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【ヒート】オリジナルスタンドSSスレ【ウェイヴ】

1 ◆XBKLFVrvZo:2009/10/12(月) 17:03:42 ID:zkVym9OQ
【警 告】
これより先も読んでくれるとヒジョーに嬉しい。

871「温泉に行こう! その2」の巻:2010/06/21(月) 22:45:08 ID:???0
―― 一方その頃カズハとぶつかった青年
青年「ゼッ、ゼハァッ! いやー、にしてもびびったびびった。
    あともう少しでバレちまうところだったぜー。」

青年「服の中に隠してたカメラにぶつかるとは、間の悪いやつもいたもんだぜ。」

そう言って、青年はおもむろにカメラを取り出した。

ド ド ド

―― 浴場

ポチャン・・・

亜希「いい湯だなぁ〜っと。」

と、数秒ほどお湯の温かさに身を震わせていた亜希だったが、ふと先ほどまで隣にいた萌の姿が
いつの間にかなくなっていることに気がついた。

亜希「萌ちゃん、入らなくていいの?」クルッ
萌「あ、スンマセン。もうちょっとかかりそうです。お湯汚すわけにもいかないんで。」ダラァー

あたりを見渡すと、そこには鼻を押さえつつうずくまっている萌の姿があった。
どうやら彼女の妄想力(スタンドパワー)の前に湯気フィルターは無駄だったらしい。

カズハ「鼻血……。」

亜希「(なんだろう……この残念な気分……。)」

ガチャッ

JOJO「おぉー、やってるなぁ〜。」
アクター「…………。」キョドキョド

カズハ「!」

あまり女性陣の方は見ないようにしているアクターとともに、
我らがリア充JOJOが風呂場に入ってきた。
その瞬間、カズハの表情がお風呂モードから戦闘モードに切り替わる。

ド ド ド ド

カズハ「おおっと手が滑って胸を隠しているタオルがァ」サッ
亜希「それは駄目だから!駄目だから!!!」バッ

そこから先は、一瞬の勝負だった。
カズハがあえて胸にひっかけてあるタオルを取り外そうとするのと同時に、
亜希がそのタオルを引っつかんでカズハの胸に押し当てる。

カズハ「チッ」
JOJO「おぉ〜、さすがっつーか、やっぱり紅葉がきれいだなぁ〜。」チャポッ

屋外の紅葉の景色を見ながら、湯につかるJOJO。
流石にタオルで股は隠しているが、紅葉に気をとられているから隠し方はおざなりだ。
カズハ的には、「もっと!そこ!もう少しずらして!!」といった感じである。
(読者的には「ちょ!見える!そこ見えそうだから隠せよばーか!!」といった感じだろうか)

カズハ「!!!!!!!!!!!」

ド ド ド ド

と、そんな風に脳内でエキサイトしていたのも束の間、カズハはある事実に気が付いてしまった。
JOJOは、今自分のすぐ隣に座っている。それが意味すること――肌と肌の触れ合いだ。
JOJOの筋肉の多めな逞しい皮膚が、自分の太ももやら二の腕やらに触れている。

カズハ「………………///」カァー
JOJO「どーした?カズハ、ぼけーっとしてよぉ。のぼせた?」

萌「ある意味のぼせてるわね。」ヒョコッ
JOJO「うおっ!」

JOJOがすぐ横からの声に飛びのくと、そこには萌の姿が。
(亜希以外への貞操の防御は完璧となっております)

ここで一つ問題が起こる。ささいなことだが、非常に悲惨な運命をたどることになる問題が。
JOJOが飛びのいたのは声が聞こえたからびびっただけだが、
隣にいるカズハにとってはそれは萌の色気に反応した声にしか聞こえなかった。
いつも亜希に対してしかアタックしていない萌だが、当然その体は平均的な16歳としては
十二分すぎるほどに色気を放っている。相手が男なら即陥落してドSに成り代わっていたことだろう。
しかしそれは、つまりカズハの自尊心ひいては嫉妬心に火をつけるには十分すぎる出来事だった。

カズハ「JOJOから離れて。」

勿論、こういわれたところでむきになる萌ではない。
少しでもJOJOを意識しているなら、むきになったりもするだろうが、
勿論萌にとっては亜希こそがALLであり亜希こそがBESTであり亜希こそがONLYなのでそんな心配はいらない。

萌「はいはぁい、お熱いところごめんなさいねぇ。
  心配しなくてもそんな粗チン誰も欲しがったりしないわよ、あんた以外ね。」

プッツン

何かが、切れる音がした。

カズハ「誰が……粗チン…………ですって……?」

ド ド ド ド

JOJO「あれ?何で俺の預かり知らないところでバトルが勃発してるわけ?」
アクター「死ねばいいのに……。」ボソッ

872「温泉に行こう! その2」の巻:2010/06/21(月) 22:46:27 ID:???0
戦争が、始まった。

カズハ「『ザ・ファイナルレクイエム』ッ!『アクセンスター』で消し去るなど生ぬるいッ!
    きさまなど『ブラック・アイズ・ピース』でじわじわと窒息死させてやるわ!!」カッ
アクター「おれのスタンドをそんなことに使わないで……」

萌「ハッ!上等!アクターごときのスタンドで私の『チェリー・ボム』を潰せるなんて、
  思い上がりも甚だしいなッ!そのふざけた自信ごと爆破してやろうかッ!!」

ズァバァッ!

カズハが勢いよく立ち上がる。
隣にいたJOJOに水が直撃した。

JOJO「ぶっ……」ビシャァ

FR『ウグルオオオオオオオッッッッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――ッ!!』ドガガガガ
萌「甘いわッ!『チェリー・ボム』ッ!」ズゥラララ

『ファイナルレクイエム』さえ凌駕するほどのスピードで萌が腕を振る。
次の瞬間その軌跡は『チェリー・ボム』の弾幕で埋められ、そこに『ファイナルレクイエム』の拳が突き刺さる。

ボッグォアオオオオオオン!

爆風の余波をもろに受けてよろめいたカズハとは対象に、最も爆弾の近くにいた萌はいとも簡単そうに
爆風を体に受け、宙返りしてカズハと距離をとる。どうでもいいがすべる床で派手に着地できるのはすごい。

萌「フンッ!『ブラック・アイズ・ピース』恐れるに足らず!私にやらせてみればざっとこんなもんよ!」
アクター「心が……心が痛い……。」

FR『オッシャアッ!』メギョッ

ボギァ

亜希「ああっ!アクターのところに流れ弾がッ!」
アクター「いや流れ弾ってここは戦場かよフベアッ!」メッシィ

ドザーッ

JOJO「あ、アクターッ!!」バッ
アクター「ぐ……どうやら……俺はここまでのようだぜ……!」ガクッ

萌「あっ、しまった」

ドオオオ――ッ

アクター
スタンド名『ブラック・アイズ・ピース』
―→再起不能(リタイヤ)

カズハ「どうして……どうしてこうなった!!」
亜希「どう考えてもカズハちゃんたちのせいだよね。」

アクターが力尽きたが、それでもカズハと萌の攻防はとどまるところを知らない。
むしろ、過激化しているほどだ。既に浴場にところどころ爆発の跡が残っている。

JOJO「オーマイ……こいつはチト……ヘヴィすぎるぜッ!」

ド ド ド ド

亜希「JOJO、ちょっとちょっと、こっちこっち。」
JOJO「ん?亜希、どうした?」

亜希「いいこと思いついたんだけどさ……ゴニョゴニョゴニョ」
JOJO「はぁ、それが名案かァ〜?まあいいがよ。」

亜希「萌ちゃんは私がなんとかする……!だからJOJOはカズハちゃんをお願い……!」
JOJO「お、おぉ……。(なんか鬼気迫ってやがる。)」

亜希「(さて……私も腹を括らないとね……。生半可な覚悟じゃ一瞬でバージンを失うことになるッ!)」


JOJO「おーい、カズハー。」

カズハ ピクッ

亜希「萌ちゃーん?ちょっといい?」
萌「只今ッ!」シュバッ

JOJO「まあ……、ちょっと落ち着いて、ここに座れや。」スッ・・・
カズハ コクッ

チャプン

JOJOの呼びかけに応じて、カズハがお湯につかる。

JOJO「(えーと、なんていうんだっけか……。)
   みんなと風呂で楽しいのは分かるがよ、もう少し俺のことも考えてくれるとうれしいぜ。(棒読み)」
カズハ「えっ?」

JOJO「だからよ、(台詞忘れたしこっ恥ずかしいからアドリブでいいや)
   せっかく見事な紅葉なわけだし、カズハと一緒に見たいんだよ。」キリッ
カズハ「じょ、JOJO……!」

