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【安価】やる夫は誰かのために戦うようです【R-18】

1 ◆x0SRSoJXe.:2018/11/18(日) 22:14:42 ID:NOfdPGR20

   ∧ `i¨ヽ   i   i  γ⌒ヽ`i¨ヽ `i ̄'`| ̄`ヽ.  .i\ i\
  _/,,∧ ├く    ∧ .∧ {{   }}|-く. ├一.|    }  .| | ヽ| .:iヽ
. _/_   ヘ_jL \__/ ∨ ∨ヽ、__ノ jL \」__.,イ!____ノ   | | .:| | ヽ
                    γ⌒ゝγ⌒ヽ `i¨ヽ `i ̄'\‐┘ー, .| └─:\
                   {{   {{   }}├く ├一. ¬┌ .:| ┌─'′\
                    ヾ、__.イ ヾ、__ノ .jL \」_イ   j_.L._j__L      )\

●この作品は株式会社フロム・ソフトウェアによって平成18年12月21日に発売された、『アーマード・コア4』の二次創作作品です

●原作との相違点も多く、作者の知識の至らない点は自己解釈によって補われています。あらかじめご了承ください

●この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません

1383安価のやる夫だお:2019/08/29(木) 09:49:41 ID:X0XWFncE0


1384 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 22:42:04 ID:pCrTYZ960
    /||ミ
   / ::::||
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 |:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i
 |:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l       ごめんなさい、寝落ちしてました。
 |:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
 |:::::::::::::::||___ : : :丿
 |::::::::::::::(_____ノ´||
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
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   \ ::::||
    \||

1385安価のやる夫だお:2019/09/04(水) 22:44:22 ID:XxTRK.Gw0
はろー

1386 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 22:48:38 ID:pCrTYZ960
ちょっと待ってね、今充填してるから。

地球のみんな、オラにHネルギーを分けてくれ。

1387 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 22:54:34 ID:pCrTYZ960

         _ _ _
       /: : : : : : `i
.       i: : : : : : : : : :!
       、: :○: : ○: :!
        i: : : : : : : : : i
        l: : :,, --_ッ: :',       よし、行くぜメーン。シェケナベイベー。
        丶 `‐'´: : : :ノ
         / ´: : : : : : : : `ヽ      待っててくれてありがとう。
  .     /: : : : : : : : : : : : : ヽ
    , -‐': : ,: : : : : : : : : : : : : :ヽ     やってやるぜカリフォルニア。
  /: : : ,-イ: : : : : : : : /`丶: : : :、
  r⌒ ,/ /: : : : : : : : i   i: : : : i     イベントシーンから再開だ。
  ` ‐ '  /: : : : : : : : : |   ! : : : |
       i: : : : , _ -‐ ´,)   ` ヽ _|
        (_ _i ̄(_ -‐'´i
      | :|`‐´i : : : : |
       |: :ノ_ _ ノ: : : : :|
       |: : : : : |: : : : : !

1388 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 23:07:21 ID:pCrTYZ960

             >ニ´ ̄r芯^Y≧ュ_
           //ニニニニニニニ/⌒´ ̄\_
           / /ニニニニニ/ノ   / } ヽ}
         /  人ニニニ/ノ´     /  .| }\
.        / / ./ ゝイ   /        |i ヽ
       / /  / / .|「 /     /     八  }
        |. 〈_/ /  }j |   _/    /  ∨|
        |  ∨_ イ.しイノ { ///}\  /  |   }
        |    { | ̄´/{芹云ミ /   /ヽ }   |
        |    | |    | .ヒツ 厶イ}/イ /   |
        |    | |    |      芹ミ } /   /
        }      i   トノ      ヒリУ  /       …………。
.       /  /  |   |{    _    ノ ̄{ i
      /  /  /|   || \    イ   / |
     ./  /  / .|   ||_∧`二≦ }  |  |
    /  /_イ │_  ||<⌒ヽ ヽ |  ト、│
    {<´ ̄\   」、ヽヘ ト、_ノ } |   | }′
   /     ∧`YY }  `Y   .| |   | 人
.  /       ∧  {     }⌒7⌒}′ j.   \
  {. /        ∧ ヽ   、 ` ̄ ̄`>─ 、_}__
  |/            \ ∨   }、二二)   [iiiiiii]}
  |           /⌒ヽ | }r'=テヽ   二ニ}
  |             /⌒7⌒ヽ` ̄{二二>─イ {
   \        /⌒7⌒7^Y 人_    \^Y
    \イ⌒}´ ̄/{ ⌒7⌒7⌒ヽ (_       } )、
     /  }i  |  /\ ⌒7⌒ソ   (_  ̄\_ノ( }
.    /   /|   }. /   \ 厶イ⌒7^人`>イ⌒7ヾ「
   ゝ _イ .| ノ ./      \/⌒7⌒7^Y  {_/⌒7
       | | `ヽ       }    人 ノ  |_)⌒7
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メディカルチェックを受けた後、何を言うでもなく二人で自室の方向へと向かった。
二人とも基地内の同じ区画に自室があるため、流れとしては自然だった。
ただ、言葉にするまでもなく、とにかく今は一緒にいたかった。
黙って足並みを揃えてくれるアリスも同じだったのだろう。

二人で各施設を繋ぐ連絡通路を歩いていると、多くの人の視線を浴びた。
技術者らしく白衣を着こんだ壮年の男性、医療関係者らしき制服の女性、
作業服に身を包んだ若い整備スタッフの青年。
それらの素性を問わず、誰もが通りすがる際にやる夫たちに一瞥した。

好奇はあったかもしれないが、悪意に類するものは感じなかった。
アリスの日頃の行いもあるのだろう。
やる夫と肩を並べて歩く彼女を、多くの人がどこか暖かい目で見ていた。

オルデンブルクの女王が男性リンクスと連れ添っている。
その事実は、どうやら彼らにとって疎むべきものではないようだった。
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1389 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 23:12:18 ID:pCrTYZ960

          仄いrく艾艾艾艾癶、
         r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、   、
.        nrnrnrnrnrnrn:::::::::::::::::::辷う、   \
     /乂乂乂乂乂乂乂nrn:::::::::::::::辷う、   ヽ
   / ̄          乂乂nrn::::::::::辷う、
             \        乂乂n::::::::::rう)、
/               :.\   \    乂n:::::::::rう)     ′
  i      : :   ::::::. ヽ  :.\     乂辷辷く     ′
  ::|:.  ¦  :...:|....: i :::|   _}L.:.      艾艾艾\
  ::|:: |:::::l|:.. . .::::::|:: 斗r七'     |l ¦   Y⌒Y^  \   |
  ::|:: |:: 八:::::::::::::|l::l::| 〕斗ぅ弌7. |l  |:   V⌒ト、 \\ |
: |:八:. 、:::: ヽ :::::::八乂{ア乂`ーク  |l  ハ:.   |   |l \ \\
: |::::: \\⌒\/     ''¨゛´   八Λ|:: | |:) 八.   \ |
八::::::::::|\ 托笊!           ./ .:/ ..:|:: ハ! ,.:代_____\__
:. \ : |\\`ー1          //〉..:/|. / 「 ::|l   |.    )    )
\  丿:::::ヽヽ込、         //  ′/  :|l   |   (
  \   乂__込、    _ ー      ./  /   |l   ト、
.    (  |:l \ \         ./  /:/... 八|:  |:::\
     \|:l:: |:ハ  ヽ     イ..::/  /:/   /|:: |:  |:::::::::\
       |:l:: |:: |: |: 个ヲ 厂 ハ/  厶仏:::/^|:: | . ├――=ミ
       |:l:: |:: |: |: | ノ/: 厂\彡く/|..../: : |:: |:  |
       |:l:: |:: |: |: |}/  厂 ̄ ,ィ__八/: : : |:: |:  |

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部屋の前に着くと、やはりアリスも立ち止まった。
確認するまでもなく、カードキーでドアを開けて中へと踏み入ってくる。
当然のように、アリスもぴったりと後ろからついてきた。

「なによ、あまり動かしてないじゃない」

部屋の中を見たアリスが発した第一声はぶっきらぼうなものだった。
立ち止まり、眉を顰めて部屋の中をぐるりと見回してから、
おずおずとやる夫の方に視線を向けてきた。
深紅の瞳は不安げに揺らいでいる。

「いや、気に入らなかったとかじゃないんだお。
急に色んなものがある部屋に来て、どうすればいいのか分からなくて」
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1390 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 23:22:00 ID:pCrTYZ960

       /  ̄ ̄ \
      /ノ  ヽ__   \
    /(―)  (― )   \     「……一つ聞くけれど。もしかして任務までの間、水飲んで寝ることしかしてなかったの?」
    |.  (_人_)   u |
   \   `⌒ ´     ,/     まあ、そうなるお。
     /         ヽ
.    / l   ,/  /   i
    (_)   (__ ノ     l
    /  /   ___ ,ノ
    !、___!、_____つ


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事実、部屋の中の家具はアリスに案内された時からほとんど動いていない。
水を飲むときに使ったステンレスのカップがテーブルに置かれ、
ベッドに多少の皺ができている程度だった。

やる夫の生活の痕跡は、その二つだけだった。
後の家具は空虚な飾りのようで、部屋の中で大した動きもなかったせいか
埃の膜すら被ってはいなかった。

「コーヒーメーカーだって、説明書もあるじゃないの」

「水でいいかなって。喉が渇いただけだったし」

「調べものとか、気になるものとかなかったの? 音楽を聴いたり、
データベース上の映画とかコミックとか」

「そういうのも、あまり」
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1391 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 23:28:28 ID:pCrTYZ960

              八:  i! i! |::|: i!  ヽ.   !   i! |i ヾ ヾ! !: ¦:::: ¦/ L:】 Ⅴ
           /  ::::: i! i! ::|::i i! !  \:|   i! |i! i! i! | |  _j!_   /!   ¦
          ノi  !i!: :i! i!:: |::i i! ! :   \   |i! i! i! | イ: |: /|:| |  i|
             レ′ !i!: :i! i! |::i!:¦ | i!:  |  ヽ  |_ ィ: i!∨ハ |!: / 八 :   i|
              | : i! i! |::i!: ハ∧ i!:  |::::.  i!¦ 斧テrてヾⅥ:/:/  |   i|
              | : i! i! 丁i!T升十=‐' i ヽ: ハノ リ 弋: ク ¦ ′ /!   i|                ……予想以上だったわ。
              | i i! i! |  |ィ浅杤てゞ  )′     `¨´   i/i!  /¦  i|  
                i!i! i! |  |  弋::ク            /i/i / 1|:  | .′/ 
               i!:! i!   从   `¨´       .    u.   /! !/ /从  ¦/:彡ィ////三三≧=-
.   \    ヾ 、  ! 从 i!    ヽ            _     .ィ:i!/ //―) _ノ彡'::彡彡彡彡<⌒
     ヾヽ  __ \ヾi!:/  ヽ |   i  ヘ         ´     //::/ //:::!:::::::::::::::::く三三三≦彡彡三 ミ_ゞ
  -=≡≧ミ⌒ヾ≧ミミミ八 ヽ   | {:::::::>          .イ:::::《/ イ   ノ:::::::::::::::::::::\三三三≦彡'⌒
     _―…≧三三三三ミミミヾ |:从::::/ 《 う::: ̄:::::::示::::::::::::: /:| :イ::::::::::::::::::::::::::::::\三三三≦ゞ
-―=≡≧三三三三三三三三ヽ. /ゝ:::X  《 う:::::::::::: 卞:)::::::/ 》   ト、:::::::::::::::::::::::::::::::::\三三三≦ゞ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
こればかりはどうしようもない。

今まで生きるためにその日の食糧と寝床と少しの金を探し求めて彷徨う毎日だった。
その必要が急になくなって、何も用事がないともなれば、何もすることはなくなる。
必要がなかった。

やる夫は用事も任務もなくなった時、辛うじて生活と呼べる程度の生活をしていた。
ダージリンから本を貸された時は読書に挑戦したこともあったが、それくらいだ。

やる夫には、自分の時間の使い方が分からなかった。
突然与えられた自由に困惑して、ほとんど何もせずに過ごしてきた。

アリスが何か小声で呟いたかと思うと、長く深い溜め息を吐いた。
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1392 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 23:44:56 ID:pCrTYZ960

.        ____
     /     \      だって……今までそういうこと、なかったから。
    /       \
. /  /) ノ´ \_ \   興味も余裕もなかったし。何をすればいいか分からなくて。
 | / ,イ (ー) (ー) u|
 l / 二)   (__人__)  /    「荷物、まとめなさい」
.  | 二ノ  ` ⌒´  \
/\ ヽ            ヽ    え。





          __
       ,, _ ´;;;;;;;;;;;;:::::`::`マ,
      /、ル'ヽ'´ヽ'´レ、;::::::::マヽ
     ./`        レ、:::::::iフ i
     |           ム;::::|ゝ |
    .|           く|:::ム i |      服とか最低限の荷物をまとめなさいってことよ。
    |: : :. .:: : :. .: :. :..,,,;;';;'、| /|ノ
    .| :.i:. .:: ::. .: |::.. . .:ヽ/|::i;ヽ'        とりあえず私の部屋に運び込みなさい。手伝うから。
    | |:..:     |    .|_;i| ノ
    .|  |      |    .ム|'         「いや、なんで……それに、そんなスペース、アリスの部屋には」
   .|  |       |    .|::ヽ
   |  |       |    |::/          あれから少し片づけたわよ。
  ./i  |       |i    |':`ヽ
 / | .|     i   |::|   |::::::::..)        「寝るだけなら、これで十分すぎるくらいだお?」
. i | .|     |:|  |:;;|   |:、ノt_)

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
上手く弁解しようと言葉の棚を探っていると、アリスが予想だにしない一言を発した。

そうは言っても、なぜアリスの部屋に荷物を移す必要があるのだろうか。
荷物を置く場所としてはここで十分なはずだ。
ユニットバス式の浴室もある。寝床としてはこれ以上ない。

そう言おうとすると、アリスが急に肩をわなわな震わせながら髪を振り乱した。
こちらをきっと睨んでいるが、頬は微かに紅潮して声も軽くどもっていた。
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1393 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 23:45:14 ID:pCrTYZ960

                       _ ィ;r=;ヽ、_
                  , -( rf ゞソメラ )- 、
                     /   レ弋壬シて     、
              / .,,,…''"~    ~゛''… 、   、
                //~   /         \  , __
            ___,/    / /i | | i  |   、\  X  i//}
         〈 ̄ニ/  .i / / .| | | l  ト、 ヾ ヽr==c〈</i
         _又_,' /  |`ト\ l ト| l |  | ヽ  ,|   ゞ//ヾ\|
          〈ト、 i .l i 卞"フ〒k,レヽ!  |__,}.∠|   }/人_ノハ \_
          ゝニノ.ハ \ゞ上;ム     十≦テ==x行 |∨/\/
         // /,'./ .i \ > ̄ ̄      匕;_)_ノ ゞ|_| | トニニi        いいから、私の部屋に来なさいって言ってるのよ!
        {{ ノ/  .!  ヽ      '     ー=ラ  , |\\_
         //   ハ \>"   , ´ `ヽ   " ,_ノ  /i |  l\/、         ベッドも一応ダブルのものに替えておいたし、
          //   / ,ヘ ゝ-  l     l   / // 八 |   、
.        //   / : l ヘ         ' / /一<   ソ     、        二人で過ごせるように準備だってしたわよ!
        //   / ; i ._}  l>      /   /     `ノ ヽ    
      / /  / ,' //   ト 「>ー<7  ./.         \ \            このニブチン!
      レ'  /  .〆 ./ // く<ハ//| /         ヽ l \
    /   //_, ノ  // イ_,_,//| ト' ./|  |            \l_  ー-
.   /  i  //   {{__ノ_  ヽ/ .|_|∨ ,| .トi、               ヽ
   /  l  l l.    / ̄ く_rー、_rー、 r' | ト-ヽ         一、/)イ
.  /   !  | l\_,//|  / !   ヽノ `´ l l  |     /   (/)
  i     ',  ! // ,'   '   i , /  i l  l l  |   ,'-一   `<==
  l     X  ヽ{         ; '     ソ ノ ,イ ヽト--<       \
.  l   / ヽ  y  、           ̄  、 ノ   大
  l   l   \.ト、 ヽ、 !  、    /   , /   /ハ\
   ヽ  l     / ゝ、 :. __、 ヽ  、  . /./     l/, |l \
    \!   ./   ヽ ̄/八ヽ≠=≧、/./     |/ l .|| | \





               ____
             /      \   て
           /   ⌒   ⌒\   そ
          /   ( ●) ( ●)ヽ
            l   u.  ⌒(__人__)⌒ |      にぶっ……?
          \     ` ⌒´   /
          /             ヽ

1394 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/04(水) 23:58:38 ID:pCrTYZ960

                    ゞ-ゞニノノヌ 、
                 , <  ゞ::::::::::::::::ヌ  丶、
               /      ゞ:::::::::::::ヌ   丶
                , '       /  ゞ:::::::::ヌ    ' ,
             /  ,'  /  // / 〉-、::/ニュ    ',
             { i i  / / / / |:ト、V/ |:|    i
             '、、, / メ≧z、//|:l 只、 j:l    |
              丶}//ィ{ノチア //>'ニ∧ニ;′   i
              ノ   ゛¨´ // ノ i:||:i i     i     ……ふう。一人にしたら、あなたってこうなのね。
             ∧     ,, // イ' .|:||:| |   i i
             /   ,、    //' ,′/ |:||:| i   i i     この際なんでもいいわ。
            /  /,∧     </ / |」|」 | i i i
           i /  / ,个 ー ュ _/ /,ィーー 、 | i i |      何もしたくないならしたくないで、せめて私に付き合いなさい。
          i/  / / ノ 仁ミ,√/ //.:::::::::::..丶| | i |
          ,,,, ..' / / ノl:l´只.,'  '/.::::::::::::::::::..\ i i |      あなたに必要なのは興味でも余裕でもなく機会よ。
         ミ)))i   {/ 〉ニヘ{  ノ.::::::::::::::::::::::::::..\ i |
      __ 、//  ',  r,{  //7|:i ; :::::::::::::::::::::::::::::::::..丶 |      何もしなかったら、何もないままだわ。
    /ヽヽ_V 7  丶i⌒`|:」-'|::', i ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..丶
    ,'ノλ{┘//   /{   薔 7 ソi :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }      けれど、あなたは一人だと何もいらないのでしょう?
   }   '-´ノ   { :::::丶 丶 i / ゞ ::::::::::::::/::::::::丶::::ノ





  |  |   |                       {;;i´√マ {ム  i! i! ̄
  |  |   |     |          |        ムマ/i!  {{  }ハ i! i!
  |  |   |     l    .|       | |!  |   |;;ム  |  マ  |;ハ ヾ
  |  i!   |     i    |     }}ハ|  斗´i!i! .|ヽ;;i .|  iム. マハ  \
  |   i!   i     ∨  .i!    i!/ 斗´从__リi.| ノ;;| /|  .iム ヽi    \
.  i  i!   i      ∨ i!     /ー ´ _x≦笊  |i;;;;;|/ .iヾ  iム  \
  i  i!   i!从从  ∨ i!   /   彡弌:::::ソ´ i マ;;|  | i!  i_ム\ \
.  i  i!   -‐―‐ヾ. \ヾ /    ´¨ ̄    }  マ} i!∨ヾ ヽ} \ \    なら、私の隣にいなさい。
   i  ム     i! ,xz笊仆、ヽ/          /从{| | /、 ヽ, xzzzzx 
   i .ム    ヘ ⌒弋_ソ                // / | レx≦//////////      この部屋はあなたの心と同じよ。
.   } iム∨   ヾ、               ノ / .|∧/////////////
.   | |マ、.∨  ム \     ヽ    __    /   |///////////////      空っぽのまま起きて眠ってを繰り返すくらいなら、
.   | ! .マ. ヽ  .!   ヽ      ‐ ´    / ////////////////
.   | .|  ヾ、 \ }   `>x         ///////////////////       押し付けでもいいから何かに触れた方がずっとマシだわ。
.   レ′ //// 从≧x___ へ  `≧-  __   //////////////////
     //////////////// \_  // ̄////////////////////

