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夢の途中(やまちね短編集)

23カナ:2011/10/31(月) 17:39:31
「……本当に食べちゃうから」
「別にいいよって言ったら?」
「……涼介のばか。もう、知らないから」
 恋ではない。そんな綺麗な感情は、はじめからお互い別の場所に捧げたままで、体の底から突き上げてくる欲望のままに肌を重ねる。
 知念は、俺を見ない。俺も、あいつのことを見ていない。だから、俺たちは二人でいられるんだ。

「あっ、・・・んっ、ちょっと待って」
 知念の懇願に煽られる。
「やだ。待てない」
 どんどん深くなるキス。俺の身体を押し返す力の弱さに煽られた。
 知念
 知念
 もっと、もっと。もっと、
 もっと、俺を欲しがってよ。
 俺たちをつなぐのが、かなわない相手に焦がれながら目の前の相手を欲するというこの不実さだけだとしても。
 絶頂がすぐそこまで迫っているという予感のなかで、俺は裕翔くんのことを考えていた。知念と目が合う。知念の目は、俺を通り越して圭人を見ていた。


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