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肥満化小説・肥満化絵投下スレッド その3

1名無しさん:2013/03/03(日) 11:21:45 ID:.5M1ZTCQO
肥満化小説や絵を投下したい方へのスレです。
作品の感想などもこちらへどうぞ。

643名無しさん:2014/02/06(木) 08:16:56 ID:N1AUvrAU0
乙でした!
一気に読めたしハッピーエンドでよかったです。

肉風呂って実際あればはいってみたいですねー

644名無しさん:2014/02/06(木) 22:36:16 ID:TTqsZ2jw0
乙です!
肉塊化なのにポジティブなのがイイ!
しかし肉風呂の発想は無かったw

645名無しさん:2014/02/07(金) 01:53:55 ID:Wnd45KLs0
ポジティブなのいいんだ…わりと理解不能

646名無しさん:2014/02/07(金) 21:47:48 ID:rc106DjU0
俺は、ある程度まで抵抗して途中から吹っ切れて躁状態になる展開が好み。
シチュエーションの好き嫌いなんて人それぞれさ。ポジティブでもなんでもいいじゃない。

647名無しさん:2014/02/07(金) 23:10:26 ID:GBD0eFHE0
吹っ切れちゃう子も絶望しちゃう子も
どっちも大好き!!www

648 ◆t3E9hfR0Bc:2014/02/09(日) 00:00:24 ID:4jjaqMZA0
29の日ですからいつものです。
よろしければどうぞ。

ttp://www1.axfc.net/u/3166824.zip
パス:himanka

649名無しさん:2014/02/09(日) 01:05:06 ID:muGRzJBE0
これは嬉しい不意打ちw
しかし503で落とせない…空いている時間まで待つとするぜ

650名無しさん:2014/02/09(日) 13:34:34 ID:s6Bo0S3.0
乙乙
ハッピーエンドもまたいいものだね

651名無しさん:2014/02/09(日) 14:22:58 ID:UswwbdL60
乙です!ほっこりしました!

29の日に便乗して久しぶりにSS投稿!
かなり昔に書いたやつの焼き直し駄文ですが御目汚し失礼します。

昼下がりのある日。
目的もなくぶらぶらと町を歩いていると、古ぼけた看板が目に飛び込んだ。

『なんでもあります 骨董品 ふるふる屋』

漢書体の太い字で書かれた店名。金属の錆び具合から判断すると相当昔に作られた看板のようだ。
店先には日に焼けた古書だの埃を被った茶碗だのが無造作に積み重ねられていた。

暇を持て余していた俺は、その店のノスタルジックな雰囲気に興味を惹かれた。
何か面白い堀出し物があるかもしれない。

俺は勇気を出して店内に飛び込んだ。
黴臭い空気が鼻をつく。

店の中は外とは違って意外と整理整頓されていた。
危ういバランスを保ちながら天井まで物が積み上げられている。

その景観に少々圧倒されながらそれらを眺めていると、ふと声をかけられた。
「あら、お客さん?」
店の奥から店主らしき若い女性が近づいて来た。
24、5歳だろうか。栗色に染めた髪を首の後ろで束ねている。

「あなたのような若い男性が骨董品屋にくるなんてめずらしいですね」
「あ、いや。面白そうな店だな、と思って。ははは」
「ふふ、看板にたがわず、私の店はなんでも取り揃えていますよ。あなたが欲しいものならなんでも、ね」

にこりと微笑む女性。
「なんでも」とはずいぶん大きく出たものだ。
丁度刺激が欲しかった俺は彼女を少しからかうことにした。

「なら……魔王を呼び出す本をください」
「ふざけないでください」と怒られるか「それはちょっとおいていません…」と困惑されるかどちらかと思ったが、
女性はこくんと頷くと店の奥に引っ込んだ。

「まさか、本当に持ってくるはずはないよな」
魔王なんて漫画の中だけの想像上の存在のはずだ。それを呼び出す本などあるわけがない。

爪を噛みながら待つこと数分。
女性は分厚い本を抱きかかえて戻ってきた。
「この本を所望されたお客様はあなたが初めてですよ。『ヤギでも分かる召喚儀式 魔王編』です」
おそらくは売り物であろうサイドテーブルの上に、女性はどすんと本を置いた。

革表紙の薄汚い本だった。
灰色の表紙にはミミズがのたくったような文字が刻印されている。
触れればいまにも音を経てて崩れそうなほどページが風化している。

もっと魔王が出てきそうなオーラとか感じるかと思ったが、どうみてもただの古本だ。
「インチキくさいな」
「正真正銘の本物ですよ。今ならセール中でたったの1000円!」
彼女は嘘をついているようには見えない。眼差しは真剣そのもの。

まあいいだろう。
偽物だったとしても(十中八九偽物だろうが)話の種になる。
インチキ骨董品屋に騙された話として飲み会の席での肴が一つ増えるだけだ。

「分かった、買うよ」
俺は財布から千円札を取り出し、女性に手渡した。
「まいどありがとうございます!」

重たい本を抱えながら、俺は店を出た。

652名無しさん:2014/02/09(日) 14:24:30 ID:UswwbdL60
早速、自宅のアパートに帰って買った本を開いてみた。

意外にも分厚い割には内容は薄かった。
表紙にも書かれていたミミズ文字がページ上部に数行書かれており、その下にはエジプトの壁画のような挿絵が描かれている。
これなら文字が読めなくても挿絵で召喚方法が分かるというわけだ。

俺は挿絵から判断して儀式の段取りを整えた。
1.魔方陣を床に書く(大家に怒られるので後で消すことができるペンを使って)
2.鶏の心臓をすりつぶしたもの・蛇の生血・マンドラゴラのエキスを混ぜ合わせる
  (手に入らないので、それぞれハツの焼き鳥・マムシドリンク・大根の煮汁で代用)
3.2のスープが入った小瓶を魔方陣の中央に置く

これで準備完了。
そして魔方陣の外に座り、呪文(発音が分からないので適当にそれっぽく)を唱えた。

すると、魔方陣の中心、何もない空間から紫色の火花が散った。
火花は次第に人の形を取り、輝きを増していく。
眩しさで目がくらんだ次の瞬間、魔方陣の中央に一人の女性が腕を組んで立っていた。

赤い目で褐色の肌をした美女だ。
体にぴっちりとフィットした露出が多い服を着ている。
そのおかげで彼女が巨乳であり、立派なトランジスタ型体型をしていることが分かった。

「貴様か、私を呼び出した人間は」
美女はくわっと口を開けて威嚇した。八重歯がぎらりと光った。
「ほ、本当に魔王!?」
「いかにも。私こそ魔界を統べる王、アニス様だ」

アニスと名乗った美女は組んでいた腕をほどき、俺を指差した。
「して、そこの人間。私を呼び出した理由を答えよ」
「えー…っと」
暇つぶしです、とか言ったら確実に怒るよな。

「そうですね、魔王がどんな姿なのか見ておきたくて。えへへ」
「そうか、下等な人間にしては良い心がけだな。どうだ、美しいだろう?」
ファサ…と長い髪をかきあげた魔王様。
「は、はぁ…」
「それでは、私の美貌を目に刻んで、死ね!」
「!?」

アニスが手の平をこちらに向けると、その先に紫色の光の玉が生じた。
もしかしてこれってエネルギー弾というやつでは?

紫のエネルギー弾は空中放電しながら着実に大きくなっていく。
「たかが人間の分際で私を呼び出すとは身の程をわきまえよ。塵芥にしてやろう!」
「わぁぁ! ちょっとタンマー!!」

目を細めた瞬間、エネルギー弾はしゅるしゅると消えてしまった。
「あれ?」と声を上げたのはアニスだった。
「ど、どうしてだ? なぜ魔力がなくなっている!?」
慌てふためく魔王。先ほどまでの威厳が光の速さで消し飛んだ。

「あ、そういえば貴様、どういう方法で私を呼び出した!?」
アニスは床に書かれた魔方陣と儀式に使ったスープを見つけて驚いた。
「なんだこの魔方陣は!? 書き方がめちゃくちゃではないか! 召喚材料に至っては適当なもので代用したな!」
「だってマンドラゴラなんて手に入らないんだもん(笑)」
「正規の方法で召喚しなかったせいで魔力がすっからかんだ! 自力で魔界に帰ることすらできない!」
「えーと、つまり?」
「今の私はただの人間と変わりない…ごく普通の女の子だ」

しゅんと座り込むアニス。意外と打たれ弱いんだな、魔王様。
「こうなったのも貴様の責任だからな。魔力が回復するまで面倒を見てもらうぞ!」
「ええ〜!?」

こうして魔王と俺の変な同居生活が幕を開けた。

653名無しさん:2014/02/09(日) 14:26:13 ID:5jRtSmpI0
しえん

654名無しさん:2014/02/09(日) 14:27:15 ID:UswwbdL60
「というわけで、これからよろしく頼むぞ」
アニスはソファにどっかりと座ると、大仰に足を組んだ。

「取りあえず、魔界に帰るために十分な魔力が溜まるまで世話になる」
「魔力が溜まるって…どうやってやるんだよ? 力めば溜まるのか?」
「そんな便秘の解消法みたいなやり方で溜まるわけがないだろうが!」
思いっきりひっぱたかれてしまった。見た目は女の癖に力は強い。

「魔力とはいわば我ら魔族の体力。それを回復する方法は人間と同じよ」
ズビシ!と無意味に指を差すアニス。
「すなわち、食って食って食いまくることだ!」
「へ?」
「ということで、おい人間。私に食い物を持ってこい!」
「ベヒーモスのステーキはないのか? 魔界鮫のフカヒレでもいいぞ」
「人間の世界にそんなものあるわけないだろ…」
今、冷蔵庫に残っているのは昨日食べた野菜炒めの残りくらいなものである。

体型は細いが言動から察するにアニスは相当な大食漢のようだ。
そんな奴の胃袋を満たす料理を作るなんて俺には物理的にも経済的にも無理…。

そこまで考えて、俺はふと妙案を閃いた。
「なあ、アニス。外出することになるがいいか?」
「外へ出て食べるのか? 腹一杯食べられるのなら構わんが」
「ああ思う存分食べられるぞ」
アニスはきょとんと首を傾げた。

655名無しさん:2014/02/09(日) 14:28:29 ID:UswwbdL60
俺とアニスは家を出た後、目的地に向かって並んで町を歩いていた。

さすがにアニスを召喚時の服装で出歩かせることは俺が気恥ずかしいため、
押入れの奥にしまってあった私服の中から大き目のパーカーとジーンズを選んで着替えさせた。
それでも長身かつド派手な体型のアニスには少しきつめで、胸や尻のラインが衣服の上からはっきり分かる。

若い男とグラマー美女の二人連れ。
すれ違う人々は好奇の視線で俺達を眺めている。
そんな視線を気にも留めず、アニスは俺に尋ねた。
「なあ、これから行く『いんふぇるの』とかいう店はどういうところなんだ?」

アニスが言う『いんふぇるの』とはバイキング形式のレストラン。
最近近所にできた店で、3000円払えば中華・洋食・和食・デザート食べ放題という店。
『いんふぇるの』が開店した時、店の前で店員から無料券を配られたが、一人暮らしだった俺には行く機会がなかった。
しかし、ようやくその無料券が活躍する時が来たというわけだ。

「金を払えばその場にあるもの全部食べられるんだ…っと、着いたぞ」
俺は『いんふぇるの』と書かれた看板が掲げられた建物の前で止まった。
レンガ造りの一軒家。なかなかオシャレな外見だ。

店内に入ると、男の店員が駆け寄ってきた。
「何名様でしょうか?」
「大人2名で」
店員に無料券を手渡した。

店員に案内されて、2人掛けの席に着いた。
店は繁盛しているようで昼間だというのに家族連れで賑わっていた。

店内の中央には様々な料理が湯気をたてて所狭しと並べられていた。
それを見てアニスはじゅるりとよだれを垂らした。
「おい。あれ、全部食べていいのか?」
「いいよ…って、ちょっと!」

俺の返事を聞かずにアニスは猛ダッシュで料理に向かった。
「肉に魚に…選り取り見取りではないか!」
「これはなんだ?」とか「珍妙な品だな!」とか大声出して驚きながら料理を皿に取り分けていく。

周りの客からは失笑が聞こえたがそんなことはお構いなし。
大好物を目の前にした子供のように目を輝かせて席に戻ってきた。

鍋の蓋ほどもある大皿の上にはスパゲッティやらステーキやらピザやらカロリーの高そうな料理が山を形成していた。
「これほどの豪華絢爛な食事、魔王城の晩餐会ですら出なかったぞ」
おそらく冷凍食品を解凍しただけであろう、一山いくらのピザにかぶりつきながらアニスは大層喜んでいる。

「そんなに食べきれるのか?」
「んぐ…魔王の胃袋を舐めるでない。はぐっ…魔界の大食いコンテストで優勝したこともあるのだぞ」
「喰うか喋るかどちらにしろよ…」 
「ごきゅっ…ごちそうさまだ。次いくぞ!」
呑み込むようにして皿の上にあった料理を全て平らげ、アニスは料理に突進していった。
その逞しい(?)後ろ姿を見ながら俺は大きなため息をついた。



「またの来店をお待ちしております」
会計を済ませた後、店員に見送られながら俺達は『いんふぇるの』を出た。
「いや〜、食った喰った。それにしてもあの店員、なんだか元気がなかったな」
「そりゃ、店の料理をほとんど食べられちゃ泣きたくなるだろうよ」

