したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5

15覚醒 ◆JOKER/0r3g:2020/01/08(水) 15:54:31 ID:6aG2OzYo0

なまじ一度自分を敗北にまで追いやったのと同種の仮面ライダーではない。
攻撃力と速さだけで言えば対処しきれる範疇だが、回復力を始めとするその戦闘続行能力を鑑みればやはり恐ろしい敵であることに変わりはない。
だがもう一度フリーズを行うまでに少しばかりの時間が欲しい、とカッシスは今一度ライダースラッシュをクウガへ放ち、無理矢理に両者の距離を引き剥がした。

それでもクウガは一瞬のうちに再び猛攻を開始しようと突撃してくるが、何もカッシスの戦法はフリーズだけではない。
クロックアップによって刹那を一秒ほどにまで引き延ばし、その瞬間にクウガへ向け暗黒掌波動を放っていた。

「ガアァッ……!」

軌道線状の地面ごと闇に抉られ大きく吹き飛ばされたクウガが、またも即座に立ちあがる。
これまでに連続した戦闘の疲労故か、肩を大きく上下させる彼の意思に反するように、その身体はなおも戦う為だけにその身を万全の状態へ瞬時に回復させる。
これは全く以て厄介な生き物だとカッシスは苦い顔を浮かべようとして、しかし瞬間とある事象に気付いた。

(こいつ……心なしかさっきよりも回復力が落ちてきている……?)

眉を顰め、クウガの身に刻まれた数多の裂傷を注意深く観察する。
……やはりだ。彼が持つ人並外れたその回復力によって、先ほどまでは瞬きの間に閉じていたはずの傷が、今は数秒経ってもまだその身に残り続けている。
それは、クウガ自身の生命力が度重なる激闘によって尽きつつある証左か、或いはアマダムの損傷によってその完全な生物兵器としての性能に泥がついたためか。

ともかくクウガに残る体力が最早残り少ない事だけは、この場で確かなこととしてカッシスにも伝わっていた。

(それなら、あまり無駄に長引かせるのも酷か)

フン、と鼻で彼は嗤う。
こうして自分とやりあう時間はそこまで長いわけではないというのに、ここまで疲弊しその絶命を予感させるクウガを手中に置くことに、カッシスは既に興味をなくしていた。
とはいえ今のクウガと言えど、悪戯に敵に回すのは気が引ける程度の実力は有している。

なればやはり、その生命力が発動するより早く終わらせるのが最適かと、カッシスは再びフリーズを発動させるためその腕を大きく掲げた。
瞬間、それを妨げるようにクウガは自身に向けまたも掌を翳し超自然発火能力を発動させていたが――しかしその炎がカッシスを燃やすよりも早く、彼は自分一人だけの世界へと突入していた。
またしても止まったクウガへ向け、カッシスは勝者の余裕を携えて近づいていく。

フリーズ発動の瞬間、彼がまるで断末魔の如く放った炎が築いた道を、ゆっくりと歩みつぶしながら。

「哀れなものだよ……君も、五代雄介も。結局は自由意志を失い獣のように暴れるだけ暴れて死んでいくなど」

クウガへと放った言葉は、しかし当の本人どころか誰に届くはずもない。
抱いてもいない憐れみを言葉に滲ませてその腕へ再びタキオン粒子を迸らせたカッシスの目には、クウガの姿は既に倒した敵としか映っていなかった。
思い切りライダースラッシでクウガの胴を薙ぎ払い、それと同時時を再始動させたカッシスは、その身にクウガの身体から噴き出した赤い鮮血を浴びる。

あれだけの傷を受けた後、この量の失血をすれば果たして、今度こそクウガは死に至っただろう。
そんな半ば確信を抱き自身の勝利を確認しようとしたカッシスのその瞳に映ったものは。










―――――既に眼前にまで迫った、自身の顎を強かに捉えようとする究極の拳だった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板