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0さん以外の人が萌えを投下するスレ

46028-49 許されない二人 4/4:2013/11/23(土) 19:43:35 ID:DOUtdwBA
二度目の情事を終えて、慶一は甘えるように優に身をすり寄せた。
結局、重大な真実が二人の間で共有された後も、優は慶一を拒むことができなかった。
「優、来年の春から仕事をするんでしょう?」
「うん…」
優は高校を卒業した後、ここから離れた職場に就職することが決まっている。
この屋敷からでも通えるには通えるが、これを機に思い切って家を出る、はずだった。
慶一とまた離れがたくなっている自分がいる。何という意志の弱さだろうと優は自嘲した。
「いいなあ…大学なんかに行きたくない。僕も早く働きたいよ」
一呼吸おいて、慶一が優の耳元で囁いた。
「ねえ優…僕を連れて逃げてよ…僕も何か仕事を見つけるから、さ」
情事では男役をしているくせに、慶一はまるで女のようなことを言った。
優も男だから、こういった類のことを言われては庇護欲を刺激されてしまう。だが。
「そんな、おれは……」
優は目を泳がせた。慶一は一流の大学を卒業した後、菅間家の経営するグループ企業の
いずれかで働くという将来が約束されている。慶一ほど頭が良ければどこの大学にでも受かるだろうし、
きっと優秀な経営者になれる。そんな輝かしい未来を、自分が奪っていいものか。
だいいち腹違いとは言え兄弟という間柄で、こんな関係…罪深くはないだろうか。
だが、慶一は自分といたいのだという。そして、優も…

「ねえ、優ったら…、ん、」
珍しく優の方から深い口付けを仕掛ける。拙い舌の動きにも、慶一は敏感すぎるほど反応した。
「…ずるい、こんなこと、今までしてくれなかったくせに」
慶一は目を蕩けさせながらも、優に抗議した。その目から視線をそらして、
優は慶一の顔が見えないよう、慶一の頭を胸に抱えるようにして抱きしめた。
「僕には、優だけいればそれでいいんだ…父様も母様も…名家の御曹司なんて肩書も、要らない」
裸の胸に、慶一の声が滲み渡って消える。
「愛してる…愛してるよ、優…」
兄として、人として…一体何が正しいのだろう。優は慶一の言葉に答えることなく、慶一の体をさらに引き寄せた。


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