1395 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 00:11:47 ID:ZNFGkSFg0

       /                マ::::::::::::::::|
      /                      \:::::::::::|
      ′               '.      \   >‐イ
    /      /       | :|      ヽ. // 小
.   /  ′   ′      | :| |  |     ',ヾニィf:ハ
   ′  !     | |      | :| |  |   l  | .//¨|:|
  |    |    l .!        | :| |  |_ |  |//  |:|
  |    l     .| ト、     }´| | ̄|   | /イ   .レ 
  '   {     .! Τヽ     ' /} ム斗匕く!   |    |
  ‘,   '.   { l|≧x   /〃イ 弋zツ  l}  ′   l       分かったらさっさとする。
   ヽ   ‘.   V 弋ア\/     ̄   / /     |
      \ ヽ  ヘ `¨ ,          / イ    .:|       ノーとは言わせないわよ?
.      `  l\  ヽ          ///      |
         | . :>->   ー = ´  " /|      :l       
         | . l: l|/ /:>     _<不     /
         | . l: l| /:::::::::::::::::::` ̄|}〉ゞ彳    / /
         | . l: l| {:::::::::::::::::::::::::::::|}〉  |     /
         | . l: l| |::::::::::::::::::::::::::::|}〉  |!./   /
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.        八 ' ‘, ヽ::::::::::::::::::::::|}〉   | ./ ..:
            ヽ ∧  \:::::::::::::::::|}〉   V,/    〃
          \∧    \:::::::::::ヾア〜‐v}    {{

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落ち着きを取り戻したかと思うと、アリスは問答無用でクローゼットを指差した。
どうあってもやる夫をこの部屋から引きずり出すつもりらしい。

苦笑しつつ、素直に鞄を取りに行く。
やり方こそ少し乱暴かもしれないが、やる夫は嬉しかった。
自然と頬が緩み、憂鬱さという重石が消えてなくなったかのように体が軽くなる。

形はどうあれ、彼女の一生懸命さが伝わってきて、嬉しかったのだ。
感情を露わにして「一緒にいなさい」と言ってくれたアリスのそれが、
やる夫には得難いもののように思えてならなかった。
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1396 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 00:12:01 ID:ZNFGkSFg0

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1397 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 00:28:52 ID:ZNFGkSFg0

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久々に訪れたアリスの部屋は、随分と様変わりしていた。
ベージュ色をした意匠入りの壁紙は相変らずだったが、
家具の配置などが大きく変わっていた。

黒檀の上品だがどこか冷たい印象を受ける椅子や机は姿を消し、
代わりに円形のテーブルと、それを挟むように厚みのある小さな白いソファがあった。

中世を思わせる化粧台などもなくなり、床もフローリングから淡い茶色をした
スエードのカーペットへと全面的に張り替えられている。
アリスが言ったように、ベッドやクローゼットも一回り大きくなっていた。

あまりの変わり様に、入るなりやる夫は硬直してしまった。
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1399 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 01:04:00 ID:ZNFGkSFg0

                  ,. -ー' 二二二 ー- 、
                 //: ̄__:::::::::::::::: ̄`:::ヽ
                 /〃'::::::/´ノ〉):_ノ_ノ::::::::::::::::::\
              //´::::::__,ィ:ゝ-':__,:::-──- 、::::::::::ヽ
              /゙::::::::::/ ̄ ̄\ ヽ\  ヽ \::::::::ハ__
              !:::::::/ i     ヽ ', ヽ  \ ヽ>,仁》
           _ |::::ハ  ',      i }  ! !  ',<ノ||\
           《ニハ_ゞ、 \ \    ! ||  | |__ || l | \>
            ソ|| \\ \ \   | .从,ィ匕Lィ|| | | 〈´
                 | '、 \\,>≧ゝ, |/ /,ィヌニミ、|i | l  |       ええとね、このソファって繋がるのよ。
                ハ \  `卞代ツミ ヾ′   ''' / //   ト、
        .       〈/|:} ヽ,\  \`¨´  、     / // /  l ヽ      こうすると二人で並んで座れるし、
               //|  |\\, __>   - ´  イ!// /   !   〉
.              /ム'〉 「`:::ゝ,\_ ≧ュ,fヽ_ .ィ─ヘ,ィ l   |l /      このままなら向かい合って座れるわ。
         .    /:::::|  |::::::::::ヘ   !:::::::l |::::ハ;:::::_:::::ヽl   l|/
             /::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/  ∨ }/::::/ / ハ`ゝ     それから……
.         ./!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ーく /_」:::/ / /::::ヽ:::ヽ

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好反応に気をよくしたアリスは、一通り部屋の案内をしてくれた。
洗面所と浴室は大理石模様の壁と床に囲まれており、
洗面台にはアリスが普段使っているのであろう歯ブラシやコップなどが置かれていた。
以前との違いを挙げるとすれば、それらが一つずつ増えていることだろうか。

あまりに上品すぎて落ち着かなかったが、アリスが過ごしている空間としては
とてもしっくりくる光景ではあったし、不自然さはなかった。
時が経てば、いずれ慣れるだろう。

リビング、兼ベッドルームに戻ってくると、やる夫とアリスは困ったように立ち尽くした。

時刻は既に夜の九時を回っていた。
夕暮れ時に任務から帰還してネクストから降り、
スネークとの遭遇やメディカルチェックをしている内にすっかり夜になってしまっていた。

基本的に基地内の食堂は調理も受け付けも機械による無人運営のため、
いつでも食事は摂れる。夕飯時といえばそうなのだが、
空腹よりも疲労が勝ってしまい、そこまで戻るにはどうにも足が重かった。

戦闘やかつての敵対企業に所属するリンクスとの会話などの
直後ということもあって、食堂には目もくれずに自室へと直行したわけだが、
まだ逆戻りしようにも体力と気力が足りなかった。

つまりは少々の睡魔に襲われ始めていた。
四肢の動きが鈍り、体が重力に負けはじめ、瞬きの目を瞑る時間が長くなっていた。

だが、ベッドは一つである。
アリスが用意してくれたやる夫の部屋に戻っては本末転倒だ。
とどのつまり、そういうことである。
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1400 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 01:27:01 ID:ZNFGkSFg0

   {ilililililillilil/ノ /   /      ヽ \
   {Ⅶilililili/ノ  il   i    ヽ   ハ ',
   {Ⅶil≦イ  il  .il  ト、   i    V
 _,彡イ 水 ̄ミヾ=.il  .il  ハ   ヘ  i .il
イイ  //ハヽ  //   il  i ト   ハ  il il
ヾ .//  Ⅶ_/ il  .升 | リハ il リ イ 丿
 .Y /    iliイ.  iト  ハト>K彡' }/ イ.//      眠いの?
 //    川  .il ヽK' / ィ= / i、 il
.//     ハi.l  人} ィ匕r:j    `ー,       「うん、だいぶ」
Ⅵ     i i.l  .ハリ   ̄ ̄     /
illi}    il il  il il        _ _イ        疲れたものね。とりあえず、寝ましょうか。
ilil}    il Ⅵ/ ノ       - ' ノilリ
人     ヾ≧ '         / /          明日のことは起きてから考えればいいわ。
ilililゝ, - - 、 \\ r、___ /i./
ィ三三三三三ミ、ヽⅦミ=、_               着替えもシャワーも朝で平気よ。
三三三三三三三ミ、 \iミミ、

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アリスが体を揺らしながら顔を覗き込んできた。

確かに、慣れない環境ながらもアリスが傍にいることもあって、
疲れがどっと吹き出してきた気がする。意識すればするほど体は重みを増していく。

けれど、一緒のベッドでいいのだろうか。
清潔感のある白いデュベと枕を見つめながらぼんやりと考えていると、
先にアリスがベッドに膝を載せて手を突いた。
すらりとした背中や柔らかな丸みを帯びた腰がドレスの布越しに主張され、
思わずたじろぐ。白くしなやかな手と華奢な足がシーツに皺を作っていく。

やる夫の葛藤も他所に、アリスは振り返って小さく手招きしてきた。

「ほら、きなさいよ。私たち、その……恋人なのよ。
一緒に寝るくらい、普通じゃない。後は、その、心の準備とか、色々あるけど」

アリスの言葉にはっとする。
最後の方の言葉は途切れ途切れになってしまって上手く聞き取れなかったが、
ここで尻込みするという選択肢はないことを自覚するには十分だった。

これからは何かと二人で過ごすことになるのだ。
中途半端な他人行儀や遠慮は却って失礼というものだろう。
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1401 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 01:41:47 ID:ZNFGkSFg0

                  ,.  __
               rく_zz._,zゥヘ    、
                 /爪い{   ``ー┓ \
              / _弖ニ=- ミ   `ー=┓ .
.             /xく勹_}√}{__]}≧: .、  ⅶ_  :.
           /     :!   ̄  ㍍抖:.  }》}   .
           :.    i|   {   | ! j,厶 《{   :     ,. -=ニ ¨ ニ=- .
.           ′ i ¦ⅳ;   } ;川 i从  },ハ:.,  !   /ー‐ ‐       ``丶、
          i :. .:, jL..从 /厶斗-rハ  小:!i:、 乂_/xヘ                 \
           抃 i八 {坏{,幺 √/ 代炒} /{」}从..\_/⌒ヽー- ミ          \:.:..、__
          ! :., iⅥ爪㌣/ ,   : : :リ7: ]/爪__ア′   :ハ   `丶  : : . .          _``丶、
            j从Ⅸ介: .└ __ _, /} '/リし/{    / :′ミトミト、  . :.  ̄三¨ニ=-‐=≠ニ⊇¨  ー ミ
              // jハ {N{ {{⊇ニ=--<.! !爪.:;      { ト、   ハ  . : .     /          }.、
         _ア´/ f:..;' Ⅵ Ⅵし' :..V小; φ′:.:./      :....N   { : : :{: : : : . :.           人_\
        7  7..八:′ j/\ }}\ :.《}[{リ  :. ノ.Ⅳ   __     :从i:.:. :`、 : \ニ=- ミ: . : . .__: .    ∠こ⊇人
.       ア^ァ/./.r┤  {.........{:.{ \狄:! K__rz..} /: :   . . }八仆、; ト、   (⌒≧=ミ:  : \: :   -=¬冖{:.うア
        イ/厶イ.....:.  \....r‐ァ     |i に {√}:しイ^  j」r : : /ハj...}N: :.     丶   \  ;      __彡'^
.         ノ’{...ノ..うニ=- ミ } [__/{    八ハー┘ :!:. :   ⅱ:_彡': : : : .         `丶、. r─==¬   ノ
      /_, :f爪.(../⌒≧ミ..アf爪/⌒>-<:.j . . . .ノー     ⅱ: : : : : : : : : : . .   . . . . .Z. . . . : :[__  r=‐ ^⌒
   r ,. .-‐ : ./ x<ーぅ.ィ^  \  }: . {.,....._{_: ≧=- : ミ    ⅱ:  \、___,‐- : : :_:_; -==冖ニ¨三 ̄
   }<; ; , , , , ,し{_入し/xヘ   了 ..r┴:.{__r‐     }:   K: . .  >≪  {__
             `^会: 、_,ノ: ...Zニ=-.:}_」   . . . . . . . ノ:⊇ニ=-‐=ニ¨三 ̄
                  ア.......[ ̄.:[__: -==: : . ._: ://′
                   ー=今=‐  ̄       {
.                    く; : : : : : : : : : : : :. -=
                      ⊇ニ=-‐=ニ¨三


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
先に布団に入っていたアリスに迎え入れられる形で横になる。

体が触れ合いこそしなかったものの、手を伸ばさずとも触れられる距離で、
微かに体温すら伝わってきているような感覚さえした。
鼓動の律動が早まり、視野が狭まっていき、
やがて横になったアリス以外のものが目に入らなくなる。

だが、緊張も長くは続かなかった。
マットレスに体を沈めて力を抜いた途端に、全身の筋肉が弛緩して泥のように広がった。

「おやすみなさい、私のやる夫。
これからの夜は、傍にいてあげるから」

アリスが優しく囁いてくる。
恥じらいを残しながらも穏やかに微笑む彼女の表情を見て、
やる夫はようやく安堵感を覚えながら目を瞑った。
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1402 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 01:41:58 ID:ZNFGkSFg0

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1403 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/05(木) 01:42:43 ID:ZNFGkSFg0
今回はここまでだ。

次回は来週の水曜日午後九時としよう。

シーユーアゲイン。>>1もそろそろオフトゥンに戻るよ。

1404安価のやる夫だお:2019/09/05(木) 08:05:49 ID:rn.0gLUk0
お疲れ様でした

幸せそうな生活ですけど、これが戦場でいつ死ぬかわからないことの代償だと思うと、この世界はハードですね

1405安価のやる夫だお:2019/09/05(木) 09:28:03 ID:lwgfIFF.0
おつおつ
ばぶみを感じてしまってええやろか

1406安価のやる夫だお:2019/09/05(木) 10:37:31 ID:nJztW0I.0


1407安価のやる夫だお:2019/09/05(木) 11:47:12 ID:3M2UrX7U0


1408安価のやる夫だお:2019/09/05(木) 12:10:33 ID:ZWtE7CX20
乙でした

1409 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/06(金) 15:41:49 ID:ottkfM.o0
>>1405
以前も書いたが、私のお話の登場人物はすべからく私がモデルなのだ

三割くらい私の人格やらなにやらがブレンドされている

つまりアリスにバブみを感じたということは私にバブみを感じたのと同義なのさァ!

オギャっていいのよ?

1410安価のやる夫だお:2019/09/06(金) 19:33:30 ID:coJUFw220
逆説的に登場人物すべての要素を兼ね揃えているのがイッチなのだ

1411 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 21:12:53 ID:om7gZO3w0

    /||ミ
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 |:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l       ハロー。
 |:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
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 |::::::::::::::(_____ノ´||
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
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   \ ::::||
    \||

1412 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 21:26:46 ID:om7gZO3w0

         ,- ‐‐ - 、
       r‐イ: : : : : : : : :`,
      i /○ ○: : : : /   /` 、
       i_ _ _ : : : : : : :{    / : : /     タイトル詐欺小説の書き進めという嫌がらせを完了させた>>1だよ。
       `,_ _`=-: : : :|   ノ : : /
       i: : : : :_: : : : :'y´ : : : /      ああ、異世界チート転生ものを求めてページを開いた読者たちの
       `-‐、´: : : : : : : : : /
            ノ : : : : : : : : i´         苦悶の表情が目に浮かぶようで>>1はとってもダークネスなヴィランスマイルだよ。
          / : : : : : : : : : :|
           i: : : : : : : : : : : !         もしこちらで読みたい人がいれば、Twitterでリンクあるからよろしくパリジェンヌ。
.          (`ー‐-  -‐ _}





       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',        今回は、まあ、ラブシーンだ。エロシーンではない。
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _      そのうちやるから気長に待ってて亭待ってて。ていうかエロゲにエロシーンていらなくね?(哲学)
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶   あ、このスッポン汁はサービスだ。赤マムシドリンコも私のおごりだ。
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i  ゆっくりしていってくれたまえ。
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

1413 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 21:27:18 ID:om7gZO3w0

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|>ヽ -― ニ仆; |、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}, ィ" ̄ ̄`‐-、||//`ゝ、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/ '"  !ニニニニi_二\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::ノ">'"__''二ラ∠ニ||、::::::ヽヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::://  zニ 、 / || || ヽ:::::::ヽi、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::ム'/rァてl!∠ /||     \::::::}
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:: / /::::弋ソj!|∠____      }::::イ、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨∨ ::::  ´∠_____---     |:::::  
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}′    ∠            }{薔}ミ          お、おはよう。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,::::::::::::::::::::::::::|   ´  <、 ニニニニ---'´ ノ::::ノ',′
::::::::::::―――――- 、::::::: |   :::: fアド<ニニニ-'´  ノ::ノi  ',
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、:\ヽ、:::: `¬ノ∠、_     仆; ヽ、\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ヽ>ニニ―――ア ̄――‐くr' )  ヽ、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\" -<二ィ"., -―''¨¨"ニz_\   )
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ >ニ-'´       ,,,,,,,,,,,,,,

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
軽くなった瞼を開けると、当然ながら見慣れぬ天井がそこにあった。
倦怠感や疲労感も残っていない。すぐにでも飛び起きられそうなくらいだ。
信頼できる人が傍にいるおかげか、熟睡していたらしい。

アリスの方を見ると、彼女は横たわりながらこちらを見つめていた。
少し気まずそうに、布団を鼻の下あたりまで被っている。
ぎこちない挨拶を交わしながら、ふと思いついた質問を投げてみた。

「もしかして、先に起きてたのかお?」

「え、ええ、まあ。でも、先に布団から出る気もしなかったのよ」

身体を起こすと、右腕が何かに引っかかった。
見れば、服の袖をアリスが控えめに掴んでいた。
触れようと思えば手を握ることもできるのに、それができないということは、
自分もアリスもまだまだ不慣れなのだ。

すぐ近くに誰かがいることに。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1414 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 21:35:08 ID:om7gZO3w0

         ____
       /      \
     /   _ノ  ヽへ\
    /   ( ―) (―) ヽ     今の時間は……朝の九時かお。
   .l  .u   ⌒(__人__)⌒ |
    \     ` ⌒r'.二ヽ<     任務通達とかは来てないみたいだけど。
    /        i^Y゙ r─ ゝ、
  /   ,     ヽ._H゙ f゙ニ、|
  {   {         \`7ー┘!





                       zェュ
                    x≦三三≧
                  ´            `
               /               ヾ .ヽ
              /      .|     .i|  i!   ヤilヘ
              .'  .|  .i!  {    斗升十ト } 〈i:l .
              l   l 斗升ト    /  _  从    i
              l   ヽ l_  ト ./'ミィzzxッソ.'  '.   .
              .,    Nァzzミ           / /イ  i|         ああ、それなら心配しなくていいわよ?
              ヽ ヽ ヽ     `      ノ/ .i|   |
              / \   ゝ     _,    .イ i|            今日は非常事態の場合を除いて一日オフ。
              /  /ヽ ヘ    `´       /.  .   i|
             ,  /  > ヽ        /.i  i|  .i|          というのも、ネクストに乗る上でのインターバルよ。
        , ──‐‐<   ../二フ  >  ‐, <ヤ"i   .i|  .i|
      , ´ ̄> ,,   ./ 、二二フ.l>、/:.:.:.:.::.:. .i  .i|/:.:. ̄.ヽ        幾ら戦時中とはいえ、私たちも連日連戦してたら
     ./       `"''"=、 ヽ .//只ヘ:.:.:.:.:.:.:.:ノ   .i|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
    /    ─<二´~ -‐- ゝ'/{i /:.:ll> ' "´    .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\      どれだけ適性や耐性があっても持たないわ。
   イ/   ./i  |  |   ,,./⌒y⌒,`´/        /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
  /〉/   / i|  i|  |>'"./  /  / ./       >'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>、  つまり、そういうこと。休むのも仕事よ。
  ヤ__rフ ./ ゝ  , <:>''"イ薔ヘ  八    ,, <:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
ハ  /ヽ / ム ,/:.:/   弋彡    ゝ   i{:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/

