[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
| |
LOVEー TA ATー
1
:
名無しさん
:2015/12/20(日) 15:12:10 ID:EUpGzCO.
TA、AT中心
一族は詳しくないので14人くらいしか出てきません。
36
:
ごんべ
:2015/12/29(火) 16:49:14 ID:???
「敬浩」
しばらくそんな様子を見つめていたけど、そっとまた敬浩のそばに寄る。
「篤志さん…」
敬浩がここまで動揺するのは、なにも3人がいなくなるからって、だけじゃない。
ヒロさんを見送って…、そして今度は3人がいなくなる…。
その先に見えるもの、すべてがいま、不安となって押し寄せてるんだと思う。
「俺…いやです」
「…そうだね」
俺もすごく寂しい。
デビューから、全く売れなかったあの頃から一緒にがんばってきた創成期の仲間が、とうとういなくなる。
すごく不安だし、悲しい。
だけど意外と落ち着いているのは…、俊ちゃんという、かつての相方を失った時の絶望をまだ、覚えているから、かな。
「よぼよぼでも、いいじゃないですか」
「ちょ、まだまだ踊れますから!」
まるで敬浩の老人扱いな発言に突っ込むマキさん。
「じゃあ辞めないで」
「や、だからね」
「嫌だ」
まるで幼児の駄々みたいで…怒れないワガママに、困る面々。
「俺らがさ」
まっちゃんがそんな中、敬浩を諭すように口を開いた。
「まつさ…」
「俺らが、若いメンバーたちの、足を引っ張っちゃ、絶対いけないの」
「………」
「いま踊れるからじゃ、だめなんだよ、敬浩」
そんなことは、わかってるんだよね、敬浩も。
「俺らが体力的にパフォーマンスの質を落とすようじゃ、だめなんだよ」
これは、うっさん。
「………」
「かっこいい俺たちのままでいさせてよ、敬浩」
そして、マキさん。
ベストなパフォーマンスができるうちに、最高のダンスができる状態で、仲間に…頼もしい後輩に託したい。
それが、ヒロさんや、マキさんたちが出した結論だった。
「……わかってる、つもりだけど」
「うん…?」
「かっこ悪くても…、一緒に消えた方がいい…」
敬浩の本音を、初めて聞いた気がする。
敬浩が憧れてくれていたかつての俺たちはもう、いない。
姿を変えて、あり方を常に変えて俺たちは走り続けてきた。
その変化の真ん中にいた敬浩が、これを言うのはどれほどの勇気がいっただろう。
「俺も一緒に……」
一緒に、最後を共にしたい。
俺も何度も飲み込んできた言葉。
節目の度に、これでいいのかと、自問自答し続けてた。
「俺を置いていく気?」
俺の言葉に、はっとしたように顔を上げる敬浩。
「篤志さん」
「俺は歌い続けるよ…ここで」
「篤志さん……」
「もう、後戻りはできない」
何度も後悔しながら、泣きながらも選んだ道だから、俺はEXでいることを決めた。
いま、敬浩がその覚悟を決める時。
「……俺を、捨てる?」
敬浩の答えは分かってる。
俺と歌うことが、夢そのものだと言った敬浩。
「できるわけ…っ」
「一緒に歌おう。これからも…ずっと」
俺は、敬浩を置いていかない。
ねえ、敬浩?
本当はこれも不安だったんでしょ?
変わっていく自分たちの中で、俺もいつか、いなくなるんじゃないかって。
「篤志さん」
37
:
ごんべ
:2015/12/29(火) 16:50:08 ID:???
俺も何度も絶望の淵に飲まれそうになった。
俊ちゃんを失って、なんでおれだけ残されたのかって、悲しかった。
ずっと一緒に歌いたかった。
だけど…新しい相方を、探す道を選んだ。
初めは、流されてたのかもしれない。
だけど…結果として、俺は君と出会った。
絶望の果てに…、眩しい光をみつけた。
だからかな…、いまは確かに不安でくじけそうになるけど、乗り越えられるって信じられるんだ。
君となら。
「後ろを見て、敬浩」
「え…」
たくさんの、仲間がいる。
「横を見てよ、敬浩」
俺が、そこにいる。
「はい…」
「…ごめんなさい。取り乱しました」
そう言って、3人…それから、周りを囲んでいたメンバーに頭を下げた敬浩。
その瞳には、また新たな決意が篭っていた。
一つ一つ、こうして乗り越えて、強くなっていく絆。
「敬浩」
とそこに、静かに状況を見守っていたヒロさんが、ようやく声をかける。
「ヒロさん…?」
「お前、俺の時はそんな泣かなかったよなぁ?!」
冗談半分、本気半分のヒロさんに、笑いが起きる。
「や、それはっ」
焦る敬浩。
「それは、なんだよ!」
「だってヒロさんは社長だし!」
絶対、いなくならないじゃん…と、小声で続ける敬浩。
それだけ?
「それに…」
「ん?」
俺にはなんとなく言いたいことが、分かるけどさすがに敬浩には言えないだろうし、俺もこんなことでもなかったらとても言えないから、代弁ってことで。
「全ての、元凶だし?」
「あっ篤志さん!」
「篤志……?」
引きつるヒロさんに、蒼白になる敬浩。固まるメンバーたち。
まあね、尊敬するヒロさんだけど、いつだって悩みの種を蒔いてくれる張本人でもある訳で。
「……やだなぁ、冗談ですよ」
「そうかぁ?!」
感謝してるよ。
結果としてはね。
ヒロさんが拾ってくれたから、俺はボーカリストになれた。
ヒロさんの作った方向性で、俊ちゃんとは別れることになったけど、敬浩に出会えた。
二代目と合体するっていう時、反対して…それでも前だけを向いていたこの人に…独立さえ考えたこともあったけど、でも結局は素晴らしい仲間に出会えた。
でもその度に、泣かされて来たのも事実でさ。
ちょっとくらい、いいよね?
「でたー。天然爆弾」
「ヒロさん、ドンマイ!」
「あっちゃん怖いわー」
まあ。可愛い俺の相方を泣かせてくれちゃったんだから、これくらいはね。
38
:
ごんべ
:2015/12/29(火) 16:51:12 ID:???
「と、とにかくさ」
落ち込むヒロさんは放置してマキさんが敬浩に話しかける。
自然と上目遣いでじっとみつめる敬浩。それ可愛いから俺以外にやっちゃだめ。って言える空気じゃ…ないね。
「パフォーマーはやめるけど、ヒロさんみたく俺らはずっとEXの一員だし」
「そうそう」
「……はい」
「寂しい時は、呼べば飛んでくし」
「そうそう、暇になるし、余裕」
「……うん」
「篤志に虐められたら、俺が叱ってやるから」
虐めないから!
ちゃかすマキさんにようやく敬浩が笑顔を見せる。
ほっとする一同だけど、俺はちょっと面白くない。
「…マキさん、うささん、マツさん」
ゆっくりと、3人の顔を見つめながら名前を呼んだ敬浩に、頷く3人。
「大好きです。これからも…ずっと」
そう言って、やっと敬浩は俺が大好きな満開の笑顔になった。
「…可愛い!!」
「もー、可愛い!」
「連れて帰りたいっ!」
口々にいう先輩たちに、照れたような笑みを浮かべる敬浩は、デビューしたての頃の敬浩を見てるみたいで、微笑ましい気持ちになったけど。
「だめ! 敬浩は、俺の!」
いつまでも貸してはおけません!
3人から奪うように抱きしめると、口々にケチだの、バカだの罵られる。
こんなバカ騒ぎはきっと、ステージには乗らないけれど、ずっと続いて行くだろう。
出会った人全ての笑顔と、涙を胸に、歌い続けて行こう……そう、君と。
end
39
:
ごんべ
:2015/12/29(火) 16:53:12 ID:???
>>35-38
別れの時 始まりの時
あとがき
私は特に2章のファンです。
だからオリメンの3人の勇退は、本当に本当に寂しくて、3人のいないステージを見たくないという気持ちが強いです。
Tくんに代弁してもらう形でお話を書いてみました。
中々お話のようにすぐに前向きになれるもんでもないですしぶっちゃければHさんには文句たらたらだし、変化なんて欠片も望んでないです(笑)
でも大好きなATの歌が続く限り、見届けていきたいと思います。
40
:
名無しさん
:2015/12/29(火) 21:26:13 ID:???
同じ想いの人がいて嬉しい!
泣きながら読みました
これからもごんべ様のペースで書いていただけたらと思います
楽しみにしてます
41
:
名無しさん
:2015/12/30(水) 19:09:07 ID:???
ごんべ様
たくさん更新ありがとうございます
私はもともとATなんですが
最近のTを見ているとスッカリ頼もしくなってTAも良いなと思ったりもします
でもやっぱり末っ子の仔犬Tが可愛くていいです
これからもお話し楽しみにしてます
42
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 08:38:29 ID:???
あけましておめでとうございます。
年末から始めたスレですが、今年もよろしくお願いします!
>>40
様
コメントありがとうございます!
泣きながら読んでいただいだとか。嬉しいです。本当に寂しいですよね。Tも日誌を更新してくれてましたが、なんとか前向きに、応援して行きたいですね!
>>41
様
コメントありがとうございます!
私も最初はATにはまりました。普通リバは受け付けないんですが、TAはごく普通にあるな!って感じでハマりました。最近はリアルにはTAの方がイメージ近かったりするんですが、やっぱりどっちも大好きなので両方とも気が向いた方(笑)を更新していきます!
43
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:00:08 ID:???