JOJO「騒ぐのも楽しいがよ、ほどほどにしようぜ?」
カズハ「う、……うんっ!ごめんね!!」ニコッ

カズハ――懐柔(リタイヤ)

亜希「うー、あんまりくっつかないでー。」
萌「お姉さまッ!私……私ッ!お姉さまにそんな甘いささやきをされたらッ!
  自我を保つことができなくなるもの当然の帰結ですのォッ!」ムギュォ

萌――発情(リタイヤ)

873「温泉に行こう! その2」の巻:2010/06/21(月) 22:47:47 ID:???0
JOJO「(……あっちも上手くやったみたいだな。)」

ゲロッ

JOJO「ん?」

JOJOが鳴き声のした方向を見ると、そこにはなんだかよくわからないものがいた。
カエルのような、しかしカエルにしては明らかに尻尾などが生えている、
しかも背中からはウーパールーパーのような膜の張ったトゲのようなものが生えていた。
たとえるならばカエルとおたまじゃくしの間にさらに怪獣のような何かを加えたような生物だった。

JOJO「(カエルか、山奥だしな、居てもおかしくないか……)」

しかし、『ディープ・フォレスト』の一件を終えてから、
一切スタンドがらみの事件にかかわっていないJOJOは、それをカエル以外の生物と認識することができない。

ド ド ド ド

青年「(ゲハハハハッ!こいつはボロイ商売だぜ!)」

別室で、カメラの画面を見ながら青年はいやらしい笑みを浮かべる。

青年「(混浴に来るのなんざ干からびた爺さん婆さんくらいのもんだから、
     それをあえて利用して盗撮して熟女モノのメーカーに売りつけてやろうと思ったらッ!)」

ジィィィイイイ―――ッ

カズハ キャッキャ

青年「まさかの団体様ご案内ィィ――ッ!ゲハハッ!笑いがとまらねぇや!この能力
    目覚めたのはつい最近だが、これからはコレのおかげで懐があったかいぜゲゲハハハハハハハー―ッ!」

ド ド ド ド

――浴場

チャポッ・・・チャパァ

ド ド ボオオオ――

カエル『(ゲゲロッ!本体のヤローは遠くからお湯の中を観察するだけでいいって
     言っていたが、そんなみみっちいマネはするつもりはネーゼ!
     やるなら目標はでっかく、【秘密の花園】だッ!!)』

浴槽(というには少しデカイが、適当な言い回しが思いつかなかったのでこう表現する)の中を
ゆっくりと泳ぐカエル(のようなもの)。彼は青年のスタンドによって生み出された生命だ。
現在彼は、本体からの指令に従ってうら若き少女たちのあられもない姿を
体内に仕込んだ水中カメラによって余すところなく丸々と収めようとしているところだった。
普通の両生類が40度近い温度のお湯の中で生存できるか?という疑問が残るところだが、
おそらく普通の両生類ではない彼にとってはその程度の難関は難関ですらなかった。

ちなみに、彼の他にもあともう二匹のカエル(もどき)が浴槽内部には潜入しており、
彼は男の隣の少女を狙うてはずとなっていた。
彼の同志が狙う二人の少女については、ある少女の『超人的な感知能力』によって、
と言えばどうなったかは想像に難くないので描写は省略する。
ここでは、彼が狙うてはずとなっている男の隣の少女に起こった出来事を中心にしたいと思う。

しばらく泳ぐと、透き通ったお湯の恩恵か、数m先に少女の体が見えた。
タオルを巻いてはいるが(タオルを巻いて浴槽に入るのはマナー違反である)、
その上からでも分かるスタイルの良さ。形のいい胸に、ほどよく締まった腰周り。
あくまで『鍛え上げられた』のではなく『自然な』スタイルのよさであるのが、逆にそそる。
これは金になる、と直感しつつ、カエルはさらに近づいて行く。

先ほども思考した通り、カエルの目的は【秘密の花園】である。
その為にも、多少のリスクを負ってでも接近するのは重要だ。
心を決め、カエルは女の足に漂着した。

カズハ「ひゃっ!」ビクッ

JOJOと肌が触れ合うという、思ってもみなかった突発イベントに、
どぎまぎしながらも緊張していた彼女に、さらに突発的な感触が走った。
何か、ひんやりと温いものが自分の足に触れた。太股の外側だ。
しかも、かなり付け根に近い。タオルを巻くってそこにねじ込んでいるような感じだ。

これは何だ、と思う前に、カズハの前提にはこの考えがあった。
『ついに、JOJOがアプローチしてくれた!?』
直前に彼の体を感じ、そして緊張によって思考能力が著しく低下していたことが不運だった。
彼女は『嬉しい……でもここでやるのはちょっと……』と、
悶々と悶えに悶えながら太股から送られるこそばゆい感覚に身を震わせる。

カズハ「(しっしかし……!これは…………!くすぐったいというかなんというか、
     ちょっとおおっぴらにやるにはダメな行動じゃあないの……!?
     萌とかいるし、アクターはノビてるとはいえ結構近くにいるし!!)」

874「温泉に行こう! その2」の巻:2010/06/21(月) 22:48:38 ID:???0
ドギマギしながらも、今行われている情事(の前段階の前段階程度だしそもそも勘違いだが)を
直視するには少し経験が足りないカズハは、不安げにJOJOの顔を見つめる。
当のJOJOは悩ましげなカズハの考えなど露知らず、ボケッとカズハの顔を見つめ返してクエスチョンマークを浮かべていた。
しかし、そんな様子もカズハのピンク思考には「あくまで知らないふりをすると!?JOJO意外と鬼畜!!」
という新たな性癖への入り口を刻み込むだけとなってしまう。

そんな馬鹿げた小芝居をしているうちにも、カエルの接触は続いているわけで、
カズハはカエルが動くたびに逐一ビクリとオーバーな反応を返すだけだった。
これに気をよくし、完全に色欲に支配されたカエルは、大口を開けてその様子を
水中から観察しながら、さらに内股へと潜り込んでいく。

カズハ「ん……ぅあ」ピクリ
JOJO「どうした?カズハ」

カズハ「う、ううん……。な……んでも、な、いィッ」ビクビクッ

無理やり笑みの形に歪めた顔の筋肉も、やはり完全ではなく、どこか引きつった形になる。
弁解の言葉も、自然と細切れになり、間には悩ましげな吐息が挿入される。

色欲に燃えるカエルは、改めてその光景を収めておく。
体に巻かれたタオルは、水を多分に吸い、すっかり湿って彼女の体のラインを浮き上がらせていた。
その上、水分でタオルが透けて、その奥の肌色がわずかに見えている。
普通、両生類が同種以外に発情することなど有り得ないのだが、
(人間の中で猿に欲情するのが常識的に有り得ないのと同じ理屈だ)
スタンドによって生を与えられたこのカエルのような生き物は、普通の両生類とは違い、
ある程度人間の嗜好も理解できていたので、結構グッ!ときていたのだった。
しかも、どういうことかこの女(カズハ)は彼の接触を不快に思って居ないようである。
これは好機だ。お湯の外で観察を続けている同志A(さっきJOJOが見つけたヤツのこと)の為にも、
ここは一肌脱いでやらねばならない。もとい一肌脱がしてやらねばならない。

カエル『(メメタァ!)』

心中でむしろ自分がブン殴られるような掛け声をあげつつ、
カエルは素早く女の内股に滑り込んだ。

カズハ「ヒゥッ!」

思わず、裏返った声が口から出かけ、慌てて歯を食いしばってこれをこらえる。
ここで拒絶したらせっかく進展しかけた関係がまたゼロからやり直しだ、と思ったのだろうか。
小刻みに震え、漏れそうになる吐息を必死にこらえながら、JOJOの顔色を確認する。
その表情には、『そろそろ勘弁してくれ』という哀願の色が伺えたが、
もちろん彼女が感じている鋭敏な感覚をもたらしているのはJOJOではなくカエルであるため、まったく意味はない。

カズハ「……ッ……!ぁ……ぅふぁ……///」プルプル

ついに堪え切れなくなり、硬く閉ざした唇の隙間から甘い吐息が漏れ始める。
これに遅れて気がついたカズハは、思わず両手で口を押さえるが、
それでも緊張によって研ぎ澄まされた感覚から送られる内股の不快感は拭い去ることができない。

JOJO「ん?どうした?カズハ。」

ようやく異変に気が付いたJOJOがカズハの顔を覗きこむが、
カズハは顔を赤くしてうつむくだけで何も言おうとしない。

カズハ「ん………………っ……ひっ……。」

ただただ、時折漏れる吐息を必死で押し殺しているだけである。
心なしか、頬の紅潮も先ほどよりひどくなっているように感じたJOJOは、
カズハの顔を見て怪訝な表情をさらに深める。

