やらない夫のオイレンシュピーゲル物語_第三楽章 - 1408293568

1： ◆c4bqdXp7mw：2014/08/18(月) 01:39:28 ID:d1j1kkMs: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´　　￣　-　.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ′　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ′　　　　　　　ｉ　　　　　　　　・このスレは、実在した人物の人生を扱ってますが、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　あくまで〝創作物〟であり、フィクションです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　__ﾉ　　　　　　　　　　　 l
　　　　_＿　　　　　　__／,r'|　　　　　　＿ノ　|　　　　　　　・スレタイに【十八禁】を入れてませんが、取り上げる
　　／　　｀ﾌ二二二￣ﾉ∧＼　　　r　　　（　●）｀r'　　　　　　　　　作品によってはエロ･グロがあります。
　／ ,/´　　丶　　　　　/.∧.//.＼ .i´| 　　　　　　　!
ノ　　　　　　　丶.　　　　|　　∧.///.>､｀､　　(＿＿入)　　　　　　　　・また差別的な表現が出ることもありますが、このスレで
i 　 i　　　　　　丶　　　|　　, ´V//./ >‐<｀､　　　了´　　　　　　　扱っている時代や社会状況から来るものであり
..､　l　　　　／　| 　　　! , '　　 V//∧__,.∨l＞-''´　＼　　　　　　作者に特定の人種を貶める意図はないということを
ﾉ　∧　　　／〈　/ 　　7　　　.＼/l| |:::ヽ | |　丶　　 i｀､　　　　　　お断りしておきます。
|　∧　　　< 　 _l／l　　　ヽ　　　　 |.ｌ|ﾉ. --ｒ┬‐,　丶　|　〉
i ∧ 　　__　ヽ　　｀ｉ＿　　ヽ　 ,. ＜　丶「━━━━━━━━━━
!　　ヽ　　　　ヽノ　　￣,､　／　　‐r＼〉/　　 .／　　 |　i
! ＿.　ヽ､　　／i_＿.／｀l｢ﾆ| 　　　r ＼_）/ 　／　　　 ! 7
i,　─-ﾞｉ＼､＜￣／　/ !ﾆl!､_＿ｔ‐-,r'　/　／　　　　ﾉ´
!/─､-／　　／　／!, |=! , ´　　､　| /／　　　　　/
|　／　　　／　　　　ｏ〉ヽ´　　　､|.ﾚ　　　　　　ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　【前スレ】
/'　　　／　　　　ｏ／￣　　　　　　ゝ　　　　　　, '
ﾞｉ　　　　　　／　　　　　　　　◎ソ　　　　-ｨ　　　　　 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14429/1400247209/
..＼_＿＿＿＞ ´　　　　　　　 ι 　　　__λ

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45： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:41:10 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　（※：『トオマス・マン短編集』実吉捷郎訳、岩波文庫より抜粋）

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､､iヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |ｌ! i i i !／　　　　　　＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| |!／　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　　　　　／
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼い/ / / 〃!-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ.|　!/ / /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |il三ニ＝―
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ.|'`ヽ|ｌ|/´ ﾉ|,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ―＝ニ三il| 　　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　　　/::|il| ヽ　　＼

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46： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:41:32 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────┐
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│　　この小説は、無論創作物、フィクションである　　 │
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.　　　　ﾉ廴人__/ //ｰ=ﾐ｀Y二二ヽ
..　,ィﾌ　(し==ミＹi!　ｌ {:::::::::::} |ﾄ､＿__＼
　 { {(＿j／￣｀ヽl　乂__::;ﾉﾉ }ﾄ､＿___ノ⌒
　┴=ﾐＶ´ /:￣:ヽ＼ }{ﾄ- 　八 }＼＿ヽ}
　 =ミ　l{　{::::::::::;ﾉ l} ト--- ' 　＼ニニニヽ
　 ::::::}　＼｀二´　ﾉﾉ　　　／_＞ ∨__,ﾉ⌒}}
　 __,ﾉ　ﾘ}≧ｚｚ彡'　　／／　　　＼ヽ-=ミ､
　≧ｚ彡'´　　　 jﾉ　　/ / _,斗くﾝ　　ヽニ=ミ}
　＼_{　l　　　（_　　 7´ /_辷ブ　　{ 　 }ﾆ/⌒ヽ　　　　　　　　　･･････････････････
　　〈　 r―――＼_　　　ｰ　　　　　　　｀i　/ヽ゜
.　　＼{厂_,斗rくﾝ/}　＼　　　　　　　　 |〈ﾉ)　i
　＼＼ﾄ､,ﾉ__以'^ ｉ l　　ヽ　　　　　　│)__,ﾉ |
　　　＼ヾ　　　　　　＼＿/ ＿__　　　　　{　ｏ　ﾉ　　　　　　　　　　　　　　フム･･････
　　　　＼＼　　　　　　＿/ ／　　　　　　〉ーく＼
　　　　　＼丶　　　 /__／　ノ　　　　　/　　　） )/´)
　　　　　　｢｀ヽ　　　　ー‐く　　　　 /　　　/ /　 / ）
　　　　　　　 |'⌒(＼　　　　　　　　　 /　　　/ /　 / / )　　　　　　　　　┌────────────────────┐
.　　　　　　　＼　＼＼__　　　　　　ィ　　　　|　{　/ / / ）　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　＼___,ﾉ＼≧ --≦ヽ　　　 |　i'⌒ヽ/ /　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　（＼＿＿＿＼　　　＼＼rノ / Ｏ　　　　　　　　│　　だがこの時代、世紀末における　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　＼二二＼＼　　　　＼＼/_Ｏ[　　　　　　　　│　　若き芸術家たちが持つ芸術への信仰や　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　＼二　＼＼　　　　　＼Ｏ[ﾉ　　　　　　　　.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　＿人二(⌒ヽ_}_　　　　　　￣　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　_{　　　乂二二Ｏ}　　　　　　　　　　　　　　　　└────────────────────┘
　　　　　　　　　　　　／￣Ｏ［ﾉＯ[ﾉＯ[ﾉﾉ
　　　　　　　　　／　　　[ﾉ/￣￣￣￣

　　　　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　│　　装飾されたもの、華美なるものへの不信　　 │
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　└────────────────────┘

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47： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:41:53 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　そしてそういったものが容認され、取引されている社会への不満を読み取ることは可能であろう　　│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ＼r┐＿ノ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_,ノ⌒´　　　　　_ノ⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒ヽ　/⌒ーｧ　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　{ fil　 :} /　　／三ミヽ.　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r‐{ {ﾘ　八　イ⌒Ｖ　　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ﾄ､｀丁´__ }＿ﾉ fiﾐ }､　　　　　　　 :.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂}_.ﾉ /-┐　　ﾉ　 } }　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨fiﾘﾉ　　　|イ人＿＿_　　　ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　｜　／ﾆ∧⌒＼/八
　　　　　　　　　　　　　　　　　･･････　　　 /___ 　　　 |／/{二 ∧＼__∨ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　fこ...　　/_）／ニニﾆﾆ}三≧ﾊ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（／⌒＼ニニニニニニ) ) l}_ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ニニニ＼ニニニニ人　｛__)　}＼___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ニニニニニ∨ニニニ＼＿＿ノ}ﾆﾆ:ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人ニニニニニ}ニニニニニニニﾆ}ニﾆﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ニニニニニ}ニニニニニニニﾆ}ニニ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ニニニニニ∨ニニニニニﾆﾆ/ニﾆ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ニニニニﾆﾆ:}ニニニニニニ/ﾆニ./ ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人ニニニニニ:}ニニニニニ /ﾆニ /ﾆﾆ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ニニニニニ}ニニニニニニﾆ／ニﾆﾆ:∧
48： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:42:13 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　････････････

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　　　　　　　　￣￣７＼_l!／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `７ﾆ= ￣／>　　　　　　 └‐┐|　　　ＵＵ/7　　0　0　0
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49： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:42:35 ID:gtczLnhA: ┌──────────────┐
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│　　「ミュンヘンは輝いていた。」　 │
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　　　　　　　''　　'.': ;,::.　. 　..., ;)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, '　ヽ
　.''.:.:´⌒`.: .: ...　　　　. ...,. . ,;　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　　　ヾ
.''':.　.,'''.:;.　.::　.'.　,.:,;　　...,; ''　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , '
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ'´￣｀ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｒノ　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,r ´￣｀ヽ、'′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｒ'´}　　　,r　´￣｀ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　 |　　　{　　）　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧｰヽ、　｀　´ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.ｲ　　　　｀　ー　＾ｰ-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ ,ｵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ - ´　　ヾﾐヽ､_　　　　 _,.
　　　　　　　　　････････････　　　〈. 　　　　ﾑ｀ｰ､ヽ、　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　｀ヽ､._ ｀ｰ　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {_｀　　　　　　　　　　　　ﾋ__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }､｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　｀　　　　　　　　　　 ,..、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､　　　　　　　　　　　／└-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　ｰ-　　,. 　＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　,.-ヽ.

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│ 　『神の剣』の書き出しだが、この小説の舞台には、ウィーンの方が似つかわしいのではなかろうか　　 │
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50： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:42:57 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：
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│　　十九世紀後半の歴史の流れを追うと、まず１８４８年にフランスで起きた『二月革命』が飛び火して　　 │
│　　起きた『三月革命』から、ウィーンの歴史が大きく変わる、と言えれるように思われる　　　　　　　　 │
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　,ィ　　　 ,　　　　　　　　　　__ 〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__
　＿＿｣ヽー- '　`ｰ（..-'/　　　　　　　　　　ノ'￣) 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入ヽ
　＼　　　　　　　＿　　ゝ──ァ　　　　　　　 ´ 　　　　　　　　　　　,ｒ;ｧ　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　ヽ　　｢.l｢.l ｢ヮ |　　　　／　　　　／　　,. -─- .､　　　　　　　ゝﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 ',　　ＬlＬl　Ｌl´ 　　／　　　　　／　　 /:::::::::::::::::::::::', 　　　　　　ヽヽ　　　　,,
　　　ﾉ　ロロ　ロ　　（　　　　　　　　　　 |::::::::::::::::::::::::::}＿＿__ 　　ヽ:ﾍ　　　.i! 　　､
　　∠-ｧ　　　　　　 ,--ヽ　　　　　　＿. -;二ニ＝''フ7コ´￣￣　　　　ヽ::ﾍ　　 l|　　　＼
　　　 /.-────┘, r──､　　　　 , z三ﾆミ､／Y,,, 'j 　　　　　　　ヽ::ﾍ　　 | 　　　＼　　　__ 　　_　　,
　　　　　　　　　　　　j_｣ --ｧｚつ ,. イ´──::::ヽヽ,八ヾｴ　　　　　　　　　ハ:ﾍ .,r'─､　､　　ゝｧ甘き＝''　 .| .
　　　　　　　　　 ,__从ル'!j r,l／:::::/::::::::::::::::::::}:::::|　ヽ' 　　　　　　　　／／ﾍ,>ファ7zっ｀ヽ､　　i::::T´　　旬ぅｺ
　／￣￣ ─ヶ７三二三＞'´:::::::::/::::::::::::::::::::/:::::::! 　　　　　 ,イ/ヽ　,ｨ'／ ,r'三≧､く_r' 旬ﾉｚ今,-,';:;ュ来ｒ氷::| .|
　　 ,＿_　　 l/ｒ┐ , r-､〈::::::::／::/:::::::::::::::::::/:::::::::jr-ｭ_　　ふY三≧>il'　∠i r' ⌒Y',γ=<j､爿, z＝ﾄ､_ヾ/:/::::|-'
　 '´　　　￣７/1j／.ﾍ::j ﾄゝｲ::::::/::○:::::::::::/::::::::::/f7,r'´,r 7´￣´　ヽﾄ､/} j /　　,ｲﾍｎ　|/ .r':::::::::::;-ﾆ}ｒ/ｊ:::::ゝ
　　　　　 //)''l/ｒっ〃 ∨::::::/::;-､:::::::::::::l:::::::::/∩ｌ＞ l //ヽ/⌒l!　ﾍ!./ﾐ/ /　　/ |i-'彡l　', /;ｲ::::::::::::ヽい7:;-<ァ
　　　　　 /ﾊUr;.,, ~,_/'　 /:::::/::::::''":::::::::::::l:::::::/-, -'　, ィ !' " ',,`　! 　У / .j　　 j ／ ,イヽゝ'ゝ'|::::::::::;;;入_/:j ヽﾍ
.　　　 /　　 ''`／ｌ=　 /::::::r';: 二ニ＝､:::l:::::/ i ゝ─ｧｵ　i'ゝ'' ' ¨~　　ljiii　/＿,,,/　／ヽﾍﾍく　.ｌ::::／::|　ﾍ:ヽ｀ ‐-
51： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:43:20 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────┐
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│ 　革命運動そのものは十月には早くも鎮圧され、成果を上げれたとはいえない　 │
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　　　　　　　　　　　　／｀´: : : :＼　　＿ ........._　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r- '⌒ヽ
　　　　　　　　　 , -ｲ:.:.:/{{｀ヽ-: : :ヽ .ア:__,.へ:::｀ヾ　　　　　　　　　　　　　　　 _ノﾞヾ、　　　.j　,___ぅ^′
＿＿　　　　　／:.:.:.:ゞ/rx__r廾>ヽ: }ｱ::ﾉ,zz　 __ヽ<, -へ__　　　　　,　---　、-{:.:.:; -'ー､　/　l
: : : : :＞-- '´_:.:.:.:.:.:.:.:.L..」└‐┘!／}:_/　ﾟ-　ﾟ ' ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:ゞ´￣>´::::::::::::::::::::ヽ／:.:.:.:.:.:.:.:.:＼__l　　　＿＿
　　　 }:.:,　´: : :｀丶: : : ＼ｰ｀,. イ:.:il:.:ゝ!　 [二l　ハi:.i:.:.:.:.:.／/＜__::::::::,､::::::ヽ:::l:.:.:.:i:.:.:.:.:.ﾄ､:.:.:l　ア￣r---
^~｀ヽレ′: : : : : : :厂｀Lア二,イ:V ヾ__ヽ　 .._ ｲlr．ヽ＞｀. . . . . . .く/V　xz-↑L:.:.:ﾄ，__/二_/　　　/
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Aﾍ::::j__Lヽ_r-ァ'　　　　　　　 ./　j　　　i　　　　　ヽVr┘・｀　_ｰﾚﾍ V⌒′'.　ﾄ､!:.:.:ト¨´:.:.:.:.:.ヾ:.:.｀ｌ
.ﾟ '　r ':::::}　ア　　　　　　　／}　 Y⌒ヽl　　　　　　　　＞- ､.ｰ'イ´｀ヽ L＿.ノ!　! ハ:.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ┴- 、
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│　　しかし、これを境に政治面ではとかく反動的であったにもかかわらず、オーストリア帝国の商工業、　 │
│　　そして文化面ではめざましい発展を遂げることとなった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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52： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:43:40 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────────────────────────────┐
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│　　そしてこの近代に向けての変化の速度は、帝国内でも帝都ウィーンが大きかったのは、いうまでもない　　 │
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53： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:43:59 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────────────────────────┐
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　商工業の発展は市域の拡大と人口増加を招いたが、１８５０年から１９１０年までのウィーンの人口の推移を　 │
│　　ヨーロッパの他の都市幾つかと並べて見ると以下のようになる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━┓
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃　　1850（年）　.....│　　1880　　　　　.│　　1910　　　　　.┃　増加率（1910/1850）　......┃
┏━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━┫
┃　ウィーン　　　　　　　　　　　..┃　　444（千人）......│　　726　　　　　　│　2,030　　　　　　┃　　　4.6　　　　　　　　　 ┃
┠────────────╂───────┼───────┼───────╂───────────┨
┃　ベルリン　　　　　　　　　 ┃　　419　　　　　　│　1,122　　　　　　│　2,071　　　　　　┃　　　4.9　　　　　　　　　 ┃
┠────────────╂───────┼───────┼───────╂───────────┨
┃　ロンドン　　　　　　　　　　 .┃　2,685　　　　　　│　4,770　　　　　　│　7,256　　　　　　┃　　　2.7　　　　　　　　　 ┃
┠────────────╂───────┼───────┼───────╂───────────┨
┃　パリ　　　　　　　　　　　　　 ┃　1,053　　　　　　│　2,269　　　　　　│　2,888　　　　　　┃　　　2.7　　　　　　　　　 ┃
┠────────────╂───────┼───────┼───────╂───────────┨
┃　モスクワ　　　　　　　　　　 ┃　　365　　　　　　│　　612　　　　　　│　1,481　　　　　　┃　　　4.0　　　　　　　　　 ┃
┠────────────╂───────┼───────┼───────╂───────────┨
┃　サンクト･ペテルブルク　　　┃　　485　　　　　　│　　877　　　　　　│　1,907　　　　　　┃　　　3.9　　　　　　　　　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━┛

http://ux.getuploader.com/yaruo_gazou/download/1036/0_%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E6%8E%A8%E7%A7%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.jpg

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　増加率では、ベルリンに次いで高かったようだ　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └──────────────────────┘

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54： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:44:23 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だがベルリンを帝都に戴くドイツ帝国が、国力、国際的な地位の双方で日の出の勢いがあったのに比べ、　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　ハプスブルクの帝国は、国家としてはその逆、国力が衰退に向かう〝斜陽の国〟だった、という違いがある　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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､_|il］il］_三rー|￣￣|─r‐┬|iΠп/＿＿＿_/|　 |､＿＿＼|￣冂ПーГ┬┬ヱ￣|─r‐┬|Π
／三三三|￣≡≡￣|／二三　　〉＝===Π/　ﾞ.ﾍ_===＿＼_ |FF|ﾆ|i￣￣i| ／⌒＼／二三
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＿＿,,．‐',. ‐'i| 田|「| | 田,. イ＿＿_／´|　　 |　　il　　 |＼＿_］　Πпｒ―.､=ﾆ二＞､||　田　|
ェェェ=‐´ 田|/二ﾆ,ハ_,．-_‐＝_二ｌ　　|＿＿|　　'|＿__| 　 |l二ﾆ‐- ､ ,,_丶、｀ ‐ ､_,,..．> ＿＿_
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ニ―-┐γ´　 r''´i i| i| i_l⊥l,．-‐''´ 　　　 ::'' i ''::　　　　　｀''‐-．l l_i l| i| il|｀ヽ、｀ﾞヽ、　 .vi==
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　／川||＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿||川
55： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:44:43 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　１８５９年イタリアにおいて、サルデーニャ＝ピエモンテとその後ろ盾たるナポレオン三世との戦いに敗れ　　 │
│　　ロンバルディアを失う･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────────────┘

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
　　　　　　　　　　　　　　　　　,rt､　　　　 ,-‐､　　　　　　　　　　　　　| ,rt､　　　　　ヾミ　　　　　　　　　　　|二|
　　　　　　　　　　　ハハ彡　/ト'ヾヽ　　　l=j, (,、　　　　　　　　i`i`彡0ｆト'ヾヽ　　　　　ヽﾐ彡/ 　　　　　|二|
　ゞゝ──ゝ　　／､ゝX 　彡ゝoノ　ハハ/ソ/⌒ゝ　　　　　　/　ゝ彡ゝoノ　　　　　　　/|　　iヽ　　　　 |二|
　　　　　　　　(　'　Y''''ノ＼　彡　／､ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ=　| 、ノ　彡くﾐヽノﾐ= 　　　 o,| 　 ||ol.　　　　 |二|
　　　　　　　　　`‐'￣＼　ヽノ　(　'　Y''ノ彡く/彡'　　＼　　　`‐' ヽ____/ゞ | ヽ　　へ　 /〈|`‐'　|〉　　　　　 |二|
''''''''"""""￣￣￣　　　〉____,／ | `‐'ヽ　ヽノ |/／　|　　　|　　　　　|川ﾘｰ'　　|　　,;' ) / c|､____, |っ　へ　　 |二|
""""￣￣　　　　／＼|ﾘjilji 　丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ'　　 /　　　　　|　y　ノヽ　|　/ (ヽ　　| 川ﾘl |　 ,;' ).　　|二|
-‐　_,,.　．-‐　　　ヽｿゝゝ　　　　　`''' 川ﾘ|　　`'''　,'ヽ　丿　　／＼// //　　ヾ|　　　　　　ヽ |ｰ| /　/ (ヽ／ |二|
　-‐ _,,.　．-‐　　,-‐'''"　ゝ　　ノ-ー'7ゝ　ゝ　　ゝ'　ヽ　ヽ　　ヽｿゝ/ //　　　/ゝ　　　　　ﾉゝﾉゞ　　／ヾ,　ヽ'
　_,,. 　　 -=━━|　-ー　/　彡　　／　　/　／　.　..　ヽ〉　　ノｿヽ/ゝ　　　　　.　　.　　　/ゝ　/ゝ　 /⌒､ヾ
　　　　-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' /　／/ ／　　　.　　//　／ゝ /ゝ　　　／／　　　　　　　　　　　　||()|（＼ヾ
　　　　,,,-‐'''""　　_,..:-/／,..:-‐'"/／　/／_,..:'_,..:'　　/ゝ／　 < <　　　　　　　／　　　　　　/　　　　||　|（丶|
-‐'''"",,,,,　　　　　　　/ゝ　　　　/ゝ　 /／　_,..:'　　／　　　　　ゝ`　　　　／　　　　　　/　　　　　/　||()|（丶|
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　　　　_,..:-‐'"　　　　　　_,..:''　　　_,..:'　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　/　　　　　＼

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　　　　　　　　　　　　　　　 │ 　１８６６年、普墺戦争に敗れ、ドイツにおける支配権を失う･･･　　 │
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56： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:45:04 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　また民族熱の高まりから１８６７年にはハンガリーの独立性が承認され、　 │
│　　「オーストリア＝ハンガリー二重帝国」が成立･･･　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　 / /　　　　　　　　　　　　　/ 7
ﾆ　　ﾆ二7　　　　　　　　　　/ /　　　　　　　　　　　　/ 7
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.../ 　　　　　　　　　　／／/ /　　　　　　/二二二ﾆﾆ　　ﾆ二7
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　　　　　　　　　　　 / / .|.:.:に＿＿」」:::::::Y^^^`ヽ___　　　. :. :. :. :.: .: .:.|､　　＝ﾆ二三 ≡三三三
　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ノ　　　　 |┘. : .:. :. :. :. :. :. .p'ﾞ;;.:O . :ｑ .: ;:;ﾞ ,ﾞ,od .:'`;:; ,　ﾆ
　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣　く　　　　　| .: .:. :. :./」二」p'ﾞ;;.:O . :ｑ .: ;:;ﾞ ,ﾞ,o彡ﾐﾐヽ　＿＿
. :. :. :. :.: .: .: .:. :. :. :. :.: .: .:. :. :. :. :. :.: .: .:.｀`ヽ　 ,､､ノヽo b .〔」ﾞ''' ''l〕.: :;:; p'ﾞ;;.:O ｑ .: .::.}-',ﾐﾐﾐ!「　-‐
.../ l. :. :. :. :.: .: .:. :. :. :. :. :. :.: .O od .:'`;:; ,.: ;oV"´　　 1　　..」ゝ‐/:`ｰ-､　　　「￣ |　 L_ノｼｼ　 , -
/ 　| p'ﾞ;;.:O od .:'`;:; ,.: ;oQ r;;;;;;;;;､p o ..:.,,､､､､',　　　 1 .::.:.:::〈瓜ﾉ:::::::::',〈⌒〕二二ﾆ‐.:::::::::ﾉ　 - ─
　　.|.　ム) p'ﾞ;;.:O od .:'`;:; ﾉｰ`ﾐﾐ!　　彡',',',',',',;',　　　 l!.:.:::::::::::::::::.:...:: /ハ`ヽ-─-､.:::::::ノ.:.＼　　ﾉ
ﾚ彡ﾐ　|:::::l　　,;彡ミﾐヽ　　 },_, ｲ:::::::::ハ;;';';';'';';'';;;!　　　il!.:::::.:.:.:.:,r ‐く　ﾉ　ﾉ__/｡:::.:.　　/. :; :; :;: ;V .
l彡彡_ﾉ.::ﾉﾐyｲ彡ミミﾐﾐ;:y.:.::::.:.::::::::::.:}‐､i;;:r ,;:;:;:;:;!　　　ll!;:;:;;:;:;;/jjjjjijijﾚ;:;:;;!　 i!　　　　/.: ;: ;: ;: ;:;ニ
ﾚ.:.:. ﾆ三三〉彡ミﾐﾐﾐﾐﾉｨｲ彡ミﾐヽ.〈　　ソ;:;;;;;:;:;|　　　llll!;:;;;:/jjlijiijijiﾘ;:;:;:;:;!　ﾘ　　,..イ. :; ; ;;;;; ﾆﾆ三
.:.:.:.:ﾆ三三ハ彡ミﾐﾐﾐ,'ｨｲ彡ミﾐミﾐﾐ',ﾊ　　,r-─ﾉ　　　　ﾉ;:;:;ヾ州州ｼ;:;:;:;;ﾉ　レ'´. :; :;:;;:;: ;;ﾆﾆニ三
.:.二三三/　ヾ彡ﾐﾐﾐ{ｨｼﾞ jijijijijijijiiiji! ﾌ""´￣7　　　　/iijiijijijijjijijjijijijijiijｨイ; :; :; :;ﾆﾆ二三三三
　iﾆ,r'"´　　　　ゞ;:;:;:;:;{jijijijijijijiiijijijijijl!　　　 /　　　 .:;1ij1iji1ji1ji1ii1i1l1lj1i1j; :; :ﾆﾆニ三三三三

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　多重民族国家であるハプスブルク帝国内での、このハンガリーの権限拡大の承認は　　 │
│ 　チェコ人やポーランド人の不満を招き、帝国内の社会をより不安定なものにした　　　　 │
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57： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:45:21 ID:gtczLnhA: ───────────────────────────────────────────

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58： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:45:42 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　この多民族国家ゆえの複雑性は、帝都ウィーンの人口区分にも現われている　　 │
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│　　商工業の発展がウィーンの人口を増加させたことは先に述べたが、これは都市部と　 │
│　　地方の賃金格差の拡大によって地方からの人口流入を招いたからだ　　　　　　　　　 │
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59： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:46:01 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　１９１０年の、ウィーンの出生地統計は次のようになものだったそうだ　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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┃　　出生地　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃　　人口（人）　 │　全体に占める割合 .┃
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━┿━━━━━━━━━┫
┃　ウィーン　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃　　 991,157　　....│　　　　　　　　49%　　 ┃
┠─────────────────╂───────┼─────────┨
┃　下オーストリア　　　　　　　　　　　　　　　┃　　 225,456　　....│　　　　　　　　11%　　 ┃
┠─────────────────╂───────┼─────────┨
┃　その他オーストリア諸州　　　　　　　　　.┃　　　66,754　　　.│ 　　　　　　3%　　 ┃
┠─────────────────╂───────┼─────────┨
┃　ベーメン、メーレン、シュレージエン　　 .┃　　 499,272　　....│　　　　　　　　25%　　 ┃
┠─────────────────╂───────┼─────────┨
┃　その他外国、及び不明　　　　　　　　 ┃　　 248,782　　....│　　　　　　　　12%　　 ┃
┠─────────────────╂───────┼─────────┨
┃　　合計　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃　 2,031,421　　....│　　　　　　‐‐ 　　 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━┷━━━━━━━━━┛

http://ux.getuploader.com/yaruo_gazou/download/1037/0_%E5%87%BA%E7%94%9F%E5%9C%B0%E5%88%A5%E7%B5%B1%E8%A8%88%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95.jpg

