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【アークティック】オリジナルスタンドSSスレ【モンキーズ】

282 ◆WQ57cCksF6:2009/10/31(土) 17:37:47 ID:???
天野「『ウイルス』テロだ。伝染性は無いが致死率が非常に高い危険な『生物兵器』。
   これを柏は東京に撒こうとしている。」

丈二「どこに撒こうっていうんだ、インフラって言ったって・・・」

天野「電気、ガス、交通、通信・・・都内主要インフラへの攻撃を計画するとして、君なら何を狙う?丈二。
   武器は『ウイルス』。『ウイルス』は体内に入ることで初めて効果を得る。
   『ウイルス』を簡単に人体に注入する手段があるとしたら、それは一体なんだ?」

丈二「・・・『水道』」

警官達「す、水道だって・・・?」

天野「そうだ」

天野「テロの攻撃目標は『東京都水道局』!
   具体的には世田谷区の各『給水所』!これがヤツの狙いだ」

ざわ・・・ざわ・・・

榎木「つまりこういうことですか?柏は世田谷区の給水所に『ウイルス』を注入して
   『兵器』と化した水を各家庭に送水する・・・・と。」

天野「その通り。世田谷の人口は85万人。街は大量の死体で埋め尽くされるだろう
   それが明日、現実になろうとしている」

警官3「実行日が明日だとして、何故今日になって言うんです?しかもこの人員。
    明らかに足りない。間に合いません」

天野「テログループは至る所にその根を張っている。君たち警察内部にもな
   今日まで隠してきたのは情報流出を避けるため。信用できる人間だけを集めて、話したかった。」

警官達「・・・・・・」

ざわ・・・ざわ・・・

283 ◆WQ57cCksF6:2009/10/31(土) 17:42:06 ID:???
丈二「明日、俺達は何をすればいい」

天野「知り合いの『スタンド使い』を4人呼んだ。狙われる『給水所』は6つ。
   各給水所に君たちを1人ずつ配置する。警官隊の諸君らには彼らのバックアップをお願いしたい」

警官4「ちょっと待ってくれ、『スタンド使い』?何の話だが知らないがそんなやつらに任せる気なのか?
    まだガキじゃないか。一体どういうつもりなんだ」

天野「彼らは一般人じゃない、ハッキリ言うが君らよりこういうのに長けてる。
   なんたって『経験』の量が段違いだ」

警官4「なんだって・・・?」

榎木「・・・わかりました。やりましょう」

警官4「榎木さん!」

榎木「僕は彼らを知っている。力は本物だ・・・。協力しよう、それ以外に道はない」

警官4「・・・!」

天野「『ウイルス』は重要な証拠でもある、物証があれば『組織』を裁きの庭に引きずり出し、
   壊滅に追い込めるだろう!」

天野「最優先事項は『ウイルス』の確保!一つたりとも流出させるわけには行かない!
   なんとしても我々で回収するッ!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

丈二「・・・」

未来「・・・」

天野「それでは各員、明日に備えて準備を始めてくれ!解散!」

284 ◆WQ57cCksF6:2009/10/31(土) 17:45:54 ID:???
〜天野のアジト PM1:55〜

丈二「・・・・く・・・っ!」ジリジリ・・・

作戦はいよいよ明日。だが実を言うと、丈二は少々困った事態に陥っていた。
対『レイト・パレード』用に強化した自身のスタンド、『アークティック・モンキーズ』がいくら力を込めても発現できないのだ。

未来「どうですか、丈二」

丈二「くそ!ダメだ出ない!」

未来「ミシェルは一晩経てば使えるようになると・・・」

丈二「ああ・・・だがもう試練を終えてから一週間になる!
   何で出ないんだ・・・!」

天野「まだダメか?」

未来「そうみたいです」

天野「参ったな・・・作戦は明日だ、明日までにどうにかしないと・・・」

丈二「くっ・・・」

天野「君のスタンドは切り札なんだ、なんとか柏にぶつけたい」

丈二「大丈夫だ、明日には使えるようになってるさ」

天野「本当か?」

丈二「ミシェルが間違えただけだよ、きっとこれは時間がかかるんだ
   だろ?未来」

未来「・・・え、ええ・・・」

天野「・・・」

天野「わかった、明朝まで待つ。だがもしダメなら未来、君に行ってもらうことになるがいいね?」

未来「わかりました」

天野「いいな?明日だ、丈二」

丈二「・・・・・・わかってるよ」

丈二(どうしたんだ『アークティック・モンキーズ』!どこ行ったんだよお前・・・!)



第11話前半 終了

285 ◆WQ57cCksF6:2009/10/31(土) 17:48:06 ID:???
前半終了。次は要望スレの案出しますよへへへ
お楽しみに

286名無しのスタンド使い:2009/10/31(土) 17:49:29 ID:???
投下乙!
誰の案が出るかwktkですぜ

287名無しのスタンド使い:2009/10/31(土) 17:51:47 ID:???

新キャラもそうだけど、ハムバグの能力も気になるなあww

288名無しのスタンド使い:2009/10/31(土) 17:52:18 ID:65UMngqI
乙!
知り合いのスタンド使い4人……
すごい楽しみwwwwww

289名無しのスタンド使い:2009/10/31(土) 17:52:28 ID:ATodJSp6
榎木の地味な再登場に吹いたw

登場案か。ウィンドーズ・レクイエムじゃないことを祈る

290 ◆WQ57cCksF6:2009/11/04(水) 23:45:18 ID:???
「受けるよりも、与える方が幸いである」

昔、こんな言葉をどこかで読んだ。聖書だったか、小説だったかそれは覚えていない。
俺には理解できない言葉だ。人に何かを与えるのは見返りを求めているからであって、行為自体に幸福感を覚えたことはない。

『試練』を受けたあの日、親父は言った。
子供の頃、俺がホームレス達にキャンディを配っていたと。歳を重ねるにつれて子供の純粋無垢な感情と感覚はなりを潜め、
打算的とまでは呼ばずにしても人並みの利害感覚は持つようになった、今の俺では到底ありえない記憶だ。

こうも言っていた。
この経験こそが、俺の『能力』の原点であり、力の本質であると。
俺は慈愛と冷酷を兼ね備えていて、自由に使い分けることができる・・・らしい。

キャンディを『与えて』愛を振り撒き、ナイフを突き刺して命を『奪う』。
それが俺の『チカラ』。自分でもさっぱりわからない話ではあるが。


何故こんな話を急に思い出したかと言うと、今さっき俺の隣に座っている『女性』が前述の格言をボソリと呟いたからである。
たくさんの十字架をぶら下げた黒い装束に身を包んだ、キリスト教信者の女性。
警官達でごった返すアジトの中、明らかに場違いで一際目立つこの女性こそ、今日の作戦で互いの運命を共有しあう俺のパートナーだ。

丈二「・・・・」

女「・・・・ブツブツ」カリカリ

丈二「・・・・・・」

イスに座って机に向かい、聖書を開いて熱心に引用した聖句をノートに書き留めている。
もう二時間くらいはずっとこの調子だ。この後礼拝にでも行くのだろうか。

女「ブツブツブツ・・・・・・」カリカリカリ

丈二(だ、大丈夫かよこの人・・・)

291「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/04(水) 23:47:03 ID:???
作戦当日

数時間前
〜天野のアジト AM1:44〜

ギシギシ、アンアン

未来「・・・・」じーっ

丈二「どう?結構いいだろ?」

未来「しっ!黙って」

丈二「はーい・・・」

ガラガラッ

天野「丈二、いるか・・・ってうわ!何見てんだお前ら!」

丈二「何って・・・AVだけど?ノックしてから入れよな」

天野「こんな大事な日になんでAVなんか見てんだ!」

未来「大事な日だからですよ・・・考えたくないけど、死んじゃったらもう見れないですから」

丈二「そういうこと。天野さんも座りなよ」

天野「私はいい!AVは一人で見るものだ!」

丈二「そ、ならいいけど。
   いいだろこの女優、すげえよな」

未来「確かに・・・これは素晴らしい素材だ。さすが丈二、御見それいたしました」

丈二「俺のコレクションはすげえんだぜ。なめんなよ」

天野「いいから来てくれ丈二、会わせたい人がいるんだ」

丈二「?」

292「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/04(水) 23:49:10 ID:???
天野「知り合いのスタンド使いが到着した。挨拶しておけ」

丈二「ああ・・・わかった。
   未来、次のヤツ再生し始めといて」

未来「了解」

ガラガラッ

未来「どれ、次は・・・洋物か。なになに・・・
   『マージィ・ハリソン 俺の下はスタンドだ!』・・・」

未来「すごいなアイツ とんだエロ外交官だ」


作戦決行は数時間後。準備で忙しい体育館内にいるのは、書類を持って駆け回る者、外部と連絡を取る者、買出しに行く者、仮眠をとる者達。
天野に連れられ、丈二は彼らを横目に館内を突き進み、体育館ステージ脇の小部屋に入る。
中では初めて見る四人の若い男女が、テーブルを囲んで紙コップのコーヒーを啜っていた。

天野「昨日話した知り合いの『スタンド使い』達だ。左手前から、神田、新藤。右が木村、石井だ。」

丈二「よろしく。城嶋です」

木村「よろしく〜」

石井「よろしくな」

新藤「よろしく」

神田「・・・・・・」

金髪でシルバーアクセが目立つチャラ男系の木村、黒短髪でこの真冬にTシャツとジーンズの体育会系・石井。
大学生風で、優男的な雰囲気を醸し出す新藤。そしてこちらの挨拶が届いていないのか、返事もせず一心不乱に聖書を読む女性、神田。
予想していたよりは普通かな、というのが丈二の最初の感想だった。

丈二「あ、あの〜・・・」

神田「・・・・・・」ペラッ

木村「ああ、気にしないで。この娘こういう子だからさ」

丈二「はぁ・・・」

293「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/04(水) 23:50:58 ID:???
天野「丈二、お前のスタンドはもういい。きっと無理だ、間に合わない。」

丈二「! そんな、でも・・・」

天野「わかってる、作戦には出たい。そうだろ?気持ちはわかる。
   だからこいつらの内の一人を、お前に同行させようと思う。」

丈二「え?でもそんなことしたら人数が・・・」

天野「残り一つの給水所は警官の数を増やしてなんとかする。心配するな
   個人的にはこの子を連れて行ってもらいたい」

神田「・・・・・・」ペラッ

丈二「俺はいいけど、決めるのはこの人だぜ」

天野「神田!聖書を閉じろ!」

神田「!! わっ、す、すみませんっ」

急に大きな声を出され、神田がビクリと体を竦ませる。
神の下へ飛んでいた意識は呼び戻され、神田はようやく体を二人の方へ向けた。

天野「午後の作戦だが、こいつに同行してもらいたい。城嶋 丈二だ。
   『スタンド使い』だがワケあって今スタンドが使えない、いいか?」

神田「は、はい・・・いいですけど・・・」

天野「決まりだな。では残りの三人は先ほど話したとおり、各自指定のポイントへ向かってくれ。」

三人「了解」

丈二「よろしく、神田さん」

神田「『神田 愛莉』です、よろしくおねがいします・・・」

294「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/04(水) 23:55:06 ID:???
〜天野のアジト PM3:33〜

午後3時を過ぎ、いよいよ作戦決行の時間となった。
世田谷の6つの給水所に、それぞれスタンド使いと警官隊が5、6人のチームを組んで向かう。
突入作戦を行うにしては人が少なすぎるが、『組織』の目を掻い潜ってやるにはこれ以上人員を増やせなかった。

天野「目標は『ウイルス』の確保!私はここに残って各隊との連絡を取り仕切る!
   作戦遂行に関して、私の指示を仰いでくれ。では第一陣、出発!」

未来と警官隊を乗せたバンが、校庭を進んで校門から車道に出る。
後に続いて第二陣、三陣とバンは次々に車道へ進入していった。
丈二がサイレンサーを装着した拳銃を一丁懐にしまい、神田、4人の警官と共にバンに乗り込む。

コンコン
天野「丈二」

ガーッ
丈二「?」

天野「死ぬなよ」

丈二「・・・努力はする」
ガーッ

ブロロロロロン・・・

天野「・・・・・・」

榎木「天野さん、回線が開けました」

天野「よし、体育館へ戻ろう」

榎木「上手くいくでしょうか・・・この作戦」

天野「やることはやった。後は祈るだけだ」

榎木「そうですね・・・」

295「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:00:05 ID:???
〜駒沢給水所 PM4:05〜

