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アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4

113Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:29:47 ID:wNw./RFs0
 
大砲にも似た轟音が響く。
拳と拳の衝突が生み出した衝撃が、木々を、大地を、理世の臓腑を震わせる。
数分にすら感じられる一瞬がすぎ、ギチリ、と、肉の擦れる音が続いて──その直後、承太郎が僅かに後退する。
セイバーとの戦いで流した血の多さは、流子程の実力を持つ相手ではやはり誤魔化しきれない。寧ろ、そこまでの傷を負っていながら応戦できる程のスタープラチナと承太郎の精神力の強さが窺い知れる。
だが、この場に於いて試されるのは一時の強さであることには変わりはない。

「ハッ、想像以上に酷えみてえだな!大丈夫かよオイ!」

押すべきタイミングを見逃す流子ではなく、即座に取り出した縛斬の刃で畳み掛けんとする。
辛うじて踏みとどまり、斬撃を受け流すスタープラチナ。しかし、純潔の圧倒的な膂力が齎す熾烈な連撃を受ければ受ける分だけ、スタンドも承太郎自身も余裕は無くなっていく。
弾き、弾き、受け流し──その直後に飛来した大鎌のような左足の一撃で、流石に後退を余儀なくされる。
その勢いを逆に利用し、幾らか距離を置こうとするも、それすら純潔は認めない。
獣が喰らい付くかのような踏み込みの後に、承太郎のウィークポイント、左半身へと一気に攻勢を仕掛ける。
必然、そのカバーに回らざるを得ない承太郎だが、それは同時により大きな隙を作るという意味だ。
より鋭く、より強かに、より荒々しく。加速度的に激しさを増す猛攻に、如何に承太郎といえども反撃の隙を見出す事が出来ずにいた。
その間にも、流子の手が休まる事はなく──遂に、承太郎のガードが甘くなったその瞬間を流子が射止めた。
辛うじて受身を取り着地した承太郎だが、その隙はあまりにも大きく。
再び瞬時に間合いを詰めた流子が、止めとばかりに縛斬を閃かせる。
だが、承太郎の次の行動を見て、流子も流石にその動きを止めた。
スタープラチナが持ち上げ、構えたそれは──先程流子が投げつけ、承太郎が殴り飛ばした一本の樹。
真下から抉るように放たれたフルスイングが、辛うじてガードを間に合わせた流子の体を強かに打ち据える。
角度がついた放物線を描いて吹き飛ぶも、流子も為されるがままとはいく筈もない。
冷静に純潔を飛行形態に変え、追撃に留意して距離をとりつつ着地した。

「認めたくはねえが、どうやらそうみてーだな」

それに対し、承太郎は深追いすることもなく、戦闘中に流子が吐き捨てた台詞に律儀にも言葉を返す。
その内容は、現状を的確に認識した上での判断だった。
──空条承太郎はクレバーな男だ。
周りが見れなくなる程に怒る事は少なく、戦闘中においても冷静に立ち回る事ができる人間。
スタープラチナを一目置くべき存在たらしめている要因のひとつは、間違いなくその主人である彼の冷静さと知性なのだ。
そして、その承太郎が下した判断は。

「こいつは、ジョースター家に伝わる伝統的な戦術を使うしかねーようだな…」

その一言に、ピクリ、と流子が反応する。
伝統的な戦術──聞き慣れない言葉だが、しかし相対している彼女としてはむしろ上等。それをどう打ち破るかの算段すらも始める。

「へえ、面白えじゃねーか。一体全体なんなんだよその戦術ってやらは?」

何が来ようと正面から叩き潰す、そんな殺意を漏らす流子に対し、あくまで承太郎は表情を変えない。
広場をゆっくりと、間合いはそのままに円を描くように歩きながら、流子を睨み続けていた。

「ああ、それはだな………」

スタープラチナが力を溜めるように腕を引き、それに呼応して流子もまた全身に力を漲らせていく。
やがて、承太郎がある場所で立ち止まり、ゆっくりと流子の方へ向き直る。
張り詰めた空気が、今にもパンクしそうになった──その、瞬間。

スタープラチナと承太郎が、思い切り振り返り。
スタープラチナの腕が、いつの間にか近付いていた理世へと伸び、その身体を抱き締めて。
スタープラチナの両足が、承太郎と重なるように地に着いて。

「──『逃げる』、だぜ」

スタンドパワーで思い切り地面を蹴り上げ、二人分の体重を物ともせずに射出した。
残されたのは──力の行き場を無くした、白い化物ひとり。


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