:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ⌒) | :| : {　　｀ヽ}　　　　 / 〉ゝ|　/｀¨´　 /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスはしみじみと呟くと、白いカップをゆっくりと傾けた。

確かに、なのはは親代わりと言えるような年齢では決してない。
具体的な年齢は聞かされていなかったが、二十代ではあったはずだ。
けれど、両親が自分に教えてくれるはずだったものを、彼女は教えてくれた。
それはきっと得難いもので、感謝するべきことだ。

マナーや身だしなみ、一般教養や常識というものは、人間が社会を形成する
生き物である以上必須となる。それに囚われる必要はないだろうが、
欠片もなければただの野蛮人だ。

それらは人格や性格とは別物だし、個性の前に身に着けなければならない。
そう考えると、なのははやる夫に社会で、人の中で生きていく上で
必要なものを与えてくれたと言える。

親代わりと言うと彼女は「そんな歳じゃない」と怒るだろうが、
それに近い存在ではあった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1528： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:34:24 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　／　　─　　 ─＼＿
　　　　　　／　　（●）　（●）＼|l(^)　　　　……ごめん、電話だお。
　　　　　　|　　　　　（__人__）　　　l(_ ）
　　　　　　＼　　　　｀ ⌒´ 　　／⊂)　　　　　はい、やる夫です。
　　　　　　／　　　　　　　　ヽ　ﾉ

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紅茶を飲み終えると、丁度ポケットの中のPDAが震え出した。
取り出すと、画面にはなのはの名前が表示されていた。
任務の話だろうか。

アリスに断って電話に出ると、なのはの事務的な声が聞こえてきた。

「おはよう、やる夫君。朝早くにごめんね、今からドックに来られる？」

「大丈夫ですけど、どうかしたんですかお？」

「マーシフルの修理が完了したんだけど、駆動系が一部破損していて、
その辺りのパーツを交換したから起動試験がしたいって整備チームがさ」

そこまで言うと、なのはは急に声色を変えた。

「もしかして、邪魔しちゃった？」

「そ、そんなことないですお。今から行きます」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1529： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:34:36 ID:G/2mGvVY0: 　　｛ilililililillilil/ﾉ　/　　 /　　　　　ヽ＼
　　｛Ⅶilililili/ﾉ　 il　　 i　　　　ヽ　　ﾊ　',
　　　｛Ⅶil≦ｲ　　il　　.il　ﾄ､　　 i　　　 V
　_,彡ｲ水￣ﾐヾ=.il　　.il　ハ　　ﾍ　　i .il
ｲｲ　 //ハヽ　　//　　 il　 i　ﾄ　　ﾊ　 il il
ヾ　.//　　Ⅶ_／　il　 .升　|　ﾘﾊ　il ﾘｲ丿
　.Y /　　　 iliｲ.　 iﾄ　ﾊﾄ>K彡' ｝/ ｲ.／/　　　　　「ちょっとドックまで行ってくるお」
　//　　　　川　　.il ヽK' ／ｨ= /　i､ il
.//　　　　ﾊi.l　　人｝　ィ匕r:j　　　｀ー,　　　　　　ええ、大体は聞こえてきたから大丈夫。
Ⅵ　　　　 i　i.l　 .ハﾘ　　￣￣　　　　　/
illi｝　　　　il　il　 il　il　　　　　　　　_ _ｲ　　　　　　　行ってらっしゃい。食器、片しておくわね。
ilil｝　　　　il　Ⅵ/　ﾉ　　　　　　 - ' ﾉilﾘ
人　　　　　ヾ≧　'　　　　　　　　 / /　　　　　　　　「ありがと、戻る時には連絡する」
ilililゝ,　- -　､＼＼　r､＿＿＿ /i./
ィ三三三三三ミ､ヽⅦﾐ=､_
三三三三三三三ﾐ､＼iミﾐ､
1530： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:35:09 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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1531： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 21:49:07 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-――- -　、:＼
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　　　　　　 .ｉ:|:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|:.:| ヽ:.:ｉ:.:.ｉ:.:.:|:＼:.:.:.:.:.:ﾍヽ:.ヽ
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　　　　　 l:.ヽ:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.:.:匕:ﾁ |:.≠.ｌ/　　||,ｲう｡,/:.!:|:.:.:ヽ:.:.:.:ｉ　ヽ
　　　　　ヽ:.ヽ:.|:.:.:.:.:.メ´:||:.yﾋて个/　　/ .{::::j."ｉ/|:|:.:.:.|.ｉ:.:.:.:|　　　　　　　　来た来た。
　　　　　　　ヽ:./=ヽ:.|:.:.:i:.:ｉ,ｲ7::::::ﾟ::|　　　　 b:y /:.l/:|ｉ:.:.ｉ .|:.:.:|
　　　　　　　　ゝ　.个:.::.:ヽ|ヽらﾂ少　　　　　￣　|:.:ｉ:.|||:.:|　|:.:|　　　　　　　　　こうして直接顔を合わすのも久しぶりだね？
　　　　　　　　　＼ .|:.:.:|＼＼. ゝ¨　　　　、　. |:.:.|:.| |:.|　 |:|
　　　　　　　　　　　ヽ:.:.:|　　　　　　　　　　ｲ|:.:|:ﾍ/　　|　　　　　　　　　　「そ、そうですかお？」
　　　　　　　　　　　　ヽ:.ヽ.　　　　　　　` ´　／:.:.|:/:.:.ﾍ
　　　　　　　　　丶:.丶＞　、　　　　イ、:.:.:/:.:ヽ:.ﾍ　　　　　　　　　　　　待機の時はアリスちゃんの部屋に二人で籠りっきりじゃない。
　　　　　　　　　　　　　　＼ミ　　　 ` ≧´ 　 !＼:.:.:.:.丶:ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　,>.|ヽ　　＞＜　 /　.ｉ:`＞x.ヽ:ﾍ　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　 ,､r´:/ | >‐、´　　　 /　　|::::::::::::::::::::｀ヽ、
.　　　　　　　　 ,､r´:::::::/　 |/>-<＼ . 　 /　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　,､r´::::::::::::/　　./└t┘　ヽ./　　　 .ﾄ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　／::::::::::::::::::/　　／|./ Ⅹ.ヽ　ヽ　　＞┘　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::|

　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : ／: ; =ﾐ: : : : : : :＞ｘ）:}
　　　　　　　　　　　　　 .:′: ;厶イぅ:／: : : : : : : : : : :=;彡ﾑ:ヘ
　　　　　　　　　　／:r 彡:代=Lｲ: : : : : : :／: : : : : :}: : : : : :‘，
　　　　　　　　／.: :.:| 「: :〃: /:/: : : ／/: : : /: : : /: : : : : : : :',
　　　　　　／.:.:イ:ィL.レｲ{:/:/: ￣ｲ7: :ｧ-ィ: : : ;ｲ:. :. :} : : i: : :.
　　　　　　厶彡: : : : :〃:∧;.ｲ: :/}「芹卞:ﾐ7: : :/ ﾑL_:/: : : |: : ﾄ
　　　　　／ィ: : : : : ／/: /　ﾍ7:ィ:1`辷ソ_Ｖ／7'ィfｒz:/; : : : :|: : |ヾ:、
.　　　／／/: : : :／ .:':／|　{ Y人!:| .:.:::::.　/′´ 以ﾉ/:/: : i.: :|: : |　＼　　　　　おはよう、やる夫君。
　　／／ ,.:′:.;イ　 /:/　 Lｉ」 jﾊ小|　　　　　〉::.｀7ｲ:1 : : |: :ﾊ : |　　ヽ
　 .:′′.:′.:／/　〃'　　　　ﾉ }ﾄ!　　　ｰ　_　　彡: : : /!/　}: ;　　　　　　　　邪魔して悪いが、愛機の相手もしてやるといい。
. /／　 /: ／.::/　〈r≦-￣｀ K＝=:L＼　｀　 .:イ: :/: : / j′ j/
.《:{　　/／.::::::′　 7.:.:.:.:.:.:.:≫ｘ.＞､　｀7＜　　 .:.:/: : / / 　 /
　ヾ:v'.::::::::::::::{　　 .′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i|　＼/::::::|{　　 /ｲ.:.:./ /　　,′
　　/: : : : : .:.:ﾊ.　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l|　　ヾ:::_廴.／　|.:./. ′
　 .′: ; : : : :. :.∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.└-　_ 　ヾ辷x　厶′
　{: : :/: : : : : : /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ／: : :.｀: .､トミｽ、
　 Ⅵ: : : : : : r=≦.:.:.:.:.:.:...:√￣ィニ=ｰ-=ミ:ﾌ⌒ヾ入、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ドックまで行くと、格納されたマーシフルの前でなのはとシグナムが話し込んでいた。
近づいてくるやる夫に気づくと、二人とも小さく手を振って応えてくれる。
旧友の間柄らしく、彼女らは心持穏やかな様子で話していたようだ。

なのはに茶化されつつ、マーシフルの巨躯を見上げる。
見たところ、外観には変化がなさそうだった。
駆動系ということは内部パーツを交換したということだと思うが、
起動試験が必要な程のことなのだろうか？
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1532： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 22:04:46 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　/ 　 /　　　　V∧
-､_＿　i　　 i　　　_ 　 V i
､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　〉___〉 ! i'　／!. 　＼　　　　　　／　　　＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　　　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　　_＿/　___i´ ＼
___.＼　＼{! 　＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　ヽ、. ヽ
{　｀ヽ､ー‐}!、　　＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　＼ilililililil/　 /　 V/ }!
{　　　　　　＿V/／´｀､＞。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/
ililil{_　　　_＿／　　＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　ヽV/
iliﾄ､　＼　　　　　　／　　｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　〉　　　 }!
ililili} 　　Ｖ/　　　./　　　　　　｀＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ＜} 　　　＼
ililili}.　　　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　　｀＞ー - -ヽー､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　　　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　＼
´＼　　　/　　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「マーシフルとロストワードは、元々ラケル博士が独自に開発した
ハイエンドパーツで構成されたネクストなの。
本来なら、修復やパーツ交換はトウキョウのネクスト収容施設にあった
予備を使わないと困難なのだけれど、今はラストワードの予備パーツで代用してる。
けど、駆動系だけはちょっと代えが利かなくて、オルデンブルクの正規品にしたの」

言われてみれば、装甲などもリペイントされているとはいえ、
今までのマーシフルと少し違って見えた。全体的なフォルムは変わらないが、
どこかロストワードと似通ってきているように思える。

ドック内に張り巡らされたブリッジへエレベーターを使って上がり、
解放された胸部装甲からコックピットへと乗り込む。
パイロットシートに背中を預けると、手足が固定され、
うなじのAMS接続ジャックへとケーブルが突き刺され軽い衝撃が奔った。
視界が暗くなり、次に目を開いた時には、ドックの光景が広がっていた。

マーシフルの掌を自分の掌のように握ったり開いたりしてみる。
そこで微かな違和感を感じた。
自分とサイズが合わない手袋を無理やり着けているかのような感触だ。
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1533： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 22:22:06 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　／￣￣＼
　　　／ノ　　ヽ__ 　＼　　　　　「どう、変な感じはしない？」
　　／（―）　（― ）　＼
　　 |.　　（_人＿）　　　u　|　　　　少しだけ、なんだろう、突っ張るっていうか……
　　　＼　｀⌒ ´　　　 ,／
　　　 / 　　　　　　　　ヽ　　　　　　でも、戦闘に支障が出るものでもありませんお。
.　　 /　l　　　,/　 /　　 i

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
だが、戦えなくなるほどではない。
慣れてしまえばどうということでもないだろう。

むしろ今までが恵まれすぎていた。
新人で無名の独立傭兵がかつての英雄の機体、それもハイエンドパーツで組まれた
ネクストに乗っていたのだ。
生き残れてこられたのも、それが大きい。

これからは、機体性能ばかりに頼ってもいられない。
ハイエンドパーツで代えが効かないのであれば猶更だ。

万が一、マーシフルが修復不可能なレベルまで破壊されることでもあったら、
全く別のネクストで戦うことも視野に入れておかねばならないだろう。
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1534： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 22:33:39 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　＼ ,　, ／＼
　　　　／　　（●）　（●）＼　　　　　　　「違和感がある、か。ちょっと無茶かもしれないけど、新規パーツの建造要請を……」
　　　 |　　　　（__人__）　　　|
　　　　＼　　　 ` ⌒ ´　　,／　　　　　　　　一応、お願いします。けど、このままでも戦えますお。
　　　　　ノ　　　　　　　　　　＼
　　／´　　　　 _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ　　　　　　　ハイエンド機じゃなきゃ戦えないなんてことも言ってられませんお。
　　 |　　　　ｌ　（ l　/　/　/　l
　　 l　　　　l 　ヽ　　　　　 /　　　　　　　　　最悪の場合、マーシフルが完全に破壊されたら、別のネクストにだって乗ります。

　| : : :/　/: : : : : //: {: : :/: : :/: : /: : :/ : : /: : :/: /: : : /!: : : : :!: : /:/: : : : |: : :ヽ: : :
　|: : /　/: : : : : //: :|!: :/ : : /: : :ｉ: : :/ : : /: : / //: : :/ ｉ: : : : : }: /: / : : : : |: : : : ｉ: :
　|: : ',　{: : : : : ://: :| !: i: : /|: : : |￣/｀ -/‐-／_/: : / ./: : : : /: /! ,'|: : : :|: |: : : : |: :
　| : : ∨',: : : : i　i: : | | |: :/| ! : : |: :z=≠≦__　/｀／､ /: : : : / / |/　!: : : ! /|: : : :|: :
　|: : : : ∨.', : :|　|: : |　|: /　! ｉ: : | /ヽト′::::仍｀ヽ　 /: : : : /┼ /―┼-/:,'l |: : : :|: :
　| : : : :.:| ヽヽ.|　|: :.|　| i ヽ | | : | {　　辷zzシ　　/: : : : / ,≠乏ﾃｱ: :/:/ } |: : : |: :
　|: : : : :.| : : ヽヽ : : |　|/＼ !: :!: |ﾘ　　　　　　 / : : ／/ 仍:ソ／} // / | |: : : !|: :
　|: : : : :.| : : : : : : : :.|　||: : |､:| ヾ､　　　　　　　 /: :／　　　ヾ-　// }: /　/ !: :/ }: :　　　　　いい心がけだな。
　|: : : : :.| : : : : : : : :.|　.| : :.| | !: :!　　　　　　　/／　　　　　 ./: : /:/　.〃}: /　i /
　|: : : : :.|: : : : : : : : .|　 | : :| .| ', ', 　　　　／　　　　 !　　 ./ !: /　　 / /:/　 /　　　　　　一流のリンクスたるもの、たとえ乗騎が変わっても
　|: : : : :.|: : : : : : : : :L___|: :|　|　': ヘ、　　　 ',￣フ　 ´　　ｲ　i /　　　 /／
　|: : : : :.|: : : : : : : : : : : : :,┴!|　ヾ、ヘ、　　　　　　　イ　〃　　／　　　　　　　　　　　一流の戦果を出すものだ。
　|: : : : :.|: : : : : : : : : : : /:.:{　＼　　　　＞　　　　＜　　　 /
　|: : : : :.|: : : : : : : : :, イ:.:.:.ヽ　　ヽ、　　　＞＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　随分頼もしくなったものだな、なのは？
　|: : : : :.|: : : : ,､r ´　 .!:.:.:.:.:.:ヽ　　　　｀ヽ、　 {/ !｀ヽ、
　|: : : : :,､r ´　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　/ヽヽヽ　｀ヽ、

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コックピットから降りて正直な所感を述べると、
なのはとシグナムは満足げに微笑んで頷いた。

たとえマーシフルを喪失する事態になったとしても、
リンクスであることをやめる気はない。

戦うことと、アリスとの暮らしを守ることが同義である限り。
どんなネクストであろうと、リンクスとして戦場に立つだけだ。
機体や状況に甘える気はない。
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1535： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:04:46 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ´:.:.´――　、
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ:.:.:.:.:.:＼
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　　　　　　　　　　　　　 |:.:./:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.:.:./:.:.:./:.:.:./:.:|:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:ヽヽ:.:.:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:./＿／|:／/:.:|/:.:./|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ｉ　＼:.:.:ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:|:.|:.:.:.:.:.|:.丁／/Ⅳ｀テメ/:./　|:.:./|:.:/|:.:.|:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:|　　ヽｌ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ:.ｌ:||:.:.:.:.|:./r≠=て7=、 /／　 |:.丁ﾒ-||:.:/:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:..|:.:.:.:.| 　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 >|:.|:.:.:|:.||ヾら:::::ﾟ::::} 　 /　　./∠=z//下:.:/:.:/|:.:.:.:.:/|:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　||ヽ:.|:|ヽ. 辷zzメ_　　　／./::::o::7ヽ/:.:./:.:/:/:.:.:.:/ |:.:.:.:.!　　　　　……ねえ、やる夫君。
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ |:.ヽヽ.　　　　　　　　〈⊃::/.〃／//:.//:.:.:./　|:.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:.|＼　　　　　　　｀¨≠/／:/／/:/:.:./　 .|:.:/　　　　　　アリスちゃんとは、上手く行ってる？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.:.|:|　　　　　　　　　´　　　　./:.:.／／:|/:./　　/:/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:.;||ヽ　　　　　 ` ー　　　　./:.／/|:.:.:/:イ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　 rゝ:.:.|　＼　　　　　　　, イ|:.:.:./:.:!:／|:.:|
　　　　　　　　　　　　　　　,､..イ´ﾍヽ:.| 、　＼　　　,　＜´:.:/:.:.:/:.:.:|:!:.:.:.|:.:|
　　　　　　　　　　　 ,､r::´´:::::::| 　ﾍ　＼＼　　｀ﾌｌ　　.|:.:.::/:.:/:.:.:.:.:!:.:.:.:.!:.:!
.　　　　　　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::|　　ﾍ　　　　＼-/ |ヽ:.、|:.:./／:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:!:.|
　　　 ,､r::´´:::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　ﾍ　　　 / | |ゝ.| ヽ::ヽ:/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.|
　 /´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　　　.ﾍ　 / ゝ≠| |　ヽ::::::＼:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:|:.|

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不意になのはが尋ねてきた。
上手くは行っているはずだ。お互いに慣れていないことが多くて、
まだまだぎこちない二人ではあるが、これから少しずつ慣れてくるだろう。
小さな不満も出てくるだろうが、二人で改善していければいいなと思う。

素直に答えると、なのはは「そう」と短く呟き、それからやる夫の眼をまっすぐ見据えた。

「ねえ、やる夫君。誰かと一緒に過ごすってことは、
何も同じ価値観を共有することだけが全てってわけじゃないんだよ。
アリスちゃんが右って言ったら右、じゃなくてね、自分でしっかりしないと。
いざという時は、自分がアリスちゃんを守るんだ、くらいの意気込みでね。
でないと、アリスちゃんが弱った時、君一人じゃ何もできなくなっちゃうよ。
いい？　アリスちゃんが言ったからじゃなくて、自分の意思でアリスちゃんに寄り添うの」

なのはの真剣な声色に思わず考え込む。
確かに、自分が今この場でこうしているのは、
他ならぬアリスが傍にいてほしいと言ってくれたからだ。

選んだのはやる夫だが、理由を考えたのはアリスだ。
戦う理由を、命の理由を、アリスはくれた。
そんな彼女のために全力を注ぐのは当たり前のことではないのだろうか。
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1536： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:18:54 ID:G/2mGvVY0: 　　　　,イ　二二: :ヽ　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ、 : : : : : : : : : : : : : : |
　　　／　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ヽ、: : : : : : : : } ヽ : : : : : : : : : : : : |
　　　／: ／/: : : : !: : : : : : : : : : : :/: : : :ヽ: : : : : : :r-: }ヽヽ: : : : : : : : : : |
　　 /: 〃: :/: : /: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : /´: : |:ヽ: ヽヽ: : : : : : : : |
.　 /／/: :/: : / /|: ! : : : ! : : ヽ: : : :､: : : : : : ヽ-: : : }‐ : }: : :＼＼: : : : : :.|
　/　ｉ: : :ｉ: : :ｉ: ｉ: |: :|: : : :|: : ＼＼: : ＼: : : : : ヽ／: : : :,'ヽ : : : ヽヽ: : : : :|
　　　{ : : !: : :| |: :!: :!ヽ: : ヽ: : : ヽゝ　斗‐‐: : : ‘，: : : ./| | ｉ: : : / / : : : : |
　　　i: : l| : : | |: :', ｀ヽヽヽ ,斗 ´ ＿z,≠､: : : : : :',: : /| .| |ヽヽ// : : : : : :|
　　　|: :| !: : :|! | !| ｉ !圷､: : ', 　イ乏:::}/ヽ:ヽ : : |',: i:/ ||　| | ',／: : : : : : : :|　　　　　　　……出撃要請か。
　　　 ! | ‘， |ﾘ ',ヽ:| .!ﾋﾘヽヽ　辷zｼ　　 | ‘， | ∧､ |.| .| |: : : : : : : : : : :.|
　　　ﾘ　　', ｌ　ヽ: |. !　,　＼ヽ　　　　　 | | .!: :|:/ ヽ| |　| |: : : : : : : : : : :.|　　　　　　　話の続きは戦いが終わってからだ、いいな。
.　　　　　　ﾘ　　ヽ|.ﾍヽ　　ヾ､　　　　 | |　ヽ |、　 | |　|| |: : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　＼ヽゝ　　　　　 .| ! 　ヾ､',　｀　 || |: : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　 |:＼　　　　,　　〃　＿ ----､　 | ｀ : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　| | .｀-　´　ヽ /:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ | : : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　ﾘ　　　　 /:.:.:.:.,:::::´￣￣￣￣:::::|: : : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::: |: : : : : : : : : : : : |
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天井のスピーカーから女性の事務的な声が流れる。
緊迫感を出すアラートのようなものがけたたましく施設内へと響いた。

