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獣人奴隷
1
:
名無しさん
:2022/09/20(火) 03:11:49
「奴隷法違反で逮捕する。」
先程多発している違法奴隷を摘発する王立騎士団の青の騎士団長が摘発現場を確認している。
この獣人奴隷商は、未成熟の獣人に繁殖を無理矢理を始めとした無理矢理な繁殖を行っていたのだ。
「ん?」
一匹の獣人が目に入った。
その獣人は真っ白な耳と尻尾を持つ狼獣人の子犬のようだ。
まだ10歳くらいなのにお腹が異常に膨らんでいてぐったりと横になっていた。
「リール、来てくれ!」
団長が医者のリールを呼んだ。
リールは獣人のカルテと診断をしている。
「ミーシャ。12歳の幼い狼獣人ですね。白い狼は珍しいので繁殖に回されたんでしょうね。発情期前だと思うのでおそらく人工授精で妊娠させたのかと。お腹には3つ胎児が確認されてます。栄養状態が悪いので早いとこ処置をしないと危険ですね。」
リールは可哀想にとミーシャと呼ばれた獣人のお腹をなでつつつぶやいた。
「私の家に連れて帰る。」
騎士団長はミーシャを抱き上げた。
アレキサンダー 騎士団長 公爵家次男
ミーシャをひと目で気になり家に連れて帰って世話をする。
仏頂面で氷の騎士団長と呼ばれているがミーシャを見る目は優しい
ミーシャ 狼獣人
白い狼獣人は珍しいため繁殖用に攫われた。
まだ12歳だが三つ子を妊娠している。
人が怖い
獣人は発情期の間は雌になり子を作る機能が活性化し、普段はオスの種付の機能が活性化すると言われる
疑似発情期で妊娠させられたミーシャは中途半端な状態のせいで体調が不安定
2
:
名無しさん
:2022/09/22(木) 18:11:44
「標準語はわかるのか?」
「ぅ……」
騎士団長であるアレキサンダーは試しにミーシャに話しかけたか、反応はなかった。
奴隷商に投与された何らかの薬の副作用なのか、ミーシャの意識は混濁しているようだ。
分かりやすく言えば、覚醒はしているけど夢うつつの間をさまよっているような状態だ。
会話もできないと手の施しようがない、アレキサンダーはとりあえず彼女をベッドに寝かせた。
「……ぁ」
アレクサンダーの言葉に反応がなく、ただ虚ろな目つきでぼんやりと天井を眺めているミーシャ。
本能なのか安堵を感じたのか、彼女は胎児が三つも入っていて膨らんでいるお腹をさわっていた。
「…まあこんなものだろう」
……子供のまま妊娠させられたとはいえ、もうすぐ母になる自覚は一応あるようだ。
そうと確信したアレクサンダーは、根気よくミーシャの心を耕していくことを決めた。
3
:
名無しさん
:2022/09/23(金) 03:22:44
「ご飯食べれるか?」
アレクサンダーは料理長に薄味のスープを作るようにいい
食べさせようとするが口にスープを入れても飲み込まずに吐いてしまう。
ミーシャにとって普通の人が薄味だとしても普段の食事が水のようなほぼ味のない
スープに慣れてしまっていたため、濃く感じ吐いてしまうのだ。
「ここはもう怖くないぞ。君も子供も守ってあげるからな?」
アレクサンダーはミーシャの体をさする。
ビクッと反応するがミーシャ自身体を動かす体力ないため逃げることもできないのだ。
4
:
名無しさん
:2022/09/23(金) 09:40:13
人工授精されるまでオスだったからか、ミーシャの顔つきや体つきはとっても中性的だ。
三つの胎児により膨らんでいるお腹さえ見なければ、10歳くらいの少年にしか見えない。
そんな彼――今は彼女と言うべきだろう――が初めてアレクサンダーに心を開いたのは、騎士団長の家に運ばれて一ヶ月後の事だった。
なんと、アレクサンダーが朝起きたらミーシャが彼の布団に潜って寝ていたのだ。
「...少し体に触るぞ」
まるで父親に甘えている娘のようなミーシャに顔をほころばせるアレクサンダーはそっと、すーすーと寝息を立てている彼女のお腹を触った。
母親ではない者による刺激を受けたミーシャの胎児たちが、彼女のお腹の中で動き出す。
「ん......っ」
胎児たちが動いてくすぐったいのか、大きなお腹をさすってミーシャはゆっくりと瞼を開いた。
5
:
名無しさん
:2022/09/23(金) 13:47:21
「ん?ミーシャ起きたか?」
アレクサンダーはなるべく怖がらせないように声をかけたつもりだったが、ミーシャはびっくりして起き上がり部屋の隅っこに行ってしまう。
「・・・ごめん、な、しゃぃ・・・」
ベットに入ってきたのも寝ぼけて安心できる相手に甘えた結果だった。
目が覚めて覚醒してきた今、やっちゃった、怒られると思っていたのだ。
「怒らないよ。おいで。そこじゃ体冷えちゃうよ」
(この距離で震えていないだけマシか)
来て意識が覚醒した頃は部屋に誰かいるだけで震えて固まっていた。ごめんなさいやはいくらいしか話せず会話がなりたなかった。
今までミーシャがどういう扱いをうけてきたかアレクサンダーを始め使用人たちも心を痛めていた。
6
:
名無しさん
:2022/09/24(土) 23:31:51
寝ぼけたとはいえ、布団に潜るくらいに甘えてきたのだ。まずはミーシャの警戒を解こう。
医者のリールが案じた一計を実行しようと、アレクサンダーはいったん部屋から退出する。