渇望
ーTAーR18
篤志さんと恋人になって、一週間程が過ぎた。
そりゃもう毎日いちゃいちゃして甘い一週間を………って!!!
「なんでっ?!!」
「敬浩、うっさい」
マキさんの冷たいツッコミが胸に刺さる。
そう、いちゃいちゃするどころか、まともに顔を合わせてすら、いないんです。
「マキさんとはスケジュール合うのに…」
相方であるはずの、篤志さんと合わないなんて…ひどすぎる。
「ねー」
「会いたい…」
「会いにいけばー」
行きたいのは山々だけど、何度電話しても、忙しい、の一言。
ソロのレコーディングが佳境に入ってるらしくて、ライブの準備含め、本当に洒落にならないくらい、忙しいみたい。
俺は俺でそれなりに詰まってるから、せっかく仕事の合間に篤志さんから電話がきても、出れなかったりで、超すれ違い。
「おかしくないですか?! 新婚なのに!!」
「知らねぇよ」
そりゃそう。マキさんは全然悪くない。はっきり言って、八つ当たり。
と、そこで篤志さんからの着信が入る。
!!!!
焦ってスマホを操作する指が滑っちゃって、中々電話に出られなかった。
そんな俺をにやにや面白がるようにみるマキさん。
44
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:01:05 ID:???
「はい! 敬浩です!!」
思わず大声で出てしまって、隣にいたマキさんが顔を顰めてる。
電話の向こうにいる篤志さんも、びっくりしたように動きが止まったのか、返事が一瞬遅れた。
『いま…平気だった?』
耳をくすぐる、篤志さんの甘い声。穏やかで、優しい響きに安心する。
「はい! 全然だいじょう」
ぶ、を言う寸前。
無情に響くノックの音。
「本番お願いしまーす」
うっそだろぉ?!!!
『……忙しそう、だね』
篤志さんにも聞こえたのか、苦笑いしてるのが、気配でわかった。
がっくりなる俺の肩をポンポン叩いたマキさんが、スタッフさんに返事をしている。
「篤志さーん」
『敬浩』
「はい…」
寂しいです。
『マネージャーに鍵預けておいたから』
「…え?」
『俺の部屋で、待ってて。遅くなると思うけど……いい?』
しゃーーーー!きたこれ!
「はい! もう、余裕で待ってます!!」
夜中でも明け方でもいい子で待ってる!
「敬浩! 早く!」
空気よまないマキさんに促されて、俺は渋々通話を切った。
正直気分は乗らないけど、仕事は仕事。自分の頬を叩いて気合を入れ直して、マキさんと2人、スタジオに向かった。
45
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:02:01 ID:???
「お邪魔しまーす」
篤志さん、なんて言って鍵、預けたのかな?
相方とはいえ、留守宅に俺を入れるって、変に思われなかったのか気になるけど…まあ、ばれたらばれたでいっか。
「いい匂い」
篤志さんの部屋は、本人に負けないくらいいい匂いがする。
久しぶりに訪れた部屋には、見慣れない飾りやなんかが、増えていた。
部屋の入り口にある神棚…?的な場所にまずは挨拶をする。
えーと、どうしよ。
人の部屋でできることもそんなになく。
食材は買い込んで来たけど、すごく綺麗にされてるキッチンを勝手に使ってもいいものか…。
でも篤志さんに栄養のあるものを食べて欲しくて、俺は日持ちのする常備食を何種類か作ることにした。
アプリでレシピを調べて、健康にも良さそうなおかずを何点か調べてきたんだ。
朝ごはんには、疲れてる篤志さんの胃に負担を掛けないように、中華粥にしようと思って、専門店でいろいろ揃えてきた。
「遅いなあ」
とっくに料理も終わって、ぼんやりソファに座って時計を見上げると、もう夜の12時を回っていた。
暇で、鞄からノートを取り出して作詞をする。
それからさらに2時間は経った頃、ようやく玄関の方で音がした。
「篤志さん! おかえりさない!」
満面の笑み、それから篤志さんに向って両手を広げて迎えると、ふにゃっと笑った篤志さんが、素直に胸に抱きついてきた。
「ただい…ま……」
………ん?
すやぁ、って聞こえる気がする。
抱きついてるっていうか、完全によっかかってる、だけ…?
「そんな……っ」
大声で叫びたい心境だったけど、疲れ切ったように寝息を立てる篤志さんを見てたら、とても起こす気にはなれなかった。
ベッドに運んで、布団を掛けると、居心地が良くなったからか篤志さんの表情が緩んだ。
「お疲れ様でした」
小声で、声を掛ける。
げっそりしちゃってる…、顔色も良くないし…。
ご飯食べられなかったのって、別に俺への恋煩いって訳じゃなくて、物理的に食べる余裕がなかっただけだったりして。
はぁ…。
すやすや眠る篤志さんの寝顔をこっそりと携帯で撮って、そっと薄い唇に、口付けた。
「…おやすみなさい」
篤志さんの寝顔に囁いて、寝室を後にした。
「あーあ、今夜こそは!って思ってたのになぁ」
部屋に来てって、当然期待するじゃん?
46
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:03:10 ID:???
大切にしようって、思ってるから寝込みを襲ったりはしない。
でも、ちょっとくらい、悪戯してもいい…よね?
寝苦しいでしょって、言い訳をしながら、篤志さんの服を脱がせて行く。
疲れもあって、完全に熟睡してる篤志さんは起きる気配もない。
「………えろ」
完全に服を取り去ってみたら、目の前にいるのはすっぽんぽんの篤志さん。
無駄な贅肉なんてついてなくて、しなやかな筋肉の褐色の肌は艶やかで……胸のタトゥーには神聖ささえ、感じる。
なんつー、フェロモンだだもれの身体してんの。
まあさ、見たことなかった訳じゃないよ。篤志さん脱ぎたがりだり、銭湯行ったり、してたし。
でも……ごくり。
改まって恋人同士って関係になってみて今更ながら、ものすごくこの身体が、エロく感じた。
「さむ……」
あ。
ついつい見惚れてたけど、布団を剥いでる状態だったから、篤志さんは寝言みたいにつぶやいて丸くなった。
ごめんね、って心の中でつぶやいてまた布団を掛けた。
さ。俺もシャワー借りてこよう。
汗臭い、なんて思われたくないもんね。
勝手に篤志さんの部屋のシャワーを借りて、俺もすっぽんぽんのまま篤志さんの眠るベッドに向かう。
そっと篤志さんの隣に潜り込むと、無意識にすり寄ってくる篤志さん。
……なんか、人と寝るの、慣れてない?!
って少し焦るけど、やめたやめた。
疑心暗鬼になったって、仕方ない。
「さて」
そっとまた布団を捲り……。
俺は篤志さんの肌に唇を寄せた。
首筋、鎖骨、胸、脇腹、太ももに、内腿、ふくらはぎまで。
理性と超戦いながら俺は篤志さんの綺麗な肌に吸いついた。
「うーわっ、もっとエロっ」
思わず普通の音量でつぶやいちゃって、慌てて口をふさぐ。
褐色の肌に、赤い印。これくらい、許してよね、篤志さん。
その後は、裸の胸に篤志さんを抱き寄せて、悶々としながらも、いつの間にか眠ってしまっていた。
翌朝。
もぞもぞと動く気配がして目が覚めた。
篤志さん…起きた?
おはよ、って言いかけて、昨夜のいたずらを思い出す。
あぶないあぶない、寝たふりしなきゃ。
「ん……」
47
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:04:06 ID:???
篤志さんはまだ寝ぼけてるみたいで、裸だってことにもまだ、気づいていない様子。
薄目で見て見ても、むくりと起きたがった後はぼーっとしたように、目元を擦っている。
「ふぁ……、え……あれ、敬浩?」
隣で眠る(振り)の俺をみて、きょとんとしている篤志さん。
昨夜俺を呼んだことさえ、わすれてる?
「……ぇ、おれ、裸…?」
少しずつ、声に焦りの色が滲み出して、にやけそうになるのを堪えた。
「え、ちょ…え、敬浩…」
そっと篤志さんの手が動き、布団をめくる。
冷たい空気が入って来た。
「わっ!!」
ふふ、驚いてる驚いてる。
朝起きて、隣でまっぱの俺が寝てたら、そりゃびっくりするよね。
「え、うそ、なに? 」
篤志さんは、すっかり動揺してるみたいで、自分の身体を確かめるみたいにぺちぺち叩く音が聞こえてくる。
そして、そっとベッドから抜け出す篤志さん。
後姿を見ていたら、均整のとれた綺麗な身体にどきっとした。
キスマークには、いつ気づくかな…って期待して耳を澄ませる俺。
「わっ!! なにこれ!!!」
遠くに聞こえる篤志さんの叫び。
見つけた、かな。俺の愛の証……もとい、悪戯。
音を立てないように、ベッドを降りて洗面所にいるだろう、篤志さんの元に向かった。
ドアは開いていたから、音を立てずに浸入することができた。
鏡越しに目が合って、驚きで目を丸くしている篤志さんを、後ろから抱きしめる。
「……ッ、たかひろ…」
紅くなった目尻がセクシーだよ、篤志さん。
ぎゅっと抱きしめて、耳元に唇を寄せる。
「おはよ、篤志さん」
「お、おはよう。あ、あの…俺、昨日」
状況が飲み込めない篤志さんは挨拶はかえすものの、キョロキョロ鏡の中の自分と俺を交互に見てる。
「昨夜は…素敵でした」
鏡越しに微笑んでみせて、そのまま耳たぶを甘噛みする。
「……ッぁ…」
!!!
