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臨時なのはクロススレ16

1名無しの魔導師:2013/06/21(金) 09:25:36 ID:tm2.SFooO
ここは種死&リリカルなのはクロスオーバー作品を取り扱う所です

シンが八神家やフェイトに餌付けされたり
レイがリリカルな魔法少年になったり
なのはさんが種死世界に行き、世直しをしたり
デバイス達がMS化したりその逆もあったり
キラがフルバーストでガジェットを一掃したり
アスランは相変わらず凸ていたり
他様々なIFが用意されています

・職人様はコテとトリ必須。
・職人様は荒れているときこそ投下強行。全裸wktkに勝る流れ変えなし。
・次スレ立ては950を踏んだ人が立てる事
・1000に達する前に容量オーバーになりそうな時は気づいた人が立ててください
・各作品の考察は該当スレにて宜しく頼みます
・煽り、荒らしは無視しましょう、反応した貴方も荒らしだ。

まとめサイト
ガンダムクロスオーバーSS倉庫
[arte.wikiwiki.jp]

32魔導少女リリカルなのはVivid‐SEED:2014/07/08(火) 23:04:47 ID:YRpPTBV6O
「リオは限界だろ、もうアレは」
“それは、解ってますけど。……でもここで出して、キラさんを釣るわけにもいかないんです”
「む……」

そうか、キラが生きてるってことはHPももう全快近いと。
あの戦況でリオだけがルーキー、いかに能力があろうと体力も技術も他メンバーに及ばず、スキルで誤魔化すにも時間的に限界な筈だ。誰かが加勢しないと確実に潰れるが、確かにこの混戦状態に俺とキラが参加したらそれどころじゃなくなっちまうのも正しい。
なんたってアイツの最も得意とするのは、混戦における高機動連続一斉精密狙撃なんだから……下手すりゃ形振り構わない全面衝突に発展する。
せめて状況をもう一度ブレイクしなければ、俺は出せないのかよ。
つくづくキラを討てなかったのが悔やまれる。

“ちょっといいかな、ルーテシアちゃん。いっそシンくんとヴィヴィオを出してみたらどう?”
“……囮にするって意味で、です?”
“そう。きっとキラくんは兎も角、アインハルトちゃんのHPはまだ安全域に入ってない筈だから”

そこで、俺とルーテシアの思念通信に青組司令なのはが割り込んできた。
ノーヴェ相手に思念誘導弾をしこたまブチ込みながらの提案は、キラ生存を逆手にとった内容で。確かに現状で敵に揺さぶりをかけるにはそれも一手だ。……けどそれ以上に、ヤツを倒せなかった彼女自身の失敗を雪ぐ手段みたいなもののようにも思えた。
当初の予定じゃ、最初に仕掛けた砲撃戦で、仲間を守る為に間違いなく突っ込んでくるであろうヤツをなのはが叩き潰すつもりだったから。
しかし、討てなかった。なのは自身は「ちょっと驚いちゃって、狙い逸れちゃった」と言っていたが……多分驚いたことって俺の【行動】そのものにだろうな。加えて、奇しくも俺と同じ状況だったキラの【行動】にもなんだろう。ピンチの時に同じことをしたってのは、妙に気分が悪いものだ。
次出てきたら、確実に墜とすといった意気らしい。強いってことは負けず嫌いってことだし妥当だよな。

“成程、いっそ私たちが誘導すると。……、……ルーテシアから青組各員へ! 総攻撃、集結して各個撃破を狙ってください。それから、シンさん、ヴィヴィオ!”
「おう」
「はいっ」

そして、ルーテシアは決断する。

“出撃、お願いします”
「「了解!」」

よしきた!
二人揃ってガッツポーズ。だったら善は急げ、行動は迅速にしなくちゃな。

「これって、ティアナさんを焦らせるってことですよね?」
「そーなる。俺とお前が参戦すれば次に危ないのはノーヴェかフェイトだ。だったら向こうが強引にブレイクしてくれる……それに乗ればいい」
≪リニア‐カタパルト、ヴォワチュール‐リュミエール、スタンバイ完了。射出します≫
「よし、行くぞ!」
「はい!」

