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仮投下スレ

146最強候補の一角、植木耕介 ◆n0WqfobHTU:2011/10/20(木) 20:55:14 ID:???



「耕介君、この先の西の端には何があると思う?」
「んー、崖になって先にいけないよーになってるとか」
「恐らくはだが……この殺し合いを仕掛けた奴等の謎が隠されていると私は思っている」
「そうなの!?」


「ウ・ソ」



 肌がつやっつやに見える程活き活きしてるナゾナゾ博士は、植木耕介を伴って地図の西端へと辿り着いた。
『会場外へ近付いています。会場外へ近付いています。これ以上進むのは危険です。今すぐ引き返してください。繰り返します。会場外へ近付いています──』
 そんな警告音が首輪より鳴り出すと、ナゾナゾ博士はやはりかと頷きながら足を止める。
 しかし、全然何も考えていなさそうで実際あまり物を考えない植木は、何の気無しにすたすたと歩を進める。
「ちょ、耕介く……」
 直後、ばっこーん、ともの凄い音を立てて、耕介は吹っ飛ばされてしまう。
 そのままひっくり返った耕介は何事かと身を起こすも、視界内に不審なものは、シルクハットかぶった妙なおっさん一人しかいない。
 奇妙なおっさんことナゾナゾ博士は足元の土を堀り、手で固めてひょいっと投げてみる。
 今度こそ植木にもはっきりとわかった。
 見えない壁のようなものに土玉は弾かれてしまったのだ。
「ナゾナゾ博士! 見えない壁だ! 痛いぞ!」
「うん、全部見ればわかる。後、他者の警告はせめて耳ぐらい傾けよう」
 植木はやはり話を聞いていないのか、懐よりごそごそとゴミを取り出し、えいやっとばかりに長大な木へと変化させる。
 ナゾナゾ博士がものっそい勢いで目を見開いているのを他所に、伸びた樹木は見えない壁にぶつかりこれまた再び弾かれてしまう。
「こんにゃろ、なら……」
「ちょ、ちょっと待ちたまえ耕介君! 君、注意事項を読んでないのかね!?」
「注意事項?」
 ナゾナゾ博士が首輪爆破条件の一つに会場から逃げ出そうとした場合がある事を説明すると、植木は言い訳がましくぼそぼそと口篭る。
「……えっと、ほら、一々全部こっちの動き見てる訳じゃないだろうし」
「そう出来ると見て行動すべきだろう。ほら、耕介君の右腕を見てみたまえ。極小のものだが、カメラが一つついているだろう?」
「え!?」
 驚いた植木は慌てて袖をたくしあげる。
 ナゾナゾ博士は満面の笑みで言った。


「ウ・ソ」




 彼は、見るからに目つきが悪かった。
 本来友好を示すはずの笑みは、人を小馬鹿にしたような、醜く引きつった悪意の証としか思えない。


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