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　つまり、ウィーン生まれの者の割合は半分に満たず、半数以上が他所から流入してきた者であり、中でも　　│
│　　ベーメンやメーレンといった現在のチェコ地方からの流入がかなり大きかったことが見て取れよう　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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60： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:46:25 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　またこのように外部から人口の流入がとかく続くと、経済活動の変化に伴って没落しつつある　　 │
│　　都市の中間層を中心に、反ユダヤ活動のような、社会に対して不穏な動きが起こるようになった　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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61： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:46:45 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────────────┐
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│　　１８４８年の革命当時から、反ユダヤ活動は目立ちだしたそうだ　　 │
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　　ヽ　　｢.l｢.l ｢ヮ |　　　　／　　　　／　　,. -─- .､　　　　　　　ゝﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
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　　　 /.-────┘, r──､　　　　 , z三ﾆミ､／Y,,, 'j 　　　　　　　ヽ::ﾍ　　 | 　　　＼　　　__ 　　_　　,×ヽ
　　　　　　　　　　　　j_｣ --ｧｚつ ,. イ´──::::ヽヽ,八ヾｴ　　　　　　　　　ハ:ﾍ .,r'─､　､　　ゝｧ甘き＝''　 .| .! ゝ
　　　　　　　　　 ,__从ル'!j r,l／:::::/::::::::::::::::::::}:::::|　ヽ' 　　　　　　　　／／ﾍ,>ファ7zっ｀ヽ､　　i::::T´　　旬ぅｺ｀ヽ
　／￣￣ ─ヶ７三二三＞'´:::::::::/::::::::::::::::::::/:::::::! 　　　　　 ,イ/ヽ　,ｨ'／ ,r'三≧､く_r' 旬ﾉｚ今,-,';:;ュ来ｒ氷::| .|ｴ
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　 '´　　　￣７/1j／.ﾍ::j ﾄゝｲ::::::/::○:::::::::::/::::::::::/f7,r'´,r 7´￣´　ヽﾄ､/} j /　　,ｲﾍｎ　|/ .r':::::::::::;-ﾆ}ｒ/ｊ:::::ゝ,; ヶ
　　　　　 //)''l/ｒっ〃 ∨::::::/::;-､:::::::::::::l:::::::::/∩ｌ＞ l //ヽ/⌒l!　ﾍ!./ﾐ/ /　　/ |i-'彡l　', /;ｲ::::::::::::ヽい7:;-<ァ:::::
　　　　　 /ﾊUr;.,, ~,_/'　 /:::::/::::::''":::::::::::::l:::::::/-, -'　, ィ !' " ',,`　! 　У / .j　　 j ／ ,イヽゝ'ゝ'|::::::::::;;;入_/:j ヽﾍ＼:
.　　　 /　　 ''`／ｌ=　 /::::::r';: 二ニ＝､:::l:::::/ i ゝ─ｧｵ　i'ゝ'' ' ¨~　　ljiii　/＿,,,/　／ヽﾍﾍく　.ｌ::::／::|　ﾍ:ヽ｀ ‐- ､
　　　 __l　　／　し, ,':::::::::7-;:::::::::::::::ゝ､l::/　 l 　ノ;.ｲ　　　　　_..-　ｌ　　 }ニ彡ィ'三三（ヽﾍj　／　l::::|　_l;;;;l
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だが、１８７３年のウィーン万博の最中に起こった大恐慌時に、一気に悪意を持って噴き出してき、　 │
│　　人種差別や性差別を助長させるようなパンフレットや奇書が出てくるようになってきて･･･　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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62： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:47:08 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────────────────────────┐
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│　　中でも、１９０３年にピストル自殺を遂げたオットー･ヴァイニンガーの『性と性格』という論文、　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ_＿__
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　 ,イ￣´´　　　　　　　　　　　 ... : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : .
／ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　. : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　　. : :　「――ここで取り上げられる男女の相違についての専門的な問題は、　 : : .
l:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　　. : :　探求の目的ではけっしてなく、その出発点にすぎない。　　　　　　　　　 : : .
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　 .. : :　……男女の特殊な問題は、判断と概念にかんする、ならびに　　　　　 : : .
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　 .. : :　その両者と思考公理との関係にかんする論理的な基本問題、そして、 .: : .
..lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　 . : :　喜劇的なもの、愛、美、それと価値の理論、また孤独の実情、また　　 : : .
. lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　 . : :　その両者の関係や、独創性、不死への欲望、そしてユダヤ人気質の　 : : .
　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　 . : :　現象等の問題にかんして豊かな成果を生むためのものである」　　　　 : : .
　.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　 . : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
　 lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　. : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
　 .lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :
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┌─────────────────┐三-‐'´￣　"´
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　「男は能動的であり、道徳的である」　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────┘
　　　 .lｉ:/三_,-‐'´￣
　　　 .｀´￣　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　「対して女は受身で、性的な質量にすぎない」　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─────────────────────┘

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63： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:47:32 ID:gtczLnhA: 圭歪ｊ㌢´　　,x幺llll圭才´　　　　　　　　　　焔圭:Ⅳ　　　　　　　　　　　　　　 Ⅵ|伐　　　　Ⅵ圭圭||
┌────────────────────────┐　　　　　　 .Ⅵ|伐　　　 Ⅵ圭圭
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　 Ⅵｉ伐　　　 Ⅵ圭ll
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　Ⅵｉｉﾍ　　　 Ⅵ圭
│ 　「ヨーロッパが蒙った人種的、性的、倫理的な衰退の　 │　　　　　　　　 .||圭]　　　　 ||圭
│　　根本原因は女性の奔放な性的特質にある」　　　　　　 │　　　　　　　　 .||洲ﾘ　　　　 ||洲
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　為Ⅳ　　　　 Ⅶll
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　 '為ｿ　　　　　　　Ⅶ
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　　　　.ｨ圭洲;　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /淤l圭l丞
　　 ,ｨ劣圭:㌢　　　　　　　　　　Ｌ　　　　　　　 /淤圭圭ＩＩＩＩ)
　 ,ｨ劣斧ｱ　　　　　　　　　 [代　　　　　　　 ,攷圭斧:㌢´
f,/淤圭Ⅳ　　　　　　　　　　　　　Ⅵ心　　　　　刈圭?[ｱ‐-､_
/淤圭Ⅳ　　　　　　　　　　 Ⅵ7　　　　 .┌────────────────────┐
圭丞Ⅳ　　　　　　　　　　　　　 7　　　　/:.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
圭i:洲{　　　　　　　　　　 _＿＿__　　　 l:.:.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
圭i:刈　　　　　　　　　_,-‐－'´..:.:.:.:.:.:.:.｀‐-､_l:.:.│ 　「ユダヤ性とホモセクシュアリティはともに　　 │
圭lil代　　._＿__,-－'´　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.│　　女性化した美的な社会の兆候であり、」　　 │
　 ,イ￣´´　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
／ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..└────────────────────┘
:ｉ:ｉ:ｉ:l　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:　　　　　　　　　　 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:　ヽ　　　ヽ
l:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　　　　　　　　 ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.　　　　　　　　　　　:.:.:.　　:.:.:.:　ヽ　　　ヽ
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl 　　　　　 ┌──────────────────────┐　:.:.:.:.:.　ヽ　　　ヽ
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　 :.:.:.:.:..　　ヽ　　　ヽ
..lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　 .│　　「男性の天才だけが、世界を救うことができる」　 │.､_ :.:.:.:.:.:.　　ヽ　　　ヽ
. lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ　　　ヽ
　lｉ:ｉ:ｉ:ｉl　　　　　　 .└──────────────────────┘.,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ

　　　 ┌─────────────────────────────────────┐
　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　 │　　現代の視点では、偏狭かつ論理的一貫性に欠け、読むに値するとは思えないが･･･　 │
　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　 └─────────────────────────────────────┘

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64： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:47:53 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────────────────┐
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│　　世紀末ウィーン社会においてはベストセラーとなったのみならず、カール･クラウスや　　　　　 │
│　　ヴィトゲンシュタインのような知的な読者を惹き付け、思想的にも大きく影響を及ぼしたのだ　 │
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.　　　 (. 　　＼　　　　　　　　　　　＼
　　　　 .＼　　　＼　　　　性と性格　　　＼
　　　　 .r´＼　　　＼　　　　　　　　　　＼
.　　　 (. 　　＼　　　＼　　　　　　　　　　＼
　　　　 .＼.　　＼　　　　＼　　　　　　　　　　＼
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　　　　 .＼　　　＼　　　＼　《三三三三三三三三三=　　　　　　 ._ . : ´: : : : : : : : : : : : :｀ー､
　　　　 .r´＼　　　＼　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ　　　 ..::´::..: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
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　　　　 .＼　　＼　　　＼　《三三三三三三三三三=　.　.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. : : : :.:.:.:.:.:. : : : : : : : : : : : :',
　　　　 .r´＼　　＼　　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝= ./／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. : .:.:.:.:.:.:.:.:.. : : : : : : :. :. :. :.ｉ
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　　　　　　　　＼　　　ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ ....ﾚ'ヽ　!:.:.:!:.ﾄ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:ｉ:.:.. : : :ｉ: : Ⅳ }'.＿＿＿＼
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーNヽハ人从Ⅴ从ﾊ!
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65： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:48:18 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
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66： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:48:41 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　この論文に影響を受けた “知的な人物” の中には、シェーンベルクも含まれる　 │
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　l　:l　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　～♪　　　 | [三三三三三三三]　:|　:|　:|　:|
￣￣￣＼::::|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　:|　　　～♪　 | |ﾐ|　;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ﾐ| |＼￣￣￣
二二二二 | :|　:|　:|　:|　:|　:l　｡へ　￣＼　l　:|　:|　:|　:| |ﾐ|　　 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ﾐ| |　:|二二二
lillillillllillillli| | :|　:|　:|　:|　:|　:|　＿l[二二]＿　|　:|　:|　:| |ﾐ|　　　　;;;;;;;;;;;;;;;;|ﾐ| |　:| |lllililililil
lillllillillillillil| | :|　:|　:|8Oo｡二二]　（　・∀・）　｜ :|　:|　:| |ﾐ|　　　　 ;;;;;;;;;;;|ﾐ| |　:| |lllliilliliii
lillillilillllillill| | :|　:|　:|ﾟｉﾟYﾟ ┴┴┐<:::ol⌒i´|)　 |　:|　:|　:| |ﾐ|　　　　　　 ;;;;;;;|ﾐ| |　:| |iillilililili
llillllillilllillill| | :|　|＼ [ﾞﾞﾞ]. ──┘￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼　三≡三　　;;;|ﾐ| |　:| |illlilililili
＼ illllillillll| | :|　:|＼[￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣"］　　三＝二 |ﾐ| |　:| |iilllilillili
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i i |　　　　　　　＼ l_!＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|」　　,ｲ;;;ヽ
i i |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'､"`oﾉ
l l |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　ヾ'　　＿＿
l l |　　　　　　　　　　　,＿､＿＿､､＿＿､_　　　　　　　　 { {⌒ヽﾄ､／　　ノ
── ､　　　　　　　 | ＼ヽ★★ 丶◇◇ ＼　　　　　　 |　＼__二二ソ)"＿＿＿＿＿_
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＜＜田＞＼.　　　　　＼.　　＼ヽ○○ 丶△△ ＼　　　 |::ヽ:::::| |　　＼鹵鹵　＼罟罟

　　　　　　､ﾍ^ﾞｰﾊ酛
　　　　　　≧､i ',=ﾆ.>
　　　　 .ﾍ､f ´ｰrｆ
　　　　　　､ﾄゞr-iｿ　　　　　････････････
　　　　　　 /777ミろ
　　　 ,... ｚﾉ≧≠三≧-､
　　 ∧V////il!//////,ｲﾊ
　　 i'∧V//ﾊ l!.V///.ｲ/,ｲ
　　 }/, V//∧V///,.i///,
　　i ///V////,V//,ｲv/ｸ
　　 j/,//　ゞ///i>///,ﾐVハ
　　V//ｲ　 ≧三≧='/,ﾊV/ヽ
　　 l///! /77///, ///ﾑV/∧
　　 '//ｲ .!/i/i/i/ｿ//／ﾊV//､
　　　i7ｺﾍ!/Ⅸハ冫V＼∧ Y≦､
　　　|ﾇ､<N><><>i><>＜>/;｀ﾄｰ|
　　　ヽ､コヽｘﾍ∧ﾊ/>≧イ　_{ ,１
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　彼は１９１１年に『和声学』という本を上梓しているが･･･　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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67： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:49:05 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　この本の中で、「調性は “近親交配” と “近親相姦” の餌食になった」、「減七和音は “コスモポリタン的” 」で　　 │
│　　「 “女々しく” 」、これらは「 “変節者” 、 “扇動者” になり、大変動は避けられない」といった、　　　　　　　　　　　 │
│　　ヴァイニンガーから影響を受けたのであろうが、おおよそ音楽学とは思えぬような言葉を弄している･･･　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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68： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:49:23 ID:gtczLnhA: ───────────────────────────────────────────

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69： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:49:41 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

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　　　　　　　　　　／￣ヽ　/　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ /　/ 　∧
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　　　　　　　　　　　　　　 ,ノ'´￣｀ヽ／
　　　　　　　　　　　　　　　　/ ｒノ　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 ,r ´￣｀ヽ、'′
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　　　　　　　　　　　　！､_/　　 /　　　_.._　ヽｰ
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　　　　　　　　　　　　　　ｨ ,ｵ
　　　　　　　　　　　７ﾉ
　　　　　　　　　　　 _ - ´　　ヾﾐヽ､_　　　　 _,.
　　　　　　　　　　〈. 　　　　ﾑ｀ｰ､ヽ、　ヽ
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　｀ヽ､._ ｀ｰ　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 {_｀　　　　　　　　　　　　ﾋ__
　　　　　　　　　　 }､｀ヽ
　　　　　　　　 |　　｀　　　　　　　　　　 ,..、
　　　　　　　　　､　　　　　　　　　　　／└-
　　　　　　　　　　　　｀　ｰ-　　,. 　＿／
　　　　　　　　　　　　　　 ./　　　,.-ヽ.
70： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:50:00 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　また１８４８年の革命以来、ウィーンでは都市の近代化へ向けてリングシュトラーセ（環状道路）建設や　　 │
│　　七〇年代、八〇年代にかけてのリングシュトラーセ沿いの巨大建造物建築といった公共事業を行い　　　 │
│　　都市改造を行ってきていた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　 |.|　　　　　　　　　　　　　　　 ,､_|!,．" .／ .!　||　　.|　　　　　　　|
　　　　　　　ｰ-‐|.ﾄ､　　　　　　　　　　 ,､_l|,　,.ｲ　　.| . || 　 .|　　　　　　　|
._ 　　　　ｰ-‐|.ﾄ､　　　　υ　　　　　　 .,'.,.',|!ｨ　 |　　.,!<l||. 　 |　　　　　　　|
' ｀^ヽ､_. 　　　 |.|　　　　　 1`､　　　　 ,出,.'..l|.|.　.|,.r<!.l . ||. 　 |　　　　　　　|
　　　　｀"ヽ _　 |.|　　.‐ﾄ.　 .|　`､　　　　 , ',.'| . ,f|!ﾏ▽`′..!　||. 　 |
　　　　　　　',. ヽ|.|　　￣|` ._ | 　 `､　　 ,r, '.! |ｰ' .l|.|　 | . 　 !　||　　　　　　　　　　　　　　 __,,.. ．　-r
''- ．._　　　i.,'.　.;|.|‐､-､.|　 .|g ┐　`､.,.11,r'|..| 　 |!　　　　　 ||　＿,,.. ．　-┬　'' .T￣￣　|　　　 .|
　　　|"''r.<ノﾉノ|.|　 }Ｔ.|　 .|　└　　｢'i.|.|､. ! | 　 l|．-‐ .''Ｔ "｢||￣|　　 .|..　　.|..　　..| 　　 .|　　　　.|
　 |" '' '' .r|　~".''|.|=,．､}|　＿　 |.｣""""1_" .| 　 |!.　..|　 .|　 |.||　 |　　 .|..　　.|　　∠_ヽ ,.r――――
￣|＿. 　 !|　　 .|.| 'k".).!　 |　_dｺe､ニニ|'．.,|_　 l|　　ｨニニ､r――――.i.　!　 ,ｨ`-<.i.,'￣￣,' ￣￣
￣.　.|.￣._|　　.,..､,r'"iﾍ-i┌‐'‐｀―┴ｰｰiｒ―――――l.｢､-ｧ.!ll　　　　　　 i　i　〈lпL．>_　　,'
-‐.''"「 .|_,.j_~〉ゝ_ﾅ`""''' 7!　　　　　　 .|!　　　　　　 |!i. ﾏ　!ll　　　　　 .i'' ‐-ﾄ￣　ﾍ~ ~７ﾆ'''　‐-
　 _．|''"! ,ｨ='a,L"‐-．_ノ! |_＿＿＿＿___l|＿＿＿＿___.ll.ｉ徐..i.ll　　　　　　 .i　　.|_゛-‐i''"　 .,'
"´　ﾚ"|〈L　ﾚJｰ'ノr―'ﾉ !／／,ｨｎ､／, |!／／／／／|.ii .行 i.ll　　　　　 i　　.ﾄ.￣| ).}､__.!
　,．"!,．".ﾉ.,ﾍij/‐′i　 .|| |／／／_i,.ｲ'ニニニヽ.'／／.| ii　＿.i.ll　　　＿,,...．i､　.ｉi　 ,'ｰ'‐'　 ~""'''　‐
　／― θ.'　　　　 l　 |l＝ｨ>′i｀´i i 　 Å 　 i ￣￣.iｰiL, ．_!i.i‐~''　"~￣　!.　.||　 |
／＿　 , '　, 'ァヾ7 .,<_ ,ｨ,' '　　 ._i｀.´i.!.<=仝=>.i　　　　　.｢￣　 !　　　　　 .ii''r＝＝＝＝.ii
　　　, '　,.'､,.',.',.,.'　 ,.ｨ>'　　　 /_ゝ-'.i 　歩　 .i!　　　　　　　　　　　　　　　i.i |┌―‐｀ヽ _|!
　 ., '　 'ｰ――' ,ｨ,' '　　　　　　　 i 　行　 .i.!.､　　　　　　　　　　　ﾄ.i.| .￣￣!,ｨ'　.|l
~７　　　　　∩>'　　　　　　　　 i 　者　 .i i　ﾞ､　　　　　　　　　　 .l".L＝＝＝＝.」.i
.'　　　　ﾄ-<>,.､　　　　　　　 i 　通　 .i .i.ﾞ､. ﾞ､　　　　　　　　　　 !　.i　　　　　　!　.i
　　　　　　ト-‐i .|"''"．_．_　　　　 i 　路　 .i　i　ﾞ､　ﾞ､
　　　　 l｀　´i l_ 　　 "'"．_．_　 .i..,__　　　..i.,,_i 　ﾞ､　ﾞ､
　　　　 .i｀-‐'_i　"'-.､　　 ."i''"．_．_　￣ "i　 i　　 .ﾞ､　.ﾞ､
　　　　_i. ｀´　.i_　　　 ` .､　 .|　　.! "''."．．_|　　　　ﾞ､　ﾞ､
71： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:50:21 ID:gtczLnhA: ┌─────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　そして、それらの建物は　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ｉ――i_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ｌ l_l l_l l_l ｌ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_i‐lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｌ‐i_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,_i┘三三三三三三三└i_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_i┘ 三三三三三三三三三└i_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌﾆｌﾆｌ二二二二二二二二二ｌﾆｌﾆl
　　　　　　　　　　　　　　　 _＿_l三三l l;;;;l　l;;;;l　l;;;;l　l;;;;l　l;;;;ｌ l三三ｌ＿__
　　　　　　　　　　　　 |三l()l三l()l三l()l三l()l三l()l三l()l三l()l三l()l三|
　　　　　　　　　　　　 |三三三三三三三三三三三三三三三三三|
.　　　　　　　　　　 __|ニ|三三[二二二二二｢===｣二二二二二]三三|ニ|__
.　　　　　　　　　　　ｌ'三|三三l!三i!ｌ|::|llll|::|llll|::|llll|::|llll|::|llll|::|l!三l!三三|三'l
.　　　　　　　　　　　ｌ'三|三三l!三i!ｌ|::|llll|::|llll|::|llll|::|llll|::|llll|::|l!三l!三三|三'l
.　　　　　　　　　　　ｌ'三|三三l!三i!ｌ|::|l ┌──────────────┐
.　　　　　　　　　　 i‐''‐i　|三三l!三i!ｌ|::|l │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　＿|三|ﾆ.l｢￣ |lヨヨヨヨ..│　　国会議事堂はギリシア様式　 │
..　　　　┌―――|三三三三三三|;; , -､:...│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │.――┐
..　　　　｜三三三|三三三三三三|:. ﾞｰ "'└──────────────┘.三三｜
..　　　　｜三.｢￣ﾞｌ'二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二l￣ .!ﾆ三|
＿＿＿_,|三ﾆl｢ｌ｢ｌ|===|;;;|;;ｌ;;ｉ|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|i;;ｌ;;|;;;|===|「ｌ｢l| 三｜＿＿
.三三三;| 三｜三|‐‐‐|;;;|;;ｌ;;ｉ|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|i;;ｌ;;|;;;|‐‐‐|三｜三 |三三
.三三三;| 三;;|llllllｌ|‐‐‐|;;;|;;ｌ;;ｉ|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|;;;;;;;;;;;|ｌｌllllllｌｌ|i;;ｌ;;|;;;|‐‐‐|llllllｌ| 三;;|三三

.　　　　｡　｡　　 |.　　　｡　｡
.　　　　 |. 　| 　　 |:| 　　 |. 　|
　　　　 ||　 || 　　|.:.| 　　||　 ||
.　　　　|:|.　|:|　　l∧l 　　|:|.　|:|
　　　　|.:.|. |.:.| 　 ,.傘., 　 |.:.|. |.:.| 　　　　｡
　　　 .|∧||∧| ,傘傘傘, |∧||∧|.　　　　|
　　　（VVVV）.傘傘傘.（VVVV）　　　.||　　.┌────────────┐
. 　　　{∽}{∽}}}傘傘傘{{{∽}{∽}　　　　|:|　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　,傘|ｌ~~|ｌ~~|}}个个个{{|ｌ~~|ｌ~~|傘,　　 |:.:| 　.│　　市庁舎はゴシック様式　 │
. 傘傘|∩||∩|}::::/⌒ヽ :{|∩||∩|傘傘,.,. lvvl　..│　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
. 傘傘||　l||　l|}:::|: 　　|:::{||　l||　l|傘傘傘|∩| 　└────────────┘
. 傘傘||　l||　l|}:::|: 　　|:::{||　l||　l|傘傘傘||"||傘,.,., |∧||∧|
. 个个{∽}{∽}}:|三ﾆ三|:{{∽}{∽}个个个{∽}傘傘 (VVVVv)　　　　　　　|
/⌒ヽ!|ｌ~~|ｌ~~|}:／个＼ {|ｌ~~|ｌ~~|!/⌒ヽ|!|三|傘傘山i!山i山　　　　　 ∧
|:.　　||{∽}{∽}}:{ﾆi二iﾆ}:{{∽}{∽}||:.　　||!{∽}个ｌ个||^^||^^|　　　　　　　/;;;;;
iﾆﾆﾆi||ｌ~~|ｌ~~|}::::／＼::::{|ｌ~~|ｌ~~||iﾆﾆﾆi|!|三|::::::::::::||　l||　l|　　　　　　| ∩
／ｌ＼|||　l||　l|}:::|: 　　|:::{||　l||　l||／ｌ＼|!||: ||／ｌ＼||　l||　l|　　／＼　　|ニ
:Ii==iI:|||　l||　l|}:::|ﾆﾆﾆ|:::{||　l||　l||:Ii==iI:|!||: ||::l⌒l: ||　l||　l|三三三三三三
:|l 　l|:||∬||∬|}:::, '三`､::{|∬||∬||:|l 　l|:|!|§|::|___l: |∬||∬|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|
.!|,,,,,l|:!{})({|})({}}::|皿ｌ皿|::{{})({|})({}!:!|,,, l|:!!{({})}iﾆﾆﾆi{})({i})({}:::[]::|:|::[]::|:|::[]::|:|
鬥ｌ鬥|||　l||　l|}|鬥轟鬥|{||　l||　l||鬥ｌ鬥|!||: ||鬥ｌ鬥||　l||　l|:=:=:|:|=:=:|:|=:=:|:|
72： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:50:46 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｨ=t.､ i!　i!　i!. ,.ｨ=t.､
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　　　　　　　　　　　　|‐┼┼┼┼┼┼┼┼:| |　| Eヱ夲オﾖ |　| |
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　　　　　　　 |E| 　 |ﾖ|‐┼┼┼┼｀△　　　 | |　| | |_|!|_|i|_| | |　| |　　　 △´
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　　　　　　　 |E| lニニニ二二二二|　| |i| |│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　lニニニニニ二△　　 △.　　　　|　|_|i|_|│　　大学や博物館、国立歌劇場といった文化施設は、ルネサンス様式に　 │
　r┤.i! i! r=i　　 |　|_i!_i!_|　|_i!_ｉ!_.i!_|　|_|i|_|│　　バロック様式を取り入れたスタイル、といった具合に　　　　　　　　　　 │
　| .|_|i|_l|_|　|_i!_ .|　| i! i! |　| || || ||..|　| |i| |│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　| .|_|i|_l|_|　|_||_|.|　|_l|_l|_|　|_||_||_||..|　|_|i|_|└───────────────────────────────┘
　| .| |i| l| |　| || |.|　| l| l| |　| || || ||..|　|_|i|_|i|_|.　|l l|　 |.l.,.､l.| 　|l ｌ|　 ||_|i|_|　|..||_||_||_|　|_l| l| l木木木. |_|
　| .|_|i|_l|_|　|_||_|.|　|_l|_l|_|　|_||_||_||..|　| |i| |i| |.　|l l|　／.:: ＼　|l ｌ|　 || |i| |　|..|| || || |　| l| l.z木木木木.|
　| .|_|i|_l| |　|_||_|.|　| l| l| |　| || || ||..|　|_|i|_|i|_|.　|l l|〃.::::::::::::ﾊ.|l ｌ|　 ||_|i|_|　|..||_||_||_|　|_l|z木木木木木
　| .| |i| l| |　| || |.|　|_l|_l|_|　|_||_||_||..|　| |i| |i| |.　|l l|{{::::::::::::: : }}|l ｌ|　 || |i| |　|..||_||_||_|　|_林林林林林林
森森森森森森森森森二二二二二二二二Ｌ._|l_l|{{::::::::::::: : }}|l_ｌ|＿二二二l森森森森森森森|i|森森森
森森森森森森森森森森森森森森森森　　　.;　　　　,,,　　　　　.:':'　　　　　　　　,:,:,:,:,:,:,:,:,:,....　ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　ヨーロッパのそれまでの歴史的発展と成果を、機能としてのみならず街の景観としても象徴的に表すという、　 │
│　　ヨーロッパの歴史を総括する都市、ハプスブルク帝国の帝都に相応しい偉容をもって、都市建設されたのだ　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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73： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:51:06 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────────────────────┐
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│　　だが住宅政策の方はかなりお粗末なもので、新規住宅建設は人口増加に全く追いついていなかった　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
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　ロロロロロロロ |::..　　　　　　　 ____i_　　　　　　　　　 ____i_
　ロロロロロロロ |:::::..　　　　　 /;;;;/iヽ　　　　　　 ...::/;;;;/iヽ
　ロロロロロロロ |:::::::::.....　　　　|F_F|=|.. 　　　　 .....::::::::::|F_F|=|..
　ロロロロロロロ |:::::::::::::.::::........ :|F_F|=|:::::...........:::::::::::::::::::|F_F|=|::::....
二─────── ＿＿＿＿＿_.::::::::::..................:::::::::::::: |F_F|=|::::::::::..................
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.Ｔ.┬─‐┬───┬............................＿＿＿＿￣￣￣:::::::::::───────‐ ＿＿
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:::::::::: /:彡ミ゛ヽ;）ー､::::::::: Λ＿Λ. . ￣￣￣￣─‐. ⊂ニニ⊃ ＿＿＿＿＿＿:. :.:. :.:.
::::::.../ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i:::::....（-д-:::　）ー､::::::.......　　　 (　ﾟдﾟ　)ー､　 Λ＿Λ:: .. .￣￣
::. . / :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ::: . /i ;:　　　　:::i:::.::::::..... . 　/i ;:　　　　::. i /:彡ミ゛ヽ;）ー､:::::::..
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　　　 i⌒＼）i⌒＼　/:: .. /　＿＿__/　:|:::::::::.... . .　 /　＿＿__/::/ :::/;;: 　ヽ　ヽ ::ｌ:::::....
　　　 | :::| ::;;_| :::| ::;;ﾉ: . i⌒i_ﾉ :i⌒＼　/::::::...... . 　 i⌒i_ﾉ :i⌒＼（_,ノ⌒＼;;　ヽ､_ノ:l::::...
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│ 　早い話、街の中心部においては新しい豪壮な建築物が建ち並んでいた一方で、　│
│　　下層の労働者地区においてはスラム化が進んでいたのである　　　　　　　　　　　│
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74： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:51:29 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　●

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ｌ::|_r::ｼ:⌒ヾ:|　|:ｌ　｀　　　 |:| 　 :!　 !　　 l ヾ､:|
_｀''ｰ'::_:::::::::}|　ｌ｣　　　｀ヽ　　　 |　 |　　　|　　 |
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　 |::::::|　f:ﾍ　　 `ヾ:::ﾄ､!:ィ^７:ヽ::|　 |:::::::::::|:::::::::|　　　　　　 ...:;''''　　　　　　　　'';;;:::...
　 |::::::|　|::::|　　r:.､　 : ｀ Y::::::::}:|＼|￣￣|｀ヾ:|　　　　 ...;;;''　　　　　　　　　　　''';;;:::...
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　　　｀::└-, 　 |::::|　|:|　 |::| |:::|:|:＿　|　　|　　::|　　　 {　　　　 ,,.. -―-､､
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　　　　　　　　　　-､___,-'￣二｀ｰ‐''´‐　　 < '
　　　　　　　　　 /　　　　´　　　　　 _,　　>　ゝ
　　　　　　／￣ ,‐　　　 ,　　　　　 !　￣ヽ、
　　　　〔‐''´　　 /　　 .／　　　　　　 '＿_--＼
　　　　 |　　　 ./　　／　　ｒ'´⌒''/ ￣￣二ミ＼
　　　　.|　　　　　／　　　.!　i'´>　　､　｀ヽ､f|　.!_ .
　　　　 |　　　　　/　　　 /ヽ　`　　　　　　　 l　　　｀ヽ
　　　　　!　　　　　　/　　l　＼　　　　.`　　　　　 ‐'/　　　　････････････
　　　　　 !　　　ヽ ./　　　!　　　￣､　　ヽ　　　 ,.- /
　　　　　＼ヽ、.!　　　 ./　　　　　ヽ　　　　 __./
　　　　　　　｀' ､｀, -　／　　　　　　ヽ　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　!　／　 /ニ丁ﾆ- ､　　　｀ｰ‐-____　　　!
　　　　　　　 .|　|　, . | | ＼　｀＼＼　　 ,　--─'´
　　　　　　　 ! .／　 / .ヽ-､＼　　ヽ .＼ /
　　　.／''ﾞ二.l '´,.-'´　　＼＼.　/ヘヽ　ヽ
　　 ..!　　''´　.l ヽ ,　--─-‐-､｀丶､　 l　 !
75： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:51:48 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　●

