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NT受けパロその他短編

1名無しさん:2013/10/30(水) 00:06:43 ID:GUFqfEFc
NT受けパロ中心で、時々短編の予定です!
“皆様の萌え語りからストーリーが生まれたり…”
などと甘い考えの書き手ですが、どうぞよろしくお願いします

不定期更新になることもあると思いますが、1スレ使い切りを目標に頑張ります!

218名無しさん:2016/07/07(木) 18:35:20 ID:???
書き手さまだ!!歓喜!
また改めて感想持ってきます〜
クズなので()先にご挨拶をば…Pでした←(パクんな)

219たろ:2016/07/08(金) 12:01:34 ID:???
書き手様
更新ありがとうございます。お疲れ様です
“いけないこと”ww
全然“いけない事”では無いんですけどねw
RJ…ww 
それも、この年頃なら仕方ないかな?w
そして、ナイス(というべきなのか?w)な、タイミングでママwww
これ、“学生あるある”ですねw
ちょっと「くすっ」とさせて頂きましたw
 また、更新していただけるのを楽しみにしてますのでv
熱中症等ならない様に気をつけて下さいませ!

220名無しさん:2016/07/12(火) 02:28:06 ID:???
改めまして、書き手さまおかえりなさい!!
毎日覗いてたんですよぅ(嬉し涙)更新ありがとうございます!
帰ってきた御大!って何かのサブタイトルみたいですが←
ドクターストップもお構い無しの宴はクライマックス…
どこまでもなぶり者にされるNTが本当に可哀想なのに、たまらなくそそられます
たくさんの手に身体中まさぐられ好きに穴という穴を(自主規制)
あぁ…自分の変態性を認識させられますけどそれでもいい…///←
ずいぶん身体を痛めつけて狂気じみた顔を覗かせてきた御大ですけど、
実は身体だけでなくNTのその精神が屈服した瞬間にこそ一番満足しているような印象を受けました
散々玩ばれ、痛みと悔しさでボロボロになりながらも未知の快感で達する恐怖と抗えない衝動…
まさにNTという稀に見る調教対象「犬」「奴隷」を「征服」した、という支配欲が満たされた瞬間…ではないでしょうか
一方事後のNTの世話をしていた飼い主はその様子からするにやっぱりNTに少し甘いというか、
御大よりはNTを可愛がる一面もあるかな、と…かなり歪んでますけど。
代わりはいる、とNTを脅してはいるけれど、NTを縛る為の言葉であって、NTに執着してるんじゃないかなと勝手に思ってます
モブ考察までするなよって感じですが←

そしてうって変わって、RJNTの続編もきたー♪書き手さまの振り幅の広さ、すごいです///スキ…
私大好きなんですこのカップル!本当に可愛すぎて♪
青春まっただ中のラブコメ眩しすぎるぜ…性春まっただ中のRJ可愛すぎるぜ…w
人生オールモテ期な小悪魔NT、実は天然小悪魔体質ですよね…w
RJは意識しまくりで色々妄想しては悶々してますけど、NTは案外…な気がw
むしろ息子を守るスキル持ちのママンのほうが手強いかもよ←
後光差すNTの後ろから伸びる千手観音ママンの腕がキーパーさながらにRJをブロック…あれ、何言ってんだ私()
NTさん大好き!いけないことしたいよ!オーラ満載のRJが振り回されてる姿が微笑ましくて楽しいです^^
とっても愛されてるモテNTが実はRJ大好きだっていうのもまたきゅんとさせられます♪
笑えて萌えてなRJNT、シリーズと言いきってくださって嬉しい!まみでした^^

221名無しさん:2016/08/01(月) 14:47:58 ID:???
>>217>>218
あらまあ仲良くお二人で(//∇//)ありがとうございます!
グズだのクズだのって…
来てくださるだけて書き手も歓喜なんですよ〜

222名無しさん:2016/08/01(月) 14:59:08 ID:???
>>219
たろさま、コメントありがとうございます!
学生あるあるですよね、宅飲みならぬ宅Hとでも言いましょうか(笑)
かといっておんもでイチャコラされると困るし、いったい自宅通いの学生さんはどうしたら邪魔が入らずイチャコラできるのか
いけないこと…NTちゃんと想像したらなんと淫靡な響き…はうっ←腐乱臭

暑くて脳が…な書き手ですが、また読んでくださると泣いて喜びます!よろしくお願いしますm(__)m

223名無しさん:2016/08/01(月) 15:12:07 ID:???
>>220
まみさま、改めてコメントありがとうございます!

帰って来た御大…(怖)
ある意味御大の色んなものが帰って来たというか春が回ってきたというか、まみさま鋭いです(笑)
御大は鞭と鞭、飼い主(爆)は飴7割りに鞭2割り、残りの1割りは誰も気づいてないラブのつもりで…
もぶオジサマとのラブなんてダレトクやねん!なんですが、わたくしのイメージとしてはシースー食べに連れてってくれるあの社長(笑)

腐り幅?右へ腐っても左へ腐っても801しかないっていう幅のことかな?←
もうね、病院行ったら病名ついちゃうぐらい不安定にブンブン腐っております(エッヘン
ブレブレ書き手ですが、また読んでくださいましね(懇願)

224名無しさん:2016/08/01(月) 15:14:28 ID:???
Pさまはまみさまとの仲よしアピールしにきただけかーい(笑)
まったくもう!また来てよね!

225名無しさん:2016/08/01(月) 16:40:46 ID:???
唐突に獣もの(○姦じゃないですから!←)

*このこ猫の子*

ぼくは猫。

どこで生まれたのか知らない。

目を開けたら、ひとりぼっちだった。



「にゃー。にゃーーーん。」

寝床にしてる公園のすぐ近くにある人間の食べ物屋さんでゴハンをもらうのがぼくの日課だ。

ぼくは毎日忘れずにくるけど

「にゃーん…、…にゃあああああん!」

ここの人間は時々ぼくのゴハンを忘れる。



そんな時は

すぐ横の塀に登って、それから木に登って、枝の先から狙いを定めて狭いベランダに乗り移る。

「にゃーん」

おはようの挨拶をしながら前足の爪を少し出して、カリカリと窓を掻いたら


「…おはよう、はちわれ」

少しだけ開いたカーテンの隙間から、不機嫌そうにあくびする人間が見えた。

「にゃーん」

ぼくはなおと。はちわれって名前じゃないよ。

「はいはい。今 行くから、下で待ってろ」

はーい。


ぼくは今来たところをぴょんぴょん降りて、食べ物屋さんの店の前でお行儀よく座って待った。


カチャっと音がしたらドアが開く合図。

毎日ここから出てくる大きな人間が、ぼくの頭を優しく撫でてくれて、それからお腹をゴシゴシしてくれる。

「みゃーー」

ぼくはそれを想像しただけで嬉しくて、仔猫の時みたいな声が出ちゃう。

「あはっ、おまえだったの」

「にゃ?」

だけど出て来たのはいつもの人間じゃなくて、ぼくは少し後ずさった。


「はいはい、おまたせ」

でもすぐに後ろからいつもの人間がゴハンを持ってきたから、ぼくはそっちに夢中になって

いつもの人間は、ほくの頭をワシワシっと掻いてすぐに中に入ってしまったけど、ゴハンはいつも通りおいしかった。


「なおと、おいしい?」

うん!おいしい!………ん?


