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仮投下スレ

129どじふんじゃった! ◆AJINORI1nM:2011/09/01(木) 04:39:23 ID:???
 それと同時に首へ衝撃が起こる。
 攻撃を受けたらしいが、とらは構わず振り向きざまに腕を振るう。
 何かが砕ける音が首から聞こえた。
 振り向いた先には、蹴りの姿勢をしているゼオンの姿があった。
 どうやら首に蹴りを入れられたらしい。
 振るった爪はゼオンの胴に食い込み、その小さな体を抉り(えぐり)ながら大きく吹き飛ばした。
 即座に追撃するべくとらの体が動く。
 しかし、とらの追撃がゼオンに届くことはなかった。
 とらが追撃のために動きだすと同時に、とらの首から炸裂音が上がる。
 それは、最初の広場で見せられた首輪の爆発の音と同じものだった。
 爆発音がとらの耳に聞こえるよりも先に、とらの首が胴から離れる。
 その吹き飛ばされた頭は怒りの表情に満ちていた。
 全ての怒りを集約したかのような、ぞっとする程ぎらついた瞳は、最後までゼオンを睨みつけていた。





 ◆  ◆  ◆





 落下の途中。
 視界の端でとらの頭が胴から離れるのが見えた。
 そして聞こえる爆発音。
 とらが死んだのだと、芳野は理解した。

 どじを踏んだと自分でも思う。
 あの魔本は持ち主に力を与えるのではなく、ゼオンに力を与える物だったのだ。
 支給品やとらの話から、何らかのオーパーツだと思ったが、あれはゼオンの元々の持ち物だったのだろうか。
 それとも、最初に使用した者に力を与える物だったのだろうか。


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