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0さん以外の人が萌えを投下するスレ
26
:
19-89 共犯者 1/2
:2010/06/17(木) 00:41:20 ID:swA1qkbU
…えェ、ですから私は共犯者なんです。
藤野が?全て罪を認めると?
いいですか…イイエ、毛布なんぞ要りませんよ。飴玉?子供扱いしないで下さいよ。
水?そんなら一杯頂きます…
…フゥ。
いいですか、藤野が何と言ったかは知りませんが、私は藤野の共犯者なんです。
えェ、私は四宮の長男です…そして藤野は我が家に出入りしていた庭師です…
坊っちゃんと呼ぶのは止めて下さい。幼く見えましょうが私はもう十八です。
そうです。来月祝言を挙げる事になっていました。そしてゆくゆくは四宮商事を継がされる…
結構じゃあありませんよ。冗談じゃない。毎日ゝゝ息が詰まりそうでした。
藤野とは良く話をしました。口を利いている所を見つかりますと叱られましたので、こっそりと障子越しに話を。
イエなにという事もない話です。しかし私の知らない世界の話でした。
年もそう変わらないのに、私は世間を知らないものですから、とても興味深かった。
故郷の話も良く聞きました。山があって川があって、空の高く青い…
そんな話をしているうちにぽろりと溢してしまったのです。藤野の故郷へ行きたい、と。
丁度初めて婚約者の写真が送られて来た日でした。いや、お可愛らしいお方でしたよ。
しかしはっきりと悟ってしまったのです。
私はこの方の事を何とも思っていない、この結婚はお互いに哀れになるだけだ、と。
…いえ、もしかしたら私ははなから時機を待っていたのかも知れません。
どうした訳か、私はその時藤野も同じ事を考えていると確信していました。同じ気持ちでいると。
そして障子を開けたのです。
果たして藤野は、私と同じ目をしていました。
行きましょう、と言ってくれたのです。
家中のお金をかき集め、車を一台失敬して家を飛び出しました。
あれ程大きく見えた我が家の門が遠ざかる程に、私の心は晴れやかになっていきました。
私は腹の底から愉快でした。藤野と目が合うだけで笑いが込み上げて来ました。
藤野も見た事もない顔で笑っていました。何しろ真面目に仕事をする姿しか見た事がないのですから。
…そうです、其れが十五日…そして北へ北へと向かいました。藤野の美しい故郷へと…
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