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中学生バトルロワイアル part6

2217th Direction 〜わたしたちの■■■部〜  ◆j1I31zelYA:2014/05/14(水) 23:24:43 ID:xbfq8oaU0
本当は、レナたちのことだって信じてほしいけれど。
それを教えてやる時間は、もらえそうにないから。
せめて、『帰る場所がない』なんてこと絶対にないって、伝えたい。
時間がないと言えば、七原さんにだって結局、言えないことがたくさんあった。
せめて黒子やレナが、代わりに言ってくれるといい。
人より苦労している分だけ物を知っているんだと自己完結したひねくれ者の先輩に、言いたいことを言ってやれ。

言いたいこと。
ろれつだって回っているか怪しいし、声に伴う呼吸がヒィヒィと掠れて痛い。
でも、せめて、あと一言ぐらいはがんばろう。

「じぶんを、しんじて」

どうにか、噛まずに言えた。





「おい」

まだ体温が残る手を、『切原赤也』は握り返す。
ぬくもりを与えてくれた、名も知らぬ少女へと呼びかける。

「なぁ、起きろよ」

すがるように呼びかけて、呼び止めて。
しかし、その安らかな顔へと怒鳴りつけることはできない。
ほかならぬ自分自身が、その命を摘みとってしまったのだから。

「起きて、くれよぉ……」

研究所に仕留めそこねた獲物がいることさえ、すでに意識から抜け落ちていて。
ただ、もうひとりの『人間(じぶん)』を喪った痛みに、身を折った。
のばしたその手は、たしかに届いていて。
しかし触れ合った直後に、掴みそこねて引き離される。

遺体にかかっていた旗が風でそよめいた。
半ば引き剥がされるようにパタパタとなびく。
その動きを目で追った悪魔は、視線を向けた先に別の発見をした。

「え…………」


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