結局、アニスは数回のおかわりで店の料理を食べ尽してしまった。
無料券を使ったので、店にとっては大赤字だろう。
「また来よう、な!」
呑気に笑いながらお腹をさするアニス。

呆れながら、ふと俺はあることに気が付いた。
「お前…食事する前よりも腹が膨れてないか」
食事する前はダボダボだったパーカーの腹部がぽっこりと盛り上がっている。

「ん? まあかなり食べたからな」
と、ベルトを緩めた。
「しかし、このくらい何の問題もない。食べたものは魔力として吸収されるから私は太ることはないのだ」
爪楊枝を咥えながら「ワハハ」と笑うのだった。

656名無しさん:2014/02/09(日) 14:30:25 ID:UswwbdL60
続きは後日投稿いたします。お付き合いいただければ…

657名無しさん:2014/02/09(日) 14:57:25 ID:elxMTUR20
乙乙
最後のセリフがもうフラグにしか思えなくて楽しみだw

658名無しさん:2014/02/09(日) 16:07:25 ID:iOzYv2do0
おふとりとも、、じゃない
お二人とも楽しく読ませて頂きました。

縦読みとはなかなかワロスです

659名無しさん:2014/02/09(日) 17:20:45 ID:UswwbdL60
コメントありがとうございます!
続きです。

翌朝。
俺はアニスの叫び声で目を覚ました。

「なんじゃこりゃ!?」
「朝っぱらから五月蠅いな。どうしたんだ」
「これ…」

アニスがパジャマをたくしあげると、そこにはズボンの上に贅肉がのっていた。
電話帳くらいの厚さの柔らかそうなお肉が一段、ふるふると震えている。

「まさか、一晩で太ったのか?」
「その…ようだな。朝起きたら腹に脂肪が…」
「肝心の魔力は溜まったのか?」
「10%くらいか。あれだけ食べたのに魔界に帰るには全然足りん」
「人間界の食べ物は魔界とは違うからかな?」
「た、多分そうだろう。人間界の食材は魔族向けではないのだ。食べた内の何割かしか魔力に変換されぬらしい」
「そして残りは脂肪となって体につく…と」
アニスはプルプルと体を震わせてる。

なんというか、皮肉な運命である。
魔力を溜めるためには食う量を増やさなければならない。しかし、それは確実に太ることを意味するのだ。

「おい! 私はどうしたらよいのだ!?」
涙目になったアニスは俺の胸倉を締め上げはじめた。
「ぐ、ぐるじい…。げほっ、取りあえず、運動すれば痩せるんじゃないか?」
「運動?」
「近くに公営のスポーツセンターがあるからそこに行こうぜ」


途中、スポーツショップでアニス用のウエアを買い、スポーツセンターに向かった。

お互い更衣室で運動用のウエアに着替え、トレーニングルームで待ち合わせる。
先に着替えてしばらく待っていると、黒の速乾Tシャツとスパッツを着たアニスがはにかみながら女子更衣室から出てきた。
「に、似合うかな…?」

グラマラスな体型は依然として保たれている。
しかし、腹部の出っ張りはやはり目につく。
まあ、元々グラビアアイドル並みに痩せていたので「少しふっくらしたな」程度にしか感じないが。

「やはり、目立つか…」
昨日より幾分か丸みを帯びた腹部をさすりながら恥ずかしがっている。
体型を気に病むあたり、魔王と言っても一人の女の子だな。

「気にするなよ。運動すれば痩せるさ」
「そ、そうだな。まずは、あの器械で運動するぞ」
彼女が向かっていったのは背中の筋肉を鍛える器械だった。

金属の棒と10kgの錘がいくつか滑車で繋がっており、
金属の棒を引き下げることで筋肉に負荷を掛けることができる仕組みになっている。
金属の棒と繋がっている10kgの錘の数を調節することで負荷を変えることができるのだ(最大150kgまで)。

アニスはずんずんとその器械に向かっていった後、錘の数を最大にして金属の棒を握った。
「よーし、いくぞ!」
という勇ましい掛け声の後、思いっきり金属の棒を引き下げた。

バゴン!と凄まじい音がして錘が吹っ飛び、天井にめり込んだ。

「なんだ? 随分軽いな」
150kgの錘を軽々と吹き飛ばしたにも意に関せず、アニスは怪訝な顔をした。

その後もアニスは腹筋マシンを破壊し、ランニングマシンをショートさせ、ベンチプレスを300kg挙げた。

「いやー、いい汗かいた!」
ハート柄のタオルで額の汗を拭う後ろでは器械が大惨事になっており。
それを見て「やはりこいつは魔王だな」と再び実感した。

「お前、少しは加減しろよ」
「人間界の器具がやわすぎるのが問題なのだ」
しれっと答える魔王様。
「それより運動したら腹が減った。何か脂っこいものが食べたい」
こいつ痩せる気はあるのだろうか。
「まあ、もう12時だし。昼にするか」
「今日はどこに連れて行ってくれるのだ?」
「安くて済むとこな」
俺は財布を開き、千円札が何枚残っているか確認した。

660名無しさん:2014/02/09(日) 17:22:32 ID:UswwbdL60
財布の中身と相談した結果、俺は安さを売りにしているハンバーガーチェーン店で昼飯を摂ることにした。
俺はハンバーガーとポテトMサイズ、それにコーヒー。
アニスはデラックスセット(チーズバーガー2コとポテトLLサイズ、コーラL)を注文した。

「あぐっ…はぐっ…この「はんばぁがー」という料理も上手いな」
アニスはチーズバーガー1個をあっという間に食べ終え、箸休めにポテトを十数本飲み込んだ後、コーラを勢いよくすすった。
「脂っこいジャガイモの揚げ物を食べた後、コーラの炭酸で口内を漱ぐ…なんともいえん心地よさだ!」
「そんなに急いで食べなくてもハンバーガーは逃げないぞ」
アニスはごくごくとコーラを飲み干した後、返事替わりに盛大にゲップをかました。

「失礼。しかし、人間界は美味な食べ物ばかりだな」
「昨日も少し話していたけど、魔界の料理ってどんなのなんだ」
「こちらに来て分かったことだが人間が作る料理には及ぶべくもない。
 大抵は生の食材を焼いて適当に岩塩を振りかけただけの粗末な代物だ」
煮るとか揚げるとかいう概念がないのだろうと推測される。

「魔界では美食家で知られた私でもこちらの料理には感激している。できればずっと人間界で暮らしたいほどだ」
「もうこっちに住み着いちゃえば?」
「馬鹿者! 魔王たる私がいないと魔界の政治が回らんだろうが。
 ああ、今頃魔界はどうなっているか。内乱でも起きていなければよいが…」

窓ガラスから住宅街を眺め、物思いにふけるアニス。
魔族でもホームシックになるのか。

「なあ、気分転換に遊びにでもいかないか?」
「遊び?」
「こういう時はパーッとはしゃいで気を晴らすのが一番だ」

その後、俺達は街に出て買い物を楽しんだ。
男の一人暮らしで女物の服がなかったので、ブラジャーやパンツを始め、適当な服を数着購入。
繁華街でウィンドウショッピングを楽しんだ後、居酒屋で飲みまくった。

帰り道でべろんべろんに酔っ払ったアニスが、
たまたま入った家電量販店で最新のゲーム機とゲームソフトを買ってくれとせがんてきたので、
きっぱりと断ると首絞めをかけられた。
仕方がないのでやむを得なく購入、45000円なり。

途中スーパーで買い置き用のお菓子を購入し、
爆睡するアニスを引きずりながらやっとの思いで自宅に辿りついたのだった。

661名無しさん:2014/02/09(日) 17:23:50 ID:UswwbdL60
今回分は以上になります。駄文失礼しました。

662名無しさん:2014/02/09(日) 21:51:31 ID:nl.42rtg0
二人とも乙です
素晴らしい肉の日だった

663547:2014/02/10(月) 00:31:47 ID:/dPoQgZg0
> 409氏 力作投下乙です!
太ったのはある種の自業自得と割り切って、
太った今を楽しもうって主人公のスタンスがカッコイイ、というか可愛かったです。

>棒の人氏 期待通りの投下乙乙です!
マコリンも幸子も、可哀想な目にあって、それでも可愛くて・・・(笑)

>651さん 貴方様も投下乙乙乙です!
自分の好みにジャストフィットした、まさに掘り出し物の一品。
続きも楽しみにしてます

29の日には間に合いませんでしたが、
この流れに乗って自分もSSを投稿します。

以前投稿したtoloveるの二次創作と同一世界という設定です。
一応それらを読んでなくても分かる様に書いたつもりです。


「 albeit 肥散な報酬」


2月9日 多くの女の子たちが意中の相手に贈るチョコレートの用意をしているであろう時期、デビルークの第2王女と第3王女もあるチョコレートを求めてここに来ていた。

「アルバイトの報酬が、プランド星の上質カカオ豆を使ったチョコレートって、気前の良い話だよなあ」
「それでナナもリトさんに贈るチョコレートをもらいに来たのかしら?」
「い、いやこれはだな、姉上と美柑とセリーヌとメア、それにお前と・・・」
「まあそれは貰ってからの話にしましょう」

街の郊外の廃屋にナナとモモを含めたアルバイト希望の(宇宙人の)少女達が集まっていた。
彼女らの前にアルバイトのオーナーである、地球人と大差無い姿をした宇宙人、ファッター星人の男が姿を見せた。
彼は希望者の外見を一瞥すると仕事についての説明を始めた。
「 えーお二人はこのスーツを着て倉庫の整理をお願いします。」
「後の皆さんは私の船の中で事務の仕事をしてください」

「私達2人だけ別の仕事ですか」
「倉庫の掃除だけなのにこんな格好しろってのも、ちょっと妙だな」

お二人とは、言うまでもなくナナとモモである。
二人が着ている服はスーツと言うよりも、むしろレオタード、
もしくは全身タイツに近く、肌が薄緑色の布地にくまなく覆われ、
露出度はないがボディラインはくっきりと出るデザインだ。

664547:2014/02/10(月) 00:33:22 ID:/dPoQgZg0
だが倉庫での作業を続ける内にそんな事は考えなくなっていった。
黙々と作業を続ける二人、そうしている内に体の不調を感じ出す。
「脚が・・痛い・・・」
立ちっぱなしの仕事が辛いのか、しきりに膝をさするナナ。
「い、息が・・・」
長時間の労働に疲れ果て、呼吸が荒いモモ。


お姫様にとってアルバイトはここまで辛いものなのか。
いや違う、これは倉庫に充満した薬品ガスの効果によるものだ。
思考力の低下は薬品の直接的な効果によるもの、
体の不調は薬品のもう一つの効果による間接的なもの。
そう、その効果とはつまり・・・


倉庫の扉が開かれた、光と新鮮な空気が入り込みナナとモモの意識を正常に戻していく。
「リト!?」 「リトさん!?」 「ナナ!モモ! 大丈夫・・・!!」
入ってくるなり絶句したリトを不思議がる二人。
しかしすぐにその理由に気づいた。
「 ふ、ふ、ふ、太ってる!!!」
そう肥満化、双子の細い肢体はとても丸々とした肥満体になっていた。
スーツの仕様のために、体はちゃんと覆われているが、
変貌した丸いボディラインがくっきりと浮き出ている。

665547:2014/02/10(月) 00:36:01 ID:/dPoQgZg0
「またこんなカラダに・・・・・」
実を言うとナナは地球に来る前に寄った星の果実を食べて太ってしまったことがある。
( 拙作 星のカジツにゴヨウジン☆ 参照)
今回は、その時よりも一回り大きな肥満体だ。
ペタンコだった胸は、立派な巨乳、いや爆乳にまで成長していた。
スーツの上からでもくっきりとした深い谷間が見えている。
それよりも大きく成長したお腹は、大きな胸を乗せながら、
ドンと丸く突き出ている大きな大きな太鼓腹である。
お尻は胸と同等のサイズで、これまたスーツの上からその存在を激しく主張している。
前回と同じく手足と尻尾にはほとんど脂肪が付いてなくて、
今回はそれに加えて顔に全く肉が付いてない。
つまり、胴体のみが大きく丸く膨れ上がったまるで風船の様な肥満体である。


ナナ・アスタ・デビルーク 151cm 43kg 68・54・77
→ 98kg 98・112・98


「うう 今度は私まで・・・」
モモも変わり果てていた。
重さと横の大きさは同等だが、体型は全く異なる。
ナナが風船ならモモは樽。 顔を除いた全身が満遍なく膨張している。
二の腕も十本の指に至るまでムチムチ、どころかブクブクと膨れ上がっている。
元々のサイズの差から、胸のサイズ自体はナナよりも勝っている。
しかし整っていた形は崩れ、大きく迫り出したお腹とほぼ一体化してしまってる。
首は膨れ上がった首周りの脂肪に埋もれてしまってる。
下半身も同様の有様で、脚の隙間も腰のくびれも消え失せ、パンパンに張り詰めた脚が密着している。
その中でもお尻は綺麗な形で突き出ていて、それこそ桃の実の様だ。


