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俺「ストライクウィッチーズなのです」

1名無しの俺:2013/11/30(土) 01:18:16 ID:ZvTJxoyg
前スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14336/1365006625/

753異世界のウィッチ:2016/10/08(土) 23:18:56 ID:.hqPNhbY
俺だって、理由も何もわからないまま連れていかれるつもりはない 首をつかんでいる腕をなんとかしようと
自分の腕を動かそうとしたが

坂本「俺 そのままだ!」

と言われ、動きを止めたら 次の瞬間

ズバッ バキィィィン

下の方から来た光が俺の目の前を通り過ぎ 
ネウロイの両腕の繋がり… 小型ネウロイ2体が断ち切られていた。

坂本「効いたか?」

俺「ばっちり…」

さっき 落ちていった刀をとった坂本がやってくれたのか。

この機を逃すわけにはいかない 紫の魔力が込められたストライカーで

俺「このッ!」ドガ

自分の右腕を蹴り上げて

バッ

ようやく ネウロイが全部離れてくれた。今度こそ 俺はネウロイ群と距離を取り

サーニャ「!」ボシュ ドンドンドン

やっとのことで サーニャのフリーガーハマーが火を吹いた。3発射出。

ボゴォォォン ドガドガァン

群れのうち1体に着弾 そのまま他の2発も爆発が起こり…

バキィイイン

754異世界のウィッチ:2016/10/08(土) 23:22:05 ID:.hqPNhbY
ミーナ「いいわよサーニャさん、今のでネウロイはほとんど撃墜できた 残りは4体よ!」

エイラ「やったゾ サーニャ!」

 …しかし。

サーニャ「…だめ まだ魔力を持ったネウロイは残ってる」

俺「みたいだな」

 …今のネウロイは どこぞの吸血鬼のように頭部のみで浮遊している。

リーネ「ッ!」ズギュゥゥン

ヒュンッ

 …狙撃すら避ける こいつらの反応の早さはなんなんだ?
だがどうやら もうすでに攻撃も 俺を連れていくこともできないようで

キュィイイン

 …巣まで帰るつもりのようだが

シャーリー「逃がすか!」ギュンッ

ルッキーニ「やあぁ!」ガガガガ

もちろんこちらは容赦しない けど、素早さと反応速度は向こうの方が上なようだ… どんどん逃げていく

755異世界のウィッチ:2016/10/08(土) 23:25:46 ID:.hqPNhbY
と そのとき。

 ドグンッ

『!』

 …先ほど ネウロイに映像を見せられたときと同じ感覚がした。…
案の定 再び頭の中に映像が浮かび上がる。…

顔。さっきも同じ表現をしたが 鏡の中でいつも見ている見慣れた顔。 俺自身の顔。

それが映って それからすぐ 映像が終わった。 遠くの方で 紫の魔力が暴発する感覚がした。

 …

シャーリー「逃げられたか… 俺 大丈夫か?」

宮藤「! お怪我はありませんか!?」

俺「それは大丈夫…だな」

サーニャ「! 俺さん…ごめんなさい」

俺「…なんで謝るんだ お前がいなかったらネウロイに連れてかれてたよ」

756異世界のウィッチ:2016/10/08(土) 23:29:22 ID:.hqPNhbY
サーニャ「でも… む、無理に引っ張っちゃって…
それに …俺さんは 元の世界に…」

俺「…」

エーリカ「…さーにゃん」

サーニャ「あの時は とっさに身体が動いてしまったけど…もしかしたら」

 …

俺「言っとくけど 連れてかれてたほうが良かった、なんてことは絶対ないからな」

『!』

俺「…俺だって 過程と方法くらい気にするよ 目先のゴールに釣られてやる気もないし
あいつらが今までやってきたことを 無理矢理忘れてやるつもりもない」

坂本「うむ それでこそだな …しかし」

俺「…うん 避けては通れなさそうだな」

 ・・・

 ・・

 ・

757名無しの俺:2016/10/08(土) 23:40:11 ID:.hqPNhbY
ここまで

ブレイブにサーニャは出るのかな ちらっとでも出たらいいな

758名無しの俺:2016/10/09(日) 05:01:46 ID:Uh0J3XDk
おつおつ

759名無しの俺:2016/11/14(月) 21:23:10 ID:j.3BlcqY
見てる人が全然いないのはわかってても
展開が無理やりすぎやしないか気になって何回も見直してたらこんなに時間が過ぎてた

それはともかく投下 >>756から

760名無しの俺:2016/11/14(月) 21:26:11 ID:j.3BlcqY
ーーーー

さて。
ネウロイに逃げられ 仕方なく基地に戻った俺たちは 早速ブリーフィングルームへ向かった。
何を話し合うのか 言わなくともわかると思うが 先ほどの集合体ネウロイのことだ。

 ・・・

坂本「あのネウロイについてまとめると こうだな」

 ・小型機33体 合体して人型になる

 ・1体のみ紫の魔力を持っている(ただし 自滅するデメリットは解消していない)

 ・映像を見せる能力を持っている(紫の魔力の影響か この能力を行使しても自滅する)

 ・1体が自滅しても ほかの機体が魔力を引き継ぐ

 ・俺が元いた 日本(元の世界)に帰すことができる あるいは方法を知っている

 ・俺のことを 無理やりにでも巣へ連れて行こうとしている

 ・完全に俺をターゲットとして定めている (最後に見せられた映像より)


 …と 黒板に書かれている。

 …

エーリカ「ちょっと待った!」

『?』

エーリカ「いちいち『あのネウロイ』とか『集合体ネウロイ』じゃあ
言うのめんどいしわかりづらいよ 名前つけよ」

 …

761異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:29:13 ID:j.3BlcqY
ミーナ「そうね 便宜上あったほうがいいわ」

坂本「うむ 俺よ お前が名前をつけろ」

俺「…オレェ?なんで!」

シャーリー「実際 適任じゃないか?」

俺「…そうかぁ?」

エーリカ「にゃははは あたしも考えてあげるからさ」

やれやれ…俺が名付け親か…

 …集合体 紫の魔力 持っているのは1体だけ それに多くが集まっている 人型になる …
1体 魔力 多く それに集まる 人型 …
ひとつ それに集まる 多くの 人型 …
多くが集まり 人 で ひとつになる …

俺「…じゃあ 『レギオン』 で」

多くにして一つなるもの …だったかな

ミーナ「レギオン…」

ペリーヌ「あら 『軍団』とは」

俺「?」

ペリーヌ「ラテン語でしてよ 古代の軍団のことですわ」

 …

俺「名前の元はそれだったのか… 悪魔城…俺の好きなゲーム…えーっと作品に
レギオンって名前の 超キモイ悪魔がいてさ 特徴がなんとなく似てるように思えて」

 …今回のは 丸いのが集まって人型 ゲームのは人型が集まって丸だから 逆かもしれないけど…

ペリーヌ「それを思い出した、と」

エーリカ「あたしのアイデア出る前に済んじゃった…」

坂本「オホンッ さて レギオンのことで考えなくてはならないことだが」

762異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:32:31 ID:j.3BlcqY
次は …

エイラ「レギオンを倒す方法ダロ?そんなの 全員でボッコボコに」

 …違う


俺「いや、レギオンの本当の目的を知る方法 だ」


『?』

 …奴らのやったことは あくまで『結果』だ いつも見えているものは物事の結果だけだ。

エイラ「も、目的?そんなの…こっちの戦力を …あ」

坂本「削ぐ だけではない …うむ 当然だな」

ミーナ「そうね それにしては…回りくどすぎる
戦力を削ぎたいなら 今まで通り攻撃してくるだけでいいのだから」

ペリーヌ「確かに 装置まで作り、首を掴んでまで連れて行こうとし…
最優先事項とでも言わんばかりの行動でしたわ」

宮藤「本気って感じでしたよね 俺さんにお怪我がなくて 本当に良かったですけど…」

リーネ「そこまでする、メリットがあるということですよね
 …それを知らないと レギオンの攻撃を止めることもできないですよね」

それもあるけど なによりも

俺「…俺は 知らないまま戦い続けたくないし 知らないまま元の世界に帰ることが
ネウロイ共のメリットになるなら尚更できない」

レギオンの行動に至る過程を 知りたい。

『…』

763異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:35:56 ID:j.3BlcqY
ゲルト「自分の利を得るよりも 敵の利にならないほうを選ぶ…か」