背負ったヴィヴィオからの確認に答えながら、前線目指して加速を開始する。これが戦場でなけりゃ、背中に確かな存在感を主張する柔らかい物体にちょっとは何かしら思いを馳せらすんだが、ここは戦場だしな。つーか我ながら下品な思考をできるようになったもんだ……これも大人になったってことなのか。
それに相手は小学生なんだぞ。キラと違って俺はロリコンじゃねぇ。

“シスコンさんだもんね?”
「黙っとれ!」
「ふぇ!?」
「……あ、いや、悪い。独り言だ気にするな俺は気にしない」
「???」
≪クォーターライン通過≫

おっといかんいかん、つい口に出してツッコミしちまったぜ。……要らぬ茶々を入れてくれるな妹よ。

33魔導少女リリカルなのはVivid‐SEED:2014/07/08(火) 23:06:16 ID:YRpPTBV6O
っていやいや、そんなことはどうでもいいんだ、重要なことじゃない。問題は俺達が前線に確実に近づいてるってことだろ。流石にデスティニーの最大速度は凄まじく、あっという間に戦いの様子を目視できるようになる。
……どうやらノーヴェ相手に追撃戦を仕掛けているみたいだな。赤組は後退中だ。なら、もうアクションがあってもいい頃だが……

“スバル・ナカジマから青組各員へ。ティアが姿を消しました。多分一撃狙ってるものと思われます! 警戒を!”
“うん、報告ありがとうスバル。あと、キラくん出撃したみたい……ルーテシアちゃん?”
“ビンゴ! なのはさんは所定の位置へ、相殺お願いします。シフトE!”
“了解!”
“シンさんはそのまま上空に待機してください”
「わかった」

動いたか。
キッカケはティアナ……予想通りデカイのを撃ってくるようだ。そう、予想通りに。消耗した状態で敵の増援と敵の密集が重なれば、否が応でも距離をとりたい筈だから。
その為のシフトE、前線にいた青組全員が撹乱しながら四方八方に散り、なのはが後退して砲撃体勢、ルーテシアが前進して防御体勢をとる。これに対し赤組は追撃せず、同じように前線を離脱していく。
まるで、蜘蛛の子を散らずかのような一目散っぷり。ものの数秒でバトルステージから戦いの音が消え失せた。

「赤組のみんなも離脱していきますね」
「向こうも戦いっぱなしだった奴らを下がらせたいだろうし、狙いは一緒だ。けど」
「けど?」

嫌な気配が全身に纏わり付く。
錯覚でなく震える大気は、塵のように世界に遍在する魔力素と、今までの戦闘で戦場に散布されていた魔力の大移動を意味していた。二方向、なのはとティアナに向かっての。
かくして、状況はブレイクされた。このままなら、それでおしまいになる筈だ。
しかし、

「二人共あくまで、攻撃の手は緩めないと思う」
「……え──」

そう呟いた瞬間、


世界が光に包まれた。




◇◇◇




『スターライト‐ブレイカー』。
究極的な破壊力と攻撃範囲を有する集束型砲撃は、集束型の名の通り、大気に散らばっている魔力をも集めて取り込んで纏めて射出する必殺魔法。オリジナルは高町なのはのものであり、受け継いだのがティアナ・ランスター。
シフトEは、この二人のブレイカーが激突する展開を想定して実装されたフォーメーションであり、その後の行動指針を含有した計画表だった。

「やぁヴィヴィオちゃん、シン。久しぶり」
「吃驚しましたね」
「あ、キラさん。アインハルトさんも……、久しぶりですっ」
「そう、だな。まさかこうなるってのはなぁ」

だったのだが、ねぇ?

「いや、でも流石にびっくりしたよ。まさか前線にいたみんなが撃墜されるなんてさ」
「同感だよホント……なんで巻き込まれるかなぁ」
「あ、あはははは……」

予定なら。青組と赤組の予定なら、ブレイカー同士の激突にお互い人的被害はなかった。
だって同程度の魔法の激突がお互い判っていて、踏まえて仲良く離脱したんだから。んで俺はリオを保護し、なのはは最後の切り札の準備をするつもりだった。赤組も大体同じつもりだったろう。
しかし予定外なことに、ブレイカーの化学反応とでも言うべき現象が起きてしまったわけで……


混ぜるな危険。どこか所帯染みた注意文が脳裏を掠めた。


世紀末を彷彿させる、融合した桜と橙の光の塊はどこまでも膨らみ続け、離脱して待機状態だった者達を例外なく呑み込み、撃破してしまったのだ!