モモ・ベリア・デビルーク 151cm 45kg 78・54・78

666547:2014/02/10(月) 00:38:47 ID:/dPoQgZg0
「・・・『希少動物を肥育して売りつけていたファッター星人の違法ブリーダー、地球へ逃亡?』 
って記事をこの前どこかで見かけたんだよ」リトが二人に背を向けて話しだした。
「それで今朝から二人が見つからなくて、ファッター星人の所にちょっとしたアルバイトに行きますってメッセージがあって、
もしかしたらって思ってきたら・・・」
「わざわざ倉庫を開けておいてくれて有難うございます、地球人の少年よ」
倉庫にファッター星人が入ってきた。
三人が怒りを込めた視線を向けたが、構わずに語り続ける。
「やはり売りつけるのは、この二人の様な人間型宇宙人の方需要有りましてね。
「人間は捕まえて肥育するのに時間をかけるのはリスクが大きいから避けてましたが、
「新たに入手した肥満化薬により短時間での、しかもある程度コントロールできる肥育が可能になりましてね、
「これもあの男、アイ・ミカヤの「おい、早く2人を元に戻せよ、でないと・・・」 
延々続く語りをリトが遮った。
彼の向ける視線は怒りに加え気遣いが混じっていた。
「でないと? 大人しくしていないと君こそ命がありませんよ?
「いや、お前の命が危ないぞ・・・」
そう二人を太らせたファッター星人への怒りと、そんなことをしでかした彼の命への気遣いが混じっている視線だ。
「いくらデビルーク人といえども、尻尾を抑えればどうと言うことはありませんよ」
ファッター星人がリモコンを取り出しボタンを押す、
同時に二人のスーツが変形し尻尾を締め付ける。しかし・・・
「大丈夫ですよ」 「えっ?」 「馬鹿な!」 「ここまで太ると神経も太くなるんだよ・・・」



「よ、良かったなぁ、スーツを脱いでしばらくしたら元の身体に戻れるって」
リトは、被害者であるナナとモモ、加害者である、フルボッコにされつつも命は助かった、ファッター星人の両者に向けた安堵の言葉を発した。
「・・・それじゃあ、先に帰ってますね・・」
「  ああ、そうだ! これ使えよ」 リトが二人にあるアイテムを渡す。
「こいつは」 「ぴょんぴょんワープくん・・・」
「こいつならすぐに家に帰れるし、そのスーツも脱げるから一石二鳥だと思うぞ」
「  ありがとう・・・」 「  有難うございます、リトさん」

667547:2014/02/10(月) 00:44:20 ID:/dPoQgZg0
リトの家の自分たちの部屋に戻ってきた二人、
ぴょんぴょんワープくんは生物以外のものは転送されないので当然ながら全裸である。
つまり二人はその肥満体を余すことなく露出してしまってる。
その脂肪に覆われた体は、変わってない可愛らしいままの顔と相まって
ある種の色気が充満させていて、それを好む者は法を犯してでも手に入れようとするだろう。
あのファッター星人の様な犯罪者が出てくるのも無理の話かもしれない。

「しかし、ひどい身体になっちまったなあ・・・」
「  ナ、ナナは、に、二度目じゃないですか  ぜぃ・・ぜぃ・・・」
モモは椅子に座り込んでる。
首自体が無くなるほど付いた首周りの脂肪に気道が圧迫されてしまい、
ワープくんで飛んできた玄関からこの部屋に上がるだけでも息苦しそうだ。

「何度って問題じゃねえよ! あ痛てて・・・」
ナナはベッドに寝転がり膝をさすっている。 
今の体においても手足は以前の細さをまだ保っているが、
そんな脚は増した体重を支えるには細すぎる。
こっちはここまで上がるだけでかなり膝に負担がかかった様だ。

「しかし プラント星のチョコレートは・・・」
「そんなもの、ウソに決まってるだろ・・・
あーあ、食べ物につられてまたこの様か・・・」

その頃リトは自宅へ徒歩で帰っていた。
その手に持った袋にはチョコレートが、
ファッター星人がアルバイトの報酬として約束していたプラント星のチョコレートが入っていた。

(あいつ、事務の仕事って言って二人やこれまで肥育した動物の密売手続きをさせていた)
(で、その人達の分のチョコレートは本当に用意されていた)
(それで、頼み込んで分けてもらったんだ)
( あんな目に会ったのに何も無しで済ませるわけには行かないからな)

「これって、オレからのバレンタインチョコに、ならないよなぁ」 
「ホワイトデーの3倍返しの為にゃオレもアルバイトしないといけないかもな」

 turn fat 変わってしまったもの に続く

668547:2014/02/10(月) 00:53:32 ID:/dPoQgZg0
・補足 今回使われた肥満化薬は不完全なものであり、
ある別の薬を投入しないと脂肪が完全に定着せず、
空気に直接触れると数時間で脂肪諸共気化してしまう。
あのスーツはそれを防ぐためのものだった。

これで終わりです。

  自分としては、肥満化SS書いてるつもりなんだけど
読んでくれる皆さんにとっては本当に肥満化SSなのか不安です・・・

669651:2014/02/10(月) 09:58:33 ID:Ivi3MzMI0
547さん、いつも乙です! 
面白く読ませていただきました。毎回ネタが豊富で楽しみです!

私も続きを少々…

それから1週間が経過した。

定時で仕事が終わり、自宅に帰りつくとアニスが昨日買ったゲームをしていた。

チャンチャンコにスウェットの上下。
ソファにどっかりと腰掛けくつろぐ魔王。
見慣れた風景になってきた。

「お、帰ってきたな」
俺を見るなり彼女はゲーム機のコントローラーを放り出し。
とことこと駆け寄ってきた。

「腹が減ってたまらなかったところだ。戸棚にあったお菓子は全て食べてしまったし…」
「全部!? かなりの量があったんだぞ!?」
「なんだか食べても食べても食べたりなくてな。今日の晩飯は何だ?」
「お肉の特売日だったからハンバーグだ」
「やった! 私の大好物だ」

そう言うといそいそとソファに戻り、再びゲームをし始めた。
「少しくらい動いたらどうだ? ダイエットはどうなったんだ?」
「明日から始めるつもりだ」
「昨日も同じこと言ってなかったか?」

呆れつつもフライパンに肉を投入し、手早く焼いた。
肉汁が弾け飛び香ばしい匂いが室内に漂う。
きつね色に焦げ目がついたら皿に盛りつけ、レタスとトマトを装う。

付け合わせは卵サラダ。
肉食に偏りがちなアニスに少しでも野菜をとってもらうつもりだ。


「「いただきまーす」」
仲良く席につき手を合わせる。
「うん、やっぱり貴様がつくった料理が一番美味しいな」
ハンバーグを口いっぱいに頬張っているアニスの顔を見て、俺は違和感を覚えてしまった。
「また…太ってないか?」

きりりと引き締まっていた頬から顎にかけてのラインは丸みを帯びていて。
体の線が一回り…いや、二回りは大きくなったような気がする。

「少し脱いでみろ」
「い、いきなりなんだ!? 食事中だというのに無礼なやつだな」
といいつつも渋々スウェットを脱ぐアニス。

案の定、その下にはさらに育った贅肉が鎮座していた。

前見た時よりも腹肉はでっぷりと突き出していて。
二の腕にもぷよぷよとした肉がついている。
太ももは血色が良く、むちむちと色気を放っており。
自慢のバストは脂肪により肥大していたが、付いた脂肪が多すぎたのか、垂れ気味である。

もはや、ぽっちゃりがいいところの体型になってしまっていた。
増えた贅肉の量がアニスがろくにダイエットをしていなかったことを俺にアピールしている。
「お前、この1週間何してた?」
「ゲームしてお菓子食べて…あ、なんだその目は。 運動もしたぞ、近所の『こんびに』に買い物に行った」
渾身のドヤ顔。
そこって家から100mも離れてないじゃないか。
「これからスポーツセンターで運動だな」
「え〜、まだゲームをクリアしてないぞ」
問答無用でアニスを引っ張って行った。

670651:2014/02/10(月) 10:00:21 ID:Ivi3MzMI0
1時間後、俺達はスポーツセンター内にある温水プールのプールサイドに立っていた。
「今日はトレーニングルームは使わないのか?」
「この前、器械を壊していただろ? 当分使えないよ。それにダイエットには有酸素運動の方が効果的なんだ」
名付けて「プールで泳いで痩せよう作戦」である。

「それにしても…」
「こっちをじろじろ見るな!」

アニスは紺色のスクール水着を着ている。
肌にぴっちりとフィットしているせいで今の体型がはっきりと分かる。
妊婦のような太鼓腹。大根足。
贅肉に水着が食い込みこれはこれでセクシー…かもしれない、多分。

「さ〜て、泳ぐとするかな」
アニスが歩くと、それに同調するように桃尻がぷりぷりと揺れた。
「泳げるのか?」
「馬鹿者! 私は魔界の水泳コンテストで1位になったこともあるのだぞ」
と、いつものように罵倒した後、クロールを始めたアニス。

しかし、25mプールを1往復してこちらに戻ってきた時には息が切れていた。
「ぶはぁー…、っごほっ…。ぜぇー…ぜぇー…」
「どうした?」
「し、心臓が痛い…」
咳き込みながらのそのそとプールサイドに上がり、
「以前の私ならこのくらいの運動なんともなかったのに…体が重い」
と、ごろりと仰向けに寝る。
「少し休むぞ…」
その姿は俺に流氷の上で休むゴマアザラシを彷彿とさせた。

その後もアニスは「きつい」とか「疲れた」とか文句を言いつつも、何とか1000mを泳ぎ切った。
しかし、「自分へのご褒美」と言って暴飲暴食し、盛大にリバウンドしてしまったのは後の話。

671651:2014/02/10(月) 10:02:06 ID:Ivi3MzMI0
今回分は以上になります。

672名無しさん:2014/02/10(月) 17:11:08 ID:ZSpHpBkk0
ジワジワとひまんか
いい、実に良い。

支援するよ

673547:2014/02/11(火) 20:32:47 ID:qcWhCn7g0
651氏 お早い続きの投下乙です
アニス様、力はそのままでも体力が無くなってきた様ですな

えーと、実を言うと昨日投下したSSでモモの方のデータを書き忘れていました。

モモ・ベリア・デビルーク 151cm 45kg 78・54・78
→94kg 103・105・101


ついでにといっては何ですが、SSのおまけを書きましたのでそちらも投下します。


家に帰ってから一時間が経過したが、ナナとモモはまだ戻れずにいた。
その様子を多少の悪意を交えて表現すれば、
全裸で空調が効いた部屋に閉じこもって動かずにゴロゴロしていた。
「って、これじゃあデブのスタイルそのもの・・・」 
「その通りですね・・認めたくないけど・・」
しかし、二人とも動くこと自体は今の体でも支障は無いが、
ナナは膝の痛みが、モモは息切れが辛い。
ララからペケを貸してもらえば、着れる服は出来るが
素肌を晒しきってないと、薬の成分と脂肪が消滅しない。

「おーい、二人共ちょっといいかな?」
そんな中、ドアの向こうから聞こえてきたのはリトの声。
「 良かったら、これを着てみなよ」
ドアの隙間から差し出された袋に入っていたのは、あのスーツだった。

674547:2014/02/11(火) 20:35:15 ID:qcWhCn7g0
( 良かったら、これを着てみなよ、ってもしかして・・・) 
「おい、リト!私とモモにこのままでいろってのか!!」
「い、いや帰る途中で御門先生のところで相談してみたら、このスーツを貸してくれたんだ。 
「デザインは同じだけど機密性があるから肥満化薬も解除されるらしいんだ」
「 部屋の中でも裸のままにしておく訳にはいかないって思ってさ・・」
「  ありがとうよ」 「有難うございます」
それは良かった、もう用は無いぞ。
と言わんばかりに部屋に背を向けたリトをモモの声が呼び止めた。
「着ましたよ」 「いや、もう用は無いけど」 「 着たぞ」 「いや用は・・・」
「二人共スーツを着てみましたよ、リトさん」 「見て欲しいのか・・・」

ドアを開けた先に見えたのは、薄緑色のスーツに身を包んだ肥満体の二人。
樽の様な体つきをしながら、何事も無かったと言いたげに微笑んでいるモモに、
風船の様に膨れ上がった胸とお腹を抱えながら、
ムスっとした表情を作っているのが逆に可愛らしいナナ。
やはり今の体を見せるのは恥ずかしい様で二人共顔が赤くなっている。
( !! これはこれでカワイイ様な、いや今カワイイって言っても逆効果か、)
(しかし可愛くないわけじゃないし、そう言う訳にもいかないし・・・!)
二人のことをどう表現すべきか分からないリトは、
話をそらす為に自分が持ち帰った物の三つ目のことを言った。

675547:2014/02/11(火) 20:37:28 ID:Evat9fvE0
「これですね」  「酸素ボンベってどんな感じなんだ? 私も一つ貰うよ」
二人が気体の入った金属の筒を持ち上げ、中身を吸ってみた。
「 !! それは酸素ボンベじゃなくて!」
御門先生に後日持ってきてくれと頼まれて、探し出した肥満化薬の予備。
と言おうとしながら駆け寄ったリトだったが、
ボヨッン!! 弾き飛ばされる。
肥満化薬を口から直接吸ったことにより、更なる肥満化を瞬時に遂げた二人の体に、
リトはその弾力について考える間も無く、壁に頭を打ち付け意識を失った。

その様を見た二人だが動かない、いや動けない。
何せ今の二人の体では脂肪に脚がつかえて地面に届かないのだ。
そこまで太ったら、もう肉塊と言っても差し支えが無いだろうが、
伸びきって体を覆っているスーツと未だに肉が付いてない顔のお陰でそこまで酷くは見えない。

