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0さん以外の人が萌えを投下するスレ
70
:
そら涙 2/2
:2010/11/10(水) 02:10:42 ID:836V3wVo
「兄ちゃんが、」
耳聡いこいつは聞き逃さない。
ゆっくりと身体を起こす。顔は手で覆い隠されたまま。でもなぁ…
「兄ちゃんが、キスしてくれたら、泣き止むよ」
……見えてんだよ。手で覆いきれなかった口元が、にんまり笑ってるのがな!
「それより先に言うことがあるだろ」
謝罪の言葉を聞き出すまでは、何が何でも許してやんねーという決意のこもったぶすくれた声にも、
こいつは軽く応じる。
「じゃあキスしてよ」
「そういうことは、まず俺に謝ってから言え」
「謝ったらキスしてくれるんだ?」
「それとこれとは話は別」
「兄ちゃんは俺が泣きっぱなしでもいいわけ。ふーん」
どうしてこいつは、この泣きの技術を劇団か何かで生かしてくれないのだろう…俺がげんなりしてい
ると、
「……ひどいや」
手の覆いを外し、ぽつり、と。
横を向いた顔は目元が赤く、それに胸がちくりと痛まないではないが。
「……亮、ごめんなさいは?」
再度問うと、今度は素直に「…ごめんなさい」と返ってきた。
これで気が済んだ。今度こそ「もういい」と許しを出し、立ち上がろうとすると、
「……ひどいや、兄ちゃん」
またぽつり、と。しかも、一粒の涙つき。
俺は何も言わずにその場を後にした。…ひどいのはどっちだよ。俺はあいつの涙が嘘か本物か見分け
られるってのに、あいつは俺の配慮なんて少しもわかりゃしないのだ。「キスして」だの「一緒に寝
ようよ」だのの誘いを、戯言として流そうとする俺の意図なんか。
……何年兄弟やってんだ、あのバカ弟。
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