34魔導少女リリカルなのはVivid‐SEED:2014/07/08(火) 23:07:23 ID:YRpPTBV6O
撃った本人達も呆然、撃たれた者達も呆然、これなんて最終戦争? とぼやきたくなる惨状に暫く動ける者はいなかった。
誰にとっても予想外。生き残りはに全力で上方に逃避した俺withヴィヴィオとキラ。後方にいたアインハルトとなのは、フェイト、キャロとたった7人で、ついでに言うとキャロはたった今なのはに墜とされた。
状況、3対3。

[うぅ。そんなー]
[なんつー締まらない結末……!]
[完全不燃焼って感じねぇ]
[あと任せたわー、頑張ってー]

通信魔法を介して響く、完全に巻き添えを食った戦士達の嘆き(?)の声に思わず脱力してしまう。
光が収まった後にゆっくりと俺達のとこまで飛んできたザフト白服姿のキラと、キラに背負われていたアインハルトも同様、あんまりな光景にお手上げなようで。
実質戦闘中だというのにこうしてゆったりと話ができるぐらいには、なんとも気が削ぎれる間抜けな結果だった。戦闘ってのは不条理と不測の事態の連続であって、予定通りにことが運ぶことはないと解っていても、やっぱりこんなんじゃな。やるせない儚さに身を委ねちまっても仕方ないよなぁ。

「でも、関係ないか。俺達には」
「そうだね。僕達は戦うだけだから」
「シンさん……?」

ああそうだな、実はこんなの俺達には関係ないことだった。
キラの言う通り、目的達成に他のメンバーの状況などどうでもいいことで、お互いを高め強くなる為に、ただ戦うだけだった。
むしろこの状態は歓迎すべきことなのかもしれない。

「なぁ、ヴィヴィオ降ろしてきていいか?」
「勿論。てか僕も降ろしたいし。……二人もフェイトもそれでいい?」
「あ、はい」
「わかりました」

これ以上の作戦行動に意味はない。
子ども達の同意に、通信モニター越しにフェイトは困ったような笑顔で、なのはは何処かさっぱりしたかのような笑顔で賛同する。

[仕方ないよこれじゃあ。……結局、因縁持ち同士の1対1になっちゃったね]
[にゃはは、思い通りにはいかないものだねー。でも、久しぶりにフェイトちゃんとサシで戦えるのは良い機会かも]
[もう、なのはったら]

まったくだ。折角のチーム戦もここまでお互いがズタボロになっちゃ機能しない。みんな同じ考えだからこそ、個人戦に傾倒する。
俺だって本当に久しぶりに、他の邪魔もなくキラと1対1で戦えるのは願ったり叶ったりだ。意外かもしれないが、あのメサイア攻防戦以降にちゃんと戦ったことなど無いのだから。
想定外と言えど、この試合で最高の素材を見つけられたならば、あとは戦えるだけ戦うだけ。

「なのは達が動いた。僕達も」

言葉は交わさずに、なのはとフェイトは西の方へ飛んでいく。彼女らは彼女らの戦域を求めたのだろう。なら子ども達の戦域は中央、俺達は東だ。尤も、それが遵守されるわけじゃないけど、一応。
俺は先行くキラwithアインハルトに追従し、大地を目指す。

「どうでしたか、アインハルトさん?」
「え……?」
「この戦いです。まだ訊くには早いかもですけど」

唐突に、けど自然にヴィヴィオがアインハルトに質問した。端から聞けばなんてことないこと、しかし少女にとっては大事なことのように思えた。
初めてのことばかりだったけど、楽しかったですかって。敵である彼女に正面から訊いて。
対して彼女は、スッと瞳を閉じ、胸の前で何かを掴み取るかのように拳を握り、穏やかに答える。

「ああ……、……本当に、色々と勉強になりました。まだまだ至らぬこの身、未知の戦術、未知の領域……私の世界の可能性を知ることができました。本当に、ありがとうございます」

35魔導少女リリカルなのはVivid‐SEED:2014/07/08(火) 23:08:16 ID:YRpPTBV6O
「まだまだこれからですっ。そりゃ集団戦は終わっちゃいましたけど……、……アインハルトさん、わたしとの1対1、受けてくれますか?」
「はい。喜んで……!」