エーリカ「こういうところもいいんだよね♪ ね さーにゃん?」

サーニャ「…///」

  …サーニャ。 サーニャは… 雰囲気はわからなくても紫の魔力を感じ取ることができる
俺が発現させるよりも前から… 俺自身にもわからなかった時期にも 感じ取っていた…

俺「サーニャ お前の意見を聞きたい」

エイラ「エ!?」

サーニャ「…私の ですか?」

エイラ「な、ナンデ」

俺「…サーニャは 独自の考えだったけど 俺の紫の魔力のこと、いろいろ教えてくれた」

『…』

俺「だから 今回も想像でいい お前がレギオンの行動から何か感じ取ったなら 教えてほしい」

サーニャ「…感じ取れるのは 俺さんのほう…じゃ?」

俺「だからだ 感じ取れたことには限界がある…それが全部だから
それ以上わからないんだ やっぱり、」

サーニャ「! …自分のことだから ですね」

俺「…うん」

764異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:39:08 ID:j.3BlcqY
サーニャ「…感じた事…考えたこと やっぱり 私の勝手な想像にしかならないですけれど…」

ミーナ「それでいいわ 思ったことがあるなら 言ってみて」

 …

サーニャ「…俺さんの力は 時間の流れを歪ませるくらいの力で…
それをネウロイが使って攻めてきたら 大変なことになるって、俺さんは心配していました。
でも私は平気だと思ったんです」

『…』

ミーナ「続けて」

サーニャ「…その力は元々は俺さんの力で だからネウロイが無理やり使おうとしても、
何かのエラーみたいなものが起こって ネウロイは消えてしまう…だから平気だって。
でも もし俺さんがこの世界からいなくなって… 『元々持っていたひと』 がいなくなったら」

『?』


サーニャ「『持ち主』は ネウロイしかいなくなって…上手く使えるように なってしまうのかも」


『!』

エイラ「え、えーっと…どういうことだよ?」

エーリカ「『元々の持ち主』っていう権利を持ってないと、紫の魔力は自由に使えないのかもってことだね」

坂本「ふむ。つまり俺という存在自体が、『借りた』紫の魔力の使用にあたっての抑止力になっている、と」

765異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:42:57 ID:j.3BlcqY
ミーナ「俺さんが世界からいなくなれば、紫の魔力はネウロイだけが『持ち主』になる…それが狙いということね」

シャーリー「奴らにとって 紫の魔力に利用価値がある けど俺っていう存在自体は邪魔になってるってことか」

サーニャ「あ、あの…あくまで想像で」

シャーリー「いや、良い線行ってるかもな 辻褄は合う。
時間をどうこうする力なら 奴らも回りくどくてもほしいのかもな あたしだってどんなもんか興味あるし」

サーニャ「…」

ゲルト「帰る方法に 紫の魔力は必ず使う…
世界を超えるほどの影響故に 恐らくは 膨大な量の力が放たれることになる…
サーニャの説が真実に近いのなら

 戦力の排除 魔力の補充 使用制限の解除

の3つの狙いがあるということになるか」

宮藤「な なるほど なんだかそれっぽいですね」

ペリーヌ「確かに 筋は通っていますわね」

エイラ「…さ、さすがはサーニャだな!」

リーネ「だけど 確かめる方法は…」

俺「…」

766異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:46:53 ID:j.3BlcqY
『…』

みんな 口を閉ざした。

 …ひとりを除いて。


ルッキーニ「やっぱり ネウロイに直接きくしか …あっ!」バッ


『!』

シャーリー「おいルッキーニ!」

 …慌てて口を手でふさぐルッキーニ。自分が言ったことの意味
そしてみんなわかってて言わなかったということを理解したらしい。

ルッキーニ「そ その俺 …ご、ごめんあたし」

あの 手足の2、3本くらいもぎってでも連れていきそうな雰囲気を直接見て感じたんだ
こちらから尋ねに行くことがどれだけ危険か わかっているはずだ。

 …もっとも

俺「ルッキーニ 謝る必要ない」

ルッキーニ「ふぇ?」

俺「…お前の言うとおりだ それしか方法はない」

『!』

俺自身 それしかないと思っていた。必要な真実に向かう唯一の方法 …単純で きっととても難しい。

767異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:50:24 ID:j.3BlcqY
ルッキーニ「そ、そんな …ほ、ほかになにかあるよ!」

俺「いいや 方法なんてひとつしかないよ 本当のことはネウロイしかわからないんだからな …やるしかない」

ゲルト「…俺 まだ間に合う 早いうちにその案は撤回しろ」

 …バルクホルンのことは尊敬しているし 全面的に信頼しているけど …だからって 言いなりにはならない。

俺「まさか みんなもわかってたことだろ? わかってたから言わなかったんだろ」

ゲルト「そうだ それがどれだけ危険な賭けなのかわかっていたからだ …
お前のことだ 自分でもわかっていただろう!?」

俺「だから真実に向かうのを諦めろっていうのか?」

『…』

宮藤「…真実」

リーネ「芳佳ちゃん」

俺「言ったろ わからないままじゃ帰れないし 戦いもできないって
 …別に協力してなんて言わない 俺は知りに行くことが正しいと思うから ひとりでもやる」

『…』

ゲルト「…だが」

768異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:53:40 ID:j.3BlcqY
宮藤「…真実を…」

ゲルト「み、宮藤?どうした」


宮藤「バルクホルンさん 私は 私、俺さんにご協力します!」


『!』

ゲルト「何ッ!?」

 …マジか。

宮藤「私は… 俺さんが傷つくのはいやですけれど…
でも わからないまま先に進むのがいやなのは 私も同じです!!」

『…』

リーネ「ふふ 芳佳ちゃんはそういうと思った」

ペリーヌ「ふぅ 真実は大事ですわね。放ったまま先に進んだつもりでいたら
あとから取り返しがつかなくなって追いかけてくるということはありますわ」

 …昔、何かあったのか?

宮藤「リーネちゃん、ペリーヌさん…」

リーネ「芳佳ちゃんが教えてくれたんだよ」

宮藤「?」

 …何があったのかは、あとでサーニャに訊くかな。

769異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 21:57:06 ID:j.3BlcqY
リーネ「俺さん。私もご協力します。真実を知りたいというのを止めるのは よくないと思うから」

ペリーヌ「わたくしもご協力しますわ。…ただし、そうであるからには必ず成功してもらいますわ」

俺「…いいのか?」

リーネ「こんな危険な作戦…協力しないと きっと成功できません」

ペリーヌ「結果がすべてとは言いませんが 失敗してしまったら
せっかく貴方が得た真実を 私たちが知ることができませんわ」

ゲルト「お、お前たち…本気か!?」

俺「…ありがとう。こんな馬鹿げてる作戦だけど」

ペリーヌ「承知の上ですわ」


エーリカ「…ねえ俺 レギオンのやり方は見たでしょ あいつらに聞きに行ったって
知るまでもなく連れてかれるかもしれない 後戻りできないところまで行ってようやく知らされるかもしれない
その気がないのに 過程も方法も無視して無理やり帰らされちゃうかもしれない
そもそも これが罠で 君の身に…もっと悪いことが降りかかるかもしれない あたし そんなのイヤだよ」

俺「…ハルトマン」

エーリカ「宮藤だって同じこと言ったよ トゥルーデは それが心配だから反対してる
 …言ってないみんなだって その気持ちは同じ」

 『…』

770異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:01:08 ID:j.3BlcqY
エーリカ「それをわかったうえで やるって言うなら…」

俺「…」

エーリカ「…」

俺「迷惑かけることになるのはわかってる でも これは俺にとって 絶対必要なことなんだ」

『!』

俺「後戻りできなくなることはありえない 道は自分で切り開いてみせるから
罠だってんなら それだって乗り越えてやる …楽に行かないだろうなんてのは わかってる
でもここでやりに行かないと 俺のこの力がなんなのかさえ 自分でもわからないままになるんだ」

エーリカ「…わかった そこまで言うなら 全力で協力するよ」

ゲルト「ハルトマン お前まで…」

エーリカ「覚悟のほどを知っておきたかったけど 充分すぎたね 
 …トゥルーデ 頭ごなしはこの際やめときなって
自惚れてるわけじゃないけど あたしたちが協力すれば、成功率は上がるんだからさ」

ゲルト「!」

エーリカ「作戦ね…
事が始まったら 協力する人が 君のことを全速力で迎えに行く …って感じになるから
結局は 君の粘り次第になっちゃうけど …君の覚悟に誓って あたしは終わりまで絶対見捨てない
いや 君を終わらせたりしないから」