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ネクストというコジマ技術の塊とでも言うべき兵器に
連日のように搭乗すれば、いくら適性があろうと肉体に限界が訪れる。
それを防ぐための休息なのだとアリスは言った。
実際、独断でもなんでもなく、上からそういったお達しが来たらしい。

そういうことなら、しっかりと休むべきだろう。
戦わなければならない時は、どうやっても戦わなければならないのだ。
それなら、休める時に休んでおかねば勝てる戦いも勝てなくなる。

ベッドから出ると、二人とも着衣が皺だらけになっていた。
寝巻に着替えることすらせずにベッドに入ればそうもなる。
ひとまずソファの方に二人で移動して、向かい合った。

寝起きのアリスはところどころ髪が跳ね、明後日の方向を向いていた。
普段薄めとはいえ化粧も落とさずに寝てしまったこともあり、
ほんの少しではあるが肌も荒れてしまっているように見える。

「とりあえず、色々と昨日の晩にやり残したことをしましょうか。
シャワーを浴びて、着替えて、荷物を広げて部屋に置いて……ま、色々ね。
服とかは適当にクローゼットに入れておいていいわよ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1416 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 21:51:10 ID:om7gZO3w0

        ____
       /      \
      /        \
    /) ノ '  ヽ、       \    ……恋人同士って、どういう生活をするんだお?
  / .イ(ー) (ー) u     |
  /,'才.ミ) (__人__)       /
. | ≧シ' ` ⌒´        <
/  /                ヽ





                  ,. -ー' 二二二 ー- 、
                 //: ̄__:::::::::::::::: ̄`:::ヽ
                 /〃'::::::/´ノ〉):_ノ_ノ::::::::::::::::::\
              //´::::::__,ィ:ゝ-':__,:::-──- 、::::::::::ヽ
              /゙::::::::::/ ̄ ̄\ ヽ\  ヽ \::::::::ハ__
              !:::::::/ i     ヽ ', ヽ  \ ヽ>,仁》
           _ |::::ハ  ',      i }  ! !  ',<ノ||\
           《ニハ_ゞ、 \ \    ! ||  | |__ || l | \>
            ソ|| \\ \ \   | .从,ィ匕Lィ|| | | 〈´      別に、今まで通りでいいわよ。
                 | '、 \\,>≧ゝ, |/ /,ィヌニミ、|i | l  |
                ハ \  `卞代ツミ ヾ′   ''' / //   ト、       お互い、ある程度の気遣いや礼儀は必要だけど……
        .       〈/|:} ヽ,\  \`¨´  、     / // /  l ヽ
               //|  |\\, __>   - ´  イ!// /   !   〉     それを除けば自然体でいいと思うわ。
.              /ム'〉 「`:::ゝ,\_ ≧ュ,fヽ_ .ィ─ヘ,ィ l   |l /
         .    /:::::|  |::::::::::ヘ   !:::::::l |::::ハ;:::::_:::::ヽl   l|/
             /::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/  ∨ }/::::/ / ハ`ゝ
.         ./!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ーく /_」:::/ / /::::ヽ:::ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
昨晩やり残したことを終えたやる夫とアリスは、
ソファーに腰を落ち着けながら今後のことについて軽い相談をした。

恋人同士というのはどういう生活をするものなのか想像できなかったが、
アリスは自然体でいいと言ってくれた。

「かく言う私も、家族とか恋人とか持ったことないから、全部想像なんだけどね。
でも、フィクションの中ではそんな感じだったわ。
一緒に生活して、部屋の中で仲良く笑って、たまに二人で出かけたりして。
あと……そうね、ご飯は一緒に食べてたわ。
だから、私たちも食事はなるべく一緒にしましょう」

アリスは人差し指を立てながらこれからのことを楽しそうに話すと、
少女のように柔らかい笑みを溢した。

「どうしたんだお?」

「ううん……恋人とか家族とか、縁なんてないと思ってたのに。
急に全部手に入っちゃって。なんだか夢みたいだなって」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1417 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 21:59:37 ID:om7gZO3w0

                   _,,、 _
                  t匕ア::-‐< ̄ ‐-
                 イ.:〆.::〆     ` 、   \
             /I7.:〃.::/」           \ \ \
            / I7.:〃.::/」     \       l  ヽ  ヽ
              /  {{l:::|l|::::l}}    l |  \     i   l  ハ   _,,.
            ′ {{|:::|l|::::|}} |  | ト、 / ` 、   |  |  | /イ 
          |   {{|:::|l|::::|}} |  | X\  '、 \人 _|_  |/i|l|l|
          |   {{|:::|l|::::|}}  、 ∨ヽ _,,;;;;;彡,,    i  |i|l|l|l|
           , /  {{|:::|l|::::|}}  \ヽ ´´ ̄        ! lli |l|l|l|lレ{
            / / ,  小:.ぃ::.マ} _  \\,"""    - ´i |l|l |l|l|l|l|l
        / / / / l >=rf<⌒ヾ  \           ; |l|l| |l|l|l|ll′
          / / /    | {:{___ノハト =='\ ー一      . イ l|l|l|!|l|l|l|l|
    \、 / / / /   | `¬1|  |:|\ \\  ー 〔_  | |l|l|||l|l|l|l|                        _
      〉三≧x. /   丿   ノ:|  |:|  ヽ \\ -r=く}\ムイ ̄ ̄ ヽ                     (( / | ))
    _,,.≧ニ三三≧==三≧ト.,,_ `′  }  } \\_ノハ、`¬-、::::::::::::::\                  ./ /
≧ニ三三三三三三三三三三三≧ュx..ノ__厶 ―- \::::冫   \:::::::::::::::\                  / ィ
三三三三三三三三三三三三三三二ニ7.:::::::::::::::::.\´    _,rv\::::::::::::::::i            / / ト-、
三三三三三三三三三三三三三三ニ7.::::::::::::::::::::::::::.\‐く\ノj{迄}\::::::::::ト               // /  \
三三三三三三三三三三三三三二ニ7.::::::::::::::::::::::::::::::::::.\<⌒ーく  ヽ::::丿\           /   ,:' ∨ /\
ニ三三三三三三三三三三三三三シ.::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::::::.\\ノ  \ トr<  ヽ.      /   ,   ! / / ノ
一ニ二三三三三三三三三三三 {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::.\\ 、 } |:::::::::| ヽ '    l  ,'  ー',ーイ'
-ニ三三三三三三三三二アヘニ ∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::. \ヽ\ノ.:::::::::|、 l i    l       /
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そうと決まれば支度をして食堂に行こう、とアリスは意気込み立ち上がった。

楽しそうにしていたり、嬉しそうにしているアリスを見ていると、
やる夫も冷え冷えとしていた胸の奥の空洞が暖かいもので埋められていく気がした。
こんな気持ちになれるのなら、誰かと生活するのも悪くはないと思える。

それとは別に、戦場であれほど熾烈な言動をするアリスが、
自分の前では穏やかな普通の女性として振る舞っているのが嬉しかった。
自分の前くらいでは、安心していてほしかった。

こうした何気ない時間こそが、何よりの報酬だった。
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1418 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 21:59:50 ID:om7gZO3w0

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                               ・

1419 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 22:13:51 ID:om7gZO3w0

                        x --x__x--zz---  、
                     ャ≦:::::::::i辷ゞィソ:::`ヽ>x ` 、
                     ノ:::::::>片尺豸x:::::::::::::::::\ミx ヘ
                 〃=.イイチ'´     ``辷z::::::::::::::ヘ斗. ',
                 L=イ´            乂z、:::::∧キハ
                    ,..〃/  /  / .   ! |  l .| i! ゝム::::::::iソ i
               〃イ_/' i ' ./i | !  | |  |i |. i.|  7i- 、:::iィ  i
             ,イイ´.//!.i! i / .i .li |  i .! リiVi .i | i jYzィ7イiヾ .|
            〃  //i l  i !ヽi | | ! j .iV i! i .j | / ィ==、__,zz、j
            '′./ ,'∧ ヘ |示zz'、iヘ∧! ',ノ 7/i了 L==テハij、_i,'        ……なんか、違う気がするわ。
      -=z、       ,.イ/., '/,'.ハ ヘ ゞ-ィ     '〒テ7'/./, './ ji|| 7
        ヾ\ . イ 〈:i/ /,'i' , ' 〉 ハ、       ´¨¨`イ:/イ /.i〃!', i
        ≧x::ニニz:ヾ_ i::!、 〃 i.ハ u.  '__     彳:/ /: j ,' |::i.!
    ,.ィ´ニニニニニニニニ≧x_,7//!>.、  `   . イ,  /i/ i/! | i   ,. --≦ニ
   ,イ≦ ̄イニニニニニニニニ_7 r-.///j i | l >--<:::.../ /.!.| | | .! ハ 〃イニニニ
     ィ´ /ニニニニニ/i::,'j:::::///::i>、_,イ:::/:iハ::::ヽ/ / i | | |∧i_,.イニニニニニ
       /イ/ニニニi:',iヘi' i:::7.,'/::::iイi  ム:::::::i.|:::::::/ /ハニニ: ̄ ̄ヽ,ニニニニニニ
      ′'イフニニニイヾi.',::V:::i,.'/:::::::/   〃=' izz/ /イ ノイ i:::::::::::::::::ヽニニニニニ
     / /イ ̄.〈',:::::::::::::::::i j:::rV ヽ _//__ _.i:i イ/   !v::ヽ::::::::::::::::::::::| \ヽ``ヽ、
    / /   r==ヽ::::::::::::::::| !::/ 廴几ハ廴/'´ハ几__i、.',:::::::::::::::::::::::::::ヽ ヽ \
  〃 〃   / .j::izzzz>:::::::::::| !' i √/ r----j i  ゝ'イ:::ヽ、::::::::::::::::::::::::::ヘ i   ',
  /  / /i / イ√ 7:::::::::::::i::::::i i:i V └==、/N .i  \::::::::\::::::::::::::::::::/ .j

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
清潔感のある白やベージュで統一された食堂での食事は、
二十分もかからずに終わってしまった。

人の入りが多くて退散したわけでもなければ、カウンターから機械のアームで
差し出されたトレーに載せられた料理が不味かったわけでもない。
嫌な人間がいたわけではないだろう。
オルデンブルク最高ランクのリンクスであるアリスは顔も広く、
日頃の振る舞いもあってか、先客もアリスに挨拶したり一瞥くれたりするものの、
ひそひそ陰口を叩いたり露骨に嫌悪感を顔に出す人間はいなかった。
にもかかわらずだ。

二人で長机に並んで座って、同じく白い皿に盛りつけられた
サニーサイドアップのエッグトーストやコーヒーなどを頂いた。
なのだが、アリスは不機嫌そうだった。

やる夫としては、どういった食事が好ましいのかすら分からないため、
そのあたりの感覚はアリスに任せる他なかった。
けれど、そんなやる夫ですら、食堂での食事はアリスの求めるものではない
だろうことは想像に難くなかった。

この食事には感情がない。情緒がない。
コロニー内での労働施設における配給と何ら変わらない。
機械に燃料を注ぐ行為にも似た、無味乾燥としたものだ。

一人でトウキョウのネクスト収容施設の食堂に行った時は気にならなかったが、
アリスと二人でいると計り知れない違和感に襲われた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1420安価のやる夫だお:2019/09/11(水) 22:21:30 ID:kp1n2EyM0
はろー

1421 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 22:23:13 ID:om7gZO3w0

      ____
    /       \
  /   -‐´ `ー\
/     (●)  (●)\     部屋、戻ろうかお。
|        (__人__)  |
\      ` ⌒´  /     「そうね……」
  >     ー‐  <
. /      / ̄彡ミヽ、
/    ヽ /  / ヽ  ヽ
ヽ.    Y  /   |  |
 ヽ     ノ    ヽ ノ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
普段、食事に対して無頓着だったやる夫ですら、これには抵抗を覚えた。
そして、気付いた。

この空間には安らぎも楽しさもないのだ。
ただの補給行為に過ぎず、ひどく冷え切ったものなのだと。

企業連との戦争の真っただ中ということも相まって、
食堂全体に漂う雰囲気も決して和やかとは言い難いのも大きい。

結局、やる夫からアリスを連れて食堂を後にする形となった。
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1422 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 22:47:07 ID:om7gZO3w0

             >ニ´ ̄r芯^Y≧ュ_
           //ニニニニニニニ/⌒´ ̄\_
           / /ニニニニニ/ノ   / } ヽ}
         /  人ニニニ/ノ´     /  .| }\
.        / / ./ ゝイ   /        |i ヽ
       / /  / / .|「 /     /     八  }
        |. 〈_/ /  }j |   _/    /  ∨|
        |  ∨_ イ.しイノ { ///}\  /  |   }
        |    { | ̄´/{芹云ミ /   /ヽ }   |
        |    | |    | .ヒツ 厶イ}/イ /   |
        |    | |    |      芹ミ } /   /       私も、自分で思っていたより空っぽだったみたい。
        }      i   トノ      ヒリУ  /
.       /  /  |   |{    _    ノ ̄{ i          その空っぽだったときと同じ生活をあなたと共にしても、
      /  /  /|   || \    イ   / | 
     ./  /  / .|   ||_∧`二≦ }  |  |           何にも嬉しくないわね。
    /  /_イ │_  ||<⌒ヽ ヽ |  ト、│
    {<´ ̄\   」、ヽヘ ト、_ノ } |   | }′
   /     ∧`YY }  `Y   .| |   | 人
.  /       ∧  {     }⌒7⌒}′ j.   \
  {. /        ∧ ヽ   、 ` ̄ ̄`>─ 、_}__
  |/            \ ∨   }、二二)   [iiiiiii]}
  |           /⌒ヽ | }r'=テヽ   二ニ}
  |             /⌒7⌒ヽ` ̄{二二>─イ {
   \        /⌒7⌒7^Y 人_    \^Y
    \イ⌒}´ ̄/{ ⌒7⌒7⌒ヽ (_       } )、
     /  }i  |  /\ ⌒7⌒ソ   (_  ̄\_ノ( }

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小さな二人だけの部屋に戻ると、ようやく肩の力を抜けたのか、
アリスはへなへなと身を投げ出してベッドへ倒れ込んでしまった。

どうしようもなく、自分もアリスも、無知だった。
幸福に憧憬こそあれど、それがどんなものか、まったく知らなかった。
理解も知識も経験もなかった。

お互いを大切に想う男女がどのように日々を過ごすのか、
何を以て幸福と成すのか、欠片も分からなかった。

孤独でない日々に、馴染みがなさすぎたのだ。
それこそ、哀しいほどに。

そのまま不貞寝してしまいそうな様子のアリスを見つめる。
華奢な体を白いベッドに横たえながら、うんうん唸っていた。
きっと、彼女も真剣なのだ。
真剣に、突如として訪れた二人で過ごす日々に向き合い、悩んでいるのだろう。

マットレスを揺らさないようにそっと腰掛けると、
壁に設置された大型モニターが視界の大半を占拠した。
黒く四角い巨大なガラス板といった風体のモニターの液晶には、
力なく寝ころんだアリスと、そこに寄り添う自分の姿が映っていた。

その光景に、いつかの思い出が重なった。
暗いシアタールームの中で、二人で見た殺し屋と少女の話を思い出す。
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1423 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 23:02:42 ID:om7gZO3w0

          ___
         /      \
       /   ⌒   ⌒\
.       /   ( ●) ( ●)\
     |      ⌒(__人__)⌒ |       ねえ、アリス。
.      \     ` ⌒´   /
     /⌒           ヽ         「なによ」
.     |   ヽ__     _ ',
     :、_     )  ( ̄ _丿        もう一回観てみないかお? あの時の映画。『レオン』っていったっけ。
     |   /  ̄`i  / ̄  `i
     |      |     ,    |         
    ∧ |     |__/     /
.      `ーヽ _ |   |  _/
.        (__)  、__)





                ´     (_/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/)-′  `
             /       γ/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/)`        \
                        _{/:i:i:i:i:i:i:i:i:iメ- ′           \
           /          (_7:i:i:i:i:i:i:i:i:/}       ,
.          /          (`{:i:i:i:i:i:i:i:/ノ  :/    /:.    `、    `、
         '          (ヽ:i:i:i:i:i:i/)   ;′    ′:.     :',    ',
               _、‐'' >┐r‐ ミ=_    | :     {: : : :   ',  i:.     }
        ;′       /ニ/ ,イ{:{: : : \\ |.: :    {: : : : :.   ',:. }:ヽ: :  }
       ;′  /   \、__//  '、:     > ヽ: {: :.   { i:i: : : :   }: :}: :i: :  /
       ;′ : /   .:|  >-/:  ハ\_/ /ji :{!: :.  {:从 : : i: : :}: :}: :}: : ./
       ;′. :/    : l  /ニ':   { : }\彡': : ハ |\: : |_j -\ハ: /ニハ: i: :/
      ;′: /   .: : j  /ニ'{: :. :i : }ニ} .: :/   \ ' ´-‐‐   j/rォ }/|/     まあ、構わないけれど。
     ;′ /   . : : :;′/ニ':.{: :  :{: :iニ}: .: /l   / ,斗f坏、   {リ!
     ;′:/  . : : : :;′ iニ|: {: :  :', ニ}: : ji|  イ  辷ソ    \        あの後、データベースのレトロコンテンツにあったのを
    ,′/  . : : : : :;′. :|ニ|/{: :.  : :,ニ}: : ハ|/)/ )           /
.   /: ,:′: : : : : : / .: : レ': :,: :i:  : ∨、 :|/ / /           ,          端末に落としておいたから、すぐ見られるわ。
  // . : : : : : : / . : : : :/ : : ', :l: : f rⅤ / ,:´ ,... --、   / _
 /  . : : : : : : /. : : : : /: : :/! l: :. : 、.∨ /  { / r‐―'   '´'"_ \        でも、急ね?
    . : : : : : :/: : : : :,.:': :/:i:i:i| :l: : : :}      `~  {    ///``ヽ、ヽ
  : :_____: /_: : : :./ /(_\:i:i:l :l: : : ',           ' ̄ ̄i l{´ , -- ,.. }
  /:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}h、ヽ )  `(\l :l: : : `、       ∨: } | ゝ'  __   !
 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\⌒) `(| :|: : /(`\         ∨j {  } r'‐…'   ,
 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i`、⌒)  | :| : { \. `、      }/,ハ. Y! ー‐
 :i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ヽ⌒) | :| : {   `ヽ}     / 〉ゝ| /`¨´  /

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アリスが気だるげに体を起こし、重そうな瞼を持ち上げながらモニターを
横目で見やった。あのまま放っておいたら、本当に寝てしまっていたかもしれない。

アリスの質問も尤もだったが、あの映画の男女にはやる夫たちに
近いものがあった気がしたのだ。
シアターで観た時は同業者兼友達という関係だったが、
今観れば感じ方も違ってくるかもしれない。
そう思っての提案だった。