背負われたままのヴィヴィオとアインハルトの交わした微笑ましいやり取りに、思わず笑みが溢れる。初めて区民センターで会った時よりもずっとずっと良い表情をしていて、少女もまた一つ大人になったのだと思う。
その思いを、今は力に変える。
だから、大地に到達して、二人を降ろして。キラはヴィヴィオとアインハルトの頭を撫でて、俺は二人に拳を突き出して、そうして数歩離れて。
離れて、感傷を棄てた。

「じゃあ、俺達も」
「やろう。全力で」


【SEED】を覚醒させて、【極光の翼】を広げて、俺達は対峙する。


「……!」
「……綺麗……」

子ども達の驚く豹、ふと溢れた感想も、もはや届かない。既に他人は意識にない。
俺達の意識は唯の一つに。


俺の意識はキラの翼に。
赤色の粒子を吹き散らす、白色を滲ませた、底の見えない深い蒼色の魔力翼に。


キラの意識は俺の翼に。
菫色と白色を取り込み、鮮やかでありながら禍々しい、二重の紅色の魔力翼に。


俺達の。いや、人類の業を顕した罪深くも美しい翼に。どうしようもなく、釘付けにされる。
これは【人の魂を喰らった証】──複数のリンカーコアが織り成す奇跡なのだから。

「いくよ……!」
≪シュペール‐ラケルタ転送≫
「こいよ、キラ・ヤマトォ!!」
≪アロンダイト展開≫

逃れられないと解っているから立ち向かう。
俺達は、飛翔する。




◇◇◇




全てはエヴィデンスの掌の上で踊らされた、破滅へと向かう呪いなのだと、かつてクロノは評した。
キッカケは、ジョージ・グレンが地球に持ち帰った羽鯨の化石『エヴィデンス01』。これによって人類は暴走したのだ。
狂喜と狂気の果てに、鯨の遺伝子情報体を無作為に胎児に埋め込んでみるなどという、想像を絶した行いを実際にやってしまった科学者達のせいで産まれた者達──【SEED】を持つ者──が、種の存続を賭けた戦争の時代を戦い生き抜いて。その身に秘めた力を解放してしまって。
今やエヴィデンスの苗床として、次元世界から消え去ろうとしている世界で。


俺達の中には、自分のモノだけでなく、幾つもの魂が存在している。


それは【SEED】がエヴィデンスの能力を一部継承しているから。
エヴィデンスは、あらゆるモノを魔力に変換し、己の糧とする能力を持つ。それは物質だろうが霊的存在だろうが環境だろうが何だって問わない。そういうものだ。
この能力があったからこそ、俺達は戦争を生き抜くことができたと言ってもいい。特にキラの例が分かりやすいか。
考えてみろ。【SEED】の能力は長いこと、保有者の反応速度や演算能力といった神経系に関する能力を一時的に、飛躍的に上昇させる因子だと考えられていたが、つーかそんぐらいしか判らなかったのだが、それじゃ説明がつかない点が幾つもあった。


まず、そもそも、常識として。
そんな能力があるからといって先の大戦で、素人のキラ・ヤマトが4人のザフト赤服相手に生き残れた訳がないんだ。宇宙コロニー・ヘリオポリスが崩壊し、偶然連合のMS・ストライクに乗ることになって。それからずっとザフトのエリート部隊だったクルーゼ隊に追いかけられて何故無事なのかだ。
これは後の時代で検証したことだが、キラの母艦アークエンジェルが第八艦隊と合流する直前の戦闘の時点では、アスランらの実力は確実にキラの上をいっていたという。

36魔導少女リリカルなのはVivid‐SEED:2014/07/08(火) 23:09:20 ID:YRpPTBV6O
己の機体に慣れ、連合のストライクに対する油断を捨て、全力で襲いかかった。そして最高のコーディネイターといえども、素養があったと言えども、当時のキラにそれを退ける実力も運も仲間も無かった。
そんな状況を、たかだか頭の回転が速くなった程度で切り抜けられる訳がないんだ。しかし事実キラは【SEED】で乗りきった。のみならず、ソレをキッカケに操縦技術を大きく向上させた。敵の気配を少し感じられるようになったのも、この頃からだと言っていた。
つまり、真実は。