「・・・リトのバカヤローーー!!」
涙目になりながら必死になって動こうとしているナナだが、
地面に着くまでに巨大化した尻と丸型そのものになった胴体から、
ちょこんと伸びた手足だけしか動かせない。
そうする度に、全身の脂肪が静かに、大きく振動する。
そんな中で、胸の揺れ方は派手である。
ビーチボール大の胸はくっきりとした円形を保ちながらお腹に乗っかっていて、
胴体の揺れで打ち上げられると、ナナの頭を余裕で超えるほど上がり、下がってお腹に乗っかる。
そんなシークエンスを繰り返している。

ナナ・アスタ・デビルーク 151cm 43kg 68・54・77
→ 98kg 98・112・98
→ 247kg 197・221・190


「 リトさんは悪くない・・・はずです」
涙を流しながら俯いているモモ。
大樽の様な胴体に変わらない小さな顔が乗っかっているその様は、
あの黒〇げ危〇一発を連想させる。
彼女は手足もちゃんと肥大化しているので、
誰かに起こしてもらえればその大樹の様な足で立つことも出来るだろう。
しかし腕は余りにも太くなりすぎて、全く曲げられない。
尻尾も膨れ上がり、もはやデビルーク人の尾ではなく、特撮の怪獣の尾に見える太さである。

モモ・ベリア・デビルーク 151cm 45kg 78・54・78
→94kg 103・105・101
→252kg 210・216・208

676547:2014/02/11(火) 20:41:30 ID:Evat9fvE0
しばらくして、二人の視線は、首が動かせず視界が固定されていたこともあり、
リトが持ってきたスーツと肥満化薬が入っていた袋に向かう。
そこにはまだ、本当の酸素ボンベであろう筒に、包装された10数個のチョコレートが入っていた。

(チョコレート・・・もしかしてプランド星の・・・あのバカ!男から贈るものじゃないって!)
(ホワイトデーにはチョコも脂肪も三倍返しだぞ!!・・・)

( 持ってきてくれた・・・ありがとうございます、リトさん
(このお礼にまたホワイトデーに・・・

ナナとモモは泣き止み、そのまま眠りに落ちた。
こうして、バレンタインデーとホワイトデーがまた一日近づいていく。

(本当に)終わり  そして turn fatに続く(しつこい)

677225:2014/02/16(日) 03:52:14 ID:nq6x5pqY0
放映始まったので描いてみました
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1631_1.png
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1632_1.png
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1633_1.png
10年やって肥満化ネタとか1話もないのかな…
スマプリでは入れ替わりとか小人化とか透明人間化とかかなりはっちゃけてたけど

678651:2014/02/16(日) 16:17:43 ID:lRDIwf1M0
>>547さん 乙です! ホワイトデーにも一波乱ありそうですね!
>>225さん こちらも乙です! 時系列が分かる絵っていいですね!

流れにのって私も前回の続きを投稿させていただきます。

679651:2014/02/16(日) 16:20:12 ID:lRDIwf1M0
「赤字なんだけど」
「んぁ? 何がだ?」
アニスはごろりと寝返りを打ち、こちらに顔を向けた。
頬張っていたポテトチップスの欠片がまばらに口元についている。

その姿に若干の脱力感を覚えながら、俺は再び口を開いた。
「家計が火の車なんだよ」
「なぜだ?」
「…お前の食費のせい」

アニスが来てから我が家のエンゲル係数はアベノミクス後の株価のように急上昇していた。
ただえさえ二人分の食料を購入しなくてはならないのに、アニスがお菓子類をねだる。

その対応に面倒くさくなった俺は、毎月「お菓子代」と称して一定の金額をアニスに渡していたことで対処していた。
が、この頃はATMを利用することを覚え、どうやってパスワードを知ったのか不明だが俺の口座からお金を引き落とし大量に購入する。
その金額は徐々に増えていき、家計を圧迫するほどまで大きくなっていた。

「お前を召喚した責任もあるし、朝昼夕3食は俺が面倒見てやる。しかし、お前のお菓子代まで賄えない」
「私を養えることを光栄に思えばいいものを。ぶふぅ」

窘められている最中にも関わらず、アニスは鈍重に服の下からはみ出した腹肉をぼりぼりと掻いた。
俺が働いている間にも彼女の贅肉はせっせと蓄えられていたようだ。

輪郭を残しているものの、顔は大分ふくよかになった。
立派な三段腹は動くたびにプルンプルンと震えるほどに成長し。
尻肉は座ると左右に広がるほどに肥大していて。

ここ数日間動くことがしんどくなったのか、ソファから立ち上がることはほとんどない。

数週間前まではダイエットをする意志は少なくともあったようだが、最近は痩せようとする気力が湧かないようだ。
衣食住が確保された快適な生活はアニスの心身を侵食し、だらしないものに変えていた。

「あのなぁ。お前が平日の昼にぬくぬくとゲームできるのは誰のおかげだと思っているんだ?
 俺が毎日得意先や上司に頭下げて安月給で頑張っているからだぞ」
「それについては感謝している。その調子で私が魔力を溜めるために頑張ってくれ」
「その前に俺が破産しちまうよ」
「王である私を養うのが臣下である貴様の務めだろう」
「椅子にふんぞり返っている王様には分からないだろうがな、金を稼ぐのは大変なんだぞ」
「能力が足りないゆえわずかな給金を得るのに苦労するとは大変だな」

その一言に俺の頭がカッと熱くなった。
「そこまで言うならお前が働いて食い扶持分を稼いで来いよ!」
「何を…」
「毎日動かないでブクブク太って…その内、本物の豚になるんじゃないか? 怠惰なお前にはお似合いだろうけど」
「い、言うに事欠いて豚だと!」

立ち上がりかけたアニスだったが、重心を崩して壁に手をついた。
ソファの上から全く動いていなかったせいで筋力が極端に落ちているのだ。

アニスの額を汗が一筋流れ落ちた。
樽のような体型に成り果てた肉体と手に持っていたポテトチップスの袋を交互に見る。

先日まではそれほど窮屈とは感じなかったシャツはいつのまにかパツパツに張りつめていて。
スカートは今にも裂けそうで、下腹はぶよっとせり出していた。

アニスはでっぷりと肥えた腹肉をさすると現状を認識したようだ。
目を泳がせ、頬を掻く。

「えーっ…と」
菓子袋を丸めてゴミ箱に捨てた。
「い、いいだろう。運動がてらにちょうどいい。金を稼いできてやろうではないか」
少し足元がふらついていたが、アニスは体重が乗った足音をドスドスと響かせて家から出ていった。

つづく

680名無しさん:2014/02/17(月) 01:06:33 ID:JIHWUyuI0
乙です!
素晴らしい展開ですな。わくわくが止まらん

681名無しさん:2014/02/17(月) 21:58:51 ID:knR48wLc0
腹肉をぼりぼりかくだらしない姿に萌えたわ
もうかなり女としてダメになってきたなあw

682651:2014/02/22(土) 18:22:56 ID:7/x6/G7s0
コメントありがとうございます!
前回の続きを投稿します。

「出てきたはいいが…」
具体的に金を稼ぐ算段があるわけではなく。
ふらふらと町の中心部まで来たアニスは、勢いに任せて家を飛び出してしまったことを後悔しはじめていた。

魔法を使って一稼ぎするのが一番手っ取り早いのだが、魔力に余裕があるわけではない。
数か月かけてやっと半分溜まっただけだ。
魔界に帰るためには、貴重な魔力は節約しておきたい。

となれば、工事現場等の肉体労働で稼ぐことが好ましい。
しかし…と、アニスは肩を落とした。

冷静に考えてみると、今の自分の体では肉体労働もできるかどうか怪しい。
何せ、階段を上がるだけでも息が切れるほどなのだ。

運動不足に加え、体重の急激な増加で運動能力は著しく衰えている。
激しい運動を伴う労働はスタミナが持たないだろう。

魔力も優れた身体能力もない今の自分に果たして何ができるのか。

途方に暮れて座り込んでいると、アニスに声をかける人物がいた。
「エクスキューズ ミー? すみません、そこの…外人さ〜ん?」
「何だ?」
顔を上げると、メイド服を着たふくよかな女性が覗き込んでいた。

アニスと同じくらい胸と尻が大きいが、不思議と暑苦しい印象はない。
むしろ、ころころと良く肥えた子犬のようだ。
黒縁の眼鏡の奥から大きなたれ目が覗いている。

「お姉さん、お仕事を探しているんですか?」
「そうだが…なぜ分かった?」
「ハローワークの前で座り込んでいたものですから」
女性はアニスの後ろの建物を指差した。どうやら仕事の斡旋所らしい。

「私、サクラと言います。もし良ければウチの店で働きませんか? お給料良いですよ?」
「でも、私でもできる仕事なのか?」
「あなたが適任だと思ったから声をかけたんですよ」
「わ、私が適任だと!?」

魔王である自分に適任である、と言えば…
「は〜い。お客さんからちやほやされる仕事です」
「何と!?」
気がつくとアニスは立ち上がっていた。

683651:2014/02/22(土) 18:24:32 ID:7/x6/G7s0
「出てきたはいいが…」
具体的に金を稼ぐ算段があるわけではなく。
ふらふらと町の中心部まで来たアニスは、勢いに任せて家を飛び出してしまったことを後悔しはじめていた。

魔法を使って一稼ぎするのが一番手っ取り早いのだが、魔力に余裕があるわけではない。
数か月かけてやっと半分溜まっただけだ。
魔界に帰るためには、貴重な魔力は節約しておきたい。

となれば、工事現場等の肉体労働で稼ぐことが好ましい。
しかし…と、アニスは肩を落とした。

冷静に考えてみると、今の自分の体では肉体労働もできるかどうか怪しい。
何せ、階段を上がるだけでも息が切れるほどなのだ。

運動不足に加え、体重の急激な増加で運動能力は著しく衰えている。
激しい運動を伴う労働はスタミナが持たないだろう。

魔力も優れた身体能力もない今の自分に果たして何ができるのか。

途方に暮れて座り込んでいると、アニスに声をかける人物がいた。
「エクスキューズ ミー? すみません、そこの…外人さ〜ん?」
「何だ?」
顔を上げると、メイド服を着たふくよかな女性が覗き込んでいた。

アニスと同じくらい胸と尻が大きいが、不思議と暑苦しい印象はない。
むしろ、ころころと良く肥えた子犬のようだ。
黒縁の眼鏡の奥から大きなたれ目が覗いている。

「お姉さん、お仕事を探しているんですか?」
「そうだが…なぜ分かった?」
「ハローワークの前で座り込んでいたものですから」
女性はアニスの後ろの建物を指差した。どうやら仕事の斡旋所らしい。

「私、サクラと言います。もし良ければウチの店で働きませんか? お給料良いですよ?」
「でも、私でもできる仕事なのか?」
「あなたが適任だと思ったから声をかけたんですよ」
「わ、私が適任だと!?」

魔王である自分に適任である、と言えば…
「は〜い。お客さんからちやほやされる仕事です」
「何と!?」
気がつくとアニスは立ち上がっていた。



そして1時間後。
アニスはサクラに連れられてとあるビルの半地下にある店舗にいた。
「な、なんだ。この格好は…!?」
「よく似合ってますよ」
「こんな…こんな恥ずかしい服を着るなんて聞いてないぞ!」

アニスはサクラと色違いのメイド服を着せられていた。
胸元は大きく開いており、脂肪太りの胸の谷間が見える。
無理やり履かされたニーソックスが太ももに食い込んで、痛い。
袖口や胸元に盛り付けられたフリルが気恥ずかしさをより一層際立たせている。

「どんな店なんだ、ここは!?」
「とある性癖を持った方専用の風俗店ですよ」
「ふーぞくてん?」
「はい。簡単に言うと太った娘が好きな男性専用のキャバクラです」
「ふ、とった…だと…」
「極めてマイナーなジャンルなので競合相手がいなくて大変繁盛してますよ〜」
「そ、そ…」
「そ?」
「そんなド変態な客の相手なぞしてられるか!」
「ああ、待って下さ〜い! あなたの立派な肥満体を見込んでスカウトしたのに」
「ぐるじい…手を離せ!」
「従業員が二人だけしかいないんです! あなたに逃げられると困るんですよぉ〜!」

数分もみ合った後、サクラは息を切らせてアニスに言った。
「わ、分かりました。日給を弾みますから!」
サクラが提示した金額は一般的なサラリーマンの給料と比べて破格だった。

「本当にそれだけくれるのか?」
「はい。あなたは太っている割には肌ツヤもよくて美人です。それだけのお金を払う価値はあります」
「しかし…」

この仕事を断れば他に仕事があるのか。
一円も稼げずにのこのこと家に戻り、あいつ(アニスを召喚した若い男)に許しを請うことだけは嫌だ。
あれだけ激しく口喧嘩した手前、魔王としてのプライドが許さない。

「わ、分かった。不本意だが…というか、凄く嫌なのだが…働こう」
アニスは渋々頭を縦に振った。

684651:2014/02/22(土) 18:28:30 ID:7/x6/G7s0
そして。
アニスは大勢の観衆が見つめる中、スポットライトを浴びてステージの上に立っていた。
「お、おい。サクラ、これはどういうことだ?」
「この店名物のステージショーですけど?」
「座ってお客の接待をするだけだったはずじゃ…!?」
「まあまあ、固いことは気にしないで〜」