ミーシャを一人っきりにして数分間。
部屋の中でそわそわと待ち構えていた彼女はやっと、大きなお腹を抱えて部屋の隅っこから離れた。
しばらく落ち着きなく歩き回ったが、やがてミーシャは恐る恐るベッドに座り、布団に体を預ける。
「・・・んみゃぁ・・・」
ふかふかの布団はとても居心地がいいのか、年相応のかわいい声を出すミーシャ。
布団についているアレクサンダーの匂いを嗅いでいるような仕草も何回かはあった。
そう、このように少しずつ彼女を安心させていくのが、医者のリールの狙いなのだ。
7
:
名無しさん
:2022/09/25(日) 02:29:49
アレクサンダーは扉の隙間からみていたが、
リラックスした頃にそっと戻る。
「ふにゃっ!?」
尻尾がピンとなって驚いてるようだが、
先ほどと違って逃げない。
「ミーシャ邪魔をしないから大丈夫だよ。もうすぐご飯がくるから食べようね?」
ゆっくり怖がらせないようにアレクサンダーは近づいていく。
「ミーシャの好きなミクの実あるといいな?」
ミーシャは少食であるが漸く人並みのメニューが食べれるようになっていた。
まだフォークやスプーンが使えないため、手で食べれる食べ物を用意している。
ミーシャは最近初めて食べたミクの実が気に入っていた。
8
:
名無しさん
:2022/09/25(日) 10:21:17
果皮が渋く、果肉が硬く、果汁も酸味が強い、の三重苦から名付けられたミクの実。
さらに大量に食べると酩酊状態になるため、普段は果実酒の材料として扱われている。
ちょうど味覚に合っていたのか、これを齧って食べているときのミーシャは幸せそうだ。
アレクサンダーはそんな彼女を眺めるのが好きで、いつの間にか心の癒しの一つになっていた。
「ミーシャは世界に二つとない宝石だ」と医者のリールに語るほど親バカにはなっているが、
アレクサンダーは仏頂面で氷の騎士団長と呼ばれている男であり、部下からの信望も厚い。
まだ子供でしかも妊娠した狼獣人に骨抜きにされたと世間に知られたら、大変なことになる。
いずれミーシャに教育を受けさせ最終的には養子にしようとアレクサンダーは思ってはいるが、
公的にはあくまでも『違法奴隷を摘発するついでに珍しい白い狼獣人を保護した』としていた。
9
:
名無しさん
:2022/09/25(日) 12:19:18
トントンとノックが聞こえ、メイド長が食事を運んできた。
ご飯を毎回同じメイド長がくるため、ご飯をくれる人と覚えメイド長には怖がらない。
「ミーシャ、ご飯がきたよ。」
ご飯を受け取るとアレクサンダーは低いミーシャ用のテーブルにご飯を置く。
野菜が練り込めれたパンと一口サイズのお肉ミクのみがひと粒だ。
ミーシャはそれをゆっくり食べていく。
「ぉいしぃ」
ここに来てから覚えた単語だ。
ミーシャは「ごめんなさい。大丈夫。」以外の単語がわかっていなかったため、おいしいは最初に覚えた単語だった。
ミーシャに対して奴隷商は買った人の夜の相手をするのがミーシャの仕事だと教えられてきた。
そのためミーシャ自身は性の捌け口としてアレクサンダーが自分を使わないことに戸惑い、自分になにか悪いことしたんじゃないかって不安に思っている。
10
:
名無しさん
:2022/09/25(日) 16:55:29
「きれいに食べてえらいぞ、ミーシャ。ではまた後でな」
騎士団長としての責務があるので、そう言ってミーシャを部屋に残してアレクサンダーは退室した。
「……はぃ」
教えられたのと違う対応をされて困惑しているのか、寂しさを感じさせる声でミーシャは彼を見送る。
一瞬アレクサンダーの後を追おうとする反応を示したが、テーブルから離れる前に彼女はあきらめた。
「……くぅーん……」
食事を終えて、メイド長が食器を下げ部屋から出て行った後。
再び一人っきりになったミーシャは、切なそうな表情でお腹をさすり始めた。
寂しさを感じているのか、彼女が出したのは鼻から抜けるような声だった。
人工授精で妊娠させられたミーシャは、まだ誰かの夜の相手になったことはない。
自分のお腹についても、時折動く何かが入っている程度の漠然とした理解しかない。
それでも彼女は、まるで未だ見ぬ我が子を慈しむ母親のようにお腹を撫で続けた。
11
:
名無しさん
:2022/09/25(日) 17:11:45
何かしないといけないとわかっているが、
ここでいい子にしててほしいと言われているため、ミーシャは基本アレクサンダーの部屋で過ごしている。
アレクサンダーが選んだメイド長と執事長とリールだけだ。
時折様子を見にメイド長が来てくれるが、元気になってからは暇で日中ゴロゴロしている。
ただ窓から見ると自分の知らない人間がいっぱいいるため決して外に出ようとしない。
トントン
「ただいまー。ミーシャいいこにしていたかい?」
夕刻になるとアレクサンダーが帰ってくる。
定刻であがり残りの仕事は持って帰ってきていた。
12
:
名無しさん
:2022/09/26(月) 06:56:23
「…疲れていたのだな。早く慣れてくれてほしいところだ」
アレクサンダーの目に映るのは、布団にくるまって寝てしまったミーシャの姿だった。
なぜか一糸纏わぬ姿な上に服従のポーズしているが……獣人だからそっちのほうが自然体なのか?