「オルデンブルクより緊急出撃要請。第一から第五ノーマル部隊、
およびネクスト、マーシフル、ロストワード、キャバルリィ。
当該パイロットは直ちにドックへ……」

シグナムが踵を返し、恐らくは自身のネクストが格納されているであろう
方向へとヒールを鳴らして駆けていった。

なのはへと視線を戻す。
彼女はやれやれと肩を竦めて、それからやる夫の肩を優しく叩いた。

「行ってらっしゃい。絶対に二人で生きて帰ること、それが戦いの中で、
君がアリスちゃんにしてあげるべきことだからね」

頷き、マーシフルを見上げる。
敵が何であろうと、ネクストが何であろうと、背負うものは変わらない。
戦う。戦って、生き残る。いつだって、戦場に生きる者にとってはそれが全てだ。
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1537： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:19:18 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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1538： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:35:49 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　＿＿,.．'´￣　　　　｀丶、
　　　　　　　　, '"￣フ￣l ｀ヽ　　　　　　　＼
　　　　　／' 　／　　| 　　　　　ヽ　　ヽ
　　　　　〃　　,ｲ　　　 | 　　 ! 　　　 | 　l　　 i
　　　　　 i'　　 ,'　　　　l、　　 |　l| |　l､| 　|　　 |
　　　　　　　 |l 　 |　　| ｣ム　　|ﾍﾅ7メ､|　 |　　 |　　　　　　　　オルデンブルクより緊急通達。
　　　　　　　 || |　ヽ.　|ﾊ|=､ヽ、l 彳うﾐ､|　 |　　 |
　　　　　　　　 |ﾊ､ヽ从l 化ﾘ　 `　ゞ‐'　| 　|ヽ　 l　　　　　　　　現在、旧ドイツエリアの同社所有施設、
　　　　　　　　　ヽﾄトゝ　　、　　　 | 　ﾚ' 　 l
　　　　　　　　　　　　|　i、　 r_，　　 |　 | 　　!　　　　　　　　軍事要塞グラオシュタインが襲撃を受けています。
　　　　　　　　　　　　|　| ＞、　　 , イ | 　| 　　l
　　　　　　　　　　　｜ | 　/ｿ）T,.,_,.､jｰ|　 |　　　|　　　　　　　　出撃可能なネクスト機、ノーマル部隊、MT部隊は直ちに出撃願います。
　　　　　　　　　/j　|＿l | ﾚ',ｲﾑﾄr )| 　|.,.．-┴..、
　　　　　　　　　　／:´l　l::::::! 　 '´ｨ,'(_ﾟ)､| 　|'::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　 /::::::::::! l::::::| 　　!/ ｲiヽ|　 |:::::::::::::::::::::::!
　　　　　　　　　 !::::::::::::| |:::/ヽ、　j '´||l| ||　 |:::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　l:::::::::::::| |::|　/ )､ルﾉl､|l｣|　 |:::::::::::::::::::::::l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨,
　　　　　　　　ト,　　　　　　 __　　　 _　∨,
　　　　　　　　 ∨,　　　　_　＼〉- 〈 //^:∨,＼
　　　　　　　　　　　　〈≧s。‐=≦ヽ　〉_/__/　 }　∨,_/
　　　　　　　　　　 %__ノ　)　)ﾆ}ﾆﾆ辷___l__/　 ∨〈
　　　　　　　　　　　　　廴_／　/ f⌒}　 {　＞斗 /ﾍ ∧
　　　　　　　　　　ィi／{__l　γ}　_) f　 /二}__∨‐〈＼∧　　　　　　　「現在確認されている敵勢力はアヴィアコル製新型ネクスト多数、
　　　　　　　　％／　ﾏ {　 /　ﾏ/ }斗f㍉∧ ∨∧　∨,
　　　　　　／／　　　 Ⅵ /　＜イ(( /乂ﾆ}/‐:∨∧　∨,　　　　　　　および同社所有の巡行戦艦スキッドブラドニルとなります。
　　　　　／／　　＿＿f＞{　 / //_∧　 /V　 l　l¨l⌒ {
　　　　／∠二ﾆ=‐‐=乂≧s{ / /{　　∧／ i　 :.　! !ﾍ/ i　　　　　　　　　両者ともに未確認の兵装であり、詳細は不明です」
　　　 ⌒　　　　　　　ゝ斗　〈‐〉　〈　　　{　 /⌒ミゝ´
　　　　　　　　　　　　　　 / r ＞‐〈/)≧s。/∧:(二)　!
　　　　　　　　　　　　 / / /⌒}　/　　　(_ノ{_　 }l　:|
　　　　　　　　　 / / /　　 /　　　 l　∧　 {:　 |
　　　　　　　　　　　　 / /　7　　:/　　　　 ∧　ｉ　} |
　　　　　　　　　　 /　{　/　　/　　　　　 }f⌒}　!　i |
　　　　　　　　 /　/ /　　　　　　　　ｉ　:. / | ,
.　　　　　　　　〈_／f {/ﾆ/　　　　　　　　　 !　 {　! /
　　　　　　　　　　　 | |-　∧　　　　　　　 l　:ｉ　{/
　　　　　　　　　　　乂//／　　　　　　　 f ﾏ⌒　《
　　　　　　　　　　　　　　　^　　　　　　　　　 ∨,　乂ノ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈/ ｌ　ｌ＞'´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒
1539： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:43:53 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　／. 　ｧ' |　　　　　　＼　　 l　　　　 |、
　　　 /　　 /　 |　　　　　　　　＼　l.　　　　 |
. 　　 / 　　 /. 　ｌ　　　　 '，　　 .|　　　 |　ヽ
.　　 ,'　　　 '　　 ', 　､　､　　'，　　 |　　　 |＼ヽ
　　　|.　　　 | |　　.ﾍ　＼　{＞―-､.　|　　　 |￣ヽ'
.　　　　　　ｌ |　　　ヽ　 <ヽ{　ヽヽヽ|.　　　　|!‐ ､
　　　　　　　 ',|ヽ＼　＼ |　l　　,ヽ ',　|.　　　　| 〉　〉
　　　　　　　　ヽヽ　＼{＼ﾄ､.}ｧ'′　＾. |　　　　|/=' .ｲ: .　　　　　　　　既に我らに与する独立傭兵のネクスト二機が応戦していますが、
　　　　　　　　　　ﾚ′　　　　　 |　　　 |ｧ‐彳､: : .
　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　　　│　　　 |! 　　 ',: : : .　　　　　　両者ともに低ランクのリンクスです。長くは持たないでしょう。
　　　　　　　　　　　 l　　　　　 |　　　 |　　　　',: : : .
　　　　　　　　　　　　ヽ｀´　　　│.　　 |　 <⌒イヽ: : ＼　　　　現場は混乱しており、現状も詳細は不明なままです。
　　　　　　　　　　　　　 ∧　　 , |　　　 |ー''´ } ＼___＼: :
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＜斗.　　 |＼　,ィiニニﾆ=-　　　　細かなミッションプランはありません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 <　| 　　　|　／ニニニﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼|:/　　,':∨ニニニニﾆ=-　　　　　敵を撃滅し、我々の拠点を死守してください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ,' /ニニニニニﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /ｲニニニニニﾆﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /ニニニニニニニ==-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 /ニニニニニニニニ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　 ./ニニニニニニニニﾆ=-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　 {ニニニニニニニニニ=-
1540： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:44:58 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　 '汽'，
　　　　　　　　　　　　_　‐{{―Y― ､、
　　　　　　　　　　> ´　　　ヘ}!　　¨¨''''＜
.　　　　　　　 '　　　　 l　 `　　　　　 ` ､
.　　　　　　　 /　　　　　　 |　　　　　　　　　　ヽ
.　　　　　　 ,′　　　　　　| 　　　　　　　　 V
　　　　　　　l　| 　　　　　　|　　　　　　　　　　 i ',
　　　　　 |. |　　　　 | 　ﾊ　　 | ヽ.　　　　　　 Ⅳ
　　　　　 | |　　　　斗―ﾄⅥ!　 |斗― ､　　　 | !
　　　　　　　|ハ l　|　Ⅳ∨　 l ﾍ　| | ハ　　　　　|　　　　　　　以上、作戦の説明を終了します。
.　　　　　 | ﾊ:ﾍ. ﾄ.|ミ==‐　　　ヾ -=彡| 　　|.ﾊ从
.　　　　　 |　　| ` |､　　　　　, 　　　ハｲ.八　　　　　　　　　強力にして多数の敵勢力です。
　　　　　　　′　|.　 |-､　　､ , 　　 .ｲ. ハ|
　　　　　 /　　 |.　 |: : :＞､　　 , ＜: |　|.: :|　　　　　　　　　　　心して臨んでください。
.　　　　　 /　　　l 　 |: : }⌒个⌒7⌒/:.|　| : :|
. 　　　 / ,ｨﾆミ,'　 ,'‐≦＼Y⌒Y＿/zx|　|,､zx
　　　　 /,ｲ////　 /＞''´ =i{　　}ﾄ　ヽ/|　|//∧
　　　 //////l 〈　　　　　 ,ゝ彳ヾ.　　 > '// ∧
　　　 //////,l . ヘ　　　 /: :| | ＼　　,ｲ　 ^// ∧
.　　　///////.l　// ＼／　| | |　　￣ヽ/,　 '///.∧
　　 ////////,ｌ //､.　　　　| | | 　　　　〉|　 l////,|
　　/////////l |/////≧zzzzzzz≦////|　 |/// ∧
　　寸///////l |///////////////////|　 |////ア
1541： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:46:13 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿__._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └‐ｫ |UU　 `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くノ　　　　　＼ ,,_人､ノヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　)ヽ　　　　（　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -　＜　　　　　　＞━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　)　　　　　て
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／^⌒`Y´^＼　　　　 ._ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＵＵ/7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くノ
1542： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:47:51 ID:G/2mGvVY0: ┌────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│オルデンブルク軍事要塞防衛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
│　アヴィアコル新型ネクスト群、および未確認戦艦を撃破せよ　　　　│
│　僚機：ロストワード、キャバルリィ、他多数　　　　　　　　　　　　　　....│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
└────────────────────────────┘
1543： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:48:14 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └┘

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1544： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/04(月) 23:50:24 ID:G/2mGvVY0: 　　　　　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　／: : : : : : : : : : ::',
　　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　今回はここまでとしよう。
　.　｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　次回は大乱闘フロムブラザーズだ。主任！？　いったい何を！
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　それじゃ、シーユーアゲイン。
　　　丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　　｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　次の投下は14日の木曜日、午後九時からだ。待たせてごめんね、私頑張るよ。
　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
1545：安価のやる夫だお：2019/11/05(火) 06:18:36 ID:HcctizOw0: おつおつ
1546：安価のやる夫だお：2019/11/05(火) 19:06:56 ID:TMBWXSR20: 乙でした
1547：安価のやる夫だお：2019/11/05(火) 22:26:50 ID:oo5ZLXkU0: 乙
1548： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:10:01 ID:Vum6fb660: 　　　　／||ミ
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　|:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _ｌ　　　　　　ハロー。
　|:::::::::::::::||: : : :-=´_　_,´
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　|::::::::::::::(_ノ／ . . . ||
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　　＼ ::::||
1549： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:16:04 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　_　_　_
　　　　　　　／: : : : : : ｀i
.　　　　　　i: : : : : : : : : :!
　　　　　　　､: :○: : ○: :!
　　　　　　　 i: : : : : : : : : i
　　　　　　　 l: : :,, --_ｯ: :',　　　　　　　チミたち元気かい？　モコイさんは最近熱出したり眠気が凄くて午後七時に寝てみたりと
　　　　　　　丶｀‐'´: : : :ﾉ
　　　　　 / ´: : : : : : : : ｀ヽ　　　　　ちょっぴり不調だ。ユンケル貰ったりしたが効きやしない。
　 . 　　　　/: : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　 , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　それはさておき、今回は混戦の相を呈する防衛戦だ。
　　／: : : ,-ｲ: : : : : : : : /｀丶: : : :､
　ｒ⌒ ,／　/: : : : : : : : i　　i: : : : i　　　　安価も出そうかなと思っている。
　 ` ‐ '　　/: : : : : : : : : |　　 ! : : : |
　　　　　 i: : : : , _ -‐ ´,) 　｀ヽ _|　　　　それじゃあ戦争の時間だ。大戦争を！！　一心不乱の大戦争を！！
　　　　 (_ _i￣(_　-‐'´i
　　　　　　|　:|`‐´i : : : : |
　　　　　 |: :ﾉ_ _ ﾉ: : : : :|
　　　　　 |: : : : : |: : : : : !
1550： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:16:14 ID:Vum6fb660: : :＼_／／,: : :／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :! : : : : : : : : : : : : :ヽ
: : ／／: :{ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : ＼
／／: : }:/: 〃: : : : : :/: : : : : : : : : : :!: : : : : !: |: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ
／ |: : ゝ //: : : : : : /: : : :/: : : /: : : } : : : : |: :|: : : |:ヽ: : : : : : :ヽ: : : }
: : :.| : // /: : : : :/:/: : : //: : /}: : :./|!: : : : :!: :! : : |}: ｉ: : :! : : : : |',: : ｉ
: : :.|: :/ ! i: : : : /-i､: : / /: :/　i: :/ / } : : : | : |}: : | | |＿ }: : : : :} ｉ : |
: : :.|: :-､ |: : : /: : |: ／｀ヽ、 / ／/　 | : : !: : ! | 才 __ : : !: : : : :! | /
イ´　　　 !: : / : : |≦=≠===､ヽ､　　|: : /!: :,≠坏〃: : /!: : : : } |/
　　　　　 |: /: : : :ヽヽ　{::::::::::らヽ｀ヽ !: / }:ｲ::::::::// }: :/ |: : : :/ /
.　　　　ゝ| |: : : : ヽ　　ヾ､zzｼ　　　 |/　}/弋zノ　/! /　|: : :/　　　　　　　　　　　　　　凄まじい数だな……データにもない。
　　　／／ヽ! : : : :|ヽ　｀￣　　　 /　 /　　　　,'//| 　|: :/
　／／　　　＼: : :!　　　　　　　　　ヽ　　 ,'/ : |　 |:/　　　　　　　　　　　　　　　　敵の親玉は、あれか。
　 ∨ ',　　　　　 ',: : ',　　　　　　　　　　 ´　　, ｲ　}: : |‐≠―――――――――
　　 ∨.',　　　／∨:∧ヽ　　　　　 - ‐　　　イ| |／|: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　∨ ヽ／:./:.:/ヽヽ.__≧　　　　　　∠ ‐ ／ : :|: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
　　　　ヽ/:.:.:/:.:.:.|:::::::ヾ、::::―::::＞＜二　　 /ヽ: :|/￣￣￣＼: : : : : : :,　 ´￣￣
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. -:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::::::::::::::::::::/://　　／/.／　　　　　　　　　　　＼
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.L＿___／:.:.:.:/ /　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ

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メインカメラの上で水滴が弾け、溜まる間もなく流れていく。
雨天の中、レーダーに映るロストワード、キャバルリィと共に空を翔ける。
輸送機から射出された時には、既に戦場だった。

黒鉄の城塞とでもいうべき六角形の巨大建築物に、
漆黒のネクストがこれでもかという程に群がっていた。
なのはと歴史の勉強をしたときに流れた映像資料にあった、蝗害の光景を思い出す。
細身のネクスト群は昆虫を思わせるフォルムをしており、
左手には標準的なIGIOライフルが握られていたが、右手には奇怪なブレードがあった。

その姿に、やる夫は見覚えがあった。
アリスからも通信で確認される。

「聞こえる、やる夫！？　あのネクストの群れ、前にも見たわよね！？」

「ああ、コロニー防衛の時に。
けど、あれほどの数のネクストに乗せるリンクスなんて、用意できるのかお！？」

風を切り雨に打たれる音へ割り込む形で通信が入る。

「おい、救援か！？　救援だな！　こちら防衛戦力ネクスト、マキシマムベット！
早くしろ！　早くしてくれぇ！」

焦燥感と混乱と恐怖にかき乱された声がキンキンと頭に響く。
事実、レーダーは大量の敵反応で埋め尽くされていた。
地上も空も敵で覆われている。

正面から見て遠方に、浮遊する無骨な灰色の戦艦が見えた。
空飛ぶ鉄塊とでもいうべきそれは、静かに空中に鎮座している。

「あれって、アヴィアコルの兵器プラントにあった……
破壊したはずなのに……もしかして、あれはダミー？」

戦艦が視界に入ると、なのはが微かに動揺した様子を見せた。
そうだ、あの戦艦も一度は破壊したはずだ。
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1551： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:24:01 ID:Vum6fb660: 　　　＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　‐''´ ／　　　　　　　 ,､　　　　　　　　　　　.',
　　〃　　　　 /|　/　ｌ　 |ヽ、　　　　　　　 |
　.,'　,ｨ　　　　　ﾑｆ /　　ｌ　.L 」　,､　　　　　　|
　|／/　　　_,,､ｖ‐'l/　ij　 ', ┌-､　_　　　　　｜
　.　,' ／| ./__,,r－､　u u　ヽ|､-ヽ| ヽ　　　　 |
　　|/　 |/ｌ(_　　　ヾ、　〃　　　｀)| |-‐ ､　 |
　.　　　　ｌ.(´　　　O )　;; ､ O　　　)| |ﾆヽヽ｜　　　　　　　　助けてくれっ……！　もう無理だっ……！
　　　　　　l..ヽ、 r-／..::　ι┐ rｌ'´ |.| -､| ..ｌ　l
　　　　　　.l;;;;..｀／..:::::::::　u　し'/　 .l.|__,ノ /　 l、　　　　　　　　防衛部隊は壊滅……生き残ってるのは……
　　　　　　l　 (__:::::::::::u::｀)　／_　　||-- '′　　ヽ、
　　　　　　　l ｒ‐---‐-－-～'´__｀ｌ　|　　　ｌヽ、　　ヽ、　　　　　ノーマル小隊四つと俺、カスパールのネクスト二機のみっ！
　　　　　　　l.ｌ￣￣￣￣￣￣　（　|　　　ｌ　ヽ､＿ヽ
　　　　　　 lｌ二二二∠二二二ﾉ.ﾉ　　　|　　　　ｌ　￣　　　　　無理だっ！
　　　　　　　 _ヽ　　,,,,,,,,,,,,,,,u　　.／ |　　　ｌ　　　　ｌ
　　　　 ,､-''´　,ヽ ij　;;;;;;;;,,　　／;;　 |　　 ,'|　　　　 .ｌ
　_,､‐''´　　　 /　ヽ　u　　／;;;;;;　　ｌ　　/ |　　　　　ｌ
　　　　　　　/　　　ヽ、／;;;;;　　　ﾘ　 /　|　　　　　.l
　　　　　　./　　　　　｀lヽ''''　　　　ｌ　/ 　.|　　　　　 l
　　　　　 /　　　　　　 l .ヽ　　　　 .ｌ /　　 |　　　　　 .ｌ
【ブライドルランク22　カイジ　独立傭兵】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　　　　　 ,ｲ ,.:个．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　　　台　　　　 ___i／／ﾟ｡‘．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　 } ﾄn 　 {_}　　 ,.s≦ ／／=i=ﾑ　ﾟ．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|', ﾞv‐＝ミ､ ,|」芸､　{_}　／　／／二=iﾆ=ﾑ　ﾟ．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'´｀ヽ､ __.f　　　,ｨヽ!_|/ 　｡' ｡‘二二iニニﾑ　ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　八　　　/:,-{fi_fioｿ､/:.:∧　/ /二二ニi二ニ=ﾑ　ﾟ,
　　　　　　　　　　　　　ｎ､　　ﾟ．　 {::{:.l八_,_,jノ:／:.<z/ /ニr‐-ﾐ_」__,z=ﾐニ}　 i
　　　　　　　 n＿＿＿__Uﾉfj¨fjつ≧xj:{､!/____j／,:´: :.｡' /ﾆﾆ辷＝=-､＿//ﾆl　 :
ﾏ二⊃===ﾆ二|圦ニ斗匕zzzzzﾑ＿＿〕ﾑ|:.:.:.:.:.:',:.:ｉ:_:_:/ /二二二ﾆi二二二ﾆ=l　 i
　　　　　　　[l二二ljljljljl_((っ}⊂〉￣￣｀ﾏﾑ‐､─r‐≦'　'二二二二ｉ二二二ﾆﾆl　 l
　　　　　　　　　　　　　　　ﾐ三ｿ｀￣￣´ ￣,ｲ{三}「i ,' .,'二二二二i二二二二=l　 l　　　　　　撤退の支援を要求するっ……！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ∧i￣￣il　l二二二二i二二二二ﾆ!　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ:./:.:.ﾟ．:.:.:.:l　l二二二二i二二二二=,゜　′　　　　　　放棄すべきだっ……この要塞をっ……！
　　　　　　　　　　　　　　　　　〈__/:.:.:.:込､:.:.l　l二二ニニi二二二ﾆﾆ/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r<ﾑ￣￣ _＞l　l＼二二=i二二ニﾆﾆ/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧　ﾏzzｧ'⌒ヽ.l　lﾆ}二ﾆ=i二二二.___/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨￣ア'´: : : : :.l　lﾆ}二ﾆi二二ﾆ/ﾆ, ゜ , ゜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | f´ ｡　　　: : :.% ﾟ｡_}ﾆﾆi二ニ／ﾆ/　x゜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ込､＼　　　 : :/ Ⅶ/ﾆ=iﾆﾆf´ﾆ／／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　〈＼____＞､ー彡'　　Ⅶ二iﾆﾆ=／,イr‐-､_＿ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞー─‐'´￣´　　　　 Ⅶ=i_＞ﾟx‘　ﾟ,　　　　ﾞヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅶ斗‘　ヽ＿>─r─rミ＿〉
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ_{ﾑ　Ⅶ　j} 　 l:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑﾞー´ 　ﾉ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ:ト─‐≦:ノ
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【ネクスト：マキシマムベット　種別：重量二脚】
1552： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:24:33 ID:Vum6fb660: 　l　　　　＿＿__　　　　　　　　　|
　.!..::-‐:::´::::::::::::::::＞.､　　　　　　l
　 l‐-　..,,_:::::::::::::::::::::::::::丶、　　 l
　 .!ﾌファｧｰ-　二　─--- ;:＞‐---.､　　　　　　
　　!´／/ / ｒ‐ラ‐_三ﾐ､￣ΤT: ─--:＞.､　　　
.　　l ／ｲ　l ｆ/二_ ｒｫ〉ヽくﾙﾌ: : : : : : : : : ＼
　　 l／ノ!　 u　　￣´ /＾ヽ＼: : : : : : : : : : :丶　
　　 !彡'l ＼　　Ｊ　　 {　　 _＼ > : : : : : : : : ／　　
.　　 l彡ﾍ.　｀' 　　　 U｀〈::::::::/ : : : : : : ／　　　　　　　　　　言うは易く行うは難しってかぁ！
　　　 l_彡' 　U j 　　＿__　｀二}: : :＿／
.　　　 l　　　 :{　 ,ィ"-ｰ　二三{￣　　　　　　　　　　　　　　　　何でもいいから早く戦線に加わってくれぇ！
　　　　l　　　　 l.　Ｌ,ィ´￣ ,.---､）　　　　　　　　　
.　　　　l＼　　　＼　　ー'" ｕ　　{ 　　 __ｒ‐､　　　　　　　　　　　無茶ってもんだぜッ！　俺たちゃしがない雇われだぞ！
.　　　　 !: :丶　　　ヽ　Ｕ＿＿__} ）　.ｆ　ヽ‐ヘ、　　　　　
　　　　 l ＼: :｀: -一': ´: : : : :ｆ´＼　　{｀ー＼ ,.ヘ、　　　　　　　　このままじゃ押すも退くもままならねえ！
.　　　　 l　　丶、: : : : : : :＞' ヽｰ'＼＼　 '´＼.　＼　 ,.ｨ'＾i　　　
　　　　　 l　　　＼Ｕ｀￣＼.　　＼./´＼ヽ.　　ヽ-‐ﾍ.　| L__!　　　　
　　　　 !　　　　　ヽ　　　 | ｆ´＼＼ _ノ＼　 -=ﾍ.　 ',. ｌ.__　|
　　　　　　l　　　　　　　　　 l　ヽ¨´＞＼.　　＼　　 ',　Ｖ　　´}
【ブライドルランク21　ホル・ホース　独立傭兵】