サクラはマイクを取り、壇下の客に語り掛けた。
「みなさん、私の店に来てくれてありがと〜う!」
歓声が室内に響き渡る。

「今日は新しい娘を紹介しま〜す!」
「あ…アニスだ。みにゃ…皆の者、私をみられりゅことを光栄に思うがよい」

思いっきり噛んでしまった。アニスの頬が引き攣った。
しかし、観衆にはむしろ好評だったようで「きつそうな見た目だけど意外と可愛い娘じゃないか」
「ドジっ子だな」と声が漏れ聞こえてきた。

「アニスちゃんは初めてだから慣れていないけど、皆さん温かく見守ってくださいね」
「(魔王である私がなぜこんな辱めを受けねばならんのだ…)」
「それでは早速参りましょう! モミジちゃん、例のもの持ってきて〜」

サクラが手招きすると、店の奥からブクブクに太った女性が出てきた。
バニー服を着たボンレスハムが歩いているようだ。
だらしなく垂れ下がった贅肉が服からはみ出ている。

「も、もってきまひた…ぜぇ…ぶぅ…」
女性は白濁液が入った巨大なガラス瓶(5Lはあるだろう)を台車に載せて運んでいる。
ガラス瓶の表面には「高濃縮栄養剤」と書かれており、長いホースが接続されている。

「お待たせしました! 当店名物のアレで〜す」
装置に接続されたチューブを手にしてサクラは笑みを浮かべた。

観客のボルテージが上がっていく。

「…すごく嫌な予感がする…」
「アニスちゃんはモミジちゃんと違って綺麗に太れるでしょう」
「ふ、太れるって…まさか」
「元アイドルのモミジちゃんはこの栄養剤を飲まされて体重が40kgから200kgに激増してしまいました。アニスちゃんはどうなるかな〜?」
「ま、待て! 何をす…ングモゴ」
「ごめんなひゃい、アニスさん」
「モミジちゃん、グッジョブよ〜。それでは、やっちゃってくださ〜い」

アニスは目の端に涙を浮かべながら首を横に振ったが、口に突っ込まれたホースから容赦なく栄養剤が注ぎ込まれた。

容赦なく栄養剤が胃袋に流し込まれるにしたがって、アニスの腹はせり出してきて。
肺を圧迫する膨満感に耐えながら自らの体を見ると、腹だけがまるで風船のように膨らんでいて。
ついにはスカートのボタンが弾け飛び、観客席まで飛んで行ってしまった。

ホースが取り外され、アニスは一息つくことができた。
たぷたぷと音がする腹を両手で持ち抱えて罵声を上げようとするも、栄養剤が喉の奥までこみ上げてきたため口を開くこともできず。
ただサクラを睨むことしかできなかった。

しかしそれもつかの間。
体中に掻痒感を覚え、アニスは再び自らの体を振り返る。
最初はゆっくりと、そして次第にその速度を増しながら全身に贅肉がついていく。

胸に。腰に。足に。
柔らかそうな脂肪が段をつくり、しかし張りを保ちながらアニスの体を変化させていく。

脂肪で大きさを増していた巨乳は、追加の脂肪がついたことで1mを超す肉塊に成長し。
栄養剤で膨らんでいた腹には分厚い皮下脂肪がついて、一般的な成人女性二人分のウエストに匹敵するほどの腰回りになって。
お尻は縦横に大きく肥大した脂肪の塊と化しており。
太ももやふくらはぎのボリュームはさらに増して、でっぷりと膨らんで。

辛うじて冷徹さを保っていた顔はパンパンに膨れ上がり、もはや魔王の威厳もなく。
栄養剤の副作用でちょこんと上を向いた鼻には愛くるしささえ感じられて。

腹を中心として太ったせいで丸っこい壺のような体型に変わり果ててしまったアニス。
その姿には滑稽ですらあった。

「こ、こんな…」
歩き出そうとするも重心を崩し、前のめりに倒れて。
けれど、巨大な腹肉がクッションになって、ボヨンボヨンと弾むだけ。

それを見た観衆が歓喜と失笑を投げつける。
「ち、違う…違う…」
口から漏れ出る言葉は喉についた肉に押されて低く潰れていて。
醜く変わり果てた姿を大衆に晒されている現実に直面し、アニスは涙を堪えることしかできなかった。

続く

685651:2014/02/22(土) 18:31:03 ID:7/x6/G7s0
すみません>>682は誤爆です。
>>683からお読みください。

686547:2014/02/23(日) 20:49:15 ID:v8xKVhKs0
まさかの展開 アニス様どうなってしまうのか・・・

乙!&続き楽しみに待ちます

687名無しさん:2014/02/26(水) 00:08:02 ID:ly/8Aa320
果たしてアニス様に救いはあるのだろうか…

688547:2014/03/01(土) 00:01:50 ID:JK70D11I0
流れを読まずにSSを投稿します。
未完結のまま放置されていた拙作「口は肥満化のもと?」の続きです。


市立比堂学園。
その教育方針は「成果」をあげることを第一とする、前時代的とも言える熾烈なものである。
その方針は確かな成果を出していたが、その反面内外での負傷事故が続出してもいて、
そのことを批難、もしくは忠告する者もちらほらいた。
その一人がスクールソーシャルワーカーの串田智次だった。
彼が事故増加の確かな統計を持って肥堂学園を訪れ、現状に対する指摘を行った。
その翌日、彼の家を一人の少女が訪れた。

689547:2014/03/01(土) 00:05:22 ID:JK70D11I0
串田の家に来たのは、比堂学園中等部の制服をきっちりと着こなした端正な顔立ちの
しかし全くの無表情な少女、上岡奏
出迎えているのは、ブラウスとスカートの上下を着た清楚な印象の若い女、
串田の妻のである串田隣子(くしだ りんこ)

しかし、 「・・・・・」 「それであなたは何の用で家に来たの?」
「・・・・・」 「主人が行ってる学園の生徒の様だけど、その事で話に来たの?」
「・・・・・」 「・・何か言ってくれないかなぁ・・・」
隣子は全く口をきかない奏に手を焼いていた。

(この子一体何を考えているだろう、本当に喋れないなら筆談するはずだし・・・)
(比堂ってこんな子ばかりなのかなぁ、
(口出ししちゃいけなかったのかも・・・) 
実は夫に比堂への相談を提案したのは隣子だった。
「口出ししちゃいけなかったそう思ってるな」
奏がようやく口を開いた。 だがその言葉に込められているものは確かな敵意。
「え? ええ」しかし隣子は口を開いたことに気を取られて、その敵意に気づけない。
「自分が面倒に巻き込まれたからそう思ってるんだろ」
「・・・!  」 図星だった。
しかし返答も反論も奏の言葉と視線に込められている敵意に気づき出来なかった。
「ただこの厄介事が終わればいいこの小娘が家から居なくなればいいそう思っているのだろ!」
「言い返される覚悟も無しに口出しするんじゃない!」
(こ・・・怖い・・・わ・私のせいでこんなことに・・・?)
奏の強い言葉に隣子は何も言い返せず、ただ怯え怖がった。 
そう恐怖を感じた。 その感情を引き金として肥満化が始まる。

690547:2014/03/01(土) 00:08:00 ID:JK70D11I0
隣子の体が膨れ出した、
ゆっくりとしたものだが本人にはしっかりと分かるようで、
「!!? まさかあなたのし・・・」 立ち上がり奏を問い詰めようとしたが、
「仕業だとしたら言うのか誰かに」
「訴えるのか!警察に!!」
「泣きつくのか!旦那に!!」
「甘えるのか!!!誰かに!!!」
「ひぃ!」 奏の反論、いや口撃にたじろぐ。
その拍子に足をすべらせ大きくなったお尻で尻餅をついてしまう。
 ビリッ! その衝撃もあってか履いていたスカートが破れてしまう。
顕になった両の脚は肉で出来た丸太とでも言えるような太さだ。
「ひ・・ひぃぃ・・・」 
現状を認識する事も出来ずただ奏から逃げ出すために部屋を出ようとするが
パシャッ カメラのシャッター音が聞こえ、慌てて振り返る。
バツッン!それと同時にブラウスのボタンが弾けとび、
メロン大の胸が飛び出てくる、その真下のお腹はたっぷりと脂肪が付いた寸胴で
スカートがあったら確実にマフィントップを形成するだろう。

奏はスマートフォンを、隣子とは明後日の方向の窓に向けていた。
その代わりに、満開の笑顔を向けていた。
「しかしすっごい体になりましたね」
「カメラに撮りはしませんよ法に触れますし何よりそんな体撮ったらカメラが壊れかねません」
「こんな嫁さん貰って旦那さんもさぞ可哀想なことで」
ガラリと変わった明るい口調で、込めた敵意はそのままに、言葉を紡ぐ奏。
その度に隣子の服が裂け破け、脂肪で膨れた裸体がさらけ出されていく。

「どうしてこんなことになったのか誰のせいでそうなったのかじっくりと考えて
「ゆっくりと後悔するんですね」
数分後、座り込んで泣きじゃくる肉塊を尻目に、
奏は自分の着ていた制服を脱ぎだした。

691547:2014/03/01(土) 00:10:41 ID:JK70D11I0
『先日は貴重な意見をありがとうございました。
話の続きをそちらが希望されるなら連絡をお願いします。
それとこちらの生徒が一人そちらの家にお邪魔していた様です』


これがさっき携帯に届いた比堂の教師からのメール。
そして、今串田の眼前には何も言わずにただ泣きじゃくるだけの肉塊、いや妻の隣子。
最後に見てから半日も経ってないのに、その時より4倍近い横幅になってしまってる。
誰が着せたのか知らないが、何故か比堂学園の制服を着ている。
いやむしろ全く着れておらず、むしろ全裸よりも惨めさが引き立っている。
お腹は最早隣子の身長を越すほどのサイズで、下っ腹が床に付いてしまう程だ。
脚はドラム缶、それを倒したかの様な有様である、
腹に遮られ動かすこともできずに無造作に投げ出されている。
これでは立って歩くことも出来ないかもしれない・・・
丸太の様な太さの二の腕もだらんと横腹に添えられているだけだ。
手も十本の指に至るまでパンパンに膨れ上がり、
こちらは物を持つことも出来ないかもしれないと思わせる・・・
一番の肥大化を遂げたのは胸だった。
そう言えばまだ救いがあると思うだろう。
しかし実際には重さで垂れ下がり
お腹に乗っかりながらせり出している奇乳でしかない。
尻は胸よりかは幾分か小さいが、それでも人一人の体重を上回りかねない程の質量がある。
今は全体重を持って圧迫されているお陰で綺麗な円形を保っている。
顔にはそれ程脂肪はついておらず、目鼻立ちはギリギリ保たれているが、
首は埋もれてしまい、嗚咽の声は野太いものだった。

(これが私の口出しに対する比堂学園の返答・・・・)
串田も何も言えずに立ち尽くすだけだった。


串田隣子(25) 166cm 54kg→223kg
80・57・78→201・170・188

692547:2014/03/01(土) 00:21:55 ID:JK70D11I0
早朝の比堂学園の中等部の校舎、奏が教室に入る。
居たのは、壮年の男子教師だけだった。
「上岡、市役所に務める学園の職員から連絡があった。」
「口出ししてきたあの夫婦は離婚した、それも嫁の方から言い出してな イイ気味だ」
教師の言葉に奏は一瞬耳を傾け目尻を吊り下げ微笑を浮かべる。
それからすぐに元の無表情に戻り自分の席に着く。
「『自分の仕事が成功したのは嬉しいが、成功したことをそれ以上振り返る気はありません』
教師はその表情の動きから奏の考えを正確に読み取っている。
「その心意気だ、それでこそ我が学園の一員に相応しい」
教師の言葉を聞きつつ学生としてその日の授業の予習を始めた奏。
その途中、不意に自分が『処分』した隣子と串田が離婚に至るまでにどんな経緯を辿ったのか、変わり果てた体になった隣子のこれからを想像して、
何か楽しいことでも考えた時の様に少し笑った。



解説 奏は自分に対して恐怖心を抱いた女性を肥満化させることが出来る。
これはそういった薬物を摂取した結果の体質変化であり、
メカニズムは 
①対象と十数分間近距離でいることで
自分の息を通して相手の体内に肥満化薬を送り込む。
②言葉を使い相手を怖がらせる。
③脳が恐怖を感じたことをトリガーにして
相手の体の細胞に入り込んだ肥満化薬の成分が反応し脂肪細胞を増殖させて
相手を太らせる。
尚数分で肥満化薬の成分は消滅し、その際に相手の体に耐性が出来るので
同じ相手を二回以上太らせることは出来ない。


今回はここまでです。
実を言うとこのSSは長編にするつもりですが、
どこまで続くのかは自分の気分しだいだったりします

693 ◆t3E9hfR0Bc:2014/03/01(土) 08:14:06 ID:2hKaNrz.0
547氏乙です。

3月1日では有りますが、一応2月29日と言う事で駄文ですが良ければどうぞ。

ttp://www1.axfc.net/u/3183166.zip
パス:himanka

694 ◆t3E9hfR0Bc:2014/03/01(土) 08:17:47 ID:2hKaNrz.0
すみません、間違えて違うファイルを上げてしまったので↑のは無視して下さい・・・
こちらが正しいファイルです。

ttp://www1.axfc.net/u/3183168.zip
パス:himanka

695547:2014/03/02(日) 09:00:55 ID:mqUBJMMI0
期待通りの投稿乙です。
美貌換金屋もほぼレギュラーになりましたね。
相変わらずのダーク&ディープぶりで・・・