JOJO「(あ、さてはこいつのぼせたな。でも風呂が楽しいからいい出せなかった、と……。

    かわいいやつめ。)」

まったくもって見当違いな予想を立てたJOJOは、まったく、まったくの親切心から、行動を起こした。
もう一度、念のために言っておくが、これは本当に親切心の行動で、まったくやましい気持ちなどないのだった。

JOJO「ホレ、のぼせてるんだろ?無理すんな。また頭冷やして入ればいいだろ?付き合ってやるからよ」ヒョイッ

『ヒートウェイヴ』が、カズハの腋の下に手を入れてカズハを立たせる。

カズハ「ひぃやっ!?い、今はだめ、だめぇ!!」

それだけで、色んな色々で色々な色々が色々なってしまっていたカズハの限界は、いとも簡単に音を立てて崩れた。
『ヒートウェイヴ』に助け起こされた直後、その足は彼女の重さを支えることが出来ないまま、
へなへなと重力に負けてへたり込んでしまう。

875「温泉に行こう! その2」の巻:2010/06/21(月) 22:49:14 ID:Yx81/73o0
JOJO「………………………………………………………………えっ」ポカーン

いきなりの嬌声に、JOJOの脳が処理落ちした。
カズハがへたり込んだときに顔に水が飛び跳ねたが、それをぬぐうことすらしない。

カズハ「…………………………………………。」

一瞬、二人の間に重苦しい沈黙が広がる。

カズハ「ちちちち違うのッ!今のはちょっと腋がくすぐったくってそれで……!」
JOJO「………………あ?ごめん。ちょっと今記憶が飛んでたわ。」

数秒後、JOJOの脳が再起動を果たすと同時に、カズハはほっと安心の溜息をついた。
どうやら、彼の記憶からは今のカズハの信じられない嬌声は消去されていたようだ。
同時に、安心のおかげで頭に上った血が下がっていく。どんどんと思考がクリアになっていった。

カズハ「(あれ?待てよ?)」

冷静になったカズハは、あることに気がついた。

カズハ「(今、JOJOとは完璧に離れてるけど、でも何故か太ももにある感触は離れない)」

ド ド ド ド

つまり、これは何を意味しているのだろうか。

ド ド ド ド

と、次の瞬間。カズハが視点を落とすと――
お気づきだろうか?まるで人間のようにカエルが彼女の足にへばりついているではないか。
今夜はそんな知られざるカエルの人間じみた行動の数々を、『ド変態の両生類』からお送りしよう。

カズハ「…………。」ムンズッ

カズハが、無言のままにカエルを捕まえる。
なんと、カエルの口の中には小型のカメラが仕込まれているではないか。
それにしてもこのカエル、ノリノリである。

カズハ「おいカエルっぽいの。お前どこの差し金だ?」

カエル『へ、へへっ、随分強気じゃないの、俺の攻めにあんなしおらメメタァッ!』

カズハ「次に質問に答えなかったら消す。」

カエル『ゲゲロッ!け、消すのは勘弁して!言うから!○○○号室の男だよォ!』

カズハ「驚いた。まさかしゃべれるとは思わなかったわ。でも消す。」

なんと、カズハは冷酷にもすべてを話したカエルを消すと宣告した。
現場は一時騒然とする、そして。

カエル『ヒィーッ!』

カズハ「……というのは冗談よ。あなたには道案内をしてもらわないといけないし」

とここでネタばらし。実はこのドッキリ、ターゲット役が真の仕掛け人。
すべてを知らされた仕掛け人役のターゲットはただただ苦笑するしかなかった。

カズハ「JOJO、私、やっぱりのぼせちゃったみたいだから一回涼んでくるわね。またすぐ戻ってくるから。」
JOJO「じゃあ俺も一緒に……」
カズハ「いいの。せっかくの露天風呂だもの。JOJOはゆっくりしてて、ね?」
JOJO「ん……、ああ。」

有無を言わせない笑顔を浮かべたカズハは、表情を鬼のものに切り替えて更衣室へ向かう。

カズハ「(私の乙女心を弄んだ罪は重い……。窒息死で済むと思うなよ。)」

スッ スッ

カズハ「! ……亜希、萌。」
亜希「事情は萌ちゃんから聞いたよ……。盗撮だってね。」
萌「カズハ、私の言いたいことは分かるわよね。」

ド ド ド ド
     ヤ
三人「殺るわ(よ)。」

数十分後、青年の悲鳴が旅館中に響き渡った。


オマケ

アクター「う、ぐ……。」
JOJO「お、目が覚めたか、アクター。」

アクター「いでで……、あれ?あいつらは?」

JOJO「三人揃ってのぼせたとよ……。なんだかんだ言ってあいつらが一番楽しんでやがる。」

アクター「(よくは分からねーがのぼせたわけではないのは確からしいぜ……。)」

ガチャァ

JOJO「お、戻ってきた。」

アクター「お前ら、ちょっと血のにおいがするんだが……」

カズハ「そこで萌が鼻血をブチまけた。」シレッ

アクター「(今擬音でシレッって言ったよ、あいつ……。ウソ確定じゃねーか……。)」

JOJO「じゃあ、さっさとお湯で流しちまおうぜ。
   ホラ見ろよ、あのカエル。なんか風情があるよなぁ〜。」
アクター「いや、あれどう考えてもカエルじゃないだろ」

カエル ゲロゲロブルブル

JOJO「……平和だなぁー。」

アクター「どこがだよッ!!」

876 ◆XBKLFVrvZo:2010/06/21(月) 22:50:42 ID:Yx81/73o0
あーあ……やっちまったよ……
一番やっちゃいけないところで自爆しちまったよ……

あーあ……

あーあ……

まあ過ぎたことは悔やんでも仕方がないか……。

877 ◆XBKLFVrvZo:2010/06/21(月) 22:51:57 ID:???0
そういうわけでお目汚しするわけにもいかないので自分で5レスほど埋め立てます

忘れていた投下残り分

「温泉に行こう! その3(完結編)」につづく(予定)

使用させてもらったスタンド案→特になし
こんな濡れ場を演出するようなクソ役に人様の案なんて使えるわけないじゃないですか!!
能力は適当に『触れた小物を両生類にする能力』とかそのあたりなんじゃないですか?

878 ◆XBKLFVrvZo:2010/06/21(月) 22:52:30 ID:???0
梅3

879 ◆XBKLFVrvZo:2010/06/21(月) 22:52:47 ID:???0
梅2

880 ◆XBKLFVrvZo:2010/06/21(月) 22:53:55 ID:???0
梅1

今回は内容があまりにもアレだったので
見苦しいとは知りつつも即興の対応策をとらせてもらいました。
梅も含めて見苦しいところをお見せしました……
油断するもんじゃないね

881 ◆U4eKfayJzA:2010/06/22(火) 07:16:40 ID:LSiKmfi20
パンモロよりもパンチラの方が風情があるようにッ! これは、エロいッ、エロいぞォッ!
……ふぅ。って、何言ってんだ、俺は。

いや、しかし男に惚れ切った女は怖い。そしてアクターはやっぱり悲惨だったw やはり、旅行は相手を選ばないと不味かったようでw
乙でした!


>書き手の中にも適材適所がありますよね
自分も、エロは不真面目に書いてるから恥ずかしさなんて感じないだけなんですけどね。
色々忙しい時期じゃなきゃ、そろそろ自分もカットパートを書いてく頃なんですが。

882 ◆R0wKkjl1to:2010/06/22(火) 20:08:39 ID:dS3zCxS6O
梅には何があったんでしょうかww
とにもかくにも乙です!カズハちゃん可愛い・・・リラックスさせていただきましたwww

883 ◆neHjiUQ7Jo:2010/06/23(水) 01:25:10 ID:80XNveHg0
おいいいいい!!
温泉でイタズラ、それを彼氏に悟られない様にガマンする女の子……
世界中で一番俺得シュチュエーションををを……
もうちょいロングで書いて欲しかったぜ……
乙です!