丈二ら6人を乗せたバンは、世田谷の給水所の一つ、駒沢給水所へ到着した。
住宅地のど真ん中にそびえ立つ城のような二つの給水塔を車窓から覗き、高鳴る胸を抑えながら丈二がバンのドアを開ける。
駒沢給水所は無人の施設だが、水道局の厳重な警備のおかげで一般人の立ち入りは不可能となっている。
しかし『組織』は既に侵入を済ませていた。表に『組織』で使用されている黒のSUVが駐車してあったのだ。

丈二「行こう」

警官達を引き連れ、丈二は施設内に足を踏み入れた。


〜和田堀給水所 PM4:05〜

同時刻、未来らもまた指定されたポイントへの到着を済ませていた。
和田堀給水所は世田谷への給水を行う施設であるとともに、駒沢給水所をはじめとした都内7箇所の無人施設の管理も行っている。
それらで発生した不法侵入等のトラブルは、全てこの和田堀給水所に通知されるのだ。
つまりこの場所こそが東京水道の要。ゆえに必ず柏は自らこの要塞の制圧に乗り出すだろう、と天野は考えていた。

未来(・・・行きます)クイックイッ

警官達(・・・・・・)コクリ

未来が指で合図を送り、警官達がそれに頷く。
見たところ敷地内に人影はない。おそらくこの施設の中枢部に奴らがいる。
銃を下に向けて構え、未来たちは目標の建物まで一気に駆け出した。

296「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:03:16 ID:???
〜天野のアジト 同時刻〜

たくさんの通信機器に囲まれた館内で、天野・榎木ほか数名の警官が各隊からの状況報告を待っていた。
簡易で質素な設備だが、この場所こそが本作戦の頭脳であり脊髄である。
複数の隊が別々の場所で同時に行動を起こす本作戦では、突入隊間の連携が最も重要であり、
情報伝達に少しでも『ひずみ』が生じれば、それだけで全隊全滅なんてことも十分にあり得る。
そのため垂れ流しにされつつある情報を一纏めにする機関が必要であり、その役目をこの体育館に居る人間が全うするというわけだ。

プーッ、プーッ

ガチャリ
天野「天野」

木村『玉川班、指定ポイントに到着。』

天野「了解、玉川班。合図を待て」

プーッ、プーッ

ガチャリ
榎木「榎木だ」

新藤『大蔵班、準備完了』

榎木「了解。合図する」

班の名前は、保護対象の各水道施設から取られている。
天野の下へそれぞれの情報が集まり、着々とコマの配置は進められていく。

未来『和田堀班、指定位置に移動中』

石井『こちら石井、砧浄水場に到着』

警官達『砧下班、浄水場に到着。指定ポイントにて待機』

天野「了解、各隊指定ポイントにて待機せよ」

榎木「各隊、突入準備完了です」

天野「あとは丈二の班からの連絡を待つだけだ・・・」

297「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:07:01 ID:???
〜駒沢給水所 PM4:11〜

『試練』のとき、父(の幻影)から受け取った図面は、この施設のものだった。
だからとてもスムーズに行動できた。図面にはありとあらゆる駒沢給水所の情報が網羅されていたから。
問題はこの後である。各隊指定の待機ポイントに、図面には記載されていない新たな要素が見付かった。
『人間』だ。

丈二(・・・やべえ・・・)ゴクリ

神田(・・・・・・)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

工作員「・・・・・・」

無人の施設に人がいるということは大きな問題ではない。『組織』の攻撃が始まりかけているのだから、当然付いて回る要因である。
だが想定していたより遥かに数が多い。丈二らの指定地に立ち尽くす『組織』の男はマシンガンを肩からぶら下げ、無線機を握っている。
しかも厄介なことに、男は2分毎に無線機を使い仲間と連絡を取り合っていた。

丈二(気絶させて侵入するか・・・?だが無線・・・
   仲間の連絡が途絶えたら奴らは俺達に気付く・・・どうする・・・?)

神田(丈二)ボソッ

丈二(?)

神田(私の『能力』なら突破できます。援護してください)

丈二(・・・・)

付近の物陰から、第二ポンプ所前の男の様子を伺っていた神田が、小声で丈二に提案する。
そういえば自分はこの娘の『スタンド能力』について、何も情報を持ち合わせていなかった。スタンド名も知らない。
いや、そもそもその他のことに関しても自分は致命的に無知だった。知っているのは名前と、何が心の神なのかということだけだ。
少し考えたのち、それ以外に方法が見付からないので丈二は神田の閃きにノることにした。

丈二(待機)クイッ、クィッ

警官達(・・・)コクリ

丈二が警官らにサインを送り、その場に待機させる。
物陰から飛び出した2人は、男が気付くより先に距離を詰めて、銃を引き抜いた。

バッ!

男「!!」

丈二「・・・・」カチャッ

ビシュンッ!

バスッ
男「ぐ、ああああああああ」

サイレンサーの付いた拳銃から放たれた無音の弾丸が、男の右ひざを正確に抉る。
悲痛な雄叫びを上げ、男はその場に倒れこんだ。

298「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:11:11 ID:???
丈二「で、この後どうするんだ?」ザッ

丈二がひざを抱える男に近づき、無線機とマシンガンを足で払い除け、背後の神田に問う。
男はぐるぐると獣のように低い呻きを漏らしながら、負の視線を2人に注ぎ続けていた。

神田「この人に、『仲間が配置されていないルート』を案内してもらいましょう。」

丈二「・・・待ってくれ、こいつが教えてくれるってのか?『警備の抜け道』を?
   仲間を裏切って?案内って言ったが、こいつのヒザを見ろよ。これじゃ歩けもしないぞ」

神田「この人の案内に従います」

丈二「だ、そうだけど・・・協力してくれるか?」

工作員「バカじゃねえのか・・・?く、クソ・・・オラ、さっさと殺せよ!どうした撃てッ!」

丈二「こいつは仲間を裏切らない!どうするんだ、あと30秒で仲間からの定時無線連絡が入るッ!」

神田「・・・・・・」

カチャッ
丈二「無線機を取れ!『問題なし』と言うんだッ!」

工作員「へッ・・・ゴメンだね くたばりやがれ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

神田「人は・・・」

丈二「!?」

神田「人は誰もが『罪』を背負っています。多かれ少なかれ・・・
   貴方にもあるでしょう?誰かの信頼を『裏切った』経験はありますか?『親の期待』ですか?『友の誓い』ですか?」

工作員「・・・・・・」

丈二「何してるッ!あと15秒だ、間に合わない走ろうッ!」

299「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:15:17 ID:???
神田「『モノブライト』!」

ドバァァーーーン!

工作員の頬に手を伸ばした神田が、突然高らかに声を上げる。
直後、神田の隣に十字架を背負った黒い『小人』が出現した。彼女のスタンドである。

丈二「!?」

神田「引きずり出しなさい、モノちゃん!」

モノブライト『REEEEEEEEE!』

ガシィッ!

工作員「!? う、うおおおおお!な、何だ・・・?」

神田が男に触れた瞬間、男の体から真っ黒なオーラのようなモノが浮き出した。
それを『モノブライト』が掴み、後方へずるずると引きずり出していく。
男の体から完全に離れた黒いオーラ体の物質は、ぐにゃぐにゃと形を変えていき、工作員本人の姿となった。
さながら、ドッペルゲンガーのように見える。

神田「『あなた』は裏切らないかもしれないけど、『こっちのあなた』は裏切りますよ。
   だって、これはあなたの『裏切りの記憶(罪)』が形となったのですから。」

丈二「い、一体これは・・・?」

神田「丈二、無線機をこの『黒い人』に」

丈二「・・・・・・」スッ

神田「さ、お願いしますね。『問題なし』とお伝えください」

無線機を受け取った工作員の『魂』に、神田が両手を合わせてニッコリと微笑みながら命じる。
コクリと頷いた『黒い魂』は、無線機から発せられる仲間の問いかけにハッキリとした口調で応答した。

ピー・・・ガガッ
仲間『どうだ?以上はないか?』

工作員(黒)「・・・問題はない。」

仲間『そうか、ならいい。サボるんじゃないぞ、終わったら飲みに行こう』
プツッ

ツー、ツー・・・

神田「・・・どうですか?うまくいったでしょう?」

工作員「バ、バカな・・・それは、そいつは・・・『俺』なのか・・・!?
    『声』も『姿』も・・・!」

丈二「そうみたいだな、俺も初めて知ったが・・・
   ま、とりあえず寝てろ」ドゴッ!

ドサッ

神田「ではまいりましょうか。この方が案内してくれます」ニッコリ

工作員(黒)「・・・こっちだ、付いて来い」

300「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:17:28 ID:???
〜天野のアジト 同時刻〜

プーッ、プーッ

天野「! 丈二か!」ガチャッ

丈二『駒沢班、指定ポイントに到着だ』

天野「よくやった・・・!
   おい、全回線を開け!」

部下に命じ、天野が各隊との回線を一度に開放する。

天野「突入開始ッ!!」

天野のみんなの背を押すような力強い声が、体育館内に響き渡った。
無線越しにそれを聞いた突入隊のメンバーが、一斉に行動を開始する。

天野(頼んだぞ・・・!)



〜駒沢給水所 PM4:16〜

工作員(黒)「・・・・・・」ザッザッ

警官達「・・・・ヒソヒソ」

『黒い魂』に従い、給水所内を進む一行。
神田のスタンドが引きずり出した精神体は一般人にも視認できるようで、後ろを歩く警官達の戸惑いの囁きが聞こえてくる。
自分達の理解と認識を超えた存在を目の当たりにし、動揺を隠せないようだ。

手厚な警備と警備の間の、か細いスキマを通り、丈二らはようやく給水場構内の配水池までたどり着いた。
この先に、『組織』の人間たちがいる。『ウイルス』をバラ撒き、たくさんの人命を磨り潰そうとしている。
きっと数名の『スタンド使い』が待ち構えているのだろう。

丈二「準備はいいか?」

神田「ええ」

警官達「大丈夫だ、行こう」

丈二「よし・・・行くぜ」

丈二の問いかけに、頷く一同。意を決し、丈二が扉に手を伸ばす。
そして、扉は開かれた。

301「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:19:42 ID:???
〜各給水所 同時刻〜

未来・木村・石井・新藤「突入ーーーーッ!!!」

警官達「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」ダダダダダダダダッ!

天野の指示を皮切りに、各配水池にて待機していた『スタンド使い』たちが堰を切ったように駆け出した。
警官らもそれに続き、銃を構えて中枢部へ突入する。

各自がそれぞれ、扉を破り中へ押し入った。
今まさに、『組織』の連中が『ウイルス』を拡散させようとしてる現場へ。
だが・・・

バァァァーン!

未来「・・・!?」

警官達「!?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

石井「な・・・なんだ、いったい・・・?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

木村「ここは・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

新藤「い、いない・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

〜天野のアジト 同時刻〜

プーッ、プーッ

ガチャッ
天野「私だ、もう『ウイルス』は確保できたのか!?」

未来『い、いないんです・・・』

天野「? なに?」

未来『誰も『いない』んだッ!柏も、『組織』の連中も!
   何もないッ!もぬけの殻だッ!』

天野「なんだって・・・!?」

302「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:21:23 ID:???
バァァーーン!

配水池への扉を開け、銃を前方に構えながら突入した丈二ら、駒沢班。
丈二の視線の先には、この手で体中を引き裂いてやりたいほど憎くてたまらない、『ヤツ』の姿があった。
『ウイルス』の容器を手に持ち、こちらに微笑みかける男・・・

柏「城嶋 丈二・・・か。やはりお前が来たか」

丈二(!!! な、何故この男が・・・ここに・・・・!?)

警官1「武器を捨てろォッ!容器を下に置くんだァッ!!」

柏「いや・・・捨てるのはお前達のほうだ」

ザザザザッ!

神田「!!!」

その瞬間、配水池の周りに身を潜めていた『組織』の工作員たちが一斉にその姿を現し、丈二らを取り囲んだ。
ざっと見て、40人近くはいる。おかしい。こんなに人員がいるわけがない。他の給水所だって襲撃しているはずなのに。
360度、40もの銃口に包囲され、丈二らは体の芯が急に冷え込んでいくのを感じた。

柏「銃を捨てろ、跪け。両手は頭の後ろだ」

工作員達「・・・・・・・・・」カチャリ・・・

神田「ひ・・・ひぃぃ・・・」

柏「さっさとしろグズどもが!」

警官達「・・・・!」

完全に萎縮しきった警官達が、柏の怒号に慄き、銃を地面に置いて跪いた。
神田、丈二もそれに続き、両手を後頭部に回して地にヒザをつく。

柏「それでいい さて、丈二・・・」

丈二「・・・・!」

柏「何をしようか?」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

天野(まさか・・・そんな・・・!これは・・・・柏!)