なにこの可愛い反応!
敏感すぎやしませんか?
って内心焦りながらも、がんばって余裕の笑みを浮かべ続ける。
「えっ! ……昨日、……したの?」
したかどうかなんて、身体で分かりそうなもんだけど、身体中に散ったキスマークと、動揺からまだ冷静な判断ができないらしい篤志さん。
俺はそれには答えずに、ただ意味深に笑ってみせた。
「うそぉ……」
48
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:05:08 ID:???
何度も何度もうそぉって呟く篤志さんにとうとう耐えられなくなって、ふきだす俺。
「敬浩?!」
「あ…」
しまった。って舌を出すと、むっとにらまれてしまった。
「嘘ついたの?!」
「やだなぁ、嘘なんて吐いてませんよ」
俺はエッチしたとは言ってないもんね。
素っ裸で赤いキスマークを全身に散らされた篤志さんは、そりゃもう素敵だった。
うん、全然嘘じゃないじゃんね?
「……バカヒロっ!!」
いてっ。
軽く頭を小突いかれてそこをおさえる。真っ赤になってちょっと泣きそうになってる篤志さんに少し罪悪感が湧いてきた。
「…ごめんなさい」
「……もう、いいから服着てよ」
あ。まだ2人ともまっぱでしたね。
「えー」
「えー、じゃない! 出てって!」
背中を押されて、洗面所から追い出される。
あ、でも。
「俺の服、そこに…」
昨夜シャワー借りて、そのままそこに畳んで置いてある。
「え? あ…」
しばらくの間の後ドアが開き、隙間から俺の服が投げ出された。
ひどい扱いに笑えてくる。
「笑うな!」
「あー、はいはい」
「ハイは一回!」
「はーい」
なんて、言葉でじゃれ合いながら、いい加減寒いし、言われた通り服を着る。
「服…着た?」
「はい、着ましたよ」
俺の返事を待ってから、篤志さんは顔を出した。あれ?
腰にバスタオル巻いてるだけ。
「……もう1回、脱ぎましょうか?」
誘ってんの?
って目でからかうと、むっとなった篤志さんに小突かれる。
「服、寝室だもん」
あ、そうか。
49
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:05:53 ID:???
俺の横を通り過ぎて、寝室に向かおうとした篤志さんを呼び止める。
「篤志さん」
「なに…?」
まだ警戒してる。なんか猫みたいだな、って思った。
「キッチン、借りますね」
「? うん」
不思議そうにしながらも、そのまま寝室に向かう篤志さんを見送ってからとりあえずコーヒーを淹れることにした。
昨日キッチンの配置は見させて貰ったし、もうだいたい使い方もわかった。
ちょうどコーヒーが淹れ終わった頃、篤志さんが顔を出した。
「いい匂い」
「ちょうど入りましたよ。向こうで飲もう」
そう言って微笑むと、嬉しそうな笑顔が返ってきた。
「うん…ありがと」
「どうぞ。哲也くんのようにはいかないですけど」
ソファに並んで座って、篤志さんにマグカップを渡す。
「ありがとう、いただきます」
ふーって息で冷ます姿に、なんだか見惚れてしまった。
「な、なに?」
じっと見つめる俺に、びびり気味の篤志さん。またなにかされると思ってるな。
「いや…、可愛いなーと思って」
見慣れてるはずなのに、告白されてから、どんどん篤志さんが可愛く見えてくる。
同じことをしているはずなのに、一々前より可愛く感じて困ってるんだよね。
「な、なに言って…」
照れながらも、まんざらでもなさそうな篤志さんが、またまた可愛かった。
なにも返さずに見つめ続ける俺にいたたまれなくなったのか、篤志さんは黙ってコーヒーを飲んでいる。
小さい顔の前だと、マグカップが大きく見えるなあ。
これも新発見。
「美味しい」
「よかった」
微笑みあって、見つめ合う。
その後は俺もコーヒーを飲んで、朝の穏やかな時間が流れた。
テーブルに空になったマグカップが並び、視線を感じたと思ったら、篤志さんの少し色素の薄い綺麗な目が俺を見つめてた。
そっと肩を抱き寄せる。
一瞬戸惑ったように固まった篤志さんは、少しの間の後、俺に体重を預けてきた。
こんな、ささやかなことが、こんなにも嬉しい。
「夢みたい…」
「え?」
「敬浩と…、こんな風になれるなんて…」
目を閉じて、微笑む篤志さん。
俺の方こそ、夢みたいだよ。
「……俺の方こそ」
そう言って篤志さんに顔を寄せた。
少し目を見開いた篤志さんは、そのままそっと目を閉じた。
触れるだけの、キスを落とす。
篤志さんにキスしてるなんて、本当ならとんでもないことだけど。
もう何十年も前から、こうしてしたように錯覚しそうになる。
「敬浩……好き」
「俺も、篤志さんが大好きです」
50
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:06:49 ID:???
これから先、何年経ってもこんな風に素直な気持ちを伝えあえる恋人でいたいなと、切に願う。
「お腹すいた」
「あ、そうだ」
「?」
昨日篤志さんを待つ間に作った中華がゆの存在をようやく思い出した。
「昨日、ごはん作ったんです」
「え?」
篤志さんを促して、キッチンに向かう。冷蔵庫に並んだ、生活感まるだしのタッパー達。
「作ってくれたの?」
「はい。ひじき煮でしょ、それから、大豆煮に、大和煮、これがいんげんの黒ゴマ和え、こっちは根菜のピクルスです」
「……すご」
「篤志さん忙しいとろくに食べないから心配で。一週間は日持ちするから、ちゃんと食べて下さいね」
「うん、ありがとう」
それからそれから。
冷凍庫を開ける俺。
ジップロックに小分けして冷凍したおかゆが入れてある。
「……篤志さん?」
なんか、笑ってない?
ここは感動で震えてもいい場面ですよ?
「お母さんみたいだね」
お、お母さん。
確かに。
我ながらなんというお節介を…って少し自己嫌悪。
「敬浩?」
「迷惑…でした?」
俺の言葉に篤志さんはびっくりしたように目を丸くした。
つぶやな、綺麗な瞳。
「そんなわけないじゃん。嬉しいよ、ありがと」
「はい…」
よしよしって撫でられて、これはこれで嬉しいんだけど…ねえ、俺たち、恋人になったんじゃないの?
いつまでも変わらない弟扱いに、急にむかむかしてきて、頭を撫でていた篤志さんの手をギュッと握った。
「たか…ん…」
俺の名前を呼び終わる前に、その唇を覆ってしまう。
びくんと跳ねた肩を抱いて、そのまま深く、口付けた。
舌を強引に絡めとって、胸をどんどんと叩かれるまで、俺は止めようとはしなかった。
「っ…ん、まっ…て」
「篤志さん」
自分でも、熱くなっているのが、わかる。
久しぶりに感じる衝動。
俺のことを、潤んだ瞳で見つめてくるこの人を、抱きたいと心底思った。
「あ、朝だよ」
「…だから?」
昨日の夜、期待させといて、寝ちゃったのは篤志さんでしょ?
「だか…ら…、また、夜に…」
恥じらってる姿は可愛いけど、そこまで俺は紳士にはなれない。
「今夜?」
「え? いや、今夜は…仕事が…」
ほらね。
毎日分刻みのスケジュールの篤志さん。
あなたの気持ちが追いつくまで待つつもりだったけど、それじゃおじいさんになっちゃうよ。
「待てません」
「敬浩…」
困ったように、俺を見つめる篤志さん。その手をまた強く、握りしめる。
「……優しくするから、……だめ?」
51
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:07:36 ID:???
だめって言われても、止めるつもりはないけどね。
「敬浩…」
「俺は早くあなたと一つになりたい」
直接的な俺の言葉に真っ赤になる、篤志さん。
だって、告白されて付き合いだしたって言っても、実際の俺たちはほとんどなにも変わってない。
俺を好きだっていってくれたのは、特別な関係に進みたいって意味じゃないの?
「本当に…いいの?」
「なにがですか」
いまさら、なにを言うの?
「だって…俺、おっさんだし…」
「愛してます」
被せ気味に言う俺。おっさんの下りは前に話しました。もうそこはクリアしたでしょ。
「あ、あい…」
「…篤志さんは…?」
「…… ぁぃしてるよ、そりゃ…」
ちっさい声、ごまかすみたいにごにゃごにゃ言われた言葉。でも…嬉しい。
「じゃあ…、行こう」
篤志さんのペースに合わせてたら、日が暮れちゃう。
強引だとは思ったけど、俺は篤志さんの手を引いて、そのまま寝室へ向かおうとした。
「待って!」
「…嫌なんですか?」
まだふんばる篤志さん。
いい加減にしないと、無理やり…ってだめだめ。
「お風呂! 身体、洗いたい!」
せめて、綺麗な身体で抱かれたい…って、小さな…俺じゃなかったら聞き逃すんじゃないかってくらい、小さな声で、篤志さんは言った。
………萌える。
「わかりました」
じゃあまあ…って俺はそのまま手を引いてバスルームへ向かう。
「え? ちょっと、敬浩?」
「お風呂、入りたいんでしょ?」
「う、うん。でも」
でもは聞きません。
「俺が隅から隅まで綺麗にしてあげます」
ボンッて音を立てたんじゃないかってくらい、篤志さんは真っ赤になった。
本当、可愛いなあ。
「や、やだよ、そんなっ」
「だーめ。それ以上は待てません」
きっぱり言い切った俺に、泣きそうになる篤志さん。
でもそれ、恥ずかしいからでしょ?