と言うと、ハルトマンが俺に歩み寄ってくる。

771異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:04:40 ID:j.3BlcqY
俺「…?///」

ギュッ

後ろから抱き着かれて、

俺「…ハルトマン?///」

プニ

肩に顔を乗せられ、頬がくっつけられる。

サーニャ「…!」

エーリカ「今こそ、あの時君に守られた恩を返すときだね」

 …

俺「まだ覚えてたのか?そんな素振り今まで見せなかったくせに」

初めて紫の魔力を発現させたときのことを 今になって持ち出すか。

エーリカ「にゃはは、そういうもんだよ。にしても 超大型を前に震えてた頃の君とは大違いだね〜
今の君は恐怖を乗り越えた勇気を持ってる。あたし 君みたいな人 好きなんだ」

俺「気持ちは嬉しいけど とりあえず離れろ///」

エーリカ「はーいはい」ニコニコ

サーニャ「…」

エーリカ「ほら、さーにゃんも。さーにゃんこそ言うべきことがあるんじゃないの」パチッ ☆彡

星が飛んだ。 …ウインク?マジで星が飛ぶウインクなんて初めて見たぞ?そんなのアリか?

772異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:08:00 ID:j.3BlcqY
サーニャ「えっ わ、私、は…」

エーリカ「うん」コクリ

 …
サーニャ「私は…私も俺さんに聞いておかないといけないことがあります」

俺「…」コクリ

サーニャ「さっきの 私の考えたこと…言わないでいたら この作戦は行わなかったですか?」

 …

俺「なんだ 何か責任でも感じてるのか?」

サーニャ「だ だって …もしそうなら 私が俺さんを ネウロイに向かわせる後押しを してしまったみたいで…」

 …

俺「そうだな お前の意見がなかったら… なくてもこの作戦はあったかもな」

サーニャ「…!」

エイラ「…ふん」

俺「でも その後押しがないままで作戦をやっても 何に向かえばいいのかわからなかったかもしれない」

『!』

773異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:11:05 ID:j.3BlcqY
俺「お前の意見に向かえば 何をされてもレギオンに迷わされずにすむ きっと」

サーニャ「わかりました …後押しは最後までしきらないと 無責任 …ですよね」

『!』

サーニャ「…私も俺さんに協力します」

エイラ「い、いいのか?」

サーニャ「…私にとっても大事なことなの」

エイラ「さ サーニャ…」

俺「…」

サーニャ「それに…約束があるから 俺さんには 絶対に無事に戻ってほしい 
そんな運命になってほしいから、こうしたい… 戻ってもらうために しなくちゃいけないの」

 …約束… それって


俺「約束って…『お前が』俺を元の世界に帰すこと か?」


サーニャ「…俺さんが この基地に戻ってこないようなことがあったら…もう 約束を果たせません」


 …

俺「お前、よく覚えてるよな」

サーニャ「私 ずっと覚えてました …これからもずっと 絶対」

俺「…そっか じゃ お前なりにやれるようにするために レギオンから何か教わってくるか」

サーニャ「…レギオンの力なんて わずかだって借りたくないです
私と俺さんの約束だから」

俺「…お前 けっこう頑固だな」

 …でも その約束は きっと

774異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:14:17 ID:j.3BlcqY
エイラ「わかった ワタシも協力する」

『!』

ゲルト「エイラ…」

エイラ「でも勘違いするナヨ サーニャのためだ」

俺「…はは」

エイラ「けどまあ、結果としてオマエのためになるかもな」

俺「それで充分だ」

エイラ「…フン」


ルッキーニ「俺 …やっぱり さっき あたしが言ったこと… あたし もやもやする」

俺「…」

ルッキーニ「だから あぅ …」

俺「ルッキーニ そんな顔するな」

ルッキーニ「! で でも!こんなに危ないのに」

俺「2回目は言わすなよ? …謝らないといけないのは俺の方なんだから」

ルッキーニ「ふぇ?」

775異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:18:35 ID:j.3BlcqY
俺「これしかないって 自分でも思ってた でもみんな反対するだろうって思ったから …最初に言い出せなかった
俺がやることなんだから 俺が言い出さないといけなかったんだ」

ルッキーニ「…ふぇ 俺 …」

俺「悪かったルッキーニ お前に言わせちまった …でも お前が初めに言ってくれたから
俺は正しいって信じられる道を歩ける ありがとうなんて言えないけど …お前が心配するような結果にはしないよ」

ルッキーニ「…」ウズウズ

俺「だから …? おい ルッキーニ?」

ルッキーニ「俺ーーーーっ!!」ガバッ

俺「うわッ?!///」

サーニャ「…?!」

エーリカ「おお?」

シャーリー「おぉ!」

ルッキーニが抱き着いてきた…

ルッキーニ「あたし!あたしもゼッタイ 俺のこと 助けに行くからっ!!」

 …ありがたいことだ。ありがたいんだけど

俺「それは心強いや… で、でも 放してくれないか?///」

776異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:21:49 ID:j.3BlcqY
ルッキーニ「! にゃははは やーだ もうちょっとこうさせて?」

俺「お前…///」

シャーリー「あはは モテたいと思わない奴ってモテるもんなんだな〜 残念だったな俺?」

俺「…別に///」

シャーリー「お ちょっとは考えが変わったのかな」

俺「…悪い気にはならないし///」

シャーリー「あっはは!健全な発言だな!…ところで俺 ひとつ聞いておきたいことがあったんだ」

俺「?」

シャーリー「お前、前 紫の魔力の訓練のときさ あたしとハルトマンでからかってたとき」

俺「…うん」

シャーリー「『今度 あたしのことも助けてみてくれ』って言ったとき、最後まで答えを言わなかったな」

俺「…そういえば そうだったな」

『それに それって』

シャーリー「あれ、なんて言おうとしてたんだ?」

777異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:25:27 ID:j.3BlcqY
 …

俺「…つまり それってのは シャーリーの身が危ない場面ってことで」

シャーリー「!」


俺「そんな場面なんて来ない方がいいから そんなこと言うな …ってさ」


ルッキーニ「…」

 …さっきまでくっついていたルッキーニが 身体を離して腕だけ俺に絡ませ 俺を見つめている。

シャーリー「俺ーー!!」ガバッ

サーニャ「?、!」

俺「うわ!?///」

ムニュ

ルッキーニ「あー!!」

シャーリーが抱き着いてきた!なんかデジャヴ…
いや、決定的に違うのが、 む、 胸が…

シャーリー「あたし お前のこともっと好きになったよ!」

俺「ちょ、おま…///」

サーニャ「…」

778異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:28:51 ID:j.3BlcqY
スッ

あ…ハグを解いてくれた

シャーリー「よっしゃ 惚れ直したからには お前を絶対生かして基地まで帰す!」

俺「う、うん…///」

 …ありがたい話だけど みんなの前ではハズいって… それに シャーリーは惚れっぽいだけじゃないのか?

エーリカ「なんかさぁ?あたしとルッキーニのときとじゃ 全然反応が違うんだけど」

ルッキーニ「うーん サーニャも やる?」

サーニャ「わ 私は…///」

俺「いいだろそんなこと…///」


ゲルト「…お前たちの考えはわかった そうだな 私から訊いておくことはこれだ」

俺「?」

ゲルト「…あの映像の中に お前の両親が映っていた …必死な顔でお前を探していた」

『…』

ゲルト「あの二人の気持ちを 考えているか?遠く離れてもお前の無事を祈るひとを納得させられるか?」

エーリカ「トゥルーデ…」

 …

俺「俺の父さんと母さんは 真実のためだって言えば きっと納得してくれる」

779異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:32:08 ID:j.3BlcqY
『!』

ゲルト「…なるほど その性格は、血筋というわけか」

俺「?」

ゲルト「ならば無理に引き止めるわけにはいかない 真実を突き止めないまま帰るのを 彼らも望んではいないのだろう」

俺「バルクホルン… ごめん」

ゲルト「謝ることはない これはお前ひとりの問題ではないのだからな」

 …俺だけ じゃない?