しかし自分としては梅の木の話のような微笑ましい(?)SSの方が好きです。

696名無しさん:2014/03/02(日) 14:02:53 ID:su9tKjv60
>>693
二つとも面白かった、乙です
肉の日こないと思ってたから投稿きてて嬉しいwwww

697名無しさん:2014/03/03(月) 00:46:30 ID:7hk.begU0
いつも乙です
2月は9日が肉の日だから3月の肉の日まで期間空くなぁ・・・
とか思ってたらサプライズがw

698名無しさん:2014/03/03(月) 21:51:23 ID:rOQPjwr20
>>695
しかし以降いらないよ
あなたの好みなんて少しも興味ないわ

699547:2014/03/04(火) 12:25:01 ID:VgR5vKOo0
>698  
はっきりとした感想の方が嬉しいかなと思って書きましたが、
>698を見てから見直すと好みを押し付けてる様な感想でした。
すみませんでした。

700名無しさん:2014/03/05(水) 00:31:08 ID:aRAllP9A0
>>699
俺は好み押ししても別に良いと思うけどな、ここは好み押ししてはいけない場所では無いだろ
ちなみに俺もほのぼの系好きだよ

701名無しさん:2014/03/05(水) 08:21:17 ID:QEztvtK.0
      __
    Gニ ・ ヽ,.、 いぢめる?
 , ´ ̄\ Gニ ・ ノ`′
(  へ  ヽ/ 三;´ ̄ヽ
 \__人__.(__ヽ_ノ
        ~ ~

702名無しさん:2014/03/05(水) 08:22:34 ID:QEztvtK.0
        __
      Gニ ・ ヽ,.、 いぢめる?
 , ´ ̄\ Gニ ・ ノ`′
(  へ  ヽ/ 三;´ ̄ヽ
 \__人__.(__ヽ_ノ
        ~ ~

703名無しさん:2014/03/05(水) 09:46:26 ID:beZ8Qj/Q0
放置しろ
押し付けられたとこで誰も聞かん

704名無しさん:2014/03/14(金) 18:58:46 ID:sR7YxUxY0
続きマダー?

705651:2014/03/14(金) 19:44:20 ID:r5xm2pUE0
>>684の続きですが最近忙しく投稿はまだ先になると思います…
1週間内には投稿するつもりですので、すみません

706名無しさん:2014/03/15(土) 03:00:23 ID:Udo9Boes0
>>705
ゆっくりでも良いのよ?

707名無しさん:2014/03/15(土) 08:27:12 ID:Jvi5ENHA0
気にせずゆっくりでいいのよ

708名無しさん:2014/03/15(土) 10:09:12 ID:AS1JgH1E0
楽しみに待ってます!!!!11

709547:2014/03/16(日) 21:49:21 ID:S6A1sg8I0
> 705
自分も続きを楽しみにしてます。

その前菜になれるかはわかりませんが、SSを投稿します。

「朱の女」
 『夜の病院、重い病気やケガに苦しんでいる人の枕元に
  朱色の髪をした美しい女が現れる。
  数日後にまた現れて、抱えているケガや病気を治してくれる。
  しかし、その代償として美しさを奪い取ってしまう』

そんな怪談がこの地域に伝わっていた。
そしてそれは現実の話となった。


深夜の病院、その病室の一つ。ここにいる患者は、
長い黒髪を後ろでくくった30代前半の女、
下半身の複雑骨折で入院し全治6ヶ月と診断された二島佐奈子と
薄茶色の髪をツインテールにした11歳の少女、
心臓病で一年も入院している白田都美。

その二人の前に現れたのは夕暮れを思わせる朱色の髪の女、
女としては高い背丈にメリハリのある肢体、怪談通りだ。
ただ、着ている服は、その整った体を程良く露出させたタンクトップとスパッツで、
その顔の印象は、ぷっくりとした唇と紫色の大きな瞳から、美しいと言うより可愛いと思える。

710547:2014/03/16(日) 21:54:27 ID:S6A1sg8I0
「それじゃあ始めるけど、本当にイイの?」
「私は美しさを取っちゃうんだよ」
「醜くなってもいい、子供達の為に一日でも早く戻りたいんだ・・・」
「私も・・もう病院から出て学校に行きたい・・」
「そう、じゃあ奪わせてもらうよ」
女は二枚の札を取り出し、佐奈子と都美のヘソの辺りに貼り付ける。
「よろしくお願いします  えっと・・・」
どう呼んでいいのか分からずに、言葉に詰まった都美に
後ろを向き返答する。
「ああ、私は『リーファ』 美しさを奪い、命を治す」
背中を向けたまま、病室の片隅に置かれた誰かのバッグをまさぐる。
「朱の女」 リーファは振り返り、満面の笑みを向けた。
それを切っ掛けにして、佐奈子と都美の体に脂肪が付き、膨れ、太ってゆく。
にも関わらず二人は微笑みを浮かべていく。
体に脂肪が付き重くなると共に、
それまで抱えていた苦しみが抜けていくのを確かに感じていたのだ。
佐奈子が脚に感じていた痛みが、都美が胸に感じていた辛さは消えうせ、
それは重さに変わっていった。


「はい、これでオシマイ」 
「「あ・・りがとう・・・ございました」」
急激な肥満化に対応しきれず、息も絶え絶えに礼を言う二人。
しかし、その体は通常の肥満による弊害は最小限に抑えられており、
至って健康な、肥満体で間違っても美しいと、
言えるかどうかは見る人によるだろう。

「 た、頼・・だ・・・か、いが・・・・あつたよ・・・」
佐奈子の体は下半身を中心に肥満化していた。
病院着のズボンは完全に破れてしまい、
そのとても太く分厚い下半身が丸見えになってる。
特に腰周りの太さは、マワシを巻いた横綱を思わせる。
そんな下半身と比べると細いが、
上半身は上半身でかなり太く病院着もパツパツだ。
普通の人の腰並に太い二の腕に、
そんな腕が閉じきれない程になった脇。
そして、新たに子を宿したかの様な大きさのお腹に、
そんな腹を上回るサイズの胸はメロン大の爆乳である。
顔も丸々と膨れ、顎は軽い二重顎で、
頬肉が膨れすぎて鼻が低くなり目が少し細められている。

二島佐奈子(33)  162cm
55kg 80・58・71→106kg 103・90・127

711547:2014/03/16(日) 21:56:01 ID:S6A1sg8I0

「お、お父さんが言った通りだった・・・今日で治った・・・!」
これまで心臓病で苦しんでいた都美だったが、
そんな過去を覆い隠す厚い脂肪が付いていた。
言い換えれば、胸が重点的に肥大化した肥満体になっていた。
しかし、佐奈子と同じく胸以外も十分すぎる程肥大化している。
手足は以前の倍近い太さで、袖も脚も今にもはち切れそうだ。
小さかったお尻は大きくなりすぎて、
ズボンを裂いてブリンとはみ出している。
ほっそりとしていたお腹も、ドンと突き出して、
大玉スイカを入れた様なサイズの太鼓腹になってしまった。
そして、そんなお腹が括れて見えるほどに巨大になった胸。
こちらは片方ずつがスイカ並みの大きさである。
スリーサイズだけ比べれば、「ボン・キュッ・ボン」で、
ある意味、大人顔負けのナイスバディーだ。
そんな体とは逆に、顔は満月の様に真ん丸とした丸顔で、
幼く可愛らしい印象だ。

白田都美(11) 142cm
35kg 65・49・57→ 88kg 119・98・117


「あなた達の美しさはいただいたよ」
リーファは二人に貼り付けていた札を拾う。
  二人には暗くて見えなかったが、札の裏は複雑な構造の電子機器になっていた。
「それじゃあ、二度と私に会うことの無い様にね」
リーファは、そう言って何故かさっきまさぐっていたカバンを抱え上げ、
窓から飛び降り、夜の闇に消えていった。

712547:2014/03/16(日) 22:00:21 ID:S6A1sg8I0


その頃、あの病室の真下、1Fにある応接室に、この病院の医師と
都美の父親がいた。
都美の父は深々と頭を下げ、数十万円相当の紙幣が入った封筒を医師に差し出していた。

「娘の治療、ありがとうございました」
「いえ、肥化治療という手段をとらざるを得ず申し訳ありませんでした」


肥化治療―――特定の栄養素を急激に送り込むことによって、肥満化と引き換えに
患者の回復機能を活性化させ、疾病を即座に完治させるという処置。
コストもリスクも現時点でかなり抑えられているが、
当然のことだが、世間からの批難の声が強く、
実用化に踏み切れないでいる。


「しかし何であんな形で治療を行ったんですか」
「いえ、それが彼女がそうしたい、と言ったので・・・」
「問題もないので、好きにさせているのです」
丁度その時、上から人影が飛び降りて、裏庭に敷かれていたマットに着地したのが窓から薄らと見えた。
庭の照明に照らされたその人影は、紛れも無くリーファだった。
「本当に物好きな人ですよ」
「自分で作ったシステムなのだから特許を申請すればよいのに、
「必要経費以外ほぼ無償で私達医療機関に配布してくれて」
「・・・本当に変わった人ですよ」
少しの呆れと大きな感心が入り混じった医師の言葉はリーファの耳に届かず、
彼女は、子供の様な満面の笑みを浮かべて夜の闇へ駆け出していった。

おわり

あっ、タイトルは 「 美と健 肥化治療と演じる女」です。

713651:2014/03/21(金) 15:17:46 ID:cKg/E8eE0
547さん
星新一の短編のようで短いけれど面白かったです。

遅くなりましてすみません。
短いですが続きを投稿させていただきます。

714651:2014/03/21(金) 15:19:31 ID:cKg/E8eE0
「よくも私にこんな屈辱を…」
呪詛の言葉を吐き、立ち上がろうとする。

しかし、膨らんだ腹が邪魔で満足に上体を起こすこともできず。
再び前のめりに倒れたアニスに容赦のない嘲笑が投げつけられた。

「さ〜て、今のアニスちゃんの体重はどのくらいかしらね」
倒れているアニスをサクラが体重計の上まで転がしていく。
「あらあら、198kg。随分太ったわね〜」
実に100kg近い増加である。

「モミジちゃんと同じくらいね」
「ふざけるな! この私があんな肉のお化けと一緒だと!」
口角泡を飛ばしアニスはモミジを指差した。モミジは少し悲しそうだった。

「うふふ、今の自分の姿を自覚していないようね〜。だから私に出し抜かれるんですよ、魔王さん」
「な、なぜ私が魔王だと知っているのだ!?」

戸惑うアニスにサクラは顔を近づけて囁いた。
「本っ当に鈍感ですね。過去に見捨てた自分の部下さえ覚えていないなんて」

サクラの姿が歪んで溶けていく。
膨れていた体はするすると萎み。
瞳の色は燃えるような緋色に変わっていき。

サクラがいた場所に立っていたのはスレンダーな若い女(アニスは知る由もないが魔王を召喚する本を売った骨董品屋の女店主)だった。

「お前だったのか。魔王軍の元近衛隊長ティナ・ルーク!」
「やっと気づきましたか。罪を負われてあなたに地上に追放されてから随分苦労しましたよ」
「宝物庫の金貨を着服していたからだ。自業自得だろ」
「自分勝手な魔王の尻拭いに対する我慢料としては、近衛隊長のお給料だけでは全然足りなかったんですよ」
「貴様…」

「魔界を追われてから苦節十年、来る日も来る日もあなたに復讐することだけを考えていました。そしてやっとこの日が来た。
魔力も十分溜まり魔法も使えるようになりました」
観衆はいつの間にか消えていた。魔法で創り出された幻影であった。

「しかし、どうやらあなたは自分を慕っていた者にさえ罵声を浴びせるのですね。ほらあそこにいるのは…」
ティナはモミジを指差した。
「あなたの付き人だった下級悪魔のハンナですよ」
「は、ハンナ。お前はあの『ちびっこハンナ』だったのか!? 急に失踪して心配していたのだぞ!」

「ひ、ひどいです。私、好きでこんな姿になったんじゃないのに『肉のお化け』だなんて…グスッ」
「ち、違うんだ。お前だと分かっていたら!」
「追放されるときに魔界から攫ってきたんですがね。今は私の魔法で姿を変え、自己主張できない奴隷として働いてもらってますが」
「この…外道が!」

睨みつけるアニスに向けてティナは冷やかな笑みを返した。
「あらあら、魔王に外道呼ばわりされるとは光栄ですね。
でも、あなたが魔王の椅子にふんぞり返っているのは今日でおしまい。これからは私の奴隷にジョブチェンジしてもらいましょう」

ティナが呪文を詠唱するとアニスの周りに魔方陣が展開された。
「そうですね。取りあえず本物の豚さんになってもらいましょうか?」
「何を言って…ぶひっ!? …ふごっ…な、なんだこれは!?」

顔の中央部に違和感を感じアニスが鼻を触ると、立派な豚の鼻がついていた。
ティナは嗜虐に満ちた表情でアニスの鼻をなぞる。

「ぶひぃ…も、元にもど…ぶふぅ、んごっ…ぴぎぃぃ!?」
「なかなかお似合いの姿ですよ。これであなたは人語を喋ることはできない。誰の助けも呼べない。さて…」
ティナがアニスに手を伸ばす。
「もっともっと太ってもらいましょうか。かわいい私のペットさん」
眼の端に涙を溜めながら、最後にアニスが思い浮かべたのは彼女を召喚した男の顔だった。

715名無しさん:2014/03/21(金) 15:46:11 ID:LAyvPgCU0
続き来てた!乙です
豚化は好き嫌い別れるかもしれないけど個人的には大好きなシチュなので嬉しい

716名無しさん:2014/03/22(土) 00:29:56 ID:fiA3peYg0
乙です
さぁ、盛り上がって参りました!!
アニスの運命は如何に…

717235:2014/03/25(火) 00:03:26 ID:rpJrRk420
おお、小説投稿乙です!なかなか興奮する内容でなかなかそそるものがあって素晴らしいです!ごちそうさまです!
・・・あ、盛り上がってるところで、自分、話とは全く関係ない絵を書いたので
貼っておきます。
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1643_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1644_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1645_1.jpg
思いつきですがどうぞ。みなさんのフェチ力に役立てれば嬉しいです。

718名無しさん:2014/03/25(火) 01:09:18 ID:XEhn7pqQ0
GJ!
スク水ははちきれさせる物だよね

719名無しさん:2014/03/25(火) 17:33:57 ID:63S3icMg0
やはり段階を追って太っていくのはいいねえ、乙!

