したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

0さん以外の人が萌えを投下するスレ

32524-809 武家×軽業師 1/4:2012/09/04(火) 10:59:07 ID:bxDDdcrQ
〈中世〉
高麗や唐土や天竺や波斯よりさらに西の果てから使節団が来朝した
俺は北面武士として、使節団が宿泊する屋敷の警備に当たっていた
端的に言うと一目惚れだ
使節団への歓迎の宴席で警備をしていたときだ
使節団に同行していた軽業師の少年が歌舞を演じ始めた
その美しさは言葉に表しようがなかった
髪は見たこともない白金色
瞳は秋晴れの澄んだ空の色
口さがない輩は「鬼のようだ」などと陰口を叩いていた
俺にはまさに極楽で神仏に仕える小姓の如く見えた
そして、その日の夜に警備係の職権を悪用して……夜這いした
無理矢理に向こうの獣の毛皮で織られた服を剥がすと下には雪のような肌が広がっていた
俺は夢中でその雪原に手と足と舌で跡を付けた
本当はどう考えているかは分からないが、はっきりと俺を拒んでないのも確かだった
それから連夜に渡って俺は体を重ねた
しかし、とうとうその日が来た
使節団は予定の日程を終え、故国に帰朝することとなった
明日の朝に都を離れる
やるのなら今夜しかない
俺は意を決した
少年を無理矢理に連れ出したが、すぐに気付かれてしまった
一時的な潜伏先として予定していた廃寺に潜り込んだが、すっかり周りを検非違使たちに囲まれていた
色に狂った男の末期として俺が自刃するのは当たり前だ
ただどうして自分が恋しい人をこのように巻き込んでしまったのか
「俺はこれから死ぬが、お前は全く死ぬ理由がないから生きて欲しい」
「俺に無理矢理に訳も分からず連れ出されたと言えばお前が罰されることもないだろう」
言葉が通じたかどうか分からないがそういう趣旨のことを俺は伝えた
いよいよ検非違使たちが踏み込んで来るようだ
ありがとう、一炊の夢だったが実に楽しかった
俺は小刀で首を切り裂いた
鮮血が溢れ、意識がかすみ始めた……
その最期の刹那に少年が俺が自刃に使った小刀を手に取って自らの首に刺したのが見えた


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板