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やる夫はトロツキー暗殺の指揮を執るようです
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この物語は1940年8月20日メキシコで暗殺されたロシア革命の英雄レオン・トロツキー暗殺を指揮した男の物語である。
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>>572氏
ロースクールですね。英語とロシア語のページを機械翻訳したのをそのまま書きましたので(汗
失礼しました。
スペイン内戦で活躍した赤軍将校は、粛清に巻き込まれた人も多かったようですが、WW2を生き残った人たちもたくさんいました。
たとえば、ヘミングウェイの小説「誰がために鐘は鳴る」に出てくるゴルツ将軍のモデルとなったと言われる
カロル・スヴェルチェフスキ大将は、WW2を生き残りましたが47年にUPAの蜂起鎮圧時に戦死しました。
他に有名な人はロディオン・ヤコヴレヴィッチ・マリノフスキー元帥で、スペイン内戦ではマリノ大佐という変名を使っていました。
彼は独ソ戦時にはオデッサ軍管区で軍団長で、1945年8月のソ連侵攻時ザバイカル方面司令官でした。
戦後は国防大臣として辣腕を振るった人物です。
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>>575
戦後の47年でもウクライナ蜂起軍の抵抗で戦死者でてるのか
西側の支援できる現在の西ウクライナの武装組織はそう簡単につぶれはしないでしょうね
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こんばんわ。
年内に投下できるかと思いましたがちょっと無理そうです。
来年1月下旬に改めて投下します
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乙です
リアルを大事に
楽しみに待ってます
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新年あけましておめでとうございます。本年でこのスレを完結させられるよう頑張ります
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こんばんわ、最近すっかりガルパンおじさんになってしまっております。
執筆全然進んでおりませんので、投下できるくらいできましたらまたご報告させていただきます。
お待ちいただいておられる方がおりましたら、本当に申し訳ありません。
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ガルパンなら仕方ないですね……
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制作に勤勉すぎて息切れして引退されてしまうよりかいいです
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>>582
ありがとうございます。
今トロツキーの資料とかも集めて、メキシコで何をやっていたのかの情報も集めてまして。
そろそろやる夫スレ執筆も再開しますので、どうぞよろしくお願いします
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やったー待ってます
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乙
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メキシコのトロツキーって画家のディエゴ・リベラの奥さんフリーダ・カーロと愛人関係だったけど
愛想つかされたイメージしかない
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艦これのイベントで執筆が止まりました。
正直禿そう…。
>>586氏
フリーダ・カーロは恋多きバイセクシャルだったそうですね。
映画「フリーダ」にもそう描かれているそうです。
ちなみに、トロツキーとフリーダの共通点は“ユダヤ系”ということだそうです。
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>>587
講談社の新書でメキシコの白人にはユダヤ系が多いと見たことがあります
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皆様こんばんわ。
リアルで色々あり大変遅くなりましたが、7月中旬に最新話投下します。
最新話は、スターリン曰く「うちのヒムラーです」の人がメインな感じです。
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乙です
楽しみに待ってます
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こんばんわ。投下予定日ですが7月23日にします。
待っている方々、お待たせしてしまい申し訳ありません
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はーい、楽しみに待ってます
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「やる夫はトロツキー暗殺の指揮を執るようです 第六話 ベリヤ-グルジアの怪物-と粛清の影」
を本日21時より開始します。
投下できない場合は、明日24日21:00に投下します。
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おっと、いよいよ来ましたか
ベリヤは鬼畜で変態だけど、精力的で仕事は有能だったといいます
このスレの主人公も若くして出世できましたよね
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長らくお待たせしました。投下開始します。
第六話 ベリヤ-グルジアの怪物-と粛清の影
1938年8月
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三| l工工工工工l l工工工工工l l工工工工工l l工工工工工l l工工工工工l |―_|
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__ __/ /三三/ __ __ __ __ __ __ __
 ̄ ̄  ̄ ̄ ./三三/ / ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄
やる夫は帰国した翌日、ルビャンカのNKVD本部に赴いた。
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_ヽ:::::`´:::::::::::::`ヽ、
,>:::::`:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ァ::::::;ィ::i::::ハ:::i:::;ィ:::、::::::::::l
イ:::ノlハノjノニ}ハ{ l;ハ:::::::::::| 同志やる夫、おはよう。
lイニ'_‐-i ┌_''ニ"-ヘ:::::::::|
F:f==。iー:f::=。=テ:元「ヽ:| 同志ベリヤがお待ちだ、一緒に来い。
ト::`ニ/ ̄ヾ::ニ´:ノ :||^リ:ト、
l. r‐| _┐ー- 、 :lレ':::| \
/l l r`──‐┐ | ∧:::::| ヾ''‐- 、._
_,, -‐''7 l., , ̄二¨ ̄, , / ヽハ |‐- 、.._ ``'''‐ 、.._
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. /l ‐''"´ / |::|.\::::::::::: / |::| | / ヽ
i |. / |:::| \ / |:::| │ l l
. | l 二ニ=-|::::| /ヘ |::::|-=ニ二_ | 〉
ハ | ヽ. |:::::| ∧::∧ |:::::| / | /.〉
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/ u \
/ / \\ え…は、はぁ…。
/ し (○) (○) \
| ∪ (__人__) J | (ベリヤ……あのグルジアの怪物が…?)
\ u `⌒´ /
1938年、NKVDは権力のパワーバランスが大きく変わっている最中であった。
やる夫のいない間、権力構造が大きな変化を見せ始めていた。
5話で述べた通り、38年はエジョフと関わりのあった者や、それ以外の者にも、例外なく死神の足音が忍び寄っていた。
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__,,......,,___
_,,、γ '" ̄ `ヽ,
./´ 〃 _,,ノヽ
i / / _,,ィ〃〃"´ ヽ、.i
| /. / / ヽ|
| 〒 / ,_ヽ!