散々篤志さんの涙を見てきた俺は、それがどんな意味を持つものなのか、聞かなくても分かる。
「や、だって…」
言ってるのに…ってモゴモゴ呟く篤志さんを結局引きずるみたいに脱衣所まで連れ込んで、強引に脱がせていった。
「たかひろってば…」
「綺麗…」
隈なく褐色に焼けた、綺麗な肌。タトゥーがさらに色気を加えてる。
見慣れてる筈なのに、やけに俺を煽っているように感じる。
誘われるように、そこに唇を寄せた。
「……っぁ…」
あ、つい乳首舐めちゃった。
「ば、か!」
「……敬浩も」
もう抵抗するのは諦めたのか、篤志さんは俺の服に手を掛けてくる。俺はされるままに任せて、ゆっくりシャツを脱がされた。
やばい、マジでそそる。
「あとは、自分で…」
「う、うん」
焦らしプレイもまんざら嫌いじゃないけど、今は気持ちが焦るばかり。
早くこの先に進みたい。
服を脱ぎ捨てて、篤志さんをみると、篤志さんもようやく全部服を脱いでいた。
ごくりと唾を飲み込んで、その手を取った。
浴室に入って、湯船にお湯を落とす。
その間に、シャワーで綺麗にしてあげるよ、篤志さん。
「敬浩…」
恥ずかしいって視線を逸らす篤志さん。昔は一緒に銭湯まで行ってたのにね。
52
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:08:27 ID:???
「夜…スタジオ入るから…」
手加減してね…?
って恥ずかしそうに呟いた篤志さんに鼻血を吹きそうになった。
「……わかりました」
シャワーの温度を調節して、篤志さんの肩に掛ける。
水しぶきが、綺麗な体を濡らして、なんか俺、本当にがっつきそうで、やばい。
「……んっ」
…水しぶきの感触だけで、感じてる?
身体全体を、濡らして行き、それを追うように、手のひらを這わせる。タトゥーの下に隠れるみたいにある小さな乳首を、指先で捉えた。
「ッ…ぁ!」
「ここ…気持ちいい…?」
「よ、よくないっ」
真っ赤になって首を振る篤志さん。乳首を指先で転がしながら耳元に、唇を寄せる。
「…うそつき」
「んぁ…っ」
ちょ、今の反応、なに!
あまりにいい反応に、俺がびっくりしちゃう。
「耳…感じるの…?」
「だって…!」
泣きそうに睨む篤志さんが、ぎゅっと俺の腕を掴んだ。
「前……言ってたから…」
"篤志さんの耳たぶだったらいけます"
ってやつ…?
「……意識、しちゃうじゃん」
ああもうっ!可愛すぎ!
思わずぎゅうっと抱きしめた。
「…耳たぶくらいじゃ、もう足りませんよ、俺」
そう言って、篤志さんの手を掴んで、自分の股間に持っていく。
「あ……っ」
「ハシタナイ息子ですけど、可愛がってくださいね」
「な、なに言って」
なんて、焦る篤志さんを椅子に座らせる。
俺のにも触れてほしいけど、いまは俺が篤志さんに触れたい。
「敬浩…」
ボディーソープを手のひらに取って、泡立てる。それをそっと篤志さんの身体に這わせていった。
俺の手が動く度に、震える身体。目を閉じて快感に耐えているのが、本当に煽情的だった。
そして、もう元気に存在を主張してた篤志さん自身にも、指を絡める。
「やっ…」
……まさか自分の人生で、男の股間に興奮する日が来るなんて、夢にも思わなかったな。
ソープの泡の所為で、なめらかに動く指。
「……あ、……ぁ」
堪えきれない声が、断続的に漏れる。
先端を指でなぞるようにしていると、滲み出てきた液体で、泡が溶けてきた。
「……流しますね」
「ん…ぁ」
頷いたのか、喘ぎなのかわからない声。
シャワーをひねって、泡を流していく。
そして…。
「……ん! ぁ…うそぉ」
俺はもうなにもためらわず、篤志さん自身を、口に含んだ。
指は袋を揉みしだく。
篤志さんはぎゅっと俺の髪を掴んできて、離そうとひっぱってくる。
「あっ、あっ! たかひろ…っ、だめっ」
「…イって、篤志さん」
一瞬口を離して、そう言うとまた俺は篤志さんを口に含んだ。先端のくぼみにねじ込むように舌を当て、それから強く吸う。
「……っ、あぁ…ッ」
篤志さんは必死に耐えてたけど、結局てこでも離れなかった俺の口の中に、欲望の証を放った。
「ご、ごめん、ごめん敬浩!」
泣きながら謝る篤志さん。
バカだなぁ…。俺は顔をあげて、わざと見せつけるように視線を絡めてから、篤志さんの放った欲望を飲み下した。
53
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:09:17 ID:???
「っ! な、んで…」
そんなこと、できるの…って小さな声が聞こえる。
自分でも、不思議だけど、全然抵抗がなかった。
まあ…味はね、そりゃ美味くはないけど。
「好きだから」
かな。やっぱ。
「……た、たかひろのも」
ん?舐めてくれるの?
って期待した時、お風呂が沸きました♪なんてムードをぶち壊すアナウンスが流れた。
「…とりあえず、浸かりましょうか」
舐めて欲しいのは山々だけど、篤志さんの身体冷えてきてるし、びびりまくっているのも、わかったから。
そういった俺にほっとしたように笑って頷いた篤志さん。
「こ、こんな…」
湯船に篤志さんを背中から抱きしめるようにして浸かる。
恥ずかしいのか身じろぎして落ち着かない篤志さんをがっちりホールドして逃がさない俺。
「狭いんだから、仕方ないでしょ?」
なんて、篤志さんの部屋のお風呂は高級マンションだけあって、さすがに大きい。
並んで入ることも出来るけどね、もったいないじゃん。
「あ、あた」
「ん?」
「当たってる…」
ああ、バッチリスタンバイオーケーな俺の分身のことですね。
もちろん、当ててます。
「……怖い?」
「ちがっ」
うん、恥ずかしいんだよね、篤志さん。
篤志さんとの初めての夜なのに、すっかりエロオヤジ状態でごめんね。
そっと手を動かして、さっき出したばかりなのにまた元気に立ち上がっている篤志さんに指を絡めた。
「あっ…や…」
ゆるゆると動かすと、篤志さんの身体は敏感に跳ねて、連動してお湯が跳ねる音がする。
それも恥ずかしいみたいで、覗き込んだ篤志さんはぎゅっと目を閉じていた。
「や、だよ、この体制」
「…どうして?」
「顔…見たい…」
可愛いワガママに、俺の心臓がきゅんと高鳴った。全く、どこまでツボを突いてくれるのか…。
「じゃあ…こうしましょ」
篤志さんを抱き上げて、身体を反転させる。
俺を跨ぐように、向き合わされて、キョロキョロと篤志さんの目が泳いだ。
「……たかひろ」
篤志さんの、ゆっくりとした発音で名前を呼ばれるの、本当に好きだな…。
「……はい」
「……ありがとう」
この状況では思ってもみなかったことを言われて、目を見開いてると、ぎゅっと篤志さんが抱きついてきた。
「……へ?」
「俺なんかに、その気になってくれて…」
ちょ、ちょっと。
本当に可愛い。何回言ってんだって自分でも思うけど、本当可愛い。
「俺…」
あ、もうその続きわかった。
「「おっさんなのに ?」」
わざと重ねていう俺に、篤志さんがむっとなる。
「こんなに可愛いおっさん…、俺は知りません」
「可愛くないよ…」
「可愛い」
篤志さんが観念するまで、何度も何度も、耳元で可愛いって囁いた。
「うぅ…」
「ね、篤志さん」
「うん…?」
「…続き、したい」
抱き合ってるだけですでに、イっちゃいそう。
って囁いたら、びくっと敏感な身体が跳ねた。
「…だめ」
「え…?」
「もったいない」
俺に、して?
なんて、囁かれ返された。
………。
「あー、もう!」
54
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:10:13 ID:???
「敬浩?」
だめ、のぼせそう!
篤志さんにも、お風呂にも。
「ベッド、行きましょう、篤志さん」
ど真剣に言った俺に、篤志さんは恥ずかしそうに、頷いた。
それから、身体を拭くのももどかしく雑に済ませて、篤志さんを抱き上げる。
「じっ自分で歩けるよ!」
「だめ! 初夜はお姫様だっこって決まってるの」
正直若干重いけど、本当は誰よりロマンチストな篤志さんにとって、ちゃんと思い出に残る初めてにしてあげたい。
「初夜って…。朝なのに…」
細かいこと言わないでよね。
片手を離したら落っことしそうだったから、ドアを開けるのは篤志さんにお願いして、寝室に入った俺たち。
そっと、篤志さんのキングサイズのベッドに生まれたままの姿の愛しい人を下ろした。
ちょ、ちょっと筋肉痛になりそう。
「敬浩…カーテン」
閉めてって目を伏せた篤志さん。
そうだね、さすがに…まずいか。
ってことで、素直に窓際に行き、カーテンを閉めた。
ほっとしたように笑う篤志さんに、そのまま覆いかぶさる。
「……ん…」
篤志さんの頭の両サイドに手をついて、口付ける。
もう、会話なんて必要なかった。
キスを楽しんだ後は、舌で首筋を辿り、鎖骨を吸ってから、胸へ。
想いのこもったタトゥーに、誓いのキスをする。
「あっ…」
乳首を捉えて、赤ん坊みたいに吸い付いたら、少しは恥ずかしさに慣れたのか、甘い声が漏れてきた。
指で乳首をいじったまま、舌はさらに下肢へ向かって這わせていく。
「あ……んっ、ひろっ」
「……ん?」
「もう、そこは…いいから…っ」
篤志さん自身再び口に含もうとした俺の髪を、力の入らない指先で握った篤志さんが言う。
「はやく…欲し…っ」
ごくりと、喉が鳴った。
俺は一つ頷いて、篤志さんの脚を割る。
羞恥心からか、ちらっと見た篤志さんの表情は歪むけど、俺はそのままぐいっと篤志さんの脚を開き、腰を持ち上げた。
「やっ!」
俺の目の前に自分の蕾が見える状況。
さすがにこれには耐えられなかったのか静止させようとする篤志さんだけど、もちろん聞いてあげない。
俺は迷うことなく、ひくつくそこに舌を這わせた。
「んっ、……や、だぁ…」
ここを、使うのは…初めて?