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　　　　　　　　　　ヾ;';,;,';::::/|　| 　.,}--､_l::|＿|:::|
　　　　　　　　　　　 ';/ ,>､!,,='' ,,=<. /　/-ｲ　　　　　　　　クソッタレぇ！　帰れたらボーナス三倍乗せだ畜生ッ！
　　　　　　　　　　　　 //,, =''´, =､ /　/;;;;ﾉ|＿-_
　　　　　　　　　　　　 >::＼,／　!./__/;;::::::;;{;;;;;;;/',
　　　　　　　　　　　　ヾ;::::::|　／／ .}'''''''{_._._ ヾ､;
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　　　　　　　　　　　　　　 ,.----,´二ヽ,-､ヽ.ｲ￣/
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　　　　　　／　　 .／　　　　∧　ヽ,イ／_/　＼i!/＼
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【ネクスト：カスパール　種別：中量二脚】
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外壁付近では二機のネクストを中心とした防衛部隊が応戦していたが、
その周辺に転がる無数の残骸が劣勢を物語っていた。

AMS越しに多数の怒号と悲鳴が響く。

「通信範囲を縮小、前方に敵機多数！　ライフルとブレード装備のネクスト！
各機戦闘準備！」

なのはの冷静な声と共に、喧騒が遠のいていく。
視線を前に戻すと、要塞上空を取り巻いていたネクスト群が立ちはだかっていた。
一糸乱れぬ統率の取れた動きで、一斉にライフルをこちらに構えるのが見える。
視認できるだけでも三十機以上はいる。こんなに大量のネクストを目にするとは。

内臓が委縮し、僅かに呼吸が乱れる。
動揺を振り払うように、レーザーブレードを構えた。
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1553： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:32:07 ID:Vum6fb660: ＜iiiiiiｉﾄ＜三三＼　{　　　 7`ｫ｡.,,＞s｡,　　　　　　　　　　　　 /Y　　./ 斗%＞ﾏ=l!≧s=‐‐-｡弌s｡l!三三ニ
｡,ii`ｰ'｡,　　　`　＜ヽゝ＜　7　,'　　＞s｡,　＞s｡_,.､., _　_　_　　　 / l!　　/＼Y'　　　ﾉ寸三三三三ﾆ≧l!三三ニ
iiiii`(iiノゝ＞s｡　　//　　　` ' ＜　　　　弋,'´:::ξ`ｰ¨-¨。¨,>=/ﾆi!　／乂, ＼彡'”＼ `┐ゝ──＝＝l三三ﾆ
`ｰ'iiﾉ-‐ ’三ノ三＞s｡, 　　 ,'　　` ' ＜　 φ ｀う斗斥ｰ =ﾆ彡/三l!ｲ　／／ｨﾁ＼　　.＼j‐’ﾏﾑ三ニ=从三三
⌒'’ｰ-=､ニニニ/　　　 /　＞s｡, 　　 /⌒' ｰｫ-､｡sf升ニﾆ/ﾆﾆl! 　／　＼　　>＞'´　　ﾏﾑ三ニ/ﾏ三ニ
　　　　　寸ﾆﾆ〈　　　 /　,'　　　　＞s｡, , ィ升=ニニ,.｡s≦/三ﾆl! .／／' ＼／／　　　　　　寸ムﾆl　‘,寸ﾆ
　　　　　　　寸ム､,　　`'弌s｡.,　　　 , ィ升,.。｡s≦彡≦ﾆ/三三i! ' ｨ＼　／／　　　　　　　　　　寸ム乂‘，寸　　　　いいだろう……
　　　　　　　　ﾏ三ﾆ≧s ｡,　　　　 <｡s≦三ﾆ/三三ﾆ竓/ i ｨ 7 i!／ｨヽ／iiﾑ＜　　　　　　　　　　寸ム弌ｰ-
　　　　　　　　　 Yニニニﾆl’，｀ ' ‐-ミ' ＜三≧ｰ=ﾆ彡'¨¨¨ﾌ'κs｡,ヽ／xixix/　　＞s｡,　　　　　　寸ﾑ三=　　　　　私が地上の敵を叩く。
　　　　　　　　　 l!三三三ﾆl三^ヽ　　　iｘl, ┬`ー‐ア三ﾆﾆ/三ﾆ=)ﾆ≧s｡xｉx/＞｡,　　　　＞s｡,　　　　　ﾏﾑ三
　　　　　　　　　 l三三三三l三,ノヽｫイﾆ/　i! ,. ﾏ/三三ﾆ/三ﾆﾆ/≧s｡弌气s｡,　　　＞｡, _ ,z､,　＞s｡, 　ﾏﾑ=
　　　　　　　　 l!三三ﾆﾆ斗f'´ ／三ﾑ/ｸ┤彡Y三三ﾆ/三ﾆﾆ/ﾆ三三三≧　　＞s｡,　　　　　⌒＞｡　＞ﾏﾑ
　　　　　　　 i!┬=ﾆT三ﾆﾆ(三三ﾆヽ　j!/　l!三ﾆﾙ'三三ﾆ/ﾆﾆ三三三/　　　　　　　＞s｡, 　　　　＞ﾏ
　　　　　　　从三三三f乂三三ﾆ,｡♂"ｰ-=ﾏ三i!ニニニ/ﾆﾆ三三三∧　　　　　　　　　　　＞s｡,
　　　　　　　　　　寸三「￣　 `i三ﾆj′　　　　　冫=‐┐ﾆ/ﾆﾆ三三三/ﾆﾑ　　　　　　　　　　　　　　　＞
　　　　　　　　　 `ｰﾄ-‐==‐7ｰ '　　　　　　　　 l!ﾆﾆﾆlﾆl≧s｡`'弌ニ/三ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　ゝ‐-‐ ’　　　　　　　　　　l!三ﾆﾆlﾆl三三三≧s｡≧s弌ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l!Ij斗}!/χ"ﾏ≧s｡'弌三三ﾆﾏ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,｡s≦ﾆﾆ」ｵ"三ノ三ﾆﾆ≧s｡弌三ﾏ込、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.｡s≦三三三Y三ﾆ／三三≧s｡弌ﾆﾑﾏ=ﾏ込
【ネクスト：キャバルリィ　種別：中量二脚】

　　　　　　　/: : ,. - ´ ／: : : : :/: : l: : : : : : : : : : : ＼ : : : : : : _l_　} -. ､: : : : : ＼＼
　　　　　 / ／　　 /: : : : ／/ : : l l､: l: : : :ヽ: : : : : :丶: :,.-く　 r_〉 __: :ヽ: : : : : ＼ヽ
　　　　　 l/　　　 /: : :,.ｨ : : l: : : :l､:lヽ:斗-‐ l : : ＼: : :弋　　l-' : l-.､丶: :＼: : : : :〉〉
　　　　　　　　　　/: :／/ : : : l: : : l,ｫﾃ7フ､: : l ヽ: : lヽ : : ヽノ: : : :l､､＼＼: :＼: / /
　　　　　　　　　 /: /　/: : : : : l: : :ｌ迎i　　 l: : l: :lヽ: :l 丶: : :ヽ: : : :l ヽヽ:＼＼_ / /
　　　　　　　　 l /　 l: : : : ｒ'　ヽ: l　　　　 l: :l: : :l ヽ l: : ヽ : ヽ : :/､ : l l: : :＼_/_/ :
　　　　　　　　　 l'　　 l: : : : :〉_　ヽl　　　　　l:ハ : ﾚ',l: l: : : ヽ : l／　丶:ヽヽ: : : : : : :　　　　　　アリス、やる夫君。
　　　　　　　　　　 l: : : l: ヽ｀ヽ　　　 /: : ﾊ: l ヽl:l : : : : l: :l　　　＼:＼＼ : : :
　　　　　　　　　　　　　l: : ｌ l: : ｌ　　　　　 /,. -┴_. ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ l: :l　　＿_　＼:＼＼:　　　　　　　君達は空の敵を墜とせ。
　　　　　　　　　　ヽ l　ｌ:　〉_ .. -‐ 'ﾞ ,.l　「　　　　　　 l: l '´　　　丶　＼: : :
　　　　　　　　　　　　　　ヽl　l: :l｀`'' ‐- ､l: :l　l　　　　　　　／ l:l　　　　　　ヽ｀ｰ　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l l : l'´,　l: :l l　l　　　　 ,. ｧ'′　ﾘ　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／l: l'´　l: :l　 l　l　,. -'´ /
　　　　　　　　　　　　　　　く　<l: ! 　 !: ｌ／／　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼l:l　　 l < <　　　　 /

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シグナムが凛としたよく通る声で突撃を宣言したが、やる夫は頷くことはできなかった。
あの数だ、突っ込んだら無事では済まない。

「なのはさん！　どうします、このまま戦って勝ち目はあるんですか！？」

「どのみち、もう包囲され始めてる！　殲滅にしろ撤退にしろ、
まずは数を減らさないと！　とにかく交戦してみて！
敵機を解析してプランを再構築する！」
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1554： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:41:41 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　／　　　 /　　　　 //　　ヽ　ヽ　｀　　、
　　　　　　　　　　　／　　 /　　/　　　　 ' '　　　| 　 |　　ヽ　＼_
　　　　　　　　　　 /　　　 /　　/　/　／／　　　 |　　|　　　｜　/小
　　　　　　　　　　　　/／　　 /　　/　/ ／／　　　　　　| 　 ,　j　　|　 |:| |:|
　　　　　　　　 // /　　 ′　/　イ　/　　　　 /　/　/　/　　 |　 |:| |:|
　　　　　　　／/ / |　　| |　.'　/ ｌ// 　　　　/　/　/　/　　l ｌ|　ゞﾆｲ
――-　、　　／イ /　l| 　 | |　|　{／/　　　　　／　/／　 ,′　川　　　|:|
ー―-､::..＼　　　｜|｜∥ 　|弋トく /　　__,,. ／/ ／ /　／＿∠/ﾉ　　 ,ハ
:::::::..＼＼::..＼　 |｜| ハ　十=ヽ ≧＜´ 　　 ´ 　 /∠≦／／ /　　 /　|
:::::::::::::..＼＼::..＼ヽ{ ﾍ{　＼ l ヾ_｛._リﾒﾐー　　　ｰ彡イリ丁ア /　　　/　｜　　　　　　　全く、ろくなもんじゃないわね……
二二＞::::｀ー-　＼/　＼　＼ "´￣　　　　　　　　　´￣ミｰ /　　／　 |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　　　＼_ ヽ　　　　　　　ｌ　　　　　　　／　／　　　,　　　　　　　　生き残るわよ、二人とも。
:::::::::: ,　ニニ丶／　　　　 /.:::｀ヽ　　　　　 ,＿　　　　／ｧ￢´　　　　 /.::
::::::／／..::::::::::／　　　　　 /.:::::::::::ﾉ＼　　｀￣｀　　　　／..::/ 　　　 /／..:　　　　　　　こんなところで死んでられるもんですか。
／／..::::::::::／　　　　　ｲ┬-ｒ':::::::::::::＞ ,.、　　　,.　＜:::::／　　　　 /.::::::／
／..:::::::::／／　　　　　　'..::::|}　|:::::::::::::::::::/:/｢兀:ﾄヽ::::::::／　　　　　／.:::／..::
::::::::::／／　　　.／／..:::::::::|}　|::::::::::::::::/:/:::|:| ｣:Ｌ＞'　　　　　　／.:::／..::::::::
::::／イ　　　／／..:::::::::::::::|}　＼::::::::〈:〈＞￣-―　　　　　　イ::::／..::::::::::::::
::::::::/　　　／／..:::::::::::::::::::::|} 　　＞　´　＿＿＿,,.. -一ｧ'´　{ﾚ'/.:::::::::::::::::::
＼/　　／／..:::::::::::::::::::::::::::|} 　／　　￣|::|　　　|::|ヽ:::／　　　|/.::::::::::::::::::::::

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　／　（●）i!i!（●）　＼　　　　　　　了解……
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ヽヽ〆|　　　　　　　　 .|

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撤退は許されなかった。
とにかく、戦わないことには始まらないらしい。

空と地を埋め尽くす無数の敵目がけて、地上へと降りていくキャバルリィを
視界の端に収めながら、ロストワードと共にオーバードブースターを起動する。

不安と恐怖をジェット音が塗り潰していく。
背後でコジマの燐光が収束し、視界が一気に後方へ吹っ飛ぶ。
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1555： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:45:49 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐-　ミ　　　　　　　　　　　 .｡s≦ﾆﾆ＞''~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ　　　　　 /{　　　　 ´　　｀寸ﾆﾆ` ､　　　　　 .｡s≦二二＞''~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |l　　　 /={　／　　　　　　 }ニニﾆ∨.｡s≦二二ﾆ＞''~Ⅵi:i:i:`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐━‐-　ミ　　　 |ｌ　　　 /二{　　　　　　　　　ﾉニニﾆ=}ニニニ＞''~Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:ｉ:`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　｀寸ﾆ=` ､　 |l {＼ /=二{/{　　　　　イニニニニ;ﾆ＞''~Ⅵi:i:i:i:iⅥi:i:i:ｉ:Ⅵi:ｉ:ｉ:`,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／′　　　　　　　ｌニニ=ﾟ,　|l {　//{ﾆﾆ{'ﾆ≧ 七／}ニニニニﾆ／　Ⅵi:i:i:i:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i`,
　　　　-‐=＝＝＝＝＝=‐-　　　_,'ﾆ人　　　　　　　ﾉ二二ﾆi　|l ∨,':.:{ﾆﾆ,=ﾆニ／二,ニニニﾆ／＿__]ｉ|￣￣＼i:i:i:i:i:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i`,
　　　　　~＾“　‐=ﾆﾆ＝=‐-　　 __j二ﾆ=≧=‐　‐=≦二二ﾆ{ﾑ　|l:/={:.:ﾉ= /`､.／{ニ=/ニﾆﾆイ L三三]ｉ|: : : : : : ∨i:i:i:iⅥi:i:i:ｉ:Ⅵi:i:i:i:
　　　　　　　　　　」LlL　‐=ニ二∧ニﾆﾆ`､ﾆ（￣ ~''＜__／ﾏﾑ「＼_／{l/ニ/: : :{二/‐'^'＜__/´= ／￣从: : : : : : :∨i:ｉ:ｉ:Ⅵi:i:i:ｉ:Ⅵｉ:ｉ:i{
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　　　　　　　　　　l|i:i:ｉ:|l 　　 Ⅵi:／ニﾆﾆ`､ﾆニ{ﾆﾆ{ﾆ二ﾌ　　＼j{l__／￣{ 　 Ⅵi:i{l,　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ　Ⅵi{　 Ⅵ
　　　　　　　　　　l|i:i:i:|l　　　／ニニニﾆﾆ∨ﾆ乂_ﾉ／　　　___{lﾘ､______/　　r‐ ､:{l,　　　　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ
　　　 (二)＞ _ ｣Zﾕﾆ=-‐七I~ニニニニニニｉiニ=/イ　　　　/ r ､　｝ニﾆ〉　 ┤　＼
　　　　＼丶´ニﾆﾆ≧s｡ﾆﾆ=｀Yニニニニﾆ=|lニ/　　　　__,/__∧ ＼i￣ｉ／ =/r‐ ､　＼
　r=⇒'-‐7´⌒ヽニニニ}二ニﾉニニニニﾆﾆ|ｌr'ﾞ　　　 ./{￣￣^∧= l　 |ﾆ=/{[{: :: :.ヽ　＼
.　'ｰ‐七Ii{　　　 }ニニﾆﾉニ／／´￣￣￣￣　　　　 /ﾆﾟ,二ﾆﾆ=〈ヽL _|／〉＾ﾏ､ : : ∧ｰ‐┘
　r=⇒'､彡､　ノ二ﾆイ,,､　''~　　　　　　　　　 /ニﾆ､ニﾆﾆ∧lﾆ=ﾑ/　　i}ﾑ.:.:{lﾆ'､
.　'ｰ‐七Χ/=,‐-‐七I~　　　　　　　　　　　　　　 r‐'＾､ニニ＼__/l|i:`寸ﾆli　　乂}: {l厂{＼
　　／／/=/　　　　　　　　　　　　　　　　 /≧s｡=ﾆﾆ＞''"~”~　l|i:i{^∨」　　　　 Wﾆ=i: :.ﾊ
　 L／　 L/　　　　　　　　　　　　　　　　　{ニニニ｀YニY　　　 l|ｉ:{　 }i:l､　　　//ilﾆﾆl: :i=}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人ニニﾆﾆ|二ﾉ　　　 .l| {　！ｌﾑ　　 {l{从==Ｌﾉ∧
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進行を阻もうと敵ネクスト群が目前に躍り出る。
数にして八機。いずれも漆黒にペイントされた蟷螂のような形の機体だ。

応戦しようとするやる夫の隣で、ロストワードが両腕を広げると、
瞬く間に紫電が周囲を覆った。
背部のマルチプルレーザーキャノンが赤い閃光を迸らせ、
アンカーユニットが生物的に思える軌道で四方八方へと展開する。

クイックブーストでロストワードと距離を取り、やる夫はやる夫で
刃先で天を衝くようにブレードを構えた。
FCSをオートロックから手動照準へと切り替え、刀身を二又に展開する。

これだけ密集していれば、目を瞑っていたって当たる。
ブレードを振り下ろしながらレーザーを発射し、
熱線の刃として要塞上空を薙ぎ払った。

射線上の敵機たちが赤熱し膨れ上がって弾けていくのが見える。
ロストワードもまた、接近してきた敵ネクストを次々と爆散させていた。

「こいつら、案外脆いわよ！　動きも悪い、行けるわ！」
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1556：安価のやる夫だお：2019/11/14(木) 21:52:59 ID:cY52NFy20: ハロー

ネクストって、適性のある人しか乗れないんじゃなかったっけ？
1557： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 21:54:52 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　 /　/／/
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::::::::::::::::::::::::::::ト--ｲ::}..;..;..;..;..;ｿ　　./_,ィ´ 　ゝく　フﾉ化ﾘ　　　　　　　　なんだ、動きがおかしい……？
￣￣￣￣｀ー―― 'ゝ..;..;..r'　　　　　〉＜　 /　 ´.イ彡′
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　　　　　　　　　　　　　ト'´　丶r-'´.　｀　　｀ー、＞トrt
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　　　　　　　 r::/´　 r‐ '´　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ゝ＼_ ｀ヽ
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　　／　ゝ:＜´｀´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＼丿｀ヽ、
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アリスが怒号と共に突撃していく。
確かに、機動性はよくても動きが単調で読みやすい。
耐久力もマーシフルやロストワードの火力には耐えられない程度のようだ。
これなら、どれだけ数を揃えられても戦えるはずだ。

ロックをマニュアルからオートへと切り替え、ライフル弾の雨を掻い潜りながら
レーザーブレードとアサルトライフルによる掃射を行っていく。
命中さえすれば、どこかしらが吹き飛ぶ。
最初はあまりの物量に恐怖と混乱を覚えたが、何とかなりそうに思えた。

こちらの弾丸が敵機のうちの一つを掠め、右腕部から黒煙を上げさせるのが見える。
とどめにもう一発と思った時、違和感が手を鈍らせた。
敵機がライフルをパージし、オーバードブーストでこちらへと向かってくるではないか。