天野(やられた・・・・・・!)



第11話・中編 終了

303 ◆WQ57cCksF6:2009/11/05(木) 00:23:29 ID:kG2Pfqxk
中編終了。登場スタンドは「モノブライト」に決定しましたー
イエー。
次の投下で終了です。

使用させていただいたスタンド
No.727『モノブライト』考案者:ID:xOTevAhwO 絵:ID:MTaDEmJk、eLvRNqK8O

304名無しのスタンド使い:2009/11/05(木) 00:24:36 ID:???
乙!やべえ!ピンチだ!

305名無しのスタンド使い:2009/11/05(木) 00:28:24 ID:???
乙!

そして、モノブラの考案者さんあめでとう!

306名無しのスタンド使い:2009/11/05(木) 00:35:34 ID:65UMngqI
モノちゃんキター!!
感無量ッス!
嬉しいッス!
でも丈二たちいきなりピンチだな…
モノちゃんが後編でも活躍しますように…

307名無しのスタンド使い:2009/11/05(木) 04:21:41 ID:ENIuOMDo

便利だなモノブライト
競り落とされてしまったが発案者氏おめでとう

308名無しのスタンド使い:2009/11/05(木) 09:49:11 ID:ATodJSp6
乙!モノブライトおめ!
愛莉たんが死なないことを祈る

309名無しのスタンド使い:2009/11/05(木) 22:00:41 ID:xImyNmpw
ウチのSLがご迷惑をおかけしましたww
おいおい描く事になるんだけど、マージィ出演作品はイリーガルなレアもの設定だぜ
なかなかの洋ピンマニアですなw

310名無しのスタンド使い:2009/11/06(金) 01:46:21 ID:???
>>309
なにッ!?こっちも楽しみだwww

311「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 15:41:18 ID:???
ピー・・・ガガッ
『・・・・沢班・・・どう・・・た・・・応答せ・・・』ガガッ

バキィッ!!

柏「ふん」パラパラ・・・

丈二(何故だ・・・?)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

柏「・・・・・・・・」

丈二(世田谷への攻撃を止めたのか・・・?いや、なら何故ここにいるんだ・・・?
   攻撃は続行するのか?でも何で・・・ここだけを襲う意図がわからない)

柏「質問がありそうだな丈二」

丈二「・・・・・・・」

神田「・・・・・・・」ゴクリ

警官達「・・・・・・・・」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

天野の読みは外れた。
インフラへの攻撃計画は、予想していたよりも遥かに規模の小さいものであった。
駒沢以外の各給水所には、攻撃の予定はなかったのだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ガガガ・・・ブツッ

天野「駒沢班との連絡が途絶えたッ!」

榎木「まさか、敵に拘束されたんじゃ・・・」

天野(バカな!そんなことありえない!
   計画は中止されたんだ!駒沢に柏がいるワケがないッ!)

天野(それとも計画に変更があったのか!?何故ヤツはこの土壇場で計画を書き換えた!?
   はじめから、私たちで作り上げた計画通りに事を進める気は無かったということなのか!?)

榎木「・・・・・・・・」

天野(クソ、考えてみれば至って普通の対応だ・・・これは私が練った計画で、私は既に敵なんだ!
   誰でもそうする・・・迂闊だった・・・)

榎木「すぐに各隊を呼び戻して駒沢給水所へ向かわせましょう!」

天野「・・・ああ、そうだな。
   各隊撤退しろォ!駒沢給水所へ急行するんだ!」

312「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 15:52:48 ID:???
〜駒沢給水所 PM4:20〜

配水池では依然として、工作員たちによる突入隊員の拘束が続けられていた。
武器を失い、ただなす術もなく跪く六人。
突きつけられた四十の冷たい銃口が、彼らを『詰み』の状態へと陥れていた。

柏「・・・よし、あと20分したら『ウイルス』の撒布を始めろ」

工作員「了解」

丈二「何故だ」

柏「うん?」

丈二「こんなに人がいるワケがない。他の給水所はどうしたんだ
   テロ攻撃は中止したのか?何故ここにだけ『ウイルス』をばら撒く」

柏「私がこれまで必死に『ナイフ』を追いかけ続けてきたのは、『世田谷区を全滅させるため』だと、
  本気でそう思っているのか? 天野もお前も、どうやら何も分かってないらしい」

丈二「なに・・・?」

柏「『ウイルス』は化学兵器なんだ いくらでも培養できる。ここで全部使うわけがないだろう
  私はこの国を潰したいワケじゃあない。スタンドの資質を持たぬクズどもを地球から追い払いたいんだ」

柏「今日の攻撃は『デモンストレーション』に過ぎない。『実演販売』さ。
  『ウイルス』の威力を『買い手』に見せ付ける、それがこの攻撃の目的だ」

神田「は、『販売』・・・?」

柏「生物兵器の買い手はいくらでもいる。石油利権を巡って睨み合いを続ける某国・・・
  民族浄化に躍起になってる某国とかな。
  『彼ら』は武器を求めている。戦争は最もシンプルな外交の手段だ」

丈二「戦争だと!?」

柏「『組織』はもはや民主主義から完全に解放されているんだ。
  私が望めば、世界中、どこでも好きな場所で好きなときに戦争が起こる。
  アメリカとヨーロッパに潰し合いをさせることだって難しくない」

柏「ちまちまインフラ攻撃なんてしない・・・『ウイルス』は戦争で使ってもらうのが一番だ。
  より迅速に、効果的に『人類の選別』が進むんだ」

神田「大国に『ウイルス』を売り渡して、戦争でそれを利用させる・・・
   そうやって人々を殺していくつもりなのね!」

柏「そうだ。私は全人類にスタンドを与えたい。それには世界中で『ウイルス』を撒く以外に方法はないんだ
  世田谷の人間を皆殺しにしたって、誕生する『スタンド使い』は1000人にも満たないんだからな。」

丈二「夢物語だ・・・そういうこと言ってていいの中学2年までだぜ・・・!」

313「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 15:58:35 ID:???
柏「そうかな?しかし、現に『各国の買い手』はこの世田谷に集まってきているんだよ
  今日のデモを楽しみにしてる」

神田「なんですって・・・?」

柏「今は都内のとあるビルで酒を飲みながらモニターを眺めているところだろう。
  彼らは待っている。画面が緊急ニュース速報に切り替わるのをな」
  
丈二「戦争はアンタの訴えてる『環境保護』とは遠くかけ離れた行為だろ!
   地球に深い爪痕を残すことになるんだぞ!」

柏「核兵器を使わせないための生物兵器だ!多少の傷は『スタンド使い』が癒せる!
  『砂漠にオアシスを作るスタンド』、『オゾンホールを修復するスタンド』、『産廃を抹消するスタンド』!」

丈二「アンタが望む『スタンド能力』が出てくるまで、虐殺を繰り返すつもりか!」

柏「500年後の歴史家たちは私に深い敬意を払うだろう!
  その頃人類は、一人残らず『スタンド使い』になっているんだからな!」

丈二「ラリってんのかよコイツ・・・!」

柏「ついてこい丈二。お前には特別に『処刑場』を用意した。
  直に阿鼻叫喚の巷と化すこの街を、眺めながら死ねる最高のスポットをな」

工作員「こいつらはどうしますか?」

柏「『ウイルス』を流したら消せ それまでは生かしておいていい
  自分達の無力さを思う存分噛み締めさせたら、殺してやるんだ」

そう言うと柏は、跪いた丈二を立たせ彼の両手に手錠をかけた。
工作員の一人が丈二の背中に銃を突きつけ、柏の後方にて歩かせる。三人は配水池を抜け、給水塔の方へと消えた。
 
神田(『モノブライト』)ボソッ

モノブライト『・・・・・・』

神田(彼は殺されてしまうわ、丈二に付き添って。工作員にあなたの姿は見えない・・・さあ行って!)

モノブライト『REEE・・・』

ピョンッ!

本体の指示を受け、『モノブライト』が去り行く丈二の背中へ飛び跳ねる。
彼に担がれ、『モノブライト』は丈二と共に外へと消えていった。

神田(なんとかチャンスを与えるのよ・・・頑張って・・・!)

314「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:01:59 ID:???
〜和田堀給水所 PM4:25〜

ガガッ
『・・・各隊撤退しろォ!駒沢給水所へ急行するんだ!・・・』

未来「・・・・・・」

警官「何です?」

未来「撤退命令が出ました、駒沢給水所へ向かえとのことです。
   引き揚げましょう。」

警官「了解!」

駒沢を除く5つの給水所に攻撃はなく、各隊に撤退の指示が下された。
杞憂に終わった和田堀給水所の危機に内心少しホッとし、未来らは銃を仕舞って続々とバンに乗り込む。
しかし彼が撫で下ろした胸は、再び緊迫の鼓動で脈打つことになる。
給水所を後にしようとしたそのとき、施設内に『あってはならないもの』を見つけてしまった。

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

未来「・・・・?」スタスタ・・・

未来(な、なんだコレ・・・?)

カチッ・・・カチッ・・・

給水所内の給水ポンプに取り付けれられた『それ』を最初に見たとき、未来は何かの『機械』かと錯覚した。
だがよく目を凝らしてみると、その機械は実体を持たず、後ろのポンプが透けて見えた。
これは『スタンド』だ。そしてこの心を掻き乱す、独特かつポピュラーな秒刻みのリズムは・・・

未来(まさか・・・これは・・・)

ハッとして辺りを見回す未来。
何故今まで気付かなかったのか、自分の神経を疑う。施設内には、それと同じものが至る所に無数に設置されていた。

カチッ・・・カチッ・・・

このタイマーの音に聞き覚えはない。初めて聞く音だ。
けれども『これ』が何なのか、容易に想像が付く。映画とかでお馴染みの『あれ』だ。

未来(ば・・・)

カチッ・・・カチッ・・・

未来(『爆弾』・・・!)

警官「どうしました?行きましょう」

未来「・・・・・・!」

警官にはどうやら『見えていない』らしい。
やはりこれは『スタンド』だ。『組織』は攻撃を中止したワケじゃない、標的を変えただけだった。
『ウイルス』で市民を殺すのではなく、『スタンド』で敵を吹き飛ばすつもりなのだ。

未来「い、行って・・・早く!外に出てッ!」

警官「?」

カチッ・・・カチッ・・・

未来「・・・・・・・・!!!」

カチッ

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

315「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:05:35 ID:???
〜駒沢給水所 同時刻〜

給水所構内を抜けた柏と丈二は、施設の東側にそびえ立つ、双子の給水塔の頂に向かっていた。
塔高30m、8階建てのビルに相当する高さを持つ駒沢給水塔。
仲良く並ぶ二基の間を短いトラス橋が繋いでおり、三人は一号塔から二号塔に向かってその橋を歩いていた。
飾り電球が並ぶ二号塔上部で、柏は丈二と絶望に喘ぐこの街を見下ろしたいらしい。

チュドオオオオオオオオオオオオオン!

丈二「! なんだッ!?」

柏「ははは」

トラス橋を渡る最中、街の向こうで大きな爆発が起きた。
爆発の轟音が響き、街全体を包み込む。空に向かって高く昇る巨大な火柱は、何かの合図のようにも見えた。
爆心地が和田堀給水所だと丈二が気付く少し前に、二つ目、三つ目と各地で爆発が連続した。
爆発は五回起きた。黒い煙をモクモクと立ち昇らせている五箇所は、どれも仲間達が向かった給水所のある場所だ。

丈二「・・・・!」

柏「これでこの街の人間はここの水を飲む以外に無くなった
  さて、いったい何人のスタンドがこれから産声を上げるのかな?」

丈二「こ、この野郎・・・!」グッ

カチャリ
工作員「やめろ、動くな」

柏「そうだやめておけ。ここには『赤』はない・・・お前の『子猿』が私のスタンドに勝てるとでも?」

丈二(もう我慢できねえッ!このクズは!今ここでぶっ殺す!)

丈二「『モノブライト』ッ!引きずり出せッ!!俺の『罪』をだッ!!」

モノブライト『REEE!!!』

モワァァァァァァァン!!