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　.　　ﾊ　　　ｉｆ::::}　　i /　 _｀ヽl　 / ｎ !
　　　/ヽ＼　ﾍじ'/　/l　　i::::::}　!　 └ﾘ
　　　.ト､＼＼ヽ..,,__ン､　ｰ'" .ﾉヽ._ソ
　　　〈ヽＶ ', l　　　 ´ ｀ヽ--‐'"´´ ﾘ!
　　　/´ニ￣/_.._‐ ､　　　　　　, ‐､.j
　　 '´/¨ヽ.ｿ i._ ,.ﾆ､＼　　 ,.ｨム j.lヽ.　　' _
　　ヾ!〈入＼〈　ｆｒ'}冫　　 l'ｒ'ｯ〉.ﾚ/　　、
　　　ﾄ､､{.__ ',　｀¨¨　　 ,.　ｉ｀¨ ' /lﾉ
　　　∧ iゝ‐',　　　　　､､ .ﾉ'　　 ,'
　　,.ｲ　V:::ﾊ ',　　　　 ,.＿｀,,..、　/
　/　ヽ/:/　ヽ＼　　ｰ --‐ ' , '
　'´ ￣＼　　　＼丶、｀¨　´／
　　　／ :::＼　　　ヽ　ー‐イﾉ!
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　　　　　　　　　l///////ﾊ
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　　　　　　　　　{////////ゞｧ

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　黄昏の訪れとともに薄暗くなってくる街の裏通りで、ほのかに灯る街灯の下に集う、街娼･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────────┘

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76： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:52:09 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　近代におけるヨーロッパの各大都市で、よく見られた光景である　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　 /.:// --―У__ｊ「Ｙ:.:.:|:.／斗彡'　/ :///　　　｀Y:::::::}:::::::::::::::::::::;;::::.
　　　　　　　　　　/.:/く/:「Y／イ:.:.:.|｜:.:.l ／／　／／//　　　　ﾉ::::::ﾉ::::::::::::::::::::;;;;::::;
　　　　　　　 /.:/.:/:.:｜|_/{　V　{｜:.イ　　　　ｰ=彡ィ　　　／::／Y:::::::::::::::::::;;;;;;::::i
　　　　　　／.:/ .:ｉ:.:l:.:|､ヽ∧　V } ∨:.| ( ヽ.　　弋　　　／::／／:::::::::::::::::::: r､;ﾉﾉ
　　　　　　 /／.:{ .:.:|:.:l:｜ﾄ､ヽ:〉　V　ヽ|丿　}　　ノ　　 /⌒/　/ｲ :::::::::::::::::::;;人＼
.　　　　　 /// :i.{.:.八:.:八｀`　　　　　　　　 /　r ´　　　　　／　　八(:::::/::::::::;;( ー‐ ､}
　　　　　　{ {｛八V , ´＼:.＼　　　　　　 ,､ /　　　　　　　　＞――ﾍ(　ー‐く
　　　　乂乂　）/　　｀ヽ丶　　　　　ｉ人＿＿_　　　　 -‐／ﾆ二二二ﾆ(　ｰ‐┴┐
　　　　　乂辷彡i 　　　丿ハ　　　　　 |「ミﾒー―=ミﾒ／　 /ニ二二二二ニニﾆ｀ヽﾉ
　　　　　　　 {　　　　　　　∧　　　　八く　',: :.　　 /　　,/二二二二二二二二｝ニﾍ､
　　　　　　　ハ　　　　　「￣￣￣￣￣}: :＼ j: : :. 　＼,,/二二二二二二二二/ニニ/ }
　　　　　　　　 /: :∧　　 , ‐=＝ニ二二二|: : : :＼.:.:.　　　/二二二二二二二二/ニニ/ /ヽ
.　　　　　　　 /: : : :∧　　|二ニニニニニﾆ|: : : : : :Ⅵ: 　 /二二二二二二二二/ニニ/ 　　ｉ
　　　　　　　 /: : : : : :.ﾍヽ|二ニニニニニﾆ|｀ｰ=ミYﾘ: ／二二二二二二二二/二ﾆﾆ{ 　　　|
　　　　　　 {.: : : : : : :.ﾊ　|二ニニニニニﾆ|　　　　ｊ{__辷＝ニニニ二二二二/ニニニj
　　　　　｀⌒ヽ.: : : :.｝｜ﾆニニニニニﾆ|＼　　 |ニニニニニニニニニﾆ彡'⌒ヾ⌒ヽ　　ｲ
　　　　　　　　｀¨¨ﾞヽ|二ニニニニニﾆ|　　＿/ニニニニニニニﾆﾆ／　　　Ｖ//,斤┤

＿＿＿＿＿＿―――━━―――￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿―━━―￣￣￣
―――━━――――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿―――――＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣￣￣￣
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. ｌ!:::::/::::l:::|::｝~′　　　　　　　　　　　 l>　　　　　 l::l:::.!:.!::::::!　 |::.!
|l||,、|:::::/:::.!::l　　　　　　　　　　　　　　 !′　　　　　　 !::.!::|::.!:::::|　 l::.!
::::l'|'l!''''l!:::::|:::.!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,i|:::::l::｝:|::::.|^' ｲ:i′
::::l|:il|::::l:::::::|::::l　　　　　　　　　　　　　―ｰ''`　　　　　 ,/||:::::.!:|::|:::/　i./　＼
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,,i|:i!ll|:::|:::::::::l:::::.! ＼　　　　　　　　　　　　　　　　,､´l|:::::.!!:::::|｢.!iliil!′　　　　 .ｌｌ､
.７.! ｌ|::｝::::::::.!:::::.ｌ　　`-､、　　　　　　　　　　　　/ .ｌ;:.|l:::::|:|:.､iﾄil~.!!|　　　　　　 .ｌ ll.
: |:|'ｉ,ﾘ::|::::::::::.!:::::.!　　　　.｀'''- ､,,,　　　　　 . ／　 .|;:.!|::::|:｝:/:i{::::||::|　　　　　　 .!i!l
: !:!;:.'ト:|::::::::::.!::::::.!　　　　　　　　￣'''''''''''|´　　　　.!;:|.!:::!:|// l::::||:::l　　　　　　/ :|

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　珍しくはない　 │
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77： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:52:32 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　だが彼女らのような存在が生まれたのには、都市繁栄という輝きが生んだ〝闇〟という面が少なからずあった　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　 //　　　　　　　l::::ヽ｀ヽ　　／￣　l::l::::l､
　　　　　　　 /.l　　　　　　 j:::::/　　　　　　　　 iミ､ i　　　　　 l
　　　　　　　　 ,'. ,　　　　　i　ノ:::::/　　ヽ.　 , '　　　.i::::::::',. ﾉ.　　　 ,'
　　　　　　　 l.　',　　　＿〉/::::::（　　　　 ∨ 　　ノ::::::::::ヾ,. 　　 ,'
　　　　　　　　 ',r‐':::::::::/::::::::ニ-､　　 l　　, ':::::::::::::::::::',二ヽ.,,'
　　　　　　　　　　　 ',≧＝.,'::, :::::::::::::::ヽ､　 i　.／ ´ ::::::::::::::ヽl≧ヽl
　　　　　　　　　　　　 ',:::::::::l:/ :::､ :::::::: ｀ヽ≧=≦:彡::: ::::::::::,.::::i:,'::::j'
　　　　　　　　　　　 ',::::::::i':::::::::｀:::::::::::::三i´｀j :::::::::::::::::::::´:: :,' :::,'
　　　　　　　　　　　　　〉 :::::::',::::::::::::::::::::::::＞､_ﾉヽ::::::::::::::::::::::::,'::::;〈
　　　　　　　　　 ,':',:::::::::ヽ::::::::::::::::::/　∧ヽヽ.ヽ.::::::::::i!:::ﾉ:::::,'::ヽ
　　　　　　　　　 /:::::j:::::::::::::ヽ:::::::::∠//　l　　／｀;';≦l∠､ｰl_',::::ヽ.
　　　　　　　　　 ,.':::::ﾉ.l::::::ーｧ::''´￣￣￣￣￣￣￣:::::::ヽ::::ヽ:::::｀￣ヾ=､､.
　　　　　　　　 ,. '::::; '　 l　 /::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.,:::::::::::::::::::::::≧.,ヾ､.,
.　　　　　　　／:::／　　　l/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__,,..．-‐'''""~7｀ヾー ―''''ヽ<､ヽ､ヽ､
　　　　　／:::／　　　 ,ﾉ＼:::::::::::::::::__,,..-‐'''""~:::::::::::::::::::::::::ﾉ.　　｀ｰ､ヽヽヽ､ゞ'
　　　／::::／　　　 ,. '.-'''":｀ｰ:ｧ'´¨:::::::::::::::::::::::::::__,,.. ．-'＜l ヽ　　　　　ヽゝゝ:ヽ
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／:::／　　　 ,.ノ´::::::::::::::::::／,ｧ -‐'''"´:::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::ヾ　ヽ

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　１８８０年にウィーンの公娼の前身を調査した結果、５５％がお屋敷住まいの女中だったそうだ　│
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78： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:52:51 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　：
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│　　中心街に住む裕福な市民や貴族の社会には、昔ながらの召使いや料理女、家庭教師、御者といった　　 │
│　　雇われ人がいたが、雇用者である市民と彼らの間には歴然とした格差があったし、また彼ら雇われ人の　│
│　　間でも差があった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　| ;,,;,|
　　|　.:.|
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γ⌒ヽ,i＿_＿ :"；;:：､;；:｡
,i;:;:;:;:;:;,i　　　　＼:"；;:：､;；:｡　 :"；;:：､;；:｡
.I_______I　　　　　＼_:.:.__:：､;；:｡　 :"；:'`::'::'；;:：､;,:,｡,,, ,
　　　　　　　　　　　＼　＼ロ；;:：､;；:；;:：､;；: ':'`;'`::'::',:'':'`;
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=:.=.=i〔〕〔〕i=＝=＝=i＼ヽ、,:|＼　　　:／＼` ､　　　　___　　　　／＼` ､　　　　____　　　　／＼` ､
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"；`；`::'::',:;:;:："''":｡;:"；;:：､;；:｡-..,"'., |.:.. ﾛﾛﾛﾛ : .:|:i'⌒iｌ⌒'i;:|:.|.:.. ﾛﾛﾛﾛ : .:|:i'⌒iｌ⌒'i;:|:.|.:.. ﾛﾛﾛﾛ :
；;:： ,:'':' `::':: ',:;:： ,:''':'`::'::',:;:`　"'"';: ;|.─--─--ｰ|:ｌ::.:..lｌ::.:..|;:i,/:─--─--ｰ|:ｌ::.:..lｌ::.:..|;:i,/─---─-
:,:'':'`::'::',:' ':'`； ;:：､;`: :'::',:;:；;:：,:'":;'／　　　　　　　￣￣￣￣　　､｡､..｡　　　￣￣￣￣
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79： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:53:14 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　中でも都会での暮らしを夢見て地方から上京し、屋敷に　　　　 │
│ 　奉公することになった女中は、特に厳しい状況にあったようだ　 │
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　く　＼　 {　{　〈 .〈　／／
⌒ヽ＼　＼〉 .〉　〉 .〉〉　〉　　　　(⌒ヽ
　　ヽ..＼　∨　/　/　／＼　　（　　　 )
　　（＞　二二ﾐ.∨／ ,ヘ　,>　(　　　　ﾉ
　　)）／L ／／ﾊ. <　　ﾞ´　　　し～'
‐--ｲフ　.〉／ス./ヘ　 >
二ﾆイ　／／7./ ／／　　　　　 r<⌒｢＞r‐ヽ__
　く, ヘｲ>'フ//´て⌒ヽ　　 xへX⌒ヽ＞‐- ､7.　＼
　　　　ん.'.//　(　　　)　　　ﾌ　　　　　　　　　＼> ﾊ､
　　　　　 //　　　　　＿/　　　　从　　　　　 ∨ﾊ i
　　　_r<^Y^i　 ))　　　　＞'{　ｲﾅﾄ/ ﾊ　　　　　　 }< |ﾞ|
　　. fヘ>〈.〈!　　　　 ∠.＿ﾙ' Yぞぅ　人ﾍ弋ﾒ､　乃.!.!
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　　　　|　　| 　　　 _＿} /∧_rイ＞r--┬/ﾞ/─r-､＼
　　　　|　　| 　　 /´　辷 / r<.(^ﾑ)￣￣7 / >r┴√　＼
　　　　|　　'ゝ─.｢l: : : :う/ /／八ﾊ＼_,ノ // ノ: ┌────────────────────────────┐
　　　ゝ､＿＿__|｣: : : :て　< 〃　ﾘ!─'　 <　八:.│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　＼_,. イ　　ん～┘　ん'了 : : │ 　まず、彼女たちは “屋敷内” という社会から隔離された環境に　 │
　　　　　　　　　　八　　　　,'　　 {: : :.|: : : :│　　置かれていたため、社会主義運動家たちの目から漏れていた　 │
　　　　　　　　　　　／　ﾊ　　 y 　　 .|: : .ﾘゝ-..│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　／／｢.フ〉,==x＿＿_ﾉ＿ﾑ二ィ└────────────────────────────┘
　　　　　　　　 /／/　＞'ﾞ´ ￣>――‐ﾃ'^ﾊ＼／　　,.イﾞ |
　　　　　　 "　/／　　　 , '　　　／　　〈／　　／i.　!　|
　　　　　　　／　　　　　　　　　　,' 　 Y ､.　 <＼ｿﾘ　j
.　　　　　　　／　　　　　　　　　八　〉 ⊂ｽ＼.　ﾘ
　　　　　　／　　　　　　　　　　　　,'　　　　＼二勿∧　∨.j
　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　廴〉:: :∧　∨

　　　　　　　　　　　　【モブ女中Ａ】

┌────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　また彼女たちの雇用主たる屋敷の主人の目からは次々に雇い換え可能なもの、　 │
│　　いうなれば好みに合わせて交換可能な家財道具に近しい存在であった　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────┘

.
80： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:53:38 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　また彼女たち自身、〝家庭の主婦〟となるための一時的な身分、と割り切っていた面もあった　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _r～冖￢_　 __
　　　　　　　　　　　　　-‐: : :¨￣¨:.:..　　　　　 __rf^i´:.{　､ノ∠__ >'　Z__
　　　　　　　　 ..:＜. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : :. ../　　　｛＞:‐:-==:-:‐:.:´.:.:.:.:.:＜　ﾍ_
　　　　　 . .. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : . ... ／|!l　　　／　へ_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:乂ヽ.__〕_
　　　／. : :.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : . .... .　　|!ｉｌ　イ/　/ﾆ-‐≠" ´￣゛‐-ﾆ..__!＿　;v‐{
　　　/. : : :.:.:.:.:.:.:.:.: : : . ...＞ ´iｉ!|　 !|!　〃ﾍ/:.:.:.:./:.:.:.ﾊ:.:ﾍ:.L:.:.､:.:.:.i|:.:.:.ﾍﾉ､ )
　　从. . : : : : : : . . ＞ ´ !i!i　i!|lｌ!　　　　{:.I:.;':.:.:.:/|」:./|　ﾏ「ヽ「ミヾ､ﾘ:.:.:.:.:|:.:y'
　　　｀　‐--‐　´　i! !l| ill|! ｉl !iｌl|　　　　Ⅱ;.:.圷匕zﾙjL　ヾﾁモ≧ｯ Y:.:.:.:.ﾄミトｘ_
　　　　　　　　　 |! i!|!ｉi|ｌ!i!|!!li i!　　　 Ⅳ:.:｛ﾚｲて及ﾞ　　ﾄｲ及 )〉 |:.:.:.:.:l:.:.:L:.:.:≧=‐-
　　　　　　　　　　　!　i!　|! !　l!|　　　　　ﾞメノ:}''乂zｨ　　ゞ-ｲ　　 !:.:.:.Y｝:/´
　　　　　　　　　　　　　　!l!|ｉ　　　　　／:.:.:.:从⊂⊃ ｀　　　⊂⊃　从:.:.ﾙﾞ　＞-‐冖ｘ
　　　　　　＿　　　　　 !l!|ｉ!　　　　　'"´￣/:.:.:|＼　　〔_〕　　　　人 !:.:.:!／／:.:.. :.. ｊﾍ、
　　ｘ≦¨￣　　￣~¨　'' ‐- ....　　　　　 r〈L:.:.:!　｀＞　__　xｬﾔ_x!-‐|:.:.:|　(二ﾆz≪:. .〕r=ﾐ
　〈　　　 _＿　　　　　　　　　｀＞:.、＿__L_ヽ:.:〔Y´: : :r‐f‐壬　　　ﾊ乂__人ﾆﾆﾆﾍ厂:. .. .｀Y
　　Y´￣　　　￣~¨¨ﾞ　'''‐＜,,..　　　＞x,,　　__／｀ｲ7７人　　　ｘヘ斗匕二ニﾆﾆﾆﾆ｝:.:. .. .. ﾘ
　　 <　　　　　　　　　　　　　｀＞x 　　ヽ. /　 /ﾆ7Y⌒yﾍ_／　 x价=ﾆ二ニﾆﾆﾆﾆ|i. .:. ..../
　　　｀　＜　　　　　　　　　ヽ.　 /７／T《/弋z人//> .x仁ニﾆ二二ニﾆﾆﾆ|l. .. ../
　　　　　　　　　　‐-　　 __＿　　　＿_ ン_〃^X《//X//∧｀¨〔,仁ニﾆﾆニニﾆﾆﾆﾆﾆ|l.:.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ﾏ≧“´　 ¨ ＜(ヽv/》《//〉《二ニﾆﾆﾆニニニﾆﾆﾆﾍ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　弋二イ　　　ヽｰ=ﾆ_》/:... 》-‐　¨￣￣ O `ﾂﾆﾆイ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｰtﾆ二_,　　　｀＜:... .. .::¨/￣￣￣/¨ー/:.:!:.:|
-‐=＝ﾆﾆﾆ＝r-‐　‐-ﾐ　　　　　　　　《ｔｘゝt‐‐ﾍ　　　　｀　＜/_　　　 /:.:...../:.:.:!:. !
-‐　　¨￣¨ミ　￣)　)　　　｀"　　ｰ一‐-ミ　ﾔ:.. ..i＼　　　　　　ミ　 /-‐ ´|:.:.:.:ｉ:.:.|
≧=‐-===-‐tｾ"ヽ｀　ノ__　　　　　　　　　　k､_: i. :.:＞_.　　　　　　　/孑～⌒＞x:.:!
　　　　　　｀ｰ‐一彡´　　＞　..._＿　　 /{ﾄ､:.i .:. _＿__＞: ._　_.../ｘ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣ ´ム　￣　. .. ...　.　　..イ「ﾊﾍミヾ:.:.. ... ..　　＼

┌─────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　そのため、主人側からいいように利用されるとともに、そのような事態を　　　│
│　　改善する機会が遅れることにもなったのだが･･･　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
└─────────────────────────────────┘

.
81： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:53:58 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　その “いいように利用される” 中には、家の跡継ぎ息子が　　 │
│ 　社交界ですれっからしの女に引っかからないように･･･　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────┘

―――――￣￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿―――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿―――━━―――￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿―━━―￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　＿　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　　　　　　 /￣　　￣ヽ､　　 ./
　　　　　　　　　＿ -‐-　_　　　　　　　　/　　　　　　　 ', 　/
　　　　　 _　 -‐　　　　　　　ー　_　　　　ﾄ,─--.....、　　　 ! /
　　　　./　　＿＿,,,　　　　　　　　　ｘ-‐'　　　　::::::ヘ　　Y
　　　/　 _∠／　　　　　　　　／　　　　　　　　:::::::::Y　j
　　　.（￣　　　　　　　　／　　　　　　　　　　 :::::::|ﾍ}
　　　 | ｰｧ､一､- ､ _　　　　 /　　　 ,＿:::.....　　　　:::::::|;;;}
　　　､_ﾉ　＼　j＼_）ー-- ｨ　　／　　　　　ヽ、　　　:::::ﾚ　　　　　　ｎ___ 00　　　__
　　　　　　　｀~　　　　　 / 　人　　　　　　　ヽ　　::::::|　　　　　く.勹 |　　　／ /
　　　　　　　　　　　　　　 `ｰ'　 .|　　　　　　　ﾍ.　　::::|　　　　　　　くノ　　.└1_|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　ﾊ　　::j
―――━━――――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿―――――＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿―――￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿――━━―￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿

　　ﾍ. .｀〉' Y 　　y 　　｀ ∨/　　　 i .',.',　ﾆ二￣~ｉ''ヽi|　〃　,.'　,　／　　　　　　/!
　　　 i.　　　ｌ　　　　　　　 |,'　　 ,' .,'　 ', ', , '.〉 ',　 |　〉‐〃ｿｯ　／　　　　　　／彳
.　　　 | 　　ゝ　　!　　　　 |　　 ,'　i　　.／.../ ./　/.／　　　　 .>'　　　　　　／　彡
.　　　 |　　　ヾ　ヾ　　　|　　,'　.,'. ／　 ./ ./／/　 /´￣￣´　　　　　／　　豸
.　　　　',　　　　｀丶 _｀丶　|　 ,'　　i"　　　／/　i　 ./ ,┐　　　____,,..．'"　　　彳彡
　　　　 | 　゛´￣|' 　｀~ヽ、|　　　　|、。　　　/　 .|　<ノ /　　　　　| 彡　　　　　彡
　　　　 |　＼　　|　　　　　 |　　　　|＼　　　　　 .| i　 .ﾉ　/　/ / ! .彡　ヾ　　　彡
　　　　 |　　　　 |　　　　　 |　　　　|. .|＼　　　　.| |　(__/ヽ/-'´~　ﾐ　　　　　彡
　　　　 |　　　　 |　　　　　　|　　　　|､.|‐-＼　　./-|　　　　　　u　　.ﾐヾ　ヽ　　ﾐ
　　　　 |　　　　 |　　　　　　|　　　　| ヽ　　u＼/i i/|　　　　　　　　 |　｀　　　　ヾ
.　　　　|　　　　 |　　　　　　|.　　　　|　　　　　　.|/　|　　　　　　　　 |　ヽ　　　　　 i
　　　　i　　　　　i　　　　　　|　　　　 |　　　　　 /　｡.|　　　　　　　　.|　　　　　　　　',
　　___/'---‐.iﾆ'!　　　　　　!--‐‐‐‐'､.　　　　/　　,'.|　　υ　　　　 |',　　　　　　　　i
―と'´＿_/_,,/――――‐‐'ヽ､ﾆﾆつﾍヾ―┐　　/:::|　　　　　　　 .| .',　　　　　　　 |

┌─────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　女性経験の練習の場、つまり性的な経験を積むための相手として、利用されるケースも少なくなかった　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────────────┘

.
82： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:54:19 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　このようなケースで妊娠しても、往々にヒマを出されるが･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────┘

　　　　 ,' 　　　 |.'､　 ,;;|　　　/　　　　　　　　､:::::|　 i
.　　　　 |　　 _.　 |　ヽ　;;/　　 , '　　　　　　　　ヽ::|　 ',
　　　　　|　　　｀`'‐､. ヽ/　　, '　　　　　　　　　　　ヽ| 　 '､
　　　　　|　　　　　　ヽ,　　,'　　　　　　　　　　　　　ﾊ.　　'､　　　　 ., ,.　'′　､ヽ、 _ ／.:　.′:.:.:.l:.:.`:.:.....///////////////}||
　　　　ヽ､　　　　　　｀'‐ ､_　　　　　　　　　　　　　ﾍ. 　 |　　　 .,.． '´　　　＼ヽ/,ﾊ::.:..:. /　 :.:.:.: l .:.:.:.:.:.:.:.:｀　ｰ- ､///////:}||
　　　　　　　`‐.､,_ 　　　　　｀`'' ‐‐-､　　　　　 __|　　|　　 ./　　　　　ノﾄ_,ﾉ┘.∧　　/､:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.ヽ///// }||ｌ
　　　　　　　　 /｀¨ﾌ- ､,_　　　　　　　｀ヽ,_.　　 ,､-'. 　　 |　 ./￣￣ヽイ:l: :ｲ!ﾊ///　ヽ./:.: ＼:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.:. '/////}||ｌ
　　　　　　　　〉./.,'　　　｀ヽ　　　　　　ヽ_.)　　ゝ‐ヽ　　 |/￣￣｀ヽ/:.:.／:.:.:i:l//i:　　/: : :.:.:.:.＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.:.: :.:'////:}||ｌ
　　　　　　　　　/./. ,'　　　　　＼　　　　ヽ､¨ヽ.　　／ /　../.:.:.:.:.:.: : : /iく.:.:.:.:.:.:!l//! 　 /:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ///}||ｌｌ
　　　　　　 / ,'　,' 　､. 　　　ヽ　､ヽヽi　i　 / ,r‐'　 ./:.:.:.:.:.:.:.: : /::!.:.:ヽ.:.:.:.ll//!:　/:.:.:.:.:.:／:.r──ｭ:.:.:.:',::...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V//}||ｌｌ
　　　　　　　 / .,'.　,'.　　'､　　　　ﾍ .ハﾍ. iゝ'　ゝ--'"./:.:.:.:.:.:.: : : :'::::i.:.:.:.:.ヽ:.:l!//! /.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨/||ｌｌ
　　　　　 /i/　.,'　　　 '､　　　｀´　ゝ'ゝ' 　　｀ . /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ' ..:.:{.:.:.:.:.:.:ヽl//!/.:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨||ｌｌ
　　　　　　　　,'　 ,'　　　　　ヽ　　　　　　　　 / .,.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:;:.:.:..:.':...:.:.:.:.:.:.:.li//／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:∧:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 'l||ｌｌ|
　　　　　　 ! 　 |.　　　　　 '､＼　　　　　　　 / .:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j:..:..:/ !:.:.:.:.:.:.:.:.〈:O : .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :l|ｌ|
　　　　　 .| 　 |.　　　　　　 ', 　ヽ　　　　　 / ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;'.:.:; ′}.:.:.:.:.:.:.:.:.:｝.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : ':.://///ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 'l||
　　　　　 | 　 | 　　　　　 ', 　　　　　 // 　 ‘.:.:.:.:.:.:..:..:.:/／　　 }.:.:.:.:.:.:.:.:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'´..:.://///// ﾍ:.:.:__ : :.:.:.:'ｌ|
　　　　　　 .| 　 |　　　　　　　 ',　　　　　 ,'.　　　 .}　..:.:.:.:∠ 　.....-─}　.:.:.:.:.:.i:O.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.: : ／//////,.． ´　｀ヽ : :.:'l
　　　　　 .| 　 |.　　　　　　　 ,..　. _ 　　　 r─…　`ｰ‐匕. 　　 ..-─,.:.:.:.:.:.:.:.:}:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::_;厶 -‐:.''"´: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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　　　　　　　　　　　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`　＜こ三三三三ﾝ:.:.:.:.:.:.:.:./:O.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : , ′　　 .}ﾉﾉ...-──…… ' 二二
　　　　　　　　　　　　　　./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀:.:. . .､／:.:.:.:.:.:.:.: ,:.′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ／ /　　　/　/￣￣三三三三三三
83： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:54:38 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　身重の彼女たちが働ける場は、限られている　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────┘