と、優しくされて戸惑っているミーシャの気持ちに気付かずにアレクサンダーは思っていた。
「意外と軽いな…子を孕んでいるというのに」
ミーシャをちゃんとベッドで寝かせようと、アレクサンダーは彼女を抱え上げる。
すらりと痩せている四肢とは対照的に膨らんでいる彼女のお腹は、僅かに蠢いていた。
中の胎児たちがいずれ産まれてくると考えると、ミーシャの体が持つかどうかが心配だ。
「……ぁ」
柔らかいベッドに置かれてしばらく経って、ミーシャはおぼろげに目を覚ました。
裸になっていても、やはり使われなかった。仕事ができないと、優しくされなくなる……
机に向かって書類仕事をしているアレクサンダーの背中を見ながら、彼女は茫然としていた。
13
:
名無しさん
:2022/09/26(月) 09:37:33
普段のご飯の時間をとっくに過ぎていたが、珍しく多く仕事が残っていたため、アレクサンダーは気づかずに仕事に没頭していた。
ここに来てから決められた時間に2食(アレクサンダーがいないとほぼ食べないため昼はほぼ食べれていない)食べているせいかぐーとミーシャのお腹から小さな音を出したがアレクサンダーは気づいていなかった。
(ぼく、いい子じゃないから今日のご飯ないのかな····?)
ミーシャは自分が仕事できないからご飯を抜かれていると思いご飯をあきらめ始めていた。
暫くして仕事が終わったようですアレクサンダーは身体を伸びをしてミーシャの方をみた。
「ん?ミーシャ起きたのか?」
「!?はぃ···」
ミーシャはアレクサンダーに声をかけられ耳をピンとさせながら答えた。
「もうこんな時間か!お腹すいたんじゃないか??遅くなってすまない。」
アレクサンダーは外がすっかり暗くなっていたことに気づきご飯の時間がとっくに過ぎていたことに気づいた。
仕事が終わるまで集中してるため、終わるまでメイド長たちも邪魔をしないように入ってこない。
「だいじょぅ、ぶ····で、す(ご飯くれるの?)」
「すまないね。すぐご飯を持ってこさせるからね?」
14
:
名無しさん
:2022/09/27(火) 11:18:57
遅めの食事を終えて少し経った頃。
「...っ...ぅぅ...」
食べた栄養分がお腹の子に行き渡ったからか、ミーシャが呻き声をもらすほどに彼女の胎児たちが一斉に活発になってきた。
リールの診断を信じればミーシャは安定期に入ったばかりなので急に出産が始まる心配はないが、どう見ても彼女は苦しそうだ。
まだ幼い子宮が三つの異なる物体により内側から激しく責められるのはどんな感じなのか、想像するだけでもゾッとするものだ。
胎動に悶え苦しむミーシャの姿に父性的なものを刺激されたアレクサンダーは――
15
:
名無しさん
:2022/09/27(火) 14:31:59
「ミーシャお腹触っても大丈夫か?」
アレクサンダーはミーシャの様子を確認しつつお腹を擦ってあげる。
それでだいぶ楽になったのか表情が和らいでくる。
「ごめん、なしゃぃ···」
落ち着いてくるとミーシャはアレクサンダー迷惑をかけてしまったと思い謝る。
「私が好きでやってることだ。気にしなくていいぞ」
アレクサンダーはミーシャの頭を撫でて言う。
(僕もご主人様へ仕事しないと!)
ミーシャははっと思い、アレクサンダーのズボンに手をかける。
「ん?ミーシャどうしたんだ?」
急に積極的に動いてきたのでアレクサンダーはミーシャ!い優しく聞く。
16
:
名無しさん
:2022/09/27(火) 18:15:51
「おしごと……」
「お仕事?それにこの動き、もしや」
もしやそういうことを考えているのでは、とすぐにミーシャの意図を察したアレクサンダーは一度目を閉じた。
この場で彼女を優しく諭すのは容易い、しかし正しく教育し直さない限り何回やっても堂々巡りになるだろう。
彼女の養父になるのを決めた以上、奴隷商に教わった間違った知識や習慣を、愛娘から取り除けばならない。
「ミーシャ、夜の相手の代わりに別の『お仕事』を頼めるか?これからの私の言葉をよく聞いてくれ」
「……はぃ」
ミーシャという奴隷を購入したご主人だと彼女に思われているのなら、『ご主人』らしく行くしかない。
今のミーシャに『命令』だと誤解されても構わないと覚悟し、アレクサンダーは声のトーンを低くした。
「――只今これから、ミーシャは奴隷の仕事より人間らしく生きること優先しろ」
「にんげん……らしく?」
「ああ。それが私からミーシャに指示した『お仕事』だ。どうだ、できるか?」
「はぃ……」
小首を傾げるもミーシャはその指示に『はい』と答え、アレクサンダーのズボンから手を離した。
真意を理解してもらったのかは分からんが、アレクサンダーはとりあえずホッと一息を吐いた。
17
:
名無しさん
:2022/09/27(火) 21:04:24
(王に娘ができたって言ったら嫁のが先だと言われそうだから手続きはあとにしないとな。というより母上にも言われそうだしミーシャとられそう)
アレクサンダーは青騎士団長で公爵家次男ですでに公爵の地位を持っているがまだ23歳で社交界では婚約者になりたいと女性たちが集まってくるのだ。
今は仕事と最近ではミーシャにかかりっきりのため社交界に出ていないがアレクサンダーはモテるのだ。
(ご主人様、人間らしくってなんだろう?僕どうすればいいの?)
