したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

0さん以外の人が萌えを投下するスレ

41527-159 どこか狂ってる人とその彼をうまく扱える人 2/2:2013/08/04(日) 09:33:43 ID:xEIlP/PE
 今日のような状態で「帰ってきた」というだけで褒めてやってもいいぐらいだ。
 そう思って「帰ってきてくれてよかった」と言おうとすると、先にリュウヤが口を開いた。
「ケイタがそうやって言うから」
「え?」
 突然自分の名前が出てきて戸惑う。
 聞こえなかったと思ったのか、リュウヤはもう一度繰り返して続けた。
「ケイタがそうやって言うから、大事?にする。今日だって帰ってきたし」
「……だよな」

 やばい、嬉しい。
 黙々とレモンティーを淹れているように見せかけて、にやつくのを抑えるのに必死。

 どうにか零したりすることなく二人分のレモンティーを淹れ終えて、リュウヤのもとへ向かった。
「はい、どーぞ」
「ありがとう」
 リュウヤがティーカップを両手で受け取り、俺はその隣に座る。もうお決まりになった一連の流れ。
 こてん、とリュウヤが寄りかかってきた。
「ケイタ」
「なんだよ」
「俺、わかってきたかも。大事にする、ってこと」
「おお、本当か!?」
「うん」
「良かった、良かった」

 俺の反応が不満らしく、まだ何か聞いてほしそうにちらっとこちらを見る。わかりやすい奴。
「なんでわかるようになったんだ?」
 そう聞くと、ころっとニコニコし始めるリュウヤ。
「全部ケイタだって思えばいいって気づいたんだ」
「……どういうこと?」

 すると奴は、“とっておきの秘密”を喋る子どもの様に耳打ちしてきた。
「鉢植えも、水槽も、水槽の中の金魚も、石ころも、赤の他人も『あれはケイタだ』って思ったら、なんか……大事?に、できる」
 そして、一際大きくにっこりして、嬉しそうに言う。
「今日発見した。だから、今日はずーっとケイタと一緒にいたんだ」

 ……こいつは。
 ああもう、いま俺の顔どうなってんだろう。

「……大発見だな」
「うん、大発見」

 この幸せが続けばいい、なんて。
 柄にもなく願ってしまってもいいだろうか。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板