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新西尾維新バトルロワイアルpart6
761
:
おしまいの安息(最後の手段)
◆xR8DbSLW.w
:2021/06/13(日) 01:48:04 ID:a7794f6M0
「…………」
先程、禊さんは勝ちました。黒神めだかに、念願の相手に。詭弁であれ、奇策であれ、勝ちは勝ち。幼き混沌が掴む勝利としてはふさわしい、むなしくも誇らしい勝利を得ました。
故に、でしょうか。禊さんの士気が著しく低下している、ように見えるのは。彼は大嘘吐きですから気のせいかもしれません。念願の勝利を掴んで次なる目標を失ったというならば気の毒かもしれません。――いえ、いえ。
「それも戯言、ですか」
誰よりも弱いからこそ、厭世の念に埋まるように浸かっていたからこそ、誰よりも現実を省みず、現実味がなく、夢みがちで少年のような精神を持ち合わせていたはずのあなたが、あれなる勝利で満足する道理はありますまい。週刊少年ジャンプなる絵巻ような現実を切望していたからこそ、あの結末に絶望していたのに。
そもそも禊さんの記憶は、他ならぬわたしが封印しているというのに、勝利の記憶も何もないだろう。
「殊の外、深く螺子が刺さっておいでで」
だとしたら、やはり原因は黒神めだかということになるでしょう。彼女との果たし合いを望んでいた時のあなたは、それはもう思春期のように――思春期相応にうきうきとした様子でしたのに。わかってはいたことだ。これもまた、他ならぬわたしが言ったことですから。
「あなたは黒神めだかに縛られています」
いや、黒神めだかの亡き今、――無き今あなたを縛るものなどないというのに。だとしたら、もはや自縄自縛と言う他にないでしょう。目標を、目的を、黒神めだかの打倒のみに据えてしまった、あなたの間違い。勝てば良かったはずなのに、踏み外してしまった過ち。唯一の人間性を失って、何をどうしたいのか。それを導くのが良いのか、悪いのか。
「いっしょにだめになる。ええ、ええ」
想いを違えることはありませんとも。
眠る球磨川の髪をあやすように梳く。本当に幼児のような寝顔だ。閉じた瞼の裏にあるのは、あの底知れない闇のような瞳なのでしょうか。はたまた、底抜けの空虚だとでもいうのでしょうか。今、禊さんは何を見つめているのでしょう。もはや人と決して分かり合えない、混沌の子。球磨川禊さん。
わたしは――。
◇
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「■■■■■■■■■■■■」
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