ミーシャはアレクサンダーの人間らしくがよくわかってはいなかったが、性相手ではないことは理解したようだ。
「わかったかな?じゃあ今からお風呂入ろうか?」
アレクサンダーはそう言うとミーシャを抱っこした。
18
:
名無しさん
:2022/09/27(火) 21:52:56
その翌日から。
まだ少々早いとは思ったが、王族や貴族に認められるため、上流階級の子女として
社交の場に出ても恥をかかないよう、元奴隷だったミーシャへの教育が始まった。
仕事の内容を覚えていく感じではあったが、ミーシャは言うことを聞く賢い子供で、
言葉遣いをはじめ、めきめきと『アレクサンダーの養女』として順調に成長していき、
人工授精により彼女に宿した三匹の胎児たちも、母の胎内ですくすく育っていった。
そうして一か月が過ぎて、季節は暖炉が必要なくらい寒い冬となった。
目に見えて日に日にお腹が膨らんでいくミーシャは、もはや誰から見ても立派な妊婦だ。
狼獣人の特徴である耳と尻尾を除いては、与えられた指示通りに人間らしく振舞っていた。
ここまで気品を高めるのは人間でも難しいと、メイドたちの間に噂されるほどだ。
……人見知りが激しく自ら部屋から出ようとしないという点は相変わらずだが。
一方、そんな箱入りならぬ部屋入り娘であるミーシャを父として接しているアレクサンダーはというと……
19
:
名無しさん
:2022/09/27(火) 22:26:36
「ミーシャ、ただいまー。
寒なかったかい?」
「あ、アレク父様おかえりなさい。ここの部屋は温かいので大丈夫、です」
ミーシャは読んでいた絵本をおいてアレクサンダーのもとへ近づく。
「ならよかった。」
いつものようにミーシャと食事をとろうと移動していると玄関が勢いよく開いた。
「!?」
ミーシャはビックリしてしっぽがピンと立った。
「アレク!兄に黙って息子ができたって!?見に来たよ!」
玄関を開けたのはアレクサンダーの兄アリシエルだ。
アレクサンダーがミーシャを養女にするという噂が捻れてアレクサンダーが隠し子を連れてきたという噂が広まって興味本位で見に来たようだ。
普段外に出ないミーシャをたまたま見た業者がミーシャの見た目が少年のようだったため、隠し子の息子となっていたようだ。
20
:
名無しさん
:2022/09/28(水) 15:48:35
「兄さん、そんな大きな音を立てたらミーシャが怖がるでしょ!」
アレクサンダーはミーシャを落ち着かせるように肩を擦る。
「この子がアレクの隠し子か?獣人??」
「隠し子じゃなくて養子にしようと思ってるんだ。
ミーシャ、怖くないぞ。これは私の兄だ。
兄さんこの子が私の養女のミーシャだ。」
アレクサンダーはミーシャを抱き上げた。
「可愛いな。少年に見えるが養女??獣人のおんなの子ってことは....
