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仮投下スレ

106記憶〜リメンブランス〜 ◆imaTwclStk:2011/05/20(金) 14:22:42 ID:???
「……姉ちゃんは、俺の事を知ってるって事は
 あのブラックとかいう“悪もん”の兄妹なのか?」

蒼月潮の私に対しての質問の第一声はそれだった。
“悪い”、か……定義としては正に間違ってはいないと思う。
そう、兄…キース・ブラックが始めたこのプログラムは彼らからすれば
一方的かつ、唐突に始められた事なのだからこれは仕方が無い事だ。
私達や高槻達オリジナルARMSのように最初から
運命の内側に閉じ込められていた人間とは違うのだから……

「その質問の答えは『YES』よ、蒼月潮。
 それを知ったらあなたはどうするの?」

兄の真意を知らずに“悪い”と認める事に逡巡はあったけれど、
敢えて包み隠さずに真実を述べる。

「……だとしたら、俺は姉ちゃんを許せない」

……やはり、そうだろうな。
私達の道は既に許されざる道なのは分かっていた。

「さっきまでは、そう思ってた!」

えっ?

「俺には姉ちゃんを憎めそうには無いよ。
 ……だって、姉ちゃん哀しそうだから」

『私の盲いた目に写るのは、傷ついて泣いている小さな女の子だけ…』

ママ・マリアの言葉。
何故、今になって思い出してしまうのか。
意思の込められた力強い眼差しで私を見つめる少年に
先程まで話をしていた新宮隼人の、
オリジナルARMSである少年達の姿が重なる。

「……おかけなさい、蒼月潮。
 今、お茶を淹れるわ」

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