「マキサン、俺もおなかすいちゃった」

あ!ゴハンくれる人間はマキサンていう名前なんだ!

「アツシもカリカリ食うか?」

「やだよ!俺はオムレツがいい」

で、こっちはアツシ。カリカリは嫌い。

こんなにおいしいのに、変なやつ。


あれ?なんか大事なことを忘れたような気がするけど、、なんだっけ?

パタンとドアが閉まって、マキサンとアツシの声が遠くなる。

まっ、いっか。

「にゃーん」

おなかが膨れたぼくは、閉まったドアにごちそうさまを言って公園に向かった。

ぼくは猫。あの人はマキサン。

ぼくは、マキサンが好き。

226名無しさん:2016/08/01(月) 17:27:57 ID:???

公園の、いつもの木の下で伸びをして丸くなる。

朝のチャイムが鳴るとたくさん人間が通るから、木の根の隙間に挟まって小さな虫の行き来を眺めながらうとうと。


そうして少ししたら、1つの小さな影が木の影に吸い込まれるように飛んできた。

「なおとさん!おはよう!」

木の枝に止まって上から声をかけてきたのはなおき。

なおきはカラス。

なおきはこの木の枝にある巣で生まれて、飛べるようになる前からぼくの友達。

しょっちゅう落っこちてきてはお母さんに叱られて、ぴーぴー言いながら巣に戻されていたのに

今はぼくより大きくなって、真っ黒な羽を広げたらぼくをすっぽり隠してしまう。

「なおとさん、ゴハンは済んだ?」

「うん。今日も人間からもらった」

「えー?また?…俺は人間きらい」

なおきは人間がキライ。イジワルされるんだって。

「ぼくはすきだよ。ゴシゴシしてくれるし、ゴハンもくれる」

「でも、なんでももらって食べちゃダメだよ。またいつかみたいに病気になるよ?」

公園にくる小さな人間がくれた甘くておいしい石ころを食べて病気になったぼくは、三日月が満月になるくらいの時間苦しんだことがあった。

「あれはもう食べないよ」

「絶対だよ?」

「うん」

なおきの広げた羽に包まれながらおしゃべりして、いつのまにか眠るのもぼくの日課。

いくらお日様が照らしても、ぼくはいつも気持ちのいい木陰で目が覚める。


ぼくは猫。なおきはカラス。

ぼくたちはトモダチ。

227名無しさん:2016/08/01(月) 17:40:50 ID:???

お日様とさよならしたら、またどこかに行ってたなおきが帰って来る。

「ただいまー」

「おかえりー」

今度はぼくが出かける番だ。

「行ってくるね」

「遠くまで行っちゃダメだよ?」

ぼくはもう仔猫じゃないから迷子にはならない。

なおきが探しに来なくたってちゃんと帰って来れるのに、お日様が帰ってくる少し前には、どこにいてもなおきが迎えにくる。

「今日は迎えに来なくていいよ」

「どこ行くの?」

「ひみつ」

あわてて木から降りてきたなおきにそう言って、ぼくは走った。

「車に気を付けてね!」

なおきの目は月明かりだけだと見えなくなるから、ぼくと一緒には行けないと、いつも悲しそうにする。

そんななおきを見たら、胸がきゅーっと苦しくなるから、ぼくは返事もしないで駈けていく。


今夜は満月。

ぼくは魔法使いに会いに行く。

228名無しさん:2016/08/01(月) 17:56:05 ID:???
Oh…かっぷりんぐの表記がないぜ、このスットコドッコイの書き手め、と思った方へ。

なんというか、かっぷりんぐ書くと結末バレバレでぐたぐだ話が更に倍率ドンでぐたぐだになるので書くのやめてしまおうと(白目)
下系の絡みがある時には書きますので、どうぞご容赦願いますm(__)m

229名無しさん:2016/08/01(月) 23:29:05 ID:???

ぼくの心が、これ以上公園から離れてはいけないとザワザワするぐらい遠くまできた。


「ぼくを人間にしてください」

月明かりが照らす大きな岩の上、魔法使いは二本の尻尾をかわりばんこに揺らしながらジッとぼくを見た。

「あの!ぼくを!人間に!

「人間になど、なってどうする?」

聞こえてないのかと思ったら、ちゃんと聞こえてて、ぼくは大きな声が辺りに響いて少し恥ずかしかった。

百年生きた猫の魔法使い。

みんなは魔法使いをウササンて呼んで、喧嘩のケガや病気のこと、果てはお嫁さん探しまでなんでも魔法使いに相談する。

前にぼくが会ったのはお腹が痛くて水すら飲めなくなった時で、その時のウササンはとても優しかった。

でも今は、すごく怖い顔でぼくを見てる。

「なおと、おまえは人間になって何をするの?」

ぼくはマキサンが好き。人間になってマキサンとお話しがしたい。

「好きな人に会いたい」

「それは恋か?」

コイ?んーん、人間。公園の池にいるのとは違う。

「マキサンは人間。だからぼくも人間になりたい」

なれるの?なれないの?

ウササンは長い時間ぼくを見て、それからチラッとお月さまを見上げた。



「人間になる方法はあるけど、元に戻る方法はない」

「いいよ」

ぼくはマキサンと暮らすから、もう猫に戻れなくてもいいんだ。

ウササンは疲れたように深く息を吐いた。

近くの木が、それに応えるように揺れる。

「それにね、人間になって10日のうちに目的を果たせなければ」

「モクテキって何?」

「あー…、おまえの場合は真実の愛のキスだね」

「シンジツノアイノ?」

「キス」

キスは知ってる。なおきがよくホッペとホッペでキスってしてくるから。

ホントはくちとくちなんだけど、なおきのクチバシは当たると痛いからできないんだって。


「キスができないとどうなるの?」

「猫に戻ることも、人間でいることもできなくなるんだよ」

「じゃあ、どうなるの?」

「消えてなくなるのさ」


消えてなくなる?それって死んじゃうってこと?


「わかった。早くぼくを人間にしてください」

ぼくは大丈夫。

人間になって、マキサンに会って、シンジツノアイノキスをすればいいんだもん。

マキサンは優しいから、きっとすぐにしてくれる。

毎日ゴハンをくれるみたいに。






「カァー!カァー!」

朝、いつもの寝床で目が覚めたぼくは、心配顔で覗きこむなおきの言葉がわからなかった。

それに、すごく寒い。


「カァー!カァー!カァー!」

なおきがバザバサと羽ばたいて、その羽が顔に当たっていつもよりくすぐったい。

「なおき、やめて」

え?今人間の声がした?