ん?養女って言ったのに孕ませたのか!?」
ミーシャ自身はまだ人工授精されるまで少年として育ったせいかスカートだけは抵抗があるみたいで、大人しく着てくれるが、着せられると尻尾が垂れてしまうためお腹に負担のかからないズボンを履かせていた。
見た目は少年、身体は少女、もとのメンタルは少年のため、アレクサンダーは何をしても嫌がらないミーシャのちいさな反応にも気づいて対応していた。
獣人は個体数が少ないせいか、子を産んでも子孫を残すために繁殖が終わると雄に戻るためだ。
雌は繁殖期、妊娠出産期。
その他は雄というので見分けられる。
そのため、見た目は少年のようなため、雄なのに養女と言ってることにも不思議だったが、アリシエルはミーシャの腹を見て驚いた。
21
:
名無しさん
:2022/09/28(水) 22:40:12
「ん?こいつは妙だな…アレク、養女ちゃんはもう産み月なのか?」
「一応、医者の診断ではミーシャが出産を迎えるのはまだ先のはずだが…」
「ってことは多胎か。しかもこれは二匹以上いるな、出産は大変だぞ?」
「ああ、実は私もそれが心配でな。兄さんもご存知の通り、獣人族は――」
ミーシャのような、人間の変わらない体に獣の耳やしっぽを生えているタイプの獣人はみな、母体の中にいるいわゆる胎児の段階では、総じて獣の姿をしている。
これは何を意味するのか、要するに狼獣人であるミーシャの胎内にいる胎児たちもきっと狼の姿をしていて、出産の時は狼の姿で彼女から生まれるということだ。
人間と変らない産道で獣の仔を生むことになるため、獣人の出産は母体に難産を強いる神の悪戯とも言われている。ミーシャは多胎妊娠だから、なおさら危険だ。
できるだけ最良の医療をミーシャに与えるつもりだが、万が一のことがあれば彼女を失う可能性もあるかもしれないと、アレクサンダーは心配をしていた。
22
:
名無しさん
:2022/09/28(水) 23:15:42
「リール曰くまだ発情期にもなったことのない子だからより注意が必要らしい。だからリールに獣人専門の最先端の医師を探してもらっている。仮にも白狼の獣人だからね。優先的に探してもらってる。」
「ならいいが。ミーシャ、私はアレクサンダーの兄アリシエルだよ。よろしくね。」
「アレク父様のあにうえ?」
ミーシャはアレクサンダーとアリシエルを交互に見て不思議そうにしている。
「かわいいね〜。アレクが溺愛する意味わかるね。」
アレクサンダーに雰囲気が似てるせいかミーシャは興味津々そうだった。
「兄さん、ご飯まだだろ?一緒にどうだ?」
「いただくよ。」
アレクサンダーはミーシャだいたままアリシエルと食堂へ向かった。
「ミーシャ、もうテーブルマナー完璧なんだね。」
アリシエルはミーシャのマナーよさに驚いている。
23
:
名無しさん
:2022/09/29(木) 11:52:15
その日の夜。嵐のように来訪したアリシエルがアレクサンダーの家から去った後。
「アレク父様の、あにうえ...まっすぐなお方...」
ご主人改めお父様アレクサンダーが用意した部屋のベッドで自分専用の布団にくるまって、
ミーシャはアリシエルの顔を忘れられず、胎動するお腹をさすりながらもんもんと悶えていた。
アリシエルのことを考えると心がポカポカするし、不思議と体まで火照ってくる。
今日で初めて出会った彼に抱いたこの気持ちはなんなのか、ミーシャは理解できずに混乱していた。
「......父様に、教えて貰わなきゃ」
抱き枕に向かって独り言をしてミーシャは、明日アレクサンダーと相談してみようと決めた。
初めての発情を迎えた彼女の体はもうゆっくりと着実に出産に向かって動き出しているのを気付かずに......
24
:
名無しさん
:2022/09/29(木) 13:21:05
「ん···ミーシャ額が熱いな。」
朝起こしに来たアレクサンダーがミーシャの異変に気づいた。
すぐにリールを呼び、診察を受けていた。
「これは。」
「どうしたんだ?」
「ミーシャ様脚を開いてもらえますかね?」
リールは足を開いたミーシャのズボンを脱がせた。
「ここがぷっくり膨らんでるのわかりますか?これは雄のペニスを受け入れる準備ができたという合図ですね。乳首も腫れてますし間違いなく発情期を迎えています。」
「な!?ミーシャは妊娠中なんだぞ!」
「疑似発情期で妊娠したので身体が誤反応をしてるみたいですね。証拠に擬似発情期のせいで残っちゃってるペニスも勃ってますし。」
ミーシャの身体は妊娠中にもかかわらず発情してしまい、会陰はいつでも交配をまつ準備ができていた。
ただ中途半端なせいか、本来なら発情期期間中メスになるはずの骨格や妊娠中で機能していないペニスもそのままだ。
「どうにかならないのか?」
「本来なら交配するのが一番ですけど、妊娠しているのでこのまま発情期が終わるまで安静にしておくのがいいでしょう。犬や獣人を近づけないでくださいね。盛られますよ。ミーシャ様も発情期の間は性欲上がりますのでなるべく男の人はアレクサンダー様だけであとは近づかないほうがいいでしょう」
ミーシャボーと二人の会話を聞いていた。
25
:
名無しさん
:2022/09/29(木) 22:58:36
「アレク父様…僕、びょうきなの…?」