キラは【SEED】を利用して無意識に、敵パイロットの実力をコピー・吸収し、また四面楚歌を常とする戦場という環境も吸収したのだ。
吸収していって、強くなった。


俺にも似たような経験が幾つもある。頭の中がクリアになって、何故か急に強くなったような感覚は確かにあった。
これは仮説だが、リンカーコアとリンクしているエヴィデンスの遺伝子情報体が、身体的・精神的要因により保有者の生命活動が著しく低下した際に、自己保存の為に活動を開始したのではないかとデュランダルさんは推測している。
そして、己の意思で発現・制御しているうちは、吸収能力は抑られているのではと。


俺達は、エヴィデンスに生かされていた。


だからこそなのか、俺達は無意識に、死者の魂とそのリンカーコアを取り込んでしまっていた。
そして、取り込んだ魂の中でも特に近しく、強い意思をもつ者は自意識を形成した。
だから、


俺の中には、
レイ・ザ・バレルが、
ステラ・ルーシェが、
マユ・アスカが。


キラの中には、
ラクス・クラインが、
フレイ・アルスターが、
ラウ・ル・クルーゼが、
トール・ケーニヒが、


間違いなく、明確に存在している。
魂があって、意識があって、揺蕩っていた。
彼らと話せるようになったのは、彼らを認識した日からだった。あの日、ヴィヴィオとアインハルトの練習試合があって、キラとクロノに真実を教えられたあの日。
そうして一時塞ぎ込み、八神家のみんなに心配をかけてしまったのは記憶に新しい。
だってわけがわからない。
なんでそんなことに。
理不尽すぎて、頭がどうにかなりそうだった。自分の身体のことも、消滅する世界のことも、内に在る魂なことも、なにもかもが。


どうしようもなかった。


確かに、また逢えて言葉を交わせるのは嬉しいかった。
ステラやレイやマユには、どうしても謝りたかった。
だけどそれ以上に。人殺しである自分から死別すら奪われ、彼女らが未だこの世に縛られている現状が、どうしようもなく悲しくて。
なにより、あらゆるものを奪われた俺達から、死を奪われるのは我慢ならなくて。
戦争だから仕方無い、生命はいつか死ぬ。そんな言葉で片付けられるほど命は軽くない。そんな命が、戦争で死んだ命が、ココに在る。


止めてくれと叫びたかった。到底許せるものではなかった。


何故、昔の学者はこんな巫山戯たモノにSEED──種子──と名付けたのか、今となってはわからない。
もしかしたら単に、一時期学会で発表され議論されたSEED──優れた種への進化の要素であることを運命付けられた因子──理論に当てはめたかっただけなのかもしれない。
だけど、こんなモノが花咲く未来なんて、こんなモノで進化する人類なんて、俺達は認めない。
絶対に。
だから俺達は……


こんな運命は壊してやろうと決めた。


強くなって、あらゆる素材を利用して、システムG.U.N.D.A.Mを用いて最大限の悪足掻きをしてやる。
復讐みたいなものだ。意地みたいなものだ。

37魔導少女リリカルなのはVivid‐SEED:2014/07/08(火) 23:09:50 ID:YRpPTBV6O
はいそうですかと、せめて俺達が生きたあの世界だけは簡単に消させるものか。あんな糞みたいな世界でも。目標の為なら死者も利用する異常者になってでもだ。
幸か不幸か、【SEED】の内に在る強い魂のリンカーコアは利用可能で、力を解放すれば物質を【喰う】ことだってできた。
これを、純粋な力と見なして。今までの全てを棄てて。


俺達は、再び力を得ることを選んだ。
世界の為でもなく正義の為でもなく、見知らぬ誰かの為でもなく、自分自身の為に。






──────続く

38凡人な魔導師:2014/07/08(火) 23:13:09 ID:YRpPTBV6O
以上になります。

このSSは実は、作中にあった極光の翼をやりたいだけで始めたものでした。
フリーダムの赤い粒子や、デスティニーの青い残像を魔法で再現するにはどうしたらいいのだろうと考えていたら、複数のリンカーコアを持てばいいじゃないと思い至ったのです。
魔法光は一つのリンカーコアにつき一種類で、色偽装は実戦では大して使われないだろうなーと。その為になんだか壮大っぽい設定を造ってしまったのは中二病のなせる業でしょう