ぼくは起き上がって辺りを見渡したけど、近くに人間はいなくって

だけど、木の根に、草の生えた地面に触れた感じがいつもと違って自分を見たら


ぼくは人間になっていた。

230名無しさん:2016/08/02(火) 01:08:36 ID:???

ぼくは、木に掴まりながら後ろ足だけで立ち上がった。

すごい。地面に立ってるだけなのに、塀の上にいるみたいだ。


マキサンに会いたい。


「カァー!カァー!」


「なおき、バイバイ」


「カァー…」




ぼくはマキサンのお店の前で、マキサンが出てくるのを待った。

だってもう猫の言葉は話せないし、こんな時に人間がなんて言うのかわからいから。


カチャ

あ、ドアが開く合図。


ぼくは胸がドキドキした。



「あれ、今日は来ねーのか…ん?」

ぼくのゴハンを持ったマキサンがぼくに気がついて、なんか用?って話しかけてくれた。

「あ、、ま、マキサン」

「ん?誰だっけ?」

「ぼくはなおと」

「なおと?」

人間になっても、ぼくはマキサンよりだいぶ小さくて、マキサンを見上げながらまだ慣れない人間の言葉をしゃべった。

「うん。なおと。それ、ぼくのゴハン」

「はあ?!これ?」

マキサンはカリカリの入ったお皿とぼくの顔を見比べて、それからプッと吹き出した。

「なにおまえ、腹減ってんの?」

「うん。いつもみたいに頭なでて、お腹ゴシゴシして、ゴハンください」

それから、お腹がいっぱいになったらシンジツノアイノキスをください。って言う前に

「あははっ!猫にエサやるとこ見てたのか?変なやつだね。いいよ、まだ開店前だけど何か作ってやるから入んな」

マキサンはすごく楽しそうに笑って、ぼくの大好きなくしゃくしゃの笑顔をくれた。

「入っていいの?」

「ああ」


そして、マキサンがドアを押さえてくれて、ぼくは初めてマキサンの店に入った。



『うち食い物屋だからさ、中には入れてやれないけど、メシはたらふく食わしてやるからな』

『にゃーん』


猫は入れないマキサンの店。

今日ぼくは入れてもらえた。

ぼくは人間。もう猫には戻れないけど、とてもしあわせ。

231名無しさん:2016/08/02(火) 01:19:39 ID:???
書き手です。
すぐに終わらせるつもりで書き始めたのですが睡魔に勝て…ない…(リアル白目)
また明日きますので、よろしくお願いしますm(__)m

232:2016/08/02(火) 03:16:07 ID:???

うふふ★
嫁ちゃんのすとーきんぐだけしてあとは来ないという、クズ代表★Pです★

しかも書き手様が寝落ち白目のタイミングで現れるというねw

かわゆいハチワレぬこのお話にによによしつつ、カリカリ嫌いなアツシサンがなおとの名前を知ってたことをあれこれ深読みしつつ、「なおき、やめて」の一言でトリップしつつ、、、

前回の感想は書かずに、おわすみなたい★(本物のクズや!)

また、来ますw

233名無しさん:2016/08/02(火) 08:50:12 ID:???
書き手さまおかえりなさーい!
書き手さまの更新で暑い…暑い…とダレていた私の背筋が伸びました!
今回もまた腐り幅半端ない書き手さまの文才が見事に発揮されたお話ですね…
純粋で、残酷で、愛しい。そんな猫の子NTのお話
彼の目線で見る人間の世界と動物たちの暮らしには非常に惹かれるものがありました!
理解できないことも、未知の領域も、あるがままを受け入れ、恐れも不安もなく、
彼の生きる「ザワザワしない」世界の日常がそうであるように、穏やかな毎日とぬくもりが常にあるものと信じて疑わない
なくすことの恐怖も、安全な日常の外にあるものへの警戒心もない
自分が思うのと同じように、相手もまた返してくれる、そう信じて疑わない
ましてカリカリや優しい手のぬくもりをくれる大好きなマキサンだから…
恐らく嫌な経験もしてきたNKならここまでできなかったでしょうね
でもNTはいつもNKに守られ、毎日MKの優しさに触れその優しいMKだけを見てきたから
だから純粋に、大好きなマキサンの言葉で話してマキサンと暮らすんだと、
その未来だけしか見えなくて、Uの視線もNKの声ももはやNTには届かなくて、大きな一歩を迷いなく踏み出してしまった…
この純粋さが、本当に眩しくて、同時に危うくて、気持ちがざわついてしまいます
今回読ませていただいて色々感じて、なのにそれをうまく文章にはできなかったのですが、
感想を書こうと読み返しながら色々考えているうちに、どんどん妄想が膨らんでしまって、
ATがNTを知ってる理由とか、結末とか、考えてしまって…ドキドキしてます
書き手さまが描く猫の子NTの物語、固唾を飲んで見守りたいと思います、まみでした!

234名無しさん:2016/08/02(火) 13:11:32 ID:???
>>232
Pさま、コメントありがとうございます!

感想は二の次でいいんですよ〜
拙者「読んだよ」のハンコでも押していただけたらそれだけでしわわせでごさる(唐突に侍登場
Pさま宅のNTさんはわんこちゃんですね(ちわちわ
わたくしもちわちゃん大好きなんですが、NT=猫の線も捨てがたくって//ネコ役だけに←

またどのタイミングでも来てくださいませm(__)m

235名無しさん:2016/08/02(火) 13:21:09 ID:???
>>233
まみさま、コメントありがとうございます!

あっちへ腐ら〜こっちへ腐ら〜と腐安定な文章からよくぞここまで!(驚愕
嗚呼、わたくしが小学生時代にまみさまとお友だちだったら、きっと読書感想文を丸投げしてたことでしょう(まみさま逃げてー
猫のNTは純粋というか…要するにちょっと足りnゴホンゴホンッ
ご期待のドキドキに応えられるかドキドキしながら更新してまいりますが
書き手は猫よりも猫背でやっておりますので、まみさまもどうぞお楽に〜

236名無しさん:2016/08/02(火) 13:24:03 ID:???
「ほら、食べな」

マキサンが、買い出しもまだだからこんなんしかできないけどって目の前に出してくれたのは

「どうした?チャーハンキライか?」

チャーハン。

「いい匂い」

すーんて鼻から息を吸っただけでおいしいってわかってヨダレが出ちゃう。

人間の食べ物は人間用だから食べちゃだめなんだけど、ぼくはもう人間だから食べていいんだ。

お皿に顔を近づけてたら、目の前に銀色のスプンが差し出された。

「いただきまーす」

ぼくは前足でスプンを持って驚いた。

重い。

公園に落ちてるスプンはどれも白くて軽くて、おいしい匂いがしなくなる前に壊れてしまったけど

このスプンはきっと壊れないしキラキラしてるから、なおきが欲しがりそうだな。

あ、今なおきを思い出したら胸がチクンとした。

変なの。

ぼくは人間になってもマキサンにゴハンをもらって、とてもしあわせなのに。

「お、おいしい…」

「そか、そんなんでよかったら腹一杯食ってけよ」

でもマキサンの笑顔を見たら、胸のチクチクはすぐに忘れた。




「あー、おいしかった!あっ!そうだマキサン、あの…えっと、」

初めて食べたチャーハンはすごくおいしくて、スープも冷めたらおいしかった。

「んー?おかわりか?」

でももうお腹いっぱいだから、ぼくは思い出した大事なことをマキサンにお願いする。

「やっ、あの、ちがくて………あえー…」

なのに、おかしいんだ。

ぼくはマキサンのシンジツノアイノキスが欲しくって、そんなのはマキサンに頼めばすぐにもらえると思っていたのに

「ははっ、そんなに見つめられたら穴あいちゃうよ?」

「あうう、、あの、マキサンの…」

マキサンの優しい目を見たら、シンジツノアイノキスって言葉が出てこない。

頭の中にはたくさんあるのに、言おうとしたら喉が苦しくなって言葉にできない。


どうしてなの?なんで言えないの?

