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渡来船2

23名無しさん:2012/03/08(木) 04:21:59
みゆきは藍の側に寄ると、そっと抱き締めた。

「もう貴女は一人じゃない。わたしだけじゃなく、お店のみんなや、学校のみんなや、それにカズだって・・・、貴女を思う人たちは沢山いる。
貴方にもしものことがあったら皆を悲しませることになるわ。
ハンターとして皆を守りたい気持ちはわかるけど、でも抑えて・・・。 相手は貴女にとって危険過ぎるのよ。」

「・・・・・・・・・。」

藍はもう何もいいませんでした。

「藍、貴女にこれをあげる、お守りよ。」

そういうと、みゆきは藍の首にペンダントのようなものをかけた。金属製で少し錆びており六芒星を象ったものだった。

「みゆきさん・・・、それなに?」

「今からこの店に我が家秘伝の防御陣を施すわ。これでヴァンパイアはこの店に一歩も踏み込めなくなる。
もちろん、このままじゃ藍にも悪影響があるけど、そのペンダントをつけていれば貴女にはまじないが作用しなくなるわ。」

そして、みゆきはカズと藍の両方を見て言った。

「いい? カズも良く聞いて。 私は行くけど、その間にこちらで何か起きないとも限らない。
前の事件でわかったろうけど、吸血鬼は気付かないうちに紛れ込んでいるものよ。

さっき私が言ったことを良く噛み締めて!! 何があっても絶対に闇の世界に堕ちてはならないわ。
いざというときはこの店に来なさい。ここにさえいれば奴等の手を逃れられるわ。」

「わ…わかったよ、みゆきさん……なんかよくわからないけど頑張ってみるよ。」

カズの表情に強い決心を感じたみゆきは、安心したように微笑むと大声で二人に言った。

「よーし! そんじゃ、ちょっと言ってくるわ! 二人とも店番よろしく!!」

みゆきは、地下室から出ると美樹や他のクルーたちに声をかけて、しばらく休養を取ることを伝えた。
そして、さっき集めたガラクタのうちいくつかを店のあちこちに置き、小さく十字を切っていた。
どうやらこれが、ヴァンパイア用の防御陣のようだ。

そして、その仕事を終えたあと、軽く挨拶をして一人店を出て行った。
後にはカズと藍だけが残されて、しばらくの間その場から動くことができなかった。

「アイちゃん・・・。」

「みゆきさんのバカ・・・、 みゆきさんがいなくなっても悲しむ人は大勢いるのに・・・。」


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