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【オリスタ】セクター9の世界【SS】

1 ◆79EFR1u8EY:2011/05/10(火) 19:43:40 ID:???0
立ったかな?

立てて良かったのかな?

577 ◆79EFR1u8EY:2012/04/15(日) 13:16:44 ID:ZoGmZOPc0


九堂「あれは……波紋だ、間違いなく波紋だ!やっぱり、『波紋の世界』は使えなくなったわけじゃないんだ!」

紅葉「違う……!」

九堂「は?」

紅葉「今……模は、スタンドを出していなかった……。あれは……あれは……!」


紅葉は、体の震えを止めることができなかった。

模の悩み……それを、模と出会ったときから知っていたから。

あふれる涙が零れ、紅葉の頬をつたった。


紅葉「あれは、セクター9じゃあない、模の……『模自身の』波紋だ!!」


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ジョセフ「彼は……才能がないなんてわけはなかった。彼は有していたのだ、波紋を扱う資格を……!」


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模「フー……」


右手を前に構え、静かに息を整えた。

別荘地帯を吹き抜ける風は……いつしか、模を中心に渦巻いていた。

578 ◆79EFR1u8EY:2012/04/15(日) 13:18:09 ID:ZoGmZOPc0
今回はここまで〜☆

あと2回くらいの更新で終わりです。

579名無しのスタンド使い:2012/04/17(火) 12:28:50 ID:ORjJm0f.0
うおおおおお
これは熱い真実!!
乙です

580名無しのスタンド使い:2012/04/17(火) 21:19:26 ID:0OwlbINYO
うおおおおおおおおお!!!正真正銘の波紋疾走だあああああ!!!燃えて来たあああああ!!!!うっひょおおお続きが楽しみだぜえええええ!!!!

581 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:53:43 ID:l0eEc1jU0
コメントありがとうございます!


模はスタンド図鑑の「波紋使いの少年」という設定に帰結しました。
これを成長としてやりたかったことでもあります。



んでは続きを投下します。

582 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:54:33 ID:l0eEc1jU0

ディエス「ぐ……く、おおおおおお!!」ブオン!!

ディエスは目の前の模に向けミレニアム・チョークの腕を振り回した。

模「ッ!」バッ!

模はスタンドを消していたためガードはできなかったが、バックステップでミレニアム・チョークの攻撃をかわした。

ディエス「く………効いた………。」

模「…………」

ディエス「そのような武器を……隠していたとはな。おそらくは、仲間にも隠していたのだろう。最後の……ここぞという場面まで。」

ディエスの言葉に対し、模は沈黙を続けた。

ディエスの言うとおり、模は杜王町に戻ってから波紋を習得したことを誰にも告げなかった。

それは、ジョセフと相談してのことだった。

スタンド使いのエキスパートと戦うにあたって、スタンド以外のところで武器を持っていることは大きなアドバンテージを得るからだ。


ディエス「いいや……隠していたというより、表には出さなかったというだけか。考えてみれば杖谷……お前は今日ずっと戦い続け、杜王町中を走り続けた。

     それにもかかわらず今になってもその動きに疲れは見られない。波紋の呼吸法が、身体能力の強化をしたのだな。」

模「波紋を知っていたのか?」

ディエス「言ったろう、おれが裏の世界で何十年生きてきたと思う……?」

模「だが……実際に戦うのは初めてだ。杖谷模……『ただのガキ』だといったことを訂正する。

  おまえは、俺の成長のための『試練』となる存在だったッ!!」ダッ!


ディエスは模に向かい一直線に駆け出した。

583 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:55:06 ID:l0eEc1jU0
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模の曾祖父「いいか模、波紋の基本は『呼吸』だ。波紋呼吸法は肉体にエネルギーをもたらすのだ。」

幼き模「エネルギー……?どういうこと?」

模の曾祖父「簡単に言えばスーパーマンのようになれるってことだよ。」

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――ひいじいちゃんは今の僕を見て、喜んでくれているかな――


バゴォォン!!

ミレニアム・チョークの振り下ろした拳がアスファルトを砕く。

模は側方に飛び、スキのできたディエスにすぐさまセクター9の拳を叩き込む。

ディエス「遅いッ!」

しかし、スピードもミレニアム・チョークのほうが勝っていた。

セクター9の拳を掴み、動きを封じた。


模「そっちはおとりだ……『波紋疾走』ッ!!」

模の拳がディエスの体に触れ、波紋を流し込む。


バヂバヂバヂバヂバヂ



ディエス「ぐゥッ……!!」

体中に電流が流れたように痛みが広がる。


ディエス「クソッ………」ドガッ

ディエスは模に前蹴りを放った。

だが、蹴ったというより足で模の体を押しのけたようなもので、模にダメージはない。

ディエス「ハアッ………ハアッ………。」

模から離れたディエスはさらに距離をとる。


ディエス(パワー、スピードはミレニアム・チョークが上回っている……だが、向こうはセクター9だけでなく杖谷自身の攻撃も警戒しなくてはならない。

     近づいたら波紋を流されてしまう……。)



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模の母「『波紋』さえ……学ばなかったら、あなたは傷つかずにすんだのにね……。」

     あの時……私がムリにでもやめさせればよかった。普通の人にはない力なんて、持たないほうが良いんだよね……。」

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――母さんの言う通りなのかもしれない。でも、僕は波紋を捨てたくはなかった――



ドガッ!!

ディエス「!?」

ディエスが考えてる間に模はディエスに近づかず、その場で地面に拳を突きたてた。

ディエス(………? 地面に波紋を流したか?だが、俺との距離はずいぶんある。波紋の威力は弱まるはずだが……。)

模「『サウンド・ドライブ・セクター9』………。」

ディエス「………!! しまった!」

バシッ!!

ディエスの足元が爆ぜ、波紋の衝撃がディエスの体を襲う!

ディエス「がぁぁああああああッッ!!」バヂバヂバヂバヂ


ディエスの体が硬直している間に模はディエスに駆け寄った。

模「『衝撃の世界』……波紋の衝撃を溜め、足元に移動させた!」


紅葉「近距離だけじゃない……」

九堂「ミドルレンジでも、ディエスを圧倒している……! いける、いけるぞ模!!」


模「あああああああああああああああああああああッッ!!!!!」


紅葉「いけッ、模!!」


ダダダダダダダダダダダダダダ!!

模「波紋キーーーーーーーック!!」


ドグァ――――――――ン!!

ディエス「ぐばぁーーーーーッッ!!」


模の波紋キックは無防備のディエスの体にクリーンヒットし、ディエスをフッ飛ばした。

ディエスの体は茂みの中に突っ込み、姿が見えなくなった。

584 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:55:34 ID:l0eEc1jU0

九堂「よし……やった………!!」

紅葉「おかしい……。」

九堂「え?」

紅葉「ディエゴ・ディエス……これまで5度、模の波紋をくらった。1度目、5度目はただフッ飛ばしただけだからノーカンだとしても、

   ディエスは3度、波紋を全身に浴びている。なのに………なぜ立っていられるの?

   体の大きな銀次郎でさえ2度……その2度とも一撃で気絶していたというのに……。」

九堂「そりゃあ……鍛え方が違うからじゃねえか?」

紅葉「そうだとしても、3度くらって立ち上がれるとは考えられない……。」


ガザザッ

茂みの中からディエスが立ち上がり、模へ歩み寄り始めた。


九堂「……マジかよ。」


模「………ッ。」

ディエスの足取りは重く、ダメージが見られるがいまだ戦意は消えていなかった。

ディエス「勝利の女神は……俺に微笑んだ。」

模「…………」

ディエス「血の滴る俺の服とマントが……『アース』の効果をもたらした。服とマントの血液にまで波紋が伝わり、俺自身への波紋のダメージが軽減された。

     4度……イや5度か? もう波紋をくらっても、ダメージはあれど俺は意識を保つことはできる……。」

模「くそっ………ハァっ!」ビュッ!

ディエス「フン……」スカッ

模「うらあッ!」ビュン!


模はディエスに向けてパンチを放つが、すべてをかわされてしまう。

ディエス「無駄だ、無駄無駄。『経験の差』……忘れたのか?不意を突かれなければおまえの攻撃など当たらない。」

模「セクター9ッッ!」

ブオンッ!

ディエス「おまえが俺に勝てない理由……」

ガシッ!

ディエスはミレニアム・チョークにセクター9の腕をつかませた。

模「っ!!」

ディエス「さきほども言っただろう。『基礎能力の差』……お前のスタンドの攻撃を止めるのは簡単なことだ。」



ガシッ!!

ミレニアム・チョークはセクター9のもう一方の腕も掴んだ。

模「何をする気だ……?」

ググググ……

ディエス「先ほどと同じことよ……。ミレニアム・チョークの能力でお前を殺す……!」

模「な……!」

ディエス「再び波紋を放てばいい。気絶しないことさえわかれば、俺はお前の攻撃に耐え、能力で押し切ることができる……!」

模「…………!!」


ディエス「『ミレニアム・チョーク』!!」

ギュン!!