ミーナ「そうよ 私たちはあなたを部隊の仲間として以前に 家族として共に歩みたいのだから」

坂本「うむ 私たちは お前ひとりに何かを背負わせることはしない 今回も全員で協力しよう」

 …家族

俺「坂本 それとミーナさん ありがとう …流石に二人は反対するかなって思ってた」

坂本「はっはっはっは!まさか そんなことはできようもない
ネウロイを相手取る以上 危険ではない作戦など存在しない
もし他の皆が反対していたら 私が皆を説得しようと思っていたところだ」

 …それも ちょっと見てみたかったかも。

780異世界のウィッチ:2016/11/14(月) 22:36:11 ID:j.3BlcqY
ミーナ「ここでやっておかないと 次はレギオンがどんな強硬手段に出てくるかわからない
不穏の芽は早めに摘んでおきましょう それがなによりあなたのためでもあるし 今後の戦いのためでもある」

俺「…利害も一致してるわけか」

ミーナ「…俺さん 覚えておいて
私たちは あなたが異世界の人間で 可哀想だからこうしているのではない
まして 単に戦力として見ているわけでもない …わからない中で 訓練も戦闘も
そして資料調べも頑張る姿を見てしまったら 誰だって放っておけないからなのよ そして 
その姿を ネウロイが利用しようとしているかもしれないとしたら こちらも黙ってはいられないわ」

坂本「うむ 我々は 正しいと思う故にお前に協力する
だから必ず『真実は追求する』『生きて帰ってくる』 この両方を成し遂げさせる」

 …


俺「こっちに来れて よかった」ポツリ


『!』

俺「… 作戦会議 やるんじゃないの?」

坂本「…うむ!」

 ・・・

 ・・

 ・

781名無しの俺:2016/11/14(月) 22:41:25 ID:j.3BlcqY
ここまで

ノーブルウィッチーズだとカーラが一番好きです(唐突)

782名無しの俺:2016/11/14(月) 22:47:33 ID:DNyd9pXA


783名無しの俺:2016/11/15(火) 03:04:28 ID:.iX3Aq46
おつおつ

784名無しの俺:2016/12/23(金) 16:51:47 ID:1IbXhJ76
ちょっぴり投下

785異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 16:55:23 ID:1IbXhJ76
失礼 >>780から

ーーーー
さて 数日後の夜
作戦会議は充分にやった。

明日に作戦決行を控えて 早々に身体を休めておき…
と言いたいところだったが。

俺「うーん…」

どうも落ち着かない 眠れない。 …危険な作戦であることは言われなくてもわかってる
やっぱり 分かった上で前日に熟睡できるほど 肝は据わってなかったみたいだ。
仕方ないので まだ済ませていなかった用事を進めてみていたが。

俺「ハイデマリーさん か…」

机の上の書きかけの便箋を放って
バルクホルンから貰った写真の中のナイトウィッチを眺めながら呟く。

眠くなるまで ハイデマリーさんからの手紙への返事を書いてみているが うまくいかない。

俺「スマホとかに慣れたからかな…」

聞いた話だと どうやらハイデマリーさんは世界最高のナイトウィッチなのだそうだ
しかし だからどうと思うわけではなく。

俺「問題なのは…」

貰った手紙の内容自体は 別に大したことは書かれていない
この間の会話が楽しかった、また話したいとか いつか直接会ってみたいとか
そんな感じだ。

786異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 16:59:45 ID:1IbXhJ76
俺「うーん…」

それだけだけど やっぱり返事を書くのが上手くいかない。むしろ余計に目が冴えてきている
このままじゃ睡眠不足で明日に臨むことになりそうで…

その時 部屋の前に人の気配。

「……」

 …声?

勘に従い ドアへ向かってみる。

ガチャ

俺「…」

サーニャ「…」ペコリ

やっぱり。

俺「お前 俺が寝れてないの なんでわかったんだ?」

サーニャ「…なんででしょう そんな気がしたから …じゃあ 答えにならないでしょうか」

 …

俺「いいや、なってるよ そういうもんなのかもな
それで 用事は何だ お前も早く寝ないと」

サーニャ「私も なんだか眠れなくって だから …」

 …

俺「そうだな …じゃあ外にでも行こうか」

サーニャ「! はい」

787異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:03:12 ID:1IbXhJ76
ーーーー
サラサラ

草木がそよ風になびく音がする。

 …なんとなく二人で外に出てみたはいいが。

俺「…どっか座るか」

サーニャ「…じゃあ」スッ


サーニャが指さした方向を見ると 大きな木がたっていた。…以前 紫の魔力の訓練をしたとき
サーニャと喋った場所。

サーニャ「あそこで」

俺「…ん」

断るわけもなく 二人でそこに向かい 俺は両足を伸ばして座り サーニャは体育座りになった。

俺「…3回目だな」

こうやって 二人で木の下に座るのは。

サーニャ「…ふふ そうですね なんだか落ち着きますし それに俺さんも 自然が好きみたいだから」

俺「お前もか …もしかしたら 嫌いだなんて言う奴はいないのかもしれないけど」

サーニャ「くすくす きっとそうです」

 …

788異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:06:47 ID:1IbXhJ76
俺「…」

サーニャ「…」

サラサラ

俺は そんなにおしゃべりな奴じゃないのは自分でわかってるし たぶんサーニャもそうだと思うけど
このまま黙ってるのもなんだ 何か話そう。…何を話そう?

俺「しまったなぁ…」

サーニャ「?」

俺「何話せばいいのかわかんねえ…」

サーニャ「…くすくす 私は…どういうふうでも構いませんよ このまま静かに ここでこうしていても」

 …それもいいけど…それじゃ きっと寝られないままだ
 …いっそのこと あれを言ってしまおうか…

俺「…なあ サーニャ もし俺がさ」

サーニャ「はい?」


俺「このまま この世界で生きていく って言ったら」



サーニャ「!」

 …俺の言葉に サーニャの顔から微笑みが消えて 驚いたような表情に変わる。

俺「… … … どう思う?」

サーニャ「…」

俺「…」

789異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:10:08 ID:1IbXhJ76
サーニャ「私は」

俺「!」

サーニャ「…思い描いていたことがありました」

俺「?」

サーニャは 顔を少し赤らめて言った。


サーニャ「もし このまま俺さんと 一緒にいられたら …って///」


俺「え…///」

サーニャ「でも …俺さんは 元の世界に帰るって 言ってたし
私が元の世界に帰す約束もしたから
 …きっと叶わないって思ってました
だから …もし 叶うのなら …とっても 嬉しいです」

俺「…」

そういわれるのは …俺も嬉しい。

俺「約束 …俺の方から破ることになっちまうな」

サーニャ「…くすくす そうですね どうしましょうか」

俺「…じゃあ 俺の方が お前の言うことを 何か聞かないといけないな」

790異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:13:45 ID:1IbXhJ76
サーニャ「くすくす… じゃあ 考えておきます …だけど 帰らない理由は 知っておきたいです」

俺「理由」

サーニャ「はい …俺さんが 明日レギオンに会いに行くことと同じように 私も 真実を知っておきたい
それにもし …私が言ったあのことを気にして そうするんだって言うなら …嬉しくなくなっちゃいます」

真実 …そうだ 真実は大事だ。

俺「そうじゃない もっと前から …うっすらとだけど 思ってたことなんだ」

サーニャ「そう…ですか」

俺「…元の世界に帰りたくないわけじゃない 正直に言えば 戻りたい
けどそれは 元の世界に未練があるからじゃないんだ」

サーニャ「じゃあ 一体何に?」

俺「両親に 別れの言葉のひとつも言えないでいること
それだけが心残りでさ」

 …

サーニャ「…世界ではなく お父様とお母様に 未練があるんですね」

 …サーニャなら きっとこの気持ちをわかってくれる

俺「俺にとって 元の世界に 帰りたい理由になるほど大きなものはそれしかない
この世界には …こんな俺でもできることがあって そして俺のことを仲間だって
 …一緒に歩みたいって言ってくれる人たちがいる ここにこそ 俺の居場所があるんだ」

791異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:17:25 ID:1IbXhJ76

サーニャ「…」

 …俺は この世界で生きていきたい。でも

俺「もしかして俺って 冷たいのかな 両親に何も言えないままなのに」

サーニャ「大丈夫です」

 …大丈夫 サーニャはそう言った。

俺「大丈夫?」

サーニャ「たとえ世界を隔てても 俺さんがお父様とお母様を想う限り そして
お父様とお母様が俺さんを想っている限り それから血で繋がっている限り
繋がりは途切れないです …私はそう思います」