アリスは反対するでもなくPDAを懐から取り出すと指を滑らせはじめた。
壁のモニターが反応し、音もなく起動する。
やがて暗闇が映るばかりの液晶に、いつか見たニューヨークの街並みが映る。
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1424 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 23:21:02 ID:om7gZO3w0

                    ゞ-ゞニノノヌ 、
                 , <  ゞ::::::::::::::::ヌ  丶、
               /      ゞ:::::::::::::ヌ   丶
                , '       /  ゞ:::::::::ヌ    ' ,
             /  ,'  /  // / 〉-、::/ニュ    ',
             { i i  / / / / |:ト、V/ |:|    i
             '、、, / メ≧z、//|:l 只、 j:l    |
              丶}//ィ{ノチア //>'ニ∧ニ;′   i
              ノ   ゛¨´ // ノ i:||:i i     i
             ∧     ,, // イ' .|:||:| |   i i       思えば、この時代は不便だったのね。
             /   ,、    //' ,′/ |:||:| i   i i
            /  /,∧     </ / |」|」 | i i i       
           i /  / ,个 ー ュ _/ /,ィーー 、 | i i |
          i/  / / ノ 仁ミ,√/ //.:::::::::::..丶| | i |
          ,,,, ..' / / ノl:l´只.,'  '/.::::::::::::::::::..\ i i |
         ミ)))i   {/ 〉ニヘ{  ノ.::::::::::::::::::::::::::..\ i |
      __ 、//  ',  r,{  //7|:i ; :::::::::::::::::::::::::::::::::..丶 |
    /ヽヽ_V 7  丶i⌒`|:」-'|::', i ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..丶
    ,'ノλ{┘//   /{   薔 7 ソi :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: }
   }   '-´ノ   { :::::丶 丶 i / ゞ ::::::::::::::/::::::::丶::::ノ

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シーンは流れて少女と殺し屋の同居生活に移った。
殺し屋が少女を連れ立ち銃を持たせたかと思えば、
体格に似合わぬ細いペンを握って一生懸命紙に書き取りをする殺し屋に
何かを読み聞かせている少女の場面になったり、
買ってきた大昔前の容器、紙パックというらしいが、それに入った牛乳を
冷蔵庫に詰める場面へと切り替わる。

平穏と剣呑のアンバランスさと、その間にある二人の奇妙な関係を観ながら、
ふとアリスが呟いた。

「自分で食材を店で買ってきて、あれって自分で調理するんでしょう?
何をするにも時間と労力が段違いだわ。
今は何でも機械仕掛けで、人間はスイッチやセンサーで起動させるだけ。
楽だし速いし、効率もいいわ。それに比べると、不便ね」

そこまで言ってから、アリスは何か考え込んでしまった。
しばらく口を閉ざして二人の生活の風景を見つめながら、
どこか遠くを見るような目で「けど、不幸にも見えないわね」と言った。
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1425 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 23:32:18 ID:om7gZO3w0

     ____
   /      \
  /  ─    ─\
/    (●)  (●) \     ……もし、もしもだお。
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /     ああいう生活をやる夫と一緒にってなったら、どうだお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /





  |l   .|  |l  | |  |l   |l l|l  l| | l | l |l | l 〃i{ / |l.  |l
  |l   .|  |l  | |  |l   |l l|l  l| | l | l |l | l 〃 ハ}  |li  |l
.  八.i |  |l  | |  |l   |l lリ ,ハ,| l |/| | 〃 l.| lト、洲  !!
 /  }l |  |l  | |  |l   |l ./ /{ |l/イ| l |l | {| 从ヾ}iヾム |
./   .|l |  |l  | |  |l   |l厶斗匕l 斗抒坏l| /l|./  } |ll  }l |      苦労は多いでしょうね、間違いなく。
.    |l |  |l_|_|_|l   |l   l|/癶 ヾ_ン  |li/リ|  / l|ll  リ !
.    |l | ´|  | | Lハ_ヽハ. /       ||V l| ./l 从 / /       今まで機械任せにしてきた分、
.    |l |  |l  坏芯ソ         lii  リハ′/=冬、<二三
.    |l | . 八 | ヽ                // } r仁三三k `マニ      不便さに毎日呻きそうだわ……。
.    |l | 人 ヽ ハ     丶    _   //  ′三三三三>--
.    |l /i{  \. {  >      ` ´   /  イ/ニ二三三三三三     
.    |/ ヽ _}.|    >o。  _    //∠二三三三三三三
.    |   ∠二二|三ニ=冬=- l| } ≧=彳 /三三三三三三三三
    ∠二三三|三三三三≧ /〃⌒V∠二三三三三三三三

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
深い意図のない問いかけだった。
仮にあのアパートの中の男女がやる夫とアリスだったら、と考えたのだ。

もちろん、作中のように部屋で並んで腹筋をしたり、
毎日毎日牛乳で乾杯したりはしないが、それ以外は似たり寄ったりだろう。

アリスの言う通り、不便で大変な日々となるだろう。

掃除だって自分の手でやらねばならない。
料理も機械任せではなく、自ら調理器具を揃えて作るはずだ。
今の時代、料理など機械とブライドル地下のような企業の飲食施設に勤める
料理人くらいしかフライパンを握る者はほとんどいない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1426 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 23:39:19 ID:om7gZO3w0

※修正しました
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/    (●)  (●) \     ……もし、もしもだお。
|       (__人__)    |
./     ∩ノ ⊃  /     ああいう生活をやる夫と一緒にってなったら、どうだお?
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
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  |l   .|  |l  | |  |l   |l l|l  l| | l | l |l | l 〃i{ / |l.  |l
  |l   .|  |l  | |  |l   |l l|l  l| | l | l |l | l 〃 ハ}  |li  |l
.  八.i |  |l  | |  |l   |l lリ ,ハ,| l |/| | 〃 l.| lト、洲  !!
 /  }l |  |l  | |  |l   |l ./ /{ |l/イ| l |l | {| 从ヾ}iヾム |
./   .|l |  |l  | |  |l   |l厶斗匕l 斗抒坏l| /l|./  } |ll  }l |      苦労は多いでしょうね、間違いなく。
.    |l |  |l_|_|_|l   |l   l|/癶 ヾ_ン  |li/リ|  / l|ll  リ !
.    |l | ´|  | | Lハ_ヽハ. /       ||V l| ./l 从 / /       今まで機械任せにしてきた分、
.    |l |  |l  坏芯ソ         lii  リハ′/=冬、<二三
.    |l | . 八 | ヽ                // } r仁三三k `マニ      不便さに毎日呻きそうだわ……。
.    |l | 人 ヽ ハ     丶    _   //  ′三三三三>--
.    |l /i{  \. {  >      ` ´   /  イ/ニ二三三三三三     
.    |/ ヽ _}.|    >o。  _    //∠二三三三三三三
.    |   ∠二二|三ニ=冬=- l| } ≧=彳 /三三三三三三三三
    ∠二三三|三三三三≧ /〃⌒V∠二三三三三三三三

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深い意図のない問いかけだった。
仮にあのアパートの中の男女がやる夫とアリスだったら、と考えたのだ。

もちろん、作中のように部屋で並んで腹筋をしたり、
毎日毎日牛乳で乾杯したりはしないが、それ以外は似たり寄ったりだろう。

アリスの言う通り、不便で大変な日々となるだろう。

掃除だって自分の手でやらねばならない。
料理も機械任せではなく、自ら調理器具を揃えて作るはずだ。
今の時代、フライパンを握る者は機械と
ブライドル地下のような企業の飲食施設に勤める料理人くらいしかいないだろう。
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1427 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 23:44:37 ID:om7gZO3w0

                   ,、rm__rv竺vヘュrヘ- 、
                 {辷彡'こ三三三三≧ヘV,ニニヽ
                     /彡クー^ー'^ー^¬卞〈\ヽ∨
               / 乃了   `ヽ  ヽ∨∧ヽ \`、
                  //_/7 ′     ハ `、〈〈_ノ ノ   ヽヽ
           r,ニY/」 ′〃   , ' l| ト、 l l ̄l「`、   | ハ
           __〉イ〃 ,  /, l   / ,イ!} |リ 八 ヽ |ハ
           〈 rク// ,′ ,'/l∥ ,' /厶‐十ナ/}小、ヽ ∨/  、
        , -ァ7イ {  l   |l ハ ト、 { l /ィ乏f千ァ l |ヽ}_ノ   、、 `、
        // 〃l ハ  、 レイ下丶、j′'ヾ゙ジ  // rヘ川 ¦ ヽ ヽ      でも、あなたが一緒にやってくれるなら、
.     //   {l { い、、\V,ィf赤       //  ,ィ|l |  ト、 \
     {_/    ヾ \/ ヽ\ヾ`ー'′       { !  仆//  ,′ | ヽ  ヽ    案外楽しいかもね? ああいう不便さも。
             ノ{ {  八_〉、   ` , - ァ  ゝ, ' V ハl /   ハ }   \
           , -‐'´/ハ 、 { |lヽ、      ∠ニ-V リ / /  ∨    ヽ
  , -‐'´  ̄   -‐ニ|l 7,ヘヽ \l_  「≧ァr<::..::..::..::..∨ /,...┴、/ト、     l
// '′, '´ ̄.:∧:.ヽ//  ヽ\j二 /// 7j「ヽ\::..::/ , '´::..::..::..::ヽj ヽ    |
 , '´ , / ___ ,' ハ/ , ′ }ノ/ ,..-ヘ \_/∧V /r┘/::..::..::..::..::..::..`、∥   l

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
そこでアリスがふっと口元を緩めるのを、やる夫は見逃さなかった。
一緒に。そうだ、一緒にやればいいじゃないか。
独りでは不便で時間と労力の無駄でしかないかもしれないが、
二人でなら意味が生まれるはずだ。

どうやら真剣な表情をしていたらしく、「まさか、本気?」とそれを見たアリスがたじろぐ。
マットレスが小さく揺れ、彼女の動揺を表していた。
困惑に目を見開きながら、腕を組んで思案している。

「言うまでもないけれど、料理なんてしたことないわよ?
料理しているところを見たことすらないわ。
一応、この部屋にも小さめのキッチンはあるけれど、お湯を沸かすのが精々。
コンロなんて火が点くだけのお飾りだわ。
洗濯はともかく、掃除はなんとかなるかもしれないけれど」

彼女の視線が揺れる。最早映画そっちのけだった。
深紅の瞳には期待と不安が入り混じった感情が見え隠れしている。
やってみたいかもしれないが、できる気がしないといった具合に。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1428 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/11(水) 23:48:03 ID:om7gZO3w0

               ____
             /      \
           / ⌒    ⌒ \      それを言うなら、やる夫も同じだお。
          /   (●)  (<)  \
            |      (__人__)     |     でも、アリスと一緒ならやってみたいし、頑張れる気がするお。
          \     `⌒´    ,/
         /_∩   ー‐    \     
        (____)       |、 \





  |  |   |                       {;;i´√マ {ム  i! i! ̄
  |  |   |     |          |        ムマ/i!  {{  }ハ i! i!
  |  |   |     l    .|       | |!  |   |;;ム  |  マ  |;ハ ヾ
  |  i!   |     i    |     }}ハ|  斗´i!i! .|ヽ;;i .|  iム. マハ  \
  |   i!   i     ∨  .i!    i!/ 斗´从__リi.| ノ;;| /|  .iム ヽi    \
.  i  i!   i      ∨ i!     /ー ´ _x≦笊  |i;;;;;|/ .iヾ  iム  \
  i  i!   i!从从  ∨ i!   /   彡弌:::::ソ´ i マ;;|  | i!  i_ム\ \
.  i  i!   -‐―‐ヾ. \ヾ /    ´¨ ̄    }  マ} i!∨ヾ ヽ} \ \     あのねえ。そんな言い方されたら、
   i  ム     i! ,xz笊仆、ヽ/          /从{| | /、 ヽ, xzzzzx
   i .ム    ヘ ⌒弋_ソ                // / | レx≦//////////       私も嫌だって言いにくくなるじゃない。
.   } iム∨   ヾ、               ノ / .|∧/////////////
.   | |マ、.∨  ム \     ヽ          /   |///////////////      「い、嫌だった?」
.   | ! .マ. ヽ  .!   ヽ     ー-‐ ´     / ////////////////
.   | .|  ヾ、 \ }   `>x         ///////////////////       いいえ。
.   レ′ //// 从≧x___ へ  `≧-  __   //////////////////
     //////////////// \_  // ̄////////////////////

1429 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/12(木) 00:04:32 ID:3AdpZF2o0


                  ,. -ー' 二二二 ー- 、
                 //: ̄__:::::::::::::::: ̄`:::ヽ
                 /〃'::::::/´ノ〉):_ノ_ノ::::::::::::::::::\
              //´::::::__,ィ:ゝ-':__,:::-──- 、::::::::::ヽ
              /゙::::::::::/ ̄ ̄\ ヽ\  ヽ \::::::::ハ__
              !:::::::/ i     ヽ ', ヽ  \ ヽ>,仁》
           _ |::::ハ  ',      i }  ! !  ',<ノ||\
           《ニハ_ゞ、 \ \    ! ||  | |__ || l | \>
            ソ|| \\ \ \   | .从,ィ匕Lィ|| | | 〈´
                 | '、 \\,>≧ゝ, |/ /,ィヌニミ、|i | l  |
                ハ \  `卞代ツミ ヾ′   ''' / //   ト、         色々、やってみましょう。
        .       〈/|:} ヽ,\  \`¨´  、     / // /  l ヽ
               //|  |\\ ___>   ヽ   , イ!// /   !   〉        恋人らしいこと、家族らしいこと……
.              /ム'〉 「`:::ゝ,\_ ≧ュ,fヽ_ .ィ─ヘ,ィ l   |l /
         .    /:::::|  |::::::::::ヘ   !:::::::l |::::ハ;:::::_:::::ヽl   l|/          あなたと一緒なら、そう悪くもないわ。
             /::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/  ∨ }/::::/ / ハ`ゝ
.         ./!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ーく /_」:::/ / /::::ヽ:::ヽ
       //|:::::::::::::::レ ::::::::::::::::::| |::_〉 }  ─ー、ヾ才/} /:::::::::::\:\\〉\
     ,// /ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ヘ!   ̄\ヽ)=::、/ /::::::::::::::::::::::::::\   `
    .// // 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ `入_  ゝ}_ソ/`´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
   /´// / /|::::::::::::::::::::::::::::::::::(\__  ̄Z_r、_「| ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、
    // /  // ヽ;__::::::::::/:::::::::::::::〔 ゝ,>、  _,ィ'7´}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ、
   .{′ /  //  / | |  ̄`斗、:::::::::::::::\r 、  Y  厶ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ   )

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
アリスは目を細めると、ゆっくりではあるが頷いてみせてくれた。
何も分からないのであれば、せめて形から入るべきだろう。
旧時代の形ではあるが、あれはあれで悪くないように思えた。

自分たちに必要なのはきっと、目が眩むような豪奢な住まいでも、
金が湯水のように消えていくような遊興でもない。
なにげない、ささやかなもののはずだ。

「い、一旦止めましょう? そろそろあのシーンだし」

アリスがそわそわしながらモニターを指差す。
白く細い指の先には、殺し屋と少女の同衾のシーンが映っていた。
苦笑しながら頷き、忙しなくPDAを操作して刺激的なベッドシーンを消そうとする
アリスの横顔を見守る。

そういったものもまだ、急ぐ必要はない気がする。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1430 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/12(木) 00:04:48 ID:3AdpZF2o0

                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
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                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         └──────┘


                           ┌───┐
                           │::::::::::::::::│
                           │::::::::::::::::│
                           └───┘


                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘


                               ┌┐
                               └┘


                                   □

                               ・

1431 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/12(木) 00:05:17 ID:3AdpZF2o0
今回はここまでだ。

次回は……少し間が開きそうだ。

決まったら連絡するよ。シーユーアゲイン。

1432安価のやる夫だお:2019/09/12(木) 00:45:04 ID:P.u55qHU0
おつおつ

1433安価のやる夫だお:2019/09/12(木) 18:45:36 ID:vKyAG2CA0
乙でした

1434安価のやる夫だお:2019/09/12(木) 20:09:19 ID:FNTSifBs0


1435 ◆x0SRSoJXe.:2019/09/29(日) 18:37:28 ID:de0hChVU0
ハロー、モコイさんだよ。

次回は10/2水曜日の午後九時としようと思う。

最近年が増えて23になったよ。油断してたら一気に三十路になりそうだ・・・

1436 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/01(火) 23:25:15 ID:QOH4ru5A0
申し訳ない、もしかしたら仕事の関係で午後十時になるかもしれない・・・
おちんぎんいっぱいほしいのほおお

1437 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 22:15:57 ID:xr5kn2cA0
    /||ミ
   / ::::||
 /:::::::::::||____
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||  、 - ‐‐ -,
 |:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
 |:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i
 |:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l       ハロー。
 |:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
 |:::::::::::::::||___ : : :丿
 |::::::::::::::(_____ノ´||
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
 |:::::::::::::::||/    ||
 |:::::::::::::::||      ||
 \:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
   \ ::::||
    \||

1438 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 22:23:47 ID:xr5kn2cA0

       , -‐   ‐- 、
     /: : : : : : : : : : ::',
    , ': : : : : : : : : : : : : : :',
  /: : : : : : : : : : : : : : :○:',
  ヽ : : : : : : ○: : : : : : : : :',      色々待たせてすまなかったね。仕事に人付き合いに色々あったものでさ。
 .  `ト : : : : : : : : : : : _,-‐'`iヽ _
    i: 丶: : : : : :,-‐'´__,-‐'´: : : `ヽ   許してフォーギブミー。
    | : : :ト: : : : `-‐´ : : : : : : 、: : : 丶
    | : : :'、j`-‐ : : : : : : : : : : : \: : : ヽ
    丶,,:_:_:_: : : : : : : : : : : : : : : : | : : : i
          `ヽ: : : : : : : : : : : : `ー‐'
             ヽ: : : : : : : : : : : : : ヽ

1439 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 22:26:35 ID:xr5kn2cA0

                  . . .-─‐-. ミ
                     |: : : : : : : : : : `: ..
                     |: : : : : : : : : : : : /
                    }Ο : : : ◯: : : :,′
                   : : : : : : : : : : : :i
                      { -===- 、: : :. :.|      さて、それじゃ久しぶりにはじめてこうか。
                    〉: : : : : : : : : :ノ
                  i: :`ニニニ´: : : : ‘,      アリスちゃんとやる夫君の同棲生活初級編だ。
                 __/ : : : : : : : : : : : : i
      ___        /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|      サービスサービスゥ!!
     / :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |
     .′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
.    ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
.       ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
                 \: :′:::::::::::/______」
                     弋:::::: /
                       `¨´