585 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:55:57 ID:l0eEc1jU0

模「ぐぅッ!」

ミレニアム・チョークの攻撃により、模は再び両腕から体力を奪われていく。

セクター9『血液の世界』で抵抗しても、オリジナルのミレニアム・チョークには抵抗しきれない。

模「……………」

ディエス「あと一歩、だったな杖谷……。もう少しで俺を殺しきれたものを……!」


模「あと一歩か………。」

ディエス「そもそもお前の隠していた切り札……波紋の一撃で俺を倒しきれなかったことこそがお前の敗因だ。さあ、やれるものなら切りかえしてみろ!」

模「…………切り札……」

ディエス「なに?」

模「僕の切り札は……確かに波紋だった。だが………おまえは勘違いしている。」

ディエス「…………」

模「僕は、まだ全力の一撃を放ってはいない……。」

ディエス「ハッタリだ。ならばなにも言わず全力で打てばいい。それでも俺は立っていられるだろうが………」

ディエスはふと模の腕を見た。

ディエス「ん…………?」

ディエスが能力を使い始めてしばらく経っていたが、模の腕の色は赤みがかったまま変わっていなかった。

先ほど能力を使っていたときは、攻撃を受けるまでは蒼白になっていたはずなのに。

ディエス「なんだと………。」


ドドドドドドドドドド……





――僕は、波紋を捨てたくなかった。何もない、マネだらけの僕の世界で唯一持っていたもの、僕だけが持つことができた――




模「これが……全力の一撃だ……!」





――波紋の、世界――



ドウッ!!



ディエス「ぐ………ッ!!」

模の拳が、ディエスの胸を突いた。



ディエス「が……は………ッ!」

今度は、ディエスの体に電気のようなしびれる痛みは走らなかった。

拳が胸に突きたてられた瞬間、体のすべてが硬直させられた。

模の放った本気の一撃は、体の真に向け一直線に、一転集中に波紋を放った。


ディエスの体がぐらりと揺れる。

模「波紋の一撃を心臓に向けて放った。波紋の衝撃を受けたおまえの心臓は……停止した。」


ドサッ

ディエスは地面に前のめりになって倒れた。

血液を操作するディエスの能力……その血流を生み出す心臓が止められたことにより、

ディエスは……ミレニアム・チョークを発動させることはできなくなった。


模「これで僕は………変われたかな、紅葉。」


紅葉「………………!!」

九堂「よっしゃあーーーーーーーーーーッッ!!」

586 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:56:17 ID:l0eEc1jU0



倒れたディエスはピクリとも動くことができないでいた。

………その傍らに、ミレニアム・チョークは佇んでいた。


ディエス(………し……ぬ………………死ぬ………『死ぬ』のか………? 俺は…………?)


パキッ

だらりと腕を下げて直立するミレニアム・チョーク……その頭部のヘルメットの一部に、ひびが入った。


ディエス(………『死ぬ』……まだ……生きてはいる……が……もうすぐ…………『死ぬ』……)


パキッパキッ


ディエス(ならば…………お前の勝ちには……まだ早いぞ、杖谷…………!)


パキパキパキ……


ドドドドドドドドドドドドドドドド……



九堂「やったぜ、模!」

九堂は喜びのあまり跳びあがり、模に駆け寄ろうとした。

紅葉「待って、九堂!!」

紅葉は九堂の前に手を出して制した。

九堂「なんだよ紅葉、水差すなよ……アッ、そうか……そうだよな…喜びを分かち合うのは、お前ら2人が先かァ、いいねえこのゥ。」

模「……紅葉?」

紅葉「忘れていた………ディエスには、もう一つ能力があることを……」

九堂「え?」

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キル「ひとつ、いいことを教えてやろう………ボスの能力……『血液成分を操作する』……きっとボスの能力は、『これだけではない』のだ……。」

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九堂「そういや、キルもそんなこと言ってたな……。で、でもディエスはあの様子だし、もう心配もないんじゃ……。」

紅葉「それもそうなんだけど……もう一つ能力があるのは、おそらく間違いない。」

模「な、何を言っているの紅葉?」

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ディエス「『衝撃の塊』を、俺にぶつけるつもりなんだな、紅葉……!」

紅葉「……え?」

紅葉(なぜ……ディエスは『衝撃の塊』の能力を知っているんだ……?

   これは、ディザスターのアジトの中で、閉め切られた講堂の中で初めて使った能力なのに……!)

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紅葉「『未来予知』……。」

九堂「みらいよち………?」

紅葉「私の思い過ごしなら、それに越したことはない。事実、模はディエスに勝った……でも見て。」


紅葉は倒れたディエスのほうを見た。

ディエスは動かない。

だが………ミレニアム・チョークはいまだ消えずにいたのだ。


紅葉「ディエスはまだ……意識がある。」


ドドドドドドドドドドドドドドド……

587 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:56:51 ID:l0eEc1jU0


九堂「な、なんかイヤな予感だけは感じるぜ……どうする?」

模「決まってる、セクター9!」

模はミレニアム・チョークに駆け寄り、拳を引いてパンチを放った。

模「うああああああああああああああああッッ!!」


バギィッ!

セクター9の拳は……防がれることなく、佇んだままのミレニアム・チョークの頭に命中した。


パキッ!


セクター9が拳を離すと、ミレニアム・チョークの頭部のヘルメットが砕け、破片がこぼれて地面に落ちた。

模「!!」

九堂「今度こそやったか……?」


パキッバキッ!

砕けた部分からひびは広がっていき、ヘルメットがどんどん砕けていく。

紅葉「いいや……なんだこれは?」


ボドッ、ボドッボドッ……


崩れ落ちたのはヘルメットだけではない。全身の装甲がひび割れ、砕けて崩れていった。


ミレニアム・チョークの装甲が落ちていくにつれて、内側の気色悪いほどに真っ白な肌があらわになっていった。

九堂「模、なんだコイツ……何が起こっているんだ?」

模「……わからない。」

ほとんどの装甲が剥がれ落ち、ミレニアム・チョークはまるで生まれ変わったかのように姿が変わってしまった。

ぬらりとした真っ白な肌と、体中に刻まれた生傷。

そして特徴的だったのは……

紅葉「腕のあれは何……?」

両腕の手首につけられた……いや、手首そのものが地球儀のような丸い球になっていた。

そのスタンドが変身を終えた後、か細く声が聞こえた。


ディエス「ワールズ・エンド………」


九堂「………!」

模「ディエスッッ!!」

ディエスは腕で体を支えてゆっくりと身を起こし、模たちを見上げて言った。

ディエス「『ワールズ・エンド・ガールフレンド』……俺が『死の恐怖』に襲われた時に発動する、ミレニアム・チョークが成長したスタンドだ……。」


ドドドドドドドドドドドドドドドド……

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No.1001
【スタンド名】ワールズ・エンド・ガールフレンド
【本体】ディエゴ・ディエス
【タイプ】近距離パワー型
【特徴】両腕に大きな地球儀がついた人型。能力発動時は二つの地球儀が勢い良く回転する。
【能力】ディエゴ・ディエスが『死の恐怖』を感じた時に発動する『ミレニアム・チョーク』が成長したスタンド能力。
    「この世界」を消滅させ、「平行世界」に移動する能力。
    例えば敵を「殴った」とき、結果が気に入らなければその世界を壊し「殴らなかった」世界に移動してやり直す。
    世界間を移動できるのは今いる世界が消滅したときのみである。
    「世界」の消滅はその世界に住む全ての絶滅を意味する。
    消滅の際「平行世界」に移動できるのは本体と、本体の許可を得た者のみ。

    無数に点在する多次元的平行世界の中でこのスタンドと本体は唯一無二、常に一人だけである。

    しかし本体と共に移動した他の人間は、移動先の平行世界にも同一人物が存在する。
    その者たちは移動後5時間以内に「向こうの世界の自分」を見つけ出し、殺さなければならない。
    できなければ「向こうの世界の自分」と「今いる自分」、お互いの存在が抹殺される。

破壊力-A スピード-B  射程距離-E
持続力-C 精密動作性-B 成長性-D

考案者:ID:iXwThw+v0
絵:ID:XH+qOLPRO
絵:ID:fcuVSpso

588 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:57:14 ID:l0eEc1jU0
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はじまりは……俺の世界のはじまりは……百年ほど前だったか。


