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0さん以外の人が萌えを投下するスレ

7920-279 宇宙人×地球人 2/3:2011/01/11(火) 22:54:58 ID:wkX6AaIU
「やだやだやだー!一緒に帰るー!」
「地球なら、また来年の夏休みに会いに来られるじゃないか」
「来年!?学校で習ったよ!地球人の時間単位って僕らの1/20なんでしょ!来年じゃもう遅いじゃない!その頃にはきっとずっと大人になっちゃってて、僕を見ても誰だか分からなくなってるよ!」
「その時には、また別の子どもと遊べばいいだろ」
「そんなの楽しくない!他の子どもじゃ嫌なんだ!だって、だって僕は」
「聞きわけのない奴だな!地球人のこの子にも家があるし、家族もいる。それをこっちの勝手で連れていく訳にはいかないだろ!……大丈夫だよ、今は辛いだろうけど、少ししたら平気になる。そういうもんだ」


その言葉を聞くと、リコは観念したのか、ぐずぐずと鼻をすすりながら静かになった。
正直、聞いてるこちらには話の半分も理解できていなかったが、とにかく、さっきまで仲良く遊んでいた弟分は、あと少しでひどく遠いところに帰らなければならないらしかった。

……仕方ないな。俺は短く息を吐いた。
それから、相変わらず不思議な風を撒き起こしているUFOに勇気を出して近づくと、まだ鼻を赤くして泣いているリコに、大切にしていたラメ入りの野球カードを差し出して言った。

「パスポートだ。やるよ」

リコは手を伸ばすと、恐る恐る野球カードに触れた。
赤く潤んだ瞳で怪訝そうに俺を映すリコに、俺は続けた。

「次にお前が来るのが何年も後で、俺がすっかり大人になってたとしても。このパスポートを俺に見せたら、また友達になってやるよ。」

リコの目に、収まっていたはずの涙が一気に溢れた。
俺が手を離すと、代わりにリコの指がカードをぎゅうと握りしめた。

「……お前よりずっとずっと大きくなった体で、今度は肩車してやる。覚えてろよ」

リコは何かを言おうとしたが、それはすぐに嗚咽に飲み込まれた。
言葉もなく、ただぶんぶんと首を縦に振るだけのリコを、俺は落ち着くまでしばらく撫でていてやることに決めた。その時だった。


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