右手には奇妙な形をしたブレードが装備されている。
嫌な予感しかしなかった。

近づけないようライフルとレーザーブレードを乱射するが、それでも数には勝てない。
やがて群がってくる敵機の中から一機の接近を許した、その時だった。
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1558： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 22:05:31 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　「ｌ￣!i|　　|!　i!　|
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　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　ヽ　　__ﾉ;;;ヾ=二三　:;:;:　:;：;:;；・　　，｀ﾞヾ:;:;:;:;::;:;:ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　｀丶　　　　　》:;:;;#ﾉ彡三二三」──　二=≡≡＝ヾ:;:;:．，ゝ　──　─　i!二二二｀７
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼丶　ヾ，:;'ﾞ´'人i从'※'iﾐ彡∠ﾞ´　　　　　　　｀ヾ:;:;　；:;:レ'　　　　　　　　/７∠／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヾ人'ﾞ´;:'´川彡／ｒ-三ﾞ´　　　　　　　　　　　｀ﾞヾ;:;　;:／　　　　　　　〈_/
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　　　　　　　　　　─　=　二　　て:．》　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|i:;:#i!`i'|!i　/７∠／
　　　　　　　　　　　　　　　　　！iﾞ´i!|　　　　　　　　　　　　　　　　　＼'　　　　人ﾞ-─∠　ﾞ｀　　　　〈_/
　　　　　　　　　＼　　　　　　`i!ﾞ´　　　　　.，人-ｰﾉ:；i|!ヾ　　　　　　>ヾ'ﾞ´　::::::::::::;;;:#i|!　i|ヾ
　　　　　　　　　　　ヾ、　　　　　ゞ'ﾞ´　｀ﾞ　::;:;´　ヾ》::　::;:;ヾ　　　.ｒ'ﾞ´;;;;;;《'ミﾞ´i三二＝ヾ　ﾞヾ
　　　　　　　　＼＼　　,:;'ﾞ´:;:;:.、`・／;;;;;;彡三三三ヾ　丶i|!#　i!iﾞ´　　　　　　　｀ﾞヾ:;　:;て
　　　　　　　　　　　＼ヾﾐミi!#ﾞ─＜#i!`|ﾞ´三二＝─-.，.、＼　;:;!ii　　.::'ﾞ｀　　　ﾞ::.、　i|!ﾐ　　／
　　　　　　　　　　　ヾ:;i!iﾞ´'ﾞ´:::;;;:》i|!iﾞ`　　　　　　　ヾ;:そi|:;：;．，　:　　　　　:　　　　ヾ:;．、て
　　　　　　　　　　 ─＝二て　人从#ヾ|＼/人从/　　／　＼ヾ　／/　#i∧ノ/《ヾノ！　　ノ/人从／

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視界が白く染められ、凄まじい振動に襲われた。
ダメージアラートが鳴り響き、思わず喉を震わせ恐怖の叫びを上げた。
訳も分からずクイックブーストを連発し、その場から退避する。

黒煙を纏いながら敵機の群れから距離を取ると、
爆風で阻害されていた通信が回復した。

「自爆してくるって……三人とも気をつけて！
そいつら、プログラミングでもされてるみたいに動いてる！
ある程度の損傷を負ったら組み付いて自爆を狙ってくるみたい！
距離を保って戦うか、一撃で仕留めて！」

ネクストを駆って戦い、撃墜されそうになったら自爆するリンクス？
到底信じられなかった。リンクスとて人間だ。企業への忠誠心や報酬金云々より、
最後に優先されるのは生き残ることのはずだ。

任務達成が困難となれば撤退するリンクスなどごまんといる。
異常だ。
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1559： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 22:10:29 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 ,. -‐-､　　　　　　　　　　　　　／:/⌒
　　　.. ／: : : : : :ヽ　　 . . .-――-. . ､　l: :/-‐: ￣￣｀ヽ
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　　i: : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_: :＼
　　|: : : : : : : : /: : : : : : :＼: : : : : : : : : : : : : :i: : : : :＼ヽ: ヽ
　　| : : : : : : : !:{:{: : : : : : : : :＼: : : : : : : : : : :l: : :l: : ヽ:ヽヽl
　　| : : : : : : : l: l lヽ: : : : : : : : : :＼: : : : : : : l: : : l: : : i: :l　 }　　　　（どういうこと？　敵機のどれもが、全く同じ軌道で動いてる。
　　|: : : : : : : : l: l:l: :＼: : : : : : : : : : : : : : : :/'´}: :l:/: : l: :l
　　|: : : : : : : : ﾍ: : : : : : : : : : : : : : : : : : r‐/〉': // : : ﾊ: l　　　　　　やられそうになったら接近して自爆……にしたって、躊躇いがなさすぎる。
　　|: : : :l: : : : : :|ヽ: : : : : : : : : : : : : : ／{ l .l'ｲl /|: : / .}/
　　|: : :/ : : : : : l　_ヽ: :⊥: _: : : : : ／　　〈ｲ: l/' l:／　　　　　　　　　あの子たちが相手どってるのは、本当に人間なの……？）
　　|: :/: : : : : : /./'⌒l´　　　｀ー ´　　　　.l: :l　 '
　　|:/: : : : : : /　r-'＝＝＝=_-､ /　　／l: ,ﾘ
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1560： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 22:22:43 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　/: : ,. - ´ ／: : : : :/: : l: : : : : : : : : : : ＼ : : : : : : _l_　} -. ､: : : : : ＼＼
　　　　　 / ／　　 /: : : : ／/ : : l l､: l: : : :ヽ: : : : : :丶: :,.-く　 r_〉 __: :ヽ: : : : : ＼ヽ
　　　　　 l/　　　 /: : :,.ｨ : : l: : : :l､:lヽ:斗-‐ l : : ＼: : :弋　　l-' : l-.､丶: :＼: : : : :〉〉
　　　　　　　　　　/: :／/ : : : l: : : l,ｫﾃ7フ､: : l ヽ: : lヽ : : ヽノ: : : :l､､＼＼: :＼: / /
　　　　　　　　　 /: /　/: : : : : l: : :ｌ迎i　　 l: : l: :lヽ: :l 丶: : :ヽ: : : :l ヽヽ:＼＼_ / /
　　　　　　　　 l /　 l: : : : ｒ'　ヽ: l　　　　 l: :l: : :l ヽ l: : ヽ : ヽ : :/､ : l l: : :＼_/_/ :　　　　　　こちらキャバルリィ！
　　　　　　　　　 l'　　 l: : : : :〉_　ヽl　　　　　l:ハ : ﾚ',l: l: : : ヽ : l／　丶:ヽヽ: : : : : : :
　　　　　　　　　　 l: : : l: ヽ｀ヽ　　　 /: : ﾊ: l ヽl:l : : : : l: :l　　　＼:＼＼ : : :　　　　　　持ちこたえているな、二人とも！
　　　　　　　　　　　　　l: : ｌ l: : ｌ　　　　　 /,. -┴_. ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ l: :l　　＿_　＼:＼＼:
　　　　　　　　　　ヽ l　ｌ:　〉_ .. -‐ 'ﾞ ,.l　「　　　　　　 l: l '´　　　丶　＼: : :　　　　　　　今向かう、待っていろ……っ！？
　　　　　　　　　　　　　　ヽl　l: :l｀`'' ‐- ､l: :l　l　　　　　　　／ l:l　　　　　　ヽ｀ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l l : l'´,　l: :l l　l　　　　 ,. ｧ'′　ﾘ　　　　　　　　＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　/ニニﾆ∧ 　 l
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　　　　　　　　　 /ﾊ { {乂,∨ﾆﾆ/　 |二=,|≧=‐=≦ ∠====ミ　　　　ィｱ
.　　　　　　　　　 ^　V　　　 Ⅵ , 　　|二ﾆ√二二二＼=_..斗≦ア　／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/|二ﾆ{二二ニニニ/二ﾆﾆ/　／　 /
　　　　　　　　　　 _..斗≦ア　　/ 　 /={二ﾆ{∧二ニﾆﾆ,/二ﾆﾆ/／　___/〕iト,
　　　　　　　,､丶`: : ／　　　　〈　 /二{＼ﾆ{=∧ﾆﾆﾆﾆﾉ二ﾆ／＿∠__〉二二〕iト.., __
　　　　　／: : : :.:／　　　　/7∧　∨={ﾆﾆ入ﾆ=ゝ‐=≦ニ／二二ニニニﾆ＼＼　　｀`～､
. 　　　/: : : : : :/ 　　　｜ｉ=∧／(,八=从＼=_..斗≦ｱ二ニニニニニﾆﾆハﾆ,寸　　　ヽ
　　　　/: : : : : :/　　　　　｜|二/二∧=＼={　　/二/ィi{ニニニニニニニﾆﾆ/}ﾆ=‐　　　　 }
　　　　{: : : : : /　　　　　 i{ {ﾆ/ニﾆﾆ,`､二≧≦ゝｲ二二ニニニニニニﾆﾆ/=}ﾆ=‐　　　　 /
　　　　)二二,{_　　　　　　/Ⅳ/ニﾆﾆ,／二＜___／二二二ニニニニニニﾆ/ニ}二ﾆ}　　　 ,
　　　ア二/=〈　　　　＞〈二/二=,／二ﾆﾆﾆﾆ/二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐ ‐=ニ}二ﾆ} 　／
　　　/ﾆﾆ/二/ア＜ ≧=‐=≦“''＜二,､丶`ﾆ,〈二ﾆ=‐ ‐=ﾆ二ア/∨‐=ﾆﾆ二二}二ﾆ}_／
　　　)ﾆﾆ{二/二二二二二二二二二(二二二二二二二二二/　 ∨‐=ﾆニニ/ﾆ=,/
　　　乂ｱ“''＜二二ニニニ／‐=ニニ/二二)二二二二ィi〔^⌒　　　寸ﾆﾆﾆ,ノニ／
　　　{⌒}／／ ~"''＜二ﾆ/ニニﾆﾆ＜ニニ/二二二／=/　　　　　　　 ) }≧=≦
　　　辷ｱ^^　　　　　{=〕iト,ニニニニニ／　／`～､二/　　　　　　　　} i}
　　　　　　　　　ゝ‐=≦〕iト..,ﾆﾆ／　／/ ＼　寸　　　　　　 / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　／〕iト..,／／/^⌒＼　＼　　　　　／ノ
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　　　　　　　　　　　　 /ニニニニニ/　　　　　　　　}iト..,___,／

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眼下では群がる敵機たちを次々と斬り伏せながら、
キャバルリィが依然として猛攻を受けている要塞へと滑空しているのが見えた。

やる夫が自爆を許したのを尻目に、敵機に組み付かれるのを
踊るようにいなしつつ確実に数を減らしている。
無駄な力の入っていない、戦い慣れした様子が見受けられた。

そこに一機、颯爽とブレードを構えてキャバルリィへと襲い掛かるネクストがいた。
見た目こそ他の有象無象と大差ないが、ブレードは標準的なレーザーブレードだ。

そして何よりも違っていたのは、その動きだった。
ランク10、シュクヴァールを彷彿とさせるような速さでその機体は
キャバルリィへ飛び掛かると、すれ違いざまに一太刀浴びせて距離を取り、
急旋回して彼女と向かい合うのが見えた。
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1561： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 22:28:03 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧　＼　　　　＼二二＼　　 ∨二ニ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　__, ∧　　＼　　　＼二二＼===＜二ﾆ,∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　|∧ ∧、　　　　　　 /＼二二＼二ﾆ寸=ﾆ∧
　　　　　　　　　　　＿＿＿_,|=∧　寸 ,　　　＼,/二=＼二ﾆ∧＜ﾆ,(ﾆ=!∧
　　　　　　　　　　ィi〔二ニニﾆ{二∧_,　∨`､　　　`寸ニﾆ,＼二r＜ﾆﾆ,∧ﾆ∧＿
　　　　　　　　／二二二二ニ∧ﾆﾆⅥ=, Ⅵ=‐　　　寸ニニﾆ∧　`～､ }ﾆ=∧ﾆ〕iト,
　　　　　　／ニニニニﾆ二二∧ﾆﾆⅥ=},∨ﾆ=‐ﾊ,　　Ⅵﾆﾆノﾆ} 　　アﾆﾆア)ﾆﾆﾆi
　　　　　 /`～､ニニニニニニﾆ∧二Ⅵ!}}iト,ﾆﾆﾆ,i　　　寸くﾆ=!}　／二ﾆア/ニﾆﾆ|〕iト,
　　　　　 Ⅵ}iト, `～､二ニニニﾆ,∧ニⅥ,}ﾆ(ニニ,{　　　 Ⅵ=アゝ〈二ニア ,二ニﾆ,|二ﾆ〉
　　　　　　Ⅵ二}iト,　 `～､二ニニ,∧ﾆ}ﾆ,}二〕iト,ﾆ`､　　　ﾏ／二二∧/　/二ニニ|ﾆ=/　　　　　ほう、オルデンブルクの騎士か。
. 　　　　 Ⅵ二二｀`～､ `～､ニニニニニニニ}ﾆ=!}iト‐=≦ﾆﾆ`､二二`､/二ニﾆﾆ=‐/
.　　　　　 Ⅵ二ニニﾆﾆ`～､ `～､ニニニニﾆ,}二二二ﾆ`､二ニ`､二二`､ニニﾆ=‐/　　　　　　　となれば、先ほどの一撃は無礼というもの。
　　ト,　　　　｀`～､、ニニニニ`～､ `～／r‐=≦二二二ﾆﾆ`､二二`､ﾆﾆﾆ`､二ﾆ=,/
　　Ⅵ`～､　　　　 ⌒ｱ二二ニﾆﾆ≧=≦)二ﾆﾆ＼二二二二`､二二`､ﾆﾆﾆ`､ﾆ=,′　　　　　　　名乗らせて頂こう。
　　 Ⅵ　　ヽ　　　　　/二＼二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/〕iトニニ{⌒~"''～､、=`､ﾆﾆﾆ`､二=,∨,′
　　　Ⅵ　　　ｉ　＿__,/ニﾆﾆ,〕iト.,二ニﾆ/　 /二二ゝ　　　　　~"''＜ﾆニ,`､二=〉
　　　 Ⅵニニ,| /ニﾆ√二二二ﾆア￣￣　　{ニニニニ｀`～､、／二二ア≧=≦'
　　　　Ⅵ二=,|,′二√二二二／＿＿______,{二二ニニニﾆ}二}≧=‐=≦}i:ｉ:ｉ:}
　　　　 Ⅵﾆ=!|二ﾆﾆ乂ニ二／二二ニニニ八二ニニニニ八,八二二二}i:ｉ:ｉ:ﾊ
　　　　　Ⅵ二|二二/ニニﾆ,}ニニニニニニニゝ二二ニﾆ/ﾆ/二二二ﾆ∧i:i:ｉ:ｉ:}
　　　　　 Ⅵ=,|二ﾆ/ニニﾆ/{二ニニニﾆﾆ{二(=≧=‐‐=≦,ノ二二ニﾆ,/=∧i:i:ｉ{
　　　　　　‐= |二ニニﾆﾆ/　‐=ﾆ∧ニニﾆ,＼ }二ニﾆﾆ〈ﾆニ〈二ニﾆ,〈ﾆﾆ,∧i:ｉﾊ
.　　　　ゝ‐{二ニニﾆ,/　 {二二∧二二ニニニニﾆﾆ∧二∧二ﾆﾆ∧ﾆ=!∧i:ｉ:}
　　　　　　　 {二二二ﾆ{ 　 |二ﾆﾆ,∧二二ニニニニﾆﾆ∧ニ∧ニﾆﾆ,∧ﾆ=!∧i:}
【ネクスト：スラップアッパー　種別：中量二脚】

_))　 / /　　 / /　,.<　　　l 　 |　　ヽ　　　　　＼＼　　 /
彳　|　|　l　 l　|／　＼､ゝ　l　　　 V　|　　　　､＼＼ /_
｜　|　|　ｌ　 Vｒｆ＝＝ミ.ヽ＼` ＼　　 l V　　l　　｝ /＼/　＼
｜　|　|　　､ l ﾘ　　ィ心＼ヽ＼__, 　　 l/　　 '　／∨　　|
｜　|　|　　ﾄl　､__廴ｆｿ　ﾊ i ￣　　　/　／／＝/　/ /＼
∧　|　|ーゝ.＼　　￣｀`　　　　　　∠. ィｧ≦Ｚｚ.ノ　ィ /　 /＼　　　　　　お初にお目にかかる、私の名はグラハム・エーカー！
　∧＼＼　　｀＼　　　　　　　　 ,　　´心ﾊ｝　´iｱ //　 /　//
＿_∧　ヽヽ　　　　　　　　　 {　　弋_ｆｿ_／　//　 /ヽｘ/　　　　　　　IGIO所属のランク11リンクスだ！
　　 |∧ ∧∧　　　　　　　　　　〉　　｀ー=彡　 /　 / ∨
ﾍ　｜｜　|　|　　 ,_　　　　⌒　∠ノ　　　　　, ' 　　 /　 /　/　　　　　　　　良い腕をしている！　一つ手合わせ願おうか！
〈∧ﾍ.｜　|　|　　｛ﾆﾆ_ ､_　　　　　　　　　／　　／ .／　 ' ／
　Ｖ〉ヽ　｜_|　　ゝ　　｀｀ﾐ _ ､_　　　　／　_　 ´_　 ´ ／／
　 =＼　＼＼＼　　丶､　　　｀ﾝ`　／　／　／　.∠／
【ブライドルランク11　グラハム・エーカー　所属企業：IGIO】
1562： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 22:31:16 ID:Vum6fb660: ＿_　　　／: : : : : : : : : : : :ゝヽ: : :＼: :＼
＿: : ｀v: :´: : : : : : : : : ‐ 、: k: .>: : : :ヽ: : ヽ
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: : : : : : : ::|: : : : : : : : :丶: : : ヽ: :>ヽヽ: : ﾍ: ｉ
´::/: |: : : l:i: : : : :l: :ヽ: :ヽヽ: : :ﾍ:>: : ＼＼:ｉ: |
／: :|; ; l:.|: ',: |: : :',:ヽヽ ,≦_: :|:|ﾍ,'ヽ: : ＼ゞ:.|
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{: : : |: :',: :､孑弋ゝ:ヽ.´ .ゝ´〃: |: |. ',ヽ',/ :,'/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ようやく人語を話す敵か。
',: : :ﾊ: :ヽ:ヾ乂ｼ　ヽヽ　　/.,|: :|: :|　|: : : //, --- 、
.ヽ: :ヽヽ:.|ヽ人　　.｀ _ ｀┌‐┤:.!-,:| .|: :／　　　　　｀ヽ、＿＿＿__　　　　　　　　　　　　どういうわけだ、こいつらは。
　　ゝ_＼ゝ: : | ＞.､ _ 　,入∨:/.∧Lｌ/　　　　　　　　　　／}
　　　｀　|: : |　_ /:.ヽこ -ゝ,':/‐‐‐┤　　　　　　　　＿＿_／　　 |　,_　-‐ '´｀＞、　　見た限り……
　　　　　　',: :|/,ﾍ--‐| ／. //　　　.{　　　　　　　 l´　　　 __　,≠＜´　　　　　__＞‐‐|
　　　　　　ゝ|´､.ヽ　.|ヽ　〃　　　　!　　　　　　　|　　/,.ﾒ＜､　　　 .＞､._＞´　　　 /　　　貴様の機体がモデルとなった、といった具合か？
　　　　 .／ゝ.|-ヽヽ /|　＼　　　 .ヽ　　　　___/__／　　　　＞､　_＞ 7　　　_／
　　　.／／　. | ≠:/:::::ヽ|__ ／＞＜、　｀ヽ.／;;;;;;;;;;;;;ヽ _　　　　　_ ヽ　 ,′ 　 /- 、
　 ,／ /　　 .∠==:,'::::┌ /／　　｀ヽ、＞´;;／;;;;;__;;;;;;;;;;;;ヽ、 ,＞'´　|　　L_,--‐;;;;;;;}
.／: :/　　　　＼:::.ｉ:::::::"ﾞTr＜、　　 ./--／;;;;;;;／／;;;;_;;;;;;;;｀ヽ　　　|__　 _/ヽ };;;;;／
: : : ,'　　　　　　| >ｌ:::::::::||.,':::::::::｀＞..､',　 |｀ヽ//;;;;;／／;;;;__;;;;;;}　へ、|￣;;;;;//;／
: :／　　　　　／::::::::::_斗{::::::::::::::::::::::::!　ｌ　ｌ.ｌ｀ゞ./_;;;;;／、＞､/ /　.＞≠‐'´
.′　／＼　/:::::::::::::::ヾホ、:::::::::::::::::::::::}_.ゝ___|　 ,'　ゝ´　　　｀ヽ/　　　　　｀＞、

