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新西尾維新バトルロワイアルpart6

758おしまいの安息(最後の手段) ◆xR8DbSLW.w:2021/06/13(日) 01:44:08 ID:a7794f6M0

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 鑢七花――真庭蝙蝠に拾われたあの人物を七花とあえて呼ぶならば――彼の惨状たるや、口にするのも憚られるほど極まっているが、しかし、しかし。改めて考えてみると奇妙な点もある。『混沌よりも這い寄る混沌』球磨川禊と、『天災』鑢七実の複合体が奇妙でないわけがないが、それを踏まえても――なぜ、鑢七花は眠っていた?
 刀が人を斬った代償としてはあまりにも大きい代償を負い、仕合に負けて、不貞腐れていた。不貞寝し、腐っていたのも、間違いない事実ではあろう。一方で、『誰の心境』が、そうさせていたのか。これも質さなければならないことだ。
 鑢七実の性質か――いや、いや。さながら死体が生命を得てしまったような、押したら崩れてしまいそうなほど儚げな七実ではあるが、彼女はその実、目的意識の塊だ。かつて、七花に七花八裂の脆弱性を指摘するために島から出たことも、七花を研ぎ直すための場をわざわざ設けたことも、七実の機能性を象徴している。今この場における刀としての彼女の行動など言わずもがなだ。彼女が刀――道具であればこそ、己が機能、目的を果たさんとするのは必然とも言える。
 では誰だ。決まっている。『却本作り』の出自を辿れば、球磨川禊しかあり得まい。
 しかしそれこそ本来はあるはずがないのだ。負け戦なら百戦錬磨、敗北すること一騎当千、そして、立ち上がること無二無三。たかだか致命的な挫折ぐらいで不貞腐れるなど、矛盾と言わず何という。

「■■■、■■■■■■■■■■■■」

 かつて、あるいは未来。『彼女』は言った。生徒会戦挙の会長戦。『人間比べ』のその果てにて。『彼女』は問うた。球磨川禊の負けても這い上がる姿について、負けてなお、立ち上がる球磨川禊の『強さ』について。『彼女』は説いた。球磨川禊が、弱くも果てしなく強かだからこそ、『却本作り』に制されてなお、立ち上がれるのだと。
 では、鑢七花は?
彼が立ち上がれなかった理由とはなんだ?
そして、『とがめ』という新たな『拠り所』を見つけた彼が曲がりなりにも――刀身も刀心も折れてなお、立ち上がれた理由とはなんだ?


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