―――俺は、英雄だった。


第一次世界大戦時、俺は某国軍の一兵卒でありながら大戦果をあげ、祖国の躍進に大きく貢献した。

単身で敵地に乗り込み、一人で敵の小隊、拠点をいくつも潰した。

ミレニアム・チョークを持っていた俺にとって、粗末な銃を持った程度の兵では相手にもならなかった。

軍で一番の戦果をあげた俺は国民の誰もが知る英雄だった。

俺自身、英雄と呼ばれることよりも、自分が国の役に立てたことに素直に喜びを感じていた。


だが終戦後、俺は国民の誰もが知る反逆者となってしまった。

俺の自宅の机の引き出しから、国家への謀反、そして革命を企てるという内容の文書が発見されたらしい。

発見したのはもう一人の英雄の大将軍閣下……その直属の部下だった。




―――石の壁に囲まれた薄暗い部屋。

部屋の中央のイスに俺が座り、まわりには幾人かの軍人が立っていた。


*「………これからおまえの体に電流を流す。おまえが死に至るまでスイッチが切られることはない。」

死刑執行時の決まり文句を淡々と話す男に俺は尋ねた。

*「これは何かの間違いだ!俺は……革命など企てていない!」

*「今更何を言っても無駄だ。証拠も出ているというのに」

*「そうだ……大将軍!大将軍様なら俺がそんなことを考えていないと分かってくださるはずだ!」

*「………プッ、ククク……」

*「何を笑っている!」

*「いやー面白すぎるぜ英雄さんヨォ。」

*「何………」

*「おまえを捕らえるよう指示したのは大将軍サマだぜ!?」


まわりにいた軍人も話し出した。

*「安心しろ、お前の戦果はすべて将軍様の功績となる。これから将軍様を中心とした巨大な国づくりが始まるんだ!」

*「英雄は一人いれば十分なんだよ!」

*「そんなッ……俺は、俺は……!」

*「スイッチを入れろッ!!」


*「うあああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!」





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

589 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:57:32 ID:l0eEc1jU0








*「………ハッ!」

俺が目を覚ましたのは雨の降りしきる森の中。

まわりには石の壁も、電気椅子もない。

軍人の姿も見られたが、先ほど俺を笑ったものとは顔が違っていた。

そして、俺自身も囚人服ではなく軍服を着ていた。

*「これは……あの戦争か?」

俺が立っていたのは、俺が大戦果を挙げた先の戦争、終わったはずの戦場だったのだ……。


俺はスタンドを発現させ、姿を確認した。

*「……いつものミレニアム・チョークか。」


……俺は見たのだ。

愛する祖国に「はめ」られて、絶望の中で電流を浴びている間……

見たことのないスタンドが、俺の側に立っているのを。

白い肌に無数の生傷。

鮮やかな青い地球儀がかえって不気味だった。


そのとき、背後から声が聞こえた。


*「おいお前、進軍命令が出てんだぞ、早く行けよ。」

俺は振り返り、その男の顔を見た。

*「…………!!」

*「何ぼさっとしてんだよ。」

*「あんた……死んだはずじゃなかったのか? 俺の前を走って、銃で頭撃たれて……」

*「な、何言ってんだ冗談じゃない!」

*「………………。」


俺は理解した。

死の間際……俺のスタンドは成長したのだ。

過去に戻り、やり直す能力。

やり直す前の記憶をすべて受け継いだまま、過去の自分へ還る能力……。



俺は進軍方向から離れ、森の中へ入っていった。

*「お、おい!どこ行くんだよ!! 命令無視は懲罰モンだぞ!」

英雄と呼ばれる俺だったら、勇猛に敵軍へ向かって行っただろう。

だが……俺は軍のため、国のために生きるのをやめた。

*「おーい! 戻って来い!! おーい!!」


俺は茂みをかき分け、戦場を去っていった。

俺は……仕えることをやめた。真の正義のために、俺の世界を作ることを目指し、歩き出した。

ミレニアム・チョーク……そして、ワールズ・エンド・ガールフレンドと共に。


銃声と共に、さっきの男の断末魔が聞こえた。

590 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:58:01 ID:l0eEc1jU0

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それからというもの、俺が俺以外のスタンド使いと出会い、戦ううちに危機は何度も訪れた。

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キル「フフ………ディエゴ・ディエス……あなたが私の能力を知っていたとしても、あなたに勝ち目はなかった。

   あなたが築き上げてきたディザスターは、私が頂くことにいたします。」

ディエス「……………」

キル「これで…………とどめだッ!!」

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そして、杜王町にきてからも……


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ディエス「くそ…………零ッ! きさま…………!!」


ドガァン!

ディエス「ぐっ、背後から………!?」

紅葉「ブラック・スペード、『衝撃の塊』……!」

ディエス「一之瀬……紅葉ァァァァァ!!!」

零「ディエゴ・ディエス……あなたも私を呪いから解放するほどの力はなかった……

  だが、あなたの野望もここまでだ、『アンティーク・レッド』!!」

ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!

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そう、俺は『キル・シプチル』、『零』によって命の危機に迫られていたのだ。

我がミレニアム・チョークのみでは勝てぬ相手……だが、『死の恐怖』を感じたとき、

ミレニアム・チョークはワールズ・エンド・ガールフレンドに成長し、俺は過去へと戻り死を回避した。

そしてヤツらに勝つための研究をし、再び死の恐怖を感じさせられるのを回避した。


そう……ヤツらにとっては俺とは初めて戦ったつもりでも、俺にとっては二度目、三度目の相手だった。

スタンドの最も計り知れぬ能力……それが「成長性」だ。

俺が成長性を警戒するのは、成長するということの恐ろしさを身をもって……自らのスタンドでもって知っているからだ。

ワールズ・エンド・ガールフレンドがある限り、俺が負けることは決して無い。


だが……ワールズ・エンド・ガールフレンドが繰り返す運命の輪……それは必ずしも同じ運命を辿るとは限らない。

ワールズ・エンド・ガールフレンドが発動するたびに成長する俺が、以前とは違う行動をとり、それが運命を異なったほうへ導くことがあるのだ。

そして、この杜王町の作戦において俺は一度、ワールズ・エンド・ガールフレンドの能力を使った。

零……ヤツが俺を殺しうるスタンド使いであったからだ。

そして、再び杜王町の作戦が始まる前のときに戻った。


それから……運命は徐々に変わっていった。

俺が『一度目とは違う口調でキルを先遣部隊に任命し』、『そのわずかな口調の違いがキルの心理を一度目のときとは微妙に変え』、

それが『キルが杜王町で調達したスタンド使いの人選に影響し』、『それと戦った紅葉の体調、心理への影響も変わり』、紅葉の行動が大きく変わったのだ。

その結果、一度目の……零に殺されかけたときの連中のメンバーに新たなる人間が加わったのだ………。

591 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:58:21 ID:l0eEc1jU0



―――杜王町、別荘地帯。

地面に這いつくばっていたディエスが見上げる先には3人の人間が立っていた。

一之瀬紅葉、九堂秀吉………そして、『杖谷模』。


ディエス(そう………俺にとっての『一度目の杜王町侵攻』の際、杖谷模はそこにいなかった。

     わずかな運命のズレが、この『二度目の杜王町侵攻』の際に『杖谷模』という新しい人物をこの戦いに招き入れたのだ。

     俺は零とも戦ったし、キルが九堂によって倒されたことも、紅葉が棟耶との戦いで新しい力を見出したことも、『一度目』のときに知ったのだ。

     知らないことは……経験していなかったことは……この、杖谷模のことだけだったのだ!)



かつてディエスがキルと戦ったときにキルの行動をすべて読んでいたことも、

零がディザスターにいた頃にも誰にも明かさなかった能力を知っていたことも、

棟耶との戦いで初めて覚醒した紅葉の能力を、見てもいないはずのディエスが知っていたことも……

すべてはワールズ・エンド・ガールフレンドの能力によるものだった。

何も知らなかったのは模に関わることだけ。

だからディエスは模の家を襲撃して模と戦い能力を探ろうとし、

そして今の模との戦いにおいては、零や紅葉と戦ったときに見られた『未来予知のような能力』を使っている様子が見られなかったのだ。


それでも、模がディエスにとって難なく倒せるほどの相手であったなら、ワールズ・エンド・ガールフレンドを発動させるまでには至らなかっただろう。

だが、模はディエスに勝つために真に波紋を習得し、ミレニアム・チョークの能力を奪い、

そして今ディエスの心臓を波紋の攻撃によって止めて、ディエスを死に至らしめる前まで追い詰めたのだ。


故に、ディエゴ・ディエスはこのとき、この杜王町において二度目のワールズ・エンド・ガールフレンドを発動させた………。

592 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:58:44 ID:l0eEc1jU0




模「『ワールズ・エンド・ガールフレンド』……!」

九堂「成長した……スタンドだとッ!?」


ディエス「そう……! 窮地に追い込まれたとき発動する……俺の『ワールズ・エンド・ガールフレンド』はこの世のすべてをリセットし、

     新しい世界において私の運命を変えるために、過去からやり直すためのスタンドだ……!」

紅葉「すべてを……『リセット』?」

ディエス「俺の死しか待たない世界など知ったことではないが……『ワールズ・エンド・ガールフレンド』が発動し、俺がこの世から消えた後、

     この世界は『消滅』する……! そこまでが、ワールズ・エンド・ガールフレンドの能力なのだッ!」


九堂「んなっ……そんな能力アリなのかよ!」

紅葉「どこまで本当かなんて……そんなことは関係ない! 叩け模、九堂!」

九堂「く………『アウェーキング・キーパー』!!」


バゴォッ!!

ディエスの脳天めがけて放たれた一撃は、頭をすり抜けて地面のアスファルトを砕いた。

紅葉「な……!」

九堂「こ、これはキルのスタンド能力と同じ……!?」

ディエス「クク……違う、違うよ九堂………。キルの能力では……キルは体をすり抜けさせながらも、体はそこにあった。だが、俺は違う。」


ドドドドドドドドドドドドドドドド……


ディエス「すでに………俺の肉体はここにない。」

模「………!」

ディエス「俺の肉体はすでにこの世界を離れ、新しい世界へ移りつつある……。

     ここに残っているのは残り香としての幻影と、俺の意識のみに過ぎない。」


紅葉「な、なんだって………!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………


模たちのいる場所の遠くから風のうなる音とも、地響きとも取れる音が響いてくる。

*「ギーッ、ギーッ!!」

耳をつんざく無数の金切り声が上がり、どこかしこからネズミの群れが現れ、地面がもそもそと動くように四方八方に走り回っていた。

九堂「うわわっ、なんだこいつら!!」


模「ディエス……まさか………!」

ディエス「すでに『ワールズ・エンド・ガールフレンド』の能力は発動している………!!」



ビーッビーッビーッ!!ビーッビーッビーッ!!