　　　　　　　　　　　　　　　　-ー＝=‐-､_､_
　　　　　　　　　　 . ≠　＿　､　　　　｀､ヽ
　　　　　　 _　　　／´ ／　　　　　　 ‐- 、ヽ＼
　　　　　　ｆ(＿／　 /　　　　 |　　､　　＼　 ` ﾐ､
　　　　　　廴／　　 '　　　　 l　|、　　ヽ　　､ヽ　　＼
　　　　　　 / 　　 / /　　　　ｊ　|､＼､　| 、　ヽi　、　ヽ
　　　　　 ,'　　ーナ7　　　　/ 丿￣｝ハヽ　丶　ヽ　l
　　　　 |　| 　｛　{,　　　／　　ノ',. -‐弋　　ヽ　Ｖ　　　　　　悪いがそれにはお答えしかねるな、レディ！
　　　　{､_ﾉ /　　 !　ハ　　 |　　　／x===ﾐ､ヽｌ　}､＿≧ｿ
　　　　` ￢　　ﾍ┼‐ゝi､　{　ー彳〃!勾i　`_ﾉル' ハ｜　　　　　　私も所詮はサラリーマン、企業秘密を洩らせば首が飛ぶのさ！
.　　　　　 |　|　　{｀ﾏ丁心ミ≧-　　　ｊ斗”´￣　ｌ个　l ト
　　　　　　ヽﾄ､､ヽ　_)_少'　 }　　　　　　　　　　 (ｒ' ﾉ/　　　　　　　戦争が終わった後もお互い生きていれば話すこともあるだろう！
　　　　　　　｀ー〒个　　　　〈　　　　　　　　　　 _／/
.　　　　　　　　弋ム　　　ﾍ　＾　　　　　 }1　{
　　　　　　　　　　 `　ﾍ　　　　 _,. -―ｧ　　　　/ !l ド､
　　　　　　　　　　　＼　 ‘≪_ _　´　　　　 ′ｌｊ |
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､　　¨¨´　　　／　 /'i/
　　　　　　　　　　　　　　　　'､＼　　　　／　　/　｛
　　　　　　　　　　　　　ヽ　ー‐ ´　　 , '　　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　_}　　ヽ　　 /　　ゝ
1563： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 22:45:16 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　爪孑^＼　　　　　　　／i:i:ｉ:ｉ/
　　　　　　　　　　　　　　　　〉冖宀从辷)　　　　　／i:i:i:i:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　)二/二二=／〉＿_,､丶`(i:i:i:i:／
　　　　　　　　　　　　　　　　　/／／}iト／i:ｉ:(丶`i:i:i:i:i:i:i:i:i／＜
　　　　　　　　　　　　　　　 (／　／i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i／i:i:ｉ／二`～､、
　　　　　　　　　　　　　　　_／i:i:i:i:i:i:i:i:／〉i:i:i:i／i ＞=＜二二＞''”｀`～､、
　　　　　　　　　　　　　　　　 /(i:i:i:i:i:i:i:ｉ:／=/i:i:i:i:i:i:ｉ/二二二＼⌒^＼ﾆ=‐ ^^
　　　　　　　　　　　　　 |`､　　/i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:／=‐,/i:i:i:i:ｉ:／二二二/　　￣￣
　　　　　　　　　　　　　 |=∧__)i:i:i:i:i:ｉ:ｉ/ﾆﾆ=/..斗≦ミｔ､二ﾆ=/┐
　　　　　　　　　　　　　 |二∧/二二√ﾆﾆ/‐=ﾆ二二_..斗≦／　　_..斗ミ
　　　　　　　　　　 __..斗 ‐=ﾆ√ﾆニ√ﾆ=/ニニﾆﾆ／　　 ,_..斗≦⌒ 　 /
　　　　　　　　／　) ‐={ﾆ=!{‐=ﾆ／二ィi〔ニﾆﾆ／～､ィi〔
　　　　　　　／__f二二入二{ゝ＜=ｨ}ニニﾆﾆ／ﾆﾆﾆ=‐ _　　／)　　 /　　　　　　　　くだらん政治の話は一旦置いておくがいい！
　　　　　　 √ｱ /‐=ﾆﾆ=‐〉={Ⅵ／　}二二／ﾆ＼二二ﾆ=‐_ ／　　 ,
　　　　　　 {:.:.{　^|ニﾆﾆ,| )=圦〕iト..,/=‐＜ニﾆﾆﾆ＼二ﾆﾆ=‐_　　 ,　　　　　　　　　　今この瞬間は、力こそがすべてだ！
　　　　　　 |:.:.| 　 ‐==ニ|/‐=ﾆ乂 /二/≧‐=ニ二／＼二ﾆ=‐_ ア
　　　　　　 |:.:.{ 　ｌ,‐=二|‐=ﾆ二ｱﾆﾆ/‐==ﾆﾆﾆ／‐==ﾆ＼=‐ ／
　　　　　　 {:.:.:,　_ア二ﾆ乂‐=／ニ=∧ﾆニニ,ィi〔二二ﾊ:.:},／　　　＿＿__
　　　　　　圦:.:./二二二二ﾊ_..斗≦|　ｉ二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐　}:.}＿__　／二二=}
　　　　　　　ｱ‐=ﾆ二二二/ﾆﾆﾆニ|ゝ‐======ﾆﾆﾆﾆ,/:/=,／／／ニ=‐/廴 _
　　　　　　　/‐=ﾆニ二乂‐=ニニニ|二二二二ィi〔ィi〔 /二二{／ニニﾆ,/二／
.　　　　　　/‐=二二二乂}＜‐=＝￢冖_..斗寸丶`_..斗‐=ﾆ二/‐=ﾆﾆニ/=／
.　　　　 /‐=ニ／{ﾆ=‐,/≧=　＿＿＿＿_..斗≦}二二二二{　_]二二ｱ　)
　　　　　/ ‐=／　 {＞''”二二二二/　 ∨ﾆﾆﾆﾆ/ィi〔ﾆﾆﾆﾆ/ {　　　　／=＼
　　　 /=,／　／‐=ﾆﾆﾆﾆﾆ／√　　 } ‐=二/二ニﾆﾆ=‐　 Ⅵ二ニニニニ＼
.　　　/／　　／　　　　 ,､丶`=ﾆ{　　　 }ﾆ=‐＿{二=,/⌒　　　Ⅵ‐=ニニニ二/二
　　　/　､丶`　　　　／‐=二二/冖宀ｱ二=/　}ﾆ=/ 　　　　 _‐=ﾆニ二二入二
　　　￣　　　　　　　/‐==ﾆニ二{ﾆﾆニ,{二=,{ 　 ‐=′　　　　　　Ⅵ二二ﾆ／二∨
　　　　　　　　　　／‐=ﾆニ二二|ﾆﾆニ,乂=‐ 〉ィi〔　　　　　　　＼二／二二ﾆⅥ
　　　　　　　／‐=ﾆ二癶ニニ,|＞''”　　　　　　　　　　　　　　　　　＼‐=ﾆ二/二
　　　　　　　　ゝ‐==≦　　＼二|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼‐=/ﾆﾆ

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「こちらキャバルリィ、敵ネクスト、スラップアッパーと交戦開始。
手練れだ。空の敵は続けて任せるぞ」

シグナムから短い通信が入る。
そこになのはからの通信が続いた。

「聞こえるね、二人とも！
解析結果、出たよ。敵ネクスト群の右腕部武装は局所的なコジマ爆発を起こす
近接兵装、コジマブレード。一撃貰っただけでもただじゃすまない。
要塞上空に陣取ってる戦艦から敵ネクスト群が射出されてるのも確認済み。
撤退は……ごめん、難しい！」

それもそうだろう。
追いすがってくる敵機をレーザーで焼き払いながら舌打ちする。
退避したところで背中から撃たれるだろうし、ダメージを覚悟して撤退しても
輸送機まで敵を連れてくることになる。

輸送機が撃墜された場合など考えたくもない。
長距離通信を奪われれば救援すら呼べない。
孤立無援の中囲まれて蜂の巣にされるのが落ちだ。
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1564： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 22:59:52 ID:Vum6fb660: i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ﾆ..|i　　　　 /
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ニニ>'ﾆﾆ . ⌒ヾrf' . :.'"　.: :　，　　　illii''　　.'　　　　　''iilli;.､ﾆ∧_　　　　, r:i:}i:i:i:i:i:i／i:i:i }}ニ′
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>'ニニ.,ilill''''"""'''llili,i. . 　 ':;::!:. . .　.: .:illii ,　　.'　　　　 ,,,;;,,,;.>､＼=-/＼i:i:,i_i_i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:i:ヽ′　　　　　く、ううっ……！
ニニ.illii''　‘.'　　,.'　''iil'　 ::;;;' .. . . '_∠ iillil;,　　・,‘ .:;:;;''''"""''';;:;:.;.､_/=- ∨ ,/ /∨i:i:i:i:i:i:i:i∥
=ﾆ.' illii'',　　.'　　　　''iill.; '’: . 　.∠三三'''iill;;,, 　, :;;::　‘.'　　,.'　: :;;'.　 ,　､∨ /__}}i:i:i:i:i:i:i ∥
..}- >iillil;; 　・,‘　　;;lilii　. . . ::. /三三＝―"ﾞ''''''il:;;:: ,　　.'　　　　 ::;;:.',＿- ＼′ v!:i:i:i:i:i ∥
/>'ニ .'''iill;;,’　, .',;;llii''''..:;:;;''''"""ﾞﾞﾞ''';;:;:.三｀:.: : ''";::;;:;　　・,‘　　 ;:;::: :..::三ニﾆ＝=― --.′
'ニニニ ''''llliiliillli''''.:＼:;;::　‘.'　　,.'　、　､　　 ,:彡''''::;;..’　, .' .;;::''''ニﾆﾆ>､=- ∨≧=≦
ニニニ＞¨´ ,-=,/....:.:;;:: ,　　.'　　　　＼_)＼/ミ:::.:..　'''';;;::;::;;;:''''三ミﾐ:､　 ".､(ﾆﾆ≧ﾑ
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　　　　　 ,-/ニ/ / / . '''::;;..’　, .' .　）三:::...　　　 ..::::ﾞﾐ､:..　　 ..::-=:ヾ:;:.　ニニ∧∨ /＼ニニ}
.　　　　 ,-/ニ/ / /′　　 '''''';;::;::;⌒ヾﾐ=-:.:;:;;''''"""ﾞﾞﾞ''';;:;:.-=彡'::. _冫ニニﾆﾆ∧∨ /ﾆ＼ﾆﾊ
　　　　,-/ニ/ / ,:′　　　　　　　　 {　)ミ:;;::　‘.'　　,.'　　 : :;;'彡::.:.. ） . ＼ニニﾆ∧∨ /ﾆﾆ∨ﾊ
　　　 , /ニ/ / /　　　　　　　　　＿ノ三:;;:: ,　　.'　　　　　 ::;;,,,,;;iiilliii;;;,,,　¨＜ﾆﾆ∧∨ /ニ'∨ﾑ
　　　,'/ニ/ /, ′　　　　　　　 / ´⌒)::;;;　　　　　　・,　　　,ilill''''"""'''llili,i　　｀¨＜,'∨ /ﾆﾆ＼ム

＿＿/::::ｲ　　　　 / l　| 　〃　〃　　　　　　｜　ヽ
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￣￣　 ∧　　　　|／ ,;ﾐx､| ﾄ　|　 /　　　　　|　　　 ′
　　　　ｌ　ヽ　　！　″｀ヾ､ｌｉ|　;'　　　　　　　;　　　　|
　　　　l 　＼　　 |　_{　f'示ﾄ'il|　| 　 /　　　　/ /　　　|
　　　 |　　　＼　l　｀ヽゝツハ｜ / 　　／／　 /　|
　　　　|　　　　　ヽ　　　｀　　　 ∨|　　／／/　　/ / ｊ　　　　　　　木偶共が、調子に乗って……
　　　ｌ　　u.　　､　　　　　　　ｨ≦7/ｲ　/　／ / /
　　　　'、　　　ﾄ　　　　　　　､じ少' ﾍ.厶イ　 / ∧＿　　　　　　いいわよ、そんなに死にたいなら地獄に送ってあげる！
＼　　　ヽ　　　　　､＼　　　_, ′゛イ／丁　 |. /| ∧::::::::
:.:.:.:＼　　＼　　　　｀ー　　　／＿丿　 |　　 |∧:ヽ＿￣
.:.:.:／::〉,、　| ＼＿＿＿　　＜二...＿＿ノ　　　　＼::::ﾉ
／::::;ｲ7:ﾄ＼|　＼　　|　イ____|　　　　ﾄ､イ　　／/
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ロストワードと一定の距離を保ちつつ、互いの機体に群がる敵ネクストを
引き剥がすようにして攻撃する。

だが、範囲攻撃に優れるロストワードならともかく、
単騎性能に特化したマーシフルでは些か辛いものがある。
どうしても討ち漏らしが生じ、敵機が組み付く度に
ロストワードが自爆やコジマ爆発の余波に巻き込まれ、
次第に火花を散らし始めていた。

こんな猛攻の中で、シグナムは上位ランクのネクストと戦っているのか。
無事で済むわけがない。最早自衛で手一杯だが、彼女も苦戦を強いられているはずだ。

どうすればいい。

下↓3
1．なのはの言う通り、ロストワードを孤立させられない。この場に留まる
2．キャバルリィの支援に向かうべきだ。ここはアリスに任せよう
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1565：安価のやる夫だお：2019/11/14(木) 23:08:51 ID:HJOfDhIg0: 1
1566：安価のやる夫だお：2019/11/14(木) 23:11:08 ID:UGAzvm6c0: 2
1567：安価のやる夫だお：2019/11/14(木) 23:12:15 ID:HJOfDhIg0: 1
1568： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 23:22:00 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 〉:: /＼　　　　　　　　　　　　　 | |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{〈＼＼＼　　　　　　　　　 | |
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　　　／　　　　　　　　　≧s。::::::::::: ヽ‐=≦ ＼｀　　/::::::::::::: / }::::::::::: /　　　／::: : }　　／ :/
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　　　　ゝ――∨::: : /:::::::::::＼:::::::/:: /: : ＼＞ﾞ´:::::::::::: : / ＼＿_/_/¨¨¨〈＼::: : ノ }
　　　　　　　　　　 ∨:: /:: ∨／:: ゝ‐=≦::::::::::: |＿＿＿_／::::::::::: ＼　　　　　　 ≧s。i
　　　　　　　　　　　∨/::: : ∨::: : ／ }:::::::::::: : /:::::::::::: : /:::::::::::::::::::::: }

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ロストワードが爆風に呑まれるのが見える。
視界外からオーバードブーストで突進してきていた敵機がいたのだろうか。

「アリスっ！」

咄嗟に名前を呼ぶが、それがまた、やる夫にとって致命的な隙となった。
背後と正面から敵機が挟み込む形で組み付いてくる。
メインカメラの視界一杯に敵機が映り、ブレードを振り上げるのが見えた。
その手元には、コジマ粒子による緑色の輝きが纏わりついている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1569： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 23:34:12 ID:Vum6fb660: 　　　　 .〕iト　　　　　＼: : : : : :＼　　　'∧: : : ∨ / : : : : : :.j{　　j{: : :　　j{: : : : :′　　　_ア: : : : : ,ｨi{　　　　 . : : : ィi〔
.　　　　　　　〕iト　　　　　: : : : : :＼ . / ∧: : : ∨ / : : : : : j{　　j{: :.:　　ji .: : :.′　　 _ア : : : : ,ｨi{　　　 . : : : ィi〔
.　　　　　　　　　　〕iト　　　 : : : : : ＼./ ∧: : : ∨ / :. : : :.j{　　j{ : : 　 j.: : : ′　　 _ア: : : : ,ｨi{　　　. : : :ィi〔　../(
　　　　　　　　　　　〕iト　　　: : : : :＼ ∧: : : ∨ / : : : :j{　　j{: :. 　 i: : : ′　 _ア: : : : ,ｨi{　　. : : ィi〔 ≡ヾV　て
　　　　　　　　　　　　　　〕iト　 : :. :. :.＼　: : : ∨ /_ : : j{　　i{.:.:. 　j : : ′. _ア : : : ,ｨi{　　. :ィi〔:::.:..　　..:.::ゞ-≡三ミﾐ:､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ` ～､…‐-　: :. :.＼　: :.∨,　 . :.j{　　 i: : 　j: : :′_ア: : : ,ｨi{　. :ィi〔 . =二≡=､;::=-::.:..　’.:.::=､彡,,,;;,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　 i 　 .` ～､: :〕iト.:＼: : : /,: : : j{　　 {:.: 　i: : ′ｧ: : : ,ｨi{: :ィi〔＿＿_____:..．..:.:/ミ::.:.　　 ..:.:;:;;''''"""''';;:;:.;
　　　　　　　　　　　　　　　　 |i　　　:;;::...〕iト : : : : ＼: :'/,:_:_:j{　　 i:. :._j_:'ア: : . .: :.ィi〔　''　"　~´´´.:.:::::::|ﾐ:::.:..　.・.::｀ :;;::　‘.'　　,.'　: :;;'.
　　　　　　　　　　　　　　　人＿ :;;::._ ｡o≦ニ〕iト:.:.ヽ(::_:_:_:)L　 _jL:_:_:_:_): :ィi〔=i〕iト ..::）三:::...　　　 ..::::ﾞﾐ､:..　　 ..:::;;:: ,　　.'　　　　 ::;;:
　　　　　　　　、　､　　 ,:彡'...--==～～' "~ィi{⌒ｱへ＜≧≦}人:j{≧=ァ'/寸⌒iト　 ⌒〕iト.=-:／=::..． ..:.::ﾞミ:=-=彡'::;;:; ,,,,;;iiilliii;;;,,, ;:;::
　　　　　　　　＼_)＼/ミ:::.:..　　..::;;:: ,..ィi{⌒´_ア⌒ヽ＼}〕iトivU:viィi〔ｲ{　ﾟ寸(　⌒}iト　 ⌒｀ .::.　　　　 ..:::｀ﾐv彡::''',ilill''''"""'''llili,i
　　　　　　｀ヽ.＿_ﾉーシ=二≡=､;::..ィi{⌒´　_ア⌒　　　７ y'{⌒(___)⌒}彡{(.__　ﾟ寸(_　　⌒}iト三|三:::::...　∵　 ..:.::=il=illii''　‘.'　　,.'　''iil'
　　　　　_,,,,;;iiilliii;;;,,,:.／=≡:::..．..:.: .´⌒r‐ｧ　_ア⌒　 -‐…{ﾐ( ﾉ＼_〉〈_／＼ﾉﾆﾆ}iト　ﾟ寸L __　 _,.ヾﾐ=-.::;　　　　..-彡ミ:illii'',　　.'　　　　''iill
　　　　,ilill''''"""'''llili,i三::；　 ..:.:::::::|ﾐ:.r‐ｧ＼-‐===ｧﾆﾆﾆﾆｱ゛ .ィi{〉_〈〕iト ‐ `'＜ﾆﾆ(ﾆ(ニr‐==〔　ヘﾍ,ilill''''"""ﾞﾞﾞ''';lliili;:iillil;; 　・,‘　　;;lilii
　　　　illii''　‘.'　　,.'　''iil'　　’　 ..::::ﾞﾐ{'ξｱｧ )ニ7ｲﾆ=-‐イ７{ {ﾆ＼i／ﾆ }ﾊ≧=‐　⌒冖〈{≧=‐r′: ,illii''　‘.'　 ,.'　　 ''ill'''iill;;,’　, .',;;llii''''
　　　illii'',　　.'　　　　''iill　_／=::..． ..:..l!:.`冖⌒゛´　ィi{⌒r‐j{_j:ﾉ⌒}=={⌒j{ﾆ}ト､　　〕iト　ゝ- '゛;;:.:: illii''　　.'　　　　　''iilli;─''''llliiliillli''''
　　　　iillil;; 　・,‘　　;;liliiｿ;..: .､　　　::;i!: :. . iilll;, . ⌒ ｀　 {_ﾉヽ}{　　冖　　Ⅵ{レ{ . ・,‘　　　 ;:;:: .:#iilll;,　　　　・　　　,;iilli;
　　　　'''iill;;,’　, .',;;llii''''".: ,: .:#）、　　|:l!:. '　illii ,　　.'　　 .ﾉy'ノ　　　　　　　＼〉＼ . , .' . 　;;::'''',,,..':.illii ,　　.'　　　　　 iill;
　　　,ｨ' ' ''''llliiliillli''''. .:.、:. .⌒ヾ: .: .’.: !l|i'　　iillil;,　　・, ノ(／　　　　　　　　　　ヽ>‐)ﾄ､;;:''''"ﾞﾞﾞ''';:. ;: .illil;　　　・,‘　　　,;lilii
　　rf' . :.'"　.: :　，　　＼ .: ..: . ., ..':; ,,,;;,,,li:.、|'''iill;;,,.._j{__j{)　　　　　　　　　　　ヽ{i{_r〉.'　　　 '"iilil;' il''iill;;,, 　, .' .　,,;;llii''''
　　{' :.　　.: :.,イ: . ..　　　.:ヾ .: ...:;:;;''''"""''';;:;:.;、"ﾞ'''''.)7 )７　　　　　　　　　　　　　　ⅥⅣ,　　　　 ''iilli;　"ﾞ''''''iliiliillli''''ﾞ"
　 .l!: .::. . 　 ':;::!:. . .　.: .: : :: ）.::;;::　‘.'　　,.'　: :;;'.!|li!|l.'′7　　　　　　　　　　　　　　　Ⅴ Ⅴ..・　　　,;iilli
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
このままでは死ぬ。
恐怖と絶望が全身を支配し、呼吸を絞り、視界を狭めていく。
鼓動ばかりが加速し、意識が遠のきそうになる。

一瞬、敵機の向こう側でロストワードが爆炎を巻き上げながら
電磁パルスとマルチプルレーザーを放ち、周囲の敵機を吹き飛ばすのが見えた。

灰色の空の下、雨に打たれながら群がる敵機を粉砕していくその姿が、
半ば恐慌状態に陥っていたやる夫の精神を引き戻した。

絶叫しながら、無我夢中でアサルトアーマーを起動する。
保護シャッターがメインカメラを覆い、視界を一瞬シャットアウトさせたかと思うと、
コジマ爆発の轟音を最後に、あらゆる音が周囲から消失した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1570： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 23:37:13 ID:Vum6fb660: 　　　 _＿_ ／＼// / /　　　　　　／' /　　　　｜　　　 /　/
　　ﾍ「／¨＞ミﾒ∨ｲ　　　　　　　／ / /_...　-一 T¨￣　/　/
　　/／　 ´　ん㍉Ⅵｰ　　ヽ _ ／斗rﾋ≦三z＿　｜　　/　/　　　／
　／｜　＼__弋_リﾉ|　 ,　　　´　イ／￣　,.ﾆニ、ヾﾒﾐ､ /／　　／
　　ヽヽ　　　￣　 |／　　　　　　＿　　 |　ｆj　｝ /／／　　／
　　 /|＼　　　　　　　　　￣　￣”ミ＝彡ｲ∠　-－'
　　′l　＼　　　　　　ｊ　　　　　　　　　　　＞／　　　　　　　　　　／　　　　　　　生きてるわね、やる夫！？
　ｌ　 '.　　　　　　 |　　　　　　　　　／／　　　　　　　　　　／
　 |　　ヽ　　　　　　＿_　　　　　　　　／　　　　＿_ ／￣¨二二　　　　　　　　返事しなさいっ！
　 |　　　＼　　　 |＞ー＼　　　 /　　-－ァ ´　／／.::.::.::.::.:::
＼|　　、＜::..＼　　 {　　　　〉　　　 /／　　／　　 /　/.::.::.::.::.::.::.:::
　／.::.:.ヽ　二二＼　｀ー‐ '　　　　　／　　　 /　/.::.::.::.::.::.::.::.::
/.::.::.::.::.::.::.::.::.／/.::.＼　　　　　　　／　　　　/　/.::.::.::.::.::.::.::.::.::
::.::.::.::.::.::.:: ／　/.::.::.::.:.丶---‐　 ´　／　　　　 /　/.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:

　　　　　　　　　＿ノ゛,, ;、､､ '⌒ゝ､ ',
　　　　　　　`┬;;;:::┬′　　　ｨ=＝=yｌ
　　　　　　　　⌒ﾞ''''''´"　　　　　　　　}　　　　　　ああ……まだ、生きてるお……！
　　　　ｌ! 　　　　　　　　　　u　　　./
　　　ｉ!　|ｌ　　　　/´　　　|　　　ゝ /　　　　　　　「このままじゃ埒が明かないわ！　群れを蹴散らして親玉を仕留める！
＼　ｌ|　ｌ　　　　ゝ、____人_____ソ
　 ` .､　　ι　　　　　､::::::::::ノ／　　　　　　　　　　数に押しつぶされるのを待つよりはマシよ！」
　　　:ﾐ:ｰ.､._　　　　　　￣　　｀`'''ｰ-､
1571： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 23:41:55 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　ﾊ　/{　　＿　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　, .ィi{√}/ﾆ〉__/ﾆ〈_　　／^＼(　　　｀`～､、
　　　　　　　　　　　∨ﾆ√〈ﾆ/ﾆ/ﾆ/ﾆｱ∠　　 [二二二]＿＿__〕iト.,
　　　　　　　　 ∨√ Lr‐ァ=ﾆア／二二二]二二/二二二二ア二二]ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
　　　　　　　　　　／入＿_/ゝ=ﾆｧ／ニニﾆ,∧二ﾆﾆ=‐ ⌒
.　　　　　　ィi〔＞''” 〈二|二/^二{二二ニﾆ}
　　　　　 /ﾊア　　　入,|=/ニ二|ヽ‐=≦⌒　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは中々っ……！
　　　　　　　 ⌒　　　　　乂_Ⅵ辷辷ﾉ二/=〉_
　　　　　　　　　＿{二二/二ゝ二二ニ/∧=‐　__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敢えて言おう、プランD！
.　　　　　　　 ≧=‐アﾆ圦=／二(==∨ﾆ∧ﾆﾆ=‐_
　　　　　　　　_..斗≦ゝ(二二二ニニﾆⅥﾆ∧二ﾏ=‐_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いわゆるピンチであると！
　　　　　　　　{二＞''”⌒　　　〈=＞''” ＼ﾆ＼二寸=‐_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ~　　　　＼ﾆ＼ﾆ＼==‐_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⌒^＼ﾆ＼ﾆ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾆ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ﾆ＼___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..斗≦〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≦二二)=∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ=≦

ﾑ　:::::::::::::::'.'.'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ.／イ´:.:.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:／:.:.:/:.:.:.:.:.:.イ　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.
　',　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.イ:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:./:.:.:.:イ´　　ﾑ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:ﾉ:.:.ヽ:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.
　 ',　　　　　　　　,,ｲ:.:.:.:.,:イイ/:.:.:.:.:.:.:ｲ:.:.:.:.:/:.:/´.　　　　|: :.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:./:.:.:.:.}:.:.:.:.:.:.:.}:.:.:.
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ヽ　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:./斗:.:.:／/:.ﾍ ||.{::｀ミ＼　./:.:.:.ﾌ´´´　　　 , 斗＜ﾉ´´:.:.ﾉ:.:.ヽ:.
　＼　　　　　　ﾑ:.:.:.:.＞'´.ﾚイ,イ´ ./:.:.:.:.:',　っ:::しヽｲ:.:.イ　　 .,斗イ´ ,.ﾉ:.:.::ﾉ　 }:.ﾉ/:.:.:.:.:}:.
　　＼　　　　 |:,,イ´　,彡斤-－''´:.:.:.:.:.:.:,',　ゝ=='´　'´　　　　彡彡三三≡≡ﾐﾐ,、:.:.:.:／|:　　　　　悪いが可愛い後輩を待たせているのでな！
　　　　＼　　　ﾚ., イ´___:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..イ　',　　　　　　　　　　 {っ::::::O::::Y　//:.:.:.:.／ )..ﾚ
　　　　＞、/イ´´　　　￣｀｀T´´ |:.:|:.:.:.', 　　　 |　　　　ヽ、::::::::::ﾉ/イ:.:.:.／_　K´　　　　　　ご退場願おうか！
　　　　　　　　／ヽ　　　　　　　 |　　|:.:|:.:.:.:ゝ　　　く　　　　　　　｀｀/:.:.:.:.／ｲｲヽ-イ
　　　　　　　/　/ﾍﾍ　　　　　　　|　　|:.:|:.:.:.:.:.＼　　.,= __　　　　　　 /:.:.／イ==.イ´.イ
　　　　,　イ　 ./　ﾍﾍ　　　　　 |　　):.:):.:.:.:.:.:.:.ヽ、ヽ/　｀ヽ,　　　　　.| .//￣--－'´
　, イ　　　　　|　　ﾍﾍ　　　　　 |. ./:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| >、ﾐ--'´　　　,斗 '.|:///´
イ　　　　　　 | 　　 .|:|　　　　　　.ﾍ |:.|:.:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.|/　ヽ=斗＜´´イ ;;;;ﾚ/
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1572： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 23:46:25 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }≧ts｡,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }l寸ゝ=＼　　　　　　　　　　 }l＼　　　　　　 ,!'|　　 `
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ寸込ﾆヾｘ　　　　　　　　　}lﾆlヽ　　　　 ’　j　 i! i　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ寸込､ﾆヽヽ　　　　　　　　}lﾆl=lﾄ、　　　　　{　｜|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ寸込､ﾆ',ﾑ　　　　　 }lﾆl=jIIﾑ . ,Ｊ`:、,ｨl!　l! {′　　;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　＞升=}I〉oIﾏ>fｘ)ﾑ　　 }lヽ　　ゝzｲjIIﾆ}l.｀　　Yl!|:　 | |'i,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞f1}ア_´〉ﾆﾆYIiIi〉-=)ﾟｉIiIiI}ヽ　＿ﾏﾑ　 r‐〉‐!三}l　、ﾞﾘN: ;　!lij! |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞升=／三ξ〉ﾆ／IiIj!　jｘ气`”iﾞﾐﾑ=iIfｨ>ｆﾆ《ﾏ /ﾆ/≧s｡,　　 i　 ;}|! |
,, ＿　　　　　　　　　　　　　　　／三＞'1ﾆヽ三ﾆ,ｲs=ﾆ'ｘノﾆ}l)　 ∧ﾏIヽ!=)J:::::iI}lゝ｡s三三/＞s、 ,. !、,!　´｀ ι　ヽ
　　　￣ ⌒" ' = ‐ - s ｡。 ,　/!iIiY三ﾆ/⌒'‐x=‐升孑'示ｱ")ノﾏ　ヽIﾏﾆﾑ}l乂ﾉV　ﾏI`ｰ=x＜ﾆﾆ(ｺ . ﾞ''"ｨi {ヘ!,l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿￣}-"= Y彡弌ｭ二／´　/人ノﾏﾏ三込イﾊ　ﾏ/i!　ﾏﾆﾆﾆ=}l.jj｣li|liY､⌒}
” " ' ' ‐ ‐＜　　　　＿　　, . ＞'⌒'ｰ━ ｉ＿‐,) ﾏjﾉ)ｱ￣￣／ﾆ〈ﾑ彡ｆ´`Y三ﾆ≧sゝ .ﾏ/l　　i"7ｰ歹　　へヾ;;イ
　　　　　　￣　　＿　, .　斗ｧｪiIfヽ　”,j!`ｰ＜　　／,g*ﾟ’ ﾌ＜乂ノﾆ≧=‐‐ｧ’ .ﾏ/,　弋辷ノ　　., ,il{ ,ﾞ!j!;|　　：
　　　　　　　, ,.jI斗＜IiIi/三＞'´,ノIiIjﾉ　￣＿　　, ｡--< ／<込,〈ﾆ,%ﾟ込、＞’　　　　ﾏ}l.;. ﾞ:、　　　 j| 　 '/'}′　，
-‐ ' " ⌒ ￣　　　ゝ＜`ｰ'"´ (彡'"´　　ｨﾁ竓ｧイl{三三三YIi寸=込寸＜りｘ　　　　　ﾏ)　ﾞ:、 ,,., 　 ′彳ﾚ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾁ竓／ニ=l{三三ﾆﾆ〉ｲ≧s寸=Y j`ﾘ／示s｡､､v{　ﾋ!　　　i!||il.　　 , 八Ｚ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨﾁ竓Ii／三三ﾆゝ、ﾆ三/ﾆ/三ﾑIi)/=ﾉ j/三三)､ﾑ　_,ゝ､;_　　　゛:|!　　ﾞ ,rｶ　￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　YIiIiIiIiIi/三三＞'iIiIiIシﾆﾆ,g*'"’Yﾆ}lｘ/人弍ﾆﾆl{　ヾ!　.｣'(´ ヽ　　j!　゛　,ィ彡′_.. -
　　　　　　　　　　　　　　　　　l{IiIiIiIiIゝ＞'iIiI*＞'ﾆ=,g*ﾟ’　　 /ﾆ/　　　 {/ioﾆﾑ　　ﾄ、 .∠rιｸ_;.,､_,ｰ-'＾- =ﾆ_
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　　　　　　　　　　　　　　＞升三≧ｲ三三ﾆ＞=-‐ '´　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y三三i⌒ヾ
　　　　　　　　　　　　＞升三ﾆﾆ=ｧ个≦〆´　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i!三三js｡, }ﾄ、
　　　　　　　　　　　　l{三ｿIiIi=／　ヽ三}l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂)三三三=从
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　　　　　　　　レ'´　 /ﾆﾑ　　/三ﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }l三≧s´￣`”ｘ
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　　　　　　　　　　　　　 iﾆ/ﾆl}三ﾆﾆｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!ミｓ｡≧s}ﾆﾑ
　　　　　　　　　　　　　　 /=寸>弍=シﾑ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ミｓ｡三ﾆﾑ
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地上のキャバルリィから通信が入った。
銃声と爆発音の狭間を縫うようにシグナムの声が響く。

「生きているな、二人とも！　かなり損害を負わされたが……スラップアッパーは仕留めた。
これからそちらに合流する！　一気に親玉を叩くぞ！」

冷静な声に、やる夫は小さく驚嘆した。
あの混戦の中で、苦戦の末とはいえ上位ランクネクストを撃破したというのか。
なのはと共に戦い抜いた歴戦の勇士というのは伊達ではないらしい。

ともかく、これで地上のスラップアッパーという不安要素は排除された。
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1573： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 23:50:26 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　 _,.　-‐=ﾆ三三三三三三三三ﾆ￣　　　　　　　 ,.＞''′
＿,,..　-‐ ''"~　　　　　三三三三三＝￣　　　　　　　 ,.＞''′
　　　　　　　し　　　_-三三＝￣　　　　　　　　 ,.ィ''′
　　　　　＿,,..　-‐ ''"￣　　　　　　　　　　　　　,.斗 '"~〉|
　￣￣　　　　　 U　　　　　　　　　　　 _,.＞_彡‐'"~Υ｜　
　 {_j　　　U　　　　　{ｊ　　　 _,..斗 ''"~| 厶ｲ=-‐￢　| ｜　　　
　　　　　　　　　 _,.. =-‐=≦ }ヘ_人＿,ﾉ/＿（・) __/ /|　|　　
　　　＿,.斗＜　　(・) __／ /　ｊｕﾍ Uﾄ､＼￣　 ∥|　|　　　　　　　　　　　クソッ、クソッ！　最初から企業連に勝ち目なんざなかったんだ！
丁￣!　　　　　￣￣　／　| /∪　∨|uヽ　　　 ∥ |　|　　　
. !　｜　　　ｌ _j　　　　　　 l | ｕ　　} ﾍ　}　　Ｕ　ｌ　 |　|　　　　　　　　　　　　あっちに着いときゃよかったんだ！
. |　 j　Ｕ　　 l |　ﾉ　　　Ｕ u　　|　 ∨ 　　 /ｌ　 |　|　　　　
. ヽ l　　　　Ｕ　{j　　|　ｌ u　 -― ^ー１　　　｜|　 |　|　　　　　　　　　　　　　こんな依頼受けるんじゃ――――
　 | |　　/　　　　　　 l__,ﾉ u　u＼＿_／　(ｊ　}　!/　｜ |
　 l_j　　l　　　Ｕ　＿,,,.....,,,＿_　　＿_,.rく　 l ∥ 　 |　|
　　　　 {　　 '"~￣　　　　　　　￣　　＼　＼ｌ∥　　 |　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::iV　i|.ィ升┓　　　　　　　　　匸￣￣〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼.|　　ﾚ'}　　　　/　　　　 .ィ＜ｉ:|i〃￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|i　　 |　 /(_ｲ . _____, ＜i:i:i:i:i:i:|《＿.. . .:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃　　　　 |}　　 |iV 　/.ｉΥi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:／. . . .＼.:
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.　　　　　　　　％￣`V》　　　　ﾏ』　「二ゝ/::/　　　　 ||i　　 l　/　/　　／　　/　／IiIiIiIiIiIiI
　　　　　　　　　％::::::::::::::::V》　　　　ﾏＶニﾆ《》:|＼　　　 l､ノ　　　　（__/ﾚ'i／/　　|/（／i　　　／
　　　　　　　　　＼ ::::::::::::::: V》　　　　 Ⅵ￣￣|/ヽ厶x 　 |i 　　　　 /　　／　　/ｉ　　　ﾚ'　／(___／／
.　　　　　　　　＼::::::::::::: V》　　　｢三彑Yi厶】Ⅳ .i |i　　i|　　　i／　ﾄiノ　　 /(／　／レ' ／
.　　　　　　　　　　＼_::::__ｘ个ｘ　　r±] Ｈ､.､　 i　　i|/　　iﾉ|i　　 /|　 i／|　　　　　　　　　　 /／{
　　　　　　　　　　 ||o ｏ| |ｉ:i:i:＼..‘，　　 i＼ﾉ|＼/l 　ﾉ| i|　　 /|（／|　　。゜　　・　　　　　　／　　　　　　　おおおおっ……！
　　　　　　　　　　 ||o ｏ| |iIiIiIiI≧こＬ .＼ﾉ　　ｉ|　＼　　　　　/i／　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　 rｔ==ｰ─ｉ||o ｏ|＞──一'i:i厂 }＼　　　　　　　　‘　　　　、　　　　　　　／
.　　　　　　爿i:i:i:i:i:i:i├======z＿＿_ ./i ､i　　　　i　　,′　　　　　`　　　　　　　／(／／
　　　　　　　 //メ┬‐ ∨（ニ　.＼　､　 / iﾚ'＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｛／（_／／
.　　　　　　 / Xji:斗f |j 辷____ .＼）＼ﾉ＼　　＼ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　　　　゛　　／　／ﾚ'
　　　　　　ム／　　 7`ｰ〈i:i:i:i:＿ﾉ＼　　　＼iﾚ' ＼　　　　　　　　　　　　　　　 ;　　　　　　　／__
　　　　　　`¨　　　夊　　.＿＿）＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　イ￣
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.　　　__ｘ＜＼＿_／〃／　 |.}__　　　　　　。゜　　_　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐i/} |　　../iI
　　　／　く|＼:: ／ :: [／　　　..'　ﾉ　i/}_|.:７＼/　厂__:. ＼:.:／　　＿／　く. . . . . . .＼/ /:. . . . . . ./ｉIiI
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1574： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/14(木) 23:55:12 ID:Vum6fb660: 　　　　　　　　　　　　ﾄ､　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　 |　ﾟ.　　　　　　 ,ｲ‘⌒ヽﾄ､
　　　　　　　　　　　　 _|　ﾟ．＿__　　//圭圭斧､‘． __
　　　　　　　　　　　　　　　 {〕　丿‐- ､｀V/圭圭圭=__,ｎ'台
　　　　　　　　　　　　　　　 {〕 /　　　　　.: ﾞ寸圭=,イ{　| |_/
　　　　　　　　　　　　　　　八〈｡　　　　 ,'　　ﾞ寸斧ヽj＞‐ﾐ‘．
　　　　　　　　　　　　　　　 r№､　｡　 .'　　　〉‐ｧｨ〔　ﾞ:.　ﾞ寸
　　　　　　　　　　　　　　　/　,'ヾ心､.:'。　　 /i:.:.:(　>＼　fi fｉ}
　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､,'　/:0: :>､　｡ /､:',:.:.i:¨＼__ﾞr=ｔﾁ､.　 r──-ミ
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ≧xｲZ／liｎト彡:.:.i:.:',:.i:.:.:.:.込〉j, ,j!:ﾄ､/　　　　,' ｀ヽ　　_＿
　　　　　　　　　　　 /　ﾞヽ＼＼{| |､:.:.:.:r‐､r‐､:.:.:_.....｀￣,:'ji/　　　 , '　　　ﾞv ´ ／　　　　　　うおおおおおっ！！
　　　　　　　　　　 ‘． fj　ヽﾞヽﾞVjｲ≧((”>'( (￣f∩}:‐':.:.礼。　｡,:'｡　　｡ / ／
　　　　　　　　　　　 ‘ ､　Δﾞ,ｫ_ヽ_}ﾆﾆ/r≧｡_〕ト､l∪j:.:.::/￣7￣≧zｧ､＿ﾙ‘　　　　　　　　　こちらマキシマムベットっ……！
　　　　　　　　　　　　　　　＞､<//　/￣＞､¨ー-r=｡乏z匕_ ,ｨ/___　,':/
　　　　　　　　　　　　 f´:.:／≧z/　 /r'ヽ､ﾞ⊃/ﾆﾆ7¨ﾞー-ｧC｡...ｱ､/　　　　　　　　　　　　　　俺たちは依然として動けん、
　　　　　　　　　　　　　 {／:.:.:.:.:.:.:≧zLヽﾞヽｯ〕＞｡..__　　｀¨〉､/_7ノ､ﾞY
　　　　　　　 _........_＿__ﾌ⌒ﾞ＜:.:.:.:.:.:./U｀~:.¨込((ffi＞｡...,rz(...　”ﾞ＜|　　　　　　　　　　　　　　そっちでなんとかしてくれっ……頼むっ……！
　　　　　　,ｨ≦”, '　　,ｲ ,ｲ_,､　　　｀＜/j/:.:.:.:／:.:∩∩､　　＞｡_..〕≧｡...”ーｧ､.._
　　　　／{ o　 i　　/ i.<ZZ:/>､　／　ﾞ,ー'´廴__≧≦”≧｡....(_)￣´　　ﾞ::｡.(_f　”ﾞ*:._
　　　　{　｀､　｀､/　r‐-､/ﾞYﾉ／　　 ,': :／/:.ﾑ: :',￣￣_}‐' ￣　　　　　　　 ”`::｡._(ﾉ
　　　　｀>､　＼ノ　/:::::::::〕,イ　　　 i: ,'. . i: : :iﾞト､_j≦Zﾄ､
　　　　/:V＼__ /　　＞‐彡'/　　　　　{: ﾟ,. . ',　ﾟ．辷zz彡!}
　　　ﾑV　/　廴_／ー-ｧ'´　　　　　　ﾏ. ',　　 o‘．ヽr'´:::j/
　　　 {:.:.{, '｀ー'´/≧ｧ'´　　　　　　込､＿＿__〕入ｙ'´
　　　ﾏ:::｀ー=彡'／　　　　　　　　　　　　ﾞⅦ::ﾑ　ﾞー'j}
　　　　｀＜＿_／　　　　　　　　　　　　　　　＼::ﾞー彡j
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-､_＿　i　　 i　　　_ 　 V i
､　　　ヽ! r＜!　　/　ヽ　V!
　V/--､V　 j}　./　　 i　}.!
、 .ﾏﾑ-ﾑV/　./　　_　 ! i i
. ヽ-'! 〉,___V//　／ r｀-､/　　　　　　　　 ,ゝ--- ､
--＜　〉___〉 ! i'　／!. 　＼　　　　　　／　　　＼
　　　V/ ,__}､.| i 〈　 .!　　i´ ｀` - ､　 ./　　　　 ,＞-＼
＼, '´ ヽ/　__ヽ--V/ヽ-､ヽ　　　　＼!　　　_＿/　___i´ ＼
___.＼　＼{! 　＼　 i.:.:.:.:..､_　　, 'ﾟ´ ＼r＜＞--< 　ヽ、. ヽ
{　｀ヽ､ー‐}!、　　＼ヽ;.:.:.:.:.:.:.ヽ、　 ,　＼ilililililil/　 /　 V/ }!
{　　　　　　＿V/／´｀､＞。:.:.:.:.:..､___ 　　Vililill{　 / }、 i}／　　　　　　　　　　生き残ってるだけ上等だお！
ヽ_jI斗ｬ≦￣￣￣｀ヽ／＞{ili{≧s､_:.:.:.:.:.､　 Vililiヽ__/{　} i　V/
ililil{_　　　_＿／　　＼il＞-､ililij!ililヽ;.:.:.:.＼_!ilililili}_　 '　ヽ, V/　　　　　　　　　カタ着けてくるから待っててくれお！
ili{´ヽ、／　　　　　　　 __＼ililil_}ilil>‐<､ヽ、:.:.:.}ilililili} V/　　ヽV/
iliﾄ､　＼　　　　　　／　　｀ヽililil＞-<ilヽ/≧'ilililil〈　〉　　　 }!
ililili} 　　Ｖ/　　　./　　　　　　｀＜ilililililil＼　｀ヽ＞ー＜　　　 }!
ililili}　　　 V/　　 V/　　　　　　＿　｀¨¨｀Y-＜ﾟ　　　 / 　＞､}!
ililili}　　　　V/　　　V/　　　　　{f¨｀ヽ　　　　　　｀ﾟ＜} 　　　＼
ililili}.　　　 V/　　　V/　　　　 {!　　　　　　　　　　　　｀＞ー - -ヽー､
ilili/　　　　　_V/　　　}!　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ　　　　＼
il/ 　　　 /　.V/　　 .V/　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　＼
´＼　　　/　　 }!　　　 V/　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　＼
1575：安価のやる夫だお：2019/11/15(金) 00:02:49 ID:VPlCCXi60: シグナムさん強い…
1576： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/15(金) 00:08:18 ID:XcvnXUjU0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨　＼{＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨.、＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨､　＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Λ/＼ﾍxﾍV¨"''ミ‐… ､___〉 _,,..,, _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈::::〉:::: ｢:/:〉／〉　ﾉ　　ﾉし寸＝―′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜∨::／|/:Λ <:::＞｀¨¨〈__／　寸｢…- ､
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ﾆ>､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／⌒) 7￣]::::〉::〉::::/　　 ∨/＼　＼しノ〉
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}ニﾆ>,- ｡ _　_ .r:i:i:}　　　　　　　　 _,､<　　　 / /ヽ　∨:::＞<　　 r‐…へ＼　ﾞ'yﾞ
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i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i>ﾍ'∨∧ﾆﾆ ∨ニニニ＼　`＞＜=-ﾆ≧ ､　 /　 /〈　　 >_ノ　　　　,､／ﾞ'～ﾍ、　ﾉ-<
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ´　 'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧>､ﾆﾆ∨ ≦≧ミ}ﾆ}}: : : ＼,...ｲニ厂￣　　　　 / ＼＼　　 |　ﾞく　　`:、
i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i> ´}}へ　 ,'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧=>ニ'∨ /≧=iミ{′: : : : ∨　　　　　　　　　　　　　_.>___|　　‘，＿`、
i:i:i:i:i:i:i:i:>_´r≦　　ム　,'ﾍ'∨∧ニニﾆ∧= >､<,/ y'¨ Y}ニ≧ : : : :∨　　　　　　　 __ ｡r≦ﾆ}! >　　　〈´　__`、
i_i_i_> ´＼　　　　　　ム　 'ﾍ∨∧ニニﾆ∧ﾆ= >､=>､　!|ﾏニﾑ_:_:　-'　　　　　｡＜i:i:i:／}}ﾆﾆ}　 )　　　　Ｙ::::J:｝
ニニ>'ﾆﾆ＼　　　　　ム　,'ﾍ___>¨´ '＼ﾆﾆ>､ﾆ ∧ニ>､_}ﾄ､ﾆ∧_　　　　, r:i:}i:i:i:i:i:i／i:i:i }}ニ′..〉　　　　　〈ミノ
ニ>'ニニﾆﾆム　　　　　ム　　 ‐‐∨ /ニﾆﾆ∧/ﾆ∨､ニ>､＼/∧ ､　 ,:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/i:i:i:i:i:i:}!ﾆ′ /
>'ニニニニ>'ﾆム　　　　　}}!　　　　∨ /ニニﾆ:|ニﾆ>､ヽニ>､＼=-/＼i:i:,i_i_i:i:i:i<:i:i:i:i:i:i:i:ヽ′ ７
ニニニﾆ>'ニニﾆム　　　 }}!　　　　 ∨ /ニﾆﾆ{_ニニﾆ>,ヽﾆﾆ>､_/=- ∨ ,/ /∨i:i:i:i:i:i:i:i∥　)〈___
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..}- >'ニニニニニﾆ>':ム　 :}}}　　､　　∨ /ニニ{ニﾆ＼ヽi:i∨ﾆ>､ﾆ=- ＼′ v!:i:i:i:i:i ∥　＿彡'ﾞ
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'ニニニニニイイ-/,'_,/ ∧ :>,　　　 <>　∨=-≦:∨,ニニ≧s｡}}ニﾆﾆ>､=- ∨≧=≦
ニニニ＞¨´ ,-=,/ニ/ / /∨} >　　　　 <>,／ニニ≧＼ニニニニニニニ>､(ﾆﾆ≧ﾑ
¨¨¨´　　　　,-=/ニ/ / /′'ヽ>, }!:　 , <,／ニニニニニ＼ニニニニニニ∧∨ /､ﾆ＼
　　　　　　 -=/ニ/ / /′ 　 {ニ><ﾆ／ニニニニニニニﾆ＼ニニニニﾆﾆ∧∨ /＼ﾆ:＼
　　　　　 ,-,/ニ/ / /′　　　'<≧{{ﾘ／>､ニニニニニニﾆ＞＼ニニニニﾆ∧∨ /ﾆ≧s｡>､
　　　　　 ,-/ニ/ / /′　　　　　'<ニ∨ /∧ニニニﾆ＞＜ニニ＼ニニニニ∧∨ /＼ニニ}
　　　　 .,-/ニ/ / /′　　　　　　 '<ﾆ∨ﾆﾆ〉ニ＞＜ニニニニニ:>＼ニニﾆﾆ∧∨ /ﾆ＼ﾆﾊ
　　　　,-/ニ/ / ,:′　　　　　　　　 {≧＜ﾆ}＜ニニニニニニﾆ／　　＼ニニﾆ∧∨ /ﾆﾆ∨ﾊ
　　　 , /ニ/ / /　　　　　　　　　／¨＜ﾆ≧{{ニニニニニニ>'　　　　　　¨＜ﾆﾆ∧∨ /ニ'∨ﾑ