言わないとシンジツノアイノキスはもらえない。それがもらえないとぼくは…


「うっ…」


ぼくは不思議がるマキサンを見上げながら、とうとう泣き出してしまった。

ずっと忘れてた、生まれて初めて目を開けた時の不安な気持ちとおんなじ気持ちで。

237名無しさん:2016/08/02(火) 14:43:26 ID:???

突然泣き出したぼくに、マキサンはやっぱり優しかった。

喉が苦しいと言ったぼくをお店の上のマキサンの家に上げてくれて、びっくりするほど冷たい水をくれた。

「おまえ、家出か?」

ぼくが座ったふかふかの椅子は、隣にマキサンが座ると少し揺れた。

「家出?」

「親と喧嘩したとか?」

「親はいない」

「あー、、じゃ学校は?」

学校てなんだろ?あ、公園にくる小さい人間の行くところかな?

「ぼくは大人だから」

もう3歳だし。

「ははっ、そかそか。じゃあ仕事は?」

「ぼくの仕事は…、あ、う、」

公園の周りのパトロールと宝物集めと昼寝。

おかしいな。猫だった時のことを話そうとしたら、また喉が苦しくなる。

「うっ、うっ、、」

冷たい水をいくら飲んでも、マキサンに話したい言葉が出てこない。


「いいよ、話したくなきゃ無理に言わなくていい」


マキサンはまた泣き出したぼくの背中を優しく撫でてくれた。

マキサンの手は温かくてすごく気持ちいいのに、人間の言葉がたくさん詰まったぼくの喉は、気持ちいいの音も出せない。




遠くに公園の朝のチャイムの音が聞こえてきた。

「おっと、そろそろ買い出しに行かないと」

なおとも行くか?って訊かれて、ぼくはいつの間にかふかふかの椅子で丸くなってた体を伸ばして立ち上がった。


ぼくの頭はマキサンの肩のところまで届く。

今まで見てたマキサンの靴は、ずっと下の方にある。


ぼくはまた喉が苦しくなったらイヤだから、なるべく黙ってマキサンの話しに頷きながら
初めて見る人間のお店の中や、マキサンのする事を見てた。


お店のものは、お金と交換する。


『それなに?』

『これは人間のお金だよ』

『なにに使うの?』

『うーん、、知らないけどキラキラしてるから持ってきた』


ぼくはまた、なおきのことを思い出してチクンとする胸を手で押さえた。


「で、どうする?なおと?」

「え?」

「ちゃんとした仕事が見つかるまでうちで働くかって訊いたの」

「うち?マキサンのお店?」

「そ。バイト代はそんなに出せないけど、メシはたらふく食わしてやるよ?」

「うん!」

バイト代がなんなのかは解らなかったけど、ゴハンは毎日もらえるんだ。


ぼくは人間。仕事はマキサンのお店のお手伝い。

胸のチクチクはいつの間にかワクワクに変わって、歩くのがやっとのように思えた後ろ足が軽くなった気がした。

238名無しさん:2016/08/02(火) 19:41:20 ID:???

「ありがとうございました!」

その日の最後のお客さんが帰ったら、マキサンがぼくと一緒に食べるゴハンを作ってくれる。

「だいぶ慣れたね」

「うん」

「はい、だろ?」

「はーい」

「「あははっ!」」

マキサンが作ったゴハンをマキサンと一緒に食べられる。
人間になって5日、ぼくはこの時間が一番好き。


だけど、マキサンにおやすみなさいを言ってソファに寝転がったら必ず喉が苦しくなる。

「うっ、、うっ、ん、」

「なおと?また苦しいのか?」

「マキ、サン…、、マキサンの、うっく、あ、う、」

「昼間は元気なのに、なんだろな?」

昼間は忘れちゃうの。

でもひとりになるとシンジツノアイノキスのことを思い出すんだ。

10日のうちにそれができないと、ぼくがどうなってしまうのかも一緒に思い出しちゃうんだ。

「マキサン…、マキサン、、」

だけどどうしたらいいのか分からないから、ぼくは背中を撫でてくれるマキサンに抱きつく。

そしたら、いつの間にか朝になってて 、また一日中マキサンと一緒にいられるんだ。



「なおと、今日はちょっとお願いがあるんだけど」

朝ゴハンのあとにマキサンに言われて、寝る前じゃないのに自分の願い事のことを思い出した。

「な、なあに?」

でもまた苦しくなったらマキサンが困るから、今はマキサンのお願いに集中する。


「今日店が終わったら大事なお客さんが来るんだ」

「大事なお客さん?」

「うん、だからなおとはどこかに遊びに行っててほしいんだ」

「どこかって?」

「ん?んー、友達誘ってメシ食いに行くとかさ」

「トモダチ…」

マキサンはなんだか嬉しそうにお尻のポケットから紙のお金を出してぼくにくれた。

「明日は店も休みだから、これで夕方までゆっくり遊んでおいで」

「ありが、とう、、」

昼間のうちにどこに行くか考えて、友達を誘うなりしとけよと言ったマキサンは、その日、いつもより楽しそうに見えた。



「行ってきます」


夜のゴハンを食べ終わって、食器を洗ってるマキサンの背中に言ったら、ヒラヒラと手を振ってくれたけど


ぼくさみしいよ。


猫だった時は夜になったら毎日出かけてたけど、今は猫の集会にも行けないし、まだ人間の友達はひとりもいない。

一日中考えても、ぼくが遊びに行けるところなんて思いつかなかった。



「はあ、どうしよう…」

ぼくは、猫のぼくが住んでた公園のベンチに座ってため息をついた。

ここ、こんなに静かだったっけ?

