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0さん以外の人が萌えを投下するスレ

45328-9 年上の幼馴染み 2/2:2013/11/17(日) 17:22:41 ID:ClVL9nXU

 説明すれば、なんとも空しい老後設計だ。俺はだんだんばかばかしくなってきた。
「だいたいさ、安易なんだよ。そもそも先に老後を迎えるのは母ちゃんだっての、自分の面倒より俺の老後かよ、いつの間にか完全に俺が結婚しないことになってるしなぁ」
「んーとさ、じゃあその時はおばさんの介護は俺らふたりですればいいんだよ」
「何言ってんの……ええ?」
 見れば、兄ちゃんは真面目な顔でうなずいている。
「ちょっと、兄ちゃん、泰成さん、なんでその気なんですか」
「いやあ、名案だなと思って。固定資産税も一軒でいいしな」
「うわ、具体的! ありえないって、そんな、男同士で」
「いいんじゃん? 別に結婚するわけじゃないし」
「男同士で結婚できないし!」
 俺が慌てると、兄ちゃんはきょとんとした。
「あ、いや、俺もお前もたぶんもう結婚しないでしょ? お前、これから頑張るの?」
 耳が、頬が、急に熱くなる。
「裕敏……じゃあねぇ、約束。俺がこのまま爺さんになって要介護になったら、裕敏が面倒見て。逆は俺が面倒見るから」
 小指を立てられた。
「はい、指切りね、これでおばさんにも安心してもらえるよっと」
 絡んだ指ごと腕を振り回されて、うわ、これ、何、いったい。
「いい話だな、俺、裕敏なら安心。老後は一緒に住むかねぇ、うちの方が新しいから裕敏こっちに来ればいいんじゃない? すでにマイ枕置いてあるんだし」
 ニッコリされて、ますます血が上る。
 と、レンジで爆発音がした。
「泰成兄ちゃん! 卵入れただろ馬鹿!」
「あ、卵……おでんの」
 兄ちゃんはこれ以上ないくらい哀しい顔になった。馬鹿だ。
 
 だから多分、兄ちゃんは俺の赤面に気づかなかった。
 一生の約束なんかしちゃったよ俺たち。そんで、危なっかしいこの人の介護をするのはたぶん俺の方だ。
 いいじゃんそういう人生、きっともう泰成兄ちゃんも二度と寂しくない。


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