突如、不快なブザー音が鳴り響いた。

紅葉は音を発したケータイを取り出し、液晶画面を見た。

紅葉「……………!!」

九堂「な、なんだよ紅葉!」

紅葉「き………」




紅葉「緊急地震速報……。」

593 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 14:59:06 ID:l0eEc1jU0

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

紅葉「きゃあっ!」

模「じ、地震………!」


ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………


別荘地帯の木々が大きく揺れ、枝が折れる。

ペンションの窓が割れ、壁に大きなヒビが入る。

その揺れは屋外にいても立っていることができないほどに大きく、模たちは地に手を置いて周囲を見回していた。


模「ディエスを……止めないと……」


模は何とか立ち上がるが、揺れに足をとられて再び転んでしまう。

九堂「ムリだって模! 立つことだってできねえんだから!」

模「………………」


ディエス「何をしようとムダだッ! この世界を終わらせ、俺は過去をやり直す!
     
     杖谷模……次こそは俺の手で必ず殺してやるッッ!!」


紅葉「やめろ……やめろおぉぉぉぉおおお!!」


ディエスの姿が足元から徐々に消えていく。

肉体だけでなく、意識さえもディエスは新しい世界へ移ろうとしていた。

九堂「うおおおおおおォォォオオオオオオオ!!!」


九堂は倒れる危険もいとわずにディエスに突進した。

しかし………


ディエス「さらばだ………!!」

九堂「く………!」


九堂がディエスのところに行き着く前に、ディエスの体は完全にこの世界から消え去った。




ズズズズズズズズズズズズズ……


……その後も地震はおさまらず、この地のものを壊し続けていた。

九堂「ちくしょう……ちくしょおおおおお!!」

紅葉「……………」

紅葉は地に這ったまま周囲を見回し、何かを探していた。


九堂「紅葉……逃げるぞ! ここは海に近い。崖だから津波の心配は無いだろうけど、崩れるかもしれない!!」

紅葉「………く。」

九堂「おい、何やってんだ紅葉!」


紅葉「……………『いない』。」

九堂「ああ、ディエスは……消えちまった、逃げられちまったんだ!!」

紅葉「違う!」

九堂「あァ!?」


紅葉「『模』が…………いない!!」

九堂「……………!!」


九堂は改めて周囲を見回した。

別荘地帯のあたり一帯には、九堂と紅葉、死んだ零のほかには誰もいなかった。


ディエゴ・ディエスの姿が消えたと同時に……模の姿も消えていた。


              第七章 -血道の世界- END

594 ◆79EFR1u8EY:2012/04/29(日) 15:02:43 ID:l0eEc1jU0
今日はここまでです。
ディエスの成長したスタンドは、連載始めた当初から使うつもりだったスタンドなのですが、
割と知られてるスタンドだとは当時知りませんでしたwww
色鉛筆さんデザのだと可愛すぎるので大量投下さん(?)のデザのイメージで書いとります。
なんかほんと、すいません。
扱い方もバイツァ・ダストとあんま変わらないし……。


次回、最終回です。

明日月曜日に投下します。

595名無しのスタンド使い:2012/04/29(日) 20:49:12 ID:sAu96tc6O
まさかのスタンド!!
ついにクライマックスだああああ!!!続きが気になるずええええ!!

596 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:52:07 ID:dJE.EuXk0




ドギュ――――――――z_____________ン


この世のどこでもないところ。

スタンドが造りだした異空間。

背景は様々な色が入り混じる抽象画のような風景で、すべてが高速で通り過ぎてゆく。

上も下もない、混沌の世界。

『ワールズ・エンド・ガールフレンド』を発動させたディエスは世界と世界のはざまをとんでいた。

ディエス「やはり……成長する力とは、おそろしいものだ。『杖谷模』……侮れん奴だった。」

ディエス「だがしかし、『ワールズ・エンド・ガールフレンド』の能力は無敵。

     ………『命』を『運ぶ』と書いて『運命』とは誰が言った言葉だったか。自らの『運命』さえ司るこの能力がある限り、俺に敗北は無い。

     ククク、いい『試練』だった。だが……俺は『成長』する。波紋にも負けぬ力をつけて、俺は再び杜王町に戻ってくるッ!」



ディエス「ディザスターは滅びぬッ! 俺の野望……『無秩序』の世界を形成するまで……俺は成長し続けるのだ!!

     ハァーッハハハハハハ!!!!」

ディエスは混沌の中を行き続けていた。今までいた世界から離れ、杜王町に行く前の新しい世界へと向かっている。

しかし、その世界へはいまだ辿りついていなかった。



ディエス「………ム、おかしいぞ。あまりにも時間がかかりすぎる。以前『ワールズ・エンド・ガールフレンド』を発動させた時は世界と世界の移動は数秒だったが……。

     もうすでに1分は経過している。」


ディエスが違和感を抱き始めると、その違和感はすぐに大きく広がり、確信に変わっていた。

その違和感の方向、それまでいた終わらせたはずの世界があった方向………ディエスは後ろを向いた。






そこには、杖谷模がいた。






ドドドドドドドドド………

597 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:52:34 ID:dJE.EuXk0


ディエス「なッ……!『杖谷模』!!なぜおまえがこの世界の狭間にッ!!!

     俺が前の世界から連れてきた者はいない、『俺だけ』のはずだ!!」


ディエスは模が『ワールズ・エンド・ガールフレンド』の世界にいる可能性を探し、考えた。

ディエス(セクター9の習得できる4つの『世界』……だが、その4つの席はすべて埋まっていたはずだ。

     『ミレニアム・チョーク』、『ハーミット・パープル』………『ブラック・スペード』、あとは………『波紋』……。)


ディエス「何故だ! どうやっておまえはここへ来たというんだッ!!」




ディエスの前に佇む模はゆっくりと話しだした。


模「………僕が波紋を習得するにあたって、ひとつ障害があった。

  それまで僕が波紋を使おうとすると、僕の意志に関わらず、かならずスタンドが発動したことだ。

  ……つまり、僕自身が波紋を使おうと思ってもできなかったんだ。スタンドを介さずにはね……。」


ディエス「何を話している! 波紋は関係がないはずだ!」

模「いいや、関係はあるんだ。

  ……僕は自分自身で波紋を使うため、〝セクター9第一の世界『波紋の世界』を忘れる〟必要があった。」

ディエス「何……!」

模「しかし、セクター9は『学習する』スタンド。覚えたものを消しゴムで消すように忘れることはできなかった。11歳のときから使い続けているんだからなおさらだ。

  『波紋』を使える人間は一人ではないから、その技術が消えることもない。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



未だ混沌の世界は終わらなかった。杖谷模は、この混沌の世界が『終わらない』ことを知っていた。

模は続けた。


模「しかし……杜王町にはひとり……『波紋の世界』を使えなくすることができる人間がいた。」



ディエス(……虹村億泰は物理的に消す能力……岸辺露伴は杜王町にいないはず……)





模「『大柳賢』……僕より少し年上の、スタンド使いだ。能力は……ジャンケンに負けた人間の『スタンド能力を奪う』。」




ディエス「な、何ィ〜〜〜〜〜!!!!」

模「ジョースターさんの知り合いだったんだ。『杜王町を守るため』だと話したら、すぐに協力してくれた。

  ……そして、セクター9の『波紋の世界』を奪ってもらった。」



ディエス「では……まさか、今この混沌の世界が終わらないのは……」

模「そう、『空いた席』を使ったんだ。
                            ワールズ・エンド・ガールフレンド
  サウンド・ドライブ・セクター9『第一の世界』『世界の終わりの世界』。

  ……おまえの『ワールズ・エンド・ガールフレンド』の能力に干渉し、世界の消滅を食い止めた。」


ドドドドドドドドドド……




   終章 -世界の終わりの世界-

598 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:52:50 ID:dJE.EuXk0



ディエス「馬鹿を言うなッ!」

模「…………」

ディエス「杖谷……おまえが杜王町に戻る前にセクター9の世界をひとつ空けていたのだとしたら、おまえはここまでこれなかったはずだ!」
      ミレニアム・チョーク
模「……『血液の世界』か。」

ディエス「そう……おまえが俺の『ミレニアム・チョーク』の能力を得たとき、席はすべて埋まったはず。

     こんな土壇場で新たな世界が習得できるようになったなど、虫が良すぎる!」

模「ああ……セクター9に新たなる席ができたわけではない。」

ディエス「さらにおまえは『ワールズ・エンド・ガールフレンド』の能力があることを知る由は無かった。

     あらかじめ『2つ』は席を空けておかなければ、ここへ来ることなどできないはずだ!!」


模「忘れたか? ディエス。」

ディエス「何………。」
                  ミレニアム・チョーク
模「僕がおまえの能力を得た『血液の世界』……それは『波紋の世界』を忘れたことで空いた席ではないということを……。」


ドドドドドドドドドド……


ディエス「『ワン・トゥ・ワン』………『五代衛』か……!」

模「はじめ僕は波紋を習得するためと、お前の『ミレニアム・チョーク』の能力を得るために『波紋の世界』の席を空けた。

  ……それだけでは僕はここへ来ることはできなかった。」

ディエス「………………ッ!!」

模「僕がここへ来ることができたのは………五代くんのおかげなんだ。」

599 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:53:19 ID:dJE.EuXk0



これは、模と五代の二人のそれぞれの思惑が同じ目的に重なってしまった『不運』だった。


模は波紋を習得するために、ディエスからスタンド能力を奪うために『波紋の世界』を大柳賢というスタンド使いに奪わせた。

模が「波紋は使えないんだ」と仲間に言ってディエスとの戦いまで波紋を使わなかったのは、

セクター9を発現させること無く波紋を使うことで、敵にも味方にも『波紋の世界』の席を空けた可能性に気づかれてしまうことを恐れたからだ。

模はディエスの『ミレニアム・チョーク』を奪うために、万全を期して仲間にも波紋のことは隠していたのだ。

ディエスを倒すには『ミレニアム・チョーク』の能力が必要だったから……。



だが、それと同じことを五代も考えていたのだ。

模は、杜王町に帰ってきた。

だが模は真に波紋を習得したことを隠していたため、決戦を前に模のセクター9の席はすべて埋まってしまっていると五代は思っていたのだ。

模はきっとディエゴ・ディエスと戦うことになるだろう。『ミレニアム・チョーク』の能力を奪うことなしに勝つのは難しい……。

そして五代は決意したのだ。『自らの命を投げ出し、セクター9の世界に空席を作る』ことを……。

五代が死を決意したのはそれだけが理由ではない。九堂やアッコがキルに勝つためのヒントを与えるために戦ったことも含まれる。

五代にとってそれは悲しい選択ではなかった。仲間のために、模の勝利のために命を燃やすことが彼の生の価値となったのだから。


これによって、模と五代……二人の狙いは『不運にも』重なってしまい、セクター9の世界に『ふたつの空席』が生まれてしまった。



だが……この『不運』が、ディエスの『成長したスタンド能力』という不測の事態に対応できる状況を生み出したのだ!