884 ◆XBKLFVrvZo:2010/06/24(木) 21:02:59 ID:???0
オコメありがとうございます!
まあ1レス「うわぁ……」が付いたらいい方かなぁ
とか思ってた矢先の3レス! お気遣い頂き本当にありがとうございます……
単発はもう少し下がったら投下したいと思います 今日のところは米返しだけで

>>881
>自分も、エロは不真面目に書いてるから
不真面目であの出来だと……
やはり適材適所か……
>>882
梅は埋めですねぇ……
可愛い? 嬉しいこといってくれるじゃないの……
>>883
>彼氏に悟られない様にガマンする
この一文でNTRにしか見えなくなりました><
ロングで書いたらきっと太股―内股だけじゃ済まなくなって
最終的に俺が爆発していたでしょうね

885 ◆U4eKfayJzA:2010/07/03(土) 11:49:50 ID:???0
今から、『温泉に行こう! その2』を踏まえたエロスの執筆を開始しますが、カエル本体を借りていいでしょうか?
とりあえず、太股―内股だけじゃ済まなくなって最終的にHWさんが爆発するようなエロを書くつもりです。
無理でしたら断っても構いませんが、ともあれお尋ねいたしました。

886 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/03(土) 18:25:12 ID:???0
 | 三_二 / ト⊥-((`⌒)、_i  | |
 〉―_,. -‐='\ '‐<'´\/´、ヲ _/、 |
 |,.ノ_, '´,.-ニ三-_\ヽ 川 〉レ'>/ ノ
〈´//´| `'t-t_ゥ=、i |:: :::,.-‐'''ノヘ|
. r´`ヽ /   `"""`j/ | |くゞ'フ/i/
. |〈:ヽ, Y      ::::: ,. ┴:〉:  |/      ただし案作者に暗殺されても
. \ヾ( l        ヾ::::ノ  |、      当方は一切責任を負いません
 j .>,、l      _,-ニ-ニ、,  |))
 ! >ニ<:|      、;;;;;;;;;;;;;,. /|       ___,. -、
 |  |  !、           .| |       ( ヽ-ゝ _i,.>-t--、
ヽ|  |  ヽ\    _,..:::::::. / .|       `''''フく _,. -ゝ┴-r-、
..|.|  |    :::::ヽ<::::::::::::::::>゛ |_   _,.-''"´ / ̄,./´ ゝ_'ヲ
..| |  |    _;;;;;;;_ ̄ ̄   |   ̄ ̄ / _,. く  / ゝ_/ ̄|
:.ヽ‐'''!-‐''"´::::::::::::::::: ̄ ̄`~''‐-、_    / にニ'/,.、-t‐┴―'''''ヽ
  \_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ /  /  .(_ヽ-'__,.⊥--t-⊥,,_
\    ̄\―-- 、 _::::::::::::::::::::__::/  /  /   ̄   )  ノ__'-ノ
  \    \::::::::::::::`''‐--‐''´::::::::::/  / / / ̄ rt‐ラ' ̄ ̄ヽ ヽ
ヽ  ヽ\   \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      /    ゝニ--‐、‐   |
 l   ヽヽ   \:::::::::::::::::::::::::::::::/           /‐<_   ヽ  |ヽ

887 ◆U4eKfayJzA:2010/07/03(土) 18:35:28 ID:???0
ありがとうございます! では、ちょっくら出してきます。

888 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:15:40 ID:???0
単発じゃあないけど
前にDFさんで作ったパラメータをメイン6人で作ってみちゃったり…

889 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:25:45 ID:???0
どうせだし置いていっちゃいましょう
べ、別に単発のネタが浮かばなくて困ってるわけじゃないんだからねっ!

┌────────────────────────────────────┐
│                スタンド名――『ヒートウェイヴ』                  │
│                                                      |
│                    本体――JOJO                       ..|
│                                                     .|
├───────────┬───────────┬────────────┤
│   破壊力―A       .|   スピード―A       .|   射程距離―E(2m)    |
│                 |                 .|                  │
├───────────┼───────────┼────────────┤
|   持続力―E      │   精密動作性―B    │     成長性―C      │
│                │                │                  │
├───────────┴───────────┴────────────┤
|                                                     │
| 能力①――腕に炎をともしたときにかぎり、物体を粘土のようにゆがめられる。    │
│         「粘土化」は HWの手を離れてからも 数秒は持続するようで、       .|
│         そのことを利用した 応用方法も 存在するらしい。              .|
│                                                     │
│    ②――『セントラル・ヒーティング』                             │
│         HWの周囲の空気を 「粘土化」させることで                   |
│         あたりの物体の動き すべてをにぶらせることが できる必殺技。       |
│         スタンドパワーを 大量に使うため、数秒しか 持続せず、          │
│         攻撃するためには 一度解除しないといけないのが 弱点。         │
│                                                     │
└────────────────────────────────────┘
     A―超スゴイ  B―スゴイ  C―人間並み  D―ニガテ  E―超ニガテ

890 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:26:28 ID:???0
┌────────────────────────────────────┐
│                  スタンド名――『グラットニー』                  |
│                                                      |
│                     本体――佐野亜希                     | 
│                                                     .|
├───────────┬───────────┬────────────┤
│   破壊力―C       .|   スピード―D       .|   射程距離―C(15m)   |
│                 |                 .|                  │
├───────────┼───────────┼────────────┤
|   持続力―A      │   精密動作性―D    │     成長性―C      │
│                │                │                  │
├───────────┴───────────┴────────────┤
|                                                     │
| 能力――スタンドを介して 物体の「体積」を移す。                      |
|       物体の縮尺を変えるような 『奪い方』や 『与え方』の他にも、物体の     |
|       一部分だけを 消失させたり、肥大化させる 『奪い方』『与え方』がある。   |
|       「スタンドを介して」なので 能力の過程で スタンドの大きさも 変わる。    |
│                                                     │
│                                                     │
│                                                     │
│                                                     │
│                                                     │
└────────────────────────────────────┘
     A―超スゴイ  B―スゴイ  C―人間並み  D―ニガテ  E―超ニガテ

891 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:27:23 ID:???0
┌────────────────────────────────────┐
│             スタンド名――『ブラック・アイズ・ピース』                |
│                                                      |
│                 本体――アクター(芥川辰助)                  | 
│                                                     .|
├───────────┬───────────┬────────────┤
│   破壊力―A       .|   スピード―B       .|   射程距離―E(2m)    |
│                 |                 .|                  │
├───────────┼───────────┼────────────┤
|   持続力―C      │   精密動作性―B    │     成長性―C      │
│                │                │                  │
├───────────┴───────────┴────────────┤
|                                                     │
| 能力――煙と同化するスタンド。                                |
|      煙が 濃ければ濃いほど そのパワーは 際限なく上昇する。           |
|      逆に煙の濃度が薄いと パワーは低いが、代わりに 射程距離が 伸びる。   |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
│                                                     │
│                                                     │
│                                                     │
└────────────────────────────────────┘
     A―超スゴイ  B―スゴイ  C―人間並み  D―ニガテ  E―超ニガテ

892 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:28:35 ID:???0
┌────────────────────────────────────┐
│                 スタンド名――『チェリー・ボム』                 |
│                                                      |
│                     本体――鷺沢萌                      | 
│                                                     .|
├───────────┬───────────┬────────────┤
│   破壊力―なし      |   スピード―なし      |   射程距離―E(2m)    |
│                 |                 .|                  │
├───────────┼───────────┼────────────┤
|   持続力―B      │   精密動作性―なし   │     成長性―B      │
│                │                │                  │
├───────────┴───────────┴────────────┤
|                                                     │
| 能力――何かが触れると 爆発する。                           |
|       本体だけは 例外的に 爆発させないことも できる。               |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
│                                                     │
│                                                     │
│                                                     │
└────────────────────────────────────┘
     A―超スゴイ  B―スゴイ  C―人間並み  D―ニガテ  E―超ニガテ

893 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:34:26 ID:???0
┌────────────────────────────────────┐
│              スタンド名――『ザ・ファイナルレクイエム』              |
│                                                      |
│                    本体――樋口カズハ                     | 
│                                                     .|
├───────────┬───────────┬────────────┤
│   破壊力―B       .|   スピード―A       .|   射程距離―D(5m)    |
│                 |                 .|                  │
├───────────┼───────────┼────────────┤
|   持続力―A      │   精密動作性―C    │     成長性―D      │
│                │                │                  │
├───────────┴───────────┴────────────┤
|                                                     │
| 能力――触れたスタンドの 能力を『理解』し、使いこなす。                 |
|      能力発動中は 姿かたちが オリジナルの面影を 感じさせるようになる。    |
|      一度に 複数の能力を 使用することは 出来ず、                  |
|      能力の再発動には 一分ほどの インターバルを 置かなくては ならない。    |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
│                                                     │
│                                                     │
│                                                     │
└────────────────────────────────────┘
     A―超スゴイ  B―スゴイ  C―人間並み  D―ニガテ  E―超ニガテ

894 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:35:49 ID:???0
┌────────────────────────────────────┐
│           スタンド名――『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』              |
│                                                      |
│                    本体――平塚雷鳥                     | 
│                                                     .|
├───────────┬───────────┬────────────┤
│   破壊力―A       .|   スピード―C       .|   射程距離―D(5m)    |
│                 |                 .|                  │
├───────────┼───────────┼────────────┤
|   持続力―A      │   精密動作性―D    │     成長性―E      │
│                │                │                  │
├───────────┴───────────┴────────────┤
|                                                     │
| 能力――一分先までの人の未来を『予知』する。                      |
|      『予知』の未来は確定した『運命』で、このスタンド以外の者には変えられない。|
|      人の未来しか予知できないため、飛び道具を使われると不利になる。     |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
|                                                     |
│                                                     │
│                                                     │
│                                                     │
└────────────────────────────────────┘
     A―超スゴイ  B―スゴイ  C―人間並み  D―ニガテ  E―超ニガテ