　　　　　　　　　 ,':',:::::::::ヽ::::::::::::::::::/　∧ヽヽ.ヽ.::::::::::i!:::ﾉ:::::,'::ヽ
　　　　　　　　　 /:::::j:::::::::::::ヽ:::::::::∠//　l　　／｀;';≦l∠､ｰl_',::::ヽ.
　　　　　　　　　 ,.':::::ﾉ.l::::::ーｧ::''´￣￣￣￣￣￣￣:::::::ヽ::::ヽ:::::｀￣ヾ=､､.
　　　　　　　　 ,. '::::; '　 l　 /::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.,:::::::::::::::::::::::≧.,ヾ､.,
.　　　　　　　／:::／　　　l/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__,,..．-‐'''""~7｀ヾー ―''''ヽ<､ヽ､ヽ､
　　　　　／:::／　　　 ,ﾉ＼:::::::::::::::::__,,..-‐'''""~:::::::::::::::::::::::::ﾉ.　　｀ｰ､ヽヽヽ､ゞ'
　　　／::::／　　　 ,. '.-'''":｀ｰ:ｧ'´¨:::::::::::::::::::::::::::__,,.. ．-'＜l ヽ　　　　　ヽゝゝ:ヽ
.　／:::_／　　　　,. ':::::::::::::::::::／:::::::::::,,.. ．-‐≦三＜:::::::::::::::ヽ　ヽ　　　　　｀＼::＼
／:::／　　　 ,.ノ´::::::::::::::::::／,ｧ -‐'''"´:::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::ヾ　ヽ　　　　　　　＼::＼
:/'´　　　 ,. '/::::::::::::::::__:::ﾉ´ /::;':'::::::::::::::::::::::::i::i!:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.　ヽ　　　　　　ヾt::ヽ、
'　　　 ,.　',　'i_::,＝‐'''"／　ノl:;'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::l',　　ヽ　　　　　　　　ヽ:::≧､
　　<,　'／イ' /i ,r ' ´　　,':'l.l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::ｌ.ｌ:', 　　',　　　　　　　　　｀ヾ≧
　　　／／, ', '.,'.ｲ　　　　,'::l l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::;:::i!:::;;',　　 l　　　　　　　　｀7t
　　　｀¨　ｰ'　/ﾉ.ヽ　　 ,',:l l:::::::;;:::::::::';:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::;:::i!:::;'∧ 　 l　　　　　　　　　／ｲ::
　　　　　　　　　　ヽ、 .ﾉ､l l:::::::::;;:::::::';:';:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ;:::;;::: i!ﾉ;'::::::',. ,'　　　　　　　　／　/:/
=．._　　　　　　　　ヾ;::::,'｀ヽ:::::::;;;:::::';;:';::::::::::::::::::::::::::::::::;':':::;;;;:::::!.i!;:::::::::', ﾉ　　　　　　／　　 ,':/
　｀'''-．._ 　　　　 ,'::::,'　　ヽ､::';;,:';::';;,:::::::::::::::::::::::/::: /::::;';;':::::::〉,ヽ::::::::',　　　　_,.-'"　　　.//
　　　　　｀~'''‐-．..,,_,' ::,'　　　　ヽ,::;;,:';::';;;;;;:::::::::::::: ﾉ::;;';'::::,':;':::::::::/::',',::::::i::',　_,.-''"　　　　 //
ヽ_　　　　　　　　　7:::,'　　　　　｀､';',::';;;;;;;;;;;;;;;;';;;;:','::::::::;'::::::::;':::::::',',:::::i::';'''" 　　　　　 //
　ヽ､　　　　　　　,':::,'　　　　　　ヽ;';.:::'≦-;::'::::;':::;:::;':::::::::;'::::::::::l l::::::i l　　　　　 .,.',.'
　　　ヽ､　　　　　 l::,'　　　　　　　　　　ヽ;';;.:::::ヽ:::::::::::;':;'::::;::::::::::::::::: ::l.l:::::i l　　　　,.'.'
　　　　ヽ､　　　　|ｲ　　　　　　　　　　 ',::';::::::::::::::::::;''::::;';:::::::::::::::::: :::i!::::::il!　　　／　　　　　 ,.
　　　　　　ヽ､　　i!|　　　　 __,,.. ．..,,__　　',::';';::::::::::::::;'::::;';;:::::::::::::::::: ::::i!::::::i!　　／　　　　　 /
t､　　　　　　　ヽ､　l　 _,.-'''":::::≧＝三ﾆ=:i!:';::';:::::::::;;'::;';;;;;::::::::::::::::: ;::::i!::::::l ,.／　　　　　　　 ,'::,'
ヾt､　　　　　　　ヽ.レ::::＞'≦''''::::::::::::::::: ヽl::';';';:::::::;';';';;;;;:::::::::::::::::: ;:::::i!::::::l''　　　　　　　　 //
. ヾt､　　　　　　　 .レ'':::::::::::::::::::::::::::::::::: ;;;;l:::';',',:::;';';';;;;;;:::::::::::::::::: ;::::::i!:::::l　　　　　　　　 //
　　ヾt､　　　　　　　 .l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;l::::',;;',.,',';;;;;;;;:::::::::::::::: ;:::::::i!::::ﾘ　　　　　　　　 //
84： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:54:59 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　街娼の身に堕ちた女の中には、このように夢破れ、望まずしてなった者が、少なからずいた･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────────┘

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　　,rfﾍ iヾ､　ー=ミ､_　､⌒ヽ､　;
　　i! V ;ﾄ　辷__　ヽ　ヾヽ　li:Y V
　 N　ヾ､V´ z..､ヾi! 　リ(　 j　　.ﾍ
　ﾄ､＼　{ ! (i､:::ﾘ γ　⌒ヽ γ⌒ヽ
　ｒ､ N　ゝ´ゝ.__　,.ｲ　i.:::::.ﾊ.Y 〃.:.! i
　ﾍ :.l!Y　　　　　ﾍ !　ゞｲ_ﾘ j　ゞｲ .ﾉ
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　､.> 　 :　'芮ﾃﾐ｀ u　≧=､＿__＼_
　ｰｲ　.:　´¨ ´　　イ　 ,.　､＿ ⌒ヽ
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ﾆﾆ! Yﾊヾ:.､　￣／ﾆﾍ,_　　/　　.: ﾄ､
ﾆﾆﾆ!YG )::i¨.:.１/YﾆYﾆﾆﾆ､.．ﾆﾆﾆ!
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ﾆﾆ斗′　｀　 ′　　酛ﾆﾆYﾆﾆフﾍ

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85： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:55:19 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 /
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　　　　　　　　　　　　釻､　　　　　　　ﾞ'' - .,_　　　　　　　_,.　-''"''´　, ´r'´ ヽ. 　　　　　ﾞ、
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　　　　　｜　　　　　　　　　　～リヒャルト･シュトラウス～　　　　　　　　　　｜　...`i　　　　　 |
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　　　　　｜　やらない夫のオイレンシュピーゲル物語　　第十話（前編）　｜ /　丿　　　　l
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　　　　　　　　 {ﾞヽ. ﾞ、ﾞ''ｰ-‐┘　 !　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　/ ‐" 　　　　　　　i
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　　　　　　　　　 {､`-‐-､_　　　　　!　｀、　ﾞ'' '"､｀'ー─ '′ ″_　　　　　 / 　　　　　　　　　　　!
　　　　　　　　　 ! ﾞ-‐-ｧ--　....,_,_j　　　〉　　　｀ '' ｰ　　　￣ヾ、　　　, i　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　｀￣´　　　!‐''"ー- i'´　　　　　　　　　　　　　｀　　　 ,ﾞ { 　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　j　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　ﾉ _　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀"'''"ﾞ'' ー--　　....,,＿_　　　_,,. -'　 r′ ｀　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣´´　　　　{　"´ 　　　　　　　　　 |
86： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:55:39 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　：
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　　　│　　 └─────────┘ 　　│
　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　└───────────────┘

┌───────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　急速に近代化が進む中、様々な社会的矛盾が噴出し、　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　軋みを上げつつも、ヨーロッパの歴史を背負い威光を放つ、　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────┘

_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_ｌ二二二ｌn_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
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田┐工ユE∧ヰＡ┌─≡─!杢卦士⊂ﾆ⊃;:::┌┐;;;;;;;:::,,,,,ﾛ卅ﾕ鬥H出Tエニ斤彳∟　／　　　＜
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ェェェ=‐´ 田|/二ﾆ,ハ_,．-_‐＝_二ｌ　　|＿＿|　　'|＿__| 　 |l二　　,.._　　　_,/　　　　　　ﾐミ/
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　／川||＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥＿⊥　／　　ﾄ　　　,.　'ﾞ　ゝﾉ! 〉ヽゝ,.>''ﾞ
／川／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　 |ヾヽ 'ﾞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ /　/ ,,. ィ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　ハプスブルク帝国の帝都、ウィーン　 │
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87： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:55:58 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────────────┐
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│ 　「音楽の都」の名で世界的に知られた街だが、シュトラウスにとって五作目のオペラとなる『薔薇の騎士』　　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　ィ≦辷ﾟ//ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ「ヽﾆ{　ﾏ　 }-‐{_}　 _
　　　　　　　　 ,ィ/| ヽ. ヽ.＿__/ｨ圭|ﾆ｡//三三三三「ヽヽj　ﾞ}　ヾﾆヽ＼{_}三ﾐ:
　　　　　　 ,．-‐━＜ / .| 　＞＜ (ィ⌒: :ｰ//: :,，: : : : : : : }　ﾞ､｀ヽ　ヽ　}:＼ヾ=ｏ:ヽ.ﾘ
　　　　　　{　　　　　 /　 |／l!ゞ=-::〃: : : :.//=≠: : : : : : : : :ヽ　ヽ　Y l{ /{_}､｀: : : : ノ
　　　　　　| . 　　　＞　　 |､〉=く {! : : (’'/ｨ＝､: : : : : : : :〃〈　ヾ　　　;!　　￣￣
　　　　　　|　　　　　「　　　 .|yﾞ:::i!::ﾊ:.: :_//: : :,-《:_: : : : ／': : :入　　　　 ;!
　　　　　　ゝ.　　　　{　　　　!|: :::!:/ `ﾏ//:_:_ノ　ヽ:_:_: : : : :／　ﾞ､ﾐ　　　,{
　　　　　　ハ　　　　､　　　 ! !::::/　 i //　　　　ヽ　 | ￣ ´ __．ィｉﾄ､-‐　 }､
　　　　　 _!　ヽ　　　ﾞ､　　 l　∨　　//　　　　　ヽﾞ.|　　＜＿ノ　ゞ､￣`ｰ'､}
　　　　ノ√二ヽ　　　ﾞ、　 | ,┴'⌒ー- ､_　　　　　ﾞ|　 ,'⌒　"　　　　＼　/l!
　　　 /　　ﾑ　ヽ!　　　ﾞ､ r‐' ー‐⌒ー=､_）　　　　 |　/　　　　　　　　　＼j{
　　　'　ノ}　,ﾆ､　ﾑ　　　r' `ｰ-=ﾆ二ｰ､__)　　､＿__L.′　　　　　　　　　,／
　　/'´≦-‐-､,ﾆヽﾑ､　 {ﾞ　ヽ.＿＿__￣`)　　　　　　ヽ　　　　　　　　ノ′
　ノ '´ ／　　　　　二＞j゛= ｰ､＿｀ヽ! ￣　　　ー――,}　　　　　　／
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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　この作品は、今までに作ってきたオペラとは異なり、その、ウィーンの郷土色が強く出た作品となった　 │
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88： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:56:18 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────┐
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89： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:56:38 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────────────────┐
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│　　この作品の台本が生まれるきっかけとなったのは、ホフマンスタールが、ワイマールの友人　 │
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│　　ハリー･ケスラー伯爵の所に訪れた折･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　＿＿＿
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　　　　|　　　　　　　　　　　　 | 　 /⌒）　　　ここですか、
　　　＼　　　　　　　　／／　／　　　ケスラー伯爵の屋敷は･･･
　　　　 >　　　　　　　　＜／　／
　　　 γ´ 　　　　　　　　　／
. 　　 /　/､:::..　、　　　　　/
　　　/　/　）:::..　　　　　　　|
　　 /　/ 　{　　 ,　　　　　　i
90： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:57:00 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　●

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　　　　　　　　　　　|十|　　　　　　　　ム＝=‐-‐=＝ソ、　 ::: .. : ... :::
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　　　　　　　　　　　ト'┤　　　　　　 :|k||;ﾟ:::: ;:|l|;::.;;..;||ui|　 :　　: . :::: .
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　　　　　　　　|┴┬|　　　　　ヾ||;;;::..;;;|l|;;;;..;:;||,ﾝ´　: .; ::　　　;;
　　　　　　　　|┬┴ト----､　　 l二二二二二二l
　　　　　　斤江エエ工エエ丸　: .. 　　　　　　　..　 : . 　　:. :;;':: :
　　　　　 ├+ｲ＿,|＿|＿|_,ト-|　　 :: ; ::: ::
　　　　　　 |十|:　..:)ﾉ: )',,.:ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ…
　　　　　　|┴!:.: :(.'(;):) :';:.:|十| :: 　 ...
　=========」工|':,ﾍ/Yﾍﾞヾ`.|工L_===========================
　　　　　　　　　 :; : 　 :: . 　:::　　　　　　　　　　 :. . ; 　　　　 ...

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　よく来てくれたね、　.....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　できる夫君　　　　　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

　　　　　　　､--‐冖'⌒￣￣`ｰ-､
　　　　／⌒`　　　　　　　　　三ミヽｰ-ﾍ,_
　　　__,{　;;,, 　　　　　　　　　ミミ　　　ｉ　´Z,
　　ゝ　　　''〃//,,, 　　　　,,..｀ミﾐ､_ノリ}j;　f彡
　　_)　　　　　〃///,　,;彡'rffｯ､ｨ彡'ﾉ从iﾉ彡
　　>';;,, 　　　　ノ丿川j !川｜;　 :.`7ﾗ公 '>了
　_く彡川fﾞノ'ノﾉノ_ノノﾉイシﾉ｜ }.:　'〈八ﾐ､､;.)
　ヽ.:.:.:.:.:.;=､彡／‐-ニ''_ｰ＜、{_,ﾉ -一ヾ`~;.;.;）
　く .:.:.:.:.:!ﾊ.Yイ　　ぇ'无ﾃ,`ヽ｝｝}ィt于｀|ィ"~　　　　　　　ところで、私は二年前
　　 ):.:.:.:.:|.Y }: :!　　｀二´/'　;　|丶ﾆ　ﾉﾉ　　　　　　　　パリであるオペレッタを観たんだよ。
　　） :.: ﾄ､リ: :!ヾ:、　　　丶　;　|　ﾞ　　ｲ:}
　　｛ .:.: ｌ　｛: : }　｀　　　　,.__(__,}　　　/ﾉ
　　　ヽ !　　`'ﾞ! 　　　　 ,.,,.`三'ﾞ､,_ 　/´　　　　　　　　　ルーヴェ･ド･クーブレイの小説を元にしたもので
　　 ,/´{　　ﾐ　l　　　　/ﾞ,:-…-～､） |　　　　　　　　　　『騎士フォーブラスの恋』と言うんだがね、
　　,r{ 　＼ﾐ　＼　　 `'　'≡≡'　" ﾉ
__ノ　ヽ　　＼　ヽ＼　　　　彡　,ｲ_　　　　　　　　　　　それで･･･
　　　　＼　　＼ヽ丶. 　　　　ノ!|ヽ｀ヽ、
　　　　　＼　　＼ヽ｀¨¨¨¨´/ |ｌ　ト､　｀'ｰ-､__
　　　　　　＼　　｀'ｰ-､　　/／　/:.:.}　　　　｀'ｰ､_
　　　　　　　　｀､＼　　　／⌒ヽ　 /!:.:.|
　　　　　　　　　　｀､＼ /ヽLｆ___ハ/　　{
　　　　　　　　　　　　　 ′ /　! ヽ

　　　　　　　【ハリー･ケスラー伯爵】

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91： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:58:07 ID:gtczLnhA: .　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　│　ゲロンテ家の娘ゾフィーの結婚話を聞いて、　　.│
　　　　　│　美青年ファウブラスは嫉妬し、腹を立てるが･･･ │
　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

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::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 lﾍ.::::::八三三ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |ﾆヽ,′ ＼.三三.ゝ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |三ﾆ.ヽ､　丶、三三＞､_::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.夂三三ニﾐｘ　ﾞ＜三三三≧ｭ.､______:;.ｲｿ
　　　　　　　　　　　【ゾフィー】　　　　　　　　　 ,.:´: : : :＼三三三≧ｭ.､_ ｀ﾞ＜三三三三三／
　　　　　　　　　 ,､ -‐ '´ｨ' ´ .｀`ｰ､　　　　　　　 ,ｲ: : : : : : : :ヽ三三三三三≧ｭ､＿　｀¨¨¨ﾞブ気
　　　　　　　,.ｨ'´　, ｨ ' ´＊ _,､-‐--､｀_ヽ_　　　　　 /: : : : :| : : : : : ｀ゝﾐ三三三三三三三三二ニ／
　　　　　／　／　＊ ,､ｨ'´: : : : : : : : : ｀ヽ`ー-､　 .,': :ﾒ:i : : l : : :､ : ﾍ : : ｀ﾞ:.＜三三三三三三＞'´
.　　　／　／＊　／: : :/ : :/: : : :i:.l: :l: : : ｀ヽｨ'´　..ﾚ' |: |: :',ｷ:、: :〆, :l: : : :ﾍ:ﾍ｀¨.T≡≡T.¨´ﾘ
.　　／　／/　　／: : : :/: : :/: : : :.:l: l:.:l: ヽ: : : :ヽ､　　...', :l : :',ﾐx,メ､__:V : : : :ﾊﾊ : ', : : : : : : : ,′
. ／　´　 i .＊ /: : : : :/ : :./: : : : /:/|:.ﾄ､: :ヽ: : : :i!＼　...ゞトﾐ.ヽ　 ,.ｨﾀﾄki: : : : } :|: : ｌ: : : : : il /
´　_ﾄ､__　 l　　 l: :l: : : i!:.:／: : :.／:./ l:.lｰ-､: ヽ: : :.l.　｀ヽ　　　 .ﾞi　´　│||.: : :λ:k: : l : }: : :ﾙ′
-‐' 　 i:￣l ＊ l: :.l:.:l: :i!: : : _／ .／ .// ,ｬｮｭ`.!: : i:l　＊　｀ヽ　..<　　　 !|.: :.,' |/　ゞﾄ､:}:.:/
　　　l: :l:.:l 　 .l: : : ヽ:.l .ｨｪﾃ:ﾊ　／　ﾄ:::ﾘ /: :／ヽｰ､_　＊. 丶 .ヽ､ｒ'　　|.:./,. { 　　｀_災
　　　l!: :l: :l ＊ヽ: : :.:ヽ! 弋z .ﾘ　　　　ゞ゛/／: ､: : :ヽ　ヽ　　　ヽ　｀丶」/´　∨ィ'´ 　　ヽ
.　　 l!: :.l: :.l　　　ヽ: : :ヽ　￣　　　' 　 ´/.: : : :ヽ: : :＼　｀ｰ､.＊`　　　　　／　　　　　　　＞-､_
　　 l!: :/: :∧　＊　l`ｰ-`-.　　　 r‐y　／: :ヽ: : : :ヽ: : : ＼　　｀ｰ､ ,rx斗＜　　　　　　　　　　　ﾞ心
　　l!: : : :./: :.i　　　l:._: ,､`ｰ-- ,ｨヽ`´／-―‐,ｨﾅ≠ﾍ:ヽ: : : :.＼　　..ｆｱ´ﾞ.うふ　　　　　　　　　　　　　ﾟ心､
.　 l!: : : :/: : : i .＊ l´.~　￣｀,ｨ`ｰ｀!　　　ｨﾌ".ヽ,_,､ｨ´: ＼: : : :.＼....'.:.:.:.:.:｀てふ　　　　　　　　　　　　ﾟ心ﾍ
　 l!: : :./: : : :∧　　li!　　　,ﾍ.`ｰ .ﾘ　　,ｨﾗ゛.........｀!: : : : : :`ｰ-､: : .,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ﾞふ､_　　　　　　　　 ,乃:∧
.　l: : :./: : : :/: :ﾄ､　 l　 ,ｨﾅﾚ'!　　/=ｭ､ `!..............l...l!: : `ｰ-､: : : `..∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾞ弋えｘ､_　　 _,ｒ=ｷ彡イ.:.::∧
　l: : : : : : :/: : : /.i　l!,ｨｸ　　 i,､,.ｲ`!　》.i´..............i....i!: : : : : : : : : :∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`"Ｔﾃ元´～'⌒^.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ

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92： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:58:28 ID:gtczLnhA: . 　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　│　当日になって、初めて会った婿プールソーニャックの　　 │
　│　態度に驚いたゾフィーから助けを求められ･･･　　　　　　　　│
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ

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::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::

.　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ.　　　　 fＹ´）
.　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',　　　　　|／
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/　　　| :/　|:./　　Ｖ: |.: : : | V 　　　 . ／　　　ｒー‐く￣￣￣ゝ-、
　　＜ : ｣_: : / 〈　　　.|/　　ﾚ　　　|:./ヽ: : |　　　　／　　　　ノ　　―　ヽ￣＿＿_ヽ＼_
　　＜:: |. 小{　　＿__ ｨ　　　､ .,_ 　ﾚ{: :.|ヽ:|　　...／　　　／ヽ / ＿ｧー' ￣／　　　⌒＼_ヽ
　　　厶ﾍ　ﾊ　　`¨ ¨ ´　　､　`¨¨´　{ﾊ/　V...／ :::　:　　ｒ'　〆ソ　　　　／　　　　　　　　ｉ＼
　　　　　＼_!　　:::::::::　　　, 〉　:::::: 　! 　 .／　 ::: : .::::／　　／　　　　/ 　　　　　/　　　　ｉ　　ヽ
　　　　　　　ヽ.　　　　　ｒ;２　　.／　　ー=ﾆﾆ>:::/　ｖ/, /::　　　　/　　　　　 ./　　 / /　ｉ.　　 `,
　　　　　　___,ｒ| ＼　　　ヽﾌ　　／　　　　　　　 |Ｖ　"ｧ‐/:::　　　 /:　　　　 .:／　.:/ｲ ./:　ｉ::　　ｉｌ
　　　　／:/::::| ＼　ヽ　_　 .ィ ´　　　　　　　　　.ｌ ::）　ｉ　|::::　　ｉ /::......:::::::／　::／ / /:　//:ｉ::　ｉ　ｉ: ｌ
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､　　　　　　 .ｌ :（　　　|::::　:ｉ :ｉＬフﾆﾆ＝ｰ‐‐''ﾌ／/ / ハ:ｉ: :ｉ　ｉｉ|
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､　　　 .ｌ　:ﾉ、ｉ , ｌ:::::　ｉ | :|　ヽｰｒ‐‐＝マ ´ / / >く. |:　ｉ:　ｉﾘ
::::::::::::::/:::::::::∧　　　　/二＼　|::::::ヽ::::::::::::＼ . .ｌ　ｉ:）ﾄ‐ ‐ ヽ::::. ｉｌ :ｌ　　にんｿ　／／/ﾊｭ､_> /　ﾉ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌｉ　ｉ）　　　　へ::ﾍ　　〃　　　　　 i. ￣{/／|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ :ｉ　ｉ.（　　　　ハ　＼.__ 　　　　　　　 "　イｉ　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ :ｉ　ｉ　.）.ヽｉｨ　）::|　＼　　　　　　=‐'　／/　ｉ:　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ :ｉ .:ｉ　.:(　小　（::｣　　｀ ‐ ､_　　 _, イ　ｲ::　ｉ:　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｌｉ　::ｉ　::::｝　　　ハ|　　 _. - 亠く / ﾊ .ノ::ｉ:::.　ｉ:.　ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ:ｉ　:::ｉ .::::/　　　｝へ＞く _　　　　/　 ./::::::::ｉ::　　ｉ:　ｌ

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93： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:58:48 ID:gtczLnhA: . 　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　│　ゲロンテ家とプールソーニャックの結婚を仲立ちする伯爵夫人をたらし込み、　 .│
　│　自分もその場に居ることができるようにする･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　,　'''三三三三ﾐソ三三ﾐﾍ,,,,,,,ノヽ　　　,,＿ｚ---ｒOz、
　　　　／三三三三, 　'三三三三ﾐﾊ三三!|＜´::::::::::::::::::::::＾＾´:::ミ、
　　／三三三　,　'三三三三三三"三三ﾐ!|:::::::::::,,-'　￣￣ '' - 、:::::＼、
　/ト、三彡 ''三三三三三三／三三三三|＼''´　　　　　　　　　＼:::::::ﾍ
　＼三三三三三三三三／三三三三ﾐ／:::::::ﾍ　i　　　　　i　　　　ﾍ:::::::ﾍ
　　＼三三三三三ミ＜三三三三ﾐ∠:::::::::::i::::ﾊ |　　i　|　.|　　|　　ﾍ:::::ハ
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　＼三三三三三三三ﾐ＜::::::::::::::::::::::::::::::::::/}:::ﾉ　　ﾊ　!　.|　　|　　|　}Xﾐ十===7
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　　　　　　　　　＼::ﾍ＼:::::ﾊ:::::| ヽ:::::|　',::::!---＞.._　,,　...-＜　　|　　.l　　l　',
　　　　　　　　　　　＼}　＼ﾍ＼{ . ヽ::{三ﾍ:ト、＼／＼／￣＼__ |　　.l　　 l　 ',
　　　　　　　　　　 --ﾉ　　ヽ}　＼.;.;ﾘ.;.、.;.;＼.;ヽ__ ｀ .´￣／´:::::::ヽ　 .l 　　l　　',
　　　　ー＿＿／　　　　　　　）ゝ.;.;.;.;）.;',.;.;.;.;.;.;.;.;＼￣￣￣７:::::::::ﾍ　l 　　l　　',
　　　 |　｀７　　　　　　　 ,―イと.;.;.;.;/.;.;.;}.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;|:::::::::::ﾊ　l 　　l　　 ',
　　　　ヘしつ　　　　 _ ﾍ弓、.;.;.;.;/.;.;.;.;|.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;,,.;.;.;|::::::::::/::} ! 　　i!　　 ',
　　　　し-i ''~^~)　　ﾍ ~ く｀´.;.;／.;.;.;.;.;.|;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;>:::::::::::/::::| 　　　|　　　',

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94： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:59:07 ID:gtczLnhA: . 　,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　│　伯爵夫人宅にやって来たプールソーニャックは、女装し　...│
　│　メイド姿のファウブラスを、罠とも知らずにナンパ･･･　　　....│
　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 r―--r-r――‐ｧ､....
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }＞''"::⌒: :.ー-:. ､::.､:｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : :ヽ::ヽ: ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : /: !: : : :! : : : : : : }:::}: : :.
　　　　　　　　　　　　　　 |: : : /ヽｌ: : : :ﾄ､ : ﾄ､: : : :ヽ: : :|
　　　　　　　　　　　　　　 | : :|:!--_＼ : |　ヽ!ﾆ＼!: : :! : !
　　　　　　　　　　　　　　 |/!:.!|,/f心ヽ:!　/ん心 }: : ! : !
　　　　　　　　　　　　　　 | .!:从弋ﾂ　　　弋ツ/: :/: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:_ヽ　　 ,　　　厶イ: :/
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ : ::. 　ｰ一　　,.ｲ : : /
　　　　　　　　　　　　　　＿＿__,/ /--､`　,--＿'"_,ﾉ}: / __
　　　　　　　　　　　　 /r---､.:.:/ /.:.:.:.:.:.:フｲハ　　　／.:.:.:.:.:｀ヽ
　　　　　　　　　　 |::::::::::: -く /.:.:.:.:/イ.:.:./.:.:.|､＿/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:__＞..,_
　　　　　　　　　　 _,. イ_..::/ ＼＼〉__｀ヽ.:.:/.:.:.:.:.!:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:／::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　_,.. -く::::::::ヽ.:.|　>､　_r' _ ィ=r==r==､.:.:.:.:{.:.:.:.:.／:::::::::::::::::::::::::/
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　　　　 {　　　　　　　_　 -―::'::::/　　　 /　　　　　　∨:::::::::/　　　 ---ヽ
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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　　　　　　　　／:::／::::::::_;:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　 /::::;:':::::::,イ-/:::::,ィ:/:::::::::::i:::::::::ハ
.　　　　　　　 /::::/::; イ ,_,≠_/／/:::::::／ﾊ:::::i:::::ﾍ
　　　　　 _,ノ:::/／j:/　乂:::7 ` /:::イ/ｲ`ヽ:::::|､i､:i
　　　　　　 .＞､::::::∧,′　　 `　彳´　7心､ ',:::从|
　　　　　￣ﾑ::;_::::i　　　　　　　冫ヽｿ〃i/:::|
　　　　　　　 ´　',:::〉　ヽ-　＿　　　 /!:::::::j
　　　　　　　　　 .j′､　　`‐-､ソ　　 /:ハ::::7
　　　　　　 _,-､ィ､　ヽ　　　 ...イ::〃 j:::/
　　　　　 ._,.ィ´＼::::＼ `ヽ､ `:y‐　´ j:::::/　　i/
.　　　,ィ´､:::::::::::::::ヽ::::::ヽ　　y<',　　 iイ
　　 .i/::::::::＼::::::::::::::ﾍ::::::ﾍ人:::::iヽ､　　　　　　　　　＿
　　 j::::::::::::::::ﾍ::::::::::::::::::フ:ﾍ j::ﾊ i::::＼　　　　　　　 jﾆ,）
　 ./::::::::::::::::::::::',::i:::::く::::::::::ハ!::::',ﾍ:::<:ヽ　　　　　　　　i　.i,-､_
　/:::::::::::::::::::::::::::ij!::::::::ﾍ:::::::::::',:::::', i::::ﾍ:::ヽ　　　　　　 j＿i_　i ﾍ､
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95： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:59:27 ID:gtczLnhA: .　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　│　逢引きに来たところでファウブラスが雇った　　│
　　　│　事件屋が騒ぎを起こし、結婚はご破算。　　　 │
　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