模「ごめんね………五代くん。

  そして、ありがとう………。」


―――これは、偶然なのだろうか?


模「僕は五代くんのため、仲間のため、杜王町のため……そして、僕自身のためにコイツを倒す!!」

ディエス「――――――――――ッッ!!」



いいや、これは二人の意志が導いた必然……………『運命』だったのだ。


模「『サウンド・ドライブ・セクター9』ッッ!!」

600 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:53:45 ID:dJE.EuXk0

セクター9「ウリャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」


ババババババババババババババババババババババッ!!

セクター9はディエスに向け高速のラッシュを放った!


ディエス「く……『ワールズ・エンド・ガールフレンド』、迎え討て!!」

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!


セクター9「オオオオオオリャアアアアアアアアアアアアア!!!!」

W・E・G「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!


双方のラッシュはパワー、スピードともに拮抗していた。

ディエス(何故だ……杖谷のスタンドは俺のスタンドよりもパワーは劣っていたはずなのに……)


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


ディエス(まさか……ここにきてスタンドが『成長』していたというのか……ッ!?

     波紋を習得し、自身が成長しただけでなく……精神的にも……スタンドのポテンシャルにも影響していたというのかッ!?)

模「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!」


ディエス「やはり『成長性』は……侮れぬものだ。」

ガシッ!

セクター9の拳がワールズ・エンド・ガールフレンドの手に止められ、封じられてしまった。

模「……………ッ!」

ディエス「だが封じ込めてしまえば……時がたつのを待てば、いずれ新しい世界へ行き着く。

     すぐに到着しなかったのは、おまえの能力によりそのスピードが抑えられたからだ。

     『入門してすぐの世界では、オリジナルと同等の能力を引き出せない』……。そうだろう、杖谷?」

模「………………」

ディエス「………何か言ったか?」

模「おまえは……さっき、こう言ったな。『運命を司る能力』だと……」

ディエス「ああ、そうだッ!『ワールズ・エンド・ガールフレンド』は……すべての運命を覆す! 神をも凌駕した……」

模「それは違う。」

ディエス「何………?」


模「僕に言わせれば……おまえはただ『運命から逃げていた』だけだ。」

ディエス「なんだと……!」

模「おまえは危機に瀕したら、その運命に立ち向かうことはせずに逃げていただけなんだ。

  自らの手で切り開こうとはせずに……危機を回避していただけだ。」

ディエス「……………!」


模「人は……人ってのは、運命に立ち向かっていくからこそ……『成長』するんだ!!」



ガシッ!

ディエス「!!」

セクター9は拳を開き、ワールズ・エンド・ガールフレンドの手と組み合った。


ディエス「な、何を……!」

模「そのまま放さないでよ、セクター9。」

模は息を深く吐いて呼吸を整えた。




ドドドドドドドドドドド……

601 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:54:05 ID:dJE.EuXk0

ディエス「……! ま、まずい! ワールズ・エンド・ガールフレンド、手を放……」


  オーバードライブ
模「『波紋疾走』ッ!!」


ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!


模は波紋パンチのラッシュをディエスの体に叩き込んだ。

セクター9はワールズ・エンド・ガールフレンドの手をしっかりと掴み、サンドバックのようにディエスの体を離さないように支えた。


ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!

ディエス「ぐぶぐおぉおおおぉおぉぉぉぉおおおおおおオオオオオオオ!!!!!!!!」

模「うりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!


ディエス「ごの……グゾガギがああああがガガグアガウグアアアアアアアアアアア!!!!」


バギィィッ!

最後の渾身の一撃を放った直後、ワールズ・エンド・ガールフレンドからセクター9の手が放された。


混沌の世界の渦のほうへディエスの体はゆっくりと向かっていった。

ディエス「ぐが……ば、ばく……杖谷……ッ………模…………!!」



ディエス「俺を……倒して……すべてが終わったと……思うな…………!!

     俺が死すとも……ディザスターは死なぬ……! ディザスターある限り……ディザスターの信念が生き続ける限り……

     俺の心は……永遠に生き続けるんだ!! ハァーッハッハッハッハッハッハ!!」



高笑いと共にディエスの体は混沌の渦の中へ消えていった。



模「…………………」


ワールズ・エンド・ガールフレンドの世界が消えていく。

背景の交じり合った色はどんどん暗くなっていき、世界は狭くなっていった。

混沌の向こう側に、模の姿はどんどん遠く、小さくなっていった。

黒い闇に包まれ……………ワールズ・エンド・ガールフレンドの世界は消滅した。


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【名前】杖谷模
【身長】166.4cm
【血液型】A
【好きな食べ物】チキンのトマトスープ煮込み
【嫌いな食べ物】アボカド
【趣味】サッカー観戦(やるのはヘタ)
【好きなマンガ】『からくりサーカス』『烈火の炎』

【スタンド名】サウンド・ドライブ・セクター9
【タイプ】近距離型
【特徴】顔に時計、両手の拳に★のついた人型。
【能力】相手と同じ「世界」に「入門」する能力。

第一の世界:「世界の終わりの世界(ワールズ・エンド・ガールフレンド)
        自発的にはまったく使えないが、オリジナルの能力に対して抵抗し、世界の消滅を食い止めることができる。

第二の世界:「衝撃の世界(ブラック・スペード)」
        衝撃を操作する能力。『衝撃の塊』以外はオリジナルと同等に扱うことができるようになった。

第三の世界:「血液の世界(ミレニアム・チョーク)」
        血液成分を操作する能力。成分の操作に制限は無いが、オリジナルよりも時間がかかり、自身の身体能力の強化も期待できない。

第四の世界:「いばらの世界(ハーミット・パープル)」
        いばらを発現させ、操る能力。いばらの扱いはオリジナルと同等だが、念写はできない。

破壊力‐A(成長) スピード‐B 射程距離‐E
持続力‐A 精密動作性‐B 成長性‐A

スタンドNo:3795
考案者:ID:bOqszd4x0
絵:ID:LS0+OQ7AO

602 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:54:50 ID:dJE.EuXk0
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―――杜王町、別荘地帯近くの海岸。

