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中学生バトルロワイアル part6

603POISON ◆j1I31zelYA:2015/11/15(日) 00:43:00 ID:JAKGsiC20
特に、『アカシック・レコード』を通じて世界で起こっているあらゆる出来事をのぞき見できる者達ならば、『学園都市』の『書庫(バンク)』には記されていない事例さえも集めることができる。
それをいいことに、ムルムルたちも『ゲーム』の開催前にはずいぶんと大東亜の研究者から依頼されて『事例集め』をやらされた。

そんな研究資料の中から、『空間移動(テレポート)』と『予知』で検索をかければ、ほどなくしてその一冊はヒットした。

「しかし『空間移動(テレポート)を使ったから予知を覆せた』というのがよく分からんのじゃ。
それができるなら、今までだって白井黒子には『The rader』を破れたはずではないのか?」
「……結局、順を追って説明するハメになるのか」

回し読みを終えたムルムルから追及されて、寝そべりトウモロコシを食みながら監視を再開していたムルムルは、しぶしぶと口を開いた。

「たとえば、日常の中でも『数時間後にとつぜん車が突っ込んできて死ぬ』とか、そんな『DEAD END』のヤツがおるじゃろ?」
「「「「「「「うむ」」」」」」」と耳を傾ける、全員分の相槌が返ってくる。

もちろん、その未来を予測できたとして『今日は別の道から行こう』と行動したぐらいでは簡単に未来は変わらない。
『DEAD END』とは回避不能の死亡予告、これが大原則だ。
未来日記を持たない一般人がどうあがいても、『事故に巻き込まれて死んでしまう』という因果律のレールが、そこには厳然と存在する。

「この時、『事故が発生する未来』へとことを運んでいる因果律は、基本的に『三次元』の枠組みで起こっていることになる」

たとえば、トラックの運転手がハードスケジュールでの勤務を強いられていて寝不足でぼんやりしている。
たとえば、運転していた大型車両のブレーキの効きが悪くなっている。
そんな流れとどこかしらで巡り合い、違う道を選んで歩いたとしても、別の暴走車両によって事故に遭う結果は変えられない。
そういった事象が生まれるのはすべて、人類が生きている現実の世界――つまり、三次元の枠組みで起こることだ。
未来予知と結果とのメカニズムは、『学園都市』の世界でもほとんど解明が進んでいない。

「しかし、空間移動(テレポート)の十一次元がどういうものか説明すると長くなるので省略するが――とにかく、人間がふだん暮らしている次元よりも上位の次元の枠組みを使って移動することになるのじゃ」

つまり、空間移動能力者(テレポーター)は、『逃げ場のない三次元の結末』に干渉できる。

その言葉を聴いた他のムルムルたちはいっせいに何か言いたそうな顔をしたが、当のムルムルは無視して説明を言い終えてしまうことにした。

「つまり、『The rader』の未来日記でも、七原秋也が『空間移動(テレポート)』に目覚めた結果として引き起こす事象にまでは、計算が及んでいなかったということじゃ。
 じゃから、七原秋也が脱出を成功させた後になってから未来が変わった。
 それが『HOLON』にとっても理解不能だったようでの。『七原秋也が死を回避する未来』が存在しないはずなのに、七原秋也が生きている、という矛盾が処理しきれずに、フリーズを起こしてしまったらしい。
 もちろん『HOLON』は3台で運用しているから1台が止まったところでゲームには支障なかったのじゃ。しかしスーパーコンピュータが処理しきれずにフリーズを起こすなんてことがそうあっていいはずも無いからの、そのせいで、大人たちがああも慌てて、わしも呼び出されておったというわけなのじゃ」


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