私は先に報告した通り、別スレにて続きを書かせてもらうことになりました。実質スレを独占化してる居心地の悪さのようなものもあり、どうにもモチベーションを保てなくなってしまったこともあるかもしれません。
今まで感想ありがとうございました。できればこれからもそれなりに読んでくれると嬉しいです

39名無しの魔導師:2014/07/11(金) 08:23:05 ID:efqGism60
GJ、またいつでも戻ってきてくださいね

40kiki ◆8OwaNc1pCE:2014/08/23(土) 18:41:59 ID:6w3GP8XE0
仕事を始めるとマジで時間ない…そんなわけで筆停止してたけど作者さんがいなくなるのは痛いな

41名無しの魔導師:2015/01/01(木) 22:36:20 ID:dqjz16Q60
皆さん行ってしまわれたのか。
とりあえず乙です!

42名無しの魔導師:2016/04/15(金) 20:37:58 ID:UILURpZ60
もう誰もいないのか!?
シンアスカ×魔法少女リリカルなのはがよみたい!よみたい!

43 ◆fXXPLD879U:2016/07/11(月) 20:39:34 ID:EUaCa3zU0
まだだれかいるんだろうか……
何事もなければ次の日曜あたりに投下します……
新人です

44 ◆fXXPLD879U:2016/07/17(日) 19:49:36 ID:VHZXILBk0
青がある。海だ。
その中に浮かぶ緑の点。
太平洋に位置するオーブ連合首長国だ。
ひときわ大きな本島、その外縁を走るグレーのライン。
オーブのルート25、島と海を分ける外縁車道だ。
朝の寂しげに空いた道を一台のバイクが走っている。
サイドカーのついたそのシルエットはこの国では珍しいが乗っている人間もまた異様なものだった。
青年がひとり、少女がひとり。
青年は軍人だ。ただしオーブの人間ではない。
宇宙に浮かぶコロニー国家プラントの軍人「ZAFT」の者だ。
少女は見た目こそ当たり障りが無く見える。栗色の髪、野葡萄色の瞳、バイクに乗るのにちょうどいい服装と装備をしている。
しかしこの少女こそが特異なのだ。
彼女こそは時空管理局所属の魔導士、ありていに言えば「異世界人」なのだ。

青年がバイクを止め、二人が長い階段の前に降り立つ。少女は慣れていないのか少しもたついた。
目の前の階段の先を二人が見上げる。木々が生い茂り見通すことは出来ない。
「あの向こうか?」
「はい」
青年の問いに少女が答えると、青年はそれきりどんどんと階段を登り出した。
少女は慌てたようにそれに続いた。

45名無しの魔導師:2016/07/31(日) 09:49:27 ID:qi15GV8U0
久しぶりに覗いてみたらまさかのSS投下とは
こんなに嬉しい事は無い・・・
出来たら続きをお願いします

46 ◆fXXPLD879U:2016/08/06(土) 20:04:18 ID:bK.yipe.0
「本当についてくるんですか?」
少女――高町なのはは半ば懇願するように青年――シンアスカに尋ねた。
シンは足を止めない。これは足場が急で立ち止まると危険だと思ったからであるが、なのははこれを拒絶と受け取った。
空気を察したのかシンは口を開く。
「今のところ君を一人で行かせるつもりはない」
シンは続ける。
「君、一人で突っ走るタイプだろう。俺がついてこなかったらそのまま自分だけで最後まで探そうとどっかに行くだろうと思ったんだ」
「一晩泊まるほどの金も持ってない女の子を放っておくほど人でなしじゃないぞ、俺は」
あくまで譲らないシンの態度に、なのはこの時は諦めたように小さく息を吐いた。
これまでもこのようなやりとりは何度も行われ、また今後も幾度も起こるのだが、それはまた別の話である。
ともかくこの時の言い合いはシンの粘り勝ちだった。

「この上には何があるんですか?」
なのはは意識をロストロギアに切り替える。
「確かハウメア神殿の分社だったっけな、詳しいわけじゃあないけど。ここからじゃ本島の神殿には遠いから季節の行事とかはここでやるとか」
なのはにも連想しやすい場所だった。しかし今上から感じる魔力の質は故郷を思い出し、懐かしんでいられるほど余裕をもてるものではない。

47名無しの魔導師:2017/02/25(土) 03:17:01 ID:75dc0RdwO
久しぶりにきたら…
最後の投下から半年以上たっていたのか
来るのが遅すぎたなぁ


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