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0さん以外の人が萌えを投下するスレ

39926-949 セクサロイドとインキュバス2/2:2013/07/04(木) 17:36:56 ID:bN0kX93U
「……つまり、おまえはゴーレム、じゃない、ええと自動人形のようなものということか」
「多少の齟齬がありますが、おおむねそのような理解でかまいません」
それにしても話を聞く限り、魔の物にとって情勢はさらにやっかいなものとなっていた。
人間はカプセルという名の密封された棺桶で眠り、常に都市の監視下に置かれ、警邏の網が張り巡らされている。
弱り切った人外の物など瞬滅できる武器を、人間はとうの昔に作り上げている。
下手に寝所へ赴くと消されかねない。これからの行動を決めあぐねていると、“アルプ”が問いを発した。
「私は不具合が見つかり、このまま明日十時ちょうどに廃棄を言い渡されました。
 あなたが現れたということは、何かオーダーに変更があったのでしょうか」
堅く握ったこぶしに焼印のようなものが押されているのが目に留まった。
得られた情報は理解できないことの方が多いが、ひとまずこいつ自身に関しては人形で奴隷で淫売なんだと結論付けた。
「――ああ、そうだ。廃棄される前に案内を頼みたい。できるか」
「はい、可能ですが、私は性機能に特化された機体です。ナビならば、もっと適任が――」
「おまえとは、そういう行為をする気はないよ」
「はい……」
目覚めてからずっと柔和な笑みを保っていたが、初めて表情を曇らせた。
性行為自体はむしろ好ましいところだが、それは十分な補給があればの話だ。
こいつから精気を得られない以上、無為にエネルギーを失うことは避けたい。
とりあえず、人にまぎれるには何らかの姿をとらなければならない。
幸いにもこいつが意識を失う瞬間に、一人の男のヴィジョンが見えた。ひとまずは、そいつの姿を借りることにする。
「…………っ!」
淡い発光とともに変質させると、また落ちるんじゃないかと思うくらい、激しく身を硬直させた。
「……教えてください。あなたは何者なのですか?」
「なあに、どうしようもない淫売の仲間だよ。――さあ行くぞ」
“アルプ”の体を抱きかかえ、人間の街に跳躍の目標を定めた。また長い眠りに就くために。

――――
すみません。ご迷惑おかけしました


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