俺「世界を 隔てても…」

 …サーニャは そんな経験があるのかな。離れていても 両親と繋がっている実感をした経験が…

サーニャ「だから大丈夫 繋がりがあるなら 必ず想いは通じます」

 …サーニャの言葉は 俺に勇気を与えてくれる。

俺「サーニャは凄いな 人を元気づける力を持ってる」

サーニャ「…私じゃないです 俺さんが落ち込んでいたときに 元気づけたいって思って
だけど私にはどうすればいいのかがわからなくて…
芳佳ちゃんやエイラに 私はいつも元気づけられるから …真似をしてみていただけ」

792異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:20:47 ID:1IbXhJ76
 …真似だとか そんなのは関係ない

俺「それでも うまくいってるよ ありがとう おかげで…」

サーニャ「…」


俺「明日 一人でも立ち向かっていけそうだ」


サーニャ「!」

俺「…今までは みんながいたから 協力してくれてたから 支えてくれたから生きてこられたけど
明日は …ひとりだから 不安だった でも お前にそう言われて勇気が湧いてきたよ」

そうだ 明日は 俺ひとりでやるのだ。

サーニャ「俺さん …」ギュッ

 サーニャが 俺の手を握る。

俺「…ど、どーした」


サーニャ「明日だって 俺さんはひとりじゃないですよ」


俺「…?」

793異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:24:51 ID:1IbXhJ76
サーニャ「この作戦は 俺さんひとりだけで考えたものじゃないです みんな 俺さんに協力しています」

俺「!」

サーニャ「…それに 必ず 私が…私たちが 俺さんを迎えに行きます 必ず…一緒に帰ります」

 …

サーニャ「俺さんは いつどこにいたって ひとりじゃないです」

 …っ

俺「サーニャ!」

ガバッ

サーニャ「っ!///」

…胸に溢れてきた何かを解き放って 俺は サーニャを抱きしめた。

サーニャ「あっ 俺さん…///」

俺「…やっぱり この世界に来れて よかった… お前みたいな女の子に会えて…」

サーニャ「ん…///」ドキドキ

 …腕の中のサーニャの鼓動を感じる。早い鼓動だ。

794異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:28:58 ID:1IbXhJ76
スッ

それから サーニャの腕が 俺の背中に回される。

俺「! ///」

サーニャ「…///」コクリ

サーニャは頷いた 俺はそんなサーニャに視線を向け 首を傾ける。

けどそのとき 周囲から視線を感じた。
 …まさか と思い 視線を上げてみると

『!』

 …宿舎の窓から みんなが…

宮藤「あっ!///」ガタン

リーネ「ちょっ 芳佳ちゃん…///」

ペリーヌ「宮藤さん 驚きすぎですわ…///」

 …あの3人は バランスを崩したらしい宮藤を立て直してから こちらに一礼し

シャッ

と 窓とカーテンを閉めた…けど 隙間から覗く目が見えるぞ?

795異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:32:41 ID:1IbXhJ76
ルッキーニ「む〜…」

ルッキーニは なにか納得のいかなそうな顔で 窓に手をかけて 口元を隠しながらこっちを見ていて…

シャーリー「♪」b ビッ

 …シャーリーは ウインクしつつ親指を立てている。 …明日何言われるか…

エーリカ「んふふ♪」

ゲルト「…ふん」

ハルトマンは微笑みながら バルクホルンは いつものお堅い表情で ただ静かにこっちを見ている。

「…」

エイラが居るはずの部屋の窓は カーテンが既に閉められていたけど 隙間から銀髪が見える。…お前見ていたな?

ミーナ「…ふふ」

ミーナさんは 微笑ましいものでも見ているような風に こっちを見ている。

 …で

坂本「…」

坂本は 少し離れた大きい木の陰に 背中を向けたままで…
さっきからそこにいたのか? もしかして 話聞かれてたか?

796異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:35:52 ID:1IbXhJ76
 …示し合わせてたようにみんな見ていたのか? 示し合わせたわけじゃないのなら
 …みんな 俺たちと同じように 眠れなかったのか?
みんなも 俺たちは 眠れずに 二人でこうすると思ってたってのか?…

サーニャ「…///」ピョコン

サーニャは すでに使い魔を飛び出させ 魔導針を発現させている。

俺「サーニャ まさかお前 わかっててこうして…?」

そう訊くと サーニャは顔を上げて俺の目を見つめてきた。

サーニャ「俺さんと こうしていられることができるのなら 見られることくらい…ちっぽけなこと」

 …俺だったら 御免被るところだ。でもサーニャにとっては…ちっぽけなことか。

俺「お前 やっぱり肝が据わってるな」

サーニャ「…やっぱり?」

俺「前から ちょっと思ってた」

 …やっぱりナイトウィッチは どんな人間より勇気がある。
ナイトウィッチの …サーニャの魅力は その勇気だ。
サーニャの背中に回していた腕を 肩に置きなおして 俺は改めてそう思った。

797異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:39:00 ID:1IbXhJ76
サーニャ「わ、私は…そんなのでは…だって」フラッ

俺「!」

ドサッ

 …サーニャの身体から力が抜けて 体重を俺に預けてきた。

サーニャ「…どきどきして…緊張して…腰が 抜けてしまって…///」

 …なんてこった

俺個人としてはこれ以上サーニャとこうしているところをみんなに見られたくない
(というかこういうのは見せびらかすものじゃあないと思う)から 不安もなくなりすっきりしたし
お互いの部屋に戻るべきだと思うのだけど…

俺「…やれやれか」

サーニャ「…?」

仕方ない… 俺は腰の抜けたサーニャの 背中と膝裏に手をまわし

スッ

サーニャ「えっ…///」

バッ

そのまま抱え上げた。…抱っこだ。お姫様がつくかは知らない。

798異世界のウィッチ:2016/12/23(金) 17:43:15 ID:1IbXhJ76
『!』

 …宿舎のほうの気配が なんだか変わった。

俺「…あんまり遅くなるとダメだし 医務室に移動するぞ」

サーニャ「い、いえ…そんな大事ではないので…宿舎がいいです…///」

俺「…わかった」

 …遠くから 小さく声が聞こえた。

「ねーシャーリー あれってお姫様だっこ?」

「だな マジでやる奴初めて見た」

「うーん 頼んだらあたしにもやってくれるかな?」

「あはは 難しいかもな」

 …声は小さいけど うるせえ。

799名無しの俺:2016/12/23(金) 17:47:41 ID:1IbXhJ76
ここまで
よいお年を

800名無しの俺:2016/12/24(土) 01:54:14 ID:iOWcin2s
おつおつ
よいお年を

801名無しの俺:2016/12/31(土) 19:09:08 ID:7oHSTEAc
おつー

802名無しの俺:2017/02/11(土) 19:40:42 ID:OWe7wYbA
新年だから初投稿です。
>>798から

803異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 19:44:02 ID:OWe7wYbA
ーーーー

コツコツ

さて 今俺はサーニャの部屋を目指し宿舎の廊下を静かに歩いていて。

俺「本当に 医務室じゃなくていいのか?」

サーニャ「はい」

俺「…ならいいけど」

俺の部屋の前を通り過ぎようとしたとき。

ギュッ

サーニャ「…」

抱えられたままのサーニャに 服を掴まれた。

俺「サーニャ?なんだ」

サーニャ「…」ジッ

 …視線は 俺の部屋のドアに向けられていて…

俺「…お、おいサーニャ まさか…///」

サーニャ「…だめですか?///」

 …緑色の瞳を潤ませたサーニャにこんな風に言われて 断れる男がこの世にいるんだろうか?

俺「ったく…しょうがない奴…///」

本当は嬉しいけど こう言うしかない。

804異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 19:47:31 ID:OWe7wYbA
ーーーー

ガチャ

 …サーニャのお望み通り 俺の部屋に入ったは良いが。

俺「…どうしよう」

サーニャ「?」

俺「お前をどこにおろせば」

 …ベッドはヤバいよなぁ?