ディエスと模が消えてから数時間後……

あれほど大きく、長く続いた地震はすでに収まり、津波も来なかった。

あたりには風も吹かず、海は穏やかだった。


九堂「なんだかわからねえが……模がなんかやってくれたってことなのかな……。」

紅葉「きっと、そうなんだろうね…………。」

九堂「…………………紅葉。」

紅葉「………………。」


紅葉はただ黙って、ぼんやりと海を見つめていた。



*「………一之瀬紅葉。」

別荘地帯へ行く道のほうから男の声が聞こえた。

紅葉「………棟耶。」

棟耶「どうやら……終わったようだな。」


海岸に現れた棟耶輝彦は、紅葉と九堂に近づいてきた。

九堂「な……テメーは棟耶!」

紅葉「大丈夫、九堂。戦うつもりで来たんじゃないよ。」


棟耶「何が起きたのかはよくわからないが……確かなことは、ボスはここにいなくて、おまえたちがここにいるということだ。」

九堂「…………」

棟耶「ボスが死んだとは思えないが……指揮官がいなくなった以上、杜王町侵攻の作戦を続けるわけにはいかない。

   どうやらキルも倒されてしまったようだし、ヴァンの行方も分からない。残った幹部の一人として……ボスの失踪を本部に伝えなければならない。

   ボスの座が空いたとなれば、混乱は必至だろう。そうなれば、杜王町どころじゃなくなる。」

紅葉「……………棟耶。」

棟耶「……おまえたちは勝利したんだよ。私たちにな………。敗者は潔く引き下がるとしよう。」

紅葉「…………あんたも、大変だね。」

棟耶「フン……。杜王町はまかせたぞ、紅葉………。」

棟耶は背を向けて再び別荘地帯のほうへと歩き出した。

紅葉「棟耶!」

棟耶「……………」

紅葉「また会いましょう! 今度は……杜王町の住人として!」


棟耶は背を向けたまま黙って軽く手を振り、去っていった。





九堂「なあ……紅葉。」

紅葉「………何よ。」

九堂「棟耶は、俺たちが『勝利した』………って言ってたけどよ、なんか素直に喜べないよな……。」

紅葉「………………。」

九堂「模は、大丈夫かな……。」

紅葉「模は絶対に帰ってくるよ。」

九堂「……え?」

紅葉「帰ってくると信じ続けていれば……必ず。

   前も、そうだったから……。」

九堂「…………そうだな。」

紅葉「………………。」


九堂「模が帰ってきたら、どうする?」


紅葉「もっと、いろんなところへ連れて行く。模が……私たちが守った街を、案内してやるんだ………。」




海の遠く向こうから陽が昇りはじめた。

強く差し込むオレンジ色の光が杜王町の街を照らしていく。

真夜中の地震によって目を覚ましていた杜王町の住民たちは皆、その美しい朝日を眺めていた。


住民たちは知らない。

この夜、地震よりももっと恐ろしいことが起きようとしていたことを。

そして、それを防ぐために戦った少年達がいたことを。

この美しい朝日は……彼らによってもたらされたことを。


だがそれを知らずとも、住民たちはこの夜明けの光を忘れることは決して無いだろう……。

603 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:55:29 ID:dJE.EuXk0


――――――――――――――――――――


―――――――――


――――



……2週間後、ぶどうヶ丘高校屋上。


紅葉「……………」

夏服に身を包んだ紅葉が、屋上のフェンスに寄りかかって空を見上げていた。

そのそばで、九堂と銀次郎が床に座っていた。


模は、まだ帰っていなかった。


九堂「2週間……か。あの時よりずいぶん時間が短く感じるよ。」

紅葉「そうね………。」

九堂「棟耶の言ってたことは本当だろうな?またすぐにディザスターの連中が襲ってくるとか……ねえよな?」

紅葉「そんなことより九堂………」


紅葉「会ってきたんでしょ? ………陸さんに。」

九堂「……ああ。 会ったっていうか、グーゼンだったけどな。」


=================================================================================================

―――杜王町、霊園そばのコンビニ。

九堂は駐車場に停めてあるトラックに寄りかかりタバコを吸う陸の姿を見つけた。

九堂「……………あ!」

陸「…………おー、九堂か。」

九堂「無事……だったんすね。」

陸「………まぁな。」

九堂「その………スンマセン! 俺が、温子を………。」

陸「おめぇのせいじゃねえよ。アッコは望んでああしたんだろ。」

九堂「でも……俺がムリをさせたようなもんだし……。」

陸「それに………アッコは死んでねえよ。」

九堂「え!?」

陸「まぁ、まだ目は覚まさないけどな……。」



陸「……あの時、カメユーマーケットで……最後におれに話しかけていたのはアッコじゃない、おれの姉……空姉ちゃんだった。

  こーいうこと言うキャラじゃねーけどよ、……きっとアッコの体の中には二人の人格がいたんだ。

  『スペア・リプレイ』でアッコが生まれてから造りあげられたアッコの人格と……眠っていた空姉ちゃんの人格。

  あの大火事で死んだはずの空姉ちゃんの人格はアッコの中で生き続けて……ひそかにおれを見守り続けてくれたんだ。」 

九堂「……………」

陸「そして……あのカメユーマーケットで、空姉ちゃんは死んだんだ。杜王町を守るために、ひいてはおれを守るために戦って……。
  
  でも……アッコは死んでいない。アッコが生まれてからずっと一緒に生き続けてきた、空姉ちゃんとは別のアッコの人格もおれは……大好きだった。

  アッコは………まだ、おれに別れを告げていない。勝手にいなくなるなんて……そんなはずはない。旅行に行く約束だってしたのに……。」

九堂「陸さん……。」

陸「九堂、おれは旅に出る。眠ったままのアッコを目覚めさせる方法を見つけるために。

  狂っちまったわけじゃない。わかるんだ、アッコはまだ生きてるってな。」

九堂「え?」


陸はタバコを捨ててトラックの運転席に乗り込み、窓を開けた。

陸「わかるんだよ……『スペア・リプレイ』でな。

  アッコの体を調べたら、生体機能は死んでいなかった。ほんとうに眠っているだけなのさ。」

九堂「……………!」

陸「じゃあな、九堂。帰ってきたら、模も連れて遊びに来いよ!」


陸はトラックのエンジンをかけ、コンビニの駐車場を出て行った。

向かった先は杜王町内のほうではなく、九堂が行ったことのない道路……

陸は杜王町を去っていった。


=====================================================================================================

紅葉「………そっか。」

九堂「ん……まあ、良かったよ。アッコは死んじゃいねーそうだ。一緒に卒業するのはムリだろうがな。」

紅葉「卒業……………ね。」

604 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:55:42 ID:dJE.EuXk0



紅葉「…………あ、そういや銀次郎。あんたあの日何してたのよ?」

銀次郎「ん゛……ああ、いや、模のシショーとかいうじいさんに会ってな。」

九堂「シショー?」

紅葉「師匠……って、波紋の!?」

九堂「な、何ッ!?」

銀次郎「え……何、驚いてんだよ。」



銀次郎は深夜に杜王町駅でジョセフと会ったことを紅葉と九堂に話した。


九堂「なるほど……模が杜王町から離れていたとき、そのじいさんのとこで波紋の修行をしていたんだな。」

銀次郎「なんだ、てっきり知ってるもんだと思ってたぜ。」

紅葉「波紋の修行をするために離れたわけじゃないはずだけど……そのおじいさんが模を救ってくれたんだ……。」

銀次郎「……でも、じいさんは模と面識は無かったそうだ。」

九堂「え?」

紅葉「ちょ、ちょっと待ってよ。お互い面識が無かったというのに、病院で模はそのおじいさんと出会い、波紋の修行をすることになったというの?」

九堂「波紋使いって全世界に数人しかいないんだろ……グーゼンにしちゃできすぎだぜ。」

銀次郎「そのじーさん、こう言ってたんだ……。」

紅葉「何て……?」


銀次郎「『この出会いは……彼が、模自身が導いた出会いだった』って…………。」



ドドドドドドドドドドドドドドド………

605 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:56:04 ID:dJE.EuXk0

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

―――時はさかのぼり、数週間前。

S市総合病院正面入り口から、ジョセフ・ジョースターはぶつぶつ呟きながら外へ出てきた。

ジョセフ「なんじゃ仗助のヤツ。せっかく来たのに入院なんぞしおって……。」

ジョセフは前庭のベンチに腰を下ろした。



これはまさに、杖谷模が『鈴美さんのいた小道』で選択をつきつけられ、瀕死の母とともに杜王町を離れる選択をしようとしていた日だった。

ジョセフ「どうしたもんかノォ……朋子に会いに行くわけにもいかんし、ワシはなにをしに来たんじゃ………。」

庭を見渡すと、車椅子をひいて散歩する老夫婦や、広場でサッカーをする子どもたちの姿があった。

ジョセフ「それにしても喉が渇いた……ん?」

ジョセフはベンチに近づいてくる男がいるのに気がついた。

*「ジョセフ・ジョースターさんですね?」

ジョセフ「……オオ、そうじゃが……。」

*「もうすぐ、病院から一人の少年が出てきます。その少年はひどく落ち込み、思い悩んでいます。

  どうか話を聴いて力になってやってください。」

ジョセフ「なんじゃ藪から棒に。だいたいワシがその子が誰か分からんことには話の聴きようがないじゃろ。」

*「いいえ、見ればきっと分かりますよ。」

ジョセフ「なんかアヤしい奴じゃのオ。」

*「………………」

すると男は手に持っていた紙コップをジョセフに差し出した。

*「これ、差し上げます。喉が渇いていたようですけど……。」

ジョセフ「お、気が利くの。」

ジョセフは男の持つコップに手を伸ばした。


ジョセフ「…………!!」

ジョセフはそのコップを見て驚いた。

男は水の入ったコップを……逆さにして持っていた。

しかし、水は一滴もこぼれていなかったのだ。

ジョセフ「は、『波紋』………!?」

男はコップの口を上に向けて、ジョセフに手渡した。

*「では、彼のことお願いしますね。」

そういうと男は病院の門に向かって歩き出した。


ジョセフ「待ってくれ! 君は……何者だ?」

*「僕は……ただのかけだしの波紋使いです。名前は……」

男は振り返り、ジョセフに微笑みかけた。

学ランの胸元からチェック柄のカーディガンがのぞき、風で前髪がかすかに揺れていた。



模「杖谷模、といいます。」



模は再び振り返って病院をあとにした。

ジョセフは立ち止まったまま、離れていく模の背中を見つめていた。

606 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 13:56:20 ID:dJE.EuXk0



過去へとさかのぼる『ワールズ・エンド・ガールフレンド』の世界の中で模はディエスを倒し、

ワールズ・エンド・ガールフレンドの世界は消滅した。

模が降り立った場所はこのS市総合病院で、自分がかつてジョセフと出会った日であると知ったとき、

模はこの戦いの自分の最後の役割を悟った。


===============================================================================================

ジョセフ「これはおそらく『君のために』、『君が』引き寄せた導きだろう、弱き波紋使いよ。」

===============================================================================================

模は以前、病院でジョセフに言われた言葉を思い出し、フフッと笑った。

まさかほんとうに、自分で引き合わせた出会いだったなんて、ここに降り立つまでは思いもしなかったからだ。



――運命は待っていれば訪れるものではない。運命は自分の手で導かなければ……道は開けない――


模「さあて……戦いが終わるまで、どこにいこうかな……。」




どこへともなく走っていく模の影が道路に長くのびている。

昼過ぎまで雨を降らせていた雲はすっかり晴れて、空は夕焼けに染まっていた。

模はその空を見上げ、はじめてセクター9と出会った日に学校の屋上で見た夕焼けを思い出した。


今の空は、あの日見た夕焼けの空よりも少し、明るい気がした。


 


                セクター9の世界  THE END

607 ◆79EFR1u8EY:2012/04/30(月) 14:01:48 ID:dJE.EuXk0
「セクター9の世界」、これにて完結でございます。
半年くらいで終わるつもりが1年かかりました!
つたない文章でありましたがなんとか続けることができました。
これもひとえに読んでくださった皆様の御支援あってのことでした。
ほんとうにありがとうございました。

使用させていただいたスタンドの感想はまた改めてこちらに書き込むつもりです。
では、失礼。

608名無しのスタンド使い:2012/04/30(月) 14:05:20 ID:qa1j.F760
お疲れ様・・・お疲れ様
熱かった、そして面白かった!今ここに、ひとつの偉業を達成した人がいる!
79先生!セクター9、その完結、重ねてお疲れ様でした!
最後の展開、まさに『シビ』れたぜ!