丈二が自身のものではないスタンドの名を叫んだとき、彼の背後に隠れていた黒い『小人』がその姿を現した。
体が黒いオーラに包まれた丈二を見て、背中に銃を突きつけていた工作員の男が恐怖に駆られて銃口を下げる。

柏「!」

工作員「う、うわああああ!な、なんだ・・・!?」

丈二「・・・・・・」

柏「! おい、銃を下げるな!」

丈二「オラァッ!」

ドゴォッ!

工作員「ぐふぅ!」フラッ・・・

男が怯んだその一瞬、丈二の鋭い右脚が男の下腹部を貫いた。
突きを受けた工作員の男はフラつき、バランスを崩して橋から転落した。
地面に体を叩きつけた男の、鈍い破潰音が橋上の二人の耳へと届けられる。

グシャアアアアアッ!

316「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:08:41 ID:???
柏(あのスタンド!丈二のものではない、十字架の女のスタンドか!)

モノブライト『REEEEEEE!』ズリズリズリ・・・

柏「!」

丈二(黒)「うおおおおおおおお」ズズズズズズ・・・

丈二「ぐうううううううう」

丈二の体から発せられる黒のオーラが、小人のスタンド、『モノブライト』の手によって体から引き剥がされ、
人型となって分離する。真っ黒の『丈二』がもう一人、二人の間に召還された。

丈二「これは俺の『殺人の罪』!お前を追い詰めて殺すッ!」

丈二(黒)「殺してやるッ!殺してやるぞッ!」
A・M(黒)『ムヒーーーーッ!!!』バシュバシュッ!

橋の上に現われた『黒い丈二』は、本来なら使用できないはずのスタンドを展開させ、敵に殴りかかる。
これは丈二の『殺人』を犯したときの『記憶』が元となって作られた人形であり、そのとき『銃』を握っていたのなら
この人形も同じものを握っているし、『スタンド』を使って行った殺人なら当然人形も『スタンド』を使うのだ。

柏「なんだか知らんが『レイト・パレード』!こいつを消せッ!」ドバァァーーーン!
L・パレード『・・・・・・』

A・M(黒)『オラオラオラオラオラオラオラオラオラ』バシュバシュバシュバシュバシュ!
L・パレード『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』バシュバシュバシュバシュバシュ!

黒の『アークティック・モンキーズ』が、雄叫びを上げながらマシンガンのように突き出す拳を、
『レイト・パレード』が無言のまま丁寧に一つずつ、自身の拳をそれにぶつけて威力を相殺させていく。

柏「ぬぅ・・・ッ!」

スッ・・・
丈二「『モノブライト』!手錠を外してくれッ!」

モノブライト『REEE!』バキィッ!

丈二「助かった!」

橋の中間部にてラッシュの応酬を繰り広げる二体のスタンドから一歩引き、丈二が手錠を外す。
そしてズボンの裾の部分に隠し持っていた『ダガーナイフ』を右手に握り、柏に向かい駆け出した。

ダッ!
丈二「行くぜオラァァァァ!!」スチャッ

丈二(黒)「うおおおおおおおおおおおおッ!」

317「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:12:22 ID:???
A・M(黒)『ムヒーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!』

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ!!

L・パレード『・・・・・・・・!』
柏(くッ!こいつ、スピードもパワーも互角か!)

柏「『レイト・パレード』!ラッシュを『遅らせろ』ッ!」
L・パレード『・・・・・・・・・』グッ

『レイト・パレード』が能力を発動させ、迫り来る敵の拳を急停止させる。
軽快にパンチを繰り出していた『アークティック・モンキーズ』の動きが止まり、続く次の拳は数分後となった。

A・M(黒)『ムヒッ!?』
丈二(黒)「なんだッ!?」

L・パレード『クラァァッ!』ドシュッ!

ドスウッ!

丈二(黒)「うぐええええッ! う、うわあああああああ・・・・・・・・」

静止した『アークティック・モンキーズ』のがら空きとなったボディに、『レイト・パレード』がその拳を突き出す。
拳はお腹に深くめり込み、黒い『猿』とその本体は苦痛に顔を歪めて橋から身を乗り出し、重力に引かれて落下した。

ドサァァッ・・・

柏の眼下にて、地に叩きつけられた黒い丈二がその体を四方に飛び散らせる。バラバラになった魂はオーラ状に戻って宙に消えた。
敵の注意が橋の下に向いている隙、距離を詰めた丈二が『ダガーナイフ』を柏の肩へと突き刺した。

ザクゥッ!

柏「!! ぐあ・・・ッ!」

丈二「・・・・・・・・」グリグリッ!

柏「ぐお・・・ッ!」ガシッ!

ズボッ!

柏「ぐ・・・!」

丈二「『レイト・パレード』で傷を遅らせなかったのか?」

柏「・・・っ、このガキ・・・!」

丈二「これが『痛み』だ。お前がたくさんの人々に与え続けてきたモノ。
   『痛み』。勉強になったか?」

丈二「こうやって『ナイフ』を一突きずつしていく。お前が死ぬまで、何度でも!
   何度でも何度でも!何度でもだ!」

318「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:18:32 ID:???
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

柏「いい気になるんじゃあない・・・!」

丈二「『モノブライト』ッ!引きずれッ!」

モノブライト『REEEEE!』ズリズリズリ!

ぴょんぴょんと橋の上を飛び跳ねる『小人』のスタンドが丈二の体に触れ、再びオーラの引き剥がしを行う。
『黒い魂』は何体でも製作可能らしく、先ほど橋から転落した『黒い丈二』とそのスタンドが、柏の目の前に再臨した。

丈二(黒)「うおおおおおおおお!」
A・M(黒)『ムヒャアアアアアアアア!!!』

柏(バカな!この『人形』は、無尽蔵に生み出せるのかッ!
  あの小さなスタンド!ヤツの能力で!)

モノブライト『REEE・・・』

柏(ならば先に始末するのはあの『小人』!ちょこまかと目障りなッ!)

柏「『レイト・パレード』ッ!」ドバァァーーン!
L・パレード『・・・・・・・』

丈二(黒)「『アークティック・モンキーズ』ッ!」
A・M(黒)『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!』

バシバシバシバシバシバシバシバシバシィッ!

『アークティック・モンキーズ』と『レイト・パレード』のラッシュの掛け合いが再度勃発する。
互いに相手の拳がどこに来るかわかっているように、正確に拳をぶつけて自分への攻撃を許さない。
火花を散らし合うスタンドとスタンドの合間を縫うように、敵に近づいた丈二が刃物を柏のわき腹に突き刺した。

ザクゥッ!

柏「! ぐ・・・!」

丈二「余所見してんじゃねーよ」グリグリ

柏「うおおお」

丈二(黒)「やったぜ!ハラワタぶちまけて死にやがえエエエエエエ!」

柏「・・・っ、バカが・・・!敢えて懐に飛び込ませてやったんだ・・・!『敢えて』・・・・・・!」

319「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:22:27 ID:???
丈二「! 俺から離れろ『モノブライト』!」

柏「もう遅いッ!『レイト・パレード』ッ!!」
L・パレード『・・・・・・・』スッ

ガシィッ!

モノブライト『RE!』ギリギリギリ・・・

丈二の足元を跳ねて回る『小人』の首を、『レイト・パレード』が掴み、持ち上げる。
弱々しい呻きを漏らし、『モノブライト』の手足がバタバタと動く。
一旦距離をとり、神田のスタンドを助けようと考えた丈二だが、彼の体は柏の懐から『離れなかった』。

丈二(くそ!『ナイフ』を引き抜けない、『遅らされて』いるッ!)

丈二「『モノブライト』を助けろッ!」

丈二(黒)「わかってんだよ!『アークティック』、ヤツの頭を吹き飛ばせッ!」
A・M(黒)『ムヒーーッ!』

柏「お前らは所詮このスタンドの能力で作られた『人形』にすぎない・・・」

モノブライト『RE・・・』ギリギリギリ

柏「コイツを消せばお前らも消える」

L・パレード『・・・・・・・』スッ

丈二「よせ!」

A・M(黒)『ムヒャアアアアアアア!!』ブオオオン!

グシャアアアッ!!

熟したトマトを潰したときのような、ねっとりとした不快な破裂音が橋全体に響いた。
『モノブライト』の小さな頭を挟んだ『レイト・パレード』の両掌が、勢いよくそれを押し潰したのだ。
頭部を失った『モノブライト』の胴体が足元に落ちて、消えた。

丈二「・・・・・・・!!」

A・M(黒)『ムヒャア・・・・・・・』シュウウウウウ・・・・

それに比例して、黒い『猿』と本体も、熱々の鉄板に乗せた氷のように体を蒸発させていった。
『アークティック・モンキーズ』の拳はあと数ミリで柏の顔面を打ち抜いていただろう。そんな惜しいところで動きが止まり、
やがて彼らもいなくなった。

320「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:27:05 ID:???
〜駒沢給水所構内・配水池 同時刻〜

神田「う・・・ぐ・・・・ッ」ギリギリギリ・・・

拘束が続く給水所構内にて、跪く神田が急に顔色を変え、苦しそうに呻き出した。
周りの警官も、『組織』の工作員たちも何が起きたのか理解できないらしく、首を押さえてもがく神田に対して動揺を隠せない。

神田「あああああああ」

警官「!!」

工作員「!?」

ざわざわ

神田「あああああああああああああ」ググググググ・・・

絶叫する神田の頭が、粘土のようにぐにゃぐにゃと歪んでいく。
周囲の恐怖と混乱が頂点に達したそのとき、彼女の頭部は一人でに脳漿を外へ撒き散らした。

警官「うわあああああああああああああああ!!」

工作員「・・・・・・!!!」

騒然とする給水所構内。
ひしゃげて飛散した彼女の脳みそが、辺り一面を真っ赤に染めていた。



スタンド:モノブライト
本体:神田 愛莉  死亡

321「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:30:18 ID:???
〜駒沢給水塔・二号塔 PM4:30〜

スタンドの使えない自分の切り札であった『モノブライト』を失い、逃げるしかなくなった丈二。
ナイフ一本でこの男と、そのスタンドを倒すのは不可能に近い。
トラス橋を駆け渡りなんとか二号塔を登ったが、実際どうすればいいのかわからなくなっていた。

丈二(クソ、なんで逃げてんだよ俺!)

柏「ククク・・・」スタスタ

塔の天辺にそびえるドーム状の屋根、その真下の東屋の周り、
ガラスボールの飾り電球が並ぶ円柱状の広い空間に、ハシゴをのぼって二人はたどり着いた。
この何もない場所で、丈二は柏を迎え撃たなければならない。ギミックもスタンドもなく、
純粋に自分の力のみでだ。

ビュオオオオオオオオ!

丈二「・・・・・・・!」

柏「ここは風が強いな・・・」

丈二(このナイフで首を一突き・・・それで全て終わる。
   終わるんだ・・・)グッ

柏「・・・・・・・・」

丈二(あと10分で『ウイルス』が撒かれる、今仕留めなければ・・・この街は終わりだ!)

柏「丈二、やめておいたほうがいい。お前は今スタンドが使えない、違うか?」

丈二「!」

柏「なんでそうなったのかは知らんが、お前が逃げ回ってるのは武器がナイフしかないからだ
  しかもこの場所・・・足掻くんじゃない、苦しまないように殺してやるから」

丈二「なめんなよ・・・」

丈二「うおおおおおお!」ダダダダ!

ナイフを構え、敵に向かって駆ける丈二。
だがナイフは当然のように敵スタンドによって弾かれ、場外へ飛んで行った。
そしてその一瞬に、『レイト・パレード』の重い拳を腹に受けた丈二が、その場にへたり込んで悶絶する。
血と唾液を口から零しながら、腹を抱えて苦しそうに息を吸った。

丈二「・・・・・・う、う・・・」

柏「いい子だ」
L・パレード『・・・・・・・・』ス・・・

『レイト・パレード』が右掌を、丈二の頭上にて振り上げる。
手刀だ。掌から発せられる冷たくて鋭い、身を裂くようなジリジリとした空気が肌に触れ、
もうこれはどうにもならないことなんだと、丈二はその身を以って理解した。
俺の人生は、ここで終わりだ。

丈二(・・・・・)

322「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:33:12 ID:???
『与えて奪う』。それが世界の本質だ。
奪うばかりでは人を不幸にするだけだし、与えてばかりでは自分が幸せになれない。
俺は何を与えた?何を奪う?

柏「・・・・・・」
L・パレード『・・・・』

ブオオオオオ!

この男はどうだ?俺から『命』を奪う気だ。でも、その前に何か俺に与えてくれたか?
『与えて奪う』・・・
それともこいつは、世の理から解放された人間だとでもいうのか?