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レーザーブレードを展開し、雷光を纏わせ薙ぎ払いながら飛翔する。
それにロストワードがぴったりと追従し、マルチプルレーザーで
進路を確保するように敵機の群れを穿っていった。

そもそもの話、局所的な大火力による短期決戦を主としたマーシフルで
消耗戦を挑むこと自体が間違いだったのだ。

プライマルアーマー復旧の音声と同時に背部装甲を解放し、
炎と粒子を撒き散らしながら敵巡行戦艦へと接近していく。

鉛色にペイントされた無骨な戦艦の周囲には、
見慣れた球状の膜のようなものがあった。

「プライマルアーマー……！？」
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1577： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/15(金) 00:15:27 ID:XcvnXUjU0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ _
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　　__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾏﾑ∧=-}ﾄ､¨¨＜i_i_{ﾆﾆ=≦ﾆ／　　　　　＼=- >
　｀¨＜≧s｡≧s｡ _　　　　　　　　　　　　∨∧≦=},ﾑr≧､i:i:i:i≧==‐-＜　　　　　　 ∨ /ム
　　　　｀¨＜_/ニニ≧s｡_　　　　　　　　 ∨∧ニ／≧s:ﾘi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:＼≧､　　　'v=-ハ
　　　　　　　ヽ≦ニニニニ≧s｡_　　　　　　∨¨¨,' -=/=/≧si:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∨ }　　　ﾑﾆ=-ﾊ
　　　　　　　　　｀¨＜ニニニニ〉≧＜≧s､　〉-,/i:ヽ'=/∥ ∥i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i: ∨　　 /ニﾆ=-,
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「怯まない！　プライマルアーマーだろうがなんだろうが、破るだけよ！
やる夫、合わせなさい！」

アリスに発破をかけられ、その勢いのままレーザーブレードを突き出す。
ブレードの刃先がプライマルアーマーに突き立ったと思った瞬間、
右腕部から凄まじい衝撃が伝わってきた。

なんというコジマ出力だ。ブレードの一撃でも抜けないとは、どうかしている。
以前対峙したランク7リンドヴルム以上のコジマによる障壁だ。

そこにロストワードが続いた。
アンカーユニットが次々に敵戦艦のプライマルアーマーを刺突し、
ハンガーから抜かれた深紫のレーザーブレードが突き立てられた時、
ついに粒子の壁が弾け、霧散した。
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1578： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/15(金) 00:30:41 ID:XcvnXUjU0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿　　　　　　　|　 ||　 |　 |
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敵戦艦の先端部に光が収束していく。
余裕がなくて気づけなかったが、砲口が設置されていた。
焦りに駆られるが、それは跳躍してきたキャバルリィによって吹き飛ばされた。
弾丸のように跳んできたキャバルリィはブレードを砲身へと突き刺し、
レーザーキャノンを停止させてみせた。

ブースターを全て停止させ、機体内の全エネルギーを右腕部に回す。
自由落下に身を任せながら、ブレードを媒介に触れる物全てを焼き尽くす
閃光の刃を発生させ、雄叫びと共に振り下ろした。

熱線が鉄塊へとぶつかり、そのまま両断すると、
機関部に直撃したのか船体が膨れ上がり、爆炎を巻き上げた。

炎に巻き込まれながら、シグナムが「ここまでか……！　脱出する！
悪いが後の始末は頼んだぞ！」と叫ぶのが聞こえた。
スラップアッパーにダメージを負わされていた上、今の爆炎で限界を迎えたらしい。
爆音の中で空気を含んだ射出音も聞こえてきた。
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1579： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/15(金) 00:43:32 ID:XcvnXUjU0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ____
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炎が消えると、視界の端にキャバルリィのコックピットが落ちていくのが見えた。
咄嗟にアサルトライフルを投げ捨て、手を伸ばし、
小さな繭を思わせるそれを軽く包み込むように掴んだ。

「さて、よくも散々好き勝手してくれたわね……。
あなたはキャバルリィのコックピットを守ってちょうだい。
後は私が片づけておくわ」

装甲やパーツを地上へとばら撒きながら四散していく戦艦の末路を見送ることもせず、
ロストワードは未だ大量に展開している敵ネクスト群へと殺意の視線を送った。

「分かったお……無茶はしないで」

そんなアリスを案じつつ、やる夫は素直に言われたことに従った。
コックピットを掴んだ手を庇うようにしながらブレードを構える。
空には、無機質な敵たちがコジマの光をまき散らしながら飛び交っていた。

やる夫にはそれすらも、これから激化する戦争の先触れに思えた。
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1580： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/15(金) 00:43:59 ID:XcvnXUjU0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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1581： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/15(金) 00:47:54 ID:XcvnXUjU0: 　　　　　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　／: : : : : : : : : : ::',
　　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　　今日のところはここまでだ。
　.　｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　　なんだかんだと生き残れたね。
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ　　　　　生き残ったやる夫君には素敵な同棲生活の続きをプレゼントだ。
　　　丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
　　　　　　　　｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'　　　　　　明日が欲しいか。ならば今日を使うがいい。
　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

　　　　　　　 ,- ‐‐ -　､
　　　　　ｒ‐ｲ: : : : : : : : :｀,
　　　　　　i /○　○: : : : /　　　/｀､
　　　　　　i_ _ _ : : : : : : :{　　 / : : /
　　　　　　｀,_　_｀=-: : : :| 　ノ : : /　　　　　　　次回は……そうだね、25日月曜日の午後九時からとしよう。
　　　　　　　i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /
　　　　　　　｀-‐､´: : : : : : : : : ／　　　　　　　　ちょっとリアルの都合、というか働かなきゃいけなくてね、たくさん。
　　　　　　　ﾉ : : : : : : : : i´
　　　　　　　 / : : : : : : : : : :|　　　　　　　　　　　時間自体は少しはあるだろうが体力が尽きてると予想する。
　　　　　　i: : : : : : : : : : : !
.　　　　　（｀ー‐-　　-‐　_}　　　　　　　　　　　なんとか頑張るよ。それじゃ、シーユーアゲイン。
1582：安価のやる夫だお：2019/11/15(金) 00:49:21 ID:zp5.nHLI0: 乙
いやー激闘だった
1583：安価のやる夫だお：2019/11/15(金) 00:55:16 ID:f8FIivI.0: 乙でした
1584：安価のやる夫だお：2019/11/15(金) 09:11:31 ID:b/L1MwXk0: 乙でした
1585：安価のやる夫だお：2019/11/16(土) 19:05:54 ID:DjIyr4x60: 乙
1586： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 21:05:15 ID:gahE7ZFw0: 　　　　／||ミ
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1587： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 21:13:50 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　,　-‐ 　 ‐- ､
　　　　／: : : : : : : : : : ::',
　　 , ': : : : : : : : : : : : : : :',
　　/: : : : : : : : : : : : : : :○:',
　　ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',　　　　　　　　　皆がポケモンとデスストに夢中なところで、一人ブラボでルドウイークにぶち殺されまくってる>>1だよ。
　.　｀ﾄ : : : : : : : : : : : _,-‐'｀iヽ _
　　　 i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : ｀ヽ　　　　　オォウ、マジェスティック。　　　　　
　　　 | : : :ﾄ: : : : `-‐´ : : : : : : ､: : : 丶
　　　 | : : :'､j｀-‐ : : : : : : : : : : : ＼: : : ヽ
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　　　　　　　　｀ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
　　　　　　　　　ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ
1588：安価のやる夫だお：2019/11/25(月) 21:15:48 ID:Q5Em3Rjo0: ハロー
1589： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 21:19:43 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ _____＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ´.: : : : : : : : : : :｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l: : : : : : : : : : : : :i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i: : :○ : : : ○: :.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : : : | 　　　　　　　今回は戦闘まではいかないだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j: : : -=＝=- : :.i
　　　　　　　　 r―--┐　　　 i: : : : : : : : : : : :l　　　　　　　　平和という企業の恵みをありがたく受け取りたまえよ。
　　　　　　　　　 i: : : : : ',　　　ゝ : : : : : : : : :t´
　　　　　　　　 ',: : : : : i　 , f: : : : : : : : : : : : : :ヽ　　　　　　　　ちなみに私の中でのイメージでは、アリスちゃんは安産型だ。
　　　　　　　　　＼: : : :y: : : :Υ: : : : : : : : : : :y: : '..,
　　　　　　　　　　　　 ',_: :: :／　 i: : : : : : : : : : : :l丶 : : :ヽ　　　　　何を言いたいか分かるな。
　　　　　　　　　　　￣　　　l: : : : : : : : : : : .i　　＼ : : :丶
1590： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 21:27:06 ID:gahE7ZFw0: ﾍ　　　　　　（_
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仆､ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_l〉 ri心:.:',:.:.:.:.:ヽ｝
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無機質な白に覆われたメディカルルームは、命を繋ぐ場所であるにもかかわらず、
それとは無縁のように思えてくるほど静かだった。

目線の先の同じく真っ白なベッドには、シグナムがその体を力なく横たえていた。
コックピット射出後、戦艦の破片が衝突していたらしく、衝撃で大腿骨を骨折したらしい。

基地に帰還してすぐ、やる夫とアリスは一緒にシグナムの元へ向かった。
なのはも行きたかっただろうが、「先に行ってて」と剣呑な様子で促されしまっては
何も言えなかった。
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1591：安価のやる夫だお：2019/11/25(月) 21:40:17 ID:cMYnj/Sw0: ハロー、モコイさん
1592： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 21:45:10 ID:gahE7ZFw0: 　　　　／: : : __ -: : : : : /: ヽ: : : : : : : : : : : ＼: : : : : : : : :ヽヽ　、: :ヽ
　　　/: :／／: : : : : : : :{: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :ヽヽ:ヽヽ:‘，
　　 /／／: : : : :/: : : : :ｉ: : : : : : : : :ヽ: : : : : !: : : ヽ: : : : : r´: /: : : :＼＼
　　/　/: : : :/: :{: : : : :!: !: : : : : : : : : : ヽ : : : }: : : : :',: :__/｀／}: : : : : :＼＼
　　　/: : : /: : :i : : : : |: :',: : : : : : ＼: : : ヽ : : |: : : : : ｉ´: :/´: : i: : : : : : :/　/
　　　ｉ: : :/!: : : ｉ : : : : !: : !: : :ヽ: : : : ＼: : ヽ斗 : : : : }rヽ: : : /: : : : : ／／:i
　　　!: :/ |: : : :| : : : : |: : :|: : : : ＼: : :才´: :i: :||: : : : : ｉ　 ',: :/､ : : ／／: : : |
　　　',: {　!: : : :!: :|: : ┼-- 、: : : : ヽ´: ＼　 ,〃: : : : }　 /:/ヽ＿_／: : : : : :|　　　　　　　　　ふふ、そう沈んだ顔をするな。
　　　 Ⅵ |: : : ||',: :!、: : i ', | ヽ: : : ヽ　ー‐≠´　| : : / | /:/: |　|: : : : : : : : : :|
　　　　　 ! : : | !:i: :i＼ヾ≠" ＼: : : ＼　　　　 }: :/ /: : /!: |　|: : : : : : : : : :|　　　　　　　　　命があっただけ途轍もない幸運なのだぞ。
　　　　　 ∨: :| ',ヽヽ! ＼ヽ　　,　￣￣　　　　 i / / ／ | : |　|: : : : : : : : : :|
.　　　　 ∨ | ヽヽヽ: :| ｀ヽ　ヽ　＿　　　　　 |/ / |　　 |: |　| : : : : : : : : : |　　　　　　　　　折角よく笑うようになったのに、もったいない。
　　　　　　　ヾ､　＼｀ヽ| : ヘ、　　ヽ　ﾉ　　　　ｲ: /　|　　 |: |　| : : : : : : : : : |
　　　　　　　　ヽ! !: : :{　＞　　　　　　イ //　　|､　 | |　|: : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　 ',: : i　　　＞　＜　　〃　／ヽヽ.| |__|: : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　 ∨ {　　　　　 /　　 / - ´　　 /:.:.:.| ヽ、 : : : : : : : : :|
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　　　／_ノ　ヽ､_＼
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／::::::⌒／)／） ⌒::::: ＼　　　　　　とにかく、治る怪我でよかったですお。
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＼　|　/　二二)　　／
／　ｉ　　　r‐一' 　　＼

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沈黙するアリスをよそに、当のシグナムは朗らかに笑って見せてきた。
確かに、命があったことは幸運と呼ぶ他ない。
あの状況では、死んでいたっておかしくはなかった。

そう、思うしかなかった。
シグナムが助かった事実で、シグナムが死ぬかもしれなかった恐怖を塗り潰した。

戦艦を撃破した後、アリスは獅子奮迅の勢いで大量のネクスト機を撃墜した。
手にしたキャバルリィのコックピットを守っていたやる夫は終始回避に徹していたが、
それでも三十分とかからずに、ロストワードはあの大軍を平らげてみせた。

それは偏に、シグナムを一刻も早く医療班に見せたかったからだろう。
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1593： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 21:55:50 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　　　仄いrく艾艾艾艾癶、
　　　　　　　r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、　　　､
.　　　　ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、　　＼
　　　　／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、　　ヽ
　　　／￣　　　　　　　　　　乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
　　　　　　　　　　＼　　　　乂乂ｎ::::::::::rう)、
/　　　　　　　　　 :.＼　＼　　　乂ｎ:::::::::rう)　　　 ′
　　ｉ　　　　　　:　: 　 ::::::.　ヽ　 :.＼　　乂辷辷く　　　　 ′
　 ::|:.　　￤　　:...:|....: i :::|　　　_}L.:. 　　　艾艾艾＼
　 ::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七'　　　　 |l　￤　 Y⌒Y^　＼　 |　　　　　　　待ってて、シグナム。
　 ::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::|　〕斗ぅ弌7. |ｌ　|:　　 V⌒ト､　＼＼ |
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク　 |l　ﾊ:. 　 | 　 |ｌ　＼　＼＼　　　　　　こんな戦い、さっさと終わらせてみせるから。
: |::::: ＼＼⌒＼/　　　　　''¨゛´ 　八Λ|::　| |:)　八. 　＼　|
八::::::::::|＼托笊!　　　　　　 ./ .:/ ..:|::　ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿　　　　 IGIOも、アヴィアコルも、ノルドルムも。
:.　＼ : |＼＼`ｰ1　　　　　　 /／〉..:/|. /　「 ::|ｌ　　 |.　　　 ) 　　 )
＼　　丿:::::ヽヽ込､　　　　　　　　/／　 ′/　 :|ｌ　　 |　　　(　　　　　　　　二度とこんな戦いができなくなるくらい、叩き潰してくるから。
　＼　　乂__込、　　_　ｰ　　　　　 ./　 /　　 |ｌ　　ﾄ､
.　　　　（　 |:l ＼＼　　　　　　　　　./　 /:/...　八|: 　|:::＼　　　　　　　　　　安心して。
　　　　　＼|:l:: |:ﾊ　ヽ　　　　　イ..::/　 /:/ 　 /|:: |: 　|:::::::::＼
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: 个ヲ　厂ハ/　厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
　　　　　　 |:l:: |:: |: |:　|　ﾉ/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: 　|
　　　　　　 |:l:: |:: |: |: ｜}/ 　厂￣　,ィ__八/: : : |:: |: 　|

　| : : :/　/: : : : : //: {: : :/: : :/: : /: : :/ : : /: : :/: /: : : /!: : : : :!: : /:/: : : : |: : :ヽ: : :
　|: : /　/: : : : : //: :|!: :/ : : /: : :ｉ: : :/ : : /: : / //: : :/ ｉ: : : : : }: /: / : : : : |: : : : ｉ: :
　|: : ',　{: : : : : ://: :| !: i: : /|: : : |￣/｀ -/‐-／_/: : / ./: : : : /: /! ,'|: : : :|: |: : : : |: :
　| : : ∨',: : : : i　i: : | | |: :/| ! : : |: :z=≠≦__　/｀／､ /: : : : / / |/　!: : : ! /|: : : :|: :
　|: : : : ∨.', : :|　|: : |　|: /　! ｉ: : | /ヽト′::::仍｀ヽ　 /: : : : /┼ /―┼-/:,'l |: : : :|: :
　| : : : :.:| ヽヽ.|　|: :.|　| i ヽ | | : | {　　辷zzシ　　/: : : : / ,≠乏ﾃｱ: :/:/ } |: : : |: :
　|: : : : :.| : : ヽヽ : : |　|/＼ !: :!: |ﾘ　　　　　　 / : : ／/ 仍:ソ／} // / | |: : : !|: :
　|: : : : :.| : : : : : : : :.|　||: : |､:| ヾ､　　　　　　　 /: :／　　　ヾ-　// }: /　/ !: :/ }: :　　　　　　　　　まったく、頑固なところは変わらないな。
　|: : : : :.| : : : : : : : :.|　.| : :.| | !: :!　　　　　　　/／　　　　　 ./: : /:/　.〃}: /　i /
　|: : : : :.|: : : : : : : : .|　 | : :| .| ', ', 　　　　／　　　　 !　　 ./ !: /　　 / /:/　 /　　　　　　　　　　少しは肩の力を抜け。
　|: : : : :.|: : : : : : : : :L___|: :|　|　': ヘ、　　　 ',￣フ　 ´　　ｲ　i /　　　 /／
　|: : : : :.|: : : : : : : : : : : : :,┴!|　ヾ、ヘ、　　　　　　　イ　〃　　／　　　　　　　　　　　　　　　それではやる夫君も気苦労が増えるというものだ。
　|: : : : :.|: : : : : : : : : : : /:.:{　＼　　　　＞　　　　＜　　　 /
　|: : : : :.|: : : : : : : : :, イ:.:.:.ヽ　　ヽ、　　　＞＜
　|: : : : :.|: : : : ,､r ´　 .!:.:.:.:.:.:ヽ　　　　｀ヽ、　 {/ !｀ヽ、
　|: : : : :,､r ´　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:＼　　　　　　/ヽヽヽ　｀ヽ、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスは静かに、力強く企業連の打倒を誓うと、踵を返して病室の出口に向かった。
その横顔は鋭く冷たく、どこか悲しげだった。