609名無しのスタンド使い:2012/04/30(月) 15:53:21 ID:k9KJe/EEO
最高だったぜ79先生よぉ……
熱くて儚い物語だったぜぇ……

611名無しのスタンド使い:2012/04/30(月) 22:22:51 ID:eUjE8.OA0
お疲れさまでしたー!!面白かったー!!

612名無しのスタンド使い:2012/05/01(火) 01:15:01 ID:DECEWgXE0
終わってしまった…爽やかな読後感に胸がいっぱいです!
本当に世界の終わりを感じてしまう喪失感だ……
よかった!
乙でした!

613 ◆79EFR1u8EY:2012/05/02(水) 22:21:03 ID:L2vtT5V60
数々のコメントありがとうございます!

>>608
大げさすぎるwww
この最終章の展開は連載当初からやりたかったことでしたので、
成就させることができてほんとによかったです。

>>609
「熱くて儚い」……素晴しい言葉だ。
よく人死ぬSSだったなあ

>>611
あざぁーす!
面白いといってくれるだけでほんとにありがたい!

>>612
投下に沿って読んでくださった方々にはほんとに感謝の気持ちでいっぱいです。
私も喪失感が……明日からなにしようっていう喪失感が……。

それでは使わせていただいたスタンドのコメントを投下していこうと思います。

614 ◆79EFR1u8EY:2012/05/02(水) 22:21:23 ID:L2vtT5V60
主人公勢

No.3795「サウンド・ドライブ・セクター9」 本体:杖谷模(ツエタニ バク)
考案者:ID:bOqszd4x0 絵:ID:LS0+OQ7AO 当スレ>>151さん
能力よりも先に波紋使いという本体設定に惹かれ、能力も使い勝手がよさそうだったので主人公候補に。
後に彼の能力を軸にしたストーリーが思いついたので、主人公に確定してプロットを練っていきました。
「はじめはオリジナルと同等に扱えない」という点がすごく魅力的でしたね。「成長」というテーマに最も則したスタンドでした。

No.3061「ブラック・スペード」 本体:一之瀬紅葉(イチノセ クレハ)
考案者:ID:rFjkdMW+0 絵:ID:ac4WTvC60 ID:7GBOVEgY0
もう、能力に惚れて彼女をヒロインに即決しました。……可愛らしくは書けなかったような気がしますが。
当初「衝撃の塊」は使うつもりはなかったんですが、「空中に取り出す」ということだけで戦術のバリエーションがずいぶん増えることがわかり、成長の証にはうってつけでしたね。
キラークイーン&ストレイ・キャットの「空気弾」と似た技になっちゃいましたけど。

No.2245「ワン・トゥ・ワン」 本体:五代衛(ゴダイ マモル)
考案者:ID:3GgySUQ0 絵:ID:6XM6ZN4p0
承りポジションの味方が欲しかったので、見た目にも能力にもいいこのスタンドを選びました。
主人公でもいいくらいの方なんじゃないでしょうか。
「倍返ししたぜ……」というキメ台詞が後半ほとんど出なかった……。

No.3195「ファイン・カラーデイ」 本体:林原温子(ハヤシバラ アツコ)/アッコ
考案者:ID:2yn3xyU0 絵:ID:M1OC3F6o
完全に私の好みで選んだロボ娘。アンドロ娘ともサイボーグ娘ともどちらともいえないのでロボ娘。
ロボなのに「剣で戦う」ってのがいいですね。「感情の高揚で斬れ味が変わる」というのも情緒をくすぐられる。
かなり、お気に入りのキャラクターです。

No.4048「スペア・リプレイ」 本体:武田陸(タケダ リク)
考案者:ID:RjvyhCBWo 絵:ID:uwl9qHxV0
やっぱり回復役は必要だろうと選びましたが、回復の活躍の場は少なかったですね。
戦闘がほとんどできないスタンドなので、登場こそ早かったものの、仲間になるのは遅くなってしまいました。
たくましい女性大好き!

No.3344「アウェーキング・キーパー」 本体:九堂秀吉(クドウ ヒデヨシ)
考案者:ID:L9F0r/E0 絵:ID:VW2gW2DO
誇大解釈激しかったスタンド。「繋げる」という言葉だけで好き勝手させていただいてしまった。
けれどもキャラクターとしては扱いやすかったです。味方の中で唯一大したエピソードの無いお方。

No.3835「アンティーク・レッド」 本体:桐生零(キリウ レイ)
考案者:ID:jBwCbZ1Z0 絵:ID:E9sCfxTd0
妙齢の女性。なんとなく30前後くらいを想定してましたが、「妙齢」を後に調べてみたところ十代くらいが適当だそうですね。
敵もチート級が2、3人いたので味方にもチート級が欲しいと思い、選びました。
この方が最初から戦ってれば無双なんですが、「切り札」ということで最終決戦までは引っ込んでもらいました。
もしこの方が敵だったらどう戦ってたんだろうか。

615 ◆79EFR1u8EY:2012/05/02(水) 22:22:08 ID:L2vtT5V60
ディザスター

No.4152「ミレニアム・チョーク(millennium choke-千年の窒息-)」 本体:ディエゴ・ディエス
考案者:ID:+3CAwBsUP 絵:ID:KkgI9sAE0 ID:FyNFPsV2O
SS書くにあたって「ディザスターを使おう」というのをはじめに決めていたので、このスタンドをラスボスに据えて主人公勢の人選を始めました。
セクター9の本体の「波紋使い」という設定に惹かれたのは、相手を捕まえさえすれば十中八九勝てそうな能力であるこのスタンドの天敵になりそうだったからです。
最初のほうと最後のほうでキャラが変わったような気もしますが、それでもけっこう気に入ってます。

No.3543「ラクリマ・クリスティー」 本体:キル・シプチル/弓と矢の男
考案者:ID:dZf/QsmP0 絵:ID:6xq47pr2
五代にとってのラスボス。見た目がすごく気に入ってます。明らかに悪役スタンド使いの能力なのに、自由奔放さを感じさせられます。
結局倒さなければならないのでああいった種明かしを勝手につけましたが、それでもおそらくは作中最強のスタンドですね。

No.4245「エル・シド」 本体:棟耶輝彦(トウヤ テルヒコ)
考案者:ID:RDYSB20D0 絵:ID:Ww1fJ0pJ0
文章で表現するのに非常に苦労したスタンド。五代にとってのラスボスがキルなら、こちらは紅葉にとってのラスボスでした。五代ほど因縁はありませんが。
ただ、最後のバトルは自分ではかなり納得のいく出来栄えになった……と思う。

No.4281「ピープル・イン・ザ・ボックス」 本体:ヴァン・エンド
考案者:ID:zF+Sju2r0 絵:ID:lWsNz/j60
「杜王町にディザスターがいる」という不自然さを解消するために投入したスタンド。
戦いにはほとんど役に立たないので、かえって陸と戦わせるのにちょうどいい相手になりました。

No.4172「ジョセフ・ナッシング」 本体:衛藤清多夏(エトウ キヨタカ)
考案者:ID:qLxOj79X0 絵:ID:hpqq2RfAO
たぶん、作中でもっともキャラが立ってた人でしたwww「姿は見えないけど実体はある」という点でキルと対照的なスタンドですね。
体臭さえなければ模にもキルにも勝ってたかもしれない。

No.4159「ロスト・ハイウェイ」 本体:ヨルゴス・レイヴン
考案者:ID:FDzK0wD30 絵:ID:+DZ+J9d1o
きわめてジョジョっぽい見た目に惚れて採用しました。写真に収めてしまえば最強なんじゃないかしら。
望遠レンズとか使えばディエスにもキルにも気づかれずに………これ以上考えるのはよそう。

No.3404「エキストラ」 本体:C・R
考案者:ID:8pRuKcAO 絵:ID:yAC02C.o ID:xYoEQNIo
ジョジョといえばギャンブルとかゲームを利用したスタンドバトル!と思い、すごろくのスタンドを採用しました。
はじめは九堂中心に戦うつもりだったのですが、五代や紅葉のほうが持ち味を出せましたね。
かなりお気に入りのバトルです。

No.4221「フェアウェル・キングダム」 本体:西都十三(サイト ジュウゾウ)
考案者:ID:sk8gvKRW0 絵:ID:fcMLHpc8o ID:w5kVxd9A0
「人がいるところにも置ける狙撃手」というなかなか面白いスタンドではないでしょうか。
ただ、あんまり軍とか格闘とか詳しくないから書くのに苦労しました……。
クールな傭兵だったはずが最後は下衆に成り下がりました。