1440安価のやる夫だお:2019/10/02(水) 22:35:04 ID:DinkUBzM0
わーい

1441 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 22:48:25 ID:xr5kn2cA0

                 r 陀ァニニ ー 、
               /.:. ≧^ヽ - -  __.\
              /.:./          ` ヽ_
                //         、    ム、
           /イ             !l } }l   l:!l:l
              l:l〃   | |ヽ    L⊥}1イ l l⊥!
          /{l:l l  | | }.トィ\ l .' _之ュl / /}lTl }             色々考えてはみたけれど、
          ヾニイ ! lヽィf.(卞 } / 〃⌒ }/l !l:l.ソ
              lⅥ 、ヽノヾツ    "" ´}   ! ヾl              すぐには無理ね。
               | 〉ハ ー\""   ` ,   イl  !   i        _/
      ヽ---≧ー、}\ヽ \    `  /jヽl  ハ ⊥イ- 千三干- 、 _
   _`三Zニ三ヽニ . ̄ ̄ \ 、ヽ}:.:.::zニ <´:.:./! r-/ィー 、三三三Zー ´
  ー ニア三三./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ jヾイ7 Y Vン l/ l.:.:.:.:.:.:.:.:.\二三三≧、
  ィ千三三三./.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:|r-vう / !ヽヽ r-v-}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽニ三三三ヽ
. /三三厂}三/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/}> ´/ .公 \^-<}\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ ヾ三三ハ
 ´  リ ムイ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.-/ / i  -'__人_ヽ    !ヽ ヽz、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽリ  jソ
       /ハ:.:.:.:.:.:.:.:八   .⊥ ィ ー‐.个ーへ _勹、 / i.:.:.:.:.:.:.:./
.      /// ヽz.:r-'  ヽ /l }.:.!  ヽ f   ィ ニ{ _ ーi、 マ.、:.:./ヽ ヽ
     /// /!l⊥ヘ  イ   ヽ-i:.\ノ人/.:.:}_)  下  _ノ ヽ!l:} 、!  l
.    /// / ソ }. \ !∠ /}_.j:.:.:.:.ンく:.:.:.:l {   ー  }_  }从l:l !  l
    i ! l ! ノ ! イ_  __} -{ l.:.:.:.:((:l:!!l)):.:.:.「i  , - } 、 〉、 ヽ !l:l !  l

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ベッドに二人で腰掛けながら、PDAのモニターを覗き込むアリスの横顔を見つめる。
紺色のナイトガウンに着替えた彼女の髪は微かにしっとりとしているようで、
照明の光を柔らかく反射していていた。

結局あの後、やる夫二人は調理器具や家事の道具などをひとしきり
モニター越しに漁った後、普通に昼食と夕食を済ませた。
今は風呂に入った後に就寝の準備である。

普通の恋人らしい生活を、とは考えたものの、
それは簡単には手に入らないものだった。
こんな時代に普通の恋人、というのも難しいのかもしれない。
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1442 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 22:57:29 ID:xr5kn2cA0

               ____
             /      \
           / ─    ─ \     アリス、その画面……。
          /   (●)  (●)  \
            |      (__人__)     |    「ええ、任務の通達よ。明日の正午に、二人とも別の任務」
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \     そっか。


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アリスも自分もあっけらかんと受け答えしてはみるが、
心の内では硝煙の影が過った時点で穏やかさが吹き飛んでいた。

アリスは強い。並大抵のリンクスでは太刀打ちできないし、
地を埋め尽くすほどのノーマルの軍勢であろうと塵に還すだろう。
それでも、伴侶が戦地に赴くと聞いて心穏やかにはいられないのは人の性だ。

たとえひと欠片ほどの可能性であろうと、
明日になったら二度と会えないかもしれないと思うと、
やる夫は腹の底を冷たい風に晒されたような気分にさせられた。

何かをこれほどにも失いたくないと思ったのは、とても久しぶりな気がした。
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1443 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 23:07:29 ID:xr5kn2cA0

          仄いrく艾艾艾艾癶、
         r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、   、
.        nrnrnrnrnrnrn:::::::::::::::::::辷う、   \
     /乂乂乂乂乂乂乂nrn:::::::::::::::辷う、   ヽ
   / ̄          乂乂nrn::::::::::辷う、
             \        乂乂n::::::::::rう)、
/               :.\   \    乂n:::::::::rう)     ′
  i      : :   ::::::. ヽ  :.\     乂辷辷く     ′
  ::|:.  ¦  :...:|....: i :::|   _}L.:.      艾艾艾\
  ::|:: |:::::l|:.. . .::::::|:: 斗r七'     |l ¦   Y⌒Y^  \   |       ……大丈夫よ。最初に言った通り。
  ::|:: |:: 八:::::::::::::|l::l::| 〕斗ぅ弌7. |l  |:   V⌒ト、 \\ |
: |:八:. 、:::: ヽ :::::::八乂{ア乂`ーク  |l  ハ:.   |   |l \ \\      あなたに向けた言葉を、私は裏切らないわ。
: |::::: \\⌒\/     ''¨゛´   八Λ|:: | |:) 八.   \ |
八::::::::::|\ 托笊!           ./ .:/ ..:|:: ハ! ,.:代_____\__    あなたがいる限り、私は負けない。
:. \ : |\\`ー1          //〉..:/|. / 「 ::|l   |.    )    )
\  丿:::::ヽヽ込、         //  ′/  :|l   |   (        またここに帰ってきて、それで……
  \   乂__込、    _ ー      ./  /   |l   ト、
.    (  |:l \ \         ./  /:/... 八|:  |:::\    
     \|:l:: |:ハ  ヽ     イ..::/  /:/   /|:: |:  |:::::::::\
       |:l:: |:: |: |: 个ヲ 厂 ハ/  厶仏:::/^|:: | . ├――=ミ
       |:l:: |:: |: |: | ノ/: 厂\彡く/|..../: : |:: |:  |
       |:l:: |:: |: |: |}/  厂 ̄ ,ィ__八/: : : |:: |:  |





       __{〆..:::::::::〆        `  、
    /_{f7.::::::::::〆                 \
   / __{f7.:::::::〆   /           \  \
  厶イ7:r-、く  | |    |        ヽ   \
 〈〈__/:ハ::.Vヽ\ | |   |、          |    ヽ
. /ヾィ/ イヘヽノノ | |ヽ  | \   ',    |    | '.
/ /://ll |:「´   |{ 丁ヾト、|  ヽ  |!   |    |l |
  |::|  l| |:|    |ヽ弋f==,ミメ、 ' ∥  /ハ     || |
/|::|  || |:|ヽ   |   、_{._!ンヾ  }ノ|l /厶| , / ハ|
  |::|  || |:| \  ヽ   ̄¨`    l/rテミ|/ / / }ノ
  |::|  l| |:|  l \ \         、ヾ' / イl/        私は、明日明後日の戦場で死ぬ気はないわ。
     l|     |   ` -\       ′/  ノ
      |l    |\        ‐-,,、  / /           まずは、このくだらない戦争を終わらせる。
     ハ    ト、  、      ` イ
    / ハ     l::.\ >_,、   /  |               私たちリンクスは、所詮企業の支配欲を満たすための
     / ∧   l:::::/.::7爪  丁   |
―-  _∠::::ヽ  ∨:::/ 小ヽ |l   |                戦争代理人に過ぎないかもしれないけれど……
―‐ 、 ` マ}__ ト、  ∨/:||:lL)〉ハ   |
::::::::::..\「` マ}___\  ∨:||:「く/  |  |                 在り方はそうでも、心だけは別のはず。
::::::::::::::::::::::::::::..マ}___\ ∨| ヘ`ー|  ∧
::::::::::::::::::::::::::::::::::..マ}__ \l|  ヽ:::::l /:::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..マ}  ゙r〜、>|/-、:::::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ/ヽ|  | 厶、ノ`}:::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\   /「匀ヘ r':::::::.ヽ

1444 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 23:24:59 ID:xr5kn2cA0

   {ilililililillilil/ノ /   /      ヽ \
   {Ⅶilililili/ノ  il   i    ヽ   ハ ',
   {Ⅶil≦イ  il  .il  ト、   i    V
 _,彡イ 水 ̄ミヾ=.il  .il  ハ   ヘ  i .il
イイ  //ハヽ  //   il  i ト   ハ  il il
ヾ .//  Ⅶ_/ il  .升 | リハ il リ イ 丿
 .Y /    iliイ.  iト  ハト>K彡' }/ イ.//       戦うことでしか生きられなくても……
 //    川  .il ヽK' / ィ= / i、 il
.//     ハi.l  人} ィ匕r:j    `ー,        私たちには居場所があるの。帰れる場所があるのよ。
Ⅵ     i i.l  .ハリ   ̄ ̄     /
illi}    il il  il il        _ _イ          そのために、戦いましょう。
ilil}    il Ⅵ/ ノ       - ' ノilリ
人     ヾ≧ '         / /
ilililゝ, - - 、 \\ r、___ /i./
ィ三三三三三ミ、ヽⅦミ=、_
三三三三三三三ミ、 \iミミ、

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アリスはPDAを枕元へと放り投げると、やる夫の眼をじっと見つめながら
頬を綻ばせた。明日には戦場に赴く者のものとは思えない、優しい笑みだった。

なのはに自分の両親をプラント諸共消し炭にした男が生きていると、
企業の飼い犬として最強のリンクスの名声をほしいままにしていると聞かされた時、
やる夫は静かに、けれど確かに胸の奥を憎悪で焦がした。

自分の肉親と生きる場所。穏やかな暮らし。何気ない日常とささやかな将来。
それら全てを奪った男が生きていると聞かされて、
世界の片隅に縮こまって息を殺しながら怯えて生きるなんていうのは嫌だった。
善悪の在処など関係なく、決着を着けるべきだと思った。

だが、今ではそれも少し揺らぎつつある気がする。
今のやる夫には、アリスがいる。
一緒に生きようと願って、それに応えてくれた女の子がいる。
それはきっと、何物にも代え難いもののはずだ。

仇との決着か、目の前のアリスとの時間か。
答えは、明白だった。
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1445 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/02(水) 23:48:34 ID:xr5kn2cA0

                  ,. -ー' 二二二 ー- 、
                 //: ̄__:::::::::::::::: ̄`:::ヽ
                 /〃'::::::/´ノ〉):_ノ_ノ::::::::::::::::::\
              //´::::::__,ィ:ゝ-':__,:::-──- 、::::::::::ヽ
              /゙::::::::::/ ̄ ̄\ ヽ\  ヽ \::::::::ハ__
              !:::::::/ i     ヽ ', ヽ  \ ヽ>,仁》
           _ |::::ハ  ',      i }  ! !  ',<ノ||\
           《ニハ_ゞ、 \ \    ! ||  | |__ || l | \>
            ソ|| \\ \ \   | .从,ィ匕Lィ|| | | 〈´
                 | '、 \\,>≧ゝ, |/ /,ィヌニミ、|i | l  |
                ハ \  `卞代ツミ ヾ′   ''' / //   ト、         なあに? ここまで言っても不安なの?
        .       〈/|:} ヽ,\  \`¨´  、     / // /  l ヽ
               //|  |\\, __>   - ´  イ!// /   !   〉        まったく、気持ちは分からないでもないけど。
.              /ム'〉 「`:::ゝ,\_ ≧ュ,fヽ_ .ィ─ヘ,ィ l   |l /
         .    /:::::|  |::::::::::ヘ   !:::::::l |::::ハ;:::::_:::::ヽl   l|/         ほら、こっち来なさいよ。
             /::::::::::: ! / :::::::::::::} |::::::::l !/  ∨ }/::::/ / ハ`ゝ
.         ./!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::| |::::ノ| ト-ーく /_」:::/ / /::::ヽ:::ヽ       
       //|:::::::::::::::レ ::::::::::::::::::| |::_〉 }  ─ー、ヾ才/} /:::::::::::\:\\〉\
     ,// /ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ヘ!   ̄\ヽ)=::、/ /::::::::::::::::::::::::::\   `
    .// // 人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ `入_  ゝ}_ソ/`´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
   /´// / /|::::::::::::::::::::::::::::::::::(\__  ̄Z_r、_「| ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、
    // /  // ヽ;__::::::::::/:::::::::::::::〔 ゝ,>、  _,ィ'7´}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ、
   .{′ /  //  / | |  ̄`斗、:::::::::::::::\r 、  Y  厶ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ   )

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考え込んでいたら、アリスに心配されてしまったようだ。
確かに、大分眉間にしわが寄っていたかもしれない。

笑ってごまかそうとしたその時、腕に柔らかさを感じた。
同じようなガウンを着てはいるものの、薄い生地越しに伝わってくる体温や感触の前に
やる夫の思考能力は脆くも崩れ去った。
鼓動が跳ね、アリス以外の風景が目に入らなくなっていく。

やる夫の腕を抱き寄せながら、アリスがもじもじと腿を擦り合わせるのが見えた。

「え、ええと、そう。あなたが不安そうにしてるから、こうして安心させてあげてるのよ。
……言っとくけど、私だって頑張ってるのよ、これ」
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1446 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 00:11:31 ID:3SIOD0KE0

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    /     ′  |   | |        |  | | |   l l| |  ヽニニイ
.    ′l       | || |        / | ノ 厶|-/ 十| ┼- 、// |
   l l|    l     |  |||     / .|イ´ / / ― トL|  //  l|
    | l |  l |     |  |||    l ′ ノ/  //___l/l |  l:::|   l|
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    | l∧  ||  |  |、/| l/   __             |||  \〉  |
   ヽ  \||  |  | ヽ〈   彡'" ̄            l||  /|   |
   |::::|\|::l├ヘ、 、l  \ 〃                ||  ' |
   |::::|  レ\ | \\   ∧ //// ヽ            l |   | | /
   |::::|   | |l | ` \ トヘ          _,.     ノ八  | |./
   |::::|   | | l|   |l| \      - ´        ヽ| |′
   └┘   | |∧l   |||    ト                   二|
         八 | ヽ  ||l    |  |>  .     _  ´ //..::.:|
          \  \ |リ    |  |     `T爪_//..::.::.::.:|
               \    |  |      |>〔]‐< ::.::.::.::.:/
                   ノ  |       /イ/^l ト、\::.::./

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しっかりと抱きしめられた腕にアリスが身を寄せ、
細くしなやかな指がやる夫の手に触れてきた。

どうしていいか分からずに固まりながら視線を泳がせていると、
アリスはそっと掌をやる夫の頬に添わせ、そのまま腰を浮かせてきた。

石鹸の優しい匂いが舞い、彼女の長く柔らかい髪がやる夫の耳元へとかかった。
少し細めの眉と長い睫毛が視界を占拠する。
息遣いどころか鼓動の音まで聞こえてきそうな距離だった。

一呼吸も置かずにアリスは身を離すと、頬に微かな緋を差しつつ、
にっこりと花が開くような満面の笑みを浮かべた。
一瞬の出来事だったはずなのに、口元に感じた柔らかさと熱が
脳の奥に焼き付いて離れなかった。

「また、しましょう。何度でも。ここに帰ってきて、たくさんね。
おやすみなさい、やる夫。これ以上夜更かしすると、明日に響くわ」

その笑顔に応えるように、やる夫は力強く頷いた。
そうだ。この時間を守るために、何度でも彼女とこうして過ごすために、
自分はネクストを駆る。

それ以外の答えは、今はいらない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1447 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 00:11:52 ID:3SIOD0KE0

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                             └─┘


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                                   □

                               ・

1448 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 00:25:45 ID:3SIOD0KE0

                       ―――
                  ''゙´           ``
                  /                  ヽ
            ___
          ''゙´/ |   `
       / ´ ./  .|                  ヽ    .∧
        //  ./    ,                  '    / ∧
.       //  ./      ,                    |  |     / ∧
     |'   '       \       \  \  .!   |    /:.∧
     |   |           \  ._   |\  ヽ.|  | __    / ∧
     |   |i:. |      |  \\ヽ .、 {―`''< :|  |γ Y  ./ ∧         ――ミッションの内容を説明いたします。
          |i:. |      |⌒|\|\\´ ,ィr≠ミx..:|  | ) ヽ }   / ∧
          |i、 !:     \.,ィ芍k、      ヘr' u)》.:|  |こ_.ソ     / ∧       作戦目標はIGIOノーマル部隊に包囲されている
          |i ヽ{ヽ 、   \ ゞ''      ``~  .|  |¨{ ┐       / \
               ',|\ <⌒``   、          :|  |r-t'}_             SIノーマル部隊の軍事キャンプ救援となります。
               }  ``  入    ー ァ      |  |>,ィニニ〕iト、
                |   >s。     。s〔 ,  .'/ニニニニ=\     ’,
                |   /ニニニ><ヽ >/  //ニニニニニニ\
                |  ./ニニニニニム } ./  /∥ニニニニニニニム
                | /ニニニニニニニ}_/  /.∥ニニニニニニニニi}
               / /ニニニγ´ / : /  /ヽ{iニニニニニニニニ=i}      ’,
                 / マニニニム¨¨  : /  /  .{iニニニニニニニニ=i}
.                /   マニニニニ} _ /  ∧/.{iニニニニニニニニ=i}       |
               /     マニニニ/ /  /ニニニ寸=ニニニニニニ=∥        |

1449 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 00:37:28 ID:3SIOD0KE0

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:Tヽ;:;;/`'ァ‐。x;;;,___,,,;;;;ィTi、__
.{.iヽY  (_ _ノ〉   K(´゚ )`l:/ }::::、゙ヽ、
::ヾ,`|        | ゙ー  ,lイ /;;:;:ヾ、::.\          『現地のノーマル部隊を指揮しているのはSIのリンクス、新城直衛。
,w'゙Yl       rV'〉   .,!ソ'' "ミ::jノ:::::::::::`ー
, .}ミi、     ` '    /ミリ ミ ミ::::::::::::/i::::..        包囲が始まって既に二日が経過します。補給路も断たれ、撤退もままならず
ミ,, ヾiミヽ, -=ニニニ= ,,ムジ ,,ミ'゙::;ィ゙:://:::::::.
:::ミi, l:;:;ゞiミx、_   _,,,イミジ 彡゙://::/./::::::::::::         防衛戦と遅延戦闘を延々行っているそうです。物資の関係もあり、
:::::::ミ、ヾ、:;゙ヾi}エケZ゙エヅ:/ ミ:;ィ゙ ,,イ::j'./:::::::;;;;_::
【ランク16 新城直衛 スポンサー:SI】           長くは持たないと思われます』





                      ......::::::::::::::::::::::::::......
                   /..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
                  フ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
                つ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
               ノ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨
               ゝ.::/`゙´ゞ¨ヾ゙´ ̄ ̄``¨´゙}::::::::::::::::::::::::::}
            ∧::}、 _             |::::::::::::::::::::::::゙
                  j /´ `,{ ,ノ /      j::::::::::::::::::::∨
.              「l{`fッミ} ,_..,:厶フ乙 ヽソ.:::, - 、.:.:/
                 `ゝ¨ニナーハi^f¨升jメ l}:::ノ⌒} |::.゙
                  ∧  〈、_,.. `.゙ ̄ ..ノ.V_) ノノ゙
                ',  _     ̄ ̄  /(__,ノ´           『また、近くで別任務に当たっていた当社契約の独立傭兵、
                     i ‐-`丶     / レヘ
                  ハ        / / ゝ,           ノービィ・ノビタリアとネクスト、ヘヴィードーラにも同じく救援に
                     ゝ____ .. < /   j  ヽ
                厂\ ___ノ   ,ノ  ⌒\__        向かっていただきます。新城直衛の国崩は言わずもがな、
                  . -‐/}/´`⌒⌒ニヽ.   /   ,//⌒>、
              / /〈_/  ノ     ゝ/    //     ヽ    ヘヴィードーラも狙撃戦主体の中量二脚となっております。
            / /                  /         V
.            j ./                 .::::/     /       支援射撃の腕は確かですが、前に立つ機体ではありません』
        _/ {                   / ...:::/   /    i
      /   /                / .::: /          |
   / /   /                /  /    /       |
.   jヘ {/   /                  /   ′. . :/         |
.     ー、_/,/                /  .:{ . : : ′       |
        /                 /..:...   }. : /           |
.    >                /  ⌒ヽ  {:           _丿
【ランク17 ノービィ・ノビタリア 独立傭兵】