猫だった時は色んな声が聞こえてきてて、寂しいなんて思ったことはなかったのに

今はシンと静まり返って、なんだか少し怖いぐらい。

「なおきも寝ちゃったよね」

寝床にしてた木は、葉っぱが擦れる音さえしてなくて、ぼくは仕方なくベンチの上に寝転んだ。


マキサンちのふかふかの椅子が恋しかった。

マキサン、苦しいよ、、マキサン、マキサン、、、



ぼくはその夜夢を見た。

泣いてるぼくの背中を、真っ黒で大きな羽が優しく撫でてくれる夢を。

239名無しさん:2016/08/02(火) 22:43:54 ID:???
(注:うっすらMKA通りまーす)




「…さむっ」


空が少し白くなってきた頃に目が覚めたぼくは、寝ていたベンチから起き上がると体中が痛くて上手く伸びができなかった。

おなかすいちゃったな。


少しの間またベンチに座って、エサを探しに飛び立つカラスたちを見送った。

まだ全然朝ごはんの時間じゃないけど、ぼくの足が勝手にマキサンの店に向かって歩きだす。




トントン。

ぼくは店のドアの前に立って、マキサンに教えてもらったノックをしてみたけど

「こんなの上に聞こえないよね」


開かないかもしれないと思ったけど、ぼくはドアの取っ手を掴んで引いてみた。

カチャ

「わっ」

思いがけず開いたドアにびっくりしたけど、ぼくは嬉しくて店の中に入った。


静かに階段を上って行くと、マキサンの声が聞こえてきて

まだ大事なお客さんと話しをしてるんだと思ったぼくは、そっと部屋のドアを開けた。


マキサンとゴハンを食べたり、ぼくが寝る椅子のある部屋は真っ暗で、話し声はマキサンのベッドがある部屋から聞こえた。


ぼくは椅子のふわふわを整えて、マキサンが起きてくるまでもう一度眠ろうと思ってた。


だけど、




『…ん、んぁ、マキさん、、』


マキサンじゃない誰かの声。

少し苦しそうなその声が気になって、ぼくはマキサンの部屋の前に行った。


「あっ、ぁうっ…」

「大丈夫か?」

「……ん、うん、マキさん、、」

ぼく以外にも、寝る前に苦しくなっちゃう人がいるの?
その人も、マキサンのシンジツノアイノキスが欲しいの?

ぼくは胸が苦しくなって、マキサンの部屋のドアをそっと開けた。



「アツシ」

「マキさん、、キスし、、んっ、ふ、、」


マキサンのベッドの上、二人はやわらかな光に包まれてキスをしていた。


ウササン、これがシンジツノアイノキスなんだね。

マキサンのシンジツノアイノキスは、きっとぼくが来るずっと前から、カリカリがキライなアツシのものだったんだ。



『なおと、おいしい?』

「…あ、アツシ、くん?」

どうしていままで忘れてたんだろう。

目が開いたばかりのぼくが、ひとりぼっちでおなかがすいて、だけどどうしていいのかわからなくて鳴いてばかりいた時
いつの間にかそばにいて、花の蜜を吸わせてくれたり体を舐めてくれたりしたアツシくん。

それから寒い日はアツシくんのお腹の下にもぐって眠り、暖かい日向でアツシくんの長い尻尾にじゃれて遊んだんだ。

そして、なおきが生まれる少し前。

「なおと、今日でお別れだよ」

「なんで?アツシくん、どこ行くの?」

「ふふっ、ひみつ」

「ぼくさみしいよ!」

「もうすぐカラスの仔が生まれるよ?なおとならきっと友達になれる」

「ぼくアツシくんじゃなきゃヤだよ!」

「なおと、バイバイ」

「アツシくーん!!」

そういえば、アツシくんとさよならしたあの日も満月だった。






ぼくは明るくなった朝の街を、どこへ向かってるのかわからないまま、ただ歩いてた。

240名無しさん:2016/08/02(火) 22:51:10 ID:???

今日も眠気に負ける…るー(。´Д⊂)
また明日、よろしくお願いいたします

241:2016/08/03(水) 01:32:00 ID:???

Pも眠気に負ける…るー(。´Д⊂)

でも!とっても楽しんで読んでますので!

また!来ます!←

242名無しさん:2016/08/03(水) 10:41:10 ID:???
>>241
Pさま、来てくださって嬉しいです!
楽しんでいただけてるなら何よりでーす(//∇//)
お互い美容のためにも早くねにくちゃですわね、ホホホ!(わたくしはもう少し眠気に耐えろ)

243名無しさん:2016/08/03(水) 11:42:41 ID:???


なんにも考えず歩いているうちに、お日さまが一番高いところまできてた。


「…あつい」


ぼくは見たこともない大きな川の堤防にいた。


今の背丈と同じぐらいの草むらをかき分けながら土手をおりて、川のほとりを近くの橋の下まで歩いた。



ゴツゴツした石を避けて、出てきた砂地に靴を脱いで寝転んだら

「気持ちいい…」

ひんやりした砂が、疲れて痛くなってた足を冷やしてくれる。

「…気持ちいい」




『暑い時は日陰の砂の上に寝るんだよ』

『なんで?』

『冷たい砂が体の熱を取ってくれるから、ほら寝てごらん?』

『ふああ〜、気持ちいい〜!アツシくんも一緒に寝ようよ!』

『くっついて寝たら暑いだろ?』

『じゃあ尻尾だけ!』

『ふふっ、はいはい』


アツシくん…

『なおと、おいしい?』

アツシくんがくれた花の蜜はいつも甘くて、ぼくにおかあさんがいたらこんななんだろうなって思わせてくれた。

年上の猫に会った時にどうするかとか、毛繕いのあとに食べる草の生えてる場所とか、安全な寝床のこととか

大事なことは全部アツシくんが教えてくれた。

ぼくがひとりでなんでもできるようになった頃、アツシくんはマキサンに「コイ」をして、人間になるためにぼくの前からいなくなったんだ。


そして、ぼくがアツシくんを忘れて大人になるまでの時間をマキサンと…

アツシくんは、10日のうちにマキサンのシンジツノアイノキスがもらえたんだね。



よかった。


マキサンは優しいから、きっとアツシくんを大事にしてくれる。

ぼくもマキサンの優しいところが大好きだったよ。

そうだ、マキサンがアツシくんのこと「大事なお客さん」て言ってた。

アツシくんに教えてあげたかったな。


「アツシくん、ごめんね」


でも、よかった。

人間になったアツシくんが消えてしまわなくて、ほんとうによかった。

244名無しさん:2016/08/03(水) 11:57:09 ID:???
暑さに負けて昨晩から午前中まで死んでました…
また感想持って出直します!まみ

245名無しさん:2016/08/03(水) 11:58:56 ID:???
わっ!更新中すみません!

246名無しさん:2016/08/03(水) 12:39:54 ID:???