720名無しさん:2014/03/26(水) 16:53:39 ID:DRc/jpaw0
うぶぅう とかゲップとか萌えるwやっぱり強制だよね

721 ◆t3E9hfR0Bc:2014/03/28(金) 23:57:47 ID:3n9h/8WM0
みなさん投下お疲れ様です。
29日ですので駄文ですがどうぞ

ttp://www1.axfc.net/u/3207793.zip
パス:himanka

722547:2014/03/28(金) 23:57:57 ID:EBK2DjxI0
651氏 遅くなりましたが乙です!
まさかの伏線、アニス様どうなってしまのか・・・続き楽しみにしてます
それと「星新一の短編のようで〜」という、
自分には過ぎたお褒めのコメントありがとうございます

235氏もイラストの投下乙です!!
新たなシチュをわかりやすいイラストで展開させてくれて、ありがとうです。

さて、私こと547も、毎月恒例のあの人のSSの前座としてSSを投稿します。

235氏のイラストを駄文ながらもSS化したものです。

「人が着る水着(もの) 人を使う実験(もの) 」

コンクリートの床と壁に四方を囲まれた無機質な部屋。
そこに少女がスクール水着を着て立っていた。
その体はか細くて、 
?? (細すぎないか・・・)
??(元が細いほうが耐用実験には適している)
体重は重く見積もっても、40kg強 
??( いや体重は関係ないだろ)
スリーサイズは、74・49・71だろうか 
??(そこは測れよ) ??(どうでもいい)
この少女、ある会社が新開発したこのスクール水着の耐用実験の
アシスタントとして、法外とも言える程の、高額で雇われたのだが、

「これより水着の耐用実験を行う」
「耐久実験って水着着てるだけじゃない」
壁の向こうからの電子音声に少女が突っ込んだ。しかし・・

723547:2014/03/29(土) 00:00:02 ID:rzWBd3MQ0
「実験開始 スイッチON」
その音声をきっかけにして、少女の体が
「ちょ! 何よこれ! 体が・・・どんどん膨らんでいる・・・」
膨張し始めた。それも脂肪で、
少女の体はじわじわと膨れていく。
大きくなかった胸も、脂肪で大きく膨れていき、
谷間が形成され、水着の上からちらりと見えている。
その下のお腹もぽっこりとせり出していき、
柔らかくたるんだお腹は、
添えられた両手に沿って、むにりと変形している。
下半身、特にお尻と太ももも、丸く太くなっていき、
水着を押し上げていく。
しかし、布地はその変形に耐えてキズ一つ付いてない。
少女の精神は耐え切れずに錯乱しているが、

724547:2014/03/29(土) 00:04:53 ID:rzWBd3MQ0
「出力アップ」 電子音声が無慈悲に響いた。
そして少女の膨張、いや肥満化もペースアップした。

「うぶぅう!」
少女は体全体に水を無理やり入れたかの様な・・・
自分では上手く表現できないほどに不快な、その衝撃に耐え切れずに
大きなゲップを漏らしてしまった。
「いやぁあああああ!」
涙目になりながら、絶叫する少女。
だが肥満化は止まらない。

胸は頭よりも大きくなり、深い谷間が水着の上からでも分かる。
腹は、そんな胸を遥かに上回る程に突き出ていて、立派な太鼓腹である。
お尻は前から見ても大きく突き出ているのが分かる程のサイズだ。
そんなお尻に水着を押し上げられ、少女の脚がどんどん露出していく。
それと同時に太くなっており、脚と脚の隙間が無くなってしまった。
二の腕も丸太の様な太さである。
そして顔もぶくぶくと膨れて二重あごができていく。
しかし、ここまで来ても水着には亀裂一つ入っていない。

少女の体型情報(目視による推定)
146cm 38kg 74・49・71
→ 53kg 87・68・83
→81kg 97・109・93
→・・・

水着 耐久性評価 S(実験により確定)

少女の有様を、コンクリートの壁を隔てた向こう側、
白衣を着た2人の男が見ていた。
最初に少女の体型について雑談していたのもこの2人である。
「耐久性は問題無しと、後は・・・」
片方の男は、実験で得られたデータを淡々と記録していく。
「おいここまで太らせる必要は無かったろ」 
もうひとりの男が軽い憤りを見せながら、問い詰める。
「そもそもあんな少女を実験に使うなんて・・・」
男はその問い詰めに『お前は何を言ってる』、と言わんばかりのドヤ顔で返答する。


「人が着るものだぞ、実験には人間を使うのが一番だろ」

駄文かつ短文ですが、これで終わりです

725547:2014/03/29(土) 00:11:06 ID:rzWBd3MQ0
しかし前座はまだ引っ込みません。
後ろに控えしあの人にあやかって、
もう一本投稿させてください。

こちらは「がんばれゴエモンシリーズ」を原作とした
二次創作の長編、のプロローグです。


時は江戸時代(?)
伊賀の物知りじいさんが作った死んだ者を蘇らせる
「ウルトラ・(中略)ゴーストリターンマシーン」(以下召還マシーンとする)を
オカマの未来人シスタービスマルが奪ってしまった。
取り戻すためにまたまた冒険の旅に出発した義賊ゴエモン、
お供は毎度おなじみ自称正義の忍者エビス丸、ではなかった。


はぐれ町の茶屋、そこにゴエモンが誰かを連れて入ってきた。
彼を待っていたからくり忍者サスケが声をかけ近づく。
サスケ「ゴエモンどの―、さがしたでゴザル・・・よ・・?」
確かに入ってきたのはゴエモンだ。
しかし彼が連れているのは、見知らぬ人。
青いこの世界の一般的な服とはやや作りが異なっている、服を着た、
すっきりした体の可愛い女の子だった。
サスケ「ゴエモンどの、エビス丸どのは?」

ゴエモン「  あんとき、エビス丸はビスマルに突っ込んでいって、
避けられて・・・あのタイムマシンにぶつかって・・・
そんとき召喚マシーンとタイムマシンが光って・・・」
「で、光が消えた時にはエビス丸がいたところにこの子がいたんだ」
「物知りじいさんが言うには、

『召喚マシーンとタイムマシンは時間の流れに逆らうという点で
同様の技術を使っているのじゃが、
その部分が『シンクロ』して暴走した結果
エビス丸とこの子がいる時間を入れ替えたのじゃろう、
戻す為には召喚マシーンを取り戻して調べてみるしかない』

「と、いうワケなんでい」


サスケ「そういうワケでござったか・・・」
それでその方の名は?」
とりあえず納得したサスケは連れてきた少女に声をかける。
エビス「私はエビスって言います」

「がんばれゴエモンガールズ でぶでぶ道中 おにくでんこ盛り」
「ステージ1 新世代から来た女の子」

726547:2014/03/29(土) 00:14:17 ID:rzWBd3MQ0
サスケから、ゴエモンインパクトが暴走して
大江戸城に向かっていることを教えられたゴエモンは大江戸城に行くことにしたが、
そのためには城までのステージを攻略し手形を集めなければならない。

ゴエモン「オイラ達で次のステージに行ってるから、
エビちゃんはこの町で待っててくれ」
エビ「いえ、私も手伝います!」
サスケ「協力してもらうにしても、
この時代のことをもう少し知っておいたほうが良いでゴザロウ」
エビス「そういうことなら、分かりました」
という訳で一人はぐれ町で留守番になったエビスは、
エビス「この時代のことを知る・・・やっぱりからくり技術について、
ぐぎゅるぅぅぅ(腹の音)
「・・・そ、その前に何か食べよっと」
まずめし屋に向かった。


それから1日が経過し、大江戸城までのルートを確保した2人が
はぐれ町のエビスの元へ戻ってきた。だが・・・

ゴエモン「・・・・・」
サスケ「・・・・」
エビス「・・・・・・」
宿屋の一室、三人とも何も言えずにいる。
そのワケはエビスの体が変わり果てたから、
そう、とても太っていたからである。
元が痩せていただけに、そこから結構な量の肉が付いたことがよくわかる。

まず手足は2回り程太くなってる。
お腹はぽこんと少し体のラインからはみ出ている程度だが、
元を考えると、腹回りもかなり肉が付いたことになる。
そして服の上からでも分かるほどに巨大化した巨乳、
服がキツキツで今にも破れてしまいそうだ。

ゴエモン「エビスちゃん・・・どんだけ食ったんでぃ・・・」
エビス「フツウの量しか食べてません!!」
ようやく口を開いたゴエモンに、
真っ赤になって涙目で返答するエビス。
実際、エビスがこの1日で食べたものはごく普通のの量で、
ここまで太ることは絶対にありえないのだが・・・

727547:2014/03/29(土) 00:21:28 ID:rzWBd3MQ0
サスケ「もしや、『レキシのシュウセイリョク」とやらの一種では・・・」
エビス「歴史の修正力・・・そ、そうですか!」
「私とエビス丸さんの一番大きな違いは体重、
だから少しでもその違いを埋めるために私を太らせて・・・」
ゴエモン「そんなアホな!」
「・・・どっちにしろ、早いとこ大江戸城に行こうぜ!」


ステージ1クリア(訳 今回はここまでです、
(一応でろでろ道中をベースにしています)
(肥満化の形式としては、2、3人を集中攻撃!、という形にするつもりです)
(もちろん、その2、3人には、「あの娘」も含まれております)
(それでは続きは来月の29の日までには投下できる様にします)
(あと、今更ですが、がんばれゴエモンシリーズを知らない人に
かなり不親切なSSとなっております)

今回の犠牲者
・エビス
「新世代襲名」から登場。
エビス丸とは似ても似つかない、すっきりした体型の少女だが、
エビス丸と入れ違いにこの時代にやって来たせいで、
『レキシのシュウセイリョク』によって肥満化してしまうことに・・・
現在の体型 57kg 88・59・84

728235:2014/03/29(土) 11:33:20 ID:EDLiHTMA0
547氏、乙です!!!!!
自分の絵をSSにしていただきとても嬉しいです!
もうまさしく自分が考えていたものにかなり近いシチュだったので、
とても満足する内容でした!鬼畜度も増してすごいよかったです!ありがとうございます!

729651:2014/03/29(土) 20:36:02 ID:f0HY2RR20
>>721
安定した高クオリティ、特に輝子の「ふひぃ」が可愛いですね!

>>547氏、235氏
やっぱり絵と文があると妄想力2倍で凄くいいですよね
続きを待ってます!

29の日ということで私も続き投稿します。
相変わらず短くて申し訳ない…

730651:2014/03/29(土) 20:38:50 ID:f0HY2RR20
「…ふごっ!?」
気が付くとアニスは暗い牢の中にいた。

石畳の無機質な床。ところどころ崩れ落ちた壁。窓には鈍い光を放つ鉄格子が嵌っている。

「(ティナの店の地下室…というわけではないようだ)」
別の場所に移され、牢屋の中に閉じ込められた、ということか。

注意深くあたりを確かめる。
牢屋だから当たり前だが、どうやら出口はないようだった。

「(私に復讐する、と奴は言っていたが…?)」
死ぬまでここに幽閉しておく、という意味だろうか。

「そんなに怖い顔をしなくても大丈夫ですよ」
鈴を転がすような声がしたかと思うと、牢の中央に一人の少年が立っていた。
「ぷぎっ!?」
「ああ、ティナ様の術をかけられて喋れないのですね。あの方の嗜虐癖にも困ったものです」

少年が指を一振りするとアニスの豚鼻が縮んでいき真っ直ぐ整った本来の鼻に戻った。
さらにもう一振りするとアニスの体が光始め、太る前の引き締まった肉体に戻っていた。

アニスは困惑しつつ、少年に問いかけた。
「お前はティナの手下ではないのか?」
「はい。ティナ様の使い魔です」
「なぜ私の体を元に戻した?」
「さあ? ただの気まぐれですよ」
少年は笑顔を見せた。

訝しく感じつつも、口元が緩むのを我慢することができない。
ひとかけらの余分な脂肪もない己の体を撫で、筋繊維のしっかりとした感覚を確かめる。
鉛の鎧を脱いだように全身が軽い。

「喜んでいただけているようで幸いです。それでは私はこれで…」
テレポートの魔法を使い、部屋から出ていこうとする使い魔の腕をアニスは掴んだ。
「待ってくれ。無理な頼みなのは分かっているんだがここから出してはくれまいか?」
「んー…っと、そうですね。私の言うことを聞いてくれれば出してあげますよ」

使い魔が指を振るとアニスの目の前の温かい料理が表れた。
パンとスープ、それに羊の肉を炙った質素な料理だった。

「これを完食できたらティナ様に頼んでここから出してあげますよ」
「ほ、本当か?」
「はい」

アニスの胃袋なら5分とかからず食べ終えることができる量だった。
監禁された魔王は余裕綽綽の面持ちで料理に取り掛かった。

「では私はティナ様にこのことを伝えてきます」
「頼んだぞ!」
「ええ。豚は太らせてから喰った方が美味しい、とね」
テレポートの魔法で牢屋から退出する直前、使い魔が歪んだ笑みを浮かべぼそりと呟いたことにアニスは気が付かなかった。

731名無しさん:2014/04/01(火) 07:55:50 ID:50rqZzdU0
乙です!
「上げて落とす」ならぬ「痩せて太らせる」
個人的に大好きなシチュですので、
これからかどうなっていく(しまう)のか楽しみです

732名無しさん:2014/04/17(木) 00:52:13 ID:/a8e8yQA0
まだ?

