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仮投下スレpart1

350 ◆xR8DbSLW.w:2011/11/05(土) 21:41:28
そんな戯言遣いの姿を思い返して。

まるで自分とは違った。
性別も、年齢も。
気色も、風貌も。
強弱も、経験も。
それでいて、雑草とも思えなかった。

わたしは彼―――それと禊さんに何を抱いているのでしょうか?

ふと、彼女の中で起こる疑問。
かといって答えに戸惑う議題でもなかった。

憐憫の情?
仲間意識?
一目惚れ?

正直言って、どれでもよかったのかもしれない。
そんな疑問は直ぐ様取り下げられた。

暫く歩く。

そんな中。
ふと、目線を下に下げた。
そこには、血濡れた自分、次いで着物。
何も思わない―――わけではない。
感じたことは、微かでこそあるが、純粋なる憤怒。
自分が悪いとはいえ、雑草の分際でよくもわたしを汚したな、と。

明らかに、違う。

戯言遣いに感じた思いとは。
球磨川禊に通じた思いとは。


再度、笑う。――――自分自身に嗤う。


かつて、彼女は鑢七花に「錆びた」といった。
それはもう、ボロボロに。
もはや何も斬れまい、そこまで思わせるほどに。

奇策士、とがめ。

既に死んでいった彼女。
あの人が連れ去ったが為に思えば錆びていった。
良くも悪くも、斬れ味は落ちていく。

だけれども、最後には皮肉にも感じるが―――二人の力の結束があって負かされた。
無論、言うまでもないが虚刀流が刀を使ったというのもあるだろう。
しかしそれでも、七実に隙を付けくわえたのは紛れもなく、とがめの奇策である。
同時に、その僅かな隙に付け入ることが出来るのは――――鑢七花ただ一人であった。


ならば、今の自分はどうなのだろう。
顧みる。省みる。
今までの軌跡、ここに至るまでの足跡を。



――――――確実に、錆びている。



もはや取り返すが付かないほどの傷―――錆を付けられた。


球磨川禊。


彼と関わってから、それが物凄い速さで浸食していく。
そこらの雑草とは思えないほどの、存在へ成り上がる――――もしくは成り下がる。

けれど、それを恐れている訳ではない。

ただただ受け入れる。
可笑しな話だ。
錆を振り落とせと言った本人が、錆に犯されているのだから。
相手―――鑢七花。


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