丈二(・・・・)

そうだ、こいつからは何も貰ってない。与えられていない。
こいつは奪うだけだ。人から奪い続けるだけ・・・そういう人間なんだ。
俺は奪わせない。こんなやつに、何も奪わせたりしない。
奪わせてたまるか。

従ってもらう、世界に。

柏「死ね」

ブオオオオオオオン!

丈二「・・・・・・・」

ブオオオオオオ・・・・

振り落とされる手刀。それが丈二の首を切り落とそうとしたそのとき、
横から伸びた、一本の見慣れない『腕』が、『レイト・パレード』の手首を掴んだ。

ガシィッ!

L・パレード『・・・・???』ギリギリギリ

柏「!? な、なんだ・・・・・・」

323「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:35:17 ID:???
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

???『・・・・・・・・』ギリギリギリ・・・

スタンドだ。スタンドが使えないはずの丈二のそばで、
誰も見たことが無い、全く新しいスタンド像が、『レイト・パレード』の腕を掴んでいる。

???『・・・・・・・・』ギリギリギリッ!

丈二(こ、こいつは・・・このスタンドは・・・・・・!)

柏「なんだコイツはーーーーァッ!何処から出たァーーーーーーッ!?」

ベキィッ!!

L・パレード『ウグゥッ!!』ブシュウウウウ!

???『・・・・・・・・』

丈二「『アークティック』・・・だ 『アークティック・モンキーズ』
   俺の・・・スタンドだ」

柏(バ、バカな・・・ありえない・・・まさか・・・!)

???『・・・・・・・』

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

柏(『進化』したというのか・・・・ッ!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

324「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 16:37:15 ID:???
すいませェん・・・わたくし二つウソをつきました・・・
一つは「次の投下で終了」・・・すいませェん、次の投下で終わらせます・・・
もう一つは「募集スタンドは殺さない」・・・これは自分でも本当に酷いと思ってます・・・
スマン!

325名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 16:40:12 ID:???
投下乙!
しかしこの殺し方は惨すぎるwwww
作者じゃあないけどあんまりだwwwwそれだけに燃えるけどww

326名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 16:44:47 ID:ATodJSp6
ハムバグついにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

でも愛莉たんの死に方ひでえwwwwクスリ売りとどっこいだwwww

327名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 17:32:41 ID:65UMngqI
ちょwwww
死んでんじゃないっスかwwwwww
こうなったら柏を滅茶苦茶酷い仕打ちにしないと許さないですよ!!!

328名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 19:25:00 ID:???
     /                    |
     i募集スタンドは残酷に殺さないとi
     i  言ったばかりなのに…… /
      i スマン            /
     ド、ありゃウソだった    /
 rァノ二`ヽ\           ,.. '"     ,. ────────
{ ` イ-‐- 、巛\___  ,.. -<\_    /
` T´r ___ i 弋  〜"ノ //\_><9   /  でもまあ、SSに
ヾi Vr::::::V   ミミ  ,r''/ ', ヽ、_ {   i   主人公サイドで出れたんだから
  ト、‘== ' /  r‐ '"   ヾ、ー-- ニ、 i   良しとするって事でさ……
) \==  /    ___ T ー<ミ ) i  
 ノ 、、`ー- '"    /    `T  ー- 、ヽ  こらえてくれ
ー゙`   ,,;;;   / _,. -、 フ  ヾ、 ー- 、) \_  ______
{     ::::::.   `{  !_ !::::/  i  }= ,. '⌒   //
{ r‐‐ ニ=:::::、      ̄    i  V /ヽ
. V/ ̄ ,..ィ< ;::|  \          ( ))
、 |   / (:::/    ヽ         i ) ::ノ
.ヾ\  ̄    ヾ_ / __        i o /
  ヽ\       , - ' ,r‐ァ-      !ー <
    ヾ\     /::;r= '"  ,     /|   ))
    f⌒ 、    `'"   _,/     / .|   //|
    ', T\     ̄:::::.     /  |  / / i
     \::::::.\    ヾ''゙    /  | / /  !
      ヾ::::::::ヘ:::::...、 ___,....:::::''     | /r-</

329名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 20:41:17 ID:jMQZRSYg
乙! これはwwwwww

330名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 21:14:16 ID:g46SNnYI
これはwww
個人的にクスリ売りなんかと比べ物にならないくらい酷い頃され方だww
次回ラストか…頑張れ!

331名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 21:40:08 ID:pVzCNN2Y
これは酷いwww

332「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 22:32:31 ID:???
>>327
スマン!なんか殺したくなっちゃったんだ!でも書いててノリノリだったw
一番好きなキャラかも・・・愛莉ちゃん

本編終了後に各スタンドについて一行で感想書いてこうと思ってます。
(何故使用したかとかどこが気に入ったかとか。)
自分の案をSSに使われてみたい!って方はぜひ参考にしてください。

333名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 22:34:49 ID:???

そしてまた良いところで……ハムバグマジで期待

>>332
それは嬉しい、そっちも期待してます
あと続編じゃなくても、SSはまだ書き続けるんですか?

334「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/08(日) 22:41:30 ID:???
>>333
多分やんないでしょうねww面白いSSは他にたくさんあるんで。
しばらくは読む側に回ろうかな、と。

どうしても書きてー!ってなったら単発SSスレの方でちょこっとやるかも。
わかんないけどw

335名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 23:42:59 ID:???
新作は無しかァ〜、残念

336名無しのスタンド使い:2009/11/08(日) 23:49:50 ID:ATodJSp6
短編でもいいからやってくれたらウレシーッ!
とりあえず今は完結と一言感想に期待しようぜ!

337名無しのスタンド使い:2009/11/09(月) 01:06:22 ID:jMQZRSYg
一言感想いいねえ。自分もいつかやれたらいいな

338 ◆WQ57cCksF6:2009/11/13(金) 21:21:50 ID:kG2Pfqxk
やっと帰ってこれた・・・でもまた出かけなくちゃ。

12時から投下を始めます。

339名無しのスタンド使い:2009/11/13(金) 21:31:38 ID:???
超期待age

340「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:04:30 ID:???
んじゃ始めるよ!
日本語がオカシイのはウインドーズレクイエムの攻撃のせいではありません、仕様です

341「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:06:11 ID:kG2Pfqxk
ビュオオオオオオオッ!

『レイト・パレード』の腕を掴み、へし折ったスタンド・・・
顔面右半分にナイフが突き刺さり、片手に『Humbug』のロゴが入った小袋を持つ人型のスタンド。
これは『アークティック・モンキーズ』だと、丈二は言った。
ヴィジョンこそ違えど、敵から庇うように本体の前にて佇むその姿は、紛れも無く『アークティック・モンキーズ』
そのものであった。

???『・・・・・・』

柏(ぐゥ・・・・ッ!)ボタボタッ

丈二「・・・・・・」

ビュオオオオオオオッ!

???『・・・・・・』ゴソゴソッ

突如発生した『予想外』の出現にじっと押し黙る二人。少しばかりの沈黙を、吹き付ける強風の音が掻き乱す。
そんな空気もお構いなしに、スタンドは左手に持つ小袋(おそらくキャンディの袋)に右手をいれて中をゴソゴソと漁り出した。

丈二「・・・?」

???『・・・・・・』スッ

やがて袋の中から一粒一粒丁寧に包装された、カラフルな小粒のキャンディを数粒取り出すと、
それを手のひらの上に乗せ、柏に向けて構えた。

柏(な、なにか・・・)

???『・・・・・・』

柏(何か『ヤバイ』ッ!)

???『・・・・・・・』ビュッ!

スタンドが手のひらのキャンディをもう一方の手の指で弾き、弾丸のようにそれを発射した。

342「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:10:16 ID:kG2Pfqxk
柏「うおおおッ!」
サッ

バリィィィン!

本能的に危険を察知し、キャンディが放たれるコンマ数秒前に体をずらして迫る弾丸を回避する。
キャンディは柏の後方に並ぶガラスボールの一つにあたり、中の電球ごとそれをぶち砕いた。
砕け散ったガラスの破片が、風に乗って街まで運ばれていく。

柏(い、いったい・・・なにを飛ばしたんだ・・・?ヤツは・・・・!)

丈二「・・・『ハムバグ』」

柏「なに?」

丈二「その袋のロゴ・・・『ハムバグ』だ。キャンディの名前・・・」

柏「キャ、キャンディ・・・?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

???『・・・・・・』

丈二「『アークティック・モンキーズ』の、『ハムバグ』」

柏(・・・・・・!)

丈二「『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』!
    決めたぜ、これが俺の!」

A・M:H『・・・・・・・・』

丈二「新しいスタンドの名だ・・・!」

A・M:H『ムヒーーーッ!』

343「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:16:07 ID:kG2Pfqxk
額に汗が滲む。手のひらが湿る。
我が『レイト・パレード』は無敵だ。神から与えられし、究極の力だ。
こんなやつに負けるわけがない。ありえない。既に一回こいつには勝っているんだ。
なのに何故・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

A・M:H『・・・・・・・』

丈二「覚悟しろ・・・!」

柏(なのに何故!体の震えがとまらないッ!)

A・M:H『ムヒャアアアアアアアッ!』

ビリビリィッ!

柏「!!」

バラバラッ!

突如、『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』がキャンディの袋を勢いよく引き裂き、
中身を派手にぶちまけた。空高くキャンディは舞い、その後雨粒のように降り注ぐ。
しかし飛び散ったキャンディたちは床に落ちずに、静止画の如く空中に固定された。
スタンドを中心に半径20mに渡って周囲を漂う飴粒たちは、薄暗い夜の空をバックにキラキラとそれぞれの彩色を主張する。

キラキラキラ

A・M:H『・・・・・・・・』

柏(なんだか知らんが、あのキャンディがヤバイ!触れるのは危険だ!)

柏「『レイト・パレード』ォォッ!」ドバァーーーン!
L・パレード『クラァァァッ!!!』ドシュッ!

ドゴォォン!

敵スタンドから距離をとり、『レイト・パレード』が壁を拳で打ち砕いて刺々しい大きな瓦礫を手にする。
未知なる物質の壁に脅威と恐怖を感じ取った、柏の感性は至って正常だ。
この行動は正しい。だが、満点の回答ではない。
敵の新たなる力が羽化したその瞬間に、踵を返して逃げるべきだったのだ。

344「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:19:18 ID:kG2Pfqxk
柏「うおおおおおッ!」
L・パレード『クラァァァァァッ!!』ブンッ!

ブオオオオン!

自身の不安をかき消すように、雄叫びを上げながら手に持った瓦礫を勢いよく敵に向かって投げつける。
風切音を響かせ、グングンと直線に進む瓦礫。
『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』はそれに顔色一つ変えず、迫る瓦礫にキャンディの粒を発射した。
放たれた数粒のキャンディが瓦礫をバラバラにして貫通、柏の胴体を撃ち抜いた。

ビスッ、ビスッ、ビスッ!

柏「がはァァッ!」ドバドバドバ

腹に開いた三つの風穴を手で押さえながら、フラフラとした足取りで壁にもたれ掛かる。
下腹部の穴からは絶えず、大量の血液が垂れ流しとなっていた。

柏「ぐ・・・・お・・・・ッ!!!」

丈二「・・・・・・」

柏(お・・・おかしい・・・)ハァハァ

丈二「・・・・・・」スタスタスタ

柏(『レイト・パレード』で・・・銃創の発生を『遅らせた』んだ!そのハズなのに・・・
  何故だ?向こうの方が・・・私のスタンドより・・・速かったのか・・・!?)