733名無しさん:2014/04/20(日) 00:02:10 ID:MO/1WxqU0
まとめが消えたからどこからここに来れば良いのかわからないんじゃ

734名無しさん:2014/04/20(日) 00:03:16 ID:MO/1WxqU0
Sage忘れてたよ

735名無しさん:2014/04/20(日) 00:15:51 ID:siy4oAEE0
>>733
肥満化で検索

かわいい女の(ryを見つける

>>1で避難所を見つける

736名無しさん:2014/04/20(日) 20:53:37 ID:QPdcaxO.0
肥満化SSを投下するのは初めてなので、至らぬ点もあると思いますが、是非感想を下さい。
「復讐を転じて福となす!?」

僕の名前は草薙俊介。僕はある女の子に告白したんだけど、フられてしまった。別に僕がそんなにカッコ悪いってわけじゃないよ?勘違いしないでね?彼女が「君とはちょっと付き合えないなぁ…」って言ったから無性に腹が立ってさ。あ、そうそう、彼女の名前は渡辺万葉。確か親が先生をやってるとかなんとか。今はやり?のDQNネームっぽいよね。話を続けるよ。何とか復讐してやれないかって思ってたんだけど、中々いい方法が見つからなくってさ…え?その子は可愛いのかって?うーん、正直言うと世間からはブサイクって言われちゃう顔だねぇ…そんな奴にフられたから余計にムカつくんだ。ふと考えたんだ。
「人は見た目が九割」モデルの仕事をしている僕の母さんがよく言っている言葉だ。じゃあ見た目を悪くしてやろう、と考えたわけ。
でも既に顔は悪いしなぁ…ん!そうだ!太らせれば顔だけでなく体も悪くできるじゃん!と、言うわけで、僕は彼女を太らせる事にしたんだ…

737名無しさん:2014/04/20(日) 20:54:44 ID:QPdcaxO.0
まずは、どうやって太らせるか考えなきゃ。手っ取り早いのはめちゃくちゃ食わせる事だけど、そんな事出来っこないよなぁ…あ、そっか、脅せば早いよな。まずは見られたら将来が危なくなるような写真をとってやらなきゃ…え?手段が定番すぎるって?定番じゃない、安定と言って欲しいな。先人が成功しているんだから、下手にオリジナルに手を出すよりいいはず。さーてと、彼女、チョコが好きだったよな、睡眠薬入りのトリュフチョコでも作るか…



翌日、何個か強めの睡眠薬を混ぜたチョコを学校に持って行って、食べさせた。「変な事言ってごめんね、これからは友達としてよろしく」って言って渡したら簡単に食っちまった。なんだ、ちょろいじゃん。

738名無しさん:2014/04/20(日) 21:07:11 ID:QPdcaxO.0
ここは学校の倉庫。誰も使ってないから安心だね!え?御都合主義すぎるって?そこはフィクションだからおいといてくれよ!
さ、とりあえず脱がしてあんな写真やこんな写真をとっちまおう…因みにチョコを渡した場所は倉庫近くだから運ぶのは楽だった。

ふう、こんなもんかな。こんな写真をばらまかれたら僕なら引きこもるか自殺するような写真を数十枚撮った。お、起きた起きた…

「草薙くん…?何で…私…キャッ!」

「ようやく気づいたの?脅すわけじゃないんだけどねー…僕の頼みを聞いて欲しいんだ」

「た、頼み…?そんなの、聞くわけないじゃない…!警察に連絡するわ…!」

「あっそう、僕の父親の仕事、わかってないみたいだね。折角だから教えてあげる。表向きは公務員だけど、裏ではちょっと危ない事をしててね、盗撮事件ごとき余裕で揉み消せるわけ。おわかり?」

「う、うぅ…」

「そんな怯えなくていいよ、簡単な事さ。一ヶ月後までに、そうだな…7㎏増やしてきてよ。今の体重は?最後に量った時のでいいからさ」

「ご、53㎏…」

「なら60㎏じゃないか、まだまだ太ってるとは言えないから大丈夫だよ」

「はい、って、言いなよ」

「は、はい…」

「よろしい!」

完全に僕の勝ちだ!

739名無しさん:2014/04/20(日) 21:10:42 ID:QPdcaxO.0
(視点変更です)
ど、どうしよう…こんな事、お母さんやお父さんに相談するわけにもいかないし…
やっぱり、7㎏増やすしかないのかな…と、とりあえず一日どれくらい食べればいいのか計算しよ…
えっと、私のエネルギー必要量は2250だから…脂肪1gで9kcalで…脂肪1㎏で…1000g…うわぁ…1000kcal余分にとっても111gしか増えないよ…でも1000って以外と簡単かも…チョコとかあるし…
よし、計算しよ。えっと、2250は通常の三食で摂るものとして、えーと、何を食べるのが一番手っ取り早いのかなぁ…あ、チョコパイなんて良さそう。えっと、これを一箱食べると978で、これを三食の間に食べると…3000近く行くのか…これなら早く60にいけそうかも…うぅ…なんで…こんな事に…なっちゃったんだろう…
私が…フった腹いせ…?で、でも…あんな写真撮られちゃったし…で、でも、すぐに痩せれば大丈夫だよね…


翌日、私はコンビニでチョコパイを3箱買って、一箱はすぐに食べた。うぅ…やっぱり辛いなぁ…胃がもたれるよ…

午前の授業も終わって、お昼休み。お弁当、食べられるかなぁ…
と、思っていたが、心配は杞憂に終わった。

以外と入る…でも、これで体育とかやったら吐くかも…

「万葉ちゃんそんなに食べて大丈夫?」友達の美沙ちゃんが声をかけてくれた。

美沙ちゃんに相談すべきだろうか?でも、彼女にまで危害を加えられたらどうしよう…
やっぱり、言えないよ…

740名無しさん:2014/04/20(日) 21:31:14 ID:QPdcaxO.0
「う、うん!大丈夫だよ…」

「そう?何かあったらいつでも言ってね」

「わかったよ、ありがとう」

放課後、私は家に帰って残りの一箱を食べた。結論。案外、いける。うぅ、喉が乾いたなぁ…少しでも太るのを早くするために炭酸を買ってこよう。私は近くのコンビニへ走った。

一週間後、私の体に変化が現れ始めた。

「うぅ…スカートがキツい…」
この一週間、あんな生活を続けていればこうもなるだろう。

スカートどころか、パンツまでキツい。食い込みが直しても直してもまたすぐ戻ってしまう。お腹も少しだが出ており、パンツの上にちょこんと乗っかっている。胸はあまり変わっていない…なんでだろう…

安全ピンでスカートを止めると、私は学校へ向かった。

「あれ、万葉ちゃんちょっと太った?」

声をかけてくれたのは美沙ちゃんだった。

「う、うーん、最近食べすぎちゃって…」

「そっか、食べ過ぎには気をつけてね」

「う、うん」

力のない返事しかできなかった。
家帰ったら体重計ろう…

早速私は家に帰って体重を計った。

「ご、55㎏…」たった2㎏しか増えていないのに、この変化?何かおかしい。もしかして、彼が何かしたとか…?
私は怖くなって、買ってきたばかりのサイダーを飲み干して、いつものようにチョコパイを食べた。
先週より楽に入るようになった気がする…

さらに2週間が過ぎた。
私は十分ぽっちゃりと言えるレベルになってしまっていた。
お腹は座るとそこまでではないが段を作り、お尻は前よりもずっと大きくなっており、穿いているパンツの柄が引き伸ばされてしまう。顔にもうっすら肉がつき、そろそろ二重顎を形成しかけている。胸は相変わらずだ…何で胸だけ小さいままなんだろう…でも脂肪で大きくはなっているがカップは変わっていない。二の腕は揺するとフルフルと肉が揺れる。

「うう…今…何㎏だろう…」

「よいしょっと…うわっ…62㎏…?」

「こ、こんなに太っちゃったの…?」

ここ最近の生活を考えれば当然である。最近ではブラとパンツは入らなくなってしまい、大きいサイズをセットで買った。家では下着、寒い時はジャージで過ごすようになった。

741名無しさん:2014/04/20(日) 21:32:47 ID:QPdcaxO.0
制服は、新しい物を買ってもらった。お母さんからは食べ過ぎないよう注意された。

「明日は彼に会わなくちゃいけないんだった…」

翌日の放課後、私は倉庫に向かった。
「やぁよくきてくれたね」

「立派に育ったじゃないか、僕も嬉しいよ」

「もう60㎏は超えているわ、文句はないでしょ?」

「あぁ、よく頑張ったね」

私は倉庫から出ると、行きつけのコンビニへ向かった。
最近は暑いので、2リットルのコーラは欠かせない。それだけでは喉が冷えるのでポテチや菓子パン、唐揚げなども食べている。

家に帰ると、早速着替えておやつの時間だ。

「よいしょ…ふぅ、はぁ、」

最近は息が切れやすくなってきた。
「ゴクゴク…ぷはぁっ…」

ポリ、ポリ、ムシャ、ムシャ…

「美味しかった…ふぅ、晩ご飯まだかな…」

それから、さらに1ヶ月。私は完全にデブと呼べるレベルになった。

新調したブラも、パンツも、制服も、ジャージも、何も入らなくなってしまった。胸は相変わらず。
お腹は立っていても見事な段を形成し、お尻は大きく、垂れ下がっている。二の腕はさらに太くなり、肉のマントのようになってしまった。
太ももは痩せていた頃のウエストくらいある。
体重は先週計ったら75㎏だった。

このまま、どんどん太っていったら、私はどうなってしまうのだろう…

そんな不安を抱えていると、ケータイがなった。
「あ、もしもし、万葉ちゃん?」
「あ、美沙ちゃん…?」
「今、大丈夫?」
「う、うん」
「あのね、明日から夏休みでしょ?伝えたい事があるんだ。万葉ちゃん、大分太っちゃったから歩くの大変でしょ?だから、私が家に行くね」

「う、うん…」

「じゃあね、また明日」

と言って電話は切れた。
美沙ちゃんにまで、こんな心配をかけさせて…そのストレスが、余計に私を食へと走らせるのであった。

翌日、私が部屋でお菓子を食べていると、美沙ちゃんがやってきた。
「おーい、万葉ちゃん?」
「あ、ちょっと待ってて…」
私は急いで部屋を片付けた。そして、服についていた食べカスも払った
「いいよー」

「ん、おじゃましまーす…」

「どうぞー」

「あ、そういえば玄関空いてたけど大丈夫なの?」

「ん、今お母さんが裏庭でガーデニングしてるから」

「あ、そうなんだ」

「そういえば、伝えたい大事なことってなんなの?」

「あ、それはね、…」

742名無しさん:2014/04/20(日) 21:33:49 ID:QPdcaxO.0
沈黙が続く。

「どうしたの?」

「い、いや、ちょっと言いづらくってさ」

「私と美沙ちゃんの仲だよ?なんでも言ってよ」

「う、うん。それじゃ言うね…えーと、その…ごめんなさい!」

「へ?」
いきなり謝られた私は呆気にとられてしまった。

「…実はね、万葉ちゃんのお弁当の中に、余分な筋肉を脂肪に変えて、太りやすくする薬を混ぜてたの。私ね、太った女の子が好きなの。万葉ちゃんがね、太ってればね、どれだけいいかって、思い始めた。それでね、万葉ちゃんが太り始めてるのをみてね、これはチャンスだって思ってね、少しずつ、混ぜてたの」

「……」

「ごめんね、本当にごめんね、私も、万葉ちゃんと同じようにね、太る事にしたの。友達を太らせておいて、自分だけって言うのも気分が悪いから、お父さんに取り寄せてもらったんだ」

そう言うと、彼女は瓶の中の液体を飲み干した。

「ぷはぁっ。これで、おあいこだね」

「万葉ちゃんにこんな事をしちゃったのは私。絶対に、私は裏切らないよ。だから、明日からよろしくね」

「ま、待って!」

そう言うと、彼女は部屋から出て行った。

その日の夜、私は全く寝られなかった。

ずっと、美沙ちゃんの事を考えていた。

まさか、彼女が、こんな事を、考えていたなんて…

「明日からよろしくね」
どういう意味なんだろう…

続きます。




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