1450 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 00:40:23 ID:3SIOD0KE0

              / `
             ,', ′
             {{
             ゝ -f` -   、
          >      '       ヽ
        /       ,         \
       / /     |              \
        / ./         |           ヽ<
       /          ',  ||     |  、   ` =‐-
      |/     |  | ハ  ||ヽ __, |  }   ∨
      |      从/|.| ∨ |||, ´ノ リ\ |    | ∨
      |  |  _ノ-/‐-  \{ ´≦弋ミヽ /. ,' | }        今回、細かなミッションプランはありません。
      | ヽ ,   | ,ィ=ミ   `  ゝ- ′ .} /, / リ
        .|  ヽ人 ゝ      ,      /´ /            スピードが重要視される作戦となります。
      .| | {.| ` \    _ ‐-,     | | \
       | ,'  ` ___入    ` -     イ  |ノ  \         あらゆる手段を以て可及的速やかに敵を殲滅してください。
       > /:::::::::::\>       イ .|  |.     \
      / ./::::::::-‐:::::::::ヽ 7-`- ´ .|7z.|  |      \      この作戦における肝はあなたのマーシフルです。
       / ./::/:::::::::::::::::::::}\i i` 7_.|_<   ',>= _    \
     ./ .i:,::::::::::::::::::::::::::::::| ∧ \i  / >>. \::::::∧    \    よい戦果を期待します。
    / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::| ∧. \i./   { \::::::\    \
   / /::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::  ,   { }   <::::\\::::::>、
 /  ヽ:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::::|  i __ ′ヽ _ヽ::::\\:::::::i
´     >::::::::::::::::::::::-=::::::::|  |/  |::∨  \:::::::::::\\:::ヽ
      ゝ:::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;:::, /‐- 、::::∨  /::::::::::::::::ヽ ,::::ヽ
      /::::::::::::::::::∧:::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::ヽ./::::::::::::::::::::}.} .i::::::::::
      /::::::::::::::::::/ ',::::::::/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 'ヽリ:::::::::::
     ./::::::::::::::::::/  }:::::/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   ∨::::::::

1451 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 00:45:51 ID:3SIOD0KE0
                         ____._ _
                      └‐ォ |UU  `
                           くノ     \ ,,_人、ノヽ
                               )ヽ    (  ___________________
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - <       >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   )     て
                              /^⌒`Y´^\     ._ _
                                             UU/7
                                                 くノ

1452 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 00:46:01 ID:3SIOD0KE0

┌───────────────────────────┐
│                                       .│
│SI軍事キャンプ救援 依頼主:オルデンブルク          ......│
│ 孤立したSI部隊へ救援に向かい、速やかに敵を殲滅せよ  ......│
│ 僚機:国崩、ヘヴィードーラ                       .│
│                                       .│
└───────────────────────────┘

1453 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/03(木) 07:02:01 ID:NaAsgec.0
本当に申し訳ない・・・寝落ちして寝ていた・・・
次回は来週の水曜日午後九時からだ。
ほんとすまないね。

1454安価のやる夫だお:2019/10/03(木) 08:26:21 ID:.YAx51Po0
これでどっちかが死んだら、しばらく凹むわ…

おつかれさまでした

1455安価のやる夫だお:2019/10/03(木) 11:52:27 ID:VQ5S9bg60
乙でした

1456安価のやる夫だお:2019/10/03(木) 12:05:29 ID:H/SIN5JE0
乙でした
でっかいドラに乗って戦うのび太か

1457安価のやる夫だお:2019/10/03(木) 20:04:20 ID:XmN2aQm.0
乙でした
ゆっくり読ませてもらってるよ
休む時休んでええんやでー

1458 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 21:16:15 ID:h7HJKgEw0
    /||ミ
   / ::::||
 /:::::::::::||____
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||  、 - ‐‐ -,
 |:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
 |:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i
 |:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l       ハロー。
 |:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
 |:::::::::::::::||___ : : :丿        つーかただいま。
 |::::::::::::::(_____ノ´||
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
 |:::::::::::::::||/    ||
 |:::::::::::::::||      ||
 \:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
   \ ::::||
    \||

1459安価のやる夫だお:2019/10/09(水) 21:18:20 ID:60X8qs0M0
ハロー

1460 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 21:26:52 ID:h7HJKgEw0

                  . . .-─‐-. ミ
                     |: : : : : : : : : : `: ..
                     |: : : : : : : : : : : : /
                    }Ο : : : ◯: : : :,′
                   : : : : : : : : : : : :i       今回は戦闘パート、嫁同伴なしのおひとり様ミッションだ。
                      { -===- 、: : :. :.|
                    〉: : : : : : : : : :ノ       ひとりで殺れるもん。リリカルトカレフキルゼムオール。
                  i: :`ニニニ´: : : : ‘,
                 __/ : : : : : : : : : : : : i       生き残る術はコジマキャノンだけってね。
      ___        /.: : : : : : : : : : :‘,.:.三|
     / :::: ヽ: : : :‐--∧_: : : : : : : : : : :./:|: : : |       さあ、同棲生活のツケを払ってもらおうか!
     .′ :::::::‘: : : : : : }/∧ア´二二ヽ:/ | : : ‘,
.    ‘::::::::::::::ノ: : : : : :ハ \{/: : : :/⌒゙ヽ : : :‘
.       ゝ-=彡-──<¨¨゚‘; .: : :./:::::::::::::::} : :. :.|
                 \: :′:::::::::::/______」
                     弋:::::: /
                       `¨´

1461 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 21:31:08 ID:h7HJKgEw0

                   ,、ハ,
                   ノ .::::v!
                 l .:::::::::|
                 r ‐- ‐'7
              r  ´  ̄  ̄ ヽ   
                 /         ヽ
             /:::   ト .__ イ ⌒j
             7⌒ T´ ̄ :::::::::/::::::|'
              /  イ:::::::::::::::::::::レ':::::|
            ヽ.:::::|::::::::::::::::::::::|:::::::|
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               !r'三ゝ人_,<:ィ:::::: r‐′
               1 三 Y   | 三 | ̄´
                  | 三 !   | 三 |

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戦況は一進一退のものとなっていた。
数的優位を誇っていた企業連と、実力者を抱えながらも絶対数で劣るユニオン。
ネクストの出撃した戦闘では軒並み白星を挙げていたユニオンだったが、
それ以外の戦場では打って変わって惨憺たる結果を出していた。

開戦から一か月と経たずして、SI陣営は二個大隊規模のノーマル部隊を喪失。
更には強襲で占拠した軍事拠点も二つが奪還される事態に陥っていた。

一方で、企業連のネクスト戦力は着実に削られつつあった。
ランク14クリムゾンネイル、ランク19ヘルヴォル、ランク12ラスティングクロス、
そして上位ランカーであるランク10シュクヴァールと、日に日に屍を積んでいた。

四機のネクストを失い、残る企業連所属ネクストは七機。
ユニオン所属ネクストは一機の喪失もなく、独立傭兵を含め九機と
ネクスト戦力だけで言えば数の利は覆されていた。

その功績の裏には、オルデンブルクの若き英雄二人の影があったという。
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1462 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 21:35:54 ID:h7HJKgEw0

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. ≧s。 : : : : : : : : :: ::/ィi〔:..:/  :]i:リト :iム_\:>、 _>ィi〔 : :〕≧s。
      ≧s 。 _:/ ´:: ::〃:   :,':i:i〕i: /¨`‐-=ニィi〔___>`´__
          ≧==イ′ ≧=-イ:i:>、i/i:\r====s。.,_` '‐<-==-  ミ..、, /
       , -‐=ァ/ ∥  _,/i{:i:|r={{、i:i:i:i} }≦。. .  〕ト。   ヾ〔}} \..∨ /
     /:..:.__ア./ /}}r≦イ:: : ::⌒\i:i:i>、i}! ‐=<≧s。  _:_  \ヽ ヽ∨ /
    / .ィ〔ア∥ ,:'ィ〔 }):′: : :: :: ::__i__≧==!   />}! : : : 〕ト、 〕ト、 . \:、__\′
ト、 〃ィ/::{_ii{. i{_/ : `¨¨}}:_:_:_:_:_:>'`¨ゝ≧==r:'> ´ 〕ト. .  /¨ ¨≧=‐‐マ ̄ `ヽ
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: : : : ∨ ̄: ̄:/::..Y:},,,,{`_____〃`     'マ;_:_:_:__マハィ i〔 }!      {__≧=' ヽ: : :\  \
:\:_:_:〕:/ヽ:〔:_:ノ: iイ〔: : : /}     /=‐-: :/マム  /`       ⌒〕ト、    、 : 〕ト、___ヽ,
ヽ/: : ヽ-、: /: : : :/⌒:7: イ/`_______/_: : ::∥`  マム/            ≧=‐<<_ノ __r≦〕ト、
: ヽ:/}/ : \: :∨: : :_/:_!_//`_____,' 〕ト〈 /i:} マ                 '∧//i:i:i:<>≧=っ
: : :ゝ: }: : : /! : 〉:_: :/:〉:ζ´,ィi〔〕ト、=〕ト、  Y:i:iル=',                  /  〕ト=っ}ル'⌒ヾ
: : : :〉\:./:.∥: : : :}!‐: /: :〉 i{i:i:i:i:} }i:/i:iム/iル'_ .ノ                           ル'レ`
:ヾ‐:\: :\/`/\: >: 〔: /.  ,リi:i:i;' '〔:i:i/イ:i:}i:}〔i==< ,
: : \:-:Y: ; }ヽ: :\〕ト: :i:ヽ 〃:i:ノ  '∨ル'i:/:/i}i:ハ   '\,.../
: : : }: : }:ヽノ : 〉_:_/⌒〔;';〕ト、≦¨ ̄≧'〕ル' /i:iリi:i:i}!   '∨ /
i: : ノ: ∧:〈: : /};\\;';';';';'\;';\: :/⌒ヽ,'¨⌒'<,‐='ノ r‐ 、 `i}〕>
i /≧': :}:〕ト〈:.:!;';';'\\;';/;ハ;';'ハ,' ハ   ∨、/ :≧==r'_:ソ 人: / -=ァ
/;〕: : Y/ヾ: : 〕ト、';';';';〕ト、';'≧ム';'ム:'ハ.  '∨\ィi〔:¨:≧、-イへy: ル'/
: :≧=ハ: : ム: Y\〕ト、';';'ハ';';';';';';';\';\ム __'〕  :}}:: :: :: . Y≧=/ ィ`
`¨´  \_:_:≧=' 〕ト。_>\';';';';〕ト\';\  '∨:|}≧=ィ=/ ̄://`
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                        / ∧: : : : '〕ト。;';';';'〕ト;';';'〕ト,。

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これにはさすがにIGIO上層部も衝撃を禁じえなかった。
何よりも大きかったのは、ラストとロストワードのもたらした被害よりも、
当初軽んじていたマーシフルに多大な損害を被っていたことだった。

大攻勢を展開するものの守備の甘さを露見させるユニオンと、
戦況だけ見れば優位なものの最重要戦力であるネクストを削られ
焦りを見せる企業連。

両者ともに余裕などなく、戦火はとめどなく広がるばかり。

第二次ネクスト戦役は泥沼化も膠着もすることなく、
急速に戦局が移り変わる激流のような状態へと移っていった。

終わりも勝利も見えず、どちらが早く燃え尽きるかを待つかのように。
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1463 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 21:36:44 ID:h7HJKgEw0

                         ┌──────┐
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                               ・

1464 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 22:02:54 ID:h7HJKgEw0

┌─────────────────────────┐
│.     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.、:.:.:.:.:.:\      .│
│     /:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:.:.:/:.:.:.:.:. |:.:. | : l:.:.:.:.i:.:.:.:ヽヽ:ヽ     .│
│.    i\:.:.:.:.:.:.:.:./:.:./:.:.:.:./:.:.:/:.:.: |:.:.:.|:.:.|:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:i ヽ:.:',     │
│      |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.i:.:./:.:.:.:. i:.:.:,':.:.:.:..|:.:./|:. |:.:.|: |:.: |: : |  ヽ:i   ..│
│     |:.:.:.:.:.\:.:.|:.:/|:.:.|:.: |:.: i:.;:‐7|‐二|メ|:.:|:.:|:.:.||:.:.|   ヽ    .│
│.     、\:.:.: ヽ|:/-|:. ! : |:.: |:.: /x 斥 |/ {:/|: !:.: ||:.:|       .│
│     ゝ:.:.\:.:. |{´`l:.:|:.:.:|:.:.|:./ヘ {::リ/ 〈/ lイ:.:./l:./      ...│      ミッション開始。
│      |\:.:.:\:|\ ゝl:.:.:|:.:.|/   ゝ'  \ |:./ レ′     .....│
│      |:.:.:.:.ヽ、ヽ:| `!:ヽ:|、|       / レ′         │      接敵し、速やかに目標を殲滅して。
│      |:.:.:.:.:.:.:.\/  ‘, \\    ― ´             │
│      |:.:.:.:.:.:.:.:. |   ヘ:.:.:.ヘ    /               .│      ……最初に。これは私の勘だけど、
│      |:.:.:.:.:.:.:.≠__   ヘ:.:.:ヘ ―‐´              ...│
│      |:.:.:.:.:. / `ヽ、≧ュ、_ヽ :.{                  │      今作戦でもネクストが出てくるよ。
│      |:.:.:.:.:.:|::\   ≧ュ、`ヽヽ                 │
│      |:.:.:.:.:./::::::::\     \l┤                .│      今、この場にはユニオン側ネクストが三機もいる。
│      |:.:.:.:/:::::::::::::::::\    ヘ{ ヽ、             ....│
│      |:.:.:/:::::::::::::::::::::::::\   |\ ゝ             ...│      潰せば数的優位も覆る。
│      |:.:/:::::::::::::::::::::::::::::::::l` ̄ 7  ヘ´ヽ           ....│
│      |: i::::::::::______|  ,′   ヘ::::i          ......│      留意して。
│      |: |:::::l´::::::::::::::::::::::::::\ \   ヘ:|           ..│
└─────────────────────────┘






      ____
    /     \
   /  丿     \
    ' (●)       \      了解ですお。
  (l、__)          |
    ⌒´         /       どのみち、手間取ればコジマ汚染で味方が巻き込まれる。
   `l          \
    l           \      さっさと決着を着けますお。

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輸送機から軍事キャンプまで少し距離がある状態で射出され、
今にも雨で地を濡らさんと密集し隆起している雲の下を這うように飛ぶ。
視界はお世辞にも良好とは言えないが、この程度なら問題はない。
空を覆う灰色の天蓋を背に、メインブースターを唸らせる。

敢えて上空から参戦し、注意を惹きつけながら包囲陣を薙ぎ払うというのが、
今作戦でなのはが企業の人間の代わりに立案してくれたプランだ。

マーシフルの機動力と火力であれば、下手に加勢するよりも
そちらの方が殲滅効率にしろ味方の生存率にしろ都合がいいと彼女は語った。

事実、その通りだと思う。
この機体は下手な慎重さを採るべきではない。
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1465 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 22:28:58 ID:h7HJKgEw0


                         | i
                         | |                       >ヽ
                       _ |_|                      / /; ∨  >-y
                 ,___  /´`ヽ `ヽi                     / / 」_,><´ ゝノ
          ,. _      i'`ヽ`y-----、ヽヽ       >-<       _,,.. { i´::::ゝ_> ´
         //  > 、   { ) `{o}::::::::i:::} }「i}|   ,> ´  /二∨< "~´    ゝヽi'
         ∨    `>,ゝ、_/ /≧ュソ//:.!」;  /    / <´        > ´
          i      // >γ::::yヽ、_///`!-i_,,.> <´         >´
         人     /<ヽ 从:::::::::Y;:::::}´ ィ' <´   > ´>、<::、ィ::<::、'
       /  ><´:::{:从 入入丿丿 <´   > ´    ∨::、::::、::><}       ふむ、思ったより早い到着だね。
      />' γi::::(::!::::>、`_ノゝ-<´    /    > ´、\\><_/
     /ゝ' ュ、 人 マゝ}´>i>i´      >'    /ヽ<´ ` ̄ ~
   >´   `ヽィ'  ゝ<i::::::::::::::i_ >-<> ´ ミ三ソ<' ,ノ
 / ∨   ィ' ィ >==|::::::::::::::::::::i ゝ--一=><´_,,..ィ´
 |  }=-、イィ'/  > 、|_:::::::::::::::::ゝ三/:::::マム    i' /
..人 \ X /  /≧ュ、}::::::::::,ゝ-<i:::::i:i::::.マム_,,..ィ ∨
  `~´ `>-ヽ、≧ュ、 レ<´||||}' | i:::::i:i--ゝ'|_,,..- /, -、
   i'    ||::i::/>< |:::::::||||\ i:::::i:ii7i'  ̄ ̄`Y i' ∧∨
   |    |:|::}-ィ'   /:::::::`iiiiiiヽヾ:::}:i j     i i∨ ∧∨
   |    |:|/ /   /:::::::::::::|iiiiii| `-' .|     i | ∨ ∧∨
   |    j::::::i  /::::>::::´::::>   i |     i | ヽゝノ
   |   /::::/  {>´::::<´  i |i   i |     .i |   ヽ、
   |  /:::::/、 /`i ´     i | i   | |      i |     ヽ、
   ト</ \\ヘ ゝ、..,,   | ノ ∨___i | _,,..< 丿ゝ /  \\





      |i:::::}_,,,,,,,__   i´ ッ; 、   、.
      ト::/,_::ェェ-.... ̄ゝソ、ノ     "'' <:::::::::::::::::::::::::::
       ャ∠三ニ=- 、,,::::::::::::....、 _ `ヽ    ヽ、::::::::::::::::
        /三三三三三三ニ=ョ、,::::::::::.....  `ヽ   ヽ、::::::::
     へ二三三三三三三三三ミ  _::::::::::::.....
       {:::i` 、三三三二ニニニ/  {三二ミi、::::::::...
      、,、::: `{! ' ・ 气三三彡   i三三三圦、::::...、_    〉
   ≦ミ´  :i| 弋_ _,》i|  `≧、_,,、ョ''ニニ三三ニミョュ、_ゝ        聞こえているね、マーシフルのリンクス。
_/::::::::ミ   |     ̄ノ/    { {!¨ ' ・ ‐-=、ニ二厶イ:::::\
´:::::::::',     |      ノ      ヽ、_ __,ノ′   i:::::::::::::,ゝ      こちら国崩、新城直衛だ。
:::::::::斗     i    {           ̄       |:::::/,
:::::::::ミ、   {∧    ヾ-‐、                /         随分と楽しいことになってきてはいるが、僕はよくても
::::::::::::::`,   ミ::,  、  `:r‐ヽ              r
:::::::::::::冫、  /∧  ` 、_               、,_、vr          他が限界でね。救援に感謝しよう。
::::::::::::::::ミ   |:::∧  ゝ、_"'' ‐‐‐-_,‐ャ'´    ., 'r´  ''
:::::::::::::::::::≧  |:::::∧     ̄ ̄       ノ     v゛        
::::::::::::::::::::从 ハ:::::::゙ゝ、          ...:::、,ミ´ 、 κ"
:::::::::::::::::::::::::ゝ ゝ::::::::::≧- -‐=ニ ´  斗  、イ゛

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軍事キャンプのSIノーマル部隊を指揮するネクストからの回線が開かれ、
そこからAMS越しに粘ついた視線を感じた気がした。
老獪さと悪辣さが張り付いた表情が目に浮かぶようで、
やる夫はいつか八咫烏と協働した時の嫌な感覚を思い出した。

「新城直衛……あの時カタストロフィと協働してたリンクスかお。
味方なんてさっさと見捨てそうな奴だと思ってたけど、意外と律儀な男なんだな」

思わず悪態を吐くと、新城直衛はくつくつと昏い笑いを漏らした。
精神の奥底に泥がぶちまけられ広がっていくような気分にさせられる。
楽しんでいるのか?

