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中学生バトルロワイアル part6

135狂気沈殿  ◆j1I31zelYA:2014/04/25(金) 00:33:50 ID:g6gu0fQk0

「思い出せなかったらその時は仕方ない……ぐらいの試みじゃったがの。
たとえ殺し合いの最中に死んでも、デウスのように『核』だけを残して取り込むことはできる」
「だったら、もう『神様』はユッキーを始末すばいいじゃない。
『神様』がたった中学生四人に返り討ちに遭うはずもないでしょう?」

そうしてくれた方が手間がはぶけると、言ってみた。
しかしムルムルは球体にねそべりながら、つまらなそうに否定する。

「そうは言うが、ゲーム会場に入るためには、いったんATフィールド……会場の封鎖を解かなければならんからの。よっぽどの非常事態でなければできんことじゃ。
それに使い魔の中でもワシだけは会場に潜り込んでおるが、連絡役以上の役目は与えられておらんのでな。」

それに、運営から直接にゲームの進行に関わってはならんというお達しもある、と付け加えた。
先ほどは雪輝ならば奇跡を起こすかもしれないと言っていた割に、その雪輝を泳がせてまでも、殺し合いのルールを優先するらしい。
よほど殺し合いが破綻しないことに自信でもあるのか……それとも、『参加者同士』で殺し合わせることに重要な意味があるのか。
どちらにせよ大事なのは、その意向を利用して由乃自身がどう立ち回るかだ。

「なら、お前は何をしにきたの?
私に『核を回収したいからユッキーを殺してくれ』とでも頼むつもり?」
「それは『馬に蹴られる』というものじゃろう。そもそもお主が『雪輝日記』を持っておる以上、対決は避けられんはずじゃ」

少し違う、と由乃は思った。
その言葉は、深く愛し合っている男女に対して使う言葉のはずだ。

「先にも言ったように、儂は選択肢を与えるだけで、自ら未来を動かすことはない。
しかし、たとえばの話じゃが、雪輝がすべてを思い出したタイミングで、お主がこの『ツインタワー』にやってきた。
支給されたパンより栄養価の高い食事を求めてレストランを目指したのかもしれんし、
休息するなら地の利がある場所がいいと思ったのかもしれん。
もしかしたら、見慣れたビルが会場にあることに興味を示し、軽く探索するぐらいのことはするかもしれん。
順番は前後するじゃろうが、『雪輝日記』をチェックしてあやつの決意を知ったお主は、それがどんな感情であれ、苦々しく思うかもしれん。
ここまでくれば、お主が自力で『新たな力』を探り当てたとしても、何ら不思議はないということじゃ」

読めた。
相応の見返りを、用意してあるということか。


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