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「待てッ、花京院、俺だ!!」
「承太郎……! 君は、殺されたはずじゃ……」
E-7中央付近の路地裏で、ふたりの『学生』が対峙していた。
『花京院』と呼ばれた青年は目を見開き、驚きの表情をしている。
そこから10mほど離れ、呼びとめた手をゆっくり降ろしているのは『承太郎』と呼ばれた青年だった。
「ああ……確かに俺はあのとき死んだ。
それは間違いない。
だが俺はなぜかこうして生きている。それも事実だ」
「なにを言っているのかわからないが、本当、なのか……?」
目深にかぶった帽子の下、『承太郎』の瞳が奇妙に光る。
「この滅茶苦茶な地図を見ればわかるだろう。
俺たちスタンド使いの常識を越えるなにかが起きつつあるんだ。
俺が死んだはずなのに生きていること、それが不思議でないようななにかが……」
『花京院』は絶句している。
それを見た『承太郎』の口元がヒクヒクとひきつる。
『承太郎』――否、ラバーソールは笑いをこらえるのに必死だった。
そうそう、こういう反応を待っていた。
あいつらみてーな異常者に先に会っちまったせいでちっと自信をなくしていたが、俺の変装は完璧だ。
さっすが俺、ハンサムなだけあるぜ。
一瞬の迷いもなく俺を敵だと断じやがった空条承太郎や、人の話を聞こうともせず撃ってきやがった野郎とは違う。人の話を吟味しようって態度。
こういう態度が大事だぜ。
化けた『本人』を見つけちまったときには肝が冷えたが、ジョースター一行に会えたのはラッキーってやつだ。
ブチュルブチュル潰して、賞金ガッポガッポだぜぇ。
「参加者の半数が死んじまってるって状況でお前に会えたのはラッキーだったぜ。
ひとまず屋内に移動しないか?
ここでつっ立ってるのは的にしてくれと言っているようなもんだ」
「……屋内に移動するのは賛成です。
ですが…………」
「おう、じゃあさっさと……うぉッ?!!!」
一歩踏み出したつま先から俺の上半身めがけて光弾が撃ち込まれる。
『黄の節制』の能力はどんな物理攻撃も無効化するが、衝撃でスタンドはぐにゃぐにゃ拡散し、『空条承太郎』の胸板には不自然なへこみができた。
よくよくみれば足下にはかすかに発光する、なめくじが這った跡みたいな筋が走っている。
「情報を交換するのは、互いの立場が対等になってからだ。
偽りの、空条承太郎」
「てめぇ、最初から気付いてやがったのか」
驚きつつも親しげな雰囲気を出していた花京院の瞳がいっきに鋭く険呑の光を帯びる。
さきほどの光弾もすでに這わせていたスタンドからの攻撃のようだ。
「あなたが『私の姿』で歩いているところからすべて見ていた。
それに気付かず路地裏に誘い込まれてくれるようなアホで助かったが……」
どういうわけだか空条承太郎の姿に変装するところから見られていたらしい。
どうしてこうも変装にひっかからないやつが多いのか。
ラバーソールは自分の不運を嘆きたくなった。
「だがどうする?
てめぇの貧弱なスタンドじゃあ俺には勝てねぇ。
ドゥーユゥーアンダスタンンンドゥ!」
「理解していないのは貴様の方だ。
人の話を聞いていなかったのか?」
「質問を質問で返すんじゃあねえ。
てめぇ頭がいかれてんのか。
俺のスタンドに喰われてオシマイなんだよてめぇはよぉ」
「確かに貴様のスタンドはなかなか攻略し難い能力をもっているらしい。
変装するしか能がないスタンドだと考えていたので誤算だった。
敵に回せば、私のスタンドでは勝てないだろう。『敵に回せば』、な」
どうも雲行きがおかしくなってきやがった。
たしかにこいつのスタンドは射程距離に優れていると聞いていた。
俺の変装が偽物だと見破っていたならわざわざ近づかせる必要はねぇ。
攻撃を仕掛けるにしろ逃げるにしろ、本体が俺に近づくことはなんのメリットもないはずだ。
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