したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

渡来船2

32カサブタ:2012/03/09(金) 00:22:43
と、その時、店のドアが開いて誰かが入って来ました。

「あっ!! すいませ〜ん、今お昼休みなんですけどぉ・・・、 あっ!!」

「おや、貴女はこの前の。」

入ってきたのは白髪まじりの初老の男だった。応対に出た美樹と藍は見知った顔に驚く。
というのも彼は先日の一件の時、黒百合に襲われて倒れていた美樹を保護してくれた警察官だったのだ。

「先日はどうもお世話になりました(ペコリ」

「いやいや、覚えていていただけるとは・・・。その後、お変わりありませんか?」

「はい!! すっかり元気です!!」

「美樹ちゃん、この人は?」

「この前、私が怪我したときにお世話になった警察官の人ですよぉ。」

「世田谷署で警部をやっております、大原という者です。 
こちらこそ、先日はどうもお世話になりました。そこの水無月藍さんが知らせてくれたおかげで美樹さんを保護することができたんです。
しかし、貴女もこちらで働かれていたとは。」

「あはは・・・、先日はどうも・・・。 あのときは変な恰好で驚かせちゃいましたよね・・・。」

「いえいえ・・・、お気になさらず。 さっそくなのですが、穂積みゆきさんはいらっしゃいますか?」

「あ、船長ですか? すいません。今ちょっと外遊中でここ一週間は来ない予定なんです。」

「え? そうなんですか? それは残念ですね・・・、ちょっと彼女の耳にも入れて頂きたかったのですが・・・。」

「あの、俺連絡先知っているんですけど、言伝があるなら伝えますよ? 何かあったんですか?」 

「ああ、いや。すぐにではなくていいのですが。ちょっとご注意に上がりまして。
ここ最近、隣の狛江市で奇妙な通り魔事件が頻発しているんです。
ニュースでご覧にはなっていると思うのですが、被害者は既に4人を越えており、全身から血を抜かれた状態で発見されるのです。」

「え・・・?!」

店内が一瞬騒然となりカズと藍は顔を見合わせた。 すると、バイトの子の一人が言った。

「そのニュース聞いたことある! けっこうここから遠くないから怖いなって思ってたんだけど。」

「はい、これまでは被害が狛江市周辺に集中していたのですが、先日、とうとうこの世田谷でも被害者が出たのです。
おそらく夕方辺りには各ニュースで取り上げられると思いますが・・・。

私共は今、区内の各店舗に対しこうやって注意を促して回っているのです。特にここはそこにいる美樹さんが先日、首筋を噛まれたような傷を負いましたよね。
実は今回の被害者にも同じような傷が見られるのです。ですから、美樹さんの一件となんらかの関連性がないかと睨んでおりまして・・・。
貴女にまた被害が及ばないとも限りませんので十分にご注意いただきたいのです。」

大原警部は、その他諸々の注意をよびかけ、店内に防犯啓発のポスターを貼るよう伝えると店を出て行った。
クルーの皆はまだ騒然としていたが、しかしカズと藍の動揺はそれ以上の物だった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板