男同士のセックスは俺とが、初めて?って聞きそうになって、やめた。
この業界はゲイも珍しくないし、まして俺たちは結構そういう風に見られがち。
でも、こんなに恥ずかしそうに震える篤志さんが、男との経験があるなんて思わない。
なにより…固い、蕾。
そこに自分の欲望をねじ込むなんて、可哀想になるけど…堪らなく、欲情する。
舌でこじ開けて、中も舐める。
最初はこわばるだけだった篤志さんのそこは、段々緩んできた。
「あっ…ぁ…」
俺の肩に、力なく篤志さんの指が触れる。
「篤志さん…」
怖がらせないようになるべく優しく名前を呼んで、指を一本そっと差し入れた。
「んっ」
思ったより、抵抗はない。
ぎゅっと締め付けてくるけど、表情を見ていても、痛そうには見えない。
55
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:10:58 ID:???
「……ぁあ…」
入れたまま動かさないでいると、中が誘うように、締め付けてくる。
気持ち、いい?
「篤志さん…これ、平気?」
痛くないよね? って聞いたら、目元に涙を滲ませたまま、こくんと頷く篤志さん。
それを確認してから、中の指を2本に増やす。
途端に圧迫感が増して、篤志さんの表情には少し、苦痛が滲む。
「んっ……ぅ」
気持ち悪いよね、ごめんね?
緩々と動かしていると、段々締め付けは弱くなってきた。
「…ぁ…ん」
この辺だと、思うんだけど。
指先で探す、篤志さんの弱い所。ノンケでもやばいってウワサのそこ。経験はないけど、耳年増だからもちろん知っている。
「……!! っあ、ぁっ」
え。
ごりっとした感触に触れた、と思った瞬間。
篤志さんが甲高い声で鳴いたかと思うと、そのまま目の前の篤志さん自身が弾けた。
俺の頬に掛かる、熱い液体。
「……ぁ、ア…! あ!!」
余韻に浸ってた篤志さんだけど、最後のあ!は俺の顔を見てのもの。
「ごっ、ごめっ」
自分が出した精液が、俺の顔に思いっきり掛かってることに気づいた篤志さん。中の指をぎゅうぎゅう締め付けて俺を誘ってることにも気づかないで、泣きそうな顔をしてる。
「超…燃えます」
「なに、言って…」
俺は篤志さんの中から、一気に指を引き抜いた。
「ああっ、ちょっ」
まだヒクついて、なくなったものを探すみたいに口を開けている小さなそこに、熱くなった自分の先端を押し当てる。
「…ッ!」
先走りでぬるぬるした先端を滑らせると、濡れた音が微かに聞こえた。
「ゃ……」
「篤志さん…痛いかもしれないけど、……いい?」
ローション、用意しておけば良かった。せめてゴムくらい、コンビニで買ってくればよかった。
大事にしてあげたかったのに、ごめんね。
「う、ん…、痛くても…いいから…」
入れて。
本当に小さな消え入りそうな声。
だけど俺を煽るには、十分だった。
「ん……、ぅ…」
苦しそうに歪む表情。
痛いよね…ごめん。俺も痛いくらいだから、篤志さんにはかなりの負担になっていると思う。
ゆっくりと腰を進めるけど、中々奥に進めない。
「っは、あ…」
眉間に寄った深い皺から、快感を感じてないことは分かる。
だけど、篤志さんの口からはやめて、とか、痛いとかは出てこなかった。
必死に俺を受け入れようとしてくれてる。
今止めてしまったら、次はもっと怖くなるだろうから…。
少しでも痛みを紛らわせようと、俺はすっかり萎えてしまっている篤志さん自身に指を絡めた。
「…っあ…」
56
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:11:51 ID:???
強すぎた締め付けが、少し緩んだ。
その隙に、ぐっと腰を進めた。
「あっ!」
……やっと、先端が収まった。そしたら少しは楽になったのか、篤志さんの表情も緩む。
「篤志さん…」
篤志さん自身も力を取り戻して来ていて、指でしごいていたら、連動するみたいに中が蠢いた。
やっば。
「たか、ひろ…」
「…うん」
震える指先が、俺の頬を包む。
そっと顔を寄せて、口付けた。
「続けて…」
先端を入れたまま、動かないでいた俺。きついくらいの締め付けは、少し緩んできた。
「ごめんね…」
痛くないハズがない。
額には汗が滲んでいて、噛み締めたんだろう、唇が少し切れちゃってる。
溢れる涙を唇で吸い取って、俺は動きを再開する。
一番太い所は入ったから、篤志さん自身を扱きながら、緩むタイミングに合わせてゆっくりと最後まで収めた。
「ん……ん…っ」
「…入った」
ほっと息を吐く俺。
そんな呟きに俺を見つめた篤志さん。
「ん…全部…?」
「はい…、ほら」
篤志さんの手を取って、結合部に導く。限界まで開かれたそこに俺の全部入っちゃったよ…。
入れてるだけなのに絞り取ろうとするようなきつい締め付けに、今にもイきそう…。
「…ほんとだ」
びくっとなった篤志さんだけど……そう言ってつぶやいた時の表情は幸せそうで……まじ、もう、限界!
せっかく入ったのに、俺は一気にそれを引き抜いた。
「あ、あっ! …やぁ…っ!!」
いきなり強引に動かれて、篤志さんも嬌声を上げる。
俺はそんな篤志さんと一緒に、彼の蕾目掛けて掛けるように、自分の欲望を吐き出した。
は、早すぎる…。
落ち込む俺。荒い息を整える篤志さんは、とろんとした目で俺を見ている。
「たかひろ…」
「は、はい」
禁断のあれ、どうか言わないで。
ぎゅっと目を閉じて覚悟を決めたらまた、思ってもみなかったことを言われた。
「…ありがとう」
だーかーらー!
なんでそんなに可愛いの!
一気に力を取り戻す俺に、目を丸くする篤志さん。
57
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:13:02 ID:???
「もう一回…する?」
本当に? よっしゃあ!
って思ったけど、少し冷静になった頭が篤志さんのスケジュールを思い出す。
「……今日はこれで、おしまいにしましょ。声、出なくなる」
篤志さんが、ね。
夜はスタジオでバンド組と音合わせがあるよね。
「あ…そ、だね」
真っ赤になる篤志さんが本当に愛しくて、まだまだやる気満々の息子には我慢させるとして、精一杯かっこつけて、抱き寄せた。
「……こんなに幸せで、いいのかな…」
そっと背中に回される腕。
重なった裸の胸から感じる体温と、鼓動のリズム。
「まだまだ…」
「え?」
「これからですよ」
俺はまだ、なんにもあなたにしてあげてない。
こんなんで幸せって言われたら、困る。
「敬浩…」
「……ありがとう、篤志さん」
俺を、受け入れてくれて。
何度も先にお礼言われちゃったけど、俺にも、言わせて下さい。
「これからも、宜しくお願いします」
心からの願いを込めて、愛しい人を抱きしめた。
「っ うんっ こちらこそ…」
また泣いてる。くすりと笑って頬に口付けると、くすぐったそうに笑う篤志さん。
「よろし…ん…っ」
続けようとした唇にキスをして止めた。
「…よろしく…おね…んぅ…っ」
何度と何度も邪魔すると、やがて頬を膨らませて睨む篤志さん。
「よろしく…っん!」
もう3度目……舌を絡めて、息が上がるまで止めなかった。
「ふ…ぁ…っ。もう、言わせてよ!」
拗ねるあなたが、俺より5つも年上だなんて、信じられない。
「可愛いすぎっ」
「バカひろ……」
甘い声で言われたって、煽るだけだよ。
こてんとあずけられた体重。
よしよしって背中を撫でたら、安心しきったように目を閉じた篤志さん。
男同士だからどうとか。
おっさんだからどうとか。
あなたが思わなくていいくらい、もっともっと、愛していこう。
大切にしていこう。
そう、心に誓った、記念すべき日になった。
end
58
:
ごんべ
:2016/01/01(金) 21:16:12 ID:sTbu00Zs
>>42
お返事
>>43-57
渇望 TA R18
あとがき
あまーい
えち恥ずかしーーーい
それだけです(笑)
59
:
名無しさん
:2016/01/03(日) 22:46:37 ID:???
ごんべ様
久しぶりTKとATのスレ、すごく嬉しいです
表白の話もR18の話もとっても素敵です
またお待ちしてます
60
:
名無しさん
:2016/01/06(水) 23:28:09 ID:???
ごんべ様
ありがとうございます!
えっろーくて最高です!!
Aの色気だだ漏れが私の目にははっきり見えました
これからも楽しみにしてます!
