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中学生バトルロワイアル part6
39
:
中学生日記 〜未完成ストライド〜
◆j1I31zelYA
:2013/12/05(木) 23:10:12 ID:plMkkY2g0
「遠山君のことは、さっき聞いていたね。
跡部君とは、直接に出会っていないよ。
ただ、いちど遠山君たちと別れて間もないころに、彼の話を聞いた」
神崎麗美と、出会った。
その名前を出されて、越前の肩がぴくりと上下する。
カチリ、と周回を刻む音。
「時間から言って、君たちと神崎さんが別れた後、そして学校で雪輝君たちと接触する間のことだね」
秋瀬或に対して神崎麗美が言ったことはは簡略に説明されたけれど、およそ天野雪輝や越前らに話したことと同じベクトルの言葉だった。
ただ、新しく分かったのは、跡部景吾が首輪のことを調べて、それを手がかりとして残していたということ。
「腑に落ちないと言えば、首輪を透視して内部構造を調べたとか言っていたことだけれど……」
「跡部さんなら、できるから」
「君や遠山君を見た後では、『そういう世界なんだ』と思うしかないようだね」
左手親指でカチリと数取器をカウントして、人差し指と薬指で、補修されたメモ書きを持ち上げる。
そこには、診察室で待機する間に書き残したらしい秋瀬の手によるメモ書きも数枚加えられていた。
メモ用紙の下には、ツインタワービルから高坂が持ち出して、綾波が手渡した『未来日記計画』の書類も置かれている。
「彼女は少なくとも、跡部君たちと仲良くやっていたようだね。
メモを完全には処分しきれなかったのも、だからこそだと思う」
雪輝君まで煽ったことに腹が立たないでもないけれど、元をたどれば我妻さんのせいでもあると、走る少年を見て言った。
「でも、最後に菊地君といた時は、安らかだった……」
秋瀬にもすでに伝えたことを、綾波は口にする。
「そうらしいね。僕たちには伸ばせなかった手を、その少年は伸ばしたんだとか」
「あの時……」
言いかけて、越前は言葉を止める。
信じてもらえるか自信がないように躊躇い、顔を伏せて。
「あの人の声で、『助けて』って言われた気がした……」
「私にも、聞こえた。たぶん高坂君にも」
「なら、君たちは間に合ったということだよ」
「そうかな……」
越前の声は、彼らしくもなく自信がなさそうだった。
あったかもしれない和解が目の前で消えたことに、まだ思うことを残しているのかもしれない。
話を締めくくるように、秋瀬が続く経緯を話した。
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