「いやなに、我々も余裕のない身でね。人員的にも物資的にもだ。
使えるうちは使いたいし、捨てなくていいならそれに越したことはないさ。
それでは頼んだ。ご武運を祈ろう、同胞よ」

皮肉気な一言で通信が終了する。
サーシェスといい、この男といい、戦闘中によくもそんな笑いが出るものだ。
きっと幾ら殺したところで、最早なんの感慨もないのだろう。
楽そうだな、とは思うが、羨ましいともそうなりたいとも思えない。

新城直衛の張り付くような笑い声を振り払おうと、ブースト出力を上げる。
まともに聞けば鼓膜が引き裂かれそうなジェット音が鳴り響き、
放たれた鏃の如く飛翔する。
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1466 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 22:46:52 ID:h7HJKgEw0

               〈
              //,
             .ノ//"ヽ,
            .ィ{ーイ_`ヽ ヽ
       i==、   .ヾ}=、ノP}、ノ__>=ュ
      マ{====ィ─┐ム┴ア┴{┴┴┐'´.7     ……小競り合いでもあったのかは知らないが、今は敵に集中してくれないか。
       ヾ  咋/ ̄//咋.//|   ∥.<
        ', .|┘ ̄ .| .|| ゞ |i |   ∥ }       俺とて仕事で来ているんだ。私情を持ち込むのは戦闘が終わってからにしてくれ。
        }`.i=、|__| .|| ,ィゝ-ゝ<_i{`∨
        i{v。7マ{ユ∨フ''ゝイ7/ マ=i|_ .}
       /〕〔∥├.ユ∨====〈'ノ./}][./ヾ}
     i≦{ ̄∥三/ /ア┴┐三i"i´}=〈-i‐<
     |./ i_ ∥|┐ー.|´ |.i┐.|| | i .i |_,/.i.| .//
     y_/  〉 |┘‐.| .|.i┘.|| . | i_/´ }_| ゞイ
     {ニ≧/.| `"{=〈 `i""´  .|_└≦}is。}





                 ,.  -ニ ̄ ̄::::ヽ ̄`::..,
            /:::::::::::::::Xゝj_jリ:::::::::::::ヽ
           /::::::::::::::::::ノ_,,..、  `´゙`╲::::i
           /::::::::::::::::::_//"二_ ヽ  !、 ハj
         i'"´,,.zェヲーl ィモヲ `ヾー, i´、__{
..        l./´ヽ'´ .ノ 丶`¨ ̄´ 丿ハヌ ヒメ{ l
            j r`丶¨   l.` ー- ´   ,)ーi´       ああ、こちらはヘヴィードーラだ。
            { i´ら 、  l       , 、´,、  l
.            ヽr- ソ!.  ',    ,イ  ` { ,'        指定されたポイントで火力支援を行っているが、
          .l    l   ',    、ー-イ /
          「¨ミ>、 ヽ、       ⌒ /          いかんせん数が多すぎる。
         ノ   \ 丶  ゝ  _/
        /      \. <, -‐´             さっさと手伝ってくれ。
       ,' "´  ̄` >  ヽ /__,
      ╱    /  ',, ╲ 「∧!
     ,.'     `¨´ ̄ ', メ{ メ、
 .  /           ,.. ⊥ .,,_\  ヽ,
   ,'     ,. zヲ'"´      `゙丶、 {_
  ;  /./             ハ j
  .i  ///               ∨
  .i ,'  /                ゙ハ
【ランク17:ノービィ・ノビタリア 独立傭兵】
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
一方で、ヘヴィードーラから聞こえてきた声は粛々とした傭兵然とした声だった。
焦燥も熱狂も恐怖も感じない、静かだがどこか空恐ろしいものだった。

確かリンクスとして登録されたのは自分より少し前くらいだったはずだが、
声から醸し出される貫禄は全くの別物だった。

「了解、こちらも接敵までもう間もなくだお。
もうしばらくだけ待っていてくれお」

レーダーに視線を落とすと、敵の存在を示す赤い点がぶわりと沸き上がった。
人海戦術とはまさにこのことだ。軍事キャンプは山岳地帯の麓に設営されている
らしいが、それをぐるりと囲むようにMTとノーマルでできた分厚い壁ができていた。

姿勢を傾け高度を落としながら、右腕部のレーザーブレードを展開する。
二又に分かれた部分に青白い雷光が迸る。
特有の甲高い轟音と共に閃光の矢が地上へと放たれ、
眼下に展開していた敵ノーマル部隊へと降り注いだかと思うと爆炎を上げた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1467 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 23:04:30 ID:h7HJKgEw0

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│      nヘ.:.:;.:'.::.::.:.:.:,イ.:.:..:.:,イ.:.:.:.:.:.:.:.:;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.:j¨`ヽ.⌒ヾ:.、   .│
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│    /ll!ハ:.:′.:.:.:.:/././.:/.:/.,ノ.;/l:.:;!.::l.ヘ;.:.:.ヽ,:.:.:.:.:.:.ヾ,:.:.';   !    │
│    ∧jハ.:′.:.:.:.:.′〃xfz左z,;,X, .j:/ !:;|:.:.:l.:.:.:.l.:ヘ.:.\.:.::.':;.:.';   ......│
│    l.l.ヽ.:.:|.::::.:.:.:|{:.:.,仆乞芸て卞 >′l./j.:,リ.:./.:l.:.ヘ.:.::.ヽ.:.:.';.'|    ..│     数に惑わされないで、冷静にね。
│    '.:.:.:;:升∧::.:.|.:.:{イ ,伐::::::斥′  ノクサトxj:.:.li.:l.:.ハヽ.:.';.:.:;.!    ..│
│    ∨  !′l:.:.:|:.:.! 、辷ークノ     ケ云x.:ノメi.:/.:.:.:.:l.:.:.:.:.l:.!   ......│     とにかく包囲陣を食い荒らして穴をあけていくこと。
│.     ゞ、)l::.:.:ゝ:ヘ、:! `¨¨゙`     /.::ヌリケ;´.:;リ..:.:.:.∧:l.:.:ハ!     .│
│      'iーl;:.:.:.::.个`         匕゙.ノ_ノノ/!:.:.:.;/ レノ !     .│      残ったら味方に任せればいい。
│        l.:人::.:.:.゙l             ¨`て.._`V.ハ.:::/   !′     ...│
│     _,、n<  '.:.、∧       c。   人__,¨\:l/         .....│
│  イ´.:::.ハヘ '、l?∧          .,/: :.j  /}′           │
│/ l:::::::.,  \ ´、?「>、     , イ´.  .:.イ´.:l.:.|           ...│
│   j::::::::.ヘ  \  \ヘf>.ー イ. . . :<.:.:.:.';.:.:.:|.:|           .│
│/¨ ヘ:::::..∧ /\` >ー<cハ. . . . . . .fヽ,¨ -ナヘ.';.:.:|.|            │
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____,.ィ:::::::::::::::!..;..;..;..;..;..{--―/  >、:::r'`ー人  ノ
::::::::::::::::::::::::::::ト--イ::}..;..;..;..;..;ソ  ./_,ィ´   ゝく   フノ化リ
 ̄ ̄ ̄ ̄`ー―― 'ゝ..;..;..r'      〉<   /  ´.イ彡′         要は派手にやれってことかお……!
                     {ゝ---t
                    {≧!.}‐-≧}
                  , イ Y::HY:::::::人、
              _ ,ィi ノ  レ´.!リ`\   \
              ト'´ 丶r-'´.  `   `ー 、 >トrt
             //   ノ´           `ヽ::レ´ ヽ、
          __/ / r'´               \-ヘ ヽ_
        r::/´  r‐ '´                  `ゝ\_ `ヽ
       /  二ノ                        \` -\._
    _ ,ィ≧-z::ソ                          ヽ,ィレ::ヽ _
   / ゝ:<´`´                            ゝ\丿`ヽ、
.  〈    /                                `丶   .〉
   `ー ´                                    `ー'


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
飛んでくる弾丸やミサイルも意に介さず、オーバードブーストの勢いのまま突貫し、
敵機がアサルトアーマーの射程内に入ったと同時に間髪入れず装甲を展開した。
カメラアイが保護シャッターに覆われ、視界が一瞬暗闇で閉ざされる。
次の瞬間には轟音が鳴り響き、視界が戻る頃には辺り一帯が残骸の山と化していた。

コックピット内にミサイルアラートが重なって鳴り響く。
滑空しながらアサルトライフルを構え、ロックオンサイトに入った敵機へ
手当たり次第に弾丸を浴びせていく。

突如として現れたマーシフルの影響か、敵側にも相応の混乱が起きたようだ。
軍事キャンプ側のノーマル部隊の無線とAMSの通信が混線し、
彼らの声が聞こえてきた。誰もが興奮しきった声で怒号を飛ばしていた。

「敵が止まった! 前に出ろ!」

「こっちにはネクストが三機もいるんだ、怯むな! 勝てるぞ!」

どうやらSIノーマル部隊がマーシフルの参戦で勢いづいたらしい。
これだけの包囲であっても戦意を喪失しない辺りには素直に感服させられた。
この勢いを決定的なものにするべく、弾丸と熱線をばらまきながら疾駆する。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1468 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 23:08:13 ID:h7HJKgEw0

                 , ----- ..,,_                 _,,.-''、::::ヽ--<
                Y::::::::::::::::::::::::::::::≧ュ、            ,r',r/´:::::::ヽ{ >-il
                |:::::,r´     ≧ュ,::::i           i-<ィi:::::>::::´::}/ゝ<}i  />ヽ
                 |:::::|         !::::i          |-、`i-<::::::::::::i二二i:l´ / ヽヽ
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             , ----|::::::i/三三三/i::::::|::/ヽィ´i::| 、ヽ\ / >  、..,,!-<ヽ、_ >y:::\ / /       ふむ、聞いていたよりも
               i ̄>┴-┴三三_/:::i::::::|/<_/-i-<` >< > 、..,,_/:::::::::::::>、i> ´::::::::ヽ
           . <´::::::::::::::::ヽ:::::::i::|:::::i::::::i:::::/::::ノミ 、 ,/ /i ><`::::::::::::` 、::::::::::::::::::ヽ::::ヽ::::::::ヽ       筋がいいじゃないか。
         > ´:::::::.`ヽ::::::::::::::::::ヽ:::i::|::::人:人_ノ´::l  >< //, ':::::::::::::::::::::::::::` 、::::::>-ヽ_ヽ:ヽ
     > ´::::::::::::::::::::::::::::Y:::::::::::::::::}:::i::|<二二二i{二i> >/_.ィ!':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` 、-`i i'`i ヽ ヽ       
   ,ィi´:::::::::`ヽ:::::::::::::::::::::::::i::::::::::>´::::i::|::::::::::::::::Y:::::i:::」 i / iノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::l. | .|::::::::i
  i{:::::Y´ `Y::::}i:::::::::::::::::::::ノ::>´::::::::::::i::|:::::::::::::::::|  /i i   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::|  ! ,!::::::::i
  l:::::人  人::::l:::::::::::> ´ヽ-------ヽヽ二二二i{二/ /  /、..,,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::` i´::::::::;
  .人::::::::::::::::::ノ> ´   | i       i |  /二l=Yj /  /   ~``''= -、..,,_::::::::::/、::::::::/:::::::::/
    ゝ---<      | i       i |  /二l三i /  / ~``''=- 、..,,_   ~``{/.Y Y/:::::/
               ! !____// /---|三ii__.ィ´   ∨:::::::::::::::::::~``''= 、从_ノ.::/
               ヽ____i / /--i'{==!       ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::!-<
                        / / /           Y三≧ュ、::::::r'-<
                       ` ̄





            ゞ-ニ====-ー--......
           フ= 三 三三三三二_ヽ
          ゝ 三 三 三_,,...----y´
          |"''"三,.へ三i"  /,,--、 〉     だが……このまま終わりってわけにもいかなさそうだな。
          |三テY ,ヘ,`=j___i_..=iテ,〈
          |=≠ ヽ. ''}   ̄ ̄ヽ ̄;´_ >     今日は厄日だ。
         ,.へ.   └‐'' i       _..>
        ,.へ,  \     `'     ''^(
     /`'ー、`''ー、 `'ー、   `''ー- ...ノ
   /    `'ー、 `'ー、 `'ー'イ

1469 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 23:30:14 ID:h7HJKgEw0

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│    i:.:.:/|:.:.:.:. ',:.:.:.:.:|-/_|_|  ヽ/,イ圷≧i:.i:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |   ......│
│   |:./ .|:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:!:.iイうミ      {::::::::ら |:}:.:|:.:.:.:!´.ヽ:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : |   ......│     マーカーセット完了、
│   |/  !:.:.:.!:.:.ヽ:.:.:.|〃{:::j      辷シ !:.:./:.:./| ヽ.} |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ......│
│.   |.  ',:. | ',:| .|ヽヽ`.ヒリ            /://:.:.:! /: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ......│      予想通りネクストだよ。
│.      ヽ| リ !:.:.ヽ\ ヽ       .〃|:.:.:.:.:./_//.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |   ......│
│.       ヽ  i:.:.:人    -‐-    /  !:.:.:.:.//.  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ......│
│              ',:.:.:.:.ヘ              |:.:.:.:/.    |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ......│
│            ヽ:.:.{ ヽ、       .<.|:.:./l      |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ......│
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│              \    r、| .-  ̄/ / i、  !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |   ......│
│                   〃.ヽ   ./   |::`ヽ.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : |   ......│
└───────────────────────────────┘





      ____
    /     \
   / \   / \
 /  (●)i!i!(●)  \       まだ敵が増えるってのかお。
 |  u , (__人__)    |
 \    .`⌒´    〆ヽ      そっちの方に向かいますお! この中で対ネクスト戦に一番向いてるのはマーシフルですお!
  /          ヾ_ノ
 /rー、           |
/,ノヾ ,>         | /
ヽヽ〆|         .|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
レーダーに新たな反応が表示される。
回転しながら地を滑っていき、群がりつつあったIGIOノーマルを薙ぎ払うと
最大出力で上昇した。

それはすぐに見つかった。
なのはのつけたマーカーが指示した先にオーバードブーストの光が見えたからだ。

白く重厚な機体には目だった傷は見当たらず、
背部には無骨な追加ブースターが翼のように搭載されていた。
マットブラックのレーザーキャノンとレーザーブレードを携え、
まっすぐにこちらへと向かってきている。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1470 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/09(水) 23:48:26 ID:h7HJKgEw0

                      , ― .、
                     // , -、.ヽ
                __  ../ { ./彡=マム      ,, ─、
           /ミァ 'ィ エミエュ`ニャ〉== 、  ヾ   マ彡三フ ヽ,,<彡三ム
          ム `- | `<>-<::::イァ-=.ヲ ̄三i  ,, - '' "   -'─'' "  マ三}\
          マ  >   }ェェェュ、lミ.ト_ノl .ミ .三ミ){       }‐- 、     }三三
          .'-ャ.{ .`ァ─'三>' レ三ヒァ" ̄  .ム_,, - ''"    .ヽ  ./`寺ミチ 
           .マl,  .{三三|}' `}}二二イ.ァ `i >'',,ィム       Y ノ   `マ
           マム   マ三ミ`─}、__/l ェェェ ' i マ三lム       / \            釣れたのは二機か。
            /.>、--ミノ   i   i     i マ三三、__>''"   } ,, -''ヽ
           /./ ,.タ巛、./  , .l   l  ,-''" .i-、 マア"/ヽ !、   , 、 /"    ヽ      国崩を含めれば三機……
         ./ミ,ァフ`寺彡-マミ、ヽ\- 〈-ァ、ェ彡ム .,,<彡'   ヽ \ }ミ<      >}
         /ミチ/'   У ィ=/` }-レマ三}' .}、,,≦三三三}.、\ .}_./{彡、 ,, - ''"マ /      ま、これだけ落とせば上も少しは
        ./ミチ/     / ̄',,アェェェェ'イ三三l三三>三ミ>i.{  {ム ヽ"     ム
       /ミチムヘ、   /  ./}マ 、ミチ三三三チチ三三チ/ .l   ` マ三、   ,, .ィミ、     溜飲が下がるってもんだろう……
        ゝミ.' ャ、へ.ァ   ./ムl{` -イャ .ァ <,!-<二マ三ア三} i     ヽマ/三三三}
       /三}-<ファァ、  ./ ./"\ マ ` l .l   ム__ゝイ三チ i       `寺ア--、- 、
      ./三/ミ/  ムミ、. ,イツ    ` マ   l ヽ、 ,,ィ ア三チ `' ヽ       .ヽ{ミノミ/`}
      /三/ミ/  .{レマチ  i     } Tェェェ{__/ {{''    ヘ \   ,,ィ彡\.{ミ} }, ィェャ
【機体名:アポリオン 重量二脚】




 /   / /  /  /彡/ /'''''''‐-、_              _-‐二 --―
 |   /|    ヽ  川人 |     \,__ 、_  _,, -‐ '' ~ ´
 \    ヽ_,.、`'  | | |.|  r-- 、_  \ヽ \      __,. -‐'\
   `ヽ~~')   ' 入 /  ハ | _,.、_ ヽ ヽ〈  \            `'-、_
    ノ  )   / |     | `'´  !,,.-|  |::.  ヽ__,,,..
   / _,./ _,.- i'  /|, ri ノ )i、   /  |:::::::.  \、_  ヽ~''‐ 、__
 /'~´  /   | |;;| `~ '''' ノ|_川   `''‐ヽ::::::::::..   `''''''''`―――`-、‐ 、
 レ /  ' __,.| |;;| / /!   ヽ      ヽ:::::::::.         /´ ̄フ
./ / / |    | /;/,,く |    ヽ       ヽ:::::::       /   / /        お、向かってきたな。
.| .| /  |  / _/;/(、!;|/     i       ヽ:::::     /     | |
ヽ,| |  ト、  \、;;'‐7.`!              ヽ::   / __     | |         ありゃあマーシフルか。
 ヽ |  ヽヽ,,,,,,,,|_ _,.-‐==‐''~           |:::  // |/ `'''''‐- 、| |
  l、ヽ   ̄,. ___ ̄-''´               /:::::.../ | |      | |         これまであいつに二機やられたって話だが……
  \ヽ_,.イ .|´| ....:::::...            /:::::::/ / | |    _,. -''~´
     ̄´ ノ ./ /'''  ,. -            /:::::::/   | ヽ-''~´             どうせロストワードのおこぼれだろう。
     ノ  / i   -''_/ ,.- _/        /::::::/   / / _,.-‐''''~~~~''''7
    ( r‐'  `''''''~~|,. '´,イ´ ....      /::::::/ | / _/ -―‐'''''''''~~~~~       とっとと片づけよう。それがいい。
     ヽ_ヽ      ヽ- !ノ  ::::      /:::::://-‐二 --―‐''''~~~~フ~/
      ヽ|         ヽ,,,,;;i     /:::,.-'´-''~´/ /      //
       !ノ           .|     |_,.-'~´   / /      / /
                   ヽ、_,.-'´     i i      / /
【ランク6 ディエゴ・ブランドー 独立傭兵】