61
:
ごんべ
:2016/01/09(土) 08:42:57 ID:???
>>59
様
コメントありがとうございます。
ATもTAもお楽しみいただけたようでとっても嬉しいです!
基本表が多いと思いますが、時々R付きもがんばりますー
>>60
様
コメントありがとうございます。
えっろーいっすか?恥ずかしいです(笑)
えろ苦手なので少なめになるとおもいますが、よければまた読んでやってください。
今回はコメント返しのみで失礼します。
今休み明けで仕事が忙しいので次回更新は未定ですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです。
ATの告白劇その後小話か、なんちゃってTTEになる予定です。
62
:
名無しさん
:2016/01/12(火) 14:52:26 ID:???
ごんべ様
更新ありがとうございます
次のお話も気長に待っていますので
ごんべ様のペースで更新してくださいね
63
:
ごんべ
:2016/01/13(水) 21:01:24 ID:???
>>62
様
ありがとうございます。
お待たせしてすみません、超小話ですが、これから更新しますねー。
64
:
ごんべ
:2016/01/13(水) 21:02:40 ID:???
AT告白劇の翌日小話
「あーーーーーーーーっ!!!」
篤志さんに、奇跡的に気持ちを受け入れてもらって、ふわふわした気分で帰ってきた自宅。
こんなに幸せな気持ちで眠れるのは何年ぶりだろうって思いながら、久しぶりに夢も見ないほどぐっすり眠れた。
その翌朝、洗面台の前で叫ぶ俺。
その頬には、赤い手形がくっきり浮かび上がっていた。
「……や、やば」
昨日は幸せすぎて、叩かれた頬のことなんてすっかり忘れてた。
俺、肌が白い分、赤くなりやすいのに…。
「篤志さん気にするだろうな…」
今日はこれからメンバー会議で、欠席する訳にもいかない。
仕方なく、マスクを装着して、ついでに昨日泣きすぎた所為で腫れぼったくなってる目を隠す為の眼鏡も掛けた。
「おはようございまーす」
挨拶しながらメンバールームに入ると、すでに半分くらいは揃っていた。
篤志さんはまだ来ていないみたい。
口々に挨拶が帰ってくる中、ホワイトボードから3席分、ちゃんと空けられてるのが見える。
……離れて座りたかったけど、不自然すぎる、か。
いつもの定位置に座って、落ち着かない気分でいると、向かい側にいたマキさんに話しかけられる。
「敬浩、風邪?」
「…あ、はい。ちょっと」
他のメンバーも気遣ってくれて、申し訳ない気分になる。
そんな中、メンバーは順調に揃って行き、篤志さんが入ってきた。
入るなり、目が合って、その目元が優しく緩んだのがわかった。
……どうしよう、幸せすぎて、泣きそう。
「マスク、どうしたの?」
俺の横に座った篤志さんが早速聞いてくる。
「朝起きたら、ちょっとだけ喉が痛かったんで」
昨日一緒にいたから、不思議に思ったんだろう、篤志さんが手のひらを俺の額に当ててくる。
「熱はないみたいだね」
「はい。念のため、です」
「そう、無理しないようにね」
「はい」
そんな会話をしていると、また一人入って来て…同時に広がるコーヒーのいい香り。
「おはよーございまーす!」
哲也くん。……と、お盆に乗った14個の紙コップ。
げ。
俺の内心の焦りに気づくはずもなく、哲也くんはメンバーにコーヒーを配って歩く。
「はい、たぁくん」
当然俺にも配ってくれる……のは本当にありがたいんだけど。
65
:
ごんべ
:2016/01/13(水) 21:03:25 ID:???
「あ、ありがとうございます」
余計なことを!!!
思わずギロッと睨んじゃった俺。
「えっ! なに、なんで?!」
わざわざメンバーの為に家からコーヒー淹れてきて、何故か本気で睨まれる哲也くん。
訳も分からず綺麗な形の目をパチパチしてる。
「…別に」
態度悪くて、ごめんなさい。
って思うけど…、マスク…外すことになるじゃんっ!
とりあえず触らぬ神に祟りなしと思ったのか、全員に配ったあとはそそくさと自分の席に哲也くんは逃げて行った。
「おいし」
横から篤志さんのほわっとした嬉しそうな声が聞こえる。
鼻腔をくすぐるいい匂い。うう、飲みたい。
「敬浩? せっかく淹れてくれたんだから、冷めないうちに頂きな?」
ごもっとも。
なぜかマスクを取ろうとしない俺に、余計に全員の視線が集まって…。
「おはよー! 揃ったな、始めるぞ」
つかつかヒロさんが入って来て、当たり前の様に篤志さんの横、ホワイトボードの前の席に座った。
「お、哲也か。サンキュー」
「いえ」
すぐにコーヒーに気づいたヒロさん。一口飲んで、俺を見た。
「敬浩、風邪?」
ああもう、これ何度目…。
適当に返しながら、それでもマスクのままでいると、感じた視線は……う、哲也くん。
なんか悪いことしたんじゃないかと、様子を窺われてる感じ?
せっかく入れてきてくれたコーヒー。好意を無にしてるようで、罪悪感が半端ない。
「…飲めば?」
ヒロさんの言葉に、やっと観念した俺。
変に視線が集まってしまった中、そっとマスクを外す。
「!!!!!」
「なんだそれ!!!」
もう、誰の声なんだか分からないほど、一斉に言われてかたまるしかない俺。
「敬浩…それ」
篤志さんの声が、強張っていて、本当にいたたまれなくなる。
篤志さんはなにも悪くないのに…、そんな顔させたくなかったから、知られたくなかったのに…。
「誰にやられたんだ!!!」
怒髪天つきそうなヒロさんに引きつった笑みを浮かべるしかない俺。
「いや、その…」
「うちの大事なボーカルに手を出しやがって! ぜってぇ、ゆるさねぇ!!!」
ものすごい剣幕に、口を挟む隙がない。
「敬浩、本当にそれ、どったの」
そんな中穏やかな声のマキさんに少しホッとするけど、どう話していいのかわからなくて困っていると…。
隣の篤志さんがすっと立ち上がる。
「篤志さん!」
だめ!
って言う間もなく、篤志さんは深々と頭を下げた。
66
:
ごんべ
:2016/01/13(水) 21:04:37 ID:???
「一体どこの誰が! ……? 篤志?なんだぁ?」
急に神妙な顔で頭を下げた篤志さんに勢いを削がれたヒロさんは、顔中にはてなマークを浮かべて篤志さんを見てる。
「それ、俺です」
「篤志さん…」
「ごめん、敬浩……俺、こんなになるほど強く叩いちゃったんだ…」
泣きそうな篤志さん。俺の頬に手を当ててくる。
「…や、でも、本当に全然」
忘れてたくらいで…今も別に大して痛くないし。
「はああああああああ?!」
管を巻くヒロさん。その肩がぜぇぜぇ言ってて、血管切れないかと心配になる。
篤志さんが犯人だってわかって、騒然となるメンバールーム。
「……はぁ」
なんか当事者の俺がわりと蚊帳の外で、篤志さんは特にオリメンに囲まれて口々に怒られていた。
「あ、あの!」
勇気を出して、大声で止める。
途端に集まる視線にひるみそうになるけど、篤志さんを悪者にはしておけない。
「僕が、悪いんです!」
「はあ…?」
「僕が、篤志さんを怒らせること、言ったから」
そう…、俺が悪いんだよ。
怒ってくれて…、叩いてくれて、嬉しかった。
「なにがあったか知らんけど、手を出すことはないだろうが!」
「本当にそうです。申し訳ありません」
篤志さんも篤志さんで、自分が悪いと言って譲らない。
「だから! 篤志さんはなにも悪くない!」
「なに言ったんだよ、お前」
え。
「え、それは…その」
昨日の今考えるとどこの乙女だってなってた恥ずかしい俺。
昨日の一幕が蘇ってくる。……い、言える訳ないじゃん。
「ここまで言って、理由は言えません、で通ると思うか!?」
こ、こわい。
ものすごい眼光で睨まれて縮み上がる。
「それは…その、つまり…」
「敬浩!!!」
そんな怒鳴らなくたっていいじゃん!
「……消えるって、言ったから」
「はあ?!」
「EXを、辞める的なこと言ったんです!」
67
:
ごんべ
:2016/01/13(水) 21:05:59 ID:???
ヤケクソ気味に大声で叫ぶように言う俺。
固まるメンバー達。
一瞬の間の後、俺と篤志さんを除いて、また阿鼻叫喚の図。
「はあああああああ??!!!」
「ご、ごめんなさい」
「聞いてねぇぞ!」
そりゃそうだ、言ってないもん。じゃなくて。
「ヒロさん。敬浩は、辞めませんから」
「………は?」
「昨日敬浩と2人で話をして……、まあ、そういうことになったけど」
「はぁ…」
「辞めません、絶対! ていうか、俺がそんなの絶対認めない」
「……取り敢えず、辞めないんだな?」
「 はい!! 辞めないです! 辞めたくないです!」
「……なら、いい。後で……ふたりで社長室来い!!」
「「はい!!」」
篤志さんと2人、直立不動でいい子のお返事。
その後は、なんとも言えない雰囲気の中、メンバー会議が進んで行った。
「行かなきゃダメかなぁ」
「え?」
「社長室」
篤志さん……。
すっごい、嫌そうで笑えてくる。
「そりゃ、だめでしょ」
「わざわざ叱られに行くって…」
「仕方ないですよ」
はぁ……って、2人同時にため息を吐いて、それが可笑しくて、笑い合う。
「じゃあ、行こっか」
「はい」
そして、俺たちは2人仲良くお説教を受けに社長室に向かった。
どうせヒロさんにはきちんと話しておかないととは思っていたし、篤志さんとも相談して、正直にありのままを話した俺たち。
そりゃもうすごい剣幕で怒り、嘆き、泣きそうになってたヒロさんだったけど、俺たちの決意が固いことはわかったのか、最後にはあきらめたように、認めてくれた。
絶対にマスコミにバレないように、気をつけるってことを約束して、俺たちはやっと解放されたのでした。
end
超小話ですみません。
短いのでアンカーなしです。
68
:
名無しさん
:2016/01/16(土) 17:21:47 ID:Pw35Ezno
ごんべ様
更新ありがとうございます。
ごんべ様のTKとATはめちゃ可愛いです
次のお話楽しみにしてます
69
:
ごんべ
:2016/01/24(日) 20:01:18 ID:???