丈二「俺の親父を覚えてるか?」

柏「・・・・・・」ハァハァ

丈二「福野 一樹は!虹村 那由多は!その他たくさんの罪のない人々の名前を!
   覚えているのかッ!」

柏「何が望みだ・・・?」

丈二「お前を倒して『組織』の人間を一人残らず刑務所へ入れること!
   それが俺の望みだ」

柏「・・・丈二、考えてみろ・・・」ハァハァ

345「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:25:21 ID:kG2Pfqxk
柏「今の世の中・・・みんなの心はバラバラだ・・・誰かが纏めないといけない。
  『リーダー』が必要なんだ、新しい地球には。わかるだろう・・・?」

丈二「お前は『リーダー』にはなれない」

柏「いいやッ!私が『リーダー』だッ!
  京都議定書が!モントリオール議定書が!世界を変えてくれたか!?何も!変わっちゃいないッ!」

柏「『ウイルス』が地球を変える!綺麗な星へと戻す!変えられるのは!力あるものだけだッ!」

丈二「黙れ・・・!人殺しに世直しなんかできやしない!世界を哀しみのどん底に突き落とすだけだ!」

柏「『哀しみ』が人を強くする!人と人との絆を!より一層強固なものにするんだ!
  人々は手を取り合って、慈しみ合って成長する!」

柏「絶望に打ちひしがれる人々を率いて立つのはこの私だ!私だけなんだッ!」

丈二「お前は誰からも求められちゃいない・・・!」スタスタ・・・

柏「それ以上近づかないほうがいいぞ、丈二・・・!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

丈二「・・・・・・」

柏「動きを見てわかった、スピードとパワーなら私の『レイト・パレード』の方が上だ!
  貴様の『ハムバグ』よりな・・・!」

丈二「・・・・・・」
A・M:H『・・・・・・』

柏「射程内に入ったのなら!『レイト・パレード』の手刀が貴様のノドを切り裂く!
  私の方が速い、貴様は勝てないッ!
  その一歩が!貴様の生と死の境界線だ・・・!」

丈二「・・・・・・やっぱり」

丈二「やっぱりお前は、何も分かってない」

ザッ!

柏「踏み込んだッ!射程内だァァーーーーッ!!!」

346「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:31:03 ID:kG2Pfqxk
A・M:H『・・・・・・・』

柏「切り裂けェェッ!!『レイト・パ・・・・・・

ボトンッ!

柏「!?」

胃から逆流した血液を口の端から流しながら、擦れた声で柏が叫ぶ。
しかしスタンドの名を言い切らぬうちに、柏は思わず声を出すのをやめてしまった。
目の前に、空から『犬』が降ってきたのだ。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

犬『キャウーン・・・・・・』

柏「な、なんだコイツは・・・?どこから・・・?!」

ポメラニアンに似てるが、少し違う。初めて見る種の犬だった。
注意深く観察するうち、この犬が何なのか、何故突然降ってきたのか。
その二つの疑問に対しての回答が、同時に得られた。

犬『ハッ、ハッ』

柏(ス、スタンドだ・・・!この犬・・・・
  良く見ると、体が少し透けている・・・・・・!)

丈二「・・・・・・」

柏「こ、この犬はッ!貴様のスタンドか丈二ィィーーーッ!」

犬『くぅーん・・・・・・』ペロペロ

柏「こんな犬ッ!いったい何だと言うんだッ!」

丈二「・・・『ロン』だ」

柏「・・・!? なに?」

347「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:38:24 ID:kG2Pfqxk
丈二「その犬の・・・いや、スタンドの名前だよ。『ロン』。
   『ロン』だ。覚えとけ」

ロン『ハッ、ハッ』ブルブル

柏「ロ、『ロン』・・・?」

丈二「そしてもう一つ。『ロン』は俺のスタンドじゃあない。いいか?
   それは『お前のスタンド』だ」

ビュウオオオオオオオオオオッ!!

気を抜いたら体ごと飛ばされてしまいそうなほど、強く冷たい風が二号塔の頂に吹き荒れる。
突然現われた飼い主のわからぬ『子犬』が、寒そうにぶるぶると体を震わしていた。
柏はおもわず言葉を飲み込んだ。青年の話が、自分の認識を越えた領域にまで及んでしまったからだ。
何とかノド元に詰まった言葉を反芻し、恐る恐るそれを口に出してみた。

柏「・・・な、何の話だ・・・・?」

丈二「『ロン』は俺が『作った』スタンドだ・・・見た目も、名前も、能力も・・・
   お前に『プレゼント』したんだよ。
   そしてお前は受け取った。『Humbug』に、『キャンディ』に触れてしまったからな」

ロン『ワンッ!!』

丈二「『キャンディ』に触れた人間に、俺の『オリジナル・スタンド』を贈与する。
   これが『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』の能力だ」

A・M:H『・・・・・・・・』

柏「い、意味がわからない・・・何を言ってるんだ・・・?
  私の『レイト・パレード』は・・・・?」

丈二「完全に消滅したよ。これからは『ロン』がお前の新しいスタンドだ。
   バトルはできない、特殊能力は一切なし。見た目はキュートだけどな。
   スタンドに強い弱いの概念は無いが、敢えて言わせて貰うなら・・・・・・」

丈二「超『クズスタンド』だ」

柏(・・・・・・)ポカーン

脳みそが情報を上手く処理してくれない。完全に思考が停止し、焦点の定まらぬ視線を泳がせる柏に、
青年はスタンドを構えて一歩ずつ距離を近づける。スタンドは拳にゆっくりと力を込め、柏を鋭く睨み付けた。

A・M:H『ムヒィ・・・・・・・・・』

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

空気が震える。青年の合図で、この爆弾のような拳はその溜まりに溜まった憤りを私に向かって放出するだろう。
自慢のスタンドを勝手にクズスタンドと交換され、無防備となった私に。
これは何かの間違いだ。ありえない。
ペテンだ、インチキだ。そんな能力はデタラメだ。私がこんな、こんなガキに―――――

丈二「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

こんなガキに―――――

348「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:46:15 ID:kG2Pfqxk
A・M:H『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
     オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ』

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

柏(・・・・・・・・)グシャグシャグシャグシャアァ

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

まるで、全身の骨格を無理やり変形させられているような感覚だった。
繰り出される拳の連打。先端が鉄球の巨大な振り子を、体に何度も当てられ続けているかのようだ。
筋肉は潰れ、体中のあらゆる骨が粉々に砕かれていく。全身を巡る血管はブチブチと千切れ、裂けた表皮から体液がほとばしる。
内臓のほとんどが押し潰されて、呼吸器官系が破砕した。

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
 オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ』

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

耳と鼻がもげ、目玉が飛び出す。もちろん歯など一本も残ってはいない。折られた前歯が舌に突き刺さっている。
呼吸ができない。ノドも、肺も、全てがベチャベチャに潰れていた。
もはやこれが人間の体なのか、ただのたんぱく質の塊なのか、自分には区別が付けられない。
神経系は殆ど死んでいるハズなのに、体中に叩き込まれる強烈な痛みはいつまでも止まなかった。

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ』

柏(・・・・・・・・・・・)グッチャグッチャグッチャグッチャアァッ

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ

この九十秒間、特に何も考えてはいなかった。思考する余裕など無かった。
『組織』のこと、計画のこと、地球のこと。心残りは山ほどあったが、脳を動かすことを『ハムバグ』は許してくれなかった。
ただ、これだけは確信している。私は正しい行いをした、誰が何と言おうと。
私は、間違ってなんかいなかった。

『オラァッ!!!!』

ドゴォォォォン!!!!

ラッシュが止んだ。フィニッシュの拳で肉塊は宙に舞い上げられ、ドーム状の屋根へと叩きつけられた。
ベチョリ、とテーブルにイチゴジャムをぶちまけたかのように、肉と骨の真っ赤なシェイクが東屋を伝って床に零れ落ちた。

丈二「ハァ・・・ハァッ・・・・!やった・・・!」ゴロンッ


丈二「やったぞ・・・!くそったれ・・・!」



スタンド:レイト・パレード
本体:柏 龍太郎  死亡

349「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:51:39 ID:kG2Pfqxk
〜駒沢給水所・構内 PM4:36〜

太陽は沈み、辺りはすっかり夜の闇に覆われていた。
個人的な感情の吐き出しは終わったが、迫り来る脅威の除去が済んだわけではない。
丈二は急いで給水塔を駆け下りると、『ウイルス』の危機に晒されている配水池へと向かった。

タタタ・・・

丈二「!」

ザッ!

工作員達「撃てッ!」

カチャカチャカチャッ!

構内を駆ける丈二の行く手を、現われた十人ほどの工作員らが塞ぐ。
彼らは標的に向かってマシンガンを構え、間髪いれずに引き金を引いた。

ババババババババババババババババッ!

丈二「『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』!」
A・M:H『・・・・・・・・』

バラバラバラバラバラッ

『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』の出現と共に、その周囲で花びらのようにキャンディが舞う。
宙に浮かぶキャンディたちが放たれた弾丸を弾き飛ばして本体の身を護り、反撃に打って出た。
『ハムバグ』が工作員の一人を指差し、飴粒をそこへ撃ち込む。
ヒザを射抜かれた工作員の男が倒れこみ、数人の仲間が歩けなくなった彼の体を物陰へと引きずっていく。

ビシュッ!

バスッ
工作員1「ぐうううあああああ」

工作員2「マズイ、早く移せッ!」ズリズリズリ・・・
工作員3「クソォッ、撃て撃て撃てェーーーッ!」

丈二「くれてやったぜ・・・『自爆能力のスタンド』!
   二秒後だ・・・!」

撃たれた男のヒザに、タコのような姿をした『精神エネルギー体』が絡みつく。
男は突如出現した怪生物に気付いて絶叫するが、仲間たちにはタコのスタンドが見えていない。
タコはぷくーっと風船のように大きく膨れ上がると、ドン!と大きな音を立てて周囲の人間をバラバラに吹き飛ばした。

ドォォォォォン!

丈二「『オクトパシー・007』!そのタコちゃんの名前だ・・・
   邪魔するやつは誰であろうと全員吹っ飛ばすッ!」

350「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:55:51 ID:kG2Pfqxk
・・・バンッ!バンッ!バララララ・・・

丈二「!!」

バンッ!バンッ!・・・

丈二(銃声・・・!)

配水池の方向から銃声が響き、思わず足を止める丈二。
まさか・・・警官達が撃たれたのか?
胸に広がる絶望感を必死に払い除け、ツバを飲み込み覚悟を決めて配水池へ進入した。

タタタ・・・

丈二「!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

死体「・・・・・・」

警官達「・・・クリア!」

榎木「丈二!?」

丈二「これは・・・?」

配水池内で起きていた事態は、丈二の想像を良い意味で裏切った。
辺りに転がる工作員らの屍。数十名に増えた警官たち。
駒沢給水所配水池は、警官隊の増援によって既に制圧済みであった。
丈二の姿を一瞥し、『ウイルス』の容器を手に持った榎木が、こちらに向かって歩み寄る。

丈二「なんでここに・・・いったいなにが・・・?」

榎木「僕の『コネ』を使ってね、ありったけの人員をここに投入したんだ。
   スタンド使いが居なかったのが幸いだった。『ウイルス』・・・確保したよ」

丈二「・・・!」

榎木「君が無事で何よりだが・・・今までどこにいたんだ?」

丈二「・・・」チラリ

ずいぶんあっさりと潰えたテロ攻撃にちょっぴり拍子抜けして、丈二は現場となった周囲を見回す。
視線の先には、十数時間前に出会ったばかりの女性の姿があった。頭がひしゃげ、中身が飛び散った彼女に、
カメラを構えた警官がパシャパシャとフラッシュをたいている。
やるせなかった。殺されてしまったことがじゃない、涙を流してやれない自分がだ。
もっと親しくなっていたら、友達になってたら・・・

榎木「丈二?」

丈二「・・・柏を、やったよ」

榎木「・・・・・・そうか」

丈二「ああ・・・・・・」

ピーポー、ピーポー

丈二「・・・・・・」

その後のことはよく覚えていない。
あの夜の記憶は、世田谷の街に鳴り響く緊急通行車両のサイレンを聴いたところで、ブツリと途切れていた。

351「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 00:58:01 ID:kG2Pfqxk



結論から言うと、この事件のあと俺達を苦しめ続けてきた民主主義の脅威は、
その悪行の全てを白昼の元に晒して瓦解した。
警視庁が都内某都市銀行本社ビルの立ち入り調査を開始し、工作員らは一斉に検挙、
都市銀行の役員連中もお縄となり、彼らは法廷で洗いざらい関係者たちの名前を吐き出した。

腐敗は内閣府にまで及んでいた。
『組織』と密接な繋がりを持っていた事務次官、他数名の官僚らが東京地検によって摘発され、
大手金融企業と政府内の腐敗が世間に露呈し、それからしばらくの間この国は
真夜中のように暗い暗黒の日々を送ることとなった。

強い閉塞感に包まれた社会を見て思う。
正義と自由は手にしたが、あまりに多くのものを失った。
この息苦しい箱庭の中の『正義』と『自由』が、本当に自分は欲しかったのだろうか?

