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中学生バトルロワイアル part6

573言いたいことも言えないこんな世の中じゃ ◆j1I31zelYA:2015/10/31(土) 21:08:43 ID:YiPBGXDk0
「それで、大事な仲間を殺された仇だから、さっきの三人は問答無用で撃ち殺すのか?
そりゃまたずいぶんと短絡的に方針転換したもんだな」

それでいい。
そのはずだった。
文句も不満も何もないし、ちょっかいを出すような権利も義務もないはずだった。
七原は浦飯や常磐に関する因縁の外にいて、完全なる第三者のはず、だったから。

「短絡的、かよ?」
「植木耕助の仲間だったにしちゃ、短絡的だなぁと思ったんだよ。
 あいつは、あの切原のことも『救けられないって諦めるのは、嫌いだ』って言ってたぜ。
 最後の時も、誰も彼も守るんだとか『正義』だとか言ってたな。
『託された』ってんなら、植木は浦飯や常磐を殺すことなんか託しちゃいなかったんじゃないのか」

菊地の顔に、石でもぶつけられたようにカッと怒りが点った。

「ああ、そうだよ。これは植木じゃない俺の――それも【正義】なんかじゃない、偽善者【さつじんき】の考えだ。
植木や杉浦が見たら、激怒して止められるだろうさ。『独善で突っ走らないことを説いた菊地先生が、どうしてそんなことをするんだ』ってな」

吐き捨てるような言葉。
ああ、そりゃあ怒るだろうなと思いつつ、しかし怒らせていることが何故かたいそう小気味よかった。
なぜ、菊池に苛立つのかがよく分からない。白井との喧嘩ではあるまいし、この状況下で争ったところで誰も得をしないのに。

「殺人鬼――ねぇ。じゃあ菊地から見て、俺も殺人鬼になるのか?」
「殺したかどうかじゃなくて、在り方の問題だよ。
たしかに俺は平和ボケした日本人として15年生きてきたけど、『殺さなきゃ殺される』って時に、考え抜いた上で殺すことを否定するつもりはなかったんだ。
極端な話、たとえ『死にたくないから殺し合いに乗ります』って考えだったとしてもな。
そういうやつらを殺人鬼呼ばわりするほど、冷たい人間にはなりたくないんだ」

最初から殺すことを否定していたわけじゃなかった。
その言葉は七原にとっては意外だったし、そこに関しては悪くない思いがした。
少なくともこの場所では、ずっと見えないところでも『お前は間違っている』と言われ続けていた気がしたから。


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