敏感になっている部位を刺激しないようにネグリジェ姿にされたミーシャは、赤くほてっている顔でアレクサンダーに聞いた。
「大丈夫だ、しばらく休めばよくなる。ミーシャはいい子だから、ちゃんと休めよ?」
発情期云々の解説を避けるように娘の問いに答え、アレクサンダーはミーシャを布団の中に入れ、休めるように促す。
「うん…ちゃんと、休む…」
父の言葉にうなづき、ちゃんと休むという指示を実行するためにミーシャは布団を顔の半分まで覆って、顔を埋めた。
まだ子供で出産経験がない上に元奴隷のため我慢が強いミーシャは、まだ気づいていない。
発情期でメス寄りに活性化した彼女の子宮はすでに、分娩の本番に備えてびくつき始めている。
時折お腹がじんわりと少し疼いてくるが、それも『びょうき』の影響だとミーシャは思い込んでいた。
26
:
名無しさん
:2022/09/29(木) 23:24:33
「しばらくは私もミーシャの部屋ででくるだけ仕事するから何かあったらすぐに言うんだぞ。」
アレクサンダーはミーシャの頭をなでながら言う安心したのかスーッとミーシャは眠ってしまったみたいだ。
「はぁはぁ、すぅーぅー」
少し呼吸は荒いがミーシャは眠ってしまった。
お腹をいつもなら撫でるのだが、お腹や乳首、下半身は敏感になってるため避けたほうがいいらしく頭を撫でる。
27
:
名無しさん
:2022/09/30(金) 10:57:04
「アレク父様····」
ミーシャは心配するアレクサンダーの手に顔をスリスリして甘えて来ていた。
「どうしたんだ?」
「身体が、僕、変なの···股がムズムズするの····」
ミーシャは気になるのか股を気にする仕草を繰り返し、不快感を表していた。
「辛いな。また濡れてきちゃったな下着取り替えるか?」
ミーシャにとっては感じたことのない戸惑い、不快感があるようでアレクサンダーにすがるがアレクサンダーにもどうすることもできないため、宥めることしかできない。
ミーシャの身体はオスを受け入れようと獣人フェロモンを含んだ愛液も定期的に流れてしまうため、時折アレクサンダーが手伝い下着を変えていた。
28
:
名無しさん
:2022/10/02(日) 21:49:11
一週間経ち、ミーシャの発情期が終わったようだ。
「アレク父様、どこ行くんですか?」
アレクサンダーはミーシャの発情期が終わると
外へ連れ出すようになっていた。
リール曰く、出産に向けて体力を少しつけさせたほうがいいと言われたのだ。
ミーシャは年の割に基礎体力がないのだ。
元々自由にさせられてなかったこともあり、屋敷の周りを少しだけ歩くだけでも息が上がる体力しかない。
そのため、アレクサンダーが出勤前に朝の散歩に連れ出すことにしていた。
ミーシャはお腹を支えつつ片手でアレクサンダーの服をつかんで歩いている。
29
:
名無しさん
:2022/10/03(月) 19:53:21
ズキッ。
「……ぅん?」
この日、いつもの散歩から帰って部屋に戻って、いつものようにベッドに腰を掛けたら、
ふとミーシャは、大きく膨らんでいる重い思いお腹に、わずかな違和感を覚えた。
いつもの、何かがお腹の中で動いているような感じではない。
なぜかジンジンするけど、痛いといえるほどのものではない。
「……?」
無言で小首をかしげてお腹をなでながら、ミーシャはこの不思議な違和感に戸惑っていた。
30
:
名無しさん
:2022/10/03(月) 20:38:28
ミーシャは戸惑いつつも強い痛みではないから気にせず、
いつものように絵本を読んでいた。
そんな違和感が夜まで続いて朝少し引くを繰り返していた。
「よぃしょっ···」
本人も無意識のうちにシーツや服をすみに固めて巣作りを始めていた。
「父様のにおいおちつく····」
内緒でアレクサンダーのシャツも数枚巣に持ってきていた。
日中はそこでくつろいでることが増えていた。
ただ問題だったのが、いつ始まってもいいようにリールが毎日来てくれるが、陣痛の傾向がなかった。
「子宮口も閉じてますし、秘部もまだ綺麗で分泌物みてもまだ本格的な陣痛は来てなさそうですね。巣作りしてますし、人工授精の記録から見ても予定日は先週なんですよね。」
「うぅ····」
内診が嫌で今日も内診されたため、辛くてアレクサンダーに抱きついていた。
31
:
名無しさん
:2022/10/05(水) 11:53:52
内診の結果、やはりミーシャの子宮口はそれなりに柔らかくなっていることが分かった。
開いているとまでは行ってないが、いつ陣痛が来てもおかしくないくらいにはなっている。
ミーシャのために探してきた獣人専門の最先端の医師も控えているし、準備は万端だ。
そして数日後の夜、窓から射し込む満月の光に照らされる中、ミーシャは腹痛を訴えてきた……
32
:
名無しさん
:2022/10/05(水) 12:05:43
「···アレク、とぅさまぁ··っ··」
「ん?ミーシャどうしたんだ?
お腹痛むのか?」
ミーシャが心配で隣で寝ていたアレクサンダーはすぐさま起きてミーシャに声をかける。
ミーシャはアレクサンダーの寝間着を掴みこくんと頷く。
アレクサンダーがミーシャのお腹を触ると固く張っているのが伝わる。
「今、医者を呼んで来るからな?