「いてて、、」

人間の体はかたいところに寝るのは苦手みたいで、ぼくは痛みをがまんしてゆっくりと体を丸めた。

カサッ

ズボンのポケットになにかが入ってる感触に気がついて探ったら、マキサンにもらった紙のお金が出てきた。

「あ…」




アツシくんがいなくなって、またひとりぼっちになったぼくに友達ができた。

木の上で生まれたカラスのなおき。

あっという間にぼくより大きくなったなおきは狩りが上手で、いつまでも狩りがヘタなぼくにおいしいものを持ってきてくれた。

『わあ、こんなおっきい魚どうやってつかまえたの?』

『いつもたくさん落ちてるんだ。でも人間が見張ってるから捕るのは大変だけどね』

『おいしい!なおきは食べないの?』

『もう食べたからいいんだ』

『ふーん。…あ!なおき血が出てる!』

『あ、これは…、さっき木の枝に引っ掛けたんだ。全然平気!』



もしかして、あれは魚屋さんの売り物だったんじゃないかな?

このお金をなおきにあげたら、魚屋さんにイジワルされずに魚をたくさん食べられるのに。

ねえ、なおき…

ぼくおかしいんだ。

なおきのことを思い出したら胸が痛いの。

マキサンとアツシくんのシンジツノアイノキスを見たときより、ずっと苦しい。


「ふ、、うっ、ひっく、、…う、、なお、き」


ぼくにエサを分けてくれたり、仲間であるはずのカラスからぼくを守ってくれたなおき。

ぼくがどこにいても飛んできて、うるさいなって思ったりしたけど、なおきがいたからぼくは安心して暮らせたんだ。

ぼくはなおきに守られることが当たり前になってて、ありがとうを忘れてた。



もうすぐお日さまが沈む。

寝床に帰るカラスの群れが飛んで行くのが見えたけど、今のぼくにはカラスの言葉どころか誰が誰だか見分けさえつかない。


今日のお日さまとさよならして、明日になって明日のお日さまとさよならして、また夜になったらぼくも消える。

マキサンといるときは消えてしまうことがあんなに怖かったのに、今は全然怖くない。

「…なお、き、、ごめんね、、ごめん、ね、、」

ただ、もうなおきに会えないことが悲しくてしかたなかった。

247名無しさん:2016/08/03(水) 13:08:06 ID:???
>>244
まみさま、来てくださってありがとうございます!
毎日暑いですよね〜(滝汗
ゆっくり読むほどのものではないですが、どうぞごゆっくりしてってくださいませ
わたくしはゆっくりし過ぎよね(爆)

248名無しさん:2016/08/03(水) 16:44:17 ID:???


お日さまが完全に沈んで、道路を走る車も少なくなった頃、ぼくは「眠りの木」を探すために近くの森に入った。

眠りの木は、歳をとったり、治らない病気になった猫が最後にたどり着くところ。

眠りの木を探しに行った猫が戻ってきたことはないから、誰もその場所を知らない。

だからぼくも、この森に眠りの木があるのかどうかわからない。

だけど、ぼくはその木を探さなくちゃいけないって強く思っていた。



「あ、これなおきが好きな木の実だ」

木の下で昼寝から目覚めたら、ぼくの周りにこの木の実がたくさんあって

『なに…?これ』

たくさんありすぎて起き上がるのにもジャマで、得意気に胸を張って木の枝に止まってるなおきに文句を言ったこともあったっけ。

なおきは、ぼくをよろこばせようとしてくれてたんだね。

気づかなくてごめんね、なおき。


眠りの木を探して歩いてるうちに、ぼくのポケットは木の実でいっぱいになった。


「おなかすいたな」


ぼくはもうすぐ消えてしまうのに、おなかはちゃんとすくんだと思ったら少し可笑しかった。




『なおとさん、また花の蜜吸ってんの?』

『いいんだもん!ぼくはこれがすきなんだもん!』

狩りがヘタで獲物に逃げられて、仕方なく花の蜜を吸ってたぼくは、なおきにバカにされたと思って怒ったよね。

『すぐお腹すくでしょ?ちょっと待っててね』

だけど、なおきはぼくを心配してくれてたんだ。


仔猫だったぼくを助けてくれた花の蜜も、けがをして動けなくなってたぼくを助けてくれたカリカリも
人間になってからマキサンが作ってくれた温かいゴハンの味さえ今は思い出せないのに

『んがー!ニガイよ!うわっ!歯に挟まった!あ、あ、歯に刺さって取れないー!』

猫のぼくには食べられなかった木の実の味を思い出していた。


「やっぱりニガイや」

今ならおいしく食べれるかと思って食べてみたけど、やっぱり木の実はにがくて


「カァー!」


いつからそこにいたのか、木の実を吐き出したぼくを笑うように鳴いた一羽のカラスにポケットの中の木の実を差し出した。

「食べる?」

「カァー!カァー!」

「そっか、きみも人間が嫌いなんだね」

「………………」

「ここに置くから食べてね、、あと、もしなおきを知ってたら「ありがとう」って伝えて」

「カァー!カァー!」

枝から降りずに鳴くカラスが何て言ってるのかわからなかったけど、ぼくは木の実を地面に置いて、また森の奥へ進んでいった。


もうすぐお日さまが出てくる。

今日のお日さまと一緒にぼくは消える。

249名無しさん:2016/08/03(水) 19:52:44 ID:???
もうひと死にしてきました、猫舌やNTの仕事の可愛さに悶えたまみです!
優しいMKと暮らして、人間の暮らしにも少しずつ慣れ始めたNT
友達のNKというぬくもりを手放したチクチクと、それにも勝る夢見たMKとの暮らしのワクワク
だけど魔法と現実がただ幸せを求めたNTを幸せにはしてくれなくて…
やっぱり、A、そうでしたか…しかも孤独な子猫のNTの生き方を教えてくれてたんですね
大切なAと大好きなマキサンだから、NTはシンジツノアイノキスがもらえない自身の行く末を静かに受け入れたんだ…
無邪気で、そして純粋なNTは優しくて…せつないです。愛しい子。。
猫の子として一生懸命暮らしてきたNTにとっては猫の暮らしのほうがやっぱり過ごしやすいようで、
それでも未知の世界にマキサンだけを追いかけて飛び込んできたNTが眠りの木に向かうことになるなんて…
さみしさで震えるNTを包んでくれる、あたたかさ存在と、シンジツノアイノキスがほしい…
そう願ってやみません

250名無しさん:2016/08/04(木) 20:46:10 ID:???
>>249
まみさま、コメントありがとうございます!
一日に二度も生き返るなんて、まみさまおそろしい子(白目)←古いかしら//

ねー、やっぱりでしょう?うへへ//
カップリング書いても書かなくてもわかっちゃうっていう(笑)
ちょっと悲しい展開で、NT愛に溢れるまみさまの心を乱してるかとはおもいますが、
人間になっても猫の本能に従って、たったひとりで眠りの木に向かうNTを最後まで見届けてあげてくださいm(__)m

251:2016/08/05(金) 00:23:21 ID:???

よいしょ!書き込めるかな?
書き手様がエラー?で書き込みできないようですので、試しにおじゃましまんぼ★

肝心の書き手様は、ガーリックの匂いに釣られてP宅でおやすみになられておりますのでwご心配なくw

エラーが直りましたら!こねこたんの続きを!!切望しておりまーす!!!

