したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

チラシの裏 二枚目

224520:2012/07/20(金) 03:48:44 ID:olUZ4a0M
ド田舎電車は二両編成、切符は車内で車掌さんが切ってくれて、一日のこの駅利用客は14人で当然無人駅。
そんなオレの住む町に、文通相手がやってくる。

名前は矢追千夏ちゃん。
俺の知っている千夏ちゃん情報は、女の子らしい綺麗な筆跡、家族は4人。両親とお姉さんと犬で暮らしていて、好きなスポーツはアイスホッケー。
最大のポイントは高校生。
花の女子高生ですよチキショウ!
今日の目印は、白のボストンバッグにお姉さんがつけてくれたハイビスカスのキーホルダー。
ああ、女子高生とかどんな良い匂いすんだろ。
胸が高鳴る。
閑話休題。
そうそう、うっかりしていたが、千夏ちゃんを乗せた電車が来た。
慣れたもんで、車掌さんは俺の顔見りゃ乗らんのか首を傾げて待っててくれる。
違いますよー。
客は中から降りてくる千夏ちゃんですよー。
夏休みだからか、珍しく昼間に10人近くがどっと降りた。
いや、だから俺は乗らないから行けよ電車。
家族連れ5人、農作業の鍬持ったバァチャン3人、プール帰りの小学生たくさん、あとはイカついパックバッカーみたいな髭。
約束の時間を間違えたか、からかわれたかガックリしていたら、未だ発射していなかった車両からヒラリと伸びたミニスカートに華奢な足。
テンションあがって顔を上げれば、腕には白いショルダーバッグ。
白の鞄!
ちょっと年上っぽいけど都会の人は大人っぽい!さらに美少女!
神様ありがとう!
「千夏ちゃん!」
俺が叫んだ声に、ビクりと大きく開かれた両目。
間違いない。
「ドキュン?」
はいそうです、って何で後ろから声がするんだよ。
明らかに変質者を見る目で少しずつ距離を置く美少女を背に、聞き違いかも知れぬが声のした方を振り返る。
…誰も居ない。
いや、居るには居るが、190cm80kgを明らかに超えちゃう格闘家まがいのデカい生き物、且つ髭、どう見ても成人男性ですありがとうございました。
「度胸だよな?」
何ご丁寧にノートにマジック太文字で度胸(ルビでドキュン振り仮名付き)書いてんだよ。
しかもやっぱ無駄に字ィ上手ぇなオイ。
ゴツい体に似合わねぇ、やたら嬉しげな笑顔見ちまったら、見なかったフリとか出来ねぇよ髭。
俺は諦めて軽く左手を上げた。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板