895 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/07(水) 19:37:48 ID:???0
はい、終了です。
暇があったら味方勢とか耀壱(笑)のとかも作ってみたい…ですが
今はとりあえず単発とかクリエンとかを頑張ります…ハイ、寄り道してごめんなさい

896 ◆XBKLFVrvZo:2010/07/19(月) 19:56:36 ID:???0
絵茶のログ置き場に 遊びに行くと
スク水すがたの譲華が
何にも言ってないのに 勝手に ビート板を持ち始め
  およげないの
そう言った
あなたならどうする…?
最高だった…

897 ◆XBKLFVrvZo:2010/08/04(水) 15:12:21 ID:???0
この酉使うの異様に久しぶりな気がします。
今までの消えてた期間中(何度か譲華ちゃんマンセーしてたけど)、
クリエンSSを書き溜めしてたんですが、5話ほど書き溜めれたんで
そろそろ投下しようかなーとか思ってます。はい。
そんなわけでいい加減単発完結編。ぶっちゃけネタがないので
これ投下したらクリエンSS投下しようかなとか思ってます。

898「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:13:36 ID:???0
JOJO「いやぁー、良い湯だったな。」
アクター「いろんな事実を無視した感想だと思うぜ、そいつはよォ。」

――JOJOたちの部屋。(何号室かは忘れたし確認するのが面倒なので省く)
前回散々な目に遭いかけつつも、お決まりのパターンで健全の域を超えなかった入浴シーンを終え、
すっかりリフレッシュしたJOJOたちは、一旦「ある準備」のために自室に戻ってきていた。
アクターは頭に包帯を巻いているが、それはみんな気にしない方針のようだった。

ド ド ド ド・・・

萌「『寝る位置』を……決める……!」

ド ド ド ド

『布団の並び順!』
一見するとくだらないこれが一行を行動させた!

JOJO「くじでいいんじゃねーの?」
アクター「おれもそれでいいけどよー。」

カズハ「待て!」

ド ド ド ド

カズハ「萌……くじっていうのは限界があるよなあ。」

萌「……ああ……。私が短い人生で学んだことは…………人間は策を弄すれば弄するほど
  予期せぬ事態で策がくずれるってことだ!…………くじを超えるものにならねばな……」

亜希「なんのこと?なにを言っているッ!」クワッ
   、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、
萌「私たちはくじをやめるぞ!JOJO―――ッ!!」バン

899「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:14:57 ID:???0
   バリィ

カズハ「『温泉』と『卓球』ッ!これほど相性の良いモノがこの世にあるだろうかッ!?」ガサゴソ

高らかに意味の分からないことを叫びつつ、バッグの中から人数分の『ラケット』とひとつの『ボール』を取り出すカズハ。

亜希(これはテニヌの予感……!)


――数分後、亜希の予想は見事に的中する事になった。

JOJO「じゃあ、せっかくだしダブルスやろうぜー。」

萌「じゃあわたしはお姉さまと!!」
カズハ「JOJO以外とは組みたくありません。」

JOJO「んじゃ、俺・カズハペアと亜希・萌ペアだなー。」

亜希「やるからには負けないよ!JOJO!」
萌「お姉さまに負け戦をさせるなど、この私のプライドが許さない!」

カズハ「『ザ・ファイナルレクイエム』……。」ボソ
JOJO「スタンド使うのかよ!?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

JOJO&カズハ

v.s.

亜希&萌                      (審判:アクター)

900「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:16:27 ID:???0
アクター(これが…………ぼっちか…………。)


ド ド ド

JOJO「ルールの確認をするぜ。」

〜1.ジャンケンで『サービス』『コート』を決める〜

JOJO「俺の勝ちだぜ。じゃあサービスで。」
萌「じゃあ私たちはコートね。」

〜2.サービスは2本ずつ。サーブは自陣でバウンドさせなくてはならない〜

カズハ「じゃあ私が打つわよ…………」スィッ

萌「馬鹿め! トスがあらぬ方向へ吹っ飛んでるだろーがッ! それじゃあ私たちのコートへはとどかねえッ!」
亜希「萌ちゃん! 油断しちゃ駄目だよ!」

萌「ハッ!?」

カズハ「『ザ・ファイナルレクイエム・ブラック・アイズ・ピース』ッ!!」ゴオ!
JOJO「…………。」

萌「しッ、しまった……!」

カッ コオン!

アクター「0−1ぃー。」

JOJO「……じゃあ次は俺のサーブな。」ヒュウッ

901「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:17:42 ID:???0
亜希(よかった……。やっぱりJOJOは常識人だね!)

シュッ

JOJO「…………」

萌「…………え?」

JOJOの手元が一瞬動いたと思ったそのときだった。

ド ド ド ド

亜希の目の前のコート、それから背後の壁から煙がたつ。

シュゥゥ……

ド ド ド ド

JOJO「……どうした?ただのサーブだぜ?」

アクター「0−2ぃー。」

亜希(こいつ今!確実に!『ヒートウェイヴ』でサーブ打ちやがった!だって後ろの壁凹んでるもん!煙たってるもん!)

亜希「分かったよJOJO……君までそういうことするっていうなら、私も容赦はしないからねッ!」ヒュゥ

カズハ「ふん……。『グラットニー』のパワーで何ができるっていうの?それなら普通にサーブを打ったほうがまだマシよ。
    それに、小さくしたって私の『ファイナルレクイエム』の煙のガードを潜り抜けられるわけがない。」

亜希「小さくしない!」オオオオオ

『グラットニー』がラケットに当たってJOJOのチームのコートへ向かっていくボールに触れ……

902「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:18:35 ID:???0
          . . . . .  . . ....
亜希「逆だよ!この『ボール』は大きくする!」

カズハ「馬鹿な!?ボールを大きくしたら、逆に打ちやすく……」

萌「いや違う! お姉さまの狙いは『打たせない』ことじゃあないッ!!」

ド ド ド ド

萌「お姉さまの狙いは!」

JOJO「ま、マズイ……!しくじったぜ……うおおおおおおおお『ヒートウェイヴ』!!」ゴオッ

オオオオオ   カッ

萌「ネットにひっかけること!!」

JOJOの返したボールは、その巨大さゆえ、ネットにひっかかって返球できなかった。

ドォーン!

アクター「1−2ぃー。」

ゴ ゴ ゴ ゴ

亜希「ボールが大きければ、普通に打ったらネットにひっかかってしまう……。そういうことだよ。」

萌「必勝法よォ! あっははははははは!!」

亜希「そしてもう一度!!」ドシュウゥ!

903「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:20:06 ID:???0
JOJO「フン!甘いぜ亜希……!この俺に同じ策を使うって事は、その時点で既に凡策なんだぜッ!!」

グワァアオ!

萌「これは!この軌道は……!」

亜希「『ロビング』!!」

――ロビングとは――
   本来はボールを高く打ち上げて、時間を稼ぎ返球するための技術。
   ここでは、ネットにかからないようにボールを高く打ち上げるためにつかったようだ。
   弱点として、スマッシュを打たれやすいのだが、ある方法を使うことで相手にとって打ちにくい球を打てる……


…………そのある方法とは――

ギャルルルルルルルル!!

JOJO「『ヒートウェイヴ』の精密な動作によって!」ドドド

JOJO「強力な『バックスピン』をかけてお返しした……!これはそう簡単には返せねえゼ……。」

萌「くっ、うおおおおッ!」

萌「『チェリー・ボム』ッ!」ヒュッ

萌「『一円玉』を使って起爆するッ!!」  カチッ

ドッグオオオオオオオオオオン!!

萌「もちろんボールの真下でね……。爆風でスピンは相殺!そしてええええ」

904「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:21:26 ID:???0
亜希「『グラットニー』!今度は極端に縮小することで!」

カズハ「ハッ!さっきまで大きいのに慣れてたから、急に小さくなった球に対応できない!!」

カッコォン

アクター「2−2ぃー。」


…………その後も一進一退の攻防が続き……

アクター「10−10ぅー。」

ド ド ドド

JOJO「……『卓球』は『11点先取』が大前提のルール!」

ド ド ド ド

JOJO「10−10のときはデュースとなるが、めんどくせーので次をとったチームの勝利とする!」

ド ド ド ド ド ド

JOJO「そして! サーブは俺!」

ゴ ゴ ゴ ゴ

亜希「(今までJOJOのサーブは一度としてとることができなかった……!にも関わらずこの得点で勝敗が決まる……!?)」

萌「(汚いなさすがJOJOきたない)」

905「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:22:42 ID:???0
ド ド ド

JOJO「『ヒートウェイヴ』!」ヒュウッ

亜希「来るよ!萌ちゃん!」

萌「『チェリー・ボム』!」ズラアアアア

JOJO「くると思ったぜ『チェリー・ボム』……!弾幕で俺のパワーを削ろうってことくらい!予想済みだぜッ!」

JOJO「カズハぁ!」

カズハ「『ザ・ファイナルレクイエム・アクセンスター』ッ!!」サッ

亜希「『グラットニー』!「コート」を隆起させろッ!」

ズモァ!

