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0さん以外の人が萌えを投下するスレ

68二人がかりで:2010/11/05(金) 00:56:14 ID:GY8Ab6sI
一方青年がいなくなり、また元通り二人だけの生活だ、となる双子だが
その前になぜかまた青年が現れ彼らはひどく動揺する。
双子に青年は言った。「一生そうやって生きていくつもりか」と。
自分の片割れ以外を認めず、それ以外は排除する、という生き方だ。
せっかく二人で生まれてきたのに、自分は相手で相手は自分、一人でしかない
みたいな生き方してそれでいいのか?と。それを聞いて激昂する双子。
そしてまた青年を拒絶する言葉を吐く。

「お前なんかどっか行っちゃえよ!」
「お前だって僕たちの顔なんか見たくもないだろ!?」
「「僕たちが怖いだろ?憎いだろ!?」」

だが青年は言った。
「お前たちごときくそガキ、怖くもねーし憎くもねーよ!
だけどやっちゃいけない事だったと分かってんならちゃんと謝れ。
……そうしたら許してやるからさ」
双子は衝撃を受ける。彼らは自分たちのした事が謝るくらいで
許してもらえる事ではない事を理解していたからだ。
「馬鹿じゃないの!?なんであそこまでされて許せるわけ?」
「普通無理だろ、許せないだろ!」と叫ぶが青年は強い瞳で双子を射ぬいた。
「本当に分からないのか?なんで俺がお前らを許せるのか。
なんで俺がまたお前たちに会いにきたのか−−!」
それを聞きうなだれる双子だったが、しばらくの逡巡の後彼らは呟いた。

「「……ごめん、なさい。ごめんなさい、ごめんなさい……っ」」

そして青年は双子の元に戻ってきた。
相変わらず双子はイタズラ好きで青年は「くそガキ!」と怒っているが
少しずつ何かが変わっていた。双子には少しずつ好みの違いが現れて
区別がつかないと思われていた見た目にもわずかな変化が現れ始めていた。

それを青年に指摘され、嬉しがりながらも照れる双子だが
同時に彼らは今まで「同じ人間」として振る舞ってきたが故になかった
片割れへの嫉妬を感じはじめていた。それが一番大きな違いだった。
彼らはようやく本当の意味で「二人」になったのだった。

双子は魅惑的な笑顔で顔を見合わせる。新たな人生も、勝負もまだ始まったばかりだ。

どちらが青年の心を独占するか。それが問題なのだ。
そして今日も双子は青年の気持ちを自分に向けようとイタズラに精を出すのであった。
(終)


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