どうする?ベットのままがいい?巣に連れてこうか?」
アレクサンダーはミーシャの背中を擦りながらミーシャに聞く。
ミーシャが作ってた巣は、数日ためたこともあり、立派な巣になっていた。
33
:
名無しさん
:2022/10/06(木) 05:59:42
小一時間悩んだ結果、生まれてくる仔のは狼の姿のはずだから巣のほうがいいと思って、アレクサンダーはミーシャを巣に連れて行った。
その間、ミーシャが腹痛を訴えたのは二回。
間隔は長いので、まだ陣痛だと確信することはできないと専門医は言った。
「あぅぅ……」
「ミーシャ、今は体力を温存するのだぞ。そうだ、なにか欲しいものはあるか?何でも言っていいぞ」
長い時間耐えないといけないミーシャの気を紛らわせるため、アレクサンダーは何でもするつもりだ。
すると、ミーシャは・・・・・・
34
:
名無しさん
:2022/10/06(木) 09:15:07
「アレク父様がいてくれれば···」
ミーシャは時折来るお腹の痛みに不安しかなく、安心できるアレクサンダーにそばに居てほしいのだ。
「あぁ。産まれるまでそばにいるから安心しなさい。」
アレクサンダーは優しく抱きついて離れないミーシャの背中を擦ってあげていた。
「まだ間隔長いので少しでも睡眠をとってください。」
様子を見に来た専門医に言われ、アレクサンダーはミーシャを落ち着かせて眠らせようとしているが、陣痛がよくわかっておらず、定期的にくるお腹の痛みにミーシャは怯えて寝れそうになかった。
35
:
名無しさん
:2022/10/09(日) 10:59:17
奴隷だったからミーシャの痛みへの耐性が強いのか、それとも他に原因があるのか。
人間なら取り乱してもおかしくないのに、彼女は割と落ち着いて陣痛に対処していた。
アレクサンダーが傍にいることで、それだけミーシャにとっては大事なことなのだろう。
やがて、月が落ちて日が昇ろうと空が明るくなった頃、ミーシャの出産は次の段階へと進んだ。
人工授精により処女同然に狭い産道を押し広げて見えたのは、卵膜に包まれたままの狼の仔だ。
なるほどだから引っかからずに降りてこれたのかと納得するも、アレクサンダーは懸念していた。
破水させたら、今出ようとする第一子はともかく、ミーシャの中に残っている仔たちは暴れだしかねない。
そうなると難産必至になるだろうし、散歩で鍛えたとはいえミーシャの体力が持つかどうかが心配だ。
36
:
名無しさん
:2022/10/09(日) 18:28:50
「ふぅーうぅーーー!」
ミーシャは声を上げることもせずに獣医の言う通りに必死で息んでいた。
獣医に説明のために広げられたミーシャの幼い産道の奥に見えてきた狼の仔は鼻先だけでも
ミーシャの身体に対して大きいことがわかる。
(こんな大きい仔犬が3匹もお腹にいたのか。)
アレクサンダーはミーシャの背中を摩りながらミーシャのことを心配していた。
「うぅ・・・・やぁ・・・・」
出産が進んでいき、仔が降りてくると共に子宮の収縮も大きくなり、
まだ胎内にいる狼の仔達が陣痛がくるたびに
モゾモゾと動いているのがミーシャの腹を見ると外からでもわかる。
陣痛がくるたびに息もうとしているのにお腹の痛みでなかなか上手くいきめていなかった。
37
:
名無しさん
:2022/10/12(水) 23:28:22
月が沈み始め、東の空がまだ白くなってきていない頃。
「んん・・・・・・っ!」
痛みが来るのに合わせてミーシャが息んだら、押し広げた産道を抜けて彼女の第一子が生まれた。
強靭な卵膜に包まれたまま生まれてきたその様子は、まるでミーシャが卵でも産んだかのようだった。
そして。
この調子で残りの二体も順調に生まれてくるのではないか、とアレクサンダーが思ったとたん。
パン、と強めの胎動とともに、ミーシャのお腹から、水を入れた革袋でも弾けたかのような音がした――。
38
:
名無しさん
:2022/10/13(木) 00:32:44
「ひゃっ!?」
ミーシャは驚き垂れていた出産で赤いシミがついてしまった白い尻尾がピンと立った。
ミーシャの股からはジョボジョボと羊水が流れ出ている。
「破水してしまいましたね。ミーシャ様、大丈夫ですよ。獣医は驚いているミーシャに声をかける。
「ほら、ミーシャ様、お仔さまですよ。1kg近くありますが小さめなサイズでした。」
先ほど産まれ、処置を終えたミーシャの仔犬を獣医の助手が連れてきた。
「みぃ.....みゅ....」
ミーシャとは色の違うタオルに包まれた茶色い仔狼は目を閉じたまま鳴きながらもぞもぞ動いている。
「???」
ミーシャは自分の仔だと認識していないのか不思議そうに仔犬を見てアレクサンダーも見る。
39
:
名無しさん
:2022/10/13(木) 07:56:29
「その子、たった今ミーシャのお腹から出てきたんだぞ」
とアレクサンダーが説明したら、
「僕のお腹、から......ぁ、あぁっ!?」
長引いていた腹痛の原因をここに来てやっと理解したからか、それとも破水した影響なのか、ミーシャの痛がり方が急に変わった。
「二匹目が降りてきたようです。ここからが大変ですよ」
獣医のこの言葉を聞いて、アレキサンダーはミーシャの手を強く握る。
少しでも力になりたいと、願いを込めて。
40
:
名無しさん
:2022/10/13(木) 09:25:25
「ふぅーーん、ぐぅうう!あぁあ!?」
先程までは静かに息んでいたミーシャだったが声が上がるようになっていた。
明らかに先ほどとは違う様子にアレクサンダーは不安になる。