カズハ「ハッ!?しまった!弾幕と私の直線状にコートが入ってきたから……」

ギュンッ!

JOJO「『コート』が消えただとッ!?」

JOJO「(まずいぜ……! 卓球のルール上サーブをするときには必ず自陣でワンバウンドさせなくてはならない!
    それがなくなってしまったら、俺は確実にサービスミスを…………!)」

カズハ「『アクセンスター』解除ッ!」

パッ

JOJO「くう……!」カッコォン!

906「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:23:52 ID:???0
結局ボールはそのまま『チェリー・ボム』へと突っ込み……

ドッグオオオオン!

萌「ヒャッハアアア! 打ちごろのよわっちいボールだッ!」

カコォン!

JOJO「チッ!こんなボールすぐに返して……」

JOJO「! このボールは……!」

萌「今頃気づいたか!?そのボールはボールじゃあない!」

ド ド ド

萌「私が爆発しないように打ち出した『チェリー・ボム』だッ!!」

JOJO「くっマズイ……! 起爆しちまう……!」

カズハ「『ファイナルレクイエム』!」バシュウッ!

カズハ「これで問題はない……。でも、本当のボールはどこに……?」

アクター「こっちに転がってるのはなんだ?」

一同「えっ?」

ド ド ド ド

そこには無残にもバラバラに弾け飛んでいるボールの残骸が……。

907「温泉に行こう! その3」の巻:2010/08/04(水) 15:25:12 ID:???0
アクター「っつーか、普通に考えたら爆発したんだから壊れるに決まってんだろ……」

カズハ「じゃあ、萌のせいでボールなくなったし私たちの勝ちね。」
萌「は?私たちのコートに触れる前にボールが爆発したから私たちの勝ちだろwwww」

カズハ「………………。」
萌「………………。」

ド ド ド ド ド

JOJO「ここは審判アクターッ! きみの意見を聞こうッ!」

アクター「じゃあ間をとって俺が決めるわ。」

亜希「私もそれが一番幸せな結末を導けると思うな。」

そんなわけで。

窓側から萌、亜希、アクター、JOJO、カズハ……の順番になった。
萌は亜希と一緒、カズハはJOJOと一緒、そしてアクターは二人と隣り合いたくない……。
全ての望みを満たした完璧な並びだった。

しかし、この並びは最終的にアクターに地獄を見せる事となる。

――深夜。

ボソボソ

カズハ「JOJOぉ〜。」
JOJO「いいから寝ろって……。」

アクター「……。」

萌「お姉さまぁっ!ああっ!」
亜希「め、萌ちゃん……。」

アクター「……。」プルプル

アアッ ウウンッ

アクター「…………!」

アクター(リア充爆発しろ!!)

(おわり)

908 ◆XBKLFVrvZo:2010/08/04(水) 15:26:54 ID:???0
さて、投下終了です。
今回は割りとまじめに戦闘(?)させてみました。
おふざけの時間はここまでだ…! これからスレ建ててくる

909名無しのスタンド使い:2010/08/04(水) 19:05:59 ID:???0
やっぱりスポーツにスタンド持ち込むとカオスなことになるなあ

あと、カニSS開始wktk

910 ◆U4eKfayJzA:2010/08/05(木) 12:32:52 ID:???0
アクター……、だから連れていく相手を選べとあれほど言ったのに。
これは可哀そう過ぎて涙が出る。乙でした!

911 ◆XBKLFVrvZo:2010/11/10(水) 19:13:54 ID:???0
>>909-910
ソロモンよ、私は(HWスレに)帰ってきた

実はこの短編埋めはまだ終わってません。
最後の埋めに使用する短編は用意してあるんですが、
それに使うレス数が正味6〜10レス程度になりそうなんで、
980くらいまで普通の短編埋めは継続していきます。

そんなわけで、今回は普通にまともなバトルを繰り広げてもらいました。

それでは『ヒートウェイヴ』短編SS、始まります。

912「『ブラック・アイズ・ピース』と『ヒートウェイヴ』」の巻:2010/11/10(水) 19:15:48 ID:???0
――2011年、4月。
めでたく無事高校2年生に進級したアクターこと芥川辰助は、テストという呪縛など忘れて遊び呆けていた。
実際、中間テストは今から1ヶ月強あるので、今この時期は遊んでたって誰も 彼を咎められないのだが、
彼の知能レベルを知るものなら「ああ、このまま勉強しないで酷い目に遭うんだな」ということがなんとなく分かる空気である。

そんな彼は、現在必府のとあるゲームセンターにて『ORIGINAL STANDS!』という格ゲーをプレイしていた。
プレイヤーキャラのほかにももう一体『能力』としてのキャラクターの二人を同時に操作できるという設定のほかにも、
いわゆる『萌え』キャラや絵柄の濃い硬派なキャラなど、同じゲームでも絵柄に違いがあるというのが特徴的なゲームだ。

アクターが使用するのは、勿論硬派な不良のキャラクター。
『タバコの煙で闘う』という「能力」が彼自身のスタンド能力と似ているため親近感が沸いたのも理由のひとつ。
攻撃力は並だが、煙という応用性の高い攻撃は初心者にも扱いやすく、それだけに高レベルなプレイヤー同士では
軽視されがちだが、アクターは初心者時代からずっとこのキャラクターとともに歩んできたのだった。

アクター「オッシャアアアッ!! くらえくらえェ!」ガッチャガチャ

筐体『YOU WIN!』

春休みに入ってからというもの、ずっとこのゲームをやり込んでいたアクターは、
もはやこのゲームでは『負けなし』となるほどの達人と化していた。
しかし……


筐体『グアァーッ グァーッ グァーッ』

筐体『YOU LOSE』

アクター「なん……だと……!?」

慢心があったわけではなかった。
相手は厨キャラであったが、普通の厨キャラであれば簡単に倒せるアクターからしたら、
厨キャラを使ったというよりも自分の力量を上回ったことの方が驚きだった。

相手のキャラクターは、金髪でいかにもモテそうなヤサ男。
『触れたものをドロドロにする』というフザけたチートの「すたんど!」を持っているが、
見たことも無いコマンドを使ってこちらの動きを『触れずに』封じていた。

??「オーマイ……。カズハに聞いてどんなもんかと思ったが、これホントに使えんのかよ……」

アクター ピク

筐体の向こうから聞こえる声に、アクターは聞き覚えがあった。
この声は、彼の親友であり同時に仇敵でもある男の声。

アクター(『ブラック・アイズ・ピース』……)

ド ド ド ド

アクターは『B・E・ピース』の煙を筐体の向こう側へと飛ばす。
『B・E・ピース』に視覚はないが、それでも『触れた感じ』で見知った人物を見抜くことは可能だ。

JOJO「これ、マジでオレじゃん」

やはり、そこにいたのはJOJOだった。

これが、赤の他人が厨……もといチートキャラを使ったのだったら、
まだ我慢できた。それが、なまじ見知った人物だっただけに、怒りを叩きつけやすいほど見知った人物だっただけに。

筐体 グシャアッ!

少なくとも人間の力ではどう転んでも破壊されない程度の硬度を誇るはずの筐体が、
まるで踏み潰された折鶴のようにグシャグシャに叩き潰された。

JOJO「んなッ!?」

ド ド ド ド

遮るものがなくなった両者の視線が交差する。

アクター「おいてめー……。表出な……。ブチのめしてやっからよォ……!」
JOJO「はッ? アクター? 何言って……」

アクター「うるせェェ――ッ!! 来いっつってんだよォーッ」ガダンッ

JOJO「……分かったよ……」

ド ド ド ド


アクターは、JOJOを連れて人気の少ない広場に移動した。

JOJO「んで、なんでオメーそんなにキレてんだ?」
アクター「てめーには分かるまい……。裏技のクソチートを使うようなやつに……
     『達人』の矜持が分かるわけがな…………。だから言葉で解決しようとは思わねぇ……」パクッ

言いながら、タバコをくわえ、そして火をつけた。
煙がもうもうと立ち上るのを、JOJOが確認したその瞬間、

タバコ ゴオォッ!