616 ◆79EFR1u8EY:2012/05/02(水) 22:22:23 ID:L2vtT5V60
No.4332「サウンド・トラック」 本体:エリック・キャトルズ
考案者:ID:+5W3mHBT0 絵:ID:2JN8UYJPo
募集スタンドの第一号。
かなりヤリ手な感じの見た目なんですが、作中では小物の悪役かつ捨て駒に……。
ただ、ウォー・ヘッドとの相性は抜群でした。

No.2904「ウォー・ヘッド」 本体:フォルカー・フュンフユェーン
考案者:ID:.B8u6MAO 絵:ID:8iutawDO
募集スタンドの第二号。
「サウンド・トラック」と合わせて使うことで面白い戦術が描けた上、アッコと陸のエピソードを掘り下げていくのに都合のいい能力でした。
募集してみるのもいいものですね。しかし、数字を使っているからとはいえなんつー名前だ。

No.2267「ハイ・シエラ」 本体:スイップ・ホック
考案者:ID:EawdHNCW0 絵:ID:7R5FdRpM0
募集スタンドの第三号。
毒を扱う能力なのに、正々堂々戦うことを信条にした……というような見た目のスタンドだったので、五代を導く敵キャラに。
ただし目に見えないものを文章に書くのは難しく、簡単に終わらせてしまいました。

No.4042「リバーサイド・ビュー」 本体:シーチゥ
考案者:ID:BhckzE1a0 絵:ID:yTUD+CoAO
募集スタンドの第四号。
不意打ちに有効なスタンドなので、じゃあ不意打ちに最も強いであろう零に相手をさせようと思い、
零の力を際立たせるために噛ませ犬になっていただきました。南無。

No.2599「ホンキー・トンク・ウーマン」 本体:アリーナ・シュゲット
考案者:ID:t0tDHnC70 絵:ID:JgExaUEC0
「化粧は厚いが人望も厚い」というのが元の本体設定でしたが、本作においてはたいして人望なさそうですね。
もっといろんな使い方ができそうなスタンドでした。

No.1001「ワールズ・エンド・ガールフレンド」  
考案者:ID:iXwThw+v0 絵:ID:XH+qOLPRO ID:fcuVSpso
「未来予知のような能力」の正体。
能力を発動すれば本体も過去に戻るので、スタンドも成長前に戻るという理屈で本作では扱わせていただきました。
最初からあの終わらせ方にしようとしていたので、ゴリ押させてもらった……申し訳ない。
なにげに本作では一番古いスタンド。

617 ◆79EFR1u8EY:2012/05/02(水) 22:22:49 ID:L2vtT5V60

その他

No.3593「レッド・サイクロン」 本体:鎌倉銀次郎(カマクラ ギンジロウ)
考案者:ID:vaaQO6qX0 絵:ID:tNO.pRtU0
一番最初に登場した敵スタンド使い。
その以後は仲間ともいえぬ微妙なポジションにいた彼でしたが、けっこう戦術の幅の広そうなスタンドだったので
脇役にするにはもったいなかったかもしれませんね。

No.3637「ツイステッド・シスター」 本体:三田村盾子(ミタムラ ジュンコ)
考案者:ID:6mOzczs0 絵:ID:hSfbqHko
おそらくは本作で一番不憫な彼女。
性格がひねくれてさえいなければ彼女が紅葉のポジションについていたかもしれません。
ちょっとしか使いませんでしたが、彼女もなかなか色々できそうなスタンドでした。

No.3990「スロウダイヴ」 本体:四宮藤吉郎(シノミヤ トウキチロウ)
考案者:ID:ftQjeqab0 絵:ID:2R2tHR8q0
本体の絵だけなら悪者っぽいのですが、スタンドも含めた絵全体から何か儚げなものを感じ、味方のほうにせざるを得ませんでした。
五代がキルと戦うことを決意し、模と手を組むための足がかりとなった人物でしたが、彼もまた色々と(ry

No.4151「クイーン・ビート」 本体:蜂須賀ナナ(ハチスカ ナナ)
考案者:ID:nfWbL2Zh0 絵:ID:r3xYuUdo0
完全に絵で気に入って使ったスタンドです。能力もベネ。ほんとは幹部なのにね。
紅葉vsナナの時のエピソードは今でも気に入ってます。

「ハイウェイ・スター」 本体:墳上裕也(フンガミ ユウヤ)
考案者・絵:荒木先生
vsヴァン・エンド決着のために引っ張ってきた原作キャラ。
墳上にとって陸は2コ下の後輩にあたります。スタンドと言うより墳上を使いたくて登場させたという感じです。

「ハーミット・パープル」 本体:ジョセフ・ジョースター
考案者・絵:アラーキー
「いばら」というだけで色々できそうなので、波紋ついでに模のセクター9に取り込みました。
作中では3部と4部のときのキャラがごっちゃになってしまいました。

「クレイジー・ダイヤモンド」 本体:東方仗助(ヒガシカタ ジョウスケ)
考案者・絵:波紋使いの漫画家
紅葉の回想のみで登場。

「ボーイ・Ⅱ・マン」 本体:大柳賢(オオヤギ ケン)/ジャンケン小僧
考案者・絵:バルバルバルバル
最後の決着にはどうしてもこのスタンドが必要でした。
いまもまだホッペに穴開いてるんでしょうか。

618 ◆79EFR1u8EY:2012/05/02(水) 22:35:08 ID:L2vtT5V60
これですべて終わりです。

続編は未定です。
また1年かかると思うと時間もなさそうなので、やらないかもしれません。
別のSSは10月に再開予定ですが、それまで何をしようかも考え中です。
もしかしたら単発とか外伝とか書くかもしれません。

これから一気読みしてくださる方は、
①序章〜第四章
②第五章〜第六章
③第七章〜終章
の区切りで読むのが良いと思います。
文の量も1/3ずつに分かれていて、ちょうど話の区切りがついています。

それでは失礼いたします。

619名無しのスタンド使い:2012/05/03(木) 14:44:14 ID:X8S.ElOgO
乙!!10月が楽しみだ!!

620 ◆R0wKkjl1to:2012/05/06(日) 18:45:45 ID:td8c8tW.0
たった今…たった今、読み終わりました‥

上でも書かれてましたが、本当に美しく爽やかな物語でした!
人物が本当に魅力的で話も熱くて一気読みでも全く苦にならない……!!
ああ、この読後感をなんと表せば良いのか……

本当に素晴らしいSSでした
10月を楽しみにしてます!お疲れ様でしたッ!!

621 ◆4aIZLTQ72s:2012/05/07(月) 01:10:55 ID:VsueAHTE0
同じく自分のSSをぽちぽちしながら読ませていただきました!

最終回前の引きは、本当になんていうか熱すぎて最高でした!
かっこよかった!
そしてこのラストシーン!なんて美しい文章表現なんだぁぁ
爽やかに、なぜかちょっぴり泣ける……素晴らしい最後でした。
本当に勉強になることが多いです。おつかれさまでしたb

10月の再開と別作品を楽しみにしてます!

622 ◆79EFR1u8EY:2012/05/08(火) 04:59:25 ID:zT0y9vYg0
>>620
褒めちぎりのお言葉ありがとうございます! 恐れ多いwwww
魅力的なキャラクターを描いていったスタゲ作者さんに
キャラクターを評価していただけるのは本当に嬉しい!

>>621
ありがとうございます! おかえりなさい!
最後のほうがこのSS通して一番やりたかったことでしたので、
そこを評価していただけるとここまでの努力が報われた気がいたします!
SSについてご相談があれば私でよければ力になりますよ! twitterででも。
ライジング・ストライプス期待しております。


近日中に当SSを一部更訂し、章ごとにtxtに書き起こしたものをこちらにうpするつもりです。

623 ◆79EFR1u8EY:2012/05/19(土) 11:53:20 ID:GNuSqpwk0
ttp://ux.getuploader.com/orista/download/96/20120519_115000.zip

ぜんぜん近日中じゃなかったけど
章ごとにtxtにしたものをうpしました。
pass:79

624名無しのスタンド使い:2015/01/11(日) 17:47:34 ID:IxWo9OdM0
>>623
本当に本当に遅ればせながら完結おめでとうございます!

デザインしたキャラも沢山出ていて嬉しいやら恥ずかしいやら、楽しく読ませていただきました
私なんぞの絵で大変恐縮ですが、記念絵を描いたので気持ちだけでも受け取って下さいまし

ttp://download1.getuploader.com/g/orisuta/1979/20150111_174615.jpg

625 ◆79EFR1u8EY:2015/01/11(日) 18:06:08 ID:7lK9IOhU0
奇しくも今日は私の誕生日…
最高のプレゼントです!!

それぞれの拠点の館、白と黒、波紋と血と
対立するふたつが描かれてクールでカッコいいッ!!

模は優しさと誠実さとちょっとした弱さが感じられてイメージ以上!
白ランの模に対し黒ずくめのディエスだから真逆な人格がさらに強調されるように思います
スタンドはどっちも3Dプリンタに描きおこして飾りたいほどカッコいい……飾ってもいい?

2年半以上も前の作品ですが、今も思い出が色あせず残っています
ステキな絵を贈っていただきありがとうございました!

626名無しのスタンド使い:2015/01/13(火) 20:51:18 ID:oeJUVOvs0
白を基調としたセクター9&模くんと、
黒を基調としたミレニアム・チョーク&ディエス!
何気にミレニアム・チョークは全身絵が描かれるのは初めてでは?
杜王町のマークとディザスターのマークとか、
対比された構図がいいですね!
乙でした!!


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