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　　　　　　　　　　V´　.::l:|:.　　`､ヽﾐﾐヽ､　　ヾ:.／
　　　　　　　 /　.::l::从ﾄ､　　 `ヾ_ミﾐヽ､　　ヽ
　　　　　　　　　　l/l.:l.:ﾘ仁ﾘﾆﾄﾄ､仁≧ﾐヽ:::ﾄ､　.:::|
　　　　　　　　　　　｀Y::{fﾄｯｿ　｀`ﾄ｡ｯｿ` 1:l:|::`､:::::!
　　　　　　　　　　　　|.::l´¨　､　　´￣　 /::ﾘ::::::::V
　　　　　　　　　　　ヽ:ヽ､　ー　　 , ﾀ::l:;:::::::/　　　　　,　-‐─‐‐- ､
　　　　　　　　　　　　, -─-､＿_ , イ/.::j:|:::/l/　　,　ィ"´　　‐f ‐　　　＼
　　　　　　　　　　／.,　　　　`ﾄい､_,/^i.:l:|/　　.／／　　, 　-──‐- ､`ヽ＼
　　　　　　　　／.:::/　 .:i　　 {{i^Y^YYy'l/　　〈　〃 ,ィ´　　.:.:.:.:.::.:::::i::l:.＼j　ト､
　　　　　／.:.::::/　 .:.::|　　 k1 |:l ,ﾑ;､ハ､　　V__/:::l/::::/:/.::::,ｲ.:::ﾊ!:l::::::.:V　/
　　　　　　L.::::厂ヽ .:.:::::|　 / {j! ｰｲ:介;l/ ,ﾊ　/ハ!::/l:::/:/.::;ｨｲ/:::ハ:::|:::i.:.::{/
　　　　　　 {7　／　＼::::! /　 jfl　 |:1j! |:|{ Vi l:1ﾎ{:::l:i;:ィﾆｰ､/／-十1:,'.:.:,ﾘ
　　　　　　　/／　　　,.ｲ:::l/　　jf|　 l;」jl j:」| |::H:|　 {::l:iｲﾋﾘｿヽ　ｲﾋｯｿl/, ｲ/
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　　　 _>ｰー-　 ,.ｲヽ､::l;;;:;:;:;（:::/ﾀ^Tﾆﾑ､_ ,';{:/ |:|:::Y´「￣｀ﾊ､ `´　, .ｲ _j/::|
　　 /｡￣｀¨`ヽ_ソ　　`1＞‐-ヽ{:::::/＞<!::::::7　 |i::ノ　{　　/.::`K T.::::/　/.:::|
　 ,/｡　　　　 /　　　　〉ﾆ三云＼:.ヽ<ﾉ::::::」ヽ. Y　　,レ'´.::::::::::.〉ハｺ｀`Y::.ヽ
―――━━――――￣￣￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿＿―――――＿＿＿＿￣￣￣￣￣＿＿＿＿＿￣￣￣
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96： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 19:59:48 ID:gtczLnhA: .　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　│　皆が集まった中、伯爵夫人が、　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　│　メイドの正体はファウブラスで男、だと明かす ――　　 .│
　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ

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　　　　　　　　　　　　 ,. -ｰ' 二二二ｰ- ､
　　　　　　　　　　／／:￣__::::::::::::::::￣｀:::ヽ
.　　　　　　　　　／〃'::::::/´ﾉ〉):_ノ_ﾉ::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 //´::::::__,ｨ:ゝ-':__,:::-──- ､::::::::::ヽ
　　　　　　　 /ﾞ::::::::::／￣￣＼　ヽ＼　ヽ＼::::::::ﾊ__
　　　　　　　 !:::::::／ヽ　　　　ヽ　',　ヽ　＼ヽ>,仁》
　　　　　　＿ |::::ハ　　', 　　　　ｌ　} 　 !　!　 ',<ノ||＼
　　　　　《ﾆﾊ_ゞ、＼　＼　　　　!　||　 |　|__ ||　l | ＼>
　　　　　　ｿ|| ＼＼　＼　＼　　 | .从,ｨ匕Lィ||　| |　〈´
.　　　　　　　 | ',　＼＼,.＞一ゝ,　|/ /,ｨﾁzノﾉ |　| ｌ　|ヾ
　　　　　　　ハ＼　＼ｨﾁ乏ﾗﾐヾ'　　　｀￣　/ // 　ｌ ',）　　　　,　--─'::´
￣:::｀ヽ、　〈/|:} ヽ,＼　＼￣　　、　　　　　/ // /　ｌ　ヽ　／::::／:::￣
／:::;:ｨ:::::＼　//|　 |＼＼　｀ゝ　　 -= '　／!// / 　　! 　 ∨:::::::::':──-:::､
:::／:::::ハ::::∨ﾑ'〉　｢｀::ゝ,＼_个ｰtヽ_　／─ﾍ,ィ' l　　 |l 　/::::__::::＼:::￣｀ヽ
:::::::／／__;／:::::|　 |::::::::::ﾍ　 !:::::｜ |::::ﾊ;:::::_::_:::ヽｌ　　ｌ| 〈::::::::::＼:::::＼::::ヽ
:／;::/／/::::::::::: !　/ :::::::::::::}　|:::::::l!　!/ 　∨ } /::::/ /　ﾊ｀ゞ､::::＼＼:::::ヾ
　 ∨／!:::::::::::::::| /:::::::::::::::::|　|::::ノ|　ト-ｰく〈_｣:::/ /　/::::ヽ:::ヽ＼:::ヽ＼
　／／|:::::::::::::::ﾚ ::::::::::::::::::|　|::_〉 }　 ─ｰ､ヾ才／}　/:::::::::::＼:＼＼〉＼
／／／ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::! /:::〉ﾍ! 　￣＼ヽ)=::､/ /::::::::::::::::::::::::::＼
／／／人::::::::::::::::::::::::::::::::|/::{ ｀入_　　ゝ}_ソ/｀´}/::::::::::::::::::::::::::::::::::}
／／／　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::（＼__　￣Z_r､_｢|　ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ
／／　 /ヽ;__::::::::::／:::::::::::::::〔　ゝ,＞､　 _,ィ'７´}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ゝ
///　　 /　 |　| ￣｀斗､:::::::::::::::＼r ､　 Y　　厶ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ　）

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97： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:00:09 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

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　　　　　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　 ::::::::::

　　　　　＿_.. -―─ ､__
　　　／｀　　　　　　三ﾐーﾍ､_
　　ゝ'　;; ,, , ,,　　　　ミﾐ　 , il　ﾞＺ,
　 _〉,..　　　 ////, ,彡ffｯｨ彡从j彡
　〉,ｨiiif ,　,, 'ノ川jﾉ川;　:.｀ﾌ公)了
　＼.:.:.:i=珍／二''=く､ !ノ一ヾﾞ;.;.;）
　く:.:.:.:lﾑjｲ　rfﾓﾃ〉ﾞ} ijｨtｹ 1ｲ'´
　　〕:.:.|,Y!:!､　ﾆ '､ ;　|｀ﾆｲj'　　　　　　　　･･････
　　 {:.:.:j {: :}　｀　　､_{__}　　/ﾉ
　　〉ｲ　､ﾞ!　　　,ィ__三ｰ､ j′　　　　　　　　と、いう感じにして･･･
　　,{　＼ﾐ＼　ゝ' ｪｪ' ｀' /
-‐'　＼　＼ヽ＼　　彡　ｲ-､
　　　　＼　＼.ヽゝ‐‐‐升ﾄ､ヽ､__
　　　　　　＼　ヽ- ､./／ j!:.}　　　｀ｰ､
　　　　　　ヽ＼　厶_r__ﾊ/!:.{
　　　　　　　　　 ´　/ ! ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿∩
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　〉〉〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イタリア古典喜劇で、金持ちの中年男が　　　　　{　　⊂〉　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 | 　　／⌒　 ⌒ ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　若い女の子と結婚しようとするけど　　　　　　　 |　　 |　／(●)　 (● )　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　若くてハンサムな男に出し抜かれる、　　　　　　.|　　 |／::: 　 __´___　 :::　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 |　　　 |,┬‐ |　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ってのが、パターンとしてありますけど･･･　　　　　　　＼.＼　　｀ー ´　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　＿＿　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　 (＿＿＿_/

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それを更に手の混んだ形にした　　　　　　　　／（⌒ ）　（⌒ ）　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　感じですね　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　 __´___　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　`ー '　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼
98： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:00:32 ID:gtczLnhA: . 　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　 │　そうだが、この話を十八世紀、　　　　　　　　　　　　　　　..│
　　　　　　　　　　　 │　マリア･テレジア統治下のウィーンに移し変えてみて、　 .│
　　　　　　　　　　　 │　面白い劇ができると思わんかね？　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　─　　　─　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　面白そうですね。　　　　　　　　　　　　|　（●）　（●）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　∩__'__/777　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真剣に検討してみましょうか　　　　　／（丶＿//// 　　＼

　　　　　＿_.. -―─ ､__
　　　／｀　　　　　　三ﾐーﾍ､_
　　ゝ'　;; ,, , ,,　　　　ミﾐ　 , il　ﾞＺ,
　 _〉,..　　　 ////, ,彡ffｯｨ彡从j彡
　〉,ｨiiif ,　,, 'ノ川jﾉ川;　:.｀ﾌ公)了
　＼.:.:.:i=珍／二''=く､ !ノ一ヾﾞ;.;.;）
　く:.:.:.:lﾑjｲ　rfﾓﾃ〉ﾞ} ijｨtｹ 1ｲ'´
　　〕:.:.|,Y!:!､　ﾆ '､ ;　|｀ﾆｲj'　　　　　ジェラルディン･ファラーかメアリー･ガーデン風の
　　 {:.:.:j {: :}　｀　　､_{__}　　/ﾉ　　　　　男装した麗人を、忘れず入れようね ♥
　　〉ｲ　､ﾞ! /// ,ィ__三ｰ､ j′
　　,{　＼ﾐ＼　ゝ' ｪｪ' ｀' /
-‐'　＼　＼ヽ＼　　彡　ｲ-､　　　　　γＹ⌒ヽ
　　　　＼　＼.ヽゝ‐‐‐升ﾄ､ヽ､__　 (　ﾊｧ　　）
　　　　　　＼　ヽ- ､./／ j!:.}　　　｀ゝ、＿ ,ノ
　　　　　　ヽ＼　厶_r__ﾊ/!:.{
　　　　　　　　　 ´　/ ! ヽ　　　γ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 (　ﾊｧ　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿ｲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　ケスラー伯爵が二年前にパリで観たオペレッタの話から、生まれたようである　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────────────────┘

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99： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:00:55 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 _ ノ　　　⌒ 　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それにしても、貴方は　　　　　　　　　 /　　（⌒）　　（⌒）　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　芸術的センス、ありますよね。　　　　 |　　　　　　 __'___　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ￣｀ヽ　 {　　ﾉ　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　爵位で縛られてるのが　　　　　　　　 /　　　 /　　　　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もったいないくらい･･･　　　　　　　　　 l　　　　l　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　l　　　　 l´￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人＿＿ﾉ　　　ヽ＿＿＿＿ﾉ

　　　　　　　､--‐冖'⌒￣￣`ｰ-､
　　　　／⌒`　　　　　　　　　三ミヽｰ-ﾍ,_
　　　__,{　;;,, 　　　　　　　　　ミミ　　　ｉ　´Z,
　　ゝ　　　''〃//,,, 　　　　,,..｀ミﾐ､_ノリ}j;　f彡
　　_)　　　　　〃///,　,;彡'rffｯ､ｨ彡'ﾉ从iﾉ彡
　　>';;,, 　　　　ノ丿川j !川｜;　 :.`7ﾗ公 '>了
　_く彡川fﾞノ'ノﾉノ_ノノﾉイシﾉ｜ }.:　'〈八ﾐ､､;.)
　ヽ.:.:.:.:.:.;=､彡／‐-ニ''_ｰ＜、{_,ﾉ -一ヾ`~;.;.;）
　く .:.:.:.:.:!ﾊ.Yイ　　ぇ'无ﾃ,`ヽ｝｝}ィt于｀|ィ"~
　　 ):.:.:.:.:|.Y }: :!　　｀二´/'　;　|丶ﾆ　ﾉﾉ
　　） :.: ﾄ､リ: :!ヾ:、　　　丶　;　|　ﾞ　　ｲ:}　　　　逆に考えるんだ
　　｛ .:.: ｌ　｛: : }　｀　　　　,.__(__,}　　　/ﾉ
　　　ヽ !　　`'ﾞ! 　　　　 ,.,,.`三'ﾞ､,_ 　/´
　　 ,/´{　　ﾐ　l　　　　/ﾞ,:-…-～､） |　　　　　伯爵が道楽で芸術に手を出してるんじゃない、
　　,r{ 　＼ﾐ　＼　　 `'　'≡≡'　" ﾉ　　　　　芸術家が爵位も持ってただけさ、って考えるんだ
__ノ　ヽ　　＼　ヽ＼　　　　彡　,ｲ_
　　　　＼　　＼ヽ丶. 　　　　ノ!|ヽ｀ヽ、
　　　　　＼　　＼ヽ｀¨¨¨¨´/ |ｌ　ト､　｀'ｰ-､__
　　　　　　＼　　｀'ｰ-､　　/／　/:.:.}　　　　｀'ｰ､_
　　　　　　　　｀､＼　　　／⌒ヽ　 /!:.:.|
　　　　　　　　　　｀､＼ /ヽLｆ___ハ/　　{
　　　　　　　　　　　　　 ′ /　! ヽ

┌────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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│　　ちなみにケスラー伯爵は、ホフマンスタール以外にもムンクやマイヨール、リルケといった　　 │
│　　芸術家たちと親交を持ち、ワイマールでは美術館の館長を勤めるかたわら、　　　　　　　　　 │
│　　アール･ヌーヴォーや後のバウハウスのような新しい美術運動の促進にも努めたように、　　 │
│　　審美眼のみならず既成の美に囚われない柔軟な思考をも併せ持つ芸術愛好家でもあった　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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└────────────────────────────────────────┘

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100： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:01:22 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…

┌───────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　なお本編の筋道とは関係ないが、ジェラルディン･ファラーもメアリー･ガーデンも　 │
│　　当時パリで活躍していた（男装の似合う）女性歌手であり、　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────┘

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　　　　　 /:::::::::::/:::::::::::::!::::::/ /ｲ:::::::::/　　　　 .|:::i::::::::|::::::::.
　　　　 ./:ｨ::::::::/::::::::::::/|::::/_/　|:::::::::′　 _＿　 .|:::|:::::八:::::::|
　　　／　|:::／イ}::::::/.ｨl:/　　　|:::::::′　´　　｀.|:::|::::::::ﾄ＼ﾘ
　　　　　 X::::::::::八/ 　.|＿　　 V::::{　　　　＿　|::八:::::|:::::ヾ
　　　　 ./　Ⅵ:/:::/{　ｨ≦¨`ミ　ヾ::|　　ｨ´￣｀ヽ/　ﾊ:::|:::::{
　　　　　　 }:/:::/八　　　　　　｀　　　　　　　　/:::ヾ!::{ヾ　　　　　『フィガロの結婚』のケルビーノを
　　　　　　　 ./:::ｲ}::ヾ{　　　　　　　　,　　　　　 /:::::::::|八　　　　　　当たり役にしてたんだYO！
　　　　　 .}ﾊ:::::|::::::|＼　　　　　　＿　　　　　 /::::::::::::!ヾ{
　　　　　　　　 }ﾊ|:::::∧　　　　ﾏ　　　　　ｧ　　ｲ}::::::::/::ﾄ､　＼　　　　　　　　　　　　　 .ｨ､
　　　　　　ﾊ{: V:::::込　　　 __＿　　　　　　ﾊ:::/:ﾊ:|: }　　　　　　　　　　　　　 / /　　.ｲ.〉
　　　　　　　　{ : : ハ:::|:::|:＞ ,ｲ三三ハ　　　イ: {:::/{::|:.|l:ﾘ　　　　　　　　 | ヽ　　 / /　.／ /　_
　　　　　　　　.〉 : : : ヾ!｀l:}/:|{三三三=}.＜イ: :. :.ﾚ{: ヾ: : /　　　　　　　　　　 |　 !　 / / ／　ｲ.／.ﾉ
　　　　　　　　{: : : : : : |: : : :＞ '　　∨ﾉ/: : : : : : .ﾚ: : : :Y　　　　　　　　　　　 }　.}_ノ　ヽ　／／／
　　　　　＿.ｨ:≧==ミ､: : : :ﾉ　 --へﾉ-': : : : : : : : : : : : :ゝ、　　　　　　　　　 ,′　　　　Ｙ／
　　　ｲ///∧: : : : : : :＞:}　　---=j_ノ:_:_:_: ィ==---=: : :／≧...､　　　　　　.{ 　　 i　　　　[＿＿__
　　 .ﾊ/////∧: : : : : : :八　ー‐.､ﾉ:Y: : : : : : : : : : : : :.//////.ハ　　　　　ﾊ　　 |　　　ィ----- '
　　　{///////∧ : : : : : : ﾊ　ｒzzｧ }' .|: : : : : : : : : : : : /////////}　　　　　ｲ{　　　　 /
　　　|////////∧:} : : : : : ;V|ﾆﾆ| ハ: : : : : : : : : : : ://///////.ﾘ　　　　./.八　　　 ./

　　　　　　　　　　　【ジェラルディン･ファラー】

　　　　 ┌──────────────────────────────┐
　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　 │　　ケスラー伯爵、ホフマンスタールともに彼女のことをよく知っていた　　│
　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　 └──────────────────────────────┘

　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…
　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

.
101： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:01:45 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ⌒　　⌒　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でも僕、ズボン役は　　　　　　　　　　　　　　　／（ー）　（ー）　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あんまり好きじゃないんですけどね。　　　　　 |　　　 ___｀___　 u　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　 `ー '´ 　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　劇が、軽薄な雰囲気に落ちそうで･･･　　 ⊂⌒ヽ　〉　　　　　　　　く　/⌒つ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヽ　/ 　　　　　＼　ヽ　/

（※ズボン役：女性が男装して、舞台上での “男” を演じる役）

. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .　　　　　　＼､
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .　　　　　　＼
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .　／⌒ヽ　　ヽ
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 、. . . . .　　　 j 　｀'<
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . Y^＾ヽ. . . 、　　、　ヽ
. . .／. .／. . . . . . . . . . ﾉ. . ﾉ. : :　}. . . }　　　 {　　}
／ . ∠ . . . . . . ／. .／. ／ー＝､｛__ノ　　 /　,
、. . . . . .＿＿彡ー一 '. . 二ﾆ=､〈　　ー=彡／
. ＼ . . . . . .／. .∠ｨ≦二≠宀vｼ从　 ,. イ
. . . . . . . /". . . . . . ＾弌´ ﾋｿ、　〈(　 Y´　　　　　　　　それはいかんぞ、できる夫君。
Yヽ. . ー{ . . . u . . . . . ー=ﾌﾉ　　 Vﾊ{　　　　　　　　　男装の麗人を出さないなんて･･･
.|. . } . . 人 . . . . . u . . . . . .ｲ　　　〈
.ゝｲ. . . . . ｝. . . . . . . . ι. . j　, -- ､.〉
. . .} . . . . ﾉ. . . . ,: . . . . . .／　ーx‐'′　　　　　　　　　逆に考えるんだ
三从____.ﾉ . . . /. . . . ., .､:＾Y.ヽ. .） )
三Ξ} . . . . . . ｉ . . . ./ : : )ノｰ'⌒)´　　　　　　　　　　　僕っ娘が登場する劇は軽薄なんじゃない、
Ξ三} . . . . . . | . . . ｛:.／. . __ .ｨ　　　　　　　　　　　　未来に生きてるだけなんだ、って
､Ξ三＼ . . . . :､ . . . . . . . . . .　ヽ
ﾑΞ : : : : : .､_ . ｀ . . . . . . . . .　ﾉ
/ﾑΞ : : : : : Ξ＞ー----┬‐く＼＿＿＿＿＿＿＿＿_
//ﾑΞ : : : : :Ξ三三三三{ヽ　}三＼ニニニニ＼ニニニ｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　　ケスラー伯爵から助言を得ながら、ホフマンスタールは構想を練り･･･　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　 ┌───────────────┐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．

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102： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:02:07 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　．
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾛ

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌──┐
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　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　 └───────────────┘

┌────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　前話の最後でも触れたとおり、１９０９年２月１１日付けで　　　　 │
│　　ワイマールからシュトラウスに宛てて、手紙を送ったのだが･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ"　　　　　　,.．彡"　　　　　　　　　 _,.．-''"´
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/　　　　　 ,.．才　　　　　　　　　 ,.．彡´￣￣￣￣
　･･･ここで三日ほど静かな午後を過ごす間に、　　　 .,:′　　　,.ィ,.イ　　　　　　　　 ,.．''"
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ⌒V　　　,.ィ,.イ　　　 ,ゞ、,.．:'ﾞ'"￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　ある喜劇的オペラの完全な、全く新しい　　　　　.{　,.ィ,.イ　　　　 ,.ｨfチ｀ﾞ"
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ _ミﾞヾ彡ｨ;",.イ　　_ ,.ィ彡ヘ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　シノプシスを作りました。･･･　　　　　　　　　=彡ィ",.イミ≦チ=彡'
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣,.ｲ ,.ィ彡 ".:ﾞミ辷彡￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.ィ".．イ彡ｨ''⌒ﾞミイ　　場所はマリア･テレジア統治下のウィーン。･･･
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣...ｶﾘｶﾘ…　　　　　..／　　　:::::＼　.￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|'__, 　　　 ::::::::|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ .((　　＼.....:::::::::　:::,／..￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　ｶﾘｶﾘ…　　/))　／　　　　ヽ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣./⌒|￣　__,　　　　 i　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣／　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　_／￣￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿|　　|￣|￣|￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（＿＿＿)　|＿|
103： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:02:31 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　早くも翌三月には、第一幕の初めと終わりが仕上がったので、朗読形式で演じるから　 │
│　　シュトラウスに聞いてほしい、との手紙を送っている　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　(ヽ三/)　））
　　　　　　　　 ,＿＿＿ ( i)))
　　　　　　　／　　　　　＼　＼
　　　　　／　　 ⌒　　⌒ ＼　）
　　　　／　　（＞）　（●）ヽ　　　　　真ん中はまだなんですけどね！
　　　　|　　　//　　､__',_,　// |　=3
　　　　＼　　　　　　　　,／　　　　　第一幕の初めと終わりはできました！
　　⊂ヽ γ　　　　　　　　　ヽ
　　i !ｌノ　ﾉ　　　　　　　　 !
　　⊂ｃノ´

　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／ ⌒　　⌒＼
　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　　／　 ///　__´__ /// ＼　　　　　本当に素敵なものですよ！
　　　 |　　　　　 |r┬ |　　　　|
　　　＼　　　ﾞー' 　　　,／　　　　　聴いてもらえませんか！？
　　　　 /⌒ヽ　　　　　　ｨヽ
　　　 / rｰ'ゝ　　　　　　　〆ヽ
　　　　/,ﾉヾ　,>　　　　　　ヾ_ノ,|
　　　　|　ヽ〆　　　　　 |´　|
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _　　　　 .| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　!　　　　|　（__人___）　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜ !　　　　|　｀ ⌒ ´　　 .|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　じゃ、ベルリンに来てくんね？　　　　|　!　　 ,.-,|　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ._,ﾉ ┴、/ ,/ .|　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .r　`二ヽ） i　ヽ　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　ー、〉 /　　〉　　　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　r_,j　j　/￣　　 ''￣　 ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .| 　）　ﾉ／ {　　　　　　　ｨ,　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　　,/　　 |　　　　　　 |{　 |
104： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:02:54 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…

┌───────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　ちなみに繊細で気難しいホフマンスタールは、仕事は本来夏のあるシーズン中に集中して行う分、　 │
│　　他のシーズンにはほとんどペンを執らない　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　ｶﾘｶﾘ…　　　　　..／　　　:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|'__, 　　　 ::::::::|
　　　　　　　　　　　　 ((　　＼.....:::::::::　:::,／
　　　　　　　ｶﾘｶﾘ…　　/))　／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　./⌒|￣　__,　　　　 i
　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |　　　　　　|
　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣／　　　　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　_／￣￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　＿|　　|￣|￣|￣
　　　　　　　　　　　　　　（＿＿＿)　|＿|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　早い話、遅筆なのだ　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　│
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　|'　　　　 ::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　＼.....:::::::::　:::,／
　　　　　　　　　　　ﾋﾟﾀｯ　　/　　／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　./⌒|￣　__,　　　　 i
　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |　　　　　　|
　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　／.:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　, .-─‐　　　　　　　／:::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
.(ﾞ　 ( ,,__　 _ 　　　 / .::::::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　｀ '' ｰ- ニ ~"ﾆ = - ‐
　　　　　　　　 ,'　::::__､　　　　 _,ィェｪｭ、
.　　　　　　　　 i　,イ･ヽ　　　　´＿从爻
　　　　　　　　　　{ ' -≠:'
　　　　　　　　_．＜~）:::〈
　　　　　 /　／￣つ｀_
. 　　　　 / ／　／／＿）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　ちょっと聞き捨てならないこと
　, .-─‐　 { .ﾍ　　Y　〈　　　 _　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　おっしゃいますね
.(ﾞ　 ( ,,__　 _!　ﾍ　｜　ﾍ￣￣　`　　　　　　　　　　　　　　　／
　｀ '' ｰ- ニ ~"ﾆ = - ‐　｀＞､　　　　　　　　　　　　　　　　．´{_
　　　　　　　}　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　_ ．＜　ノ＼
　　　　　 !、　　　　　　　　ﾍ　　　　 __,,..．-＜　　　　／　　｀
　　　　　　＼　　　　　　　ﾞ¨~´￣::::::::::　　　　／
105： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:03:17 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ×
　　　　　　,　- ＼　　　　　　　　　　　　　　　／´ ‘,
　　　　〃　 γ　｀＜　　　　　　　　　　> ´', 　　| i
　　　　 {i 　　{ 　●　} ヽｪｰ ,.}　　　 .}=ッ{● }　　 i |
　　　　ﾍ　　!､.＿.ノ､ﾉ　　　　　　ﾄ !､_ソ__,／ .i　　　　　遅筆って･･･
　　　　　　゛'''──ー '　　　　　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　ハ　　　　まるで僕が怠け者みたいじゃないですかッ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿　　　／
　　　　　　　　　／　　　　　 ∨/////ｲ　.／　　　　　　　　　僕はペンを執るのに慎重なだけなんですッッッ！！
　　　　　　　　　/　　　　　　 }////ッ　 /
　　　　　　　　　{ ヽ　　　　　　 .}///／／
　　　　　　　　　＼ヽ､_＿二ﾆ　ー´_. イ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -――――――-
　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 r‐..､　./　　　　　　'´￣`　　　　 `――-　│
　　　　 r‐...、　 | 　ｉ　 |　　　　　　　　 _　　　　　　　　　　｜
　　　　 } 　 i　　ｉ　 |　 |　Y⌒Y　::;;（　● ）　　　（　● ）　｜
　　　　 /　　i　　/　　| 　l　 i　　|　　´" "　　　　　　　　　　　 |
　　　　　{　　〈　　i　　 .|　 l　 | 　 | 　 /⌒ i　　　　ゝ　　　　　　i
　　　　　|　　 '.　.|　　 .!.　ヽ .| 　 l 　 i　　 {　､__,＿＿_,　　　 /　　　　　　　　僕にとって、物語を書く、というのは
　　　　　i　　　ｉ　|　　 .　｢:::ｿ　　|＿_!　　 !　　　　　　　　／　　　　　　　　　特殊なことなんですよ
　　　　､　　　Ⅵ 　　 ,　∨　　 !:::::/　　i｀ヽー―　　／
　　　　＼　ヽ〉　　 .､_/　　 i:::/　　 ;:::::|｀1　　「￣￣/
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　 i/　　　/::::::|　|　　　|　　 /{＿_
　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 }:::::::|　|　　　l 　 /:::::::/
　　　　　　／:::. 　　　　　　　　　　　　　|:::::::|　　　　/　 {:::::::/---..
　　　　／::::::::::.　　　　　　　　　　　　|:::::::|､　＼_/　／::::/:::::::::::::::..、
　　　　 /::::::::::::::::::,　　　　　　　　　　　　 ;::::::::|　＼〈／{:::::::::一ｧ::::::::::::∧
　　　 {::::::::::::::::::::::.　　　　　　　　　　　,´ヽ:::|　　　}o　|::::::::::::::|::::::::::::/::::i
　　　 |::::::::::::::::::/´}　　　　　　　　 /　 /}:|　　　} 　.|::::::::::::::|:::::::::::::::::::|
106： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:03:37 ID:gtczLnhA: ::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::
::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::

. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　全体がまず、僕の　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　夢の中に溶解していって･･･　......│
　　　　　　　　　　　　　　　 .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:......　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__乂
　　　　　　　　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:..:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.
　　　　　　　　　　　　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.
　　　　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... .. .. . .　.. .. .. ...:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:. //////
　　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... ..　　　　　　 .. ...:.:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:. .////
　　　　　　　　　　　　　.:;:;:;:;:;:.:.:.:.. ..　　　　　　　　　　　 .. ..:.:.:.:;:;:;:;:;..///
　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:.:.:.:... .　　　　　　　　　　　　　　 . ..:.:.:.:;:;:;:;:..//
　　　　　　　　　　 ..:;:;:;:;.:.:.:.. .　　　　　　　　　　　　　 . ..:.:.:;:;:. //
　　　　　　　　　　 ..:;:;:;:;.:.:.:.. .　　　　　　　　　　　　　 . ..:.:.:;:;:.//
　　　　　　　　　 γ´　.:;:;:;:;:.:.:.:... .　　　　　　　　　　　　　　 . ..:.:.:.:;:;:;:;:.//
　　　　　　　　　　ゝ　 ..:;:;:;:;:;:.:.:.:.. ..　　　　　　　　　　　 .. ..:.:.:.:;:;:;:;:;.|//
　　　　　　　　　　　　￣..:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... ..　　　　　　 .. ...:.:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:../|/／
　　　　　　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... .. .. . .　.. .. .. ...:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:..//|´
　　　　　　　　　　　　　ｲ⌒.,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.////ﾉ
　　　　　......__　　..｡イ;､　　　从　.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:..:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:..////／
　　　f´　　　｀ヾ;　　辷彡ｲ　　 ......:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:......!i!i!/＞
　　　ゞﾆﾆﾆ≦辷≦彡 ⌒ヽ　　／　　ヾ≧　　　..:::::　ヽー
　　　　　　　γ´　　　ヾ､　 }彡'　　　／　　　..::::／
　　　　　　　 {　　　 _.. ＞＜　　　イ　｀ヽγ
　　　　　　　ゞｰ匕 f´ 　　刈´　　　＞ ´
　　　　　　　　　　　ゞ＞ ¨´弋彡 ¨´

::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::
:::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::
.
107： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:03:57 ID:gtczLnhA: ::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::
::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::

. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　そして再び、ドラマとして　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　結晶していく･･･　　　　　　....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__乂
　　　　　　　　　　　　　　　 .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.....
　　　　　　　　　　　　　　　　 .:;:;.＊　　／＼　 /＼.;:;:;:;:;:.
　　　　　　　　　　　　 ,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.|:l　| | ,/ /　＼　　　　Ｌ>
　　　　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... . /ﾞ､ | |/ : ｌ.:　:| |　＊.;:;:;:. //////
　　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... .../∧ ',| |/〉ｉl　　| |..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:. .////
　　　　　　　　　　　　　.:;:;:;:;:;:.:.:.:.. ...　　..| l　| | //　l　　| | .. ..:.:.:.:;:;:;:;:;..///
　　　　　　　　　 .:;:;:;:;:.:.:.:...　＜>　.| l　| |;'/|:　l　　| |　　...:.:.:.:;:;:;:;:..//
　　　　　　　　　　 ..:;:;:;:;.:.:.:..　　　../ヽ、,、ｌｉー- 、 : | |　　　 ....:.:.:;:;:. //
　　　　　　　　　　 ..:;:;:;:;.:.:.:..　 .., ﾍﾞ　／/ :l＼ﾞ､ .＼:| |　　　 ...:.:.:;:;:.//
　　　　　　　　　 γ´　.:;:;:;:;:.:.:.:...　/ .:|i／　/＼ｉ :il＼＼＼　 ..:.:.:.:;:;:;:;:.//
　　　　　　　　　　ゝ　 ..:;:;:;:;:;:.:.:.:..:ヾ/'ﾞ　//＼、ヽ, :ｌ＼ﾞ､ﾞ .. ..:.:.:.:;:;:;:;:;.|//
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　　　　　　　　　　　　　ｲ⌒.,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.////ﾉ
　　　　　......__　　..｡イ;､　　　从　.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:..:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:..////／
　　　f´　　　｀ヾ;　　辷彡ｲ　　 ......:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:......!i!i!/＞
　　　ゞﾆﾆﾆ≦辷≦彡 ⌒ヽ　　／　　ヾ≧　　　..:::::　ヽー
　　　　　　　γ´　　　ヾ､　 }彡'　　　／　　　..::::／
　　　　　　　 {　　　 _.. ＞＜　　　イ　｀ヽγ
　　　　　　　ゞｰ匕 f´ 　　刈´　　　＞ ´
　　　　　　　　　　　ゞ＞ ¨´弋彡 ¨´

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108： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:04:16 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -――――――-
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　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 r‐..､　./　　　　　　'´￣`　　　　 `――-　│
　　　　 r‐...、　 | 　ｉ　 |　　　　　　　　 _　　　　　　　　　　｜
　　　　 } 　 i　　ｉ　 |　 |　Y⌒Y　::;;（　● ）　　　（　● ）　｜　　　　　　　　こうやって僕は、僕が見てる世界を
　　　　 /　　i　　/　　| 　l　 i　　|　　´" "　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　僕だけの言葉で紡ぎ出してるんです。
　　　　　{　　〈　　i　　 .|　 l　 | 　 | 　 /⌒ i　　　　ゝ　　　　　　i
　　　　　|　　 '.　.|　　 .!.　ヽ .| 　 l 　 i　　 {　､__,＿＿_,　　　 /
　　　　　i　　　ｉ　|　　 .　｢:::ｿ　　|＿_!　　 !　　　　　　　　／
　　　　､　　　Ⅵ 　　 ,　∨　　 !:::::/　　i｀ヽー―　　／　　　　　　　　　　　いきおい慎重にならざるを得ないんですよ
　　　　＼　ヽ〉　　 .､_/　　 i:::/　　 ;:::::|｀1　　「￣￣/
　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　 i/　　　/::::::|　|　　　|　　 /{＿_
　　　　　　　　 }　　　　　　　　　　　 }:::::::|　|　　　l 　 /:::::::/
　　　　　　／:::. 　　　　　　　　　　　　　|:::::::|　　　　/　 {:::::::/---..
　　　　／::::::::::.　　　　　　　　　　　　|:::::::|､　＼_/　／::::/:::::::::::::::..、
　　　　 /::::::::::::::::::,　　　　　　　　　　　　 ;::::::::|　＼〈／{:::::::::一ｧ::::::::::::∧
　　　 {::::::::::::::::::::::.　　　　　　　　　　　,´ヽ:::|　　　}o　|::::::::::::::|::::::::::::/::::i
　　　 |::::::::::::::::::/´}　　　　　　　　 /　 /}:|　　　} 　.|::::::::::::::|:::::::::::::::::::|
　　　 l:::::::::::::/::{＼＼　　　　　　 _/_,..ｲ:/::!　　 }o　|::::::::::::::{:::::::::::::::::::|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　 ×
　　　　　　　　　　　　　　　　,　- ＼　　　　　　　　　　　　　　　／´ ‘,
　　　　　　　　　　　　　　〃　 γ　｀＜　　　　　　　　　　> ´', 　　| i
　　　　　　　　　　　　　　 {i 　　{ 　●　} ヽｪｰ ,.}　　　 .}=ッ{● }　　 i |
　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　!､.＿.ノ､ﾉ　　　　　　ﾄ !､_ソ__,／ .i　　　　　　それに僕の神経は過敏だから
　　　　　　　　　　　　　　　　゛'''──ー '　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　気圧に左右されるんですよッ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　　　　　　　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿　　　／　　　　　　　　ウィーンの冬なんかときたら
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 ∨/////ｲ　.／　　　　　　　　　　もう、最悪で最悪で･･････
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　 }////ッ　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ヽ　　　　　　 .}///／／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ､_＿二ﾆ　ー´_. イ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　繊細で気難しいよな、うん　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─────────────┘

.
109： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:04:42 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　その彼が、部分的とはいえ短期間で仕上げたのは、ケスラー伯爵の助言が　　│
│　　的確でよかった、というのも大きいだろう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　、ヽ　i ／
　　　　　　　　　 ,' ／ヽ／｢ｔ~~Vヽ　　{
　　　　　　　　,'／　　　＼＿／　ヽi:':'|
　　　　　／　　 ,,--'　　ヽ＼　ヽ:':'}　　　　,,-'~
　　　　　／　　／　 ,＿＿ヽ |ｌ　ト'　　,,--'~~
　　　　.／　　／　／' ￣￣＼i|／ ,／´
~~＼／　　／ﾉ／　　　　ミ　`ヽ~
　　`r{ 　／ﾐ／　　　,､　,≡≡,　,,ヽ
　　 `ヽ､{　　ﾐl　　　　ヽ,,':-…-～' ）.|
　　　ノ i　　,,,,i 　　　　`'``',三,,,'`~ ヽ、
　　｛ ':': ｌ　｛: : }　 ,　　　 `'~~(~~'}　　　ヽヽ
　　） :':ｲ｀iヽ: :iヾ:´　　　丶　;　|　,,　　ﾄ:} 　　　　　逆に考えるんだ
　　 ):':':':':|'人 }: :i　　 ,ニ､ヽ,　;　|丶ﾆ　.ヽ）
　く ':':':':':i.V'人ﾄ　　ぇ,-Fﾃ`,／｝｝}｀f士 ,|´,,_
　／':':':':':';='ミ＼‐-ニ,,￣-＜´{~`ヽ-一ﾐ,_,';';）　　　　真のプロデューサーは私だったんだよって
　~くミ川f,ヾヽヾ~ヾヽトシヽ｜ }':　,〈八彡'';')　　　　　考えるんだ
　　>,;;`` 　　　　ヽ丿川j i川｜;　 :',7ﾗ公 ,>了
　　~)　　　　　〃ヽヽ`　`;ミ,rffｯ'ｨミ,ヽＷiヽミ
　　ゝ　　　,,〃ヽヽ``` 　``'' ,彡'~＼リ}j;　fミ
　　　~~`{　;;`` 　　　　　　　彡彡　　ｉ　、S`
　　　　＼＿,　　　　　　　　　三彡／-ｖ'`~
　　　　　　　'--‐冖,＿＿＿,--'

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そりゃ、まあ･･･　　　　　　　　　　／　 ⌒　u　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　（●）　　　 u 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　伯爵の屋敷に滞在して　　　　　　 | _´__　　　　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　二人で話し合ってたときでも　　　＼ー'´　　　　u　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　貴方は熱心でしたからね　　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼　　　ﾃｶ､ﾅﾝﾃﾞｽｶ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿﾉ格好…
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110： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:05:07 ID:gtczLnhA: 　　 __ ,.　--　､,.　---　、
／´ . . . . . . . . . . . . . .　＼,.　-―-　､
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. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .　／⌒ヽ　　ヽ
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 、. . . . .　　　 j 　｀'<
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . Y^＾ヽ. . . 、　　、　ヽ
. . .／. .／. . . . . . . . . . ﾉ. . ﾉ. : :　}. . . }　　　 {　　}
／ . ∠ . . . . . . ／. .／. ／ー＝､｛__ノ　　 /　,
、. . . . . .＿＿彡ー一 '. . 二ﾆ=､〈　　ー=彡／
. ＼ . . . . . .／. .∠ｨ≦二≠宀vｼ从　 ,. イ
. . . . . . . /". . . . . . ＾弌´ ﾋｿ、　〈(　 Y´
Yヽ. . ー{ . . . u . . . . . ー=ﾌﾉ　　 Vﾊ{
.|. . } . . 人 . . . . . u . . . . . .ｲ　　　〈　　　　　　　　　そりゃあ･･･
.ゝｲ. . . . . ｝. . .///// ι. . j　, -- ､.〉
. . .} . . . . ﾉ. . . . ,: . . . . . .／　ーx‐'′ 　　　　　貴族の地位振りかざしてエラソーにしてる男爵様が
三从____.ﾉ . . . /. . . . ., .､:＾Y.ヽ. .） )　　　　　　　　　僕っ娘に婚約者を取られるっての･･････
三Ξ} . . . . . . ｉ . . . ./ : : )ノｰ'⌒)´
Ξ三} . . . . . . | . . . ｛:.／. . __ .ｨ　　　　　　　　　　　想像しただけで熱が入って
､Ξ三＼ . . . . :､ . . . . . . . . . .　ヽ　　　　　　　　　　居ても立ってもいられなくなるじゃない
ﾑΞ : : : : : .､_ . ｀ . . . . . . . . .　ﾉ　　　 γＹ⌒ヽ
/ﾑΞ : : : : : Ξ＞ー----┬‐く＼＿＿(　ﾊｧ　　）＿＿_
//ﾑΞ : : : : :Ξ三三三三{ヽ　}三＼ニゝ、＿ ,ノニニニ｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　γ⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　(　ﾊｧ　）
　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿ｲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのネタやめなさいって。　　　　　／　::＼::::::／::: u＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　（⌒）:::::::（⌒）　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　読者が本気にしたら　　　　　 | 　　　､__',_,　　　u. 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どうするんです？　　　　　　　　＼　　　　`‐'´　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨヽ

　　　　　　　 ┌──────────────────────────────────┐
　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　 │　　ともあれ、ケスラー伯爵から様々なアイデアと助言を得たホフマンスタールは　 │
　　　　　　　 │　　短期間で劇としての形を整え、シュトラウスの下へ訪れた･･･　　　　　　　　　 │
　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　 └──────────────────────────────────┘

　　　　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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111： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:05:29 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 vぅ　　мくＫｨм　　ｨv
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Чﾐ＿ハ|ｿﾑﾘﾊ＿_κ7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (ミﾐ} {ミ(ミ三)ﾐ}　{彡)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿{{ Π丘ミ三彡丘Π }}＿
　　　　　　ｌニニニニニニニﾆニﾆニニニニニT厂|厂|厂|厂厂|厂|厂|厂lTニニニニニニニニニニニニニニl
　　　　　　＼|釤釤釤釤釤釤釤釤釤三三三 |┏━━━━━━━━┓|三三三釤釤釤釤釤釤釤釤釤|／
　　　　　　 ┌|　　　　三三三三三三三三 |┗━━━━━━━━┛|三三三三三三三三　　　　 |┐
　　　　　＼三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三／
　　　　　　＼￣Τ￣Τ￣T￣￣「￣「￣「￣「￣「￣「￣「￣￣「￣￣「￣「￣「￣「￣「￣「ヽ／
　　　　　　　_| Ｌ ζ _|Ｌη |Ｌκ |Lξ |Lщ |Lψ |ＬΩ |Ｌκ |Ｌζ |Ｌχ |Ｌψ _|Lζ |Lπ |LΣ |Lα |Lε |Ｌ|_
　＿　　　　ｒ|＿＿ｚ――― ｚ――ｚ ――― ｚ――z ――――― z――z――――ｚ―‐z ―――― z―┐　　＿
　 || 　　　 Υ⌒Υト＼＿＿Υ⌒Υ＼＿＿_Υ⌒Υ＿＿＿＿＿ Υ⌒Υ＿＿_ ／Υ⌒Υ＿／彡’Υ⌒Y　　　 ||
　 ||　　　　 |ｌｌｌ ll| l　＼ｒ―‐ |ｌl l l |＼ｒ―――|ｌl l l |〉―――――〈| l l l | ――ｔ |l　 |ｌl l l | ―ｔｲl　　 |l l ｌ |　　　 ||
＿||＿＿＿_,,|ｌｌｌ ll| | ﾊ「　　　|ｌl l l |ﾊ |.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 | ﾊl|ｌl l l |　　 | ﾊ　l |l l ｌ |＿＿＿||__
彡彡彡彡／,|ｌｌｌ ll| |∪ |ｌ　　 |ｌl l l l∪|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |∪l!ll l l |　　 | ∪ l |l l ｌ |＼ミミミミﾐ
鬥鬥鬥鬥l圭|ｌｌｌ ll| | 　 |ｌ　　 |ｌl l l l　 |.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |　 l|ll l l |　　 | 　ｔ l |l l ｌ |圭|鬥鬥鬥
二二二二|圭| ｌｌｌ| |「ｒﾐ|ｌ　　 |ｌl l l ｌ「ﾐ|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |ｒ「ｌjｌl l l |　　 | 彡」 |l l ｌ |圭|二二二
圭圭;Ｔ ;|z|l|「ｌｌｌｔ| |トミ|ｌ　　 |ｌl l l ｌl ﾐ|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |Ｌﾉ|ｌl l l |　　 | 彡」 |l l ｌ |ｌｌ|z|　|圭圭
圭圭;;|　|z|l|l ｌｌｌｔ| | 　 |ｌ　　 |ｌl l l l l「|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 | zｒ|ｌl l l |　　 | 　z　|l l ｌ |ｌｌ|z|　|圭圭
圭圭;;|　|z|ｌl「「「「「| | l「 |ｌ　　 |ｌl l l l ｌ|;|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |ｔ「 |ｌl l l |　　 | 「 l l |l l ｌ |ｌｌ|z|　|圭圭
圭圭;;|　|z|ｌl| l l l ｌ;| | ｌ| l|ｌ　　 |ｌl l l l ｌ|;|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |ｌl　|ｌl l l |　　 | t ｌｌ |l l ｌ |ｌｌ|z|　|圭圭
圭圭;;|　|z|ｌl| l l l ｌ;| | ｌ| l|ｌ　　 |ｌl l l l ｌ|;|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |ｌl　|ｌl l l |　　 | t ｌｌ |l l ｌ |ｌｌ|z|　|圭圭
圭圭;;|　|z|ｌl| l l l ｌ;| | ｌ| l|ｌ　　 |ｌl l l l ｌ|;|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |ｌl　|ｌl l l |　　 | t ｌｌ |l l ｌ |ｌｌ|z|　|圭圭
圭圭;;|　|z|ｌl| l l l ｌ;| | ｌ| l|ｌ　　 |ｌl l l l ｌ|;|.　　　 |ｌl l l ||　　　　　　　　|| l l l |　　　 |ｌl　|ｌl l l |　　 | t ｌｌ |l l ｌ |ｌｌ|z|　|圭圭
圭圭┴┴|ｌl|_l_l_l_ｌ;|t三八＝八三八彡＝＝八三彡＝＝＝＝ ≦ミ三八┐=,┌八ミ三三┐＝{ミミミ三三l ┴┴圭ﾐ
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　　　　　　　　　　　　 ,　--　、
　　　　　　　　　 /　　　ヽ
　　　　　　　　　ゝ　　　ノ　　　　やって来ましたよ、ベルリンへ･･･っと
　　　　　　　　　　（Y　　　 |）
　　　　　　　　　　　　 {ｿ　　　 |〉
　　　　　　　　　　　　　し　　Ｊ
112： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:05:50 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

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　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　　　　　　　 '　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　ー-　, '　　　　　という感じなんですが。
　　　　　　　　　　　　　_,, -‐‐‐‐'/.. lヽ　　　 , ____／
　　　　　　　　　　 ,-‐'、　ヽ　　Ｌ.::丶:::: ヽ--'` 、　　　　　　　　いかがですか？
　　　　　　　　　　/　　ヽ　..::l:::::::<´:::::l:::::ノ‐‐l.l　z 、
　　　　　　　　　/　 ......　l:::::::l::::::::丶　 l‐'`t-l'l´ 　/l丶、
　　　　　　　　ｒ'l...:::::::::::::::l::::::l::::　　`、　l /　.l/　/　l　.l
　　　　　　　　/l,ヾ:::::::::::::::l:::::l　　　　`、 .l　 ./ ./ 　 l /l
　　　　　　／:::::`..:::::::::::::/:::/...　　　　ヽ .l_./／　　 l/ .,t
　　　　　　/　::::::::::::::::::／／:::::::::....　　　`ｙ '　　　 ./..::::.:f
　　　　／ミ　::::::::::::イ;;;T:::::::::::　　　　　l.0　　　　/:::::::　 l
　　　　ト--- 、 wソ .l;;;;;l:::::::::..　　　　　.l　　　 l::::::　　　l

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼　　　　　　　　ﾉノ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r´　　　　　　 j∧∧　/〈'--:´　Λ　　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　ヽ:ヽ__〉ﾊ　　　 / ∨　　　　　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　Y　　　　　　　｀√:V ﾑ___＜　　＼　　　＼ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　＼　i　　　　　　　　〉::::| ∧　　　　　 ∨　　　　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　＼i　　　　　　　　 i::::::|　∧　　　　　　ﾊ　　　　|
113： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:06:09 ID:gtczLnhA: :::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::
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114： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:06:30 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　. : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : .
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　　　　　　　　　　　　　　　. : :　　　　　言葉が･･････　　　　　　　　　　　　　　　　 : : .
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　　　　　　　　　　　　　　　. : :　　　情景が音楽として、目に浮かぶだろッ！　　　 : : .
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i 　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　創作意欲が湧いてくるだろ･･･　　　　　　 l　、__,ィ、　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V　ﾍ _ノ-､　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　是非とも書いてほしいだろ！　　　　　　　　　｀ゝ、___ノ　　　　}　　　＞、＿　　　__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､丿_ ,.　　　 /}　／/ : :/. : 二ﾆ{　｀ﾏ:ヽ　,.- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、　　/;:' ,.ｲ / : : :i : : : :.｛¨V　＼:Y　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__　　　　　　　　　　　　　　　 `-ｭ＜ｨ＜／ ,ｨ'"´ : : : : ∧　＼　 ∧　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(　｀､　　　　　　　　　　　　　　 _／イr;;;;;/У: :｀ヽ､ : : : :i {　' ､　　ヽ　｀ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r-、　　ヽ ∧､　　　　　　　　　　　　　{ : :ﾉ/〉-{／ : :／ : : : : : :i :〉、　ヽ　　　　',ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} r-、　　〉、　ヽ　　　　　　　　　　　　｀､| :i,';;;;/ : : :/ : : : : : : : ｨ:(　＼　_ヽノ　　}:ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} }　 {_／　{　　 {、　　　　　　　　　　　}λ:|;;;;/ : : /. : : : : : : : : : : ﾍ　 . : : : :　　r）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} }　 {r-､　,'⌒　　',　　　　　　　　　　/:'〈:'|;/ :.／ : : : : : : : : : : :V: :.｀ヽ : : : : ._// :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ}､ .i　 { r-､　　人ｭ､　　　　　　　 /:λ',:r :./ : : : : : : : : : : : : : :'､: : : : 〉二ﾆ／ :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒}､└i　'トィ　ﾉﾉ:.｀ヽ､　　　　 /. :} : :i : ,' : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : :{-´ : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒--へ　 // : : : : ＼　　 r'´｀.i : : Y : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : V : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',ヽﾆノ : : : : : : : :ヽ人ミヾ', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :V : } : : : : : :
115： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:06:51 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　 _　　　　　　　　　　　丶
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　ﾉ }　　　　　⌒ 　　　 ⌒　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　/ .ﾊ　::;;（　　⌒）　　（ ⌒） |　　　　お褒めいただけて何よりです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.l　　 // .ﾑ-,..,.　´"''"　　,　"''"´ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ!　'　'　! ヽ　　､__ ,_,　　　／　　　　僕は音楽劇については明るくありませんから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾌ入　　　　 l　　　　　　／　　　　　　オペラから隔たったものになってないか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ヘ　ﾍ　　　ト　､＿､´　　　　　　　気になってたんですよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ ',　　　　jｧ /　/ !　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　/ゝ..＿..ﾉ｀Y Y　/ 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ ,..........　　　', 　　　　ｌ}_|./　　 j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /, '´　　　｀ヽ　ﾊ_　　　ノ　ｌ　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　　　　　 ∨　｀` ￣　　 l 　./〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　j j 　　　　､　　　 l　　　　　　　　l ,._ll′
　　　　　　　　　　　　　　　　　l |　　　　　　｀ヽ　ﾍ　　　　　　　　l! /

　　　　　　　　　　　　　　　　/　 i　　　　　　／￣￣￣￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 ! 　 i!　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ､　_,ﾞ,　　／　　　　　 '´￣`　　　`―- |
　　　　　　　 _　　　　　　　　　ｆ´　 i　 |　　　　　　::;;（●　）　（●　）　　　　　　では！
　　　　　　　i　｀丶､　　　　　　ﾄ-' _〉　|　　　　　　　 ´"''"　　,　"''"ヽ
　　　　　　　 `､_　　｀,ｰ- ､_＿_ﾉ￣:::人ヽ　　　　　　　┬ｧ―- .._ 　　|　　　　　　　台本に仕上げて
　　　　　　　　　｀ｰ' ､_,　ﾉ::::i　｀`´ 　ヽ｀Tｰ-- ､_　　（　　　/　　 /　　　　　　　出来次第お送りしますね！
　　　　　　　　　　　　冫ー'"　　 __／　i､ヽ　　　｀!`!　￣￣　　／
　　　　　　　　　　 _,ｨﾞ´ヽ　　／￣〃／　ヽ､!!　　 /　i　ヽ｀ヽ´ｨ
　　　　　　 _, - '´　｀i_ノ　 !　　i i!/　　　 /´｀=-､i_＿i　　ゝ-〈i ﾄ､
　　　　.　ｬ'´_＿,ノｰ弋〉-､i /　　ｙ´　　　 i::::i´f　　　　）人__ﾂi ヾi＼
　　　　　｀´　　　　冫ヽ/〈_＿, -'ｰｧ-‐‐r'´Ｔ`亠‐ｒ‐‐'ﾞi´ /:::::i`!　i_i　.＼
　　　　　　　　　　.／　,ｲ_ -`ｰ‐‐'´　　／　./　　　 i! 　 i'´::::::::i!'ｰ<´　　冫､
　　　　　　　　 .／　ﾉ´ `ｰ‐‐t‐‐--‐'´　／　　　　ヽ　ﾄ､____冫 /__　　/　 !
　　　　　　　　｀ｰ'´　　　　　｀`ｰ--‐t'´､_　　　　　ヽヽ　 ./　/　｀`/　　i

┌──────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　この時から、オペラ『薔薇の騎士』（当時はまだタイトルが決まってないが）の具体的な話が始まった･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────────────┘

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116： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:07:16 ID:gtczLnhA: ┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　以前『エレクトラ』で共作してるとはいえ、この作品は三年ほど前にホフマンスタールが、俳優が台詞と演技で　　│
│　　表現する〝戯曲〟として書いた作品を、歌手が歌と音楽で表現する〝オペラ〟に改変したものであった　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　ｶﾘｶﾘ…　　　　　..／　　　:::::＼
　　　　　　　　　　　　　　|'__, 　　　 ::::::::|
　　　　　　　　　　　 ((　　＼.....:::::::::　:::,／
　　　　　ｶﾘｶﾘ…　　/))　／　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 ./⌒|￣　__,　　　　 i
　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣ |　　　　　　|
　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣／　　　　ノ
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　　　　　　　　　　　　　　 |　　|￣|￣|￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾛ

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│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　つまりは、ホフマンスタールにとって “歌” と “音楽” でドラマを進行させる〝オペラ〟の台本を、　 │
│　　シュトラウスの協力を得ながら、一から書く、というのは今回が初めてとなるわけだが･･･　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────────┘

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117： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:07:39 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～１９０９年４月～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｎ
　　　　　　　　　　　　　　　 l^l.| | /）
　　　　　　　　　　　　　　　 | U ﾚ'/／)
　　　　　　＿＿＿　　　　　　ﾉ　　　／
　　　　／ ⌒　　⌒＼　　ｒニ　　　　|　　　　　やらない夫さん！
　　／　（⌒）　（⌒）＼　　ヽ　　　/　　　　　　とりあえず最初のシーンだけお送りします。
　／　 /// ___´___　///＼ / ` 　 /
　|　　　　 `Y⌒y'´　　　 | 　　／　　　　　　　第二幕は場面のつながりとか、何やかんや
　＼. 　　　ﾞー ′　　,／　／　　　　　　　　苦労が多そうですからね。
　　/⌒ヽ　　ー‐ 　　ｨ　　／
　 / rｰ'ゝ　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　出来たところから先に、ってわけです
　/,ﾉヾ　,>　　　　　ｲ
　|　ヽ〆　　　　　　 |

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　　　　＼　　　　　　　　以前、僕は
　　　／　　＼ ,　, ／＼
　　／　　　（●）　（●）＼　　　　　「劇の上演は全体で二時間半程度、
　　|　　　　　　､__',_,　　　　|　　　　　『マイスタージンガー』の半分ぐらい」
　　＼　　　　　　　　　,　／
.　　 /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ　　　と予想しましたよね。
　　 |　　,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
　　　| 　　　　　　｀l￣　　　　　　一幕、二幕、三幕とも四十五分程度になると思いますよ
.　　 |　　　　　　　　　 |

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣|　　+　　／￣￣＼　　　　　+
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いやあ～～～･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　::｜　　　／　 ⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　::｜x　（へ）（へ）　　｜　　　　 .人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この台本、メッチャいいだろ！　　　　　　 ,―　　　　＼　.（__人__）　　　 |　　　　 .｀Ｙ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＿＿_）　::｜　. ｌ｀ ⌒´　　　　.｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＿＿_）　::｜＋{　　　　　 .｜　　　　　十
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まるで油か練りバターのように　　　　　 | ＿＿_）　::｜　{　　　　　　＿ |
. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スラスラと作曲が進むだろ！！　　　　　　　ヽ＿＿）＿／　　ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ノ
118： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:08:11 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 ⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（へ）（へ）　　 |
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とにかく、続きが待ちきれないだろ！　　　　（__人__）　　　 .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　 |
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　･･･あんたはダ･ポンテとスクリーブを　　　　　　 {　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一緒にしたような人だな･･･　　　　　　　　　 {　　　　　　＿ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　ノ　　　ヽ　ノ