タバコが激しく燃え上がり、比例するように増量した煙が一瞬にして人の形を取る。

913「『ブラック・アイズ・ピース』と『ヒートウェイヴ』」の巻:2010/11/10(水) 19:17:41 ID:???0
アクター プッ

その様子を確認したアクターが、タバコを吐き捨て宣言する。

アクター「『ブラック・アイズ・ピースッ!!』」オオオッ

JOJO「チッ……! 妹と喧嘩でもしたかッ! 八つ当たりなんかみっともねえぜッ!」

まったく事情を理解していないJOJOがまったく見当違いの言葉を吐きながら両腕を構えて戦闘態勢をとる。
同時に、手首からゆらりと陽炎がゆらめいた。

ズォッ!

そしてそれは、そのまま腕となって剥離する。

JOJO「『ヒートウェイヴ』ッ!」

JOJOの体から剥離した『ヒートウェイヴ』が迫りくる『B・E・ピース』の拳と相対する。

HW『FIREEEEEEEEE―――ッ!!』ドバッバァ!

『触れたものを粘土のように扱う』。
その裏技じみたフザけた能力が、『B・E・ピース』を襲おうとしたそのとき、
突然『B・E・ピース』の拳が裂けて『ヒートウェイヴ』の周りを包んだ。

アクター「甘いなJOJOォッ! オメーの『ヒートウェイヴ』の恐ろしさは誰よりオレが知っているッ!
     たかが『近距離パワータイプ』のスタンドじゃあ、オレの『B・E・ピース』を押さえるには……」

そして煙は無数の『拳』となり……
          . . .. ..
アクター「チト『手』が足りないようだなぁぁあああァァァァ―――ッ!!」

ゴオオオオオッ!!

JOJO ・・・!

BEP『オオオオオッッシャシャシャシャシャシャァァ――!』オオオオオ

オオオオオ

JOJO「いや……『手』ならあるぜ……! この状況を打開する『手』ならなッ!」

HW グワァバッ!!

アクター「!! ま、まさか……! 『耀壱』との戦いで使ったって言う……!」

JOJO「『ヒートウェイヴ・セントラル・ヒーティング』ッ!」ドォオオオ――ン!

JOJO「空間全体を『粘土のように』した……。塵も積もれば山となるって言うだろ?
   少しなら簡単に形をゆがめられても……半径5m! これだけの大気となれば『ヒートウェイヴ』でもない限り動くこともできん!」

『セントラル・H』を発動している『ヒートウェイヴ』がJOJOを伴って『拳の包囲網』から逃れる。
完全に『拳の包囲網』からJOJOが抜け出た瞬間、『セントラル・H』が解除された。

拳 モヤアア

『拳』が元の煙に戻り、そして人の形に成る。
基本形に戻った『B・E・ピース』が改めてJOJOと相対する。

アクター「チッ……やはり一筋縄ではいかねぇか『ヒートウェイヴ』……!」

ド ド ド ド

両者の間に沈黙が漂う。
お互いの隙を探り合っているようにも見えるこの瞬間は、
アクターの言葉によって破壊された。

アクター「てめーが『セントラル・H』で「時間稼ぎ」してくれたのは助かった……。マジでな……。
     そのお陰で少量……実に少量だが……動かすことができた……! 『車道』から「排気ガス」を集めてこれた……!」

BEP ド ド ド ド

車道のほうからもう一体の『B・E・ピース』が現れる。
これこそ、アクターのもつ『B・E・ピース』のバリエーション。
     パープル・ソルジャー
JOJO「『紫 煙 の 徒』……!」

アクター「てめーの『ヒートウェイヴ』に対してはよォォ〜〜〜……『パワー』は無力だってことは……
     身にしみて理解しているからな……。『手数』で攻める! お得意の『セントラル・H』は連発もできねーだろうし……」

BEP×2『『オッシャシャシャシャシャアアアアアアアアア―――ッ!!』』ドゴゴォゴォゴォ!

JOJO「…………!!」

グ ッ シ ャ ア ッ !

『B・E・ピース』の拳がJOJOに命中……!

……していなかった。
いや、より正確に言うならば、『B・E・ピース』の拳はJOJOを『貫通しているように見えた』。

ド ド ド ド

アクター ・ ・ ・!

914「『ブラック・アイズ・ピース』と『ヒートウェイヴ』」の巻:2010/11/10(水) 19:18:53 ID:???0
JOJO「オーマイ……。まさかアクターにここまで追い詰められるとは思ってなかったぜ……。チョイとナメてたかもしれねぇ。
   謝っておくぜ。『ディープ・フォレスト』に対してしか使わなかった緊急回避を使うことになるとはな……」

JOJOの体は、『ヒートウェイヴ』自身によって無数の『穴』をあけられていた。
いや、『突き刺してできた』わけではなく、『引き裂かれて』生まれたものだから『穴』というより『裂け目』か。

その『裂け目』に、『B・E・ピース』の腕は上手いことハマっていたのだ。

BEP バッ!

『ブラック・アイズ・ピース』が引き際を感じて腕を引き抜くと、『裂け目』はひとりでに埋まっていく。

JOJOから強大な気迫が放たれる。
『敵』を目の前にしたような、真剣な『気迫』が。
アクターも同じような『仇敵』に対して放つような『気迫』を放って応える。

HW『オオオオオオオオオオオッ!!』

気迫を腕に乗せるように、『ヒートウェイヴ』が腕を地面に沈めこむ。

アクター(『地面のカッター』かッ!)

『ヒートウェイヴ』の粘土化を利用して、ドロドロになった『地面』を高速で放つことによる斬撃。
しかしこれは、『近距離パワータイプスタンド』である『B・E・ピース』にあっけなく弾かれる。

アクター(まだだッ! 『地面のカッター』は食らえば確実に大怪我を負う攻撃!
     そんな攻撃をあのJOJOが何の意味もなく放つとは思えない! おそらくはガードされることを前提とした攻撃!!)

アクター バッ!!

すぐさま目の前の『B・E・ピース』を散らして前を見ると、案の定そこにJOJOの姿は無い。
思わず焦燥に駆られそうになるアクターだが、すぐに自分を落ち着ける。
アクターはごく少量だが『B・E・ピース』を薄くして常に自分の周囲に漂わせている。
JOJOがどこに隠れていようと、攻撃がくる少し前に攻撃を探知できる。
『後の先』をとれるというわけだ。

ズズ・・・

アクター(きたッ! オレの右斜め後ろッ!!)

アクター「そこだァァ――ッ! 『B・E・ピース』ッ!」
BEP『オオオオオオオオオオオオッシャシャシャシャシャシャアアアア――――ッ!!』

BEP スカアッ

BEP ・ ・ ・

しかし、彼の予想に反して『B・E・ピース』の拳は宙を空振った。

アクター「なッ!?」バッ

バッ バッ

周囲を確認するが、『ヒートウェイヴ』はおろかJOJOの姿も見えない。

アクター「い……いない……!?」

混乱で恐慌状態になりつつある思考を無理やり押さえつけつつ一言つぶやいたそのとき、アクターの背中に強い衝撃が走る。

アクター ドガガガッ!

アクター「うぐうッ……!?」

アクター「ぶッ……『B・E・ピース』!!」
BEP『オオオオオオッ!』

すぐさま『B・E・ピース』に衝撃を受けた方向に攻撃を食らわせるが……

地面 ドゴアッ

そこには誰もいない。『B・E・ピース』の拳は地面にめり込むばかりだ。

アクター サラ・・・

アクター(これは……! 『砂』! 間違いない、これは『ヒートウェイヴ』に撃ち出された『弾丸』の残骸だ!)

今までの経験から、この状況からアクターは『自分が何をされたのか』完璧に理解した。

手段は分からないが、姿を隠したJOJOは、『地面』を粘土のようにしてアクターに高速で弾き飛ばしたのだ。
『弾丸』はアクターの体に突き刺さることはないが、それでも確実に無傷では済まない威力。
「能力」が解除され、ただの『砂』となった『弾丸』がアクターの体にめりこんだままこびりついていた、というわけだ。

アクター(だが問題は『どこから攻撃したのか』……! 『B・E・ピース』にまったく探知されることなく!
     確実に『攻撃』を終了してオレから身を隠せる方法だと…………!?)

アクター(『セントラル・H』じゃあねえ! かといって、超スピードでオレの後ろに回ってるだとか、
     『触れたものを透明にする能力』に目覚めただとか、そんなチャチなもんでも、断じてねえッ!

     もっと『クレバー』(最近覚えた。「賢い」という意味)な思惑を感じるぜ…………!)

アクター「ぐううッ」ダガガッ!

思案に暮れるアクターの背にまたも『弾丸』が襲い掛かる。

アクター(前後左右、その全てにJOJOはいない……! そして姿をごまかしているわけでもない……)

アクター(思い出せ、『攻撃』のあった方向に確かにJOJOはいるはずなんだ……!)

