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0さん以外の人が萌えを投下するスレ

10620-899 俺が君を壊しました1/2:2011/04/10(日) 09:36:36 ID:xn461tg2
すえた臭いが鼻について離れない。悪いのは洗うつもりもなくおざなりにシンクに重ねた食器か、30分前にしこたま掻いた俺の汗か、それとも腹に絡んでかぴかぴに乾いた白いアレだろうか。
白昼から不健全に締め切った狭い密室だ。空気が淀むのは無理もない。
 あるいは、この酷い臭いは俺達の内側が腐り落ちている証拠なのかもしれないな。

 俺は汗で湿ったシーツに背をつけて、白い粉を鼻から吸って束の間の天国にトリップする男の白い背中を眺めていた。
 くたびれて色褪せた若草色のカーテンがずれて、昼下がりの陽光が光の柱となって裸の背に降り注ぐ。太陽に暴かれた部屋の埃がキラキラと反射して、むき出しの肩甲骨の輪郭を曖昧に照らしている。
「……天使の羽だ」
 ぼんやり呟いた言葉は、俺のやさぐれた精神状態を反映してか意図せず嫌味っぽい響きになった。
 腕を伸ばして、骨の浮くうなじをくすぐると気だるい瞳が鬱陶しげにこちらに振り向く。
「羽なんてもんが有ったら、とっくに神にもぎとられてるさ」
 ……ああ、ごもっとも。
 お前はジーザスも真っ青な悪事ばかり働いた。浮気にクスリ、盗みにエトセトラ、挙げ句は男と逃避行。そう仕向けたのは俺だ。
 まっとうの更に上を行く、完璧な人生を謳歌していたお前がこうなると誰が予想できただろう。今隣にいるのが生涯を誓い合ったマリアのようなあの女ではなく、ケツの穴にザーメン引っ付けて汚れたベッドに寝転ぶやさぐれた男だなんて。


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