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0さん以外の人が萌えを投下するスレ
449
:
789 修復不可能の二人
:2013/10/17(木) 17:09:00 ID:a/TIT6y.
規制されてしまいましたので以下本スレの続きはこちらに。
魔法使いだとバレているからです。いつかは主人公についての記憶を消さなければなりません。
そのことを少年に伝えると少年は泣きます。
魔法使いであることを忘れるのはいい。けれど主人公のことが好きな気持ちも忘れるのか。
答えられない主人公に少年は泣き笑いして、抱き締めてくれる?と聞きます。そのあとで記憶を消してと。
主人公は言われた通りにします。抱き締めた少年の体は可哀想なほど震えています。ありがとう。ごめん。
申し訳ない気持ちで主人公は少年の記憶を魔法で操作します。
次の日から、少年は主人公のところにやってこなくなります。
廊下ですれちがっても目も合いません。声を掛けても不審がられて引きつった笑いを返されます。
八重歯ののぞく屈託のない笑顔は他の友達に向けられます。
そこで主人公は、寂しいだけでなく、苛立ちを感じます。
あれだけ好きだと言ってきたくせに。自分だけを蕩けるような瞳で見つめてきたくせに。
魔法にかけられたくらいで忘れるなよ、なんて理不尽なことと分かっていても苛立ちは消えません。
そこで主人公はようやく気がつきます。認めたくないけれど、もう修復できないけれどーー
「と、こんな感じです。ベタすぎて駄目ですかね」
「そうは思いませんが」
苦笑いする私に、青年は考えるように顎に手をあてた。
「記憶が無くなった少年に、主人公はもう一度関わってみればいいのにと思いました」
「……記憶を消した張本人なのに?」
「はい。記憶を消されても、少年はまた主人公を好きになりたいと思ったはずです」
「そうでしょうか」
青年くすっと笑った。
「魔法使いはなんでもできるのに、何もしないんですね。ヘタレ設定ですか?」
「いや……」
青年は時計を見て眉をしかめた。
「あの、話の途中ですみません。雨が止むまでと思っていましたが、約束に間に合いそうにないので行くことにします」
そう言ってタオルを頭にかける。
「ではこれで。雨宿りに貴方が居て良かった。楽しかったです。あっでもやっぱり主人公は頑張らせてみてもいいと思いますよ」
青年は、八重歯をのぞかせて笑うと雨の中に消えていった。
「……頑張らせる……か」
私はぽつりと呟いた。
指をパチンと鳴らすと、雨雲が消えて太陽が顔を出した。
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