252名無しさん:2016/08/05(金) 21:40:24 ID:???
>>251
Pさま、昨夜はスミマセンでした(汗
そしてわざわざテストまでありがとうございますm(__)m
おかげさまで板内迷子という訳のわからない事態はなんとかなりました(スマホ再起動で)
消されても文句を言えないような内容のお話があるだけに滝汗だらだらで泣きながら他所のスレに殴り込みに行っちゃうとか…
ほんとお恥ずかしいです///

253名無しさん:2016/08/05(金) 21:42:30 ID:???


お日さまはもう真上をすぎて、ぼくが住んでた木と同じぐらいの高さにきてる。


ぼくはつかれて、おなかがすいて、喉もカラカラなのに、いつからか足が勝手に前へ前へと進んでいくようになった。

いつもなら避けて通るようなでこぼこの道も勝手に進むから、ぼくは地面に手をついたり膝をついたりして泥だらけだ。



でもきっともうすぐなんだってわかるからツラくはなかった。

どこにあるのか誰も知らない眠りの木にぼくは近づいてる。

マキサンのこと、アツシくんのこと、そしてなおきのこと。

思い出したら胸が苦しくなるようなことも、今は思い出すたび全部がうれしくて楽しい。


そして


「うわ…っ!」

ずっと両腕でかき分けてた草が急になくなって、ぼくの両手は掴むところをなくしてバタバタして
あんなに止まらなかった足もそこで動かなくなったから、思い切り転んでしまった。


「あ、、あった…」

顔を上げたら、広場のようなそこの真ん中に小さな木があった。

これが眠りの木。


ぼくはその小さな木に近づいて、目の前にある葉っぱをサワサワ撫でてみた。

ザザザーーー

木はその小さな姿に似合わない音でこたえてくれた。

今度は葉っぱの匂いを確かめようと顔を近づけてみる。

「…くちんっ!」


ごめん、くすぐたかったよね。


鼻を擦りながら足元を見たら、眠りの木の根本には小さなへこみがあった。

それは、ちょうど猫が丸くなって入れるくらいのへこみ。


「みんなここに寝るのかな?」

今のぼくにはちょっとムリみたい。


「よいしょ」

ぼくはそのへこみの横に座って、手のひらでへこみに触れてみた。


そこは日陰になってから時間がたってるはずなのに、ほんのり温かかった。

それはまるで、誰かとくっついてる時のような優しい温もり。


小さな眠りの木の長い長い影を見ながら、ぼくはすごく穏やかな気持ちで最期の時を待っていた。

254名無しさん:2016/08/05(金) 22:13:37 ID:???


「カァー!カァー!」

「…ぅん、、?」

ぼくはいつの間にかうとうとしていたみたいで、けたたましく鳴くカラスの声で目が覚めた。

「カァー!カァー!カァー!」

「なおき…?じゃないね」

眠りの木の広場を見下ろせる大きな木に止まってるカラスは、なおきより少し小さかった。



「カァー!カァー!カァー!カァー!」

「ねえ、、お願い…もう鳴かないで。…ぼく、すごく眠いんだ」

消えてしまうのは怖くなかったけれど、できれば静かに眠りながら消えたい。

ぼくはもう座っていられなくなって、へこみに手をついたまま寝そべった。


眠りの木の影はさっきよりも長く、そして薄くなっていた。


「カァー!カァー!」

「…静かに、、して」

「カァー!カァー!カァー!カァー!」

ぼくが目をつむろうとするとカラスが鳴く。まるで眠ってはいけないと言ってるみたいに。

だけどもう限界。

さよならマキサン。

さよならアツシくん。


「さよな、ら、、、なお…き」





眠りの木の影が周りの色と同じになって、ぼくは目を閉じた。

そしたらすぐに体が浮き上がって、暖かい何かに包まれたような感じがした。


ああ、これはなおきの羽だ。

大きくて、あったかくて、いつもぼくを暖めてくれた。

ぼく、猫に戻ったの?


「…なおき」

「なおとさん」

「あ、、は…なお、き」

聞いたことのない声だったけど、ぼくはどうしてかそれがなおきの声だと思った。

「なおとさん、」

「ん、、」

また名前を呼ばれて、そしてぼくの口にやわらかい何かが触れて離れた。


そしたら

今まで真っ暗な夢の中にいたのが急に目の前が明るくなって、目を開けたら


「……だれ?」

知らない人間がぼくをだっこして泣いていた。

255名無しさん:2016/08/05(金) 22:57:03 ID:???

ぼくをだっこした知らない人間は目を開けたぼくを見て

「よかった、、よかった」

って、ぼくを抱いてる羽に力を込めてたくさん泣いた。

ぼくは羽のある人間を見たのは初めてで、すごくびっくりした。


もしかして、

「なおきなの?」

「なおとさーん!うわーーっ!」

ぼくが抱きしめられてる羽を撫でながら訊いたら、なおきっぽい羽人間はますます泣いたけど

「カァー!」

さっきの小さなカラスが暗闇の中で鳴いたら

「ありがと!なおとさんを見つけてくれて本当にありがとう!気を付けて帰れよ!」

って、大きくな羽をバサバサ振った。


ぼくはなおきの羽の間から、そこにあった眠りの木が静かに姿を消すのをぼんやりと見ていた。


どうやら消えずに済んだぼくは、なにもない広場の真ん中で長い時間なおきに抱きしめられていた。

どうしてぼくは消えなかったんだろう?


『おまえの場合はシンジツノアイノキスだね』


ぼくは急にウササンの声を思い出してハッとした。

ウササンはシンジツノアイノキスって言ったけど、マキサンのとは言わなかった。

ぼくが勝手にマキサンのシンジツノアイノキスって思ってただけなんだ。


「ねえ、なおき。なおき?」

「…う、ぐすっ、、はい?」

「なおきがぼくにシンジツノアイノキスをくれたの?」

ちゃんと聞きたくて、なおきの羽の中から出ようとしたらますます抱きしめられて出してもらえない。

でもなおきが小さくうなずいて、ぼくの肩が濡れたから、きっとそうなんだろうって思った。


「じゃあなおきは?」

「…え?」

「なおきはどうしたらいいの?」


ぼくはカラスの魔法使いのことは知らない。

しかもなおきの腕はカラスの羽のままだ。

ぼくは、これじゃ森を出ることもできないとなおきの涙を手のひらで拭いながら呟いた。

なおきは困ったような顔をして、大きな羽でぼくをつつんでた。

256名無しさん:2016/08/05(金) 23:19:08 ID:???


「おれは、、あ、う、、」

「なに?なおき、どうしたの?」

なおきは何かを言いかけては苦しそうな顔をして、それから無理やり笑って大丈夫と言った。

だけどぼくは、それが何なのかすぐにわかった。

きっと不安でいっぱいのなおきを精一杯の力でぎゅっと抱きしめる。

なおきは少し震えてた。


「なおき。ぼくね、人間になってから色んなことがわかったんだ」

ぼくはひとりぼっちじゃなかったこと。

いつもだれかに守られて幸せだったこと。

大切なひとには幸せになって欲しいこと。

そして

「いちばん大切なのは、なおきだってこと」

「なおと、、さん」

シンジツノアイノキスは真実の愛のキス。

いちばん大事なひとにあげるものなんだよね?