破水したことで一回り小さくなったお腹の中でまだ2匹とも動いているようでミーシャのお腹が動いている。
「ふぅ、ぅうう、やぁああ!?いだぁあぃい!」
羊水が減り苦しいのか仔狼は出口近くに来ても動いているようだ。
ミーシャは先程と違い声を出して悲鳴を上げる。
アレクサンダーの手を掴む力も強くなる。
「ちょっと診ますね。····まだ子宮口近くでさわれないですね。降りては来てるんですがまだですね。(この仔は大きいかな?)」
ミーシャがいきんでもでるのは羊水だけで中々仔狼は出てこないため獣医が内診とお腹を触診すると獣医の顔が曇った。
41
:
名無しさん
:2022/10/14(金) 22:54:36
なんと、二番目の仔がなかなか生まれてこない原因は大きいではなかった。
混血種の多い獣人族にまれに起きる「先祖返り」と言って、二番目の仔の形こそは狼だが
頭部の側面に不完全な角の名残りかと思われる大きなこぶが生えてあり、それが邪魔で
まだ子供だから大人に比べては狭いミーシャの産道に入ることが億劫になっているらしい。
ミーシャが痛がっている理由もまさにそれで、羊水の潤滑があっても児頭は進めないのだ。
そして、この診察結果を聞いたアレクサンダーは――
42
:
名無しさん
:2022/10/14(金) 23:40:59
「仔よりミーシャ優先で頼む。(仔はミーシャが欲しければまた考えるが、ミーシャを失うことは考えられん)」
アレクサンダーは獣医に頼む。
「わかりました。本来仔を助けるなら帝王切開を考えますが、母体に負担がかかります。今後発情期中に子宮がダメージおう可能性もあり寿命が短くなります。
なので母体優先であれば経膣からの出産がよいかと」
「では、できるだけ切開なしで頼む」
獣医はアレクサンダーに説明する。
ミーシャは痛みの間に震え、アレクサンダーに甘えている。
「ミーシャ様には仰向けになっていただいて、助手がお腹を押します。そこをいきみに合わせて私の方で仔狼を引っ張り出します。
アレクサンダー様はミーシャ様を抑えていてもらえますか?」
43
:
名無しさん
:2022/11/20(日) 04:49:58
「あぁ。」
アレクサンダーは、ミーシャの身体を支えつつ脚を開かせた。
「ミーシャ様、ちょっと我慢してくださいね。(この仔は諦めざるを得ないかな)」
リールはミーシャの幼い産道に手を入れ、奥に触れる仔狼の顔をぎゅっと掴む。
仔狼よりミーシャ優先にするために仔狼の生死を考慮せずに無理矢理引っ張り出すことになった。
「うぅーー!ふぅうう!うぁ!?」
ミーシャは大きく声が上がる。
「ミーシャ、もう少しの辛抱だよ。耐えてくれ」
アレクサンダーは辛そうなミーシャを心配そうに声をかける。
44
:
名無しさん
:2022/11/21(月) 11:17:58
「コブを潰しますね。」
リールは邪魔なコブを無くすためにペンチのような器具でコブを抑え、ぎゅっと潰した。
その間、ミーシャが動かないようにアレクサンダーはしっかりとミーシャを抑えていた。
「頭のコブを潰しました。これで少しは出やすくなったかと。」
「お、おい、ミーシャは大丈夫なのか?」
リールが器具を抜くあたりで血がねっとりと出てきてアレクサンダーが心配する。
「これはミーシャ様の血ではありません。コブを潰した仔狼のです。」
リールはミーシャの股を拭きながら応える。
「はぅーーー!とぉしゃ!」
コブがなくなったこととでミーシャの胎内から子がゆっくり降りてきたようで少しずつ出てくる感覚にミーシャはアレクサンダーに怖くて助けを求めていた。
45
:
名無しさん
:2023/03/26(日) 01:01:09
「痛いな。ミーシャ。赤ん坊を出さねば苦しいのはなくならんのだ。
耐えてくれ」
アレクサンダーはミーシャの額の汗を優しく拭いながら声をかけた。
「足と頭を引っ張りますのでミーシャ様、お辛いですけど息んでください」
リールは紐で出てこようとする口元と前足を紐で結んでミーシャのいきみに合わせて引っ張る。
46
:
名無しさん
:2024/06/19(水) 13:34:13
「ひぎぃいいっ!? …い゛いたい!!」
無理矢理引っ張り出すのに強烈な痛みを感じたが、そのおかげで2匹目も生まれた。
「このコ、鳴かない?」
1人目と違い何も反応がない2人目の子どもをミーシャは心配そうに見ていた。
47
:
名無しさん
:2024/07/11(木) 04:45:43
「こっちの子は残念だが、ミーシャのお腹の中で亡くなっていたのだ(本当は違うのだが、
しょうがない)」
アレクサンダーは刺激しないようにミーシャに声をかける。
「お腹の中で元気いっぱいだったのに」
ミーシャは尻尾を垂らして落ち込んでいた。
「後で一緒にお墓作ってあげようね?まずは後一匹お腹にいるからね」
48
:
名無しさん
:2024/08/20(火) 14:59:51
「うん…」
ミーシャは寂しそうな返事をしつつ自分のお腹を撫でた。
ミーシャも親としての自覚をもしだしているんだなと少し感心する気持ちになった。
「うっつ…いったぃ」
間発入れずに3匹目の陣痛が来たようだ。
49
:
名無しさん
:2024/08/23(金) 02:08:44
「3匹目はミーシャ様と同じ白狼そうですね」
リールはミーシャの3匹目の状態を確認している。
「おぉ、そうか」
「1番小さそうなので出るのは容易そうですが、念のため保育ケースも準備しときますね。」
リールはそういうと保育器の準備をし、タオルなども増やして準備を万端にした。
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