915「『ブラック・アイズ・ピース』と『ヒートウェイヴ』」の巻:2010/11/10(水) 19:20:04 ID:???0
《地面 ドゴアッ》

アクター「……地面?」

今までの状況をひとつひとつ整理したとき、アクターはある事実に思い至った。
最初にJOJOからの攻撃を察知してカウンターを繰り出したとき、『B・E・ピース』は確かに「地面」を攻撃していた。
つまり、攻撃が来た方向は、まぎれもなく『地面』であるということ。

――2001年、『セッコ』という男が「地面に潜る」という攻撃を使ったことがある。
『セッコ』のスタンド――「オアシス」と「ヒートウェイヴ」はよく似ている……。「何かをドロドロにする」という点で。
「オアシス」ほどではなくても……JOJOに同じようなことができても、何もおかしいことはない。

JOJO(まあもっとも…………息継ぎしないといけないから一回の潜水……いや、『潜地』で攻撃は一度きりだがな……)

JOJOは、地面の中にいる。
そして、アクターがそのことに気がついたことに『気づいていない』。

JOJO(次は特大のをお見舞いしてやる! これで決着だッ!)
アクター(ヤロォ〜〜ッ ナメやがってッ! 『地面に潜む』だァァ〜〜!? そんなチンケな手品でッ!)

HW『FIREEEEE―――ッ!!』ドボオオアアッ!!
BEP『オオオオッシャシャシャシャシャアアア―――ッ!』ドガガガッ!

HW・BEP『『なッ!?』』

この邂逅は、お互いにとって完璧に予想外であった。
JOJOにとっては攻撃が探知されているという点で、アクターにとっては攻撃が巨大であるという点で。
結果は、

JOJO「ぐぶああ――ッ」ドザアア
アクター「ごっがあ!?」コフッ

互いが互いの攻撃を防ぎきれずに食らう。

JOJO ババッ
アクター ザッ

続いての戦闘を『不利』だと感じたのか、JOJOとアクター両者がここで距離をとる。

ド ド ド ド

JOJO「やるな……アクター。1年前だったらあの『地面に潜る』って策は見破られなかったと思うぜ」
アクター「てめーこそ平和に浸かり過ぎて腕が落ちたんじゃねェーかッ!?」ザッ

JOJO「…………!」

一旦スタンドを引っ込め、JOJOは静かに距離を詰める。
JOJOが近づくとともに決着の瞬間が近づいてきているのが、アクターにはありありと分かった。

アクター「……!」

両者の距離、2m。

JOJO(オレ、なんでこんなことしてんだろ)

一瞬馬鹿馬鹿しささえ感じたJOJOだったが、この状況でそんなことを言うことはできない。
さっさとアクターを倒して、この茶番劇を終わらせようと思った、その瞬間だった。

ボゴグアッ!!

突然、地面がブチ砕けた。
JOJOはとっさに『ヒートウェイヴ』の『腕』だけ発現して瓦礫をガードする。

腕 グオオオオ! ガシイッ!!

地面の破片を『ヒートウェイヴ』がガードしていると、JOJOの足が地面から現れた腕に掴まれた。
その腕は、紛れも無く『B・E・ピース』の腕だ。

アクター「フン……オレの『B・E・ピース』のもう一体がいなくなってることに気がつかなかったか? マネさせてもらったぜ。
     『B・E・ピース』のもう一体に地中を掘り進めさせていた……。腕を『ドリル』のようにしてな……!
     これでチェック・メイトだぜ……JOJOOOO……! さすがにただの喧嘩で足潰されるのは割りにあわねーだろうからな」

ビッ

アクターが勝ち誇った様子で指でJOJOを指す。
『B・E・ピース』もまた、アクターに倣う。

アクター「降参しな、JOJO」

ド ド ド ド

確かに、この状況。『セントラル・H』を使っても意味の無いほどに超近距離。
腕を殴るまでの間に『B・E・ピース』は確実に足を握りつぶす。ただの喧嘩で足を失っては面白くない。

JOJO「……だな、確かに、足を失くすのは割りにあわねー」

JOJO「だが忘れたか? オレはまだ『ヒートウェイヴ』を発現させてすらいねェ!」

瞬間、『B・E・ピース』の腕が新たに発現された『ヒートウェイヴ』の足に蹴り散らされる。
JOJOが『ヒートウェイヴ』を再発現させると同時に、煙を蹴飛ばしたのだ。
『ヒートウェイヴ』はJOJOの体のうちから現れる。つまり、発現させた瞬間はゼロ距離の『B・E・ピース』よりもゼロ距離なのだ。

JOJO バッ!

そしてこの期に乗じてアクターと一旦距離をとる……のではなく。
JOJOは逆に、アクターと距離を詰めた。

アクター「やはりな……! テメーなら『接近』すると思ったぜえええええええ」

しかし、アクターはうろたえない。

916「『ブラック・アイズ・ピース』と『ヒートウェイヴ』」の巻:2010/11/10(水) 19:22:56 ID:???0
アクター(いつもオメーはそうだ……。この状況で、『何が想定されてるか』を理解した上でその『裏』をかく!)

アクター「ならばオレはその『裏の裏』をかいてやるぜェェェ――ッ!」

JOJOの接近にもひるまず、アクターはさらに前進する。
そして『B・E・ピース』を構えようとして……

      ゴンッ!

アクター「なばぶあッ!?」

その音は、JOJOがアクターの顔面に頭突きをかました音だった。

JOJO「残念だったな。『裏の裏』――『表』なら、オレがもう使ってる」

アクター「く……そ、この状況で、あえて『裏をかかない』のが……オメーの『裏』か……」
JOJO「いや、飽きただけだ」
アクター「くそおおお――!?」

HW『FIREEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE―――ッッ!!』ドガガガガガガガガガガッ
BEP『ぐおおおおおおおおおおおおおお―――ッ!!?』       ガガガガガガガ!!

『ヒートウェイヴ』によるラッシュが繰り出される。
既に拳を構えた体制だった『B・E・ピース』は辛うじてそれを防ぐが、それも長くは続かず……。

アクター「ぐはあッ!」ドザアッ!

アクターが吹っ飛ばされる。

けっしてJOJOが特別手加減したわけではないにもかかわらず、アクターはそこまで怪我はしていなかった。
しかし、立ち上がるアクターからは既に戦意はなくなっていた。

アクター「……チッ、負けたよ。まだかなわねえなァ……」ニヤリ
JOJO「いや、今のはお互い手加減してたしなァ……。本気だったら分からないぜ」ニヤリ

アクターがJOJOに笑いかけると、JOJOも同じように笑いかける。
既にお互いの心のもやもや(もっともアクターの一方通行だが)はなくなっていた。

JOJO「そーいえばなんでお前あんなキレてたの?」

と、JOJOが言った途端。

アクター「あああ――ッ! そうだテメー! あんなチート使いやがって!
     だいたいてめえはいつもチートじゃねえか! ゲームのときくらいチートやめろよこのチート野郎!!」

さっき心のもやもやはなくなっていた、っていったが、スマン、ありゃ嘘だった。
しかし、アクターからさんざんチートチート言われたJOJOは渋い顔をしながらアクターに、

JOJO「さっきからオメー、オレのことチートチート言ってるが…………」

JOJO「オメーのそれも、たいがいなもんだと思うぜ?」

アクターは、何もいえなかった。

917 ◆XBKLFVrvZo:2010/11/10(水) 19:27:32 ID:???0
(おわり)

投下終了です。
ラウンド1(『ブラック・アイズ・ピース』とJOJOの『腕』)はJOJOの勝ち、
ラウンド2(『ダイモニカス―悪魔―』 その3)ではアクターの勝ち。

そして今回は……? という話でした。
通算すると彼らの戦いを書いた回数が一番多いですが、
毎回使う戦法に困らないのがありがたいです。

918名無しのスタンド使い:2010/12/01(水) 00:04:05 ID:???O
乙です!
JOJO強すぎワロタwwwww
二人のバトルは熱いねぇ

919 ◆XBKLFVrvZo:2011/01/02(日) 23:34:37 ID:???0
>>918
本人もレスがあったことに気がつかなかったという……
おコメ感謝ですわ!
どっちも何気にオリスタ図鑑有数の強者だと思うんですけど
オツムの差でJOJOが強い感じですかねー。
と書いて、二人に勝てるやつがどんだけいるんだろうと思ったのですが、
JOJOは勿論アクターでさえ強化前アクセンなら余裕で倒せるから困る……。
流石に強化後は「煙よ消えろ!」で全世界の煙が消えちゃうから大幅弱体化ですけど。

920名無しのスタンド使い:2012/06/25(月) 12:30:49 ID:1tzp8aeg0
小ネタで1000まで埋めるって言ってたじゃないですかーやだー


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