（※ ロレンツォ･ダ･ポンテ：十八世紀のオペラ台本作者。モーツァルトやサリエリのオペラの台本を書いている）
（※ ウージェーヌ･スクリーブ：十九世紀のオペラ台本作者。マイアベーアの作品等がよく知られている）
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　ありがとうございます。
　　　　　　／　　　　＼　　　　　　　　貴方の褒め言葉、励みになりますよ。
　　　　　／　　⌒ 　　⌒＼
　　　／　　（ ⌒）　（⌒）＼　　　　　ダ･ポンテやスクリーブなら、もっと手馴れた手法で
　　　|　　　　　　___´__　　　|　　　　　仕上げれるんでしょうけどね･･･
　　　　ヽ、　　　　`ー '´　／
　　　　ノ　　　　　　　　　＼　　　　　いいものが仕上がると思いますよ

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　／　　　　＼
　　　　／　　　⌒　　 ⌒　　　　　　　　ところで、最後の幕で
　　　／　　　（⌒）　（⌒）＼
　　　|　　　　　　　 __´__　　 |　　　　　　古風で、甘いところもあって、上っ調子なところもある
　　　＼　　　　　`ー'´　／
　　　　ヽ　　　　　　　　<　∩ノ ⊃　　　ウィーン風のワルツを考えてもらえませんか？
　　　　　|　⌒ヽ　　　 i　|／＿ノ
　　　　　|　ヽ　　＼　　／　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ 　早くも翌四月に、最初のパートが送られた。　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　非常に順調な滑り出しを見せたわけである･･･　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └──────────────────────┘

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119： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:08:37 ID:gtczLnhA: ┌─────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　というのか、二人とも乗りに乗りすぎた、というべきかもしれない　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～１９０９年５月～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　できる夫！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（ ●）　（●）＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜:::::⌒（__人__）⌒::|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　ロイザッハ川の流れのように　　　　　　　　　　　　　　　 | 　｢匸匸匚|　'"|ィ'
.　　　　　　　　　　　　　　　　　仕事は順調に仕上がってんだけどさ･･･　　　　　, ヘｰ‐- ､ l 　｜ /＾''⌒|　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -‐ノ .ヘー‐-ｨヽ　!‐}_＿,..ﾉ　｜|
　　　　　　　　　　　　　　　　オックス男爵のアリアの終わりの所　　　　''"/／ヽｰ､　ﾉヽ∧　`ｰ一'´　／　|
　　　　　　　　　　　　　　　　もうちょっと書き足してくんねーか？　　　　 /／＾＼　ヾ-､ :| ﾊ　￣　／　ﾉ　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ノ　ヽ,_　ヽノヽ_)ﾉ:l　'ｰｰ＜.　　/ 　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　盛り上がりが必要なんだよ･･･　　　　　　/　　 <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ :::ヽ　＼　｀丶､　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼＿＿_,／|　 !　　::::::l、　　＼　　＼|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣|　　+　　／￣￣＼　　　+
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　･･･第一幕のスケッチ、　　　　　　　　｜　::｜　　　／　 ⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほとんど出来上がったぜ！　　　　　　　｜　::｜x　（へ）（へ）　　｜　　　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,―　　　　＼　.（__人__）　　　 |　　　｀Ｙ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第二幕と第三幕が　　　　　　　| ＿＿_）　::｜　. ｌ｀ ⌒´　　　　.｜
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　待ち切れないだろ･･･　　　　　　　| ＿＿_）　::｜＋{　　　　　 .｜　　十
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ＿＿_）　::｜　{　　　　　　＿ |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ただ、オクタヴィアンの台詞　　　　　　ヽ＿＿）＿／　　ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　書き足してほしいんだけどな。　　　　　　　　　　　　　　　｀`ー―‐'|　..ヽ|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３３ページと３５ページ･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　ノ

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　／￣￣￣＼
　　　／　　　　　　　＼
　　 /　　 ⌒　　　⌒　　ヽ
　　 |　　（⌒）　（⌒）　　|　　　･･････
　　＼　　　 __'___　　 _,／
　　／　　　 `ー'´ 　　＼
.. _/((┃))＿＿＿＿＿i　|　ｶｷｶｷ…
. /ヽ,,⌒)￣￣￣￣￣（,,ノ＼
120： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:09:00 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～１９０９年８月～

　　　　　　 ,／￣￣￣＼
　　　 ,,---､　　　ノ　　ヽ､＼　― 、　　　　やらない夫さん！
　　　 l　　　ｌ　（ ○）}liil{（○）＼　 |
　　　 |　　　|　　　＿´＿　　　 |　 |　　　　第一幕終わりのカンカンと元帥夫人の
　　　 |　　　|　ヽ　|!!il|!|!l|　/／　 /　　　　二重唱のシーンですが、洒落になんないくらい
　　　　ゝ　　　　　 |ｪｪｪｪ| 　　／　　　　　長くなってます！
彡　　　　＼　　　　　　　　　／
　　彡　　/　　　　　　　　　 |
　　　　 ./　　　　　　　 |

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　／　　 ∪ 　＼　　　　　　　　　詩的には美しいんですが･･･
　　　　　γ⌒)　ノ三三三ゞ(⌒ヽ　　　　　　無くても済ませられるでしょう。
　　　　　／ _ノ　（＞）三（＜）＼ `､
　　　　（　 <:::∪::::　　__',__::::∪| 　）　　　　　　カットすることを提案します
　　　　＼　ヽ ::∪:: `ー'´∪::／／

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　彡ミ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ::::.ノ　　ヽ._　ヽー-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ::::/:::　　　　丶　丶::｝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　･････････････････････　　　　 / ::::/､::::　　　　 ,ヽ　ヽ!.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ::::/:::丶:::::＿＿_ノ:::::＼　::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣｀ー´￣￣￣￣￣￣￣　｀ｰ´￣

　　 ┌──────────────────────────────────────────┐
　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　 │　　最終的にこのオペラ『薔薇の騎士』は、当初の予想（二時間半）よりもずっと長いものになり、　　 │
　　 │　　二人は「どこをカットするか？」で、さんざん悩むことになった･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　 └──────────────────────────────────────────┘

　　‥　　─　　──　─── ――――――――――――――――――――――― ───　──　　─　　‥

　　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…
　　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣
.
121： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:09:30 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…

　　‥　　─　　──　─── ――――――――――――――――――――――― ───　──　　─　　‥

　　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　│ 　もっとも、二人の仲は常によかった、というわけではない。　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　　しばしば意見の衝突も起きていた　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　└──────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～１９０９年５月～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　六月六日以降にこっち来てくんね？　　　　　　　（__人__）　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀⌒ ´　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第一幕、音楽付けたら一時間ぐらいの　　　　　　　{ 　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長さになったんだけどさ･･･　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ⊂てヽ　　／　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{三＿ｨ　`´ 　／|　　　　　ｨ　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼__／　 |　　　　|　 |

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　　⌒ 　　⌒＼
　　　／　　（ ●）　（●）＼
　　　|　　　　　、___´__　　　 |
　　　　ヽ、　　　　　　　　　／
　　　　／　　　　　　　　　＼
122： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:09:54 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _、　　　　　　　　　　　　 ..-‐'´　　　　ｨ　 ,,';:;:;:广
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..-..,,_　　 _,〃 ,　 ''''-...._,,_　　　　　_／’　　 ,,/　　　　 _i;:;:;:「
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__..r'′　''￣"''";:;:;:;:;:　　　　　｀￣￣''''''ﾞ廴、 ''ゝ丿　　　　 _u;:;:;:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´ _ ,,、　　　　　 ;:;:;:;:;:　　　　　　　　　　t_,];:;:;:;:;:;:;:　　　　.. ｬ;j;:;:;:′　　ゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 _／　　ﾞ〕　　　　　　l;:;:;:;:;:　　　　　　　ﾞ'、　 ;:;:;:;:;:;:~~　　_、　 ,j;:;:;:;:l′
〃　　　　　　　　　　　　　　_／'''''´　 ..;:;:;:;:;:;:　　　　 .._ ;:;:;:;:;:　　　　　　　　丶ﾞ;:;:;:;:’　　　ﾆ､_u;:;:;:;:;:－
　ヽ　　　　　　　　　　　..-''´　　　　　;:;:;:;:;:　　　　　 ;;:;:;:′　　　、　　　'' 　 ;:;:;:;:;:;:　　　 ..ｨ' ﾞ/;:;:;:;:;:;:;:′　　　、
′ r　ﾞ''ｰ.... __　　_ __..r''´　　　　　　,_;:;:;:;:;:　　　　　 ;:;:;:;:　　　　　　丶　　　 ";:;:;:;:;:　　　　　 u;:;:;:;:;:;:;:′
′丶　､　　´ ￣´ 　　　　　 u‐^ ;:;:;:;:;:;:;:;:　､　　　　　　　　　　　　　 '､''、　　　　　 _n-　 ;:;:;:;:厂　′
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　　 `ｰ- 　　　　 ,,　　'''　　　....-';:レ´　　　;:;:;:　　／＼　　　　　ムfｮｮ广　　　　　　　_、ﾆ;:;:;:;:′
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　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿／／::::::::::: | 藝 |::::::::::＼＼＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　　　　［二二二二二二［二二二二二二二二二二］二二二二二二］
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　　　　　　　　　　　［二二二二二二［二二二二二二二二二二］二二二二二二］
　　　　　　　　　　　 |====曰曰====.|====== ＿＿＿_ ===== | ===.＿＿=====|
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　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　［二二二二二二二二二二］二二二二二二］
　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　［二二二二二二二二二二］二二二二二二］
　　　　　　　　　　　　　;" ' ";" ' ";" ';" '" ' ";" ' ";" ;" ';" ' "; ' ";" ' ";" ' ";" ';" ' ";, ,

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　　　　　　＼
　　　　／　　　　　　　　　　＼
　　　 |　　　　　　　　　　　　　|　　　　　やって来ましたよ、ガルミッシュへ･･･
　　　　＼　　　　　　　　　　　／
　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
123： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:10:16 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　＼＼　　＼　　　　　　　　　　　　　 _,.. -‐''';;"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;:: -‐
.　　　　　　　　　＼＼　　＼　　　　 _,.. -‐''';;"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;:: -‐''' "´
　　　　　　　　　　＼＼　　＼-‐'';;"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;:: -‐''' "´
　　　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;_;:: -‐''' "´　　　　　　　　　　　　 _,.. -‐''' "´
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|-‐''' "´　　　　　　　　　　　　 _,.. -‐''' "´ _,.. -‐''' "´
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　| 　　　　　　　 _,.. -‐''' "´ _,.. -‐''' "´ _,.. -‐''' "´
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|　　　　 _,.. -‐''' "´ _,.. -‐''' "´ _,.. -‐''' "´
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|-‐''' "´ _,.. -‐''' "´ _,.. -‐''' "´　　　　　　　 Π 　[[| 　　 ∠￣￣/
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|-‐''' "´ _,.. -‐''' "´　　　　　　　　　　　　　 |￣ : ￣￣|　∠二　二7　　 _
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|-‐''' "´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣| |￣|　|　　　/　/　　 ┌ ┘! ‐┐
.　　　　　　二ニﾆ　ﾆ＝==-　..,, __　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_|　 |_.｣　　　|／　　　　￣|_lフノ
.　　　　　　二ニﾆ　ﾆ＝==-　..,, __｀゛ｰ＝=- _,,_.
　　　　　　　　　　　　　 | |.　￣｀゛ｰ＝=- _,,_..
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|.　　　　｀
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|
.　　　　　　二ニﾆ　ﾆ＝==-　..,, __　|
　　　　　　　　　　　　　 | |.　￣｀゛ｰ＝=- _,,_.
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|.　　　　｀　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|　　　　　　　　　　　　　│　いらっしゃい、　 │
　　　　　　　　　　　　　 | |　　　　|　　　　　　　　　　　　　│　できる夫さん　 . │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿_.乂

.
124： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:10:40 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　シュトラウスの妻パウリーネは、文士のホフマンスタールに対し敬意を抱いていたが･･･　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　こちらへお泊りに　　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　なります？　　　　　　....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿__乂

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／, -'' 　￣　｀ヽL.＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..- ' 'ﾞ　　　　　　　　　＼X':,.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／ /　　　　/　　　i　　　　ヽﾚi　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./　 /　　/ //! l　　　|　l　　　 |Xl　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　!　　.l　!―､!　　 l l　|　　　レ'ヽ .|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r.,　./i､　_　　　　　　　　　　 |　 |　　 | |z=s､ヽ　/￣ヘ!　　|´l |　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l .! .| | |//　　　　　　　　　　　.ヽヽ　　' lﾞ.|ｲ::l　　==z､!ﾞ| i　,!_ | !. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽ' ﾞ　l　　　　　　　　 r― ,　　｀ l.＼i ゝ '-'　　　　｀ﾞ!/／/-l'| .l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 rー'　 ,／｀ー-----,､　　|　　 !＿./　/lヽ!"'　'_　　　''' /l　// .l '　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣｀'-|　ー‐'　　 ./　｀"/　　 l ／　 /― ､ヽ､　￣　 ,.　'! / |　|　l ヽ　　 , -,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　.....＿＿ヽ＿ l　　／　／i:´;;__;i'ヽ.｀ ‐ '',,z=/ '　　!. ﾚ- ､_＼/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　'ﾞ／　／　,!;;;/r-rヽl´｀i";;;／　　／|/　 / _ ｀!　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　'ﾞ／　／＞ ';;;;;ヽヽ! //＝= '　　／ .ノ !　|l　l ｀ ' / ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／／／　 .／´;;;;;;;;;;;;;;;;;;!_ / /-／　 .／r '´　 !_/ !_,!　　|ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　 /　　 /i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;";／　　／;;;;｀"￣;;ヽ　-　- ｲ,..､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　/　 /　　 ./ .!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ｀'----‐ '　ヽ

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　　⌒ 　　⌒＼
　　　／　　（ー）　（ー）ヽ
　　　 |　　u　　　___｀___　　　 |　　　　　　おかまいなく。
　　　　ヽ、　　　 `ー '´　　／
　　　　从ヽ､　___ ,, ___　　 ii＼　　　　　　ホテルの予約を
　　／ ∧＼　､ｼ介ｖ　／/　＼　　　　　取っておりますので
　　|ヽ　　7 .＼ //∧／ i´　　∠|
　　|< i　　＼　＼／／ === i >|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,´￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　{　 !　　i　　／__,／　　 i　 !　}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　あら、残念　　 │
　　ヽ i　　i　　|ﾟ　　　ﾟ　　　!　i ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ゝ＿＿＿＿＿＿_.乂
　　　 !==,.　　:|　　　｡　 . ===!
　　　i,,＿＿＿`､＿＿＿＿,,,,,,i
　　　　 |　|　　　　||　　　 |　|
　　　　 .|　|　　　 | |　　　:|　|
　　　　 |　|　　　 |　|　　　|　|
　　　　〈,ー‐,,...＿| |＿,,,,ｰ‐,, 〉
　　　／＿,,,,, ==!　!== ,,,＿＼
125： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:11:05 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　パウリーネを苦手にしていたホフマンスタールは、シュトラウスの下へ訪れたときでも　　 │
│　　彼の宅に泊まることはなく、町に留まっていたという･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　／　ノ　　　　ヽ＼
　　　／　（●）　（●）　＼　　　　　　だってあの女、来客の前でも
　　　 |　　　　　__´　_　　　　|　　　　　　遠慮なくやらない夫君を怒鳴りつけるんですよ
　　　＼　　　　￣　　　／
　⊂⌒ヽ〉　　　　　　　　く　/⌒つ
　　＼　ヽ　 /　　　　　＼　ヽ　/

:::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::
::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　 ,　-‐'　　　　　　　　　　　　　ヾ＼
　　　　　　　　　　　 /　　　　　　::.　　　　　　　　　　　　＼ヽ
　　　　　　　　　　 /　　　　 :.　　 :::..　　　ヽ　　　　 :..　ヽ .ヾi,
　　　　　　　　　 ./　　　　　:::i　　　::::.　　　 |＼＿　::::　 ::l　　li
　　　　　　　　　/　　.:　　　::::|ヽ. ヽ ::::::.. :_:.,.r '´ヽ｀ヽ:::　:::|　　|i,
　　　　　　　　 ,'　　i::::.　 :: ::_:L..ヽ...ヽ_:::::..::::. |z＝=､　';:::. ::::l:i　 l i
　　　　　　　　 l :: : |:::::..　:::'ヽ l ,z＝､　ヽ:::::::'l. .Liiヽ.ヽlヽ: ::::Li　|. ',
　　　　　　　　 | :::::/';:::::. ::i:: :'/ヽL!!>::::::;;i｀:':.､!:::::::::::::::!:::l:::/　|/ヽ. l
　　　　　　　　　l:::::l/ヽ::::. :|i　!::´:､::::: 　:;;;!::..　　　 / i::::|'　./ヽ |　|　　　　　　　「男を相手にするときは
　　　　　　　　　|';::|/ | |＼ lヽヽ　　　　　　　　　　　/ /!　l　 l　 | l　 l　　　　　　厳しくすることが肝心ですからね！」
　　　　　　　　 / ヾ!!//　ヽ! l　｀　　　　r=- 、　　/ ' /　 .!　ヽ.ﾉﾉ::　 |
　　　　　　　　/　　ヽ'_　 /、　':,　　　　 ´￣　｀　　／/　: ﾞーl ´ :|::　 .l
　　　　　　　 /　 .::::　.l￣＼' --ヽ、　　　　　　／ .|/ .:/　:::::|　 :l::　:　|
　　　　　　 ./　 .:::　 ::::| .l:.　｀'‐--'｀ ‐-　 ....　'　　　! .::/|　:::::l　 ::l::　:.　l
　　　　　　/　　.:::　..:::::l　l::　 l::..＼,.. -'‐ ﾆ!ﾆ　　‐-/／.,l　::::::|　 :l::　 ::　|
　　　　　 /　　.:::　 ::::::::|.　l::.　l:::..<..- '' l　.| l;;;;;;;;￣' '' ‐-! :::::::l::.　::　　::　l
　　　　　/　　　,　-―- l　 l::.. l　/!;;;;;;;;r ﾆヽ;;;;;;;／;;;;;;;;;/ :::::::/:::　　　＿　|

::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::
:::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　もっとも･･･　.....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿_ノ

.
126： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:11:30 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　(ヽ三/)　））
　　　　　　　　 ,＿＿＿ ( i)))
　　　　　　　／　　　　　＼　＼
　　　　　／　　 ⌒　　⌒ ＼　）
　　　　／　　（＞）　（●）ヽ
　　　　|　　　//　　､__',_,　// |　=3　　　　　　あれはあれで “アリ” ですよね！
　　　　＼　　　　　　　　,／
　　⊂ヽ γ　　　　　　　　　ヽ
　　i !ｌノ　ﾉ　　　　　　　　 !
　　⊂ｃノ´

┌───────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　もっともホフマンスタール同様、家族ぐるみで親交があったマーラー家のアルマ（グスタフ･マーラーの妻）が　　 │
│　　パウリーネを全面的に否定してるのに対し、ホフマンスタールは肯定的ととれる評価も残している　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────────┘

　　　　　＿＿＿_
　　　　／　　　　　＼
　　　／　＿,ﾉ　　⌒　＼　　　　　　　　　　　　彼女は一見したところ、尊大に見えますよね。
　／　（●）　（●）　＼
　｜　　　　　､　´　　　　 |　　(( ∩))　　　　実際、尊大で気まぐれで風変わりですけど･･･
　　＼　　　￣￣　　　／　　　（　⌒）
　　／　　　　　　　　　　＼

.
127： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:11:52 ID:gtczLnhA: :::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ::::o:::::::::::::o::::::::::::::::::ﾟ:::::::::::::::o::ﾟ:::::::::::::::::o::::::::::::ﾟ::::::::::｡::::｡:::::::｡::::::::::o:::::::::::::::::::::ﾟ:::::::::o::::::::::::::
::::○ﾟo:::::::｡:::ﾟ::::o○:::゜:::｡:::oﾟ:::::::o:::ﾟ:::::｡::::ﾟ::::｡○｡ o゜::::::o゜::ﾟ:::::o｡::::::::::::::::゜::::o:::::::○:::::ﾟ::::゜ o::｡:::::::o::｡ ::::::::::::::::::::

　　　　l l ﾄﾊ　　 │|l 　 _」、　｀く＼　　 .:.　　　　　　　　　　　　　　　 ´　　　,ｨメ／　｀ヽ
　　　　| l l小､　　ﾊｋｨ_'刋｝l !l　　l爪　　.: :.　　　　　　　　　　　／　　　 /x／　　　　 , ﾍ
.　　　　{ いrf仗ﾐﾉﾉ｀ｰ=彡ﾉハi 　从〕　　i .:.　　　　　　　 .ー--=≦　　　　　,L7　　　, r‐ト　　ハ
　　　　＼_ﾊゝ　}j　　　　|i ｌ　八J　　 l.: .:.　　　　　　　　　　ﾌ　　　ﾑl7　　ﾙ'　j! ルｲ　ト、
.　　　　ﾄハ　ヽ＿,_　　川　/ 小, 　 │ .:..　　　　　　　　 ,.イ　　　　〈|!〈　メ. ヾ=、(_　i!Vﾊ
.　　　　　 !l　＼rf;辷 ’　丿N ´/！} .＿　 -=＝≡ﾆ二三￣　.j!　ｨ孑' 　 Vﾍﾙﾍ　''　　ハ, :i j!
　　　　　」l_rヘ/ ﾉ　 __,ィ彡イl ,　''"　￣　　　　　　　　 ≧-匕　-=-　　八.　ﾊ　fｦｲ　ル'
　　　／ニ、ヽ∨从斤く「　│l／ ′／　 .: .: .:.:.　　　　　´　　　　　　　_斤ﾐぇ＼　',__/ K´≧=ー- 、
　　 . （ｰ┐ l ﾉノ},√{ﾉ_儿ィく/／／￣　ヽ .: .: .:..,　'"´　　,　　　了Y´￣｀ヽﾐミZ＼ゝ、　｀¨´￣｀ )ハ
　　..＿」　└'’　八{に＞ ⌒Y〃／　　　　　 l .: .: .:.:. 　　 .〃　　　　ん'　　　　　Vミ毛)　.ﾊ　ー=≦　ノ
..┌〃７′ .,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　フ　　　　ノ .八　　　、　Vツ　　ﾉ辷ｭ、..心
ノ〃 / 　 .│　でも、根のところは心優しく･･･　　 │　　　　　　　 .ﾊ　　＿jメ　v― 个v‐ぃヾﾐ:、＿
.　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ .ﾆ二三￣　＿,　-=き￣￣!　〉》///f lj' 　ゞ}:切　　￣　 -
　　　　　　 ./ 　 i . |_ﾊ　　　 ',|:,Yﾝi| .! 　 ∧ 　 . ＿　　　-　　　　　　　ﾍ　　 l八/////「二二7.ツ
　　　　　　 {.i　　|!´|＿ｉ　　　ﾚ.ﾍ';ｉ|.ﾘ　　 i 　 .￣..,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽｲ-ー---―一
　　　　　　 |ﾊ | 八７i:ｨ〉　ﾘ　 |'ヽ‐ !'　ｉ:　　|　　　.│　とても感じのいい女性ですよ･･････　│ _}: : : !
　　　　　　　 ! ﾙlﾊ　　`′ ./　　 !`ﾘ:7　　.ﾘ　 } 　 .,': .乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
.　　　　　　　　 ' ﾉ　　　ﾚi　　　ﾙ':/　　 /　　ﾘ　　.l: : :,': : : : : : i! ; : : : : : : : : : 、: : : :,'　',: }ヽ : : |＿__,|: : : i
　　　　　　　　　ヽ　ノ　/　　 /}i/ノ　 /　　 !　　 l: : i!: : : : : : {: :メ : : : : : : : : ト‐‐ﾃー}/- К∧　　∧: :ﾊ
　　　　　　　　　　 ,ヽ　　i　 / ｉ／　　 /ﾉ.　　 { 　 . l :∧: :,: : : : イ＼{ ヽ : : : : : .!: : ./zテ云示ﾃ-: V＾.i ll| : :.i!
　　　　　　　　 / / ｰ={　i: /　　　.ｨ〈::i　　 l､　　l :l　l: i: : : : : ',=弍㍉ゝ、: : : i: :/ィ´fトrじ'７ﾘ.: :.∧_|.ll|: :八
.　　　　　　　　 , .{ .:::/　ｒ´￣￣`ｰ≦=.}:|　　　!:ヽ　.l l　{: i: : : : : ∧《´{うﾊ　ヽ: : !/　　-＝‐'′ﾉ: ,:'}　ﾉ.ll|:/: : ヽ
　　　　　　　　 │ ', i:{　.{　　　　　　　: :`!　 .i　',　＼ l　ヾヽ: : : :{::ﾊ　ゝ- ′　_,)/　...:::::::::::-‐z':.／,r少'.山: /:.i :＼
　　　　　　　　 │　ヽ|／!　　　　　　　 : {　　',:　　　　＼　 .ヾ＼:.ゞ,ﾊ　.::::: 　j　　　　　　ムｲ: : ﾊ.: : : : , ': :.,': : :
　　　　　　　　ゝ...／　 ',　　　　　　i　 :.',　　',:　　　　｀､ :｀ヽ≧ﾆ=‐　　〈、　　　　　＿,ノ: :ノ:.ﾉ: : ／: : : i: : : :
　　　　　　　　　　/　　/∧　　　　　 |. : :ﾊ　　ﾍ:　　　　　　ヽ.: : У: : ﾄ、　　　、.._　　　　 .ｲ￣フ: ／: : : : : i: : : :

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128： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:12:24 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　　／　⌒　　ー　　　＼
.　　　　　　 |　（●）　（●）　　　　.|　　　　　　いつかは、あのキャラを参考にして
　　　　　　　＼　　__'____　　　　　／　　　　　　新ヒロインを作りたいものです･･･
　　　　　 (( ¶／　 `ー'´　　　イ｀ヽ、
　　　　　〈⌒) ))　｀⌒ ´　　　　　＼
　　　彡三三ミY彡三三ミ＼--、　　 |
　　＼　　　＼＼　　　＼Ｅ　|　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｶｷｶｷ…

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│　　これよりずっと後のことであるが、『ナクソス島のアリアドネ』そして『影のない女』の作成の際、　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　シュトラウスに宛てた手紙で、「･･･ここだけの話ですが、貴方の令夫人がモデル･･･」と、　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　パウリーネをモデルにしてヒロインを創作したことを、打ち明けている　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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129： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:12:45 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

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　♪　　 .／￣￣＼　　 |　　　　　　　　　　　/
.　　　／　　 _ノ　　＼　|　　　　　　　　　　ヽ＿＿＿＿＿
.　　　 |　　　（ー）（ー）|　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ、
　　　　 |　　　　（__人__)|＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 .|　　　　　|r┬-|.|　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　♪
.　　　 .|　　　　　`ー'´}.|　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　ヽ　　　　　ヾ　}.|　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 .ヽ　　　　　ノ .|　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　／　　`ー'´＼ |.　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　 ||== /　＼　　　｀　　 | ＼　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　∥　/＼　 |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣!￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ﾉ
　∥　| ＿＼|　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ
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　∥　|＿￣ヽ　 ||　ヽ　ヽ　　　　　　　||　　　　　　　　　　　　 ||
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　∥ 　　（＿）.　||　（_＿）　　　　　　◎　　　　　　　　　　　 .||
.　　　　　　　　◎　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.◎

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _..-''''ﾞﾞﾞ´　　ﾞﾞﾞﾞ'''ｰ,,、
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.′　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　＞一　､:::::::::::::::::::::: !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　／__≦二_ ＼::::::::::::::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　_ 斗≦ ´　--　　_`ｰヽ::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＞ ´　　　　　　　　　　　　｀ミ丶､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　ヽ-―　　 ¨¨¨¨¨¨ 丁　丁¨¨　 ‐-ヽﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　丶　i　　　　　　　 |　　|　　　　　　} i|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

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130： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:13:09 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　　（ ⌒）（⌒）
　　　　　 |　　　　（__人__）　　　　　こんな感じだが･･･
　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　 ,|　　　　　　　 }　　　　　どうだろ？
　　　　　／ヽ　　　　　　 }
　　　　　く　くヽ　　　　ノ
　　　　　＼　`' 　　　く
　　　　　　　ヽ、　　　 |
　　　　　　 | 　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　････････････　　　　　　　　　　　　　　／（ー）　（ー）　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　 __´___　　　u　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　少し考えをまとめる時間を下さい　　　＼　　`ー '　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ●

.
131： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:13:34 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～１９０９年６月～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿＿┘(
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼　／　⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やらない夫さん！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／（○）　（○.）＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　 _´__　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　率直に言いますが、オックス男爵が　　　　　　　　　　|　　　　 |::::::|　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「近くに干し草がなくてはならんのです」　　　　　! |!l＼　　　 l;;;;;;l 　　　,／
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と言う箇所！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i| ／　　　ｰ´　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i／　l!　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「干し草ぁ～！」と喚かせないで下さい！　　　そ|彡∪ 　　　　　 , --、　）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　囁くような感じでお願いします！！　　　　　　　　�� !彡,l　<　　　　　 ( 　＿／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚY^Ｖ^ヽｌ.　　　　　　￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ここのパートの改訂版、　　　　　　　　　　　；／　　ノ（＼；
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　明日そちらへ送りますからね！　　　　　　；／　 _ノ三ヽ､_ ＼；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　；／ノ（（｡）三（ﾟ）∪＼；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これだと朗唱風のニュアンスが　　　　　；.|　⌒ 　　___'___ 　ノ（　 |.；
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　分かるでしょう！　　　　　　　　　　　　　　　　；＼　u. . |++++| 　⌒ ／；