そして今度はぼくがなおきにあげる番なんだ。


ぼくはなおきがいつもしてくれたように、なおきの濡れたほっぺに自分のほっぺをつけた。

それから、もう硬いくちばしじゃないなおきの口にそっとキスをした。

「なおき、大好き」







ぼくたちはお互いの手をしっかり繋いで森を出た。
昇り始めた太陽が、ぼくたちの新しい出発をお祝いしてくれているみたいだった。



おしまい

257名無しさん:2016/08/05(金) 23:44:31 ID:???
今、indexを貼ろうとして重大なミスに気づきました。

>>216
マユミさま、コメントしてくださっていたのに見落としてしまい、大変申し訳ございませんm(__)m
あらためてコメントありがとうございました!
件名なし、楽しみにしてくださってとても嬉しいです。
あまりお待たせしないうちにと思ってますので、また読んでいただけると幸いです。

258名無しさん:2016/08/05(金) 23:49:48 ID:???
*index 4

*index 1
>>95

*index 2
>>189

*index 3

>>214

*コメント&コメ返
>>217-224

*この子猫の子
>>225-256(コメント含む)

*コメ返
>>257

259名無しさん:2016/08/06(土) 00:13:31 ID:???

*カラスの子(猫の子番外編


朝起きたら、なおとさんが人間になっていた。

止めた俺に「なおき、バイバイ」って手を振ったなおとさんは幸せそのものだったのに

「…マキサン、、マキサン、、」

ある日、公園のベンチで寒そうにうずくまってうなされていた。






「ぼくを人間にしてください」

俺は一晩中真っ暗な中を飛んでカラスの魔法使いに会いに来た。

「おまえはなぜ人間になりたいのだ?」

「好きなひとを助けるためです」

大きなカラスの魔法使いは俺をじっと見つめ、それから真っ暗な空をチラリと見た。

「まんげ

260名無しさん:2016/08/06(土) 00:22:31 ID:???

「満月の夜に出直してこい」

「それじゃ間に合わないのです!!」


なおとさんを泣かせるやつからなおとさんを守るには、今すぐ人間にならないと間に合わない。

何も知らないなおとさんの願いを叶えてしまった。

猫の魔法使いは残酷だ。



「月がかけている夜に魔法を浴びれば、おまえの一部も…」

「構いません!」





俺は人間になった。

また真っ暗な中をなおとさんのもとへ急いだ。

人間の目はカラスの時より闇に強いらしく方向を間違えることはなかった。

ただ、俺に残った羽は人間の体で飛ぶには少し小さかった。

慣れない足で走ったり、羽が冷えたらまた飛んだ。

いく道よりもずっと時間がかかって、なおとさんが消える時間がせまって


途中、仲間だったカラスに頭を下げてなおとさんを探すのを手伝ってもらった。

261名無しさん:2016/08/06(土) 00:28:11 ID:???

「満月の夜に出直してこい」

「それじゃ間に合わないのです!!」


なおとさんを泣かせるやつからなおとさんを守るには、今すぐ人間にならないと間に合わない。

何も知らないなおとさんの願いを叶えてしまった。

猫の魔法使いは残酷だ。



「月がかけている夜に魔法を浴びれば、おまえの一部も…」

「構いません!」





俺は人間になった。

また真っ暗な中をなおとさんのもとへ急いだ。

人間の目はカラスの時より闇に強いらしく方向を間違えることはなかった。

ただ、俺に残った羽は人間の体で飛ぶには少し小さかった。

慣れない足で走ったり、羽が冷えたらまた飛んだ。

いく道よりもずっと時間がかかって、なおとさんが消える時間がどんどん迫ってくる。


途中、仲間だったカラスに頭を下げてなおとさんを探すのを手伝ってもらった。


『相手がおまえと同じ気持ちでないと、おまえの体はそのままだ』

『…構いません』

『カラスに戻ることも、完全な人間になることも叶わずどう生きるのだ?』

『なおとさんが助かればそれでいいんです!』



残ったのが羽でよかった。

もしクチバシだったらなおとさんを助けることもできなくなるところだった。

262名無しさん:2016/08/06(土) 00:30:34 ID:???
>>259は手が滑りましたm(__)m
にしても、よりによってソコー?なところで…(爆)

263:2016/08/06(土) 00:50:41 ID:???

ちょwwまんげwwwよりによってwwwwソコー?wwwww

感動☆巨編の続きを読みに来たのにwwPの腹筋がwww火を吹きまくりんぐwwwww





出直しますwwwww

264名無しさん:2016/08/06(土) 01:01:17 ID:???
>>263
ちょっとソコ笑いすぎー!!ムキーッ!(Pさまの扱いが雑w

いやもう自分でやらかしたのにホントにショックで番外編中途半端で終わりにしちゃいましたが
NKのスピンオフだからいいですよね?ね?←言い訳

265:2016/08/06(土) 04:05:35 ID:???

寝落ちの前にこれだけは…

すぴんおふも!完結きぼんぬ!!


にゃ「…今晩ちわわぁ…これ、手土産です★」っはなびセット★=∴≡∴

にゃ「書き手様のスレ、怖いとこかと思ったけど…すごぉい純粋なお話///」

にゃ「なおきの羽、小さかったら俺の羽ーねす貸したげようと思ったけど…これからはふたりでおてて繋いで生きて行くんだね///素敵///」

まだ他のお話を読んでいないうちの子(にゃーす服着た小悪魔★なおと)ですが…

背後にはぼでぃがーどが控えておりますので★

おみ「…無体なことしたら、即座に…」ばずーか構え★
がん「吹っ飛ばしてやりますよ★」大砲構え★
じろ「お、穏便に、すまそ?な?」おろおろw


お騒がせにならないことをwお祈り致しますw
何度もおじゃましましたー★

266マユミ:2016/08/06(土) 12:56:51 ID:???
お返事ありがとうございます♪ 
猫の子 楽しく読ませてもらいました!NTが真実の愛のキスをしてもらえて 一番大切な人が誰か ちゃんと判って良かったです♪カラスの子 も最後まで読めたら嬉しいです。

267P:2016/08/30(火) 23:15:22 ID:???

慣れないすまほから今晩チワワ♪
あの、書き手様
はちわれ(なおと)が姿を突然見せなくなって、マキサンとアツシくんはどう思ったのでしょうか
マキサンからすれば猫と人間なおとの2回、来なくなっているし、アツシくんは魔法の行く末も知っているはずなので…

にゃ「書き手様、ちゃんとひとりで遊びに来たのにお誕生日になっても遊んでくれない…」ぷくちわ…
にゃ「持って来たはなび、湿気っちゃうかららっぷしとくねー★」っ⬜ぴっ★

またw来ますw


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