俺は誰のために、何のために戦ったのだろう。

352「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:02:07 ID:kG2Pfqxk
三ヶ月後

〜都内○○総合病院・ロビー PM1:30〜

未来「お世話になりました」ペコリ

医者「はい、お大事にね」

未来「はい」

和田堀給水所がスタンド能力によって爆破されたあの日、未来は確かにそこにいた。
だが生きている。
他の給水所の爆発ではメンバーが全員爆死した中、未来は奇跡的に、全身に酷い火傷を負った程度で済んでいた。
『ウエスタン・ヒーロー』で体を変質させ、穴を掘って避難したのだと笑いながら彼は言う。
そして、今日が未来の退院の日。

ガーッ

丈二「よ」

未来「丈二!」

丈二「うわ、ひでえな。顔に包帯グルグルじゃねえか。ミイラみてえだ」

未来「いきなりストレートですね・・・確かに不気味ですけど」

丈二「行こうぜ、とっととそんな火傷は治しちまおう」

未来「でもホントにそんな人がいるんですか?
   『どんな傷でも完璧に治せる』スタンド使いが」

丈二「ああ」

未来「よく見つけましたねそんな人。天野さんの知り合いですか?」

丈二「俺が作った」

未来「は?」

丈二「俺が『与えた』スタンドなんだよ。退院おめでとう未来」

353「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:04:49 ID:kG2Pfqxk
〜丈二のアパート PM2:02〜

ジュワァァァァ・・・

女「ハイ、これで完璧に治ったハズよ」

未来「・・・・・・」

丈二「包帯外してみろよ」

未来「はい・・・」

するするする・・・

治療は三分で終わった。スタンド使いの女性が未来の手を握り、力を込める。それで終了。
丈二に言われ、未来が鏡の前で恐る恐る自分の顔を覆う包帯をほどいていく。

未来「・・・!」ツルピカーン

丈二「な?上手くいったろ?」

未来「・・・はい!はい・・・!」じわっ

鏡に映る自分の皮膚は、焼け爛れてぶよぶよになったそれではもうなくて、
事故以前の、スベスベとした美しい張りとツヤを取り戻していた。
火傷のあともニキビのあとも見付からない。治すどころか、赤ちゃんの皮膚に取り替えてくれたかのようだった。
じわりと目に涙が浮かんで、零れ出す。みっともないとは思いつつも、ボロボロと溢れる涙を止めることはできなかった。

丈二「ありがとな」

女「こんくらい別にいいって。じゃ、あたし仕事あるから」

丈二「気をつけて帰れよ」

女「ありがと、またねジョジョ」

354「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:07:09 ID:kG2Pfqxk
暖かい春の風が吹き込むアパートの一室で、丈二と未来はイスに座り、スクラブルをしながら紅茶を飲んだ。
ゆったりとした時間が流れ、部屋を優しく包み込む。
時が経つのも忘れて、二人は親友のように兄弟のように他愛もない話で笑いあった。

未来「・・・丈二は、これからどうするんです?」

丈二「さあ・・・どうしようかな。大学に戻るのもめんどくせーし」

未来「僕は公務員試験を受けて警察官になります」

丈二「マジ?」ズズーッ

未来「マジ。実は子供の頃から憧れてたんですよ。
   新たなスタートを切るなら、走るのは夢のコースでないとね」

丈二「まあな。でも大丈夫なのか?公務員って『コネ』が全て!って感じだけど」

未来「その辺は榎木さんに任せてありますから」

丈二「oh・・・よかったじゃねえか」

未来「ええ。ようやく自分の人生を歩み出せそうです」

丈二「そっか・・・
   ・・・・・・・・・よし、決めた」

未来「?」

丈二「俺はとにかくやりたいことをやる!」

未来「何を?」

丈二「何でも。まずは海外旅行だね。世界中を飛び回る。いろんな国で美味いモン食べ歩いたり
   道路の脇で野宿したり。社会復帰はその後だ」

未来「いいですね、楽しそうだ」

丈二「だろ?
   ・・・・・・あ」

未来「なに?」

丈二「その前にやんなきゃいけないこと一個見つけた・・・」

355「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:08:51 ID:kG2Pfqxk
一週間後

アメリカ・フロリダ州マイアミ
〜ニューポート ビーチサイド ホテル 某時刻〜

太陽煌く東海岸の巨大観光都市、アメリカ・フロリダ州マイアミ。
サウスビーチからやや離れた場所に建つ高級宿泊施設、ニューポート ビーチサイド ホテル。

丈二「・・・・・・」ペラッ

ホテルのロビーのソファーに腰掛け、英字新聞を広げる若い日本人観光客。
丈二だ。時折コーヒーを啜りつつ、新聞越しにチラチラとエレベーターの方を覗いている。
誰かを待っているらしく、その様子はどこか落ち着きが無い。

やがて、一人の日本人男性がエレベーターから現われた。
男は丈二に気付かず、一人フロントカウンターへ向かう。

平田「荷物が届いてるって?」

フロント「ヒラタさま、こちらになります」スッ

平田「? 封筒か」

ビリビリ

丈二「・・・・・・」チラリ

フロントから封筒を受け取った平田が、その場でビリビリと封を開ける。
『赤透明の下敷き』が一枚、中に入っていた。学生がテスト勉強によく使うアレである。
封筒の中身はそれ一枚のみで、他には何も入っていなかった。

平田「これ誰から?」

フロント「アークティック・モンキーズ様からでございます」

平田「『アークティック・モンキーズ』?はて・・・
   アークティック、アークティック・・・・・・」

平田「アークティック・モンキーズって誰だっけ?」

丈二(すぐに思い出すよ・・・)

356「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:10:14 ID:kG2Pfqxk
戦いの理由は見付からない。
この世界の『正義』と『自由』が、自分にとってどれほどの価値になるのかもわからない。
でもこれだけは言える。自分はあの時、どうしても戦わねばならなかったのだ。

生きることは醜い。この世界も。
けれどこの世界で、自分は息を吸って吐き出す。
自由意志や選択なんてない。望もうと望むまいと、俺はこの世界で生き続けなければならない。

ならば諦めて、大人しくそれを受け入れよう。
そして戦おう。あらゆるものと。
理由なんてなくていい、相手が何でもかまわない。
生きている限り、自分は戦い続けよう。

エサを与えられ、満足して眠るだけの猿に俺はならない。
人間であり続けるために、『生きる』ために。俺は戦う。



平田「ん〜?」ジロジロ

受け取った下敷きを注意深く観察する平田。
光に透かしてみたり、折り曲げてみたり、鼻に近づけて匂いを嗅いだりしている。
そんな平田の後方で、丈二が新聞を畳んでソファーから立ち上がり、フロントに向け歩き出した。
そして歩みながらに彼が自分のスタンドの名を叫ぶと、

「『アークティック・モンキーズ』!」

『赤』の下敷きから一本、小さな猿の腕が飛び出した。




【アークティック】オリジナルスタンドSSスレ【モンキーズ】 おわり

357「W・T・F・A・A・M?」 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:10:55 ID:kG2Pfqxk
第11話終了です。
2ヶ月という短いような長いような微妙な間でしたが、最後までお付き合いくださった方々
本当にどうもありがとうございました!

本編は終了しましたが当SSについての質問、文句、家庭内の不満には出来る限りレスしていこうと思うので、
ご意見ご感想ありましたらどんどん書き込んでいってくださいね。



第11話で使用させていただいたスタンド

No.113『アークティック・モンキーズ』考案者:ID:7ECIZcHjO 絵:ID:xaqPc3h30

No.177『ウエスタン・ヒーロー』考案者:ID:WyruNzxwO 絵:ID:NJX/glV70

No.727『モノブライト』考案者:ID:xOTevAhwO 絵:ID:MTaDEmJk、eLvRNqK8O

No.149『レイト・パレード』考案者:ID:m6ajcYHsO 絵:ID:EuMvbTh60、SJJWC2nX0


第11話で使用したスタンド

No.678
【スタンド名】アークティック・モンキーズ:ハムバグ
【本体】喫煙家の青年
【タイプ】近距離型/レクイエム
【特徴】No.113『アークティック・モンキーズ』の進化体であり完成形。
    前身の面影はあまりなく、猿のような外見からより人型に近いフォルムになっている。
    「Humbug」と書かれたキャンディの袋を手に持っており、そこからカラフルな飴玉を取り出す。

【能力】「キャンディ」に触れた者に「スタンド」を贈与する能力。
    与えられるスタンドは容姿から名称、能力、パラメーターに至るまでの全てを本体が決定する。
    どんな人間でも、元々の資質の有無関係なしにスタンドは100%強制発現し、その際生命を脅かされるようなことはない。
    元々スタンド使いだった人間は、既に持っていた自分のスタンドを破棄し、新たにスタンドを得ることになる。

破壊力-なし  スピード-なし 射程距離-D(能力射程-20m)
持続力-∞  精密動作性-なし 成長性-完成


敢えて言わせて貰うなら・・・超チートスタンドです。
どなたか図鑑の方の置き換え、よろしくお願いします。

358名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:13:44 ID:xImyNmpw
乙!
ウチのキャラがカメオ出演させてもらったお礼ってわけじゃないけど
デザイン採用してもらったお礼ってわけじゃないけど
人気者にあやかろうってわけじゃないけど
相変わらず走り書きで申し訳ないけど
発現
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org357715.jpg

359名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:14:03 ID:BrbcXdPY
お疲れさまでした!
ものスゴい読み応えッ・・・
マジでスゴく面白かったです!!

360名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:15:18 ID:???
うおおおおおおおおおおおお!!乙!!!
ここで終わるとは思わなんだwwwwwwww
めっちゃお疲れ様でした!!スゴく面白かったですッ!

質問・
結局最後、未来は何に変質して生き延びたんですか?

361 ◆LglPwiPLEw:2009/11/14(土) 01:15:44 ID:???
二ヶ月間の連載お疲れさまでした!
あなたのようなSSを書きたいとずっと思ってました…

アクモンという超大作は永遠に語り継がれるでしょう
最後に“乙”ッ!

362名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:17:57 ID:QkDuay86
乙…圧倒的乙…ッ!



貴方に負けないSSを何時か書いてやるぜ!

363名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:23:53 ID:???
あまりにも・・・乙すぎる・・・

質問
柏以外の敵スタンド使いでお気に入りのは何ですけ?
書き始めた時はどこらへんまで決めてたんですか?

364名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:24:20 ID:gGn.Q4NQ
乙過ぎるんだぜ!
このパートスレ相応しい能力ですね、ハムバグ
最後まで面白かったです!
今までお疲れ様でした!

柏の殺られ描写が予想よりもかなり凄いことになっていて、良い意味で表現し難い気持ちになりましたw

365 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:24:40 ID:kG2Pfqxk
>>358
うおおお!なんというかっこよさ!そうですこんな感じなんです!
ありがとうございます!

>>359
そう言ってもらえるとやってて良かったと思えますw
最後まで読んでくれてありがとう!

>>360
あざーす!質問しろとか言っといてなんだけど、そこは特に考えてませんww
ゴメンね。そこらは想像にお任せしますww

>>361
お世辞でも嬉しいぜwありがと!

>>362
期待してますwwお付き合いくださりありがとうございました。

366名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:26:17 ID:iO5RUFrM
今、読み終えた…
中盤からラストにかけての怒涛の勢いに完全にやられちまったぜ…
あえて言おう…乙であると!!!!

367名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 01:30:35 ID:ATodJSp6
終わった…ついに…ついに終わってしまった…

乙ゥゥゥゥゥゥッ!柏ボコボコぐちゃぐちゃにしたとこ、マジで爽快だったぜ!お疲れ様でした!

質問
11話のサブタイトルは結局どういう意味?

368 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 01:37:00 ID:kG2Pfqxk
>>363
ありがとう!乙っていい響きよね〜
初期の段階ではアークティックとウエスタン・ヒーロー、レイト・パレード以外決めてませんでした。
本編終了後のおまけってわけじゃないけど、登場した全てのスタンドに対して
一つ一つコメントを書いてこうと思ってます。
使用理由とかちょこちょこね。近いうちに投下します。

>>364
ありがとうwwノリノリで書いてたのでそのテンションが伝わってくれてたら嬉しいですww
こんな稚拙な文章読んでくださり感謝してます。お疲れ様でした。

>>366
thx!疲れたけどこういうお言葉は癒しになりますね、うへへ

>>367
ありがと〜。一緒にノリノリになってくれてたら嬉しいですww

サブタイトルは平田の最後のセリフです。

369名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 10:28:30 ID:???
今読み終わった!乙!超乙!