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　／￣￣＼
　　　／　　u　　ノ＼
　　　 |　　　 .u （ ●） |
.　　　 |　　　　　（__人_）　　　････････････
　　　　|　　　　　｀ ⌒ﾉ
　　　　 |　　　　　　　}
　　　　ヽ　u 　　　　 }
　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　ノ　　　　　＼
　　／´　　　　　　　　ヽ
132： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:13:58 ID:gtczLnhA: ┌───────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│ 　ミュンヘン生まれで、精力的だが垢抜けなくてがさつなところがある、現実主義者のシュトラウスと　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────────────┘

　　　　／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　（ ●）（●
　　　|　　　　（__人__）　　　　この作品･･･
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　　　 ∩ ノ ⊃　　　　比類なく魅力的だけど、大衆には
　　／　　 .／　＿ノ　　　　　繊細すぎるかもしれないだろ
　 (.　＼／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　＼／＿＿＿ /

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿＿＿__|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真の、いつまでも続く成功というのは　　　　/　＼　　　／　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　単純素朴な大衆に受けただけで　　　　　　　　|　（＿）　（＿）　　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　成立するものではありません　　　　　　　　＼　　､__',_, 　　　__,／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／）／＼　　／＼
,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真の成功、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .ｲ ' （●）　（●）＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作品の高い声望を保証してくれるのは　　　 /,'才.ﾐ).　　　､_',__,　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　繊細な聴衆です！　　　　　　　　　　　　　 |　≧ｼ'　　　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　ヽ　　　　　　　　　／

┌────────────────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　洗練された都会のウィーンで三代前から貴族となった家に生まれた、理想主義的芸術家肌のホフマンスタール　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────────────────┘

.
133： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:14:24 ID:gtczLnhA: ┌──────────────────────────────────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　二人の個性の違いは、時には互いに無いものを引き出し、高め合う方に向かったが、　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／ ⌒　　⌒ ＼
　　ﾃﾞｰﾃﾞ　　　　　　 |　（ ●）（● ）　|
.　　ﾃﾞｰﾃﾞﾃﾞｯﾃﾞ♪　　 l　　（__人__）　│
　　　　　　　　　　　　　 | 　　｀⌒ ´　　|　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　 | 　　　　　 |／　　　　＼
　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　／　─　　 ─　＼　　））
　　　　　　　　　　（（　　ヽ　　　 .／　（●）　（●）　＼
　　　　　　　　　　／　　　　|　　　　　 __´___　　　　 |　　　ﾃﾞｰﾃﾞ
.　　　　　　　　　　／　　　　＼　　　 `ー'´ 　　,／　　　　ﾃﾞｰﾃﾞﾃﾞｯﾃﾞ♪
.　　　　　　　　　 __／　　／　　　 .／　　　　　　　　（
　　　　　　（（　〈＿＿／ﾉ　　　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　 /　 __／　　／　　　　　＼　＼＿
　　　　　　　　　　（（　〈＿＿／ﾉ　　　　　　　ノ.＼＿＿ノ　））
　　　　　　　　　　＼＿＿_ﾉ /　　　/⌒＼　／
　　　　　　　　　ノ　　ﾉ　）|　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　ﾚ´ ^　　ﾚ.＼＿＿_ﾉ＼　　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　ﾉ　　）ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ´ ^　　　ﾚ´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │ 　時には激しく衝突し、軋みを上げることもあった･･･　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 └───────────────────────┘

　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　ノし. u:_ノ｀ ,,＼.
　　　　　　　/⌒`　（ ◯）（Ｏ):
　　　　　　 .:| 　　j（　　（__人__）
　　　　　　　:|　　＾　　､｀ ⌒´ﾉ:
　　　　　　　 |　　u; 　　　ﾞ⌒}:
　　　　　ヽ　　　ﾟ　　" }:
　　　　　　　　ヽ　:j　　　ノ:　　　　　　　　　　　　＿＿＿__
　　　　　　　/⌒＼　ﾟ　(´ .　　　　　　　　 :/　ﾉし　　　＼
　　　　　　 :|　　ﾟ　＼～､,⌒＼.　　　 _　　　 :/ u ⌒ 　　　ﾟ＼
　　　　　　:|　＼j(,　＼　　r 　＼　:gj }`hi､.　 :|,　　｡　　:j　　　}
　　　　　　|　　　＼　〆ー───〆八　ヽ　（　　　u　　〃ノ
　　　　　 |　:j　　　＼＿＿ﾟ＿__' ,ノﾉー｀Y　＼＼／⌒ヽ～ヽ
　　　　　|　　　　　　　　　|:　　ー──‐‐＼ . ィ ´ ﾟ　／　　＼
　　　　 | 　　ﾟ　　　　 :j　 |:　　　　　　　　　＼､__／l　　ﾟ　:j　＼

　　‥　　─　　──　─── ――――――――――――――――――――――― ───　──　　─　　‥

　　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…
　　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

.
134： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:14:46 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　─　　…

　　　　　　　　　　　ト'┤　　　　　　 :|k||;ﾟ:::: ;:|l|;::.;;..;||ui|　 :　　: . :::: .
　　　　　　　　　　 /l -ﾄ､　　　　　 |lf||;;;;;.:;;;|l|_, : ;;||,l;l}　　　　:. 　 ::
　　　　　　　　|┼┴|　　　　　　 |i!||;;;;;;;;;;|l|;::..'.;;||il,」 .:: .　　　'';;;.;
　　　　　　　　|┴┬|　　　　　ヾ||;;;::..;;;|l|;;;;..;:;||,ﾝ´　: .; ::　　　;;
　　　　　　　　|┬┴ト----､　　 l二二二二二二l
　　　　　　斤江エエ工エエ丸　: .. 　　　　　　　..　 : . 　　:. :;;':: :
　　　　　 ├+ｲ＿,|＿|＿|_,ト-|　　 :: ; ::: ::
　　　　　　 |十|:　..:)ﾉ: )',, :.:|十| :: 　 ...
　　　　　　|┴!:.: :(.'(;):) :';:.:|十| :: 　 ...
　=========」工|':,ﾍ/Yﾍﾞヾ`.|工L_===========================
　　　　　　　　　 :; : 　 :: . 　:::　　　　　　　　　　 :. . ; 　　　　 ...

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／:::::::::　 u＼
　　　　　／ﾉ└ ＼,三_ノ＼　　,∩__
　　　　／:::::⌒（ ●）三（●）＼ fつuu
　　　　|::::::::::::::::　　＿'__　　｜| 　 |　　　　　まったくヒドイもんですよ、
　　　　＼:::::::::　　 ´-―-'　,／_ | 　 |　　　　やらない夫さんのがさつさと来たら！
　　　　　ヽ　　　　　　　 i　　　　丿
　　　　 /(⌒)　　　　　　　/￣￣´
　　　　/　／　　　　　　　/

　　　　　 (⌒ヾ｀
　　　　　　　ゝ´　,）)
　　(（ ⌒ゝ　 lij
　　　ｰ" ミ　＿＿＿
　　　　　　ノ(_　　　　＼
　　　　　／"＼,, ､／"｀` ＼
　　　　／（ ●）´｀（● ）　　＼　　　　　僕らが考えたあの戯曲、
　　　 | 　 '"　　'　 "'　　　　　 |　　　　とにかく、低俗な方へ低俗な方へと
　　　＼　　　⌒ 　　　　　／　　　　　変更したがるんだから･･･
　　　／ゝ　｀`　　　　ィヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__.............＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __､-ｰﾐ三　　　　　｀ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､Z　,　､ミﾐ　　　　　 , , , ,,;; }､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミf从{ミ,ｨｯffrミ, i i i ッ'´　　　〈_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了公f .:　; i 川j川ル　　　, ...く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（:.:.ﾐﾑ-- { } ,＞‐ﾆ=ミ､く=:.:.:.:.フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝｲホtｨ{ {, ｨｪﾃぇ　ｲ:Yﾊ:.:.:.:ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:ﾄ　ﾆ' l ;　'｀ﾆ　　 ,j: |Yj:.:（
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フム･･････　　　　　ﾍ　　 {__}'_, 　Ｕ ´{: }ｲ:.:.:.）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ,. -三‐- ､　　 j´､ |,:く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ゝ' ｪｪ｀ゝﾉ　ノﾐ／　}､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾄ､　ﾐ_　　／,r／　／　ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ イ,ｲ {ゝ‐‐‐‐ｲ／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐ '´　 |:.:l　＼､__､- '　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:!､／ヽ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´〉-i-ｲ ´
135： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:15:05 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__.............＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __､-ｰﾐ三　　　　　｀ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､Z　,　､ミﾐ　　　　　 , , , ,,;; }､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミf从{ミ,ｨｯffrミ, i i i ッ'´　　　〈_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了公f .:　; i 川j川ル　　　, ...く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（:.:.ﾐﾑ-- { } ,＞‐ﾆ=ミ､く=:.:.:.:.フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝｲホtｨ{ {, ｨｪﾃぇ　ｲ:Yﾊ:.:.:.:ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それで、できる夫君は　　　　　　　 {:ﾄ　ﾆ' l ;　'｀ﾆ　　 ,j: |Yj:.:（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これからどうするつもりかな？　　　　　　ﾍ　　 {__}'_,　　　 ´{: }ｲ:.:.:.）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ,. -三‐- ､　　 j´､ |,:く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ゝ' ｪｪ｀ゝﾉ　ノﾐ／　}､
.　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾄ､　ﾐ_　　／,r／　／　ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　│　僕ですか？　 │.　　　　　　　　　　　　　_ イ,ｲ {ゝ‐‐‐‐ｲ／　／
　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿_ノ　　　　　　　　　　　-‐ '´　 |:.:l　＼､__､- '　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:!､／ヽ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´〉-i-ｲ ´

　　　　＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　　／　　 ―　　― ＼　　　　やらない夫君が、
　／　　（●）　（●）＼　　　元帥夫人、オクタヴィアン、オックス男爵の
　|　　　　　　___´__　　　|　　　三重唱を新たに提案してますからね･･･
　＼　　　　`ー'´ 　　／
　/　　　　 ∩ノ ⊃ 　／　　　　そのためのテキストを、これから
　(　＼　／＿ノ　|　 |　　　　　新たに書き下ろすつもりです
.　＼　“　　／＿＿|　 |
　　　＼／＿＿＿／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,´￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　えっ？ ι │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ＿＿＿＿__乂

.
136： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:15:34 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､__.............＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __､-ｰﾐ三　　　　　｀ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､Z　,　､ミﾐ　　　　　 , , , ,,;; }､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミf从{ミ,ｨｯffrミ, i i i ッ'´　　　〈_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了公f .:　; i 川j川ル　　　, ...く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（:.:.ﾐﾑ-- { } ,＞‐ﾆ=ミ､く=:.:.:.:.フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝｲホtｨ{ {, ｨｪﾃぇ　ｲ:Yﾊ:.:.:.:ｿ
　　　　　　　　　　　　　　まだ一緒に仕事を続けるつもりかね？　　　 {:ﾄ　ﾆ' l ;　'｀ﾆ　　 ,j: |Yj:.:（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ　　 {__}'_, 　Ｕ ´{: }ｲ:.:.:.）
.　　　　　　　　　　　　　　　話の流れから、やめる、と　　　　　　　　　　　　 | ,. -三‐- ､　　 j´､ |,:く
　　　　　　　　　　　　　　　言い出すかと思ったんだが･･･　　　　　　　　{ ゝ' ｪｪ｀ゝﾉ　ノﾐ／　}､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾄ､　ﾐ_　　／,r／　／　ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ イ,ｲ {ゝ‐‐‐‐ｲ／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐ '´　 |:.:l　＼､__､- '　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |:.:!､／ヽ　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´〉-i-ｲ ´

　　　　　　　＿＿__
　　　　　　／　　　＼
.　　　　　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　　　／　／）（ー）　（ー）u＼　　　　愚痴は言ってますけど、今さら
　　　　|　／ .ｲ　　　　' 　　　 |　　　　見捨てたりはしませんよ。
.　　　　 /,'才.ﾐ).　　⊂つ　　／
.　　　　 |　≧ｼ'　　　　　　＼
　　　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　　　ノ　　ヽ＼　　　　　　　僕は、音楽によるドラマの組み立て方を
　　　　／　　u　（●）　（●）＼　　　　　　知りませんからね。
　　　　|　　U　　　　 __´__　u　 |
　　　　＼　　　　　`ー'´　／
　　　　　ヽ　　　　　　　　<　∩ノ ⊃　　　彼が言ってること、正しいんでしょう
　　　　　　|　⌒ヽ　　　 i　|／＿ノ
　　　　　　|　ヽ　　＼　　／　／

. 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │　それに･･･　　...│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿_ノ

.
137： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:15:56 ID:gtczLnhA: ﾞ'-,;;. ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　　　　　　　.i-V;;;;;;;;;|,　　　　　　ｌ;;;;;;|　　/ﾞＹ'";;;;;;
　.　│　 “現実” を、その奥で統べている　....│.. ..、　　　　ﾞｌ､;;;;;;;;;;; !　　　　　　ｌ;;;;;.!. ./ ;;;;;;;;;;;;;;;;:
: t　│　内的な連関が･･･　　　　　　　　　　　..│;;;;;;;;｀''-..、　　｀''､;;;;;;ヽ,　　　　　l;;;;;;;.ｌ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　.ヽ.乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ. ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｎ．
　　.ヽ;;ﾞ'' l'､;;;;;;;;.l /;;;.!　　　　　./;;;;;;; ／　,..-‐''│　現代に生きる我々には　　 │ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ｌ,
!、　 .ヽ;;;;;ﾞ!ｺ;;;,iジ;;;;│　　　　 ,!;;;;;;/_,　　.! 　ｰ │　失われてますので･･･　　　..│　ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;"
;;.ｌ.　　.li.ｌ;;;;;;″;;;;;;;;;;;;;l.　　　　 !;;;;;;;;;;/, ┐　　、 .乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_.ノ＼、　ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;;;:
;;;;.ｌ　　 l;;;;;;;;;;;;...-､､;;;; ｌ　　　 .|;;;;;;;;;;'!ﾞ;./ 　. |ﾊ､,_.x、　　 .|;;;;;;;;;;;;;;;;│　 .!;;;;;__;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀'-､,,｀''-_;;;;;;;
;;;;; !　　.ｌ;;;;;;;;;'~ﾞﾞﾞ＞⊥;.!　　　.し;;;;;;;;;./ 　,i";;;;;;;;;;｀ !　　　l;;;;;;;;;;;;;;;;;;｝　　!;;;; ! .!;;;;__,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞゝ､,ﾞ''-．
;;;;;; !　　.!;;;;;,./ '´　｀''i;;;｝　　　 .!;;;;;;;;.!　 /;ヾﾍ;i､;;; l　　./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!　　!;;;; l　!;;;;｀'''√''''ｰ､､;;;;;;;;;;;;;~″
;;;;;;; !　 .,!;/゛　　,、 i､.!;;l. ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ/;;;;;;;;;;;;＼_　　｀''-､;;;;;;;;
;;;;;;;;;!　 .!;;;|、　〃　|｝.!;;;│　言語では世界を、到底、表現し得ない。　│;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;￣ヽ　　ﾞ'､;;;:
;;;;;;;;;!　 .|;;; !　　 ‐ｒ　.!;;;;乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　｀‐
;;;;;;;;|　　l;;;; !　 !'~''"| .!;;;;;;;! .|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.ｌ, ﾘ､'│;;;;;; / 　./丶;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,.........､;;;;;;;;;;;;;;`'､
;;;;;;;lﾞ　 lﾞ;;;;;;.!　|";'　l　!;;;;;;;!､ヽ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;xv､ _;ヽ.ｌ}、ヽ;;./ 　,,/;;;;;;;;;;;;;;,,./ ゛　,／ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
;;;;;/　 .!;;;;;;;;;ヽ,|、;;;;| lﾞ;;;;;;_,,..ゝﾞ''i;;;;;;;;;;;;;;;;;;_;_.;;;;;;;;｀'' |>,ﾞl|/;; ｀゛ ./ﾞ;;;;;;;;;;; ／　　 ┴￢'ｰ-､;;;;;;;;;;o ｨ″
;;;/　 /;;;;;__;;;;;;;ﾞ!ﾐ;;;;,ﾞ,.ｌ;;,ﾞ,,　-'''ﾞﾞﾞ";;;;;;;;;;;ﾞﾞｰ　,_｀ﾞ''ー､.;;ﾞ '.ｌ'''''ﾞ　　./;,､;;;;;;;;'ﾘ′ 　　　　 __,,,,ゝ;;;;;;;.＼.
;/　 / ;;;;;`l.フr;;;;;;;;;;;;;_,,..―'''''''''''''ｰ ..,,;;;;;;;;;;;;;;;｀''-､　ﾞく;;ヽ　　 .!'",/;;;; /　　　 _,, -‐'''ﾞ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
".,./ ;;;;;;;;;;;!ﾞ;;;;;;;;,,./ ´　　　,i'､　　 .,,､　｀'''､.;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ'､ .ｌ;;; l　　　/ ;;;;;;.ｌ　　,／ﾞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ヾ;;;;;;;;. ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ ,ｌ;;;;;;;;;;;.! ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,..-''''ﾞﾞﾞ￣￣ﾞﾞ''-
;;;;;;;;;;;;│　言葉は概念記号に過ぎませんからね･･･　　│l;;;;;;;;ノ / ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／　　　　　iｰ ,,.
;;;;;;;,iﾘ;;乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ　l;;;;;/ ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　., ┐　　　｀'､;;ﾞ'､
'.!;/./;;;;;;;;;";;;;;;;;;;;;l　　　.,i'ﾞ‐';~丶;｀;;;/　 /丶;;;;;;;;;;;lr‐'シﾞ　　　 .ｌ; !　.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ 　./;;;/　　　　　.ヽ;/
. ﾞ",!;;;;;;;;;/'l,;;;;;;;;;;,!　　 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　!;;;;;;;;;;;;;;;;;,／　　　　　 .‘゛　!;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　'､_./ 　　　 .．
　 .!;;;;;;;;;;;! . ｌ;;;;;;;;;l　　 ,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　./ ;;;;;;;;;. ／　　　　　　　 l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!'ﾞ!　　　　　,ﾞ､,, r‐''''～
138： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:16:21 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　. ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　│　 “詩” では、世界の奥深いところに　　　 │
　　　　　　　　│　隠されている本質を解釈できない･･･　　 │
　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

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';:::::::',　　, ;　 ,::::::::;　　　　　;::::::::::::::::::::::;'　 ,..'::::::::::::::::::::::::::::;　'　　　　　 , '　 ,....'::::;　'
　;:::::::,　　' ,　 ,::::::;　　　　　 ,::::::::::::::::::;'　,..':::::::::::::::::::::::::;　'　　　　　　　' ,...'::::;　'
　 ';::::;'　　　,　,::::::;　　　　　 ,':::::::::::::::::::',.'::::::::::::::::::::::::; '　　　　　　　,....':::::;　'
　　',:::',　　　'　,:::::;　　　　 ,':::; ',:::::::::::::. ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　 ',:::,　　　　 ,::::;　　　 ,:'　,':::::;　' ,'│　だが “戯曲” は、　　　　　　　　　　　 │
',　　 ' ;'　　　　 ;:::;　　　　　,..':::::;' 　 ,::│　現実を同質異形で表したもの･･･　　.│
:::'.,　　　　　　 ,:::,　　　 ,.':::::::;'　　,'::::乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ
';::::',　　　　　　 ,:::,　　　 ,:::::; '　　 ,.':::::::::::; '　　　 ,..', '　　　　　,' '　　　　　' '
　';::',　　　　　 ;::,　　　,:::;'　　　,.':::;::::; '　　　 , ' '
　　' ',　　　　　　 ;:;　　 ;::;　　　,' '　　　　　 , '　　　　　　　　　,
;:'..,　　'　　　　　　 ;　　 ,::;　　 , 　　　　　 , '　　　　　　　 ,....;' '
　' '.,　　　　　　　　;　　,:;　　　　　　　 , '　　　　　　　,...'::; '
　　　' ,　　　　　　　, 　 ;　　　　　　 , 　　　　　　 ,..':::::; '　　　　　　, ,......', '
　　　　 ' ,　　　　　＿＿＿_　　　　　　　　　　　,':;::; '　　　　,....::'::::::::::::'::::::'::;:::' , '
　　　　　　　　　／　 :::::::::::::＼　　　　　　　　　　　　　,....':::::::::::::::::;::::;　'　'
　　　　　　.／　　 ::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　,..':::;　'　'　'　'　,':::;':::;':::;'::,_,
　　　　　　／　　::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　| 　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　＼　　 :::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　〝現実〟を収縮化し、表現し得ます･･････
　　　　　　　〉　　 ::::::::::::::::::::⌒ヽ
　　.　　　　　|　　 :::::::::::::::::::::: ､　＼＿
　　　　　　　 !　　 :::::::::::::::::::::::: ヽ　＿⌒)
139： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:16:43 ID:gtczLnhA: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.┼: : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : ┼: : : : : : : : : : : : : :.:.| : : ,,.:.:,,: : : : : : : : : : : : :
: : ＋: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : : : :.,.. :- - :.,:. :.:＿人.＿: . :.｀' ,: : : : : : : : : :
: : : : : : : :.:.,,.:.,,: : : : : : : : : : :　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,:'´: . : . : . :.｀':.: :,｀Y´: . : . : . :.;: : : : : : : : : :
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　 *　　':,　　　 .,.'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ':,　　　　　 ,.:'　　　　　　　　+
　　　　　｀ - - '´　　　　　　　　　　　　,´￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ　　　　　　　　｀' - - 'ﾞ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　そして、音楽･･･　　.│ 　　　　　　　　　　　 +
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　／　::::::::::::::＼　　　　　　　　　　天のひと欠片を自らの中に入れ
　　　　 ∩　　　／　　:::::::::::::::::::::＼　　　　 ∩　　　表現しうる芸術は、
　　　　ｌヽ∩ ／　　　::::::::::::::::::::::::::::＼　∩ノ j　　　音楽おいて他、ありません
　　　　ヽ　ﾉ　|　　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::|　ヽ　ﾉ
　　　　　|　ヽ＼　　　::::::::::::::::::::::::::::／　/　ｊ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.　- -　.,
. 　　　　＼　￣　　　:::::::::::::::::::::::::::::￣　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : .┼.´:　:　:　:　｀':.:　:　:　:　:
. 　　　　　＼　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :　;:　:　:　:　:　:　:.';:　:　:　:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : : : :':,: . : . : 十: . : .:;': : : : : : :
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 : : : : : : :.':.,: . : . : . : .:,.:': : : : : : : :
140： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:17:05 ID:gtczLnhA: .　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　時にはがさつに　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　言葉を音符で覆いつくすとはいえ、　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　彼の音楽は花綵のように美しい･･･　.....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　／　　⌒　　　⌒＼
　　　／　　（● ）　（＜）　＼
　　　 | 　　　　　　__´___　　　　|　　　　　　　彼となら、世界を、永遠なるものを
　　　　＼　　　　`ー'´ 　　／　　　　　　　　表せると思うのですよ
　　　　〉　　　　　　　 ⌒ヽ
.　　　　　|　　　　　　　　､　＼＿
　　　　　 !　　　　　　　　　ヽ　＿⌒)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __､-ｰﾐ三　　　　　｀ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､Z　,　､ミﾐ　　　　　 , , , ,,;; }､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミf从{ミ,ｨｯffrミ, i i i ッ'´　　　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了公f .:　; i 川j川ル　　　, ...く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（:.:.ﾐﾑ-- { } ,＞‐ﾆ=ミ､く=:.:.:.:.フ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝｲホtｨ{ {, ｨｪﾃぇ　ｲ:Yﾊ:.:.:.:ｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {:ﾄ　ﾆ' l ;　'｀ﾆ　　 ,j: |Yj:.:（
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　････････････　　　　　ﾍ　　 {__}'_,　　　 ´{: }ｲ:.:.:.）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | ,. -三‐- ､　　 j´､ |,:く
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ ゝ' ｪｪ｀ゝﾉ　ノﾐ／　}､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾄ､　ﾐ_　　／,r／　／　ヽ_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ イ,ｲ {ゝ‐‐‐‐ｲ／　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-‐ '´　 |:.:l　＼､__､- '　.／

　　　　 ┌───────────────────────────────────────┐
　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　 │　　しかしどれほど衝突しても、１９２９年にホフマンスタールが心臓発作で突然死ぬ日まで、　 │
　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　 │ 　シュトラウスとホフマンスタールはコンビを解消することなく、次々に作品を生み続けた･･･　 │
　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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141： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:17:27 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　　　│　　細かい点では、違い、そして修正を求める声が出ていたとはいえ･･･　　　　　 │
　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　│　　第一幕については、二人が抱いているオペラの姿に大きな食い違いは無く、　 │
　　　　　　　　│　　作成は非常にスムーズに進行していたのだが･･･　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（｀⌒ ´　　　　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　く
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142： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:17:49 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～１９０９年７月～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　できる夫･･･　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（○) (○ ) 　　｜
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　U ｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この第二幕、盛り上がりが欠けてるだろ･･･　　　　　　 .__(,__　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／／___ ＼_　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一度シラけた客は、第三幕まで　　　　　　　　　　　　| 　./____＼-` 　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　待ってくんねーぞ　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 / ,.　〉-`＿.　〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　{(,/ 　　　 ⌒｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　}　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　} 　　ヽ　　　　　　ｨ　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒´　ヽ､_　　＼
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　男爵登場のシーンまではいいんだけどさ、　　　　　　 (●） (● )　　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　男爵とゾフィーの二つの場面は、　　　　　　　　　　　（__人___）　　　|
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　構成から間違ってる、と思うんよ。　　　　　　　　　　　　 (,　　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　･･･（略）･･･とした方がいいと思うだろ。　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ _ __ ／　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺、そっち行って説明しようか？　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　､　　　　人　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／ヽ　　　>　　〉
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.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.ヽ＿＿__／|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＿＿＿＿__|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　／　　　　　＼
　　　　　　／　　u　　 ⌒　＼
　　　　　／　　　　 u （●）　　＼
　　　　　|　　　　　　　　　　__´_ |　　　　･･････
　　　　＼　　　　u　　　.｀`ー／
　　　　　ノ　　　　　　　　　　　＼
143： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:18:12 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　　 ⌒　　⌒ ＼
　　　／　　（ー）　（ー）　ヽ　　　　　　貴方のおっしゃったこと、間違ってないと思いますよ。
　　　 |　　u　　　___｀___　　　 |
　　　　ヽ、　　　 `ー '´　　／　　　　　　貴方の提案どおり、改訂しましょう
　⊂⌒ヽ〉　　　　　　　　く　/⌒つ
　　＼　ヽ　 /　　　　　＼　ヽ　/

　　　　　　＿＿__
　　　　　／　　　＼
.　　　　／　　　ノ ' 　ヽ＼
.　　　／　／）（ー）　（ー）u＼　　　　　ただ、僕のファンタジーの中で
　　　 |　／ .ｲ　　　　' 　　　 |　　　　　人物や動きといったシーンが、生き生きとした統一体となって
.　　　 /,'才.ﾐ).　　⊂つ　　／　　　　　　眼前に浮かぶようになるためには、時間が必要なんです
.　　　 |　≧ｼ'　　　　　　＼
　　／＼　ヽ　　　　　　　　　ヽ
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|.ヽ＿＿__／|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　ヽ､_　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺の意見で気落ちしてなかったみたいで　　　　　　　　（__人__）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安心しただろ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (,｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 { 　　　　　　ｎl^l^ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　俺はあくまで、あんたを刺激して　　　　　　　　　　　　　　 { 　　　　　_l 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　駆り立てようとしてるだけなんだからさ。　　　　　　　　ヽ､　　　　(,　 <
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　ヽ　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　ヽ　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　観客に必要なのは･･･　　　　　　　　　 .､-ー'''''''一- 　　　　　ヽ　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　((⌒(⌒(⌒)＿⌒)　　　　　　　ゝ＿＿丿
144： ◆c4bqdXp7mw：2014/11/06(木) 20:18:39 ID:gtczLnhA: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.. -　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.-'　　　　｀' ､.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r'　　　　　 ,rfn､＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　 ,rffn.　　 '"　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .i　 '"　　　　　,riiﾆヽ. 　 ',.
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　わ・ら・い！！　　　　　　　　　　　　　　　　　 {　　,riiﾆヽ　　　　 _.　　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!　　　,..　 _,,..　-‐'　_,..r'　 i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',　　 '､., __ ,.. -‐''"ﾞ　 }　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　“微笑み” や “ニヤニヤ笑い” じゃなく　　　　　　　　 `､　　ヽ　　　　　　　 ! 　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　声を立てての “笑い” も必要だろ！　　　　　　　　　　 '､　　ヽ　　　　　./　　 ,!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　｀ヽ==＝'ﾞ　　 ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ' ､　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`''‐>　　　 <
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　　　ヽ、　　　　`ー '´　／
　　　ノ　　　　　　　　　＼

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│ 　ホフマンスタールが出してきた第二幕のリブレットに不満を覚えたシュトラウスは駄目出ししたため、一旦中断。　 │
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│　　七月以降、しばらくの間停滞を見せる･･････　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
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