>>68
様
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
コメントありがとうございました!
うちのATを可愛いと言っていただけてとっても嬉しいです!
70
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:48:09 ID:???
これから更新するのはTKTEです。
というか一応TKTEというか(笑)
そこにLoveはまだ一切ありません。もうちょっと愛生まれるとおもったんですけど、びっくりするくらいそのまま終わってしまいました。
根っからのTAまたはAT好きなのを自覚してしまっただけになりましたが他になにもないので箸休め的に更新しておきます。
番外編としてお読みいただければ幸いです。
71
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:48:40 ID:???
TTE……もどきw
「えっ!」
某テレビ局の一室に呼び出された哲也は、ヒロと篤志が並んで座っているテーブル挟んで向かいに座った途端、言われた言葉に驚きを隠せなかった。
「ほら、年末恒例のあれ」
「はあ」
ヒロからの話はこうだった。
年末恒例のドッキリ企画。いつも仕掛人側の敬浩を是非引っ掛けて欲しいととテレビ局側の要請があったこと。
以前のホモドッキリが好評だったため、その路線で行きたいということ。
「お、俺が仕掛人ですか?」
「おう。敬浩と仲が良くて、かつビジュアル的に耐えられるメンバーってことで」
「は、はぁ」
「たぁくん、なんて呼び方するの、哲也くらいだしね」
面白がるようにくすくす口元に手を当てて笑う篤志。
「で、できるかなぁ」
「いけるいける。名付けて、敬浩ドッキリ企画! 哲也に告白されちゃった!」
「……が。がんばります」
そして、同日の哲也が退室した数分後。
「ほう」
「ほうって」
同じように呼び出された敬浩の姿があった。
「面白そうっすね」
「大丈夫? 敬浩、笑っちゃいそうじゃん」
篤志に言われて、苦笑する敬浩。
前科があるだけに否定はせずに、頭を掻いている。
「ま、なんとか。篤志さんこそ」
そんな篤志を見つめて言った敬浩の言葉に、今度は篤志が苦笑い。
「ちゃんと哲也くん騙せました? 嘘上手に吐けないくせに」
「大丈夫!おれほとんどしゃべってないもん」
にこにこ笑いながら、ヒロさんに任せた!って堂々と言う篤志に爆笑した敬浩。そしてそのまま謎の握手を交わす2人だった。
「要するに、僕を騙すつもりで、哲也くんが告白してくる。」
「そ」
「当然、男同士だし、断られるのを想定してる」
「そうそう」
「ところが受け入れちゃう」
ここまで言ったあたりで篤志が堪えきれずににやにやしている。
「ちょっと篤志さん」
「や、ごめ。大丈夫、俺はその場にいないから」
「ずるいなぁ」
72
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:49:15 ID:???
「続き」
「あ、ハイ。それで、動揺する哲也くんをとことん口説く感じで、その様子をカメラで納めるわけですね」
「そういうこと」
「で、ほどよい所で俺とマキさんが、プレートもって出て行く、と」
「おう。じゃ、そのつもりで」
「はーい」
数日後、どっきり実行日がやってきた。
緊張しながら、哲也は自宅から淹れてきたコーヒーを片手に、月刊の書を書いている……ことになっている敬浩のいるメンバールームに向かっていた。
もちろんそこには隠しカメラが仕込まれていて、別室で篤志とマキがそれをモニターで見守っている。
そんな別室での会話。
『あー、緊張してきた』
『なんであっちゃんが緊張するのよ』
『敬浩嘘下手だからなぁ』
なんてにやにや楽しい会話が繰り広げられているとは知る由もない哲也がいよいよ、メンバールームのドアをノックした。
コンコンコン
「はーい」
中にいる敬浩からの返事を確認し、そっと哲也が中に入る。
「あれ? どうしたんですか?」
「うん。敬浩くんが作品作ってるって聞いたからさ、差し入れ」
そう言ってコーヒーポットを見せた哲也に、敬浩が嬉しそうに微笑む。
「わざわざすみません」
爽やかに微笑まれて、これからのことを考えてか哲也はぎこちない笑みを返した。
「飲むっしょ?」
「うん」
どっきりではあるものの、どうせ本当に月刊の仕事はあるから、ついでに本当に片付けようと、敬浩の手元には習字セットが本気モードで広げられていた。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
紙コップにコーヒーを注いで、敬浩に近づく哲也。
73
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:49:49 ID:???
それを受け取って微笑む敬浩。
お互い相手を騙そうとしているだけに、なんとも言えない緊張感がこの場に張り詰めていた。
『なんか、俺がどきどきしてきた』
『哲也ちょー引きつってんじゃん』
受けるー、なんていいながら呑気なモニター組。
「なに書くの?」
机に置かれた半紙にはまだなにも書かれていなかった。
「んー、まだ、悩んでて」
実際カメラで抜かれていることを分かっている敬浩も、いつものようには乗ってこないようで、まだテーマさえ、出来ていなった。
「あ、じゃあ…」
「ん?」
ポットを机の隅に置いた哲也は、敬浩の顔を覗き込みながら、言った。
「俺の名前書いてよ。前にさ、マキさんの書いてたじゃん? あれ羨ましかったんだよね」
まんざら嘘でもなかったためか、すらすら出てくる言葉。
「哲也くんの名前か…、うん、いいですよ」
視線を上にやって一瞬悩んだ敬浩は、すぐに微笑んで頷いた。
『ふっつーに、仕事してんね』
『そりゃいきなり告白出来ないでしょ。…どうやってそっちにもってくんだろ』
『敬浩も固いなぁ』
『だね』
そして、筆をとった敬浩は、スラスラと横にした半紙に哲也のフルネームを書き出した。
「すご…」
見る間に書きあがったそれを見つめる哲也の口から、演技でもない、感嘆の声が漏れる。
「どうかな」
「うん、すっげえ、いい感じ」
「よかった」
ニコニコ見つめ合う2人はどちらも整った顔だちだけに絵にはなるものの、中々展開しない状況に2人ともが焦っていた。
(哲也くん、早く口説いて…!)
(ど、どうやってそっちにもってこう?!)
「あ、あのさ」
「うん?」
「マキさんの時は、一言添えてあったじゃん?」
「ああ、はい、そうですね」
74
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:50:23 ID:???
『あれちょーー嬉しかった』
『いいなぁ、俺も書いて欲しい』
『篤志は似顔絵描いてもらってたじゃん』
なんて、モニター組はモニター組で、進まない展開にやきもきしつつも普通に会話をしてしまっていて、焦り出すのはスタッフばかり。
よもや企画倒れかと緊張が走った時、ようやく哲也が動き出す。
「あれ見てさ…すっごい、羨ましかったんだよね」
「そう…?」
自分の名前の書かれた書を、指先で辿りながら、切ない表情に変わる哲也。
それを見た敬浩の口が、一瞬、お、と動いてすぐに戻される。
そして敬浩の目をじっと見つめる哲也。
「……マキさんは、敬浩くんにとって、特別なんだなって、思った」
切ない表情に、ごくりと喉を鳴らす敬浩は、唇を噛んで必死に笑いを堪える。
『おいおいおい、せっかくいい感じなのに敬浩思いっきり笑いそうじゃん』
『が、がんばれ!』
「特別……?」
いつもなら怪しまれるだろう敬浩の不自然な態度にも、自分も余裕のない哲也は気づかない。
「そう。俺じゃ……こんな風には、書いてもらえないんだろうなってさ…」
「哲也くん…?」
「……ごめん。なに言ってんだろ、俺」
決まった!!
とばかり敬浩に背を向け、まばたきを堪えてむりやり目元に涙を滲ませる哲也。
くるっと敬浩に向き直る。
「……俺さ、…ずっと……」
「え……?」
「もしかしたら、オーディション会場で初めて見たときから…ずっと…」
そっと敬浩の腕を掴む哲也。
ちょうどいいバランスの身長差もあって自然と上目遣いになり…、演技だと分かっていても、本気で敬浩はドキドキしてきてしまっていた。
「哲也くん…」
「敬浩くんのコト……好き…だった」
(よっしゃ! 言った!なんとか言った!!)
(哲也くんよく頑張った!最高!!)
なんて内心の声は隠して見つめ合う2人。
「……た、敬浩くん?」
「あ…、ごめんなさい、びっくりして…」
75
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:51:08 ID:???