「アリス」

「メディカルチェックを済ませてくるわ。先に部屋に戻ってる」

呼び止めるやる夫も残して、アリスは踵を鳴らしながら部屋を後にしてしまった。
華奢な背中を見送りながら、シグナムが後ろで溜め息を吐くのを聞いた。

「すまないな、やる夫君。少しだけ、ロートルの話に付き合ってはくれないか」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
1594：安価のやる夫だお：2019/11/25(月) 22:00:16 ID:cMYnj/Sw0: なのはさん、シグナムさんの過去話は気になる
1595： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 22:06:33 ID:gahE7ZFw0: 　　　　,イ　二二: :ヽ　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ、 : : : : : : : : : : : : : : |
　　　／　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ヽ、: : : : : : : : } ヽ : : : : : : : : : : : : |
　　　／: ／/: : : : !: : : : : : : : : : : :/: : : :ヽ: : : : : : :r-: }ヽヽ: : : : : : : : : : |
　　 /: 〃: :/: : /: : |: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : /´: : |:ヽ: ヽヽ: : : : : : : : |
.　 /／/: :/: : / /|: ! : : : ! : : ヽ: : : :､: : : : : : ヽ-: : : }‐ : }: : :＼＼: : : : : :.|
　/　ｉ: : :ｉ: : :ｉ: ｉ: |: :|: : : :|: : ＼＼: : ＼: : : : : ヽ／: : : :,'ヽ : : : ヽヽ: : : : :|　　　　　あの子がオルデンブルクの寵児だということは知ってるな？
　　　{ : : !: : :| |: :!: :!ヽ: : ヽ: : : ヽゝ　斗‐‐: : : ‘，: : : ./| | ｉ: : : / / : : : : |
　　　i: : l| : : | |: :', ｀ヽヽヽ ,斗 ´ ＿z,≠､: : : : : :',: : /| .| |ヽヽ// : : : : : :|　　　　　「はい、アリスから聞きましたお。施設で育ったって」
　　　|: :| !: : :|! | !| ｉ !圷､: : ', 　イ乏:::}/ヽ:ヽ : : |',: i:/ ||　| | ',／: : : : : : : :|
　　　 ! | ‘， |ﾘ ',ヽ:| .!ﾋﾘヽヽ　辷zｼ　　 | ‘， | ∧､ |.| .| |: : : : : : : : : : :.|　　　　　　あの子は十六の時、正式にリンクスとして登録された。
　　　ﾘ　　', ｌ　ヽ: |. !　,　＼ヽ　　　　　 | | .!: :|:/ ヽ| |　| |: : : : : : : : : : :.|
.　　　　　　ﾘ　　ヽ|.ﾍヽ　　ヾ､　　　　 | |　ヽ |、　 | |　|| |: : : : : : : : : : :|　　　　　　その時、後見人として指名されたのが私だった。
　　　　　　　　　　　＼ヽゝ　　　　　 .| ! 　ヾ､',　｀　 || |: : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　 |:＼　　　　,　　〃　＿ ----､　 | ｀ : : : : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　| | .｀-　´　ヽ /:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ | : : : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　ﾘ　　　　 /:.:.:.:.,:::::´￣￣￣￣:::::|: : : : : : : : : : : : |
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　　　　　　　　 |:.:./|:.:.:.:.:.:.ﾊム|　|∧:.:.ﾄ､ | ＼ｌヽヽ:.:.:.:.:.|ヽ|:.:.:.:./　＼/
　　　　　　　　 |./ .|:.:.:.:.:.ｲﾍ.｀丁卞ﾍ .ｌｘ孑卞丁ヽ　 ! ヽ:.:./ ｌ:.:.:.:.:.:.!
　　　　　　　ﾘ　|:.:.:.:.:.:!:.:.ﾍ＝== ﾍｌ　　＝==　｀､　|　|／:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.|　　　　　　　最初はかなり手を焼かされたものだ。
　　　　　　　　　 ∨:.:.:.|:.:.:.:.｀ゝ　　　ヽ　　　　　　 ∨ｌ /ｌ:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.|
.　　　　　　　　　 ∨: |∨:.:.:.ﾍ　　'　　　　　　　八/　ｌ:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.!　　　　　　　言うことは聞かない、喧嘩っ早くてすぐ噛みつく、
　　　　　　　　　　　＼!　＼小　　ｒ‐､　　　　／ | ク、.!:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:|
　　　　　　　　　　　　ヾヽ丶､｀´　　　ｲ　　ﾉﾉ　＼:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.!　　　　　　　何かあっても抱え込むし、問題児だった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヾj.　　＞≦゛__-‐´〃　 .／＼ｌ:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　__ﾒ- ―'´ |　「:∨　　　　／＼　　＼ :.:.:!　　　　　　　人との関わり方を知らなかったのもそうだが、
　　　　　　　　　　　　　　　　{ ﾄ-──　| ｲ:::::∨　　／　　｀丶　｀ヽ'_
　　　　　　　　　　　　　　　 ,' .!　　　　　ｌ/:::;／|__／　　　　　　＼　　＼　　　　　自らの力のみが、あの時の彼女を彼女たらしめていた。
　　　　　　　　　　　　　 |　|　　　　 /::::/　　　　　　　　　　　　フ孑:￣}
　　　　　　　　　　　　　 |　ﾄ　　　 /::::/　　　　　　　　　　　　／゛　　 |　　　　　中々、酷い話だ。
　　　　　　　　　　　　　 |/′　　., ':::::/　　　　　　　　　　　 |　　　　 |
　　　　　　　　　　　　, ' 　　　/::::::::j　　　　　　　　　 |　　　　 |
　　　　　　　　　　 {　　　　{::::::::::|　　　　　　　　　　 |　　　　 |
1596： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 22:18:40 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　　 , -‐- ､　　　　　、_-―――-　、　ヽヽ
　　　　　　　/::::::::::::::::ヽ、／´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍヽｌ／ヽ
　　　　　　/::::::::::::::::::::::::y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::l::::::::::ヽ
　　　　　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ:::ｌヽヽ:::::ヽ
　　　　/:::::::::::::::::::::／l爪ｌ:::::::::::ｌ::::::/::::::::::ｌ::ｌ::::ｌ:::::::ｌ:ｌｌ:::ヽ:ヽ:ヽ:::ヽ
　　　/:::::::::::::::::／ /:::ｌヽtﾐ「Y:/::::::ｌ::::::ｌ::::ｌ::ｌ::::::ｌ::::::ｌ:ｌｌ:::ｌ:::ヽ:::ヽヽヽ、
　.　/:::::::::::::::::/　/;;//ｌ:::ヽ:::::/:::/::ｌ::::::ｌ:::ｌ::ｌ:::::/ ｌ::::ｌ:ｌ´ｌ::::ｌ::::ｌ:::::::ｌヽｌヽ　　　　　　今でこそ企業の管理から大分離れ、色々と世俗に触れたりして
　 /:::::::::::::::::::|　ｌ::::// l::::::::::/:::::ｌ:::::ｌ:::::ｌ::l::l l:/　ｌ::/ｌｲjｌ::::ｌヽヽヽ::ｌ　｀
. /::::::::::::::::::::::| ｌ_/ /ｌ l::ﾍ:::::ｌ:::::/ｌ:::::ｌ:::ｌ<ｌｌ近ｌﾊ/ｌ/　、:/::ｌﾍｌヽﾍｌ_　　　　　　　　　丸くなった方だが、それでも相変らずなところはある。
/::::::::::::::::::::::::ｌ　／ｌｌ/　ｌヽｌ::/ｌd::::ｌ∨　ｌ　　　　　　/::ｌ::::ｌ)｀ｌ　｀｀｀、
::::::::::::::::::::::::::ｌ／::::::l l　　ｌｌｌ/>ヽｌ::::ｌ:::ｌ　u　　　　　/ｌ:::ｌｌｌ.ｌヽ　　　ｌ　　　　　　　そんな彼女は、いつしかオルデンブルクの女王と
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l l　　ｌ/ /　　ｌ::::ﾊ:ｌヽ _　　'"／　l:::l l/〈　　＿　　ｌ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ｌｌ　　／＼＿ヽ::ｌﾍ:┐┐￣　　ｌ/　　ヽ_/::::::＼_l　　　　　　　呼ばれるようになっていった。友達など見たこともない。
:::::::::::::::::::::::::::::::::/. ヽl ／　　　／＼ヽヽ只;ヽ―-┐　　　 l:::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::/　　 /;;ヽ、_／;;;;;;;;;;;ヽ / ヽヽヽヽ-/;ｌ　　　ｌ:／＼:::::::::l　　　　　　だが、君だけは、アリスを普通の子として扱ってくれる。
:::::::::::::::::::::::::::/　　　l;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽヽ‐ヽ~｀ｌ::ｌ;;;;;ヽ、　ｌ/:::::ヽヽ:::::::ｌ
::::::::::::::::::::::::/　　　　ｌ;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ::::ヽヽｌ::ｌ:::`‐- 、ｌ::::::::::::ヽヽ:/
::::::::::::::::::::::/　　　　ヽ;;;;;;;、;;＿＿＿＿／::::::ヽ::::::ヽ::::::::::/::::::::::::::::::〉ｌ

　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : ／: ; =ﾐ: : : : : : :＞ｘ）:}
　　　　　　　　　　　　　 .:′: ;厶イぅ:／: : : : : : : : : : :=;彡ﾑ:ヘ
　　　　　　　　　　／:r 彡:代=Lｲ: : : : : : :／: : : : : :}: : : : : :‘，
　　　　　　　　／.: :.:| 「: :〃: /:/: : : ／/: : : /: : : /: : : : : : : :',
　　　　　　／.:.:イ:ィL.レｲ{:/:/: ￣ｲ7: :ｧ-ィ: : : ;ｲ:. :. :} : : i: : :.
　　　　　　厶彡: : : : :〃:∧;.ｲ: :/}「芹卞:ﾐ7: : :/ ﾑL_:/: : : |: : ﾄ
　　　　　／ィ: : : : : ／/: /　ﾍ7:ィ:1`辷ソ_Ｖ／7'ィfｒz:/; : : : :|: : |ヾ:、
.　　　／／/: : : :／ .:':／|　{ Y人!:| .:.:::::.　/′´ 以ﾉ/:/: : i.: :|: : |　＼　　　　　どうか、アリスを支えてやってくれないか。
　　／／ ,.:′:.;イ　 /:/　 Lｉ」 jﾊ小|　　　　　〉::.｀7ｲ:1 : : |: :ﾊ : |　　ヽ
　 .:′′.:′.:／/　〃'　　　　ﾉ }ﾄ!　　　ｰ　_　　彡: : : /!/　}: ;　　　　　　　　あの子は強くなどない。
. /／　 /: ／.::/　〈r≦-￣｀ K＝=:L＼　｀　 .:イ: :/: : / j′ j/
.《:{　　/／.::::::′　 7.:.:.:.:.:.:.:≫ｘ.＞､　｀7＜　　 .:.:/: : / / 　 /　　　　　　　　　純真で、真っ直ぐで、不器用で、優しい子だ。
　ヾ:v'.::::::::::::::{　　 .′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i|　＼/::::::|{　　 /ｲ.:.:./ /　　,′
　　/: : : : : .:.:ﾊ.　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l|　　ヾ:::_廴.／　|.:./. ′　　　　　　　　　　　　あの子を、独りにしないでやってくれ。
　 .′: ; : : : :. :.∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.└-　_ 　ヾ辷x　厶′
　{: : :/: : : : : : /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ／: : :.｀: .､トミｽ、　　　　　　　　　　　　　　　　それが私からの頼みだ。
　 Ⅵ: : : : : : r=≦.:.:.:.:.:.:...:√￣ィニ=ｰ-=ミ:ﾌ⌒ヾ入、
　　ヾ: : : : : 「￣: :=:彡: ´　ｨ{‐"　　　　く　　 v　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
シグナムは穏やかな表情で、やる夫をじっと見つめてきた。
下半身を隠している布団の下には、処置の施された痛々しい脚があるだろうに。
そんな様子は微塵も見せず、シグナムは口の端に笑みを浮かべた。

その姿に、やる夫は見覚えがあった。
自分を見るなのはも、同じような眼をしていた。
今のやる夫をなのはが作ってくれたように、今のアリスをシグナムが作ってくれたのだろう。

それに報いるべきだと思った。
帰る場所も戦う理由も見失った自分に、アリスは手を差し伸べてくれた。
今、自分にできることはただ一つだけだ。

「きっと、幸せにしてみせます」
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1597： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 22:22:39 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　　/: : ,. - ´ ／: : : : :/: : l: : : : : : : : : : : ＼ : : : : : : _l_　} -. ､: : : : : ＼＼
　　　　　 / ／　　 /: : : : ／/ : : l l､: l: : : :ヽ: : : : : :丶: :,.-く　 r_〉 __: :ヽ: : : : : ＼ヽ
　　　　　 l/　　　 /: : :,.ｨ : : l: : : :l､:lヽ:斗-‐ l : : ＼: : :弋　　l-' : l-.､丶: :＼: : : : :〉〉
　　　　　　　　　　/: :／/ : : : l: : : l,ｫﾃ7フ､: : l ヽ: : lヽ : : ヽノ: : : :l､､＼＼: :＼: / /
　　　　　　　　　 /: /　/: : : : : l: : :ｌ迎i　　 l: : l: :lヽ: :l 丶: : :ヽ: : : :l ヽヽ:＼＼_ / /
　　　　　　　　 l /　 l: : : : ｒ'　ヽ: l　　　　 l: :l: : :l ヽ l: : ヽ : ヽ : :/､ : l l: : :＼_/_/ :　　　　　　　それでこそ、私も安心できるというものだ。
　　　　　　　　　 l'　　 l: : : : :〉_　ヽl　　　　　l:ハ : ﾚ',l: l: : : ヽ : l／　丶:ヽヽ: : : : : : :
　　　　　　　　　　 l: : : l: ヽ｀　　　　 /: : ﾊ: l ヽl:l : : : : l: :l　　　＼:＼＼ : : :　　　　　　　　私の教え子を、頼む。
　　　　　　　　　　　　　l: : ｌ l: : ｌ　　　　　 /,. -┴_. ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ l: :l　　＿_　＼:＼＼:
　　　　　　　　　　ヽ l　ｌ:　〉_ .. -‐ 'ﾞ ,.l　「　　　　　　 l: l '´　　　丶　＼: : :
　　　　　　　　　　　　　　ヽl　l: :l｀`'' ‐- ､l: :l　l　　　　　　　／ l:l　　　　　　ヽ｀ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:l l : l'´,　l: :l l　l　　　　 ,. ｧ'′　ﾘ　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／l: l'´　l: :l　 l　l　,. -'´ /
　　　　　　　　　　　　　　　く　<l: ! 　 !: ｌ／／　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼l:l　　 l < <　　　　 /
1598： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 22:22:53 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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1599： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 22:25:35 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　　　　　　　　-― -
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　 l::::::ﾍ:::::::＼/::::::::::::::::::::::::::i::::::i::::l:::::l:::::::::::ヽ::::::::l::::::::l ヽl
　 l::::::::::ﾍ::::::/::::::/:::/::::/:::::::l::::l::l::::l:::::l:::l::l::::::l:::l::::::l::::::::l　|
　. l::::::::::::ﾍ::l:::::::l::::::l:::::l:::::::/:::://::/l:_/l_｣_l､:::l:::l::::::l::::::::l　　　　　　……これが、あのネクスト機のコックピットにあったもの？
　　ヽ::::::r‐‐|::::::l::::::l:::_｣::-r‐:/7フ´｢/ .l/ｫﾐ:::l::::l::::::l:::::::l
　　. ヽ::{　　l:::::::l:::::l:´::l:::/∠ ﾆ＝ﾐ　ﾁﾟ://::/ /:::::ｲ::::/　　　　　　「はい。ほとんどの機体が自爆してしまって跡形もなかったのですが、
　　　ヽ＼ヽ:::::l::::::l::::<´,イ　 ,ﾘ　　 .ﾑ//;ｲ:::/::::/.l:::/
　　　　ヽ:>ｰl＼{ヽ{ヽ{　辷z/　　　　 l'//::/l:::/ l::/　　　　　　　　　これだけは不発に終わったらしく、残骸が残っておりました」
　　　　　V　 .l::::l` `　　　　　　　 v':/／ l:/　l/
　　　. r,/　　 .l::::l　　　　　　 _ ／l:::l:::l /'
　　　/〈ヽ､　　ヽ:ヾ､　　　 ´／::::::l:/:::::l
　　./　＼　ヾヽ､ヽﾍ/` ┬-....´:::::::::/'::::::::::l

　　　　　　　　　／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞､i.:.ｲ´.:‐..:.:.─ ､
　　　　　　 ,､イ.:.／.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...:::.:´.:.:.:.:.:.:.､.:.:.:.＼
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　　　　,ｲj､.:.v.:.:.:.:.:.::/:/.:.:,ｲ/.:.:.:ﾉ!.:.:i.:..:j.:.:.:.:.ヾ;,.:.:.:.:.:.:ヾ.:.:.ヽ　｀ﾍ
　　　　/ll!ﾊ:.:′.:.:.:.:/./.／.:/.:／.,ﾉ.;/l:.:;!.::l.ﾍ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.'; 　　!
　　　 ∧jﾊ.:′.:.:.:.:.′〃xｆz左ｚ,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ﾍ.:.＼.:.::.':;.:.';
　　　 l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./ｊ.:,ﾘ.:./.:l.:.ﾍ.:.::.ヽ.:.:.';.'|
　　　'.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{ｲ ,伐::::::斥′　　ﾉクｻﾄxj:.:.li.:l.:.ﾊヽ.:.';.:.:;.!
　　　　∨　 !′l:.:.:|:.:.! ､辷ｰクﾉ　　　　ｹ云x.:ﾉﾒi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!
.　　　　ゞ､)l::.:.:ゝ:ﾍ､:!　｀¨¨ﾞ`　　　　　/.::ﾇﾘｹ;´.:;ﾘ..:.:.:.∧:l.:.:ﾊ!　　　　　　　破棄して。
　　　　　 'iｰl;:.:.:.::.个｀　　　　　　　　　匕ﾞ.ノ_ノノ/!:.:.:.;/　ﾚノ　!
　　　　 l.:人::.:.:.ﾞl　　　　　　　　　 ¨`て.._｀V.ﾊ.:::/ 　 !′　　　　　　　　「は……はい？」
　　　_,､n<　 '.:.､∧　　　　　　　ｃ｡　　　人__,¨＼:l/
　　ｲ´.:::.ハﾍ　'､l?∧　　　　　　　　 .,／: :.j　／}′　　　　　　　　　　　　　破棄してって言ったの。
／　l:::::::., 　＼　´､?「＞､　　　　 , イ´. 　.:.イ´.:l.:.|
　　ｊ::::::::.ﾍ　　＼　　＼ﾍf＞.ｰイ. . . :＜.:.:.:.';.:.:.:|.:|　　　　　　　　　　　　　　責任は私が持つから、お願い。
／¨ ﾍ:::::..∧ /＼｀ >ｰ<cﾊ. . . . . . .fヽ,¨ -ﾅﾍ.';.:.:|.|
////∧::::..∧＼/∧ Y∧:lｌ. . .,,..ｲ".ｿ ',////,j.:.';.:.||　　　　　　　　　　　　　　　「……承知しました」
/V//,∧:::::..∧､/　 >介ｲー"´　／.:::.∧//zj.:.:.';.:.|
j∧V//∧:::...∧　　ｊメﾍ＿_　-ｲ.::::::::::::.∧//j.:.:.:.';.|
j:iV∧//∧:::::::..＼　ヽ´.:::::::::::::::::::::::::::::::::人/j.:.:.:.:';|
1600： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 22:32:29 ID:gahE7ZFw0: .　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:＼
　　　　 /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : ｌ:.:.:.:.ｉ:.:.:.:ヽヽ:ヽ
.　　　　ｉ＼:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｉヽ:.:',
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　　　　 |:.:.:.:.:.＼:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: ｉ:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|　　ヽ
.　　　　、＼:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|
　　　　　ゝ:.:.＼:.:. |{´｀ｌ:.:|:.:.:|:.:.|:./ﾍ　{::ﾘ/ 〈/ ｌｲ:.:./l:./
　　　　　 |＼:.:.:＼:|＼ゝl:.:.:|:.:.|/　　ゝ'　　＼ |:./ ﾚ′
　　　　　 |:.:.:.:.ヽ、ヽ:|　｀!:ヽ:|、|　　　　　　／ﾚ′　　　　　　　　人の道なんて、とうの昔からなくなってたと思ってたし、
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.＼/　 ‘，＼＼　　― ´
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.:. |　　　ﾍ:.:.:.ﾍ　　　　/　　　　　　　　　　　　　　私にそんなものを語る資格なんてないけど……
　　　　　 |:.:.:.:.:.:.:.≠__　　　ﾍ:.:.:ﾍ ―‐´
　　　　　 |:.:.:.:.:. / ｀ヽ､≧ｭ､_ヽ :.{　　　　　　　　　　　　　　　　　　随分、趣味が悪くなったものだね、企業も。
　　　　　 |:.:.:.:.:.:|::＼　　 ≧ｭ､｀ヽヽ
　　　　　 |:.:.:.:.:./::::::::＼　　　＼ｌ┤　　　　　　　　　　　　　　　　とにかく、これだけは誰かの耳に入る前に消さないと。
　　　　　 |:.:.:.:/:::::::::::::::::＼　　　ヘ{ ヽ、
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三三三三| |!::: : : o 　　　 . ,　-‐‐ーー-, ､.　　.: :ﾟ0::::::::::::i| |三三三三　　　　「こんなくだらない権力者たちの思惑で、
三三三三| |!::: : :　　　　 .／､ゝ_{´　{´{ﾞ´ｿ-､>､.:｡: :ﾟ:::::::::::::i| |三三三三
三三三三| |!:: : 　　　　o/ﾍﾞ‐'´)､ {ヽノ＿<´丿/ヽ. .: : :::::::::i| |三三三三　　　　　あの子たちに不幸になってほしくないから……」
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1601： ◆x0SRSoJXe.：2019/11/25(月) 22:32:59 ID:gahE7ZFw0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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