サーニャ「俺さん」

俺「?」

サーニャ「今日は その 朝まで…///」

俺「…」


サーニャ「一緒に…なんて…///」


 …

 …

 …

まあ、もしかしてこうなるんじゃないかって 期待はしてた。

805異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 19:50:55 ID:OWe7wYbA
俺「お、 お前なぁ… ホント 肝据わってるよ… 何かされたらどうする?///」

しないけどさ…

サーニャ「…大丈夫 俺さんは安全な人だって みんな知ってます」

俺「安全… なんだよそれ?」

サーニャ「くすくす… みんな知ってます
 …態度と言葉遣いで隠していても 本当は真面目で優しい人なんだってこと」

俺「…そんなことないよ 俺はそんなんじゃ」

と言いながら …お望み通り ベッドにサーニャを横たわらせる。
俺とサーニャ どっちにとっても 望み通りだ。

サーニャ「ふふ…私 俺さんのそこが 好き…とっても好き きっと みんなが///」

サーニャは上半身を起こしながら こんなうれしいことを言ってくれた。

俺「…///」

サーニャ「でも …私が一番好きなのは 俺さんの笑顔」

俺「え?」

サーニャ「紫の魔力の反応が気になったとか 戦いぶりを見たからでもなく
もっともっと 初めに素敵だと思ったのは …そこ そこからが… 始まり」

俺「そんなことで…」

それこそ 今言った 魔力のこととか 戦いのこととか…そういうものになるものじゃないのかって

806異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 19:55:11 ID:OWe7wYbA
サーニャ「『そんなこと』だなんて… 笑顔は きっといつの時代のどんな人にだって」

 …普遍的だからこそ か なるほど確かに 『笑顔は良いものじゃない』なんて言える奴はいないかもしれない

俺「あはは そうだな いつでもどこでも …きっとどんな世界の人にでもな」

サーニャ「…」コクリ

俺「…俺も お前の笑顔が…」

サーニャ「!///」

優しくて癒される 柔らかくて暖かい笑顔が…

俺「…お前の笑顔を見て 朝まで一緒にいられたら… きっと明日はそれが力になる」

サーニャ「…私も 俺さんと一緒にいられたら 全力が出せそう…///」

サーニャはそう言うと

スルッ

!?

おもむろに服を脱ぎだした…

807異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 19:58:46 ID:OWe7wYbA
俺「ちょっ…///」

なんで脱ぐ…? …いつも寝るときの格好になる…のか?パジャマとかは…部屋か?

サーニャ「…制服のまま 寝るわけにも///」

確かにそうだけど… …もともとサーニャには あどけなさの中に不思議な色気があるのに
そんなサーニャが 目の前で自ら下着姿になっていく過程を見せつけられると…こう…
いきなり下着姿を見るのよりも ドキドキ以上に クるものがあるというか…

サーニャ「…///」

スルスル

 …サーニャが手を進める度にあらわになっていく いつもの制服の奥の白い肌。
俺はそこから目を放せなかった。

 …で サーニャは制服を脱ぎ終わり 下着姿で俺のベッドの上で待機している。
俺はというと …その場に立ったまま動けなかった。

サーニャ「…ここは 俺さんのお部屋の 俺さんのベッド」

俺「…あ、あぁ」

サーニャ「…お邪魔しているのは私 だから …そ、そんなに恥ずかしがらないで…///」

 …きっと サーニャのほうが恥ずかしがってる。これ以上ぼっとしてるわけにもいかないか

意を決してサーニャが待つベッドの上へ。

ポフ

 …サーニャは いわゆる女の子座りで 俺は跪く格好でベッドの上へ。
そしてお互いを見つめあう。

808異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 20:03:40 ID:OWe7wYbA
サーニャ「…緊張 してるんですか?」

俺「…もしかしたら 明日の作戦よりも かもな」

サーニャ「くすくす 変なの…///」

俺「…好きな女の子と こんな風になりゃ 緊張もするよ///」

サーニャ「…好き?」

俺「…」コクリ

サーニャ「…嬉しい///」

…はっきり『好き』と 言ってしまった。

サーニャ「…俺さん 私も」

というと サーニャはひんやりした右手で俺の左手を取って

スッ

と自分の胸に俺の手を押し当てる。

俺「うっ…///」

サーニャが自分から…?

ドクンドクン

下着越しの、控えめだけど形のいい 暖かい胸の感触の向こうに 早鐘を打つ心臓の鼓動を感じる。

809異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 20:07:07 ID:OWe7wYbA
俺「…緊張は お互い様だったか…///」

サーニャ「…///」コクリ

 …この緊張を解いてやることはできないだろうか?
何もできないだろうか? …何もしなかったら どうにもならないんじゃないだろうか?

考えている間 カチ カチと 部屋に掛けてある時計の針の音が耳の奥に響く。

 …こういうのはよくわからないけど きっとこんな感じか?

俺「サーニャ」

サーニャ「は、はい…///」

サーニャの返事を聞いてから 俺はサーニャに取られていない右手をサーニャの頬に添える。

サーニャ「あ…///」

 …その俺の手に サーニャは右手と同じようにひんやりした左手を添えて 目を閉じて…

サーニャ「…ふふ 冷たくて 気持ちいい」

俺「…さっきまで外にいたからな」

サーニャが目を閉じたまま微笑む。…そうだ この微笑みだ この微笑みが…俺は

サーニャ「あの時 私とハルトマンさんを 守ってくれた手…」

 …と言いながら サーニャは再び目を閉じて 俺の手のひらに頬ずりしている。

810異世界のウィッチ:2017/02/11(土) 20:10:46 ID:OWe7wYbA
サーニャの胸の鼓動が 落ち着いてきた。

俺「落ち着いたか」

サーニャ「あ… …ふふ 俺さんのおかげ」ニコ

 …

 …

そのまま お互い何も言わず ただ静かにしていた。
そのうち サーニャは俺の手に かくんと首を預けて

俺「…サーニャ」ボソ

サーニャ「すぅ…」

名前を言っても反応がない …寝てしまったようだ。…寝顔をこのまま見ていてもいいけど
それはまた今度にしよう。今は 明日のことを考えて …俺も寝よう。きっと寝れるさ
そう思い サーニャを静かにベッドに横たえて 俺もその隣に寝転がった。

 …おやすみ。

 ・・・

 ・・

 ・

811名無しの俺:2017/02/11(土) 20:16:22 ID:OWe7wYbA
ここまで

なんか時間たってから改めて前に自分が投下したやつを見直すと
粗が目立って気になってしまう

812名無しの俺:2017/02/12(日) 00:03:37 ID:JVIOjeEk
おつおつ

813名無しの俺:2017/02/13(月) 22:29:32 ID:GdTEbVoE
この異世界の俺ってssは、ss保管庫にある奴と同じss?

814名無しの俺:2017/02/13(月) 22:36:13 ID:GdTEbVoE
>>813
異世界のウィッチだった

815名無しの俺:2017/02/13(月) 23:03:18 ID:qRrfjI3U
>>813
あれを1から書き直してみたSSです

816名無しの俺:2017/02/14(火) 19:49:33 ID:Pdq8norQ
>>815
返信ありがとう。あれ好きだったから楽しみに待ってるゾ

817名無しの俺:2017/02/26(日) 15:24:19 ID:mnKLQVyA
自称初投稿兄貴オッスオッス

818名無しの俺:2017/08/20(日) 20:54:35 ID:.pSfTsBc
もう8月かー月日が経つのは早いですね
それと短いけど投下します >>810(意味深)から

819異世界のウィッチ:2017/08/20(日) 20:57:59 ID:.pSfTsBc
…次の日。サーニャと一緒に目を覚ました俺は
みんなに見送られて  先日レギオンと遭遇した空域に向かっていた。
ほかの全員は別行動。不自然じゃないよう、今は一人で向かわなくてはいけない。
でも俺は

