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中学生バトルロワイアル part6

429ぼくらのメジャースプーン ◆j1I31zelYA:2014/11/30(日) 17:11:11 ID:nKJI5gdQ0
学生の日常では当たり前に行われているアドレス交換だけれど、この場においては『生き延びる確率をあげるため』という目的の元に行われる行為だった。

「じゃあ連絡手段も確保できたことだし、問題のメールについて話そうか」

携帯を握りしめた全員の顔が、その言葉で引き締まった。
雪輝と綾波が、メールを受信した己の携帯を見つめる。
放送のコール音と同時に送られてきた『天使メール』なる文書は、杉浦綾乃という少女がデパートで相馬光子と御手洗潔に襲われているというものだった。

「このメールを送ったのが杉浦さん本人だという証拠はないけれど、『御手洗潔はおそらく殺し合いに乗っている』という情報を浦飯君からも確認しているし、まずはある程度の信憑性があると見て進めるよ」

ちなみに雪輝に送られてきたメールをすかさずチェックしたのは秋瀬であり、雪輝自身はまだそのメールの本文を読んですらいない。
杉浦綾乃の居場所を雪輝が目にしてしまえば、雪輝に関わる予知をする『雪輝日記』が反応して、我妻由乃にその場所を把握されてしまうためだ。
雪輝のいる場所で会話する上でも、その場所を突き止められないように『デパート』の名前は極力出さないようにしている。

「おそらく、菊地善人君とはまだ合流できていないようだね。
合流した後に襲撃されたとすれば、救援メッセージは彼ら三人の連盟で送信するはずだ。その方が情報の信頼度を上げられる」

どちらかと言えば越前と綾波の二人に対して、秋瀬は言った。
二人とも無表情であるはずなのに、どちらも同じく『助けに行きたい』と顔に出ている。
越前にいたっては(さすがに放送を聞いてから気持ちを切り替えた)、『もう問題ありません』とアピールするように車椅子から立っていた。
彼等にとって一度は友好的に接触した人物であり、しかもそれは碇シンジと行動をともにしていた少女であり、彼の最期に立ち会ったうちの一人でもある。
まして、菊地善人が『杉浦や植木をつれて合流する』と言って別れた後にこのようなメールが届いた時点で、彼等を心配させるには十分だと言えた。

しかし、安易に『では急いで助けに行きましょう』というわけにもいかない。

「ぼくらの行動は『雪輝日記』を通して我妻さんにも知られている。
我妻さんがぼくらの後を追って戦闘の現場にやってくる可能性は高い」

却って敵を増やしてしまうリスク……最悪、乱戦になったところを我妻由乃の襲撃で一網打尽にされる危険は十分にあった。

「こっちは車があるし、由乃が追いつくまでには時間がかかるんじゃないのかな?」
「さっきの戦闘からしばらく時間が立っているし、移動時間はアテにならないと思う。
売店に充電器がなかったから、レーダーもまだ使えないしね」

こちらのレーダーが機能せず『雪輝日記』が動いている現状では、未だ我妻由乃の側に主導権があることも否めない。
放送前の戦闘では、諸条件が重なって『退いた方が賢明かもしれない』と思わせることができたからこそ、撤退させることができたに過ぎない。


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