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少女漫画キャラバトルロワイアル 第二巻

64激走! トマランナー! ◆F9bPzQUFL.:2013/10/10(木) 00:57:19 ID:lhe/urCI0



しばらくして。
森田とよい子のみんな達は火事の現場から大きく離れることには成功した。
――――森田の体力という(すぐに蘇る)犠牲を伴って。
全身から噴き出している汗、上半身全てを動かして行われる呼吸。
「はーっ……はーっ……あ"あ"あ"あ"疲れたぁぁぁぁ!!」
最後に、叫び。
言ってしまえば40〜50kgを片手ずつに抱えて全力疾走したのだ。
本物の火事から逃げるために必死になっていたために、いろいろとトんで居たが、落ち着いてみればそれらが瞬時にのしかかってくる。
ばたりと倒れ込んだ森田はぴくりとも動く気配を見せない。
「あ、あの」
「ごめん無理会話する気力もない今から寝るから後で起こして」
「えっ」
声をかけようとした紗南の言葉を遮り、一息で吐いた言葉を皮切りに気絶した。
その間、コンマ数秒。
「何なの、この人……」
「さ、さあ……」
あまりの事態に何がどうなっていて、何をどうすべきなのか分からずにいる二人。
けれどまあ、このままほったらかしにしておく訳にも行かないし、亢宿の傷の手当てもある、ということでその場に残ることにした。

気がつけば、足が震えている。
怖い、怖いのだ。
先ほど直面した、死の恐怖。
初めて味わう感覚が、こんなにも怖いものだなんて。

……また、あれを味わう羽目になるのだろうか。

この場所には、人を殺すことを何とも思わない人間がいる。
それを、証明されてしまった以上、可能性は0ではなく、寧ろ100に近い。
次、その場面に立ち会ったとき。

自分は、どうするのだろう。

ただ、一つ言えるのは。
「紗南」
隣にいてくれる、彼は。
「大丈夫」
今この場で、自分にとって唯一頼れる支えであるという、こと。

そう、まだ、前を向ける。

怖くは、ない。

聞こえないように小さくつぶやき、自分に少しだけ強く、言い聞かせた。


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