『キターーーー!!』
『うわぁ……まじ照れる』
「忘れてくれて、いいからね?」
「え?」
「気持ち悪いでしょ、いきなりさ」
「そんな…ただ驚いただけで」
そして…哲也の腕を掴んだ敬浩は、そのまま強く引いて、自分の胸に抱き寄せた。
『ひゅーーーっ!』
『だ、だめ。これ、俺みてらんない』
楽しそうなマキと、なぜか真っ赤になって顔を覆う篤志だった。
「え…?!!」
ここで振られる予定だった哲也は、思わぬ展開に、綺麗なアーモンド型の瞳をパチパチさせている。
一方、哲也を抱き寄せることでやっと自分の顔を見られる心配のなくなった敬浩は、隠しカメラに向かって変顔のサービス中。
『……敬浩、なにやってんの』
『ぶ!』
モニタールームでは、そんな敬浩の様子を見つめて呆れる篤志に、爆笑するマキがいた。
「た、敬浩く…」
「…偶然ですね」
「へ…、へえ?!」
哲也の顔を覗き込んで、微笑む敬浩。次に告げられた言葉に、完全に固まる哲也。
「俺も…、好きでした。ずっと」
『ひょおおおお、恥ずかしー!』
『これ、やばいって。こんな敬浩、見たことない…』
「……え、……え?!」
「…喜んで、くれないの?」
「いや……、いやいや、う、嬉しいけどっ」
(どどどどうしよう?!!!)
隠しカメラに向かって必死に助けを求めるも、もちろん救いは来ない。
パニックになりそうな哲也をまた抱き寄せて、笑いを堪える敬浩。
「哲也くん…」
完全に乗ってきた敬浩はおもむろに哲也に顔を寄せていく。
『えー?!』
『おいおい、やっちゃうの?』
ハラハラドキドキモニター組の見守る中、敬浩の唇が降りたのは哲也の額だった。
『おでこ』
『なーんだ』
「た、たたたた」
「ん?」
ぱにくる哲也に、爽やかスマイルの敬浩。悪乗りして来て、今度は頬に口付ける。
そして、隠しカメラに合図を送る。
『お、出番か』
『う、うん』
さっとプレートをもって立ち上がる2人。
76
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:51:44 ID:???
一方、中の2人はと言うと…、
「た、敬浩くん、待って!!」
テーブルに押し付けられ、敬浩にのしかかられている哲也が焦っていた。
「待つ? なんで?」
「なんでって、いきなりこんなっっ」
もうばらして逃げようとする寸前の哲也の耳元にぐっと唇を寄せる敬浩。
「想いを確かめ合ったんだから、することは一つでしょ」
「ちょちょ、こっ、ここ事務所だし?!」
「関係ないよ…」
なーんて、心の中でにやにやしながら敬浩が哲也に顔を寄せる。
モニター組の到着を待っているのにまだ来ないことで、マジでキスする5秒前。
「早く…」
「え?」
「あ、いえ…」
仕方がないから、顔立ちの割にしっかりした首筋に唇を寄せる敬浩。
「ひっ」
「……もうちょっと色気ある声だしてよ」
「無理だってば!」
哲也が必死に敬浩の胸を押し返し、負けじと踏ん張る敬浩。
めげずにもう一度顔を寄せた時。
「きゃぁぁぁあ!! なにやってんの!?」
「……おじゃましまーす」
突然現れたモニター組の2人。
敬浩はそれを確認すると、さっと哲也から離れる。
ほっとしてはいるが、驚いた様子のない敬浩の反応に戸惑う哲也。
「え? 敬浩くん、え?」
目をパチパチしている哲也にウインクして、敬浩はモニター組の真ん中に立ち、篤志からプレートを受け取った。
「逆ドッキリ、大成功!! ……かな?」
とりあえず、両サイドから拍手を送られほっとした様子の敬浩だった。
「ええええええ?!」
腰が抜けた哲也はその場に崩れる。
慌てて駆け寄る敬浩がその腕を支えるように掴んで一言。
「俺を騙そうなんて、100年早いですよ、哲也くん」
にっこり、浮かんだキラースマイルに引きつる哲也。
「100年も経ったら、死んじゃうって」
「あはは、じゃあ1年にしましょ」
「えー?」
「来年また、がんばって」
「…もう、やだ」
悪びれない態度に笑うしかない哲也でした。
「あ、でも言っときますけど」
「ん?」
「これやれって言ったのは、ヒロさんですからね」
「あー、まあ…そうだよね」
苦笑いのまま、あの日の打ち合わせを思い出す哲也。
あの日、ヒロの隣にいた男、篤志に恨みがましい視線を送る。
「! お、おれは協力しただけ!!」
「篤志くーん?」
「ゴメンなさいっ!!」
両手を顔の前で合わせて謝る篤志に、その横でハイタッチをしあうマキと敬浩でした。
おしまい
77
:
ごんべ
:2016/01/28(木) 19:52:42 ID:???
>>70
前書き
>>71-77
本編 TKTE
78
:
名無しさん
:2016/01/30(土) 20:57:22 ID:???
ごんべ様
更新ありがとうございます!
哲ちゃんかわいそう…
でも嘘下手のATのやり取りも可愛い!
また次の話をお待ちしてます。
79
:
名無しさん
:2016/01/31(日) 13:20:50 ID:???
ごんべ様
楽しいお話ありがとうございます
また時間がありましたら更新お願いします
楽しみにしています
80
:
名無しさん
:2016/02/05(金) 21:35:34 ID:???
コメントありがとうございます!
>>78
様
ちょっとTEちゃんには気の毒でしたねー(笑)今回のAとTは別世界設定なんでただの相方ですが、やっぱり2人の会話は入れたくなります。
>>79
様
愛は生まれなかったですが、TTE好きなので書くのは楽しかったです。昔あったドッキリがすごく好きだったのでいつかネタにしたいと思ってました。
感想ありがとうございました!
81
:
ごんべ
:2016/02/05(金) 21:36:50 ID:???
あああ、すみません名前を入れ忘れました。
>>80
は私ごんべです!
それでは、TA超小話を更新します。
82
:
ごんべ
:2016/02/05(金) 21:38:20 ID:???
壁ドンAさん
ーTAー
「篤志さん!!!」
事務所で篤志さんを発見した俺は、大声で呼び止める。
びっくりした篤志さんはぴょこっと跳ねてこっちを向いた。
か、可愛い…じゃなくて!
「びっくりしたぁ…なに、急に大声だして」
俺に近づきながらおかしそうに笑う篤志さんは可愛いけど、俺は怒ってんの。
「なに壁ドンとかしてんですか!」
「……え?」
某テレビ番組で、ゲストの女性に壁ドンさせられてた篤志さん。
家で放送見て、びっくりしたんだからね。
しかも照れちゃって、もじもじ可愛い笑顔見せてさあ!お茶の間に篤志さんに萌え死にする人量産する気?
「俺にもした事ないのに!」
「いや…普通、しないじゃん…」
大体やれって言われたからってブツブツ言ってた篤志さんは、ふと思い出したように眉間に皺を寄せる。
お、おや…?
「……篤志さん…?」
「敬浩も、やってたじゃんっ!!」
げ。
あれ、ばれて…。
「しかも直人とか! P子さんよりよっぽどありでしょ!」
「や。それは…女性に対して余りにも失礼でしょ」
ぶっちゃけ俺も、篤志さんに賛成ですけど、フェミニスト篤志さんは俺の返しにぐっと詰まってる。
優しすぎるって、可哀想だな。
83
:
ごんべ
:2016/02/05(金) 21:39:01 ID:???
「それに!」
「え?」
「耳元であんなこと囁くなんて!!」
俺だって、言われたことないのに!
って怒ったら、むっとなる篤志さん。
「敬浩には、愛してるって言ってるじゃんっ」
「愛してると、ティ/アモは別でしょっ」
あの甘〜い声で、俺だって囁かれたい!
「もう…敬浩に言ったら、洒落にならないじゃん…」
「洒落にするつもりはないですけどね」
「…ね、敬浩」
「はい?」
「俺にもしてよ…」
「なにを…?」
もじもじ、恥ずかしそうに篤志さんは言った。
「壁ドン。………う、うそ!今のなしっ」
余りの可愛さに悶絶する俺に、耐えられなくなったのか、篤志さんは真っ赤になって手を振ってるけど。
じりじりと壁際に追い詰める。
「た、たかひ…」
ドンッ!!
両手で思いっきりやっちゃいました。
あれ、あれって片手がデフォ?撮影されてるわけじゃないからいいのか…?
「……っ」
ちょっとこの人、きゅんってしてるじゃん。
わかりやすい篤志さん。ドキドキしてるのが伝わってきて、俺までドキドキしてくる。
「篤志さん……」
心のままに、顔を寄せると、篤志さんはそっと目を閉じた。
「ん……」
唇の隙間から、舌を差し入れようとした時、背後に感じた殺気。
振り向くと同時に、手首を掴む。
「…おま、そこは叩かれろよ」
呆れ顔のヒロさんの手首をしっかり捕まえて、寸止めさせてしまいました。
「すみません、つい」
反射的に。
ぺろっと舌を出すと、呆れたように笑ったヒロさん。
「事務所でいちゃつくな!」
「「はーい」」
良い子のお返事をした俺たちは、おてて繋いで、篤志さんの自宅に帰りましたとさ。
そこからはもちろん、壁ドンからやり直して、熱い2人の夜を満喫するしました。
おしまい
84
:
ごんべ
:2016/02/05(金) 21:42:09 ID:???
>>82-83
TA小話
>>80
お返事
最後満喫するしました…ってなってますが、するはないものとしてお読みください…(笑)
85
:
名無しさん
:2016/02/07(日) 10:03:44 ID:???
事務所でイチャコラするTAが可愛い過ぎです
Hさんを寸止めしちゃうTがステキ
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板