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本投下用スレ

23夕夜の靄:2011/03/04(金) 07:26:06 ID:LJOMlZi60

「なんで、言葉が一緒にいるわけ? いつから外に出て歩いてるの?」
「改心したんだって」
「……グラハム達はどうしたの?」
「ああ、彼ね……
 彼なら私たちが殺した」

キョン子の口が喋り終わる早く、魔導アーマーが動いていた。
放たれたファイアビームが彼女の周囲を焼き尽くす。
言うまでもなく、先手を打ってキョン子の指が操作した結果である。
言葉は僅かに息を飲んだものの、その意図は理解した。

「不意打ち……ですか?」
「……ああ、そうだね。でもまぁ、倒しきれてないみたいだけど」
「え?」

同時に、炎の中から飛び上がる影。
それがチルノだと言葉が確認した時には、既にその影は急降下していた。
魔導アーマーは搭乗者の体を露出させるデザインである以上、
上空から攻撃すれば搭乗者を直接狙うのは極めて用意だ。
飛んだまま突進して、氷の剣をキョン子の左肩へと突き立てる。
突き立てる、はずだった。

「――フン」
「なっ……」

まるで見えない壁にぶつかったかのように、静止させられるチルノ。
更に間髪おかず、今までの勢いが反転したかのように跳ね飛ばされる。
無様に地面を転がって、それでも、左肩の痛みを無視して構え……見た。
キョン子の――否、ユベルの体には、傷ひとつない。

「……なんで、こんなことを」
「こんなことって……何かな?
 私がこんな力を使えること? グラハムとリンを殺した理由?
 ――それとも、自分の現況を、ただ八つ当たりしてるだけかい?」
「ふ――ざけてんじゃっ、ないわよっ!」

叫ぶ。
叫んで、氷弾を放つ。
それでも、結果は変わらない。
氷弾は無残に止まり、チルノは再度跳ね飛ばされる。
地面に顔を叩きつけるチルノに、悠々とユベルは声を投げかけた。

「そうだ……それでいい。
 我慢してないでさらけ出せばいい……苦しみを、悲しみを!
 さぁ、もっと撃ってきなよ!」
「こ、のォ……!」

もはや体を満足に奪い取れるまでに至ったユベルに、直接攻撃は通じない。
例えエクゾディアの力であろうと、ユベルは取り憑いたまま跳ね返すことができる。
……もし持っているデバイスがレイジングハートで、
ここにいるのがチルノではなくパチュリー・ノーレッジなら、
どうにかすることは容易かっただろう。
ダメージを与えない形で、空間ごと固めるような魔法を編み上げたはずだ。
しかし、チルノにそれはできない。
体術をサポートするのが主の、マッハキャリバーではなおさらに。


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