最後の場面でアクモンが元に戻ってたけど
①一時的なレクイエム(?)が解けて元の能力に戻った
②ハムバグと通常を自由に切り替えることができる
③飴で自分自身を打ち抜き、元の能力に戻した
のどれかなのかな?
個人的には能力の危険さを実感した丈二が③を選んだってのが好きだけど
(で、本当のピンチにまた覚醒する)

370 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 18:10:01 ID:???
>>369
これは②ですね。
海外旅行で世界中を巡って、信頼できる人を見つけたらスタンドを『与える』・・・
って感じの旅が丈二のやりたいことなので、基本的にはハムバグは全く使いません。
なので使用頻度なら③も近いと思います。
柏のやり方は否定していたけど、スタンド使いを増やして環境を護るというのは
とても重要なことだと、丈二も感じているんですね。

一言感想書いてきます。
あくまで感想なので全く参考にならないかもしれないけど許してくれ

371 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 18:11:57 ID:???
―『組織』 阿部のチーム―

No.113『アークティック・モンキーズ』 登場エピソード:01−
本体:喫煙家の青年/城嶋 丈二    考案者:ID:7ECIZcHjO 絵:ID:xaqPc3h30

スタンド名が自分の好きなバンドの名前だったのと、自分が以前出した案と能力が似ていたので主役に選びました。
ルックスもイケメンだ。使いやすくて助かりました。レイト・パレードとパラメーターが近かったのもベネ。


No.181『リトル・ミス・サンシャイン』 登場エピソード:01−11
本体:虹村 那由多          考案者:ID:PrUXDreeO 絵:ID:wYLh1pVhO

「億泰の娘」っていう設定に心惹かれてヒロインに。なんで仗助じゃなくて億泰なのかなっていう。
太陽のように明るい娘にしたかったけど、かなり暗い娘になっちゃいました。戦うヒロインっていいよね。


No.177『ウエスタン・ヒーロー』    登場エピソード:03−
本体:正義感の強い青年/倉井 未来  考案者:ID:WyruNzxwO 絵:ID:NJX/glV70

「こいつは絶対仲間に入れたい!」と1話のときから考えていたスタンド。だってヒーローだよ?
能力も応用が利くし、何よりかっこいい。ベルト作るとかすごい発想。もっと555みたいなベルト争奪戦やりたかったなぁ・・・


No.238『ノー・リーズン』       登場エピソード:03−08
本体:物事の原因や〜/福野 一樹   考案者:ID:/8uSSKfF0 絵:ID:xkn9Yn6g0

主人公チームに必要不可欠な回復役として起用しました。だけどあんまり強すぎるんでわりかし早めに退場・・・
全然使いこなせなかったぜ!うへへ。難しいスタンドでした。


No.81『シックス・フィート・アンダー』 登場エピソード:04−05
本体:葬儀屋の男性/桐本 琢磨 考案者:ID:3LCDZWPHO 絵:ID:GCxWlxUi0

主人公vs仲間っていうのがやりたくて、「主人公の敵ならゾンビだろ!(?)」みたいな考えから起用。
ちなみに本体の名前はスタンド名の元ネタとなった同名海外ドラマから、主役の吹き替えを担当されてる声優さんの名前を
少しもじって使用させていただきました。


No.131『マーラ・ザ・ビックボス』   登場エピソード:01−06
本体:青いツナギをきた男/阿部さん  考案者:ID:CFMPC1xHO 絵:ID:m5Yh8cpeO

主人公チームのリーダーを誰にしようかと悩んでいたときに人気投票を見て、「これだ!」と思い使用。カリスマ性バッチリ。
「ネタキャラっぽいけど真面目にバトルしてるし、これどうなんだろ・・・」みたいな反応を期待しながら書きました。
作者的にはグレーです。

372 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 18:17:45 ID:???
―『組織』 柏 龍太郎、その他―

No.65『ゼブラ・ヘッド』        登場エピソード:01
本体:金髪のハジけた兄ちゃん/金髪男 考案者:ID:Y/EhxTe00 絵:ID:JAlo42DyO

手探りだった初戦、アークティックが「赤色」を使うスタンドだったので、対抗して色彩操作系をぶつけました。
その後のバトル作りの基盤となった、大事な一戦です。ちなみに1、2話は地の文無しで書いていたのですが、
2話終わりくらいに表現力の限界を感じたので3話以降から地の文を付け加えることに。


No.149『レイト・パレード』      登場エピソード:05−11
本体:若い学者/先生/柏 龍太郎   考案者:ID:m6ajcYHsO 絵:ID:EuMvbTh60、SJJWC2nX0

時間操作系で、かつ見た目がすごくラスボスっぽい感じだったので『組織』のトップに即採用。
ルックスもイケメンだ。結構見た目って大事ですからね。スタンド像のかっこよさも文句なしのラスボス級です。


No.232『ファクト・アンド・フィクション』 登場エピソード:05、11
本体:敏腕検事              考案者:ID:WyruNzxwO 絵:ID:mTF3tD8e0

スパイものでお馴染みの「裏切りがバレて追い詰められる」というシチュエーション作りに一役買ってくれたスタンド。
喋るフクロウっていうのもキュートでいいと思いました。能力を活かす機会は無かったけど・・・


No.381『メタル・ジャスティス』    登場エピソード:07、09−10
本体:組織の暗殺執行部/川崎 祐介  考案者:ID:U4aAuVDnO 絵:ID:NucSYI960

このスタンドは本体の設定が当SSにピッタリだったのと、液体金属ネタに挑戦してみたかったというのもあって登場。
ルックスもイケメンだ。お気に入りのスタンド案の一つです。


No.587『獅子座の暗示(キングス・オブ・レオン)』 登場エピソード:07、09−10
本体:地下格闘技場のチャンピオン/三上 猛    考案者:ID:7dT0LxA60 絵:ID:L/aLSKar0

アークティックと同様、スタンド名の元ネタバンドが好きで選ばせて貰いました。K・O・Lはマジでかっこいいんだぞ!
これもイマイチ能力を使いきれてないんだよな・・・『組織』の中では珍しく死んでないキャラ(廃人確定ではあるが)。

373 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 18:34:17 ID:???
―敵対勢力 敵スタンド使いたち―

No.60『ワンステップフォワード』  登場エピソード:01−02
本体:踊りそうな男/須藤  考案者:ID:QtdS4EUt0 絵:ID:G8XsufA20

このSSに一番最初に出演したスタンド。「シャルウィーダンス?」とか言い出しそうなスタンドデザインが非常にベネ。
めっちゃかっこいいです。足跡を地雷に、という能力もウィットに富んでて良いと思いました。
真剣な命の取り合いにゲーム性が加わって、丁度いい塩梅に仕上がったと自負しています。


No.137『God save the queen(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン)』  登場エピソード:02
本体:帽子が赤い以外黒づくめの中年男性/赤帽子  考案者:ID:/UeNt/FV0 絵:ID:T/IUp+bu0

デザインが決め手となって採用が決まったスタンド。本体がすごくカッコイイです。渋すぎる。病院にこんなのいたら即日退院だよ。
こんなにキマってるのに能力は「くっつける」・・・なんだか可愛らしいですよね。ギャップ萌え。


No.105『トリック・オン・トニック』  登場エピソード:02
本体:長い白髪の少女/白髪女  考案者:ID:0ZmABXEM0 絵:ID:CUKPuiso0

「G・S・T・Q」のパートナーとして使用したスタンド。動けなくなった敵に対してどんな攻撃が最も有効で残虐なんだろう?
ってことで「遠くから矢で射抜くのが最もエグイ!」という結論に達し、採用の運びとなりました。
でもこんな殺し方する予定なかったんだけどなあ。この辺りからだんだんと僕は頭がおかしくなっていったんだと思います。


No.35『GLASS SKIN』   登場エピソード:03
本体:雪女っぽい感じ/雪女  考案者:ID:2ZTDpIkFO 絵:ID:GuycJ4Tj0

敵をガラスにしてしまう。美しくも残酷な、その奇抜な能力にとにかく惚れ込みました。
デザインも能力も本体の設定も、まるで童話のような幼い意地悪さが滲み出ていて、よく練られた案だなと感じました。

 
No.94『ネイキッド・シティ』  登場エピソード:03
本体:日焼けした半裸の男/日焼け  考案者:ID:EYd3z0UW0 絵:ID:CUKPuiso0

『GLASS SKIN』のパートナーとして登場。味方のガラス化の攻撃を受けてもなんとかなるスタンドを選びました。
お肌すべすべそうですね。


No.130『スリーピング・フォレスト』  登場エピソード:04
本体:薬売り/クスリ売り  考案者:ID:4O7UdUfH0 絵:ID:Pr8JspFI0

これは弁解しようがありませんね。完全に僕の心の闇が文章として残ってしまった回で、このスタンドはその被害者です。
かなり好きなスタンドなんだけどなー。悪い癖だ・・・ほんとに
採用の決め手は能力。「周りを眠らせる」なんて、幻想的で優しい能力ではございませんか。保父さんになるべきです。

374 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 18:41:46 ID:???
―その他 スタンド使い、サブキャラクターたち―

No.73『ホテル・ペイパー』  登場エピソード:09−10
本体:ミシェル・ブランチ  考案者:ID:AS9AXiNx0(俺)絵:ID:JAlo42DyO

僕が考えたスタンド案。かなり難解でめんどくさいリクエストだったにも関わらず、イラスト化に着手してくださった
絵師さんにはとても感謝しています。ゼブラ・ヘッドを担当した方と同一ですよね?運命を感じました。


No.727『モノブライト』  登場エピソード:11
本体:目のしたに隈が〜/神田 愛莉  考案者:ID:xOTevAhwO 絵:ID:MTaDEmJk、eLvRNqK8O

「またやりやがった!」「殺さないって言ったのに!」「S・フォレストより酷い!」と大反響(?)だった案。
よく考えてみるとこのSSの女性陣は全滅してますね。決して女性嫌いだとかそういうのではありません。


No.678『アークティック・モンキーズ:ハムバグ』  登場エピソード:11
本体:喫煙家の青年/城嶋 丈二  考案者:◆WQ57cCksF6 絵:ID:WUaaQNKw0、HoYLhqaU

最終話で使用したスーパーチートスタンド。とことんメタっぽい能力にしよう!と思っていたらこんな感じに。
能力を伏せたままという反則スレスレの投下でしたが、心優しき二人の絵師さんに描いていただけました。
本当に感謝してます、ありがとうございました。


No. 『ロン』  登場エピソード:11
本体:若い学者/先生/柏 龍太郎  考案者:ID:◆WQ57cCksF6

最終話で使用したスーパークズスタンド。これはイラスト化はおろか案すら投稿してないので、ここに書くべきか
微妙ですが、一応。ステータスはオールE、特殊能力なし、本体の言う事を全く聞かない。という設定になってます。


No. 『オクトパシー・007』  登場エピソード:11
本体:『組織』工作員  考案者:ID:◆WQ57cCksF6

最終話で使用したスーパー爆破スタンド。これも僕が即興で考えましたシリーズなのでイラスト、設定共になし。
スタンド名はそのとき見てた映画のタイトルから取っています。

375 ◆WQ57cCksF6:2009/11/14(土) 18:47:27 ID:???
お気に入りスタンドは味方なら『リトル・ミス・サンシャイン』
敵なら『マーラ・ザ・ビックボス』、『ファクト・アンド・フィクション』、『ワンステップフォワード』
ですね。
めちゃくちゃな使い方にも関わらず暖かく見守ってくださった考案者、絵師さん方には感謝しています。

やることも全部済んだのでしばらくは読者側に移行しようと思います。
ありがとうございました。

376名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 19:33:44 ID:???
感想乙!
案を考える参考になるなぁ

377名無しのスタンド使い:2009/11/14(土) 22:54:08 ID:jMQZRSYg
乙!すげえ参考になる
同じ作者としてこれをやれるように頑張りたい

378名無しのスタンド使い:2010/05/26(水) 00:05:39 ID:???0
ムヒー

379名無しのスタンド使い:2010/06/04(金) 23:46:58 ID:???0
広告みたいなので上がってたからついでに読み返すか!

380名無しのスタンド使い:2010/06/25(金) 09:48:46 ID:???O
最近全部読んだけど…なんていうかすげえ。
希望とかそういうものを感じさせないよう、全編を通してダークな作風にしているのがすごい。

「結局、人間最期はひとりぼっち」と絶望を味わいながら死んだなゆたんのシーンは鳥肌が立った。
おそらくこのSSで最も暗く、歪んだシーンだと思う。

まあ何が言いたいかと言うと、ただ単純に面白かった!乙!

381名無しのスタンド使い:2011/09/19(月) 00:45:52 ID:QPq9thsoO
久々に読み返したらやっぱ面白いな
なゆたん可愛いな


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