俺「ひとりじゃない」

そう 昨日言われたばかりだ。心細くなんてない。うしろにみんながいるんだ。

 …

キュイイィィンン

そして レギオンが現れた。

俺「…」

スッ

こちらに近づきながら レギオンが手を差し伸べる。…俺のすぐそばまできた。

俺「!」

バシ

と 俺はその手を払いのける。

820異世界のウィッチ:2017/08/20(日) 21:01:50 ID:.pSfTsBc
キュィィン

俺「俺は今日 お前らの言いなりになるために来たんじゃない」

「…」

 …こいつが言葉を理解してるかはわからないが しかし黙ったままでは進まない。

俺「俺を 元の世界に帰そうとする理由を教えてくれ でないと俺は、どこにも進めない」

「…」

 …みんなは 中継地点で待機中…心配ない。問題は俺のことだけだ…

 ・・・

 ・・

 ・

ーーーー無人島

リーネ「サーニャちゃん ここが」

ペリーヌ「会議で言っていた中継地点ですのね?」

サーニャ「はい 前、哨戒中に見つけて」

エーリカ「イチャついてた島?」

サーニャ「ち、ちがいます…///」

821異世界のウィッチ:2017/08/20(日) 21:13:31 ID:.pSfTsBc
エーリカ「んふふ♪ねえさーにゃん、昨日は俺とどこまで行ったの?」

エイラ「…」ピク

ルッキーニ「む!」ピク

サーニャ「…ど、どこまで?それは、どういう…///」

エーリカ「だからさ その…/// ちゅーしたとか?」

宮藤「さ、サーニャちゃん!///」

『…』

サーニャ「…い、いえ」

『!』

エイラ「ほ…」

シャーリー「え!してないのか?」

サーニャ「…ほっぺを触ってもらったくらい…です」

ミーナ「あらあら…ふふ」

坂本「奥手な男だ らしいと思うがな」

シャーリー「ま、確かにそうかも」

822異世界のウィッチ:2017/08/20(日) 21:17:59 ID:.pSfTsBc
サーニャ「…それだけでも 特別な一瞬でした…///」

ルッキーニ「うにゃ〜いいなぁ…」

シャーリー「けど、やっぱその先に進まなくっちゃな?」

サーニャ「さ、先…///」

エーリカ「まだってだけだよ 帰ったらいっぱい…」

サーニャ「…///」

エイラ「ち、中尉!そういうのはさぁ!?」

ペリーヌ「はぁ…やれやれですわ」

ゲルト「緊張感がないぞ ハルトマン」

エーリカ「にゃはは、緊張のしすぎもダメだよんトゥルーデ」

823異世界のウィッチ:2017/08/20(日) 21:43:53 ID:.pSfTsBc
サラサラ

ペリーヌ「それにしても …静かできれいな島ですわね」

宮藤「ここを、二人で守ったんだね!」

サーニャ「うん …俺さん、自然が好きみたいで だから、守れてよかった」

リーネ「…俺さんのため?」

サーニャ「…ん」

宮藤「リーネちゃん、それで合ってるんだよ、きっと
だって、俺さんのこと 一番気にかけて、仲良くしてたの サーニャちゃんだもんね」

サーニャ「…///」

エイラ「ま、魔力のこともあったから!」

サーニャ「…それだけじゃないもん」

エイラ「…うぅ」

ミーナ「うふふ、そうね 俺さんのことを 誰より深く考えてきたからこそ
 …お互い想いあう関係になれたのだと思うわ」

サーニャ「…俺さん」

『…』

824異世界のウィッチ:2017/08/20(日) 21:49:04 ID:.pSfTsBc
サーニャ「!」ピコン

ミーナ「!サーニャさん わかりますね?」

サーニャ「はい …俺さんはレギオンを追って…巣の方角に…」

ゲルト「やはりこのパターンだったか」

シャーリー「一番確率が高くて 一番危険なパターン…か」

坂本「しかし、俺とて覚悟の上の行動だ 我々も臆するわけにはいかん
何度も確認したとおりだ みんな、準備をしておけ」

『了解!』

サーニャ「…」

エーリカ「さーにゃん、俺ならだいじょうぶ
必ず真実を見つけ出して、そんでネウロイの包囲網くらいすり抜けてくるよ」

サーニャ「…はい!」

825名無しの俺:2017/08/20(日) 21:59:23 ID:.pSfTsBc
ここまで

今書いてるのは久々の投下で知ってる人がいないと思って 新たに書いたんだけど
知ってるって人がいて読んでくれてることがわかって
とてもうれしいんだけど 一方で今回のは待たれてたやつじゃなかったりするのかもと思ったりして
今のを投下し終えたら前のやつの続き投下したほうがいいのかしら

826名無しの俺:2017/08/21(月) 11:59:14 ID:u6PWtDks
おつおつ

827名無しの俺:2018/02/22(木) 06:28:14 ID:N2ZfWt.2
最近は速報でもハーメルンでもなく、Twitterにだけ投下してる人がいるけどおすすめある?

828名無しの俺:2018/03/06(火) 02:25:01 ID:XgSpJZMs
ツイッターに妄想垂れ流してるやつがおるんか……(困惑)

829名無しの俺:2018/07/04(水) 17:33:47 ID:.daSipIM
10周年おめ!!

830名無しの俺:2020/11/09(月) 02:37:49 ID:QkFWcNn.
このスレまだあるんだなあ
10年くらいまえ浴びるほど見てたよ
荒らされちゃって悲しかったけど思い出のスレだ

831名無しの俺:2020/11/21(土) 20:48:09 ID:SKq5JdB2
3期放送をキッカケにss復活しないかな

832名無しの俺:2020/12/25(金) 05:51:11 ID:nNlGY0DY
今はストパンのssを見るにはどこが良いんだ?5chにはまだ投稿されてるのかな

833名無しの俺:2021/03/07(日) 06:50:00 ID:nKoFPb6A
「異世界のウィッチ」の人ってどうしてるんだろ

834名無しの俺:2021/07/10(土) 06:39:04 ID:.CrPqcwA
ハーメルンに異世界のウィッチの文流用してる作品があって本人かと思ったら別人だった
本人に許可貰ってるって言ってたけどよく連絡取れたな

835名無しの俺:2021/09/21(火) 20:05:42 ID:cdmyQdbg
黒歴史として封印してる訳ではないんだな
SS文化そのものが風化してしまったなぁ
ユナフロもルミナスもヤバそうだし悪い流れがきてる

836名無しの俺:2022/03/11(金) 23:02:36 ID:dTzAe442
【まえがきという名の作者の独り言】
2022年3月11日、11年前と同じ金曜日
例の震災が起きたのは、昼休みが終わって午後の業務がはじまり、

「再来週に寮を追い出されるから、この週末でアパート決めないとマズいなぁ」

なんてボーっと考えているときのことでした。

あれから11年、転勤を繰り返して、何年かぶりに当時の職場に復帰しました。
発災時にいた建物は、最近、老朽化のため解体撤去されてしまいましたが、
――確かに、あのとき俺はそこにいたんだ。

そして、
「整備俺と操縦俺と」を最初に投稿してから、今日でちょうど10年が経ちました。

837整備俺――あれから10年後(1/6):2022/03/11(金) 23:06:38 ID:dTzAe442
1955年夏、扶桑国。
国防空軍の教育部隊が数多く所在する浜松基地では、今日もJ56型魔導ターボジェットエンジンの喧騒に包まれていた。
遠州名物の強い西風を受け、飛行学生の航空ウィッチが離着陸を繰り返す。

「(あれから10年。昔の記憶の、そのまんまなんだよなぁ)」
正門(南門)から基地に入って、左手には第1航空団司令部庁舎があり、
奥に向かって第1術科学校本部庁舎、第2術科学校本部庁舎、そして大正時代に建てられた木造の平屋建てがある。
旧陸軍時代は爆撃機搭乗員の教育講堂として使われており、現在は資料館として使われている。

838整備俺――あれから10年後(2/6):2022/03/11(金) 23:10:26 ID:dTzAe442
1術校本部の裏には南隊員食堂があり、【10年前の2011年】4月〜7月の間、
1術校の航空機整備幹部課程に入校していた頃も、朝昼晩はこの幹部食堂で世話になっていた。
【あちらの世界】では米軍駐留時代に建てられた施設だと聞いていたけれが、
こちらの世界でもリベリオン軍の援助で建ててもらったらしい。

そういえば、あちらの世界にいた頃、当時の1術校長は吉川将補で、
鳴海章の原子力空母信濃シリーズでは信濃飛行隊の整備隊長をやってた人だったな。
いけない、話が脱線した。

839整備俺――あれから10年後(3/6):2022/03/11(金) 23:14:35 ID:dTzAe442
「うーしーお渦まーくー、遠州なーだーにぃー」
残業を切り上げ、浜松航空隊歌を口ずさみながら団司令部の向かいにある厚生センターへ向かう。
2階の図書室の横には公衆電話が設置されており、昔馴染みに電話をかける約束をしていた。
国際電話のダイヤルを回し、交換を経由して相手を待つ。
相手は北欧のスオムスにいる昔馴染み。
10年前、第501戦闘航空団がブリタニアに展開していた頃、ひょんな事から兄妹みたいな間柄になっていた人物だった。
――スオムス空軍のエイラ・イルマタル・ユーティライネン、当時はまだ少尉だった。

