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渡来船2

97カサブタ:2012/03/17(土) 11:57:10

「貴様・・・っ!!」

「私達は・・・、 貴方達の物になるためにあの学園に入ったんじゃない・・・!!
返してよ!! 金森くんを返してっ!!」

ガァン!!

「がぁぁ・・・っ!!!」

七海はハンマーを振り上げ、キルシュの背中に刺さった杭をさらに深々と打ち込んだ。
パイプはキルシュの身体を貫通して前にまで突き出した。彼の血がパイプの先から溢れだし、組み伏せられていた藍に降りかかる。 

「っ!!」

藍はその流れ落ちる血を口で受け止めると、それを喉の奥へゴクゴクと流し込んでいった。

「調子に乗るなっ!! 小娘風情がっ!!」

キルシュは恐ろしい力で七海の首を掴んだ。

「あぐっ!! あぁ・・・ぁぁ・・・っ!!」

七海は片手で身体ごと持ち上げられ苦しんだ。じたばたと暴れるが彼の手を振りほどくことはできない。

「アイに血を吸われたということは、お前もローズの眷属になった筈なのだがな・・・。
どうやって呪縛を解いたのか知らんが、そんなもので私を殺せると思ったら大間違いだ。
彼女に与えられたこの身体は普通の吸血鬼とは違う。ローズでなければ私を滅ぼすことはできないのだ。」

「そう・・・、ローズなら貴方をいつでも殺せるのね。 つまり、私にもということかしら?」

すると、藍は七海を捕まえている彼の腕を引っ掴んだ。

「ぬぅっ !?」

シュウシュゥという音と共に彼の腕から白い煙のようなものが立ち昇り始めたのだ。
たちまち彼の腕から力が抜け、七海の身体は開放される。

「うわぁぁぁっ!!? 私の腕がっ!!」

藍に捕まれている部分から先の感触が消えた。見ると手の平から指先までたちまち茶色く痩けて腐ってしまったのだ。

「な・・・なんだこれは・・・!? なぜ、魔法が使えるっ!! ローズの呪縛に捕らわれているはずなのに!!」

思わず藍の上から退こうとするキルシュだが、藍は逃すまいと彼の腰に腕を回す。

「そんなに私の身体が欲しいの・・・?!」

藍は、ソファから垂れ下がっていたマントの裾を手繰り寄せる。

「なら好きなだけ味わいなさいっ!!」

バサアアァァァッ!!

「うわぁぁっ!!!?」

藍は逃げようとするキルシュをマントで包み込んでしまう。 彼は藍に馬乗りになった体勢のまま、藍の身体の上に倒れこみ、マントに被われてしまったのだ。

「なにをするのだ!!? 離さないか!!」

「逃さないわよ・・・。 あいつのマントに包まれた犠牲者がどうなるか、あんたなら知ってるはずよね・・・?」

藍は燃えるような真っ赤な瞳で彼を睨みつけた。キルシュは今までの威勢が嘘であったかのように怯えている。

「私のマントの中に快楽なんて無いわ!! 地獄の炎で焼かれておしまい!!」


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