したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

渡来船2

110カサブタ:2012/03/17(土) 20:33:56
「そして、その究極の器を生み出す母胎となるのが貴女よ。 マリア!!」

「え・・・っ!?」

ローズから思わぬことを告げられたマリアは、驚いてローズの方を見る。

「私が・・・、お姉様の母胎に・・・? つまり、私はお姉様の子を生むの・・・?」

「えぇ・・・、正確には私そのものを生み出すのだけれど・・・。
驚いたかしら? 今回の黒ミサの主役はあなたなのよ。」

マリアは、しばらく固まっていたが、やがて体を奮わせて歪んだ笑いを浮かべた。

「あぁ・・・ あああっ!! なんてことかしらっ!! お姉様に孕ませられるなんて夢みたいっ!!
そんなにも私を愛してくださったのね?! お姉様っ!!」

マリアはローズに飛びかかると、激しくキスをしたり頬ずりしたりした。

「ふふっ、ちょっとやめてマリア・・・、くすぐったいわ・・・!!」

「あぁん、いやよ!! お姉様大好き・・・! 離れたくないっ!!」

絡み合う二人の魔女の姿に藍は激しい憎悪を抱く。

「私の体だけでは飽き足らず、より多くの犠牲を払ってまで強い力を求めるというの・・・?
一体、貴女はどこまで身勝手で強欲なのかしら?」

「ほほほ・・・、私はこの世界を手に入れるのよアイ。 それには今の力でもまだまだ足りないくらいだわ。
今回の黒ミサはこれまでで最大規模の物になる。ここで生み出される器もまたこれまでとは比べ物にならない力を秘めた物になるに違いないわ。 
それこそ、神と呼んでも差し支えないほどのね!!」

「うふふ・・・!! 何よ藍さん? ひょっとして私に妬いてる?
それはそうよねぇ・・・、貴女はお姉様の分身だっていうのに、私の方が黒ミサで重要な役割を与えられてしまったんですもの。
真祖の面目が丸つぶれだわ。 うふふふ!!」

「さぁ・・・、アイ。 我侭はいいかげんにしてこっちへおいで。
いくら否定しても無駄よ。 貴女は私。 貴女が帰るべき場所はこの私の中にしか無いのよ!!」

ローズは壇上から両手を藍の方へ差し伸べる。その姿や仕草には、自分は神に等しい存在であることを信じて疑わない尊大さがありありと見て取れる。

「そうよ・・・、私は貴女の分身。 穢らわしい化け物の片割れとして産み落とされた・・・。」

藍は暫しの逡巡の後、再びローズを見据えた。

「でも、もう違う!! 私はローズではなく藍よ!! みゆきさんと梨香さんがくれた新しい魂、それが私よ!! 私は絶対に貴女の物になんかならない!!」

バサァァッ!!

藍がマントを広げると、身体の回りに魔力が集中していく。今度はさっきよりももっと強力な魔法を放つつもりだ。

「こんな場所、跡形もなく吹っ飛ばしてやるわっ!!」

「まあ・・・、あくまで私を拒むというの? 悪い子ねアイ・・・。」

ローズは穏やかな表情でありながら、暗い目で藍を見つめた。

「新しい魂ですって? そんなものはまやかしよ。 貴女の身体も魂も私と何ら変わらないわ!!
貴女は私と一つになるために存在しているの。
それは決定事項であり運命よ。 それに逆らおうなんて愚かなことだわ。」

バサアァァァァッ!!

「どんなに私から逃げようとしても無駄よ!! 私の中に還りなさい、アイ!!」

その時、ローズが広げたマントのその裏地に、生き物の血管とも赤い電光とも見える筋が走ったのが見えた。
そして、次の瞬間。マントは真っ赤に輝きだし、その表面から、幾筋もの赤い稲光が迸り出た。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板