扶桑時間で今は19:30。
スオムスとの時差は7時間だから、向こうは昼飯食い終わったぐらいの時間のハズだ。
電話する時間帯はあらかじめ電報を打ってある。

840整備俺――あれから10年後(4/6):2022/03/11(金) 23:19:11 ID:dTzAe442
こういう時、携帯電話やインターネットが無いのがもどかしい。
何度かのコールのあと、懐かしい声が聞こえてきた。

「よう、イツル」
「久しぶりだな、にーちゃん。元気そうダナ」
「そっちもな」
「手紙読んだゾ、もう産まれたのカ?」
「ああ。女の子だ」
「名前は?」
「伊鶴(イツル)。イロハニホヘトの伊に、鳥の鶴という意味だ」
「…あのなア、私の呼び名から取ったのカ?」
「まあな、それもある」

エイラの愛称はイッルと言うのだが、俺は上手く発音できなくて、イツルと呼んでいた。
イツルは26歳。もう何年も会っていないが、きっと、イイ女になっているに違いない。
そして俺はもうすぐ34歳になる。
あの頃と比べて老けたかどうかは自分ではよくわからない。ただ、白髪は増えた。

841整備俺――あれから10年後(5/6):2022/03/11(金) 23:22:40 ID:dTzAe442
「サーニャさんの要素も入れてるぞ」
「サーニャ? どこに?」
「鶴だ。オラーシャ語でジュラーヴリク。あの国では女の子を指す言葉だろ?」
「で、サーニャも小さい頃にはそう呼ばれてたんじゃないか、って?」
「そんなところだ」
「いつか会わせろヨ」
「ああ。欧州にもまた行ってみたいしな」
「ヒガシによろしくナー、あと扶桑のみんなにもナ」
「ああ。そっちも、サーニャさんによろしく」
「じゃあ、またナ」
「ああ」

――――
――


842整備俺――あれから10年後(6/7):2022/03/11(金) 23:27:11 ID:dTzAe442
はは、良い時代だ。本当に。
今の扶桑は戦後復興の最中でまだ貧しいけれど、どん底から上っていく途中だ。
焦土から這い上がって、世界2位の経済大国まで上り詰めていく時代だ。

俺が定年するまで、あと20年もない。
俺が知ってる歴史と同じなら、日産から箱スカとS30Zが発売されるタイミングと重なるハズだ。
退職金で4ドアの箱スカGT-Rを買って、フルオリジナルのまま乗りたいな、と思う。
で、L型エンジンのS30Zかスカイラインの中古が安くなったら程度の良い個体を何台か仕入れて、
1台ぐらいはレース仕様に改造して、スズカを走ってみたいなぁ、とも思う。
シャーリーさんに頼んで、スカイラインと輸出仕様のL28積んだS30Zを交換してもらうのも楽しそうだ。
どうせオイルショックで一度はタダ同然の価値になるんだ。
それを子供が受け継いだら、ちょっとした財産になっちまうんだよなぁ。

(作者注:話数を全6話→7話に修正)

843整備俺――あれから10年後(7/7):2022/03/11(金) 23:30:33 ID:dTzAe442
あ、そういえば。
俺の親父が1957年生まれだから、俺の長女は俺の親父よりも少し年上になるのか。
だけど、浜松から名古屋に行って、俺の実家を探そうという気にはなれない。
こういうパラレルワールド物では、両親祖父母の誰かが亡くなっているというのがお決まりのパターンだ。
それを見るのが怖い。
シュレディンガーの猫ではないけれど、こういうのは知らないままでいる方が幸せに違いない。

いけねぇ、頭の中がどんどん変な方向に走ってゆく。
今日はもう帰ろう。
嫁が――ケイが伊鶴と退院してくるまで、あと1週間だ。
(END)

844名無しの俺:2022/03/11(金) 23:36:46 ID:dTzAe442
【あとがきという名の作者の独り言】
作中の1945〜1955年の間に何が起きたか、設定も作ってあるの、気が向いたら投下するかも。
アフ魔編とか劇場版編とか外伝的なモノもちょこっと書いたけど、
肝心の本編が完結しないままフェードアウトして一体何年経ったのやら。
(荒らしのターゲットになったのが2014年頃だったかな? それでモチベ無くして放置)

俺が投稿始めた頃は、まだ民主党政権が続いてて、安倍政権になる前でしたね。
スマホはだいぶ普及していたけど、SNSが今ほど普及していなくて、
YouTubeやらVTuberやら、艦これとかウマ娘もまだ世に出る前の時代でしたね。
まどマギは今でも流行ってるけど、俺妹とかISとかはすっかり聞かなくなったなぁ……。
アメリカの25年ルールもまだ知られていなくて、R32GT-Rも100万円前後で買えた時代だったなー。
あの頃は、80〜90年代のスポ車がまだ手に入れやすい時代でした。
あの時代は、確かに俺の青春でした。
さようなら、俺の青春。あの時代に戻ることは二度とない。

845名無しの俺:2022/03/23(水) 23:57:11 ID:AeFUwqIY
復活してるじゃないですか!
嬉しいです!
色々と環境は変化して大変な時代ではありますがルミナスウィッチーズもありますし、ストライクウィッチーズが続く可能性も残っています
定期的に二次創作を作ってどこかに投稿してくれると嬉しいです

846名無しの俺:2022/03/28(月) 03:13:32 ID:vqGRfGfw
実は時々覗いてるし、「次はアレ書きたいな」みたいなのはあったりするのだ
でもここに投下してた頃、学生だったころのようにいくらでも時間を費やせる身の上ではなくなってしまった
そんなのが他にもけっこういるんじゃないかな

まとめサイトのカウンターもチマチマ回ってる
半分以上は何かのbotだろうが、きっと同じ懐かしさを抱えてるやつも混じってるはずだ

847名無しの俺:2022/06/25(土) 04:05:44 ID:gex05i8w
閲覧に使ってたBB2Cがアプリ更新停止になったから見納めにと掲示板の様子をチラッと見に来たら更新あったのか乙
あれから10年近く立つといろいろ様変わりしましたねぇ

848名無しの俺:2022/08/23(火) 00:35:14 ID:FcT09KVQ
SSを探しても古いのが多くて最終的にここにたどり着いたんだ!
俺くんとストパンキャラがイチャついてるところ見たいなぁ

849名無しの俺:2022/08/30(火) 04:15:37 ID:PO2c5oII
ルミナスウィッチーズみんな見てる?

850整備俺――あれから10年後(設定集):2023/03/11(土) 19:24:38 ID:lbJja2rM
あれからまた1年が経ちました。
去年投下したあとに反応がいくつかあって嬉しかったです。
前回の時代設定は1955年ですが、俺の二次創作では、劇場版までの時系列は原作通りですが、その後の時代は独自設定となります。
お蔵入りさせるのも惜しいので、この場を借りて投下します。

851整備俺――あれから10年後(設定集):2023/03/11(土) 19:29:48 ID:lbJja2rM
①扶桑国について
1949年夏、旧扶桑皇国はネウロイの新型特集爆弾(反応弾)を用いた主要大都市等への同時多発的奇襲により一度壊滅。扶桑皇国の残勢力はリベリオン合衆国に保護され、国連の管理下に入る。
扶桑皇室及び政府関係者はニューヨークの国連機関周辺、扶桑軍関係者はハワイのリベリオン太平洋軍司令部周辺に集約され、反攻作戦に向けた準備が進む。大企業関係者はデトロイトに、その他多くの民間人はロサンゼルスに疎開した。少数ではあるが南米への疎開者も確認されている。

852整備俺――あれから10年後(設定集):2023/03/11(土) 19:35:25 ID:lbJja2rM
1951年頃、扶桑軍残存勢力とリベリオン軍を中心とする国連軍の反攻作戦により、沖縄を除く4島の主権を回復。旧扶桑皇国は、リベリオンとブリタニアをモデルとした国民主権の立憲君主国たる扶桑国として再出発することに。
旧扶桑皇国軍は扶桑国防軍として再編され、旧陸海軍航空隊は国防空軍(新空軍)に統合される。
1955年の時点では、扶桑空軍は戦力整備段階であり、扶桑国の防空任務の多くはリベリオン軍が担当している。

台湾と満州については、1949年の扶桑皇国壊滅により孤立状態にあった。1950年冬に台湾地区がリベリオンの委任統治領となり、ほぼ同時期に満州国もリベリオンとオラーシャによる共同委任統治領(東西分割統治)となる。満州の東西統一に伴いウィルキア共和国として再出発するのだが、それはまた別の話。


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