1471 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/10(木) 00:06:44 ID:.r9g6gBE0

┌────────────────────────────┐
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│  /:.://:.:.:.:.:.:.: i:.:.:.:.:/:.:./:.:.!:.:./ i:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│  // ./ :.:.!:.:.:.:.:.{ :.:.:.:i:.:/:.:./|:.:,' ',:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.:.:.}:.:.| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│ /   {:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.┼廴/_.|:/  ヽ:.!:. ⊥_|_:.:.}:. i:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│   ID照合終わり。ランク6、ディエゴ・ブランドー。
│    i:.:./ |:.:.:|:.:.:|:.:.:. |,イう≧、ヽ   ヽ|芹う≦、:.!:.:.|/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│    |:/. !:.:.:!:.:.:!:.:.:.《 {::::::::ら    ´ {:::::刈 》/: /ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│   機体は大口径レーザーライフルとレーザーブレード主体の
│    |j   ',:. |:.:. |\ヽ. 辷シ       辷シ /:/:} /|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│.    |   i: |!:.:.|:.:.:.:ヾ、     j       /!:. : i_,' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│    重量二脚、アポリオン。
│        リ ヽ|!:.: : ヘ             }: : /  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│           ',:.:.:.:.{ヽ      ̄     //:.:,'   ! :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│    純粋な戦闘能力ならシグナムとかの方が上だろうけど……
│            ヽ :.:.i >        イ / :./   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│            \ヽ ,rヽ. >< _/|//     !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |  .....│    面倒な相手っていうのは確か。
│              , ヾ、{   ≠<´  ./`ヽ、    |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│           ,、r::´::/  !  /、  ヽ  /  |::::`ヽ、.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  .....│
│       ,、r:::´:::::::::::::/    {、/ゝ-/', 〃   .!::::::::::::`ヽ、 :.:.:.:.:.:.:.:.|  .....│
│  ,、r::´::::::::::::::::::::::::/    ',  }≠/ /     ',:::::::::::::::::::::`ヽ、 :.:.:.|  .....│
│ /::::::::::::::::::::::::::::::::/     ヽ/ / ヽ/.     ',:::::::::::::::::::::::::::::ヽ :|  .....│
└────────────────────────────┘

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ランク6ということは、この男がIGIO側についた高ランク独立傭兵か。
AMS越しに聞こえてくる声からも、確固たる自信が垣間見えた。
自分たちを戦いの相手というよりも、単なる相手として見ているようだった。

だとしても、怯む理由にはならない。
これでも一応、ランク4のアリスと戦場で轡を並べているのだ。
ここで怯んでいるようでは彼女のパートナーは務まらない。

オーバードブースターを起動し、アポリオン目がけて突撃する。
ヘヴィードーラも国崩も、ブレードを搭載しているようなネクストと
正面切って戦うような機体ではない。ここは自分が食い止めるべきだ。

「マーシフルのリンクス。こちら国崩。これより火力を敵ネクストへ集中させる。
これは好機だ。虎の子のネクストが落とされれば敵は一気に瓦解する。
しっかり頼むよ」

新城直衛から通信が入る。ここはノービィの言う通り、
私情は挟まず協力してアポリオンに当たろう。
いけ好かない男だが、頭は回る。今は味方なのだから、ある程度の信用は必要だ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1472 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/10(木) 00:08:01 ID:.r9g6gBE0
うーむ、すまない、眠くて頭が回らなくなってきた……

次回は、そうだね、ちょっと暇見て書き溜めして、出来次第投下するよ。

時間がないわけではないんだが体力が尽きていてね……毎度ごめんね。

1473安価のやる夫だお:2019/10/10(木) 00:09:09 ID:zDcSMWFE0
乙でした

1474安価のやる夫だお:2019/10/10(木) 08:02:01 ID:IIWLd69M0
お疲れさまです
楽しみに待っています

1475安価のやる夫だお:2019/10/10(木) 09:56:53 ID:DlxACfCg0
乙でした

1476 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/12(土) 22:44:10 ID:51ltCcqI0
ハロー。台風だがみんな大丈夫かな。>>1はまー無事ッス。

さて、最近だが、率直に言うと勤務時間が二百時間越えと、

処女作書いてた頃に高校卒業後勤めていたブラックビルメンテナンス会社時代の三分の二くらいに達していてね……

正直投下時には体力がかなり尽きてる状態だし、休みの日は結構人付き合いがあるんだ。

なんせ勘当喰らった時に助けてくれた相手だからね、恩義もあって無碍にもできない……

そこで、本当に恐れ多いのだけれど、支援金を募ってその分働く時間を減らして執筆に当てようと思い、

今回pixiv fanboxなるものを開設させていただいた。

もしも、もしも『お話の続きが見たい! 働いてないで書いてくれ!』という方がいれば応援していただけると幸いだ。

なんかもう、本当にごめんね。モコイさん頑張るからね。よろしくね。

1477安価のやる夫だお:2019/10/14(月) 20:59:45 ID:TiBvwgNU0
続きがみたいので、ご自愛ください

1478 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/18(金) 00:03:15 ID:hrq0zAy.0

    /||ミ
   / ::::||
 /:::::::::::||____
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||  、 - ‐‐ -,
 |:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
 |:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i     ハロー。労働時間の削減のために支援サイトに登録した後、
 |:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l
 |:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´     凄いおこがましいことをしている気分になって消そうとしたとき
 |:::::::::::::::||___ : : :丿
 |::::::::::::::(_____ノ´||       支援されたとの通知が来て固まった>>1だよ。
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
 |:::::::::::::::||/    ||       Twitter上で一応の賛同を得ていたとはいえ、なんか怖い。
 |:::::::::::::::||      ||
 \:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄        それはそうと、イベントシーンが書きあがったので置いとくね。ちゃんと読むのよジェニファー。。
   \ ::::||
    \||

1479 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/18(金) 00:03:55 ID:hrq0zAy.0

            _ ._
            `マ\マト、
             `| ヘ∨ト、
              弌 ト-、\ __ _r;..-;..、
                ∨t.ヘ イ /---z..;..;}
            ____∨ ∧<ヘ_ソ;..;ノ __
           /      〉ヘ.∧ ∧   ̄\≧ - 、
             /γ⌒ヽ- ― ―t 、γヽ_, -_.〉三三≧ - - - 、_
         z-ソ`´ヽ丿ト     .〉弋仆―――'´`ー===三三≧=――- - .._
         {.;..;..;..;..;..;..;r'´ `ヽ三彡'  ヘ              ̄ ̄`ー‐-<三三≧ト - .._
       / ソ..;..;..;..;..;..;..>   }´ヽソ、_ ハ                       ̄ ̄ `ー'´     かかってこい、相手になってやる!
      // ヾ..;.レヽ-イヽ;}   `〉z  / ゝ'
     //    7.{\ヘ/|    r< { } 〕t 
   ムイ      ヘ/\ .|  γ:≧i i:≦=- 、
           `ー 、 .ヘ , >/::〕.ト:_:ヽ   /´丶、
               ∨ ∧ イ゙´.iリ \__.{ r:::} )t
              ノ∨ ∧ ノ       `yゝ_ノイ
             /  ∨ ∧         ゝ__ ノ{r 、
           /  ム'.∨ ∧         `>:::> ヽ
          /  ノ   ∨ ∧         \ _ノ
        __r-'  /     ∨ ∧
        ソ   /.       ∨ ∧
       / r::::〈        ∨ ∧
    __,..ヘ ->'´         ∨ ∧
   //::::://            _∨ ∧-t
  /    ̄ノ´              \   |
  ゝ-- ´                \  |
                          \!





      、ヘ    〉 ヽ_ ____ , -<::::\_, - '     /.     !     r
      ヽ_ -―'´  >: : : : : : : : : : : : ヽr-t        |    |       ;
.      r' r    /: : :r――r'´_ ̄`ヽ: :}  \       人   人    ;
.      | !    /: : : /    ヽヘ`ヽ、     | ̄|   /\   \
     / |   /: : : /  / ̄  〉  i` Y _/--' \/   `-、   \
.     |   ヽ、; : : : /  /    / ノ ./リ〉、.    \     ` - 、        ……ふっ。
   ,..:ヘ     `| : : / 7  |   /    ///ヽ     `ー ' ´ ̄`ヽ ` - t
 イ:::::::ヘ    ー ' {`      --ヘヘ. / ./――' ̄ ̄ ̄T ̄|――\__.!
:::::::::::::::::ヘ    |  /.ト---―ァ'´| rv  〉ヘ /,     _|三三三}    |_
:::::::::::::::::::ヘ (´ /   |ヽニ ̄丿/ ]||  ./γヽ    .|    ! | !.     |  |
:::::::::::::::::::::::| Y´    || ゝ― |_/  '´  ,イ.  ゝノムイ !    || !|        ̄.|
::::::::::::::::::::ム {⌒ヽ|/// 7/  >―-|二彡,i       \  || !|        .!

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
対峙し、白く重厚な機体を睨めつけながら銃口を向ける。
相手も臨戦態勢に移るかと思いきや、予想に反してゆったりとした姿勢で
レーザーライフルもだらりと銃口を地面に向けたままだった。

突進してきたマーシフルを冷たく鼻で笑い、憐れな獲物でも見るかのように
動かぬままカメラアイだけが不気味に光る。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1480 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/18(金) 00:04:06 ID:hrq0zAy.0

           ,斗ャ{ ̄ ̄} ̄ ̄¨¨  、
.      /´ ̄ ̄ ̄7| 「 :γ´ ̄`ヽ \
.     / γ⌒>  ./| | . : i: i⌒i i:'⌒ヽ
    |  {_/ /\_,| |_/|: |  | |:    ,
.   八.   /{ 匚>{______}:<|:  ー゙ l::i:    ′
.     ヽ/ニ=----―――乂____ノ人    :i
      }/ ,x┬¬冖 ¨ ̄厶孑彡:八≧ミメ、_j
.    / /ノ人ミk、   斗ャ≦__乂 } ) :i\{      おまえ、勘違いしてるな。
    ( / ( (ィだメ、ハ  イ弋だヌメ人 \ノ人,)
  乂 ̄´ 八:.ゞ¨¨´/:|  i ``゙¨¨"′:::} :}:'⌒ヽ\     そうだろ? ネクスト戦役の英雄に運よく拾われて、
    }7´/ハ    :j|___j、;       .:::} /{く^ヽ }ノ )
 /\:′: /ヽ:    ゝ┬ '′    .::// :{/_ノ ノ/'\     適性もないままマーシフルなんて身に余るネクストを与えられて……
< (O) { :i:/{廴/,   _ ‐ー- __    乂: 廴..イ/ /ヽ \
 \/乂{ {乂//:,   ` ̄´ .:    .:-ニ「 } 〈 〈(_ノ  /    図に乗ってるんじゃあないのか?
   _ノ人{ ∨ノ //:,  `¨¨¨´     .:-ニ7' / :| \  /
  ⌒/⌒>ゝ  } }\     __.:-ニ= :{ .;′ ノ\ノ≧′     オルデンブルクの若き英雄もたかが知れる。
_,.x≦\/:i「 : /人  ー=ニ三三ニ  :{ :i:イ{\ Y⌒
⌒ヽ    :j| :/ :ノヽ   =三ニ    :V {:{: jヽ|





     ____
   /      \
  / ヽ、   _ノ \
/   (●)  (●)   \     なっ……!
|  U   (__人__)     .|
\    |i||||||i|     /
 / __` ー'
 (___)

1481 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/18(金) 00:04:42 ID:hrq0zAy.0

        ___     __
.         /-、 ヽi`ヽY ,-、ヽ ‐-
       / ゝ'___}i i´乂ノ ノ     `ヽ
       }--ニニニ==ニ_二         \
.     / イ::::::::::≧二二ヽ`ヽ=-       丶
..    //:.:.>'´/  ,イヾ}`ヽ \ \ ヽ `ヽ    V
.    //:.:./ //ハ   !  _ -=≦´ 丶 \  \   V
   //:.:./ ///  マム  彳斥i!弌メ ハ ヽ 丶  丶  Ⅴ
.   { {!:./ ///::::::::ノ\ヽ `¨¨¨´\ヽ/ハ ハヽ  ハ V
   `¨ ヽ/ } ::::::〈‐‐-ヽ\     丶} | ヾ´ `ヽ  !〉         
     /  |    ヽ '    \     |i / } iタ  }  /
     }   !',   r――--'       ! | /ん' / /           俺はさ、嫌いなんだ。そういうの……
     ∨. i∧ ゝ' ¨¨´          !/ ハ_/ \}
     Ⅴ !iハ              / /  i ヽヽ /        /   誰かから貰った金や力だけで生きてる奴ってのがさ。
        ヾ}ヘi∧      ____>'´    !、ハハ     > /
        ヘヘ!、  >'´::::::::/     !  i `ヽ_____>'´./       たまたま運が良かっただけのくせに、
           ヘ| `ヽ、:::::: /     i  i         /
             |   ≧=----=__   i   !     /          神に愛されてでもいるかのように自分を誇示するんだ。
     ,===ニ___..レく >====ミx <>   .iヽ   /         /
  >'´      ̄¨´ニ_     Y  <> .i `¨´ ____>'´>'´   分かるか?
_∠__           `ヽ          <>x  ̄ __>'´
-- ___ `ヽ         \  >          }ヾニ\`ヽ
    `ヽ ヽ             ヽ ∧<>       !  `ヽ  \
      丶 \        ∨∧    <>   ゝ= x     ハ
       > 丶          ∨∧        <>ハ `ヽ  }





                                       _,..イ⌒ヽ  .__
                             _>-‐=≠ニ::y'´::::::::::::::::/ / /
                           ,.::´ ̄レ'⌒ヽ:::::::ノ.、::〉::::::::/>`ヽ'
                             /::└-、:::::::::/´ ̄ リ>f´く,ィ´/  ノ-=x、
                             /::::::::::::::::::〉'゙´  /`'く弋`iミ,テ:く'T´ィ′ ヽ
                       //:::::::::,-‐く    i  / \>¨´く ヽ` ̄`f彡:}´
                      //:::::::::::/ー-、   ./`Y    〉'´ヽヽ i     ゙´
                    /::::::\:::::,.イ⌒ヽ ヽ /弋  〉‐-<_,ム i:::|丿        だから全部根こそぎ奪ってやる。
                    ヽ、::, <      }_人_/y´〉ニ=‐iiiiiiイノ::イニfニニヽ
                    ,. <      /  .)´ノノ=-、::::::::>:くヽ、 ` ̄`ヽ:ム    おまえらの機体も! 誇りもッ! 命もッ!
                   ,. <        .イ≧}//,ィニ=-、ヽ/ /i .'`二ニ=‐.、_〉f^i
        , -‐=ニ二ニ≠ー 、      ,夕i彡'´/  `゙≪/ ′ i ノ.、     タ =リ    バラバラに腑分けして売り飛ばしてやるッ!
       /           \   ./    /θ     ./マーfくヽ ` ̄ ̄`マ ノ´
     />=ニ二ニミx、     ム/     ./     θ / リ ∨ソー┬─‐'゙´       覚悟しろカス共!
    //  7´ ̄ ̄`¨'<`ヽ    .|      ト、     /  .′ ∨ム i
    ./   i        ヽ:∧   .!      弋≧=‐-彳   /    ∨=┤           俺の邪魔をする奴らには、
   .′   从         .∨ハ   ′     /i`¨¨〈    ./      ̄´
   i     ヽ       リ i |  ./      /  `ヽ_i_ /                    死者の『尊厳』すら与えないッ!
    l      ヽ、   ,.イ ′! /     ./   丿ー='"
   ∨        ` ̄´  / .//   ,:タ<⌒ヽ ./
    \          //'´    7´/⌒ヽ /´
      >      .イ'´      /`7i__r/
          ̄ ̄´         ./ ./ /
                     i≧=ィ′

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
滔々と哲学を語って聞かせるようにやる夫を罵倒していたかと思うと、
アポリオンは突如として銃口を上げ、引き金を絞った。
大筒の先端の闇に青い光が収束し、解放される。

完全に相手の異様な姿勢にペースを呑まれていたやる夫は、
レーザーを右腹部へとまともに喰らってしまった。
コジマ粒子の防壁が撃ち貫かれ、機体から黒煙が上がる。
衝撃こそないが、AP減少アラート共に視界が一瞬赤く染まった。

痛みもなく自分の腹部が吹っ飛ばされたような感覚に陥り、
心臓が打って変わって早鐘を打ち始め、血流が加速する。
アポリオンはその様子を嘲笑うかのように、第二射を構えていた。

「AP、残り70%! 相手の口先に呑まれちゃだめ!
ああいう手合いはなるべく時間をかけず、何もさせずに黙らせるに限る!」

なのはの落ち着いた叱責で我に返り、必死の思いでブースターを起動させる。
射線をずらそうと右にブーストしながら旋回飛行するが、
アポリオンはそれを読んでいたかのようにジェット音を轟かせた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

1482 ◆x0SRSoJXe.:2019/10/18(金) 00:04:56 ID:hrq0zAy.0

        }/          ,ィ   ヽ
      |_/        //     |
      | 、     ,r::::/    /
    l   !  }  ,.,イf::フ'"     /__彡    /
    l!  |/ lレ:::::jノ-┼_ノ厶ラ   `ヾ    ・
    |l  l  ノ:::/,ィtzツフソ /‐      ∨
 \  l.! │/''"´/L,__,.ィ^ `ヽ   |  
 ヽ \ヽ  l  、;:::__::´ ´ ^      i   |         SIの手先もッ! 英雄のおこぼれに与ったクソガキもッ!
 \\ \ \____               |  
 、 \__ヽ  \____三二ヽ     l   |          全員纏めてここで死ねッ!
  \ ヽ  \  \     ヽ\ │   |   
   \_`> \___\      \! :   l  
    |     ,\           ;   l  
    `ヽ __,ィ/             /   
      ヽ-'  __,. -‐ つ         /   
    } ト----‐= フ'"´   ,     , '     
   l  ̄  ̄ ̄    /     /
 l.\`ー ―‐--  -‐ ´   /
 |  ヽ             /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「すまない、どうやらこちらの狙撃ポイントが読まれているようだ。
射線を重ねられてマーシフルごと撃ちかねん。
少し待っていてくれ」

新城直衛が至極冷静に言い放ち、それにノービィが口を挟んだ。

「俺からは通せなくもない。そのまま組み打っていろ」

低く落ち着いた声にネクスト出現に対する焦りや恐れはない。
やがてその冷静さを表すかのように、右斜め後方から青い光の矢が
マーシフルを横切り、正確無比にアポリオンの胸部へと突き立った。
敵機から後方のノービィを呪う声が聞こえてくる。

「クソッ! なんだっていうんだ、ロックオンアラートもなかったぞ……
狙撃用FCSでもないのに狙撃してきたってのか? イカれた真似してくれやがって」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋


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