. ! || / __ 、=;;".リ
ヽ. !l |. ,〃--ィ ,' .u,, リ;
. iっ~`'!.| ィ" !) ,、_" レ ま、待ってくれ! 同志スターリンに電話させてくれ!
l ニiヽソ ,,;` " .,,`) .i
ヽ ヽリl u _,,.、 ! これは何かの間違いだ!
彳Tヾ ヽ.. u '´ _ ノ
/ ヽ.!、,,` ヘ,,,、 ィフ`~`"'==ぃ
/ 、.|\, " ヽ!ヾ、`"'ニ"´彳iい //
1938年5月3日、やる夫一家の良き理解者であったスタニスラフ・コシオールが逮捕される。
彼は、1938年にモスクワへ栄転し、ソ連人民委員会議副議長(副首相)とソ連人民委員会議付属ソヴィエト統制委員会議長を
兼任していたが、NKVDに逮捕され翌年銃殺される。
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_,.r''" ̄ ̄ ̄~\
/ _,,ノ-、.,)、
./ /' `ヽ\
i ,从iリ' u ヽ l
l r''' ヾゝ i |
.| i. ゙ヽ,, _ .l |
! i ー< ̄。)ノ~ r( ̄。)レ!
ヽ,r‐、|  ̄ |~ ̄ リ|
,.=l )、!l u .__」: ) ,ilノ_
/ !ヾ.|| __,,,,,,,,>=',,,, iト-゙=、、 わ、私が何をしたというんだ! 除名されるような罪をしたことはないんだぞ!
/ `tゞ! " r‐'"ニニ) ゙ ,il \
,(( v' ト,,、  ̄~ =' /,,! //__
ヽ\ |i !"''ゞ,,___ /,,j' / \
. \ヽ i ! "''ー"ニ''ニ'"彳! //  ̄
1939年1月23日。
ソ連最高会議幹部会副議長に就任していたグレゴリー・ペトロフスキーは、自分の誕生日を祝賀した直後
共産党を除名され、アパートとダーチャを没収。命を奪われることはなかったが、1年ほど無職のまま放置された。
40年にモスクワのソ連革命博物館館長となったが、二度と政界に復帰することはなかった。
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そしてもう一人。
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
/;;:: ::;ヽ
|;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;|
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|;;:: c{ っ ::;;| 俺は…俺は……。
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ヽ;;:: ::;;/
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やる夫一家とかかわりの深いこの人物。
エマの元上司であるメンデル・ハタイェヴェッチもこの前年、大粛清に巻き込まれ、1937年7月9日に逮捕されていた。
ウクライナ党中央委第二書記にまで上り詰めていた彼は、反革命テロ組織へ参加した罪で死刑判決を受け、数日後に銃殺された。
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/  ̄`ヽ、
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{ ∧ ,/´ ヽ \
< / ヽ、 ,/ ヽ ヽ
ヽ /  ̄ J ) l
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l l , r 、__'、ヽ、 /⌒ヾ l __ l
', ', ' '、_ ・_7 r'´゙く_’,ノ j | / ヽ / おれはしょうきにもどった。
{ ,'  ̄ノ { | ∨) | /
i`ー-'´/ l 、 ノ } /,/ト、 日本にぼうめいする。
,>、 l (_, -‐‐'ヽ、 ー=´ レ'‐< __,ノ\
l´l> } l (__,.. --─' ー=、 ノ,-'"´ \
_/ _,.-'´ヽl (-─ '"´ ̄`ヽ、 ,>'´
_,.-‐'"´//´ ヽ ヽ ,-‐-、_ ) ,.-、'"´
// ヽ、 l´┴‐‐'-----'´ { ヽ
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`ヽ、\ / ', ヽ、 / / ヽ ヽ
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NKVD三等国家保安委員(中将相当) NKVD極東局長ゲンリフ・リュシコフ(機動戦士ガンダム:コンスコン)
エジョフ派の凋落はとどまるところを知らなかった。
1938年6月13日、エジョフの側近の一人で、かつてスターリンのお気に入りだったNKVD高官ゲンリフ・リュシコフ中将が仮想敵国の一つ
大日本帝国に重要機密資料をもって亡命した。
彼は亡命までの10ヶ月間極東で辣腕を振るい、25万人を弾圧(7000人を銃殺、20万人の朝鮮人を中央アジアへ追放)した男だった。
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ハ.:.:〉 、 ,,.. }.:.:.:.:.:!
__」N.:{ ーr‐・ァゝ (´ ,,,,,,__ ,!.:.:.:.:.j!
ニニ7 "7/ /V.:.{ ~二シ };;;.ー‘ ‐'`` ';.:.:.:./ハ すべての元凶はあのグルジアの狂人だ。
´ ̄ V/ /ミミ.:.:! ,.} !.::) !.:.:.イ ハ_
.:.:.:.:.:リ {ミミ.:.:.彡 r'彡ハミミヽ ノ.:.:.:V ト`ニニ やつがいなくなればすべて解決する!
:::::::::::! `ヾシシ r ‐‐-- 、、_,, ト.:.:.:.:.彡 !/´ ̄
:::::::::::! ト、 ( _ _,,, ミミヽ.:.:ノ リ.:.:.::::::
:::::::::::', ヽ! ノ(⌒ヽV.:.::::::::::
::::::::::::ヽ トト、 \ ,.'"´ ハトト、 .:.:.:::::::::::
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リシュコフは亡命後、日本軍に逮捕され、身柄は、京城(ソウル)の朝鮮軍司令部を経て東京の参謀本部に移送された。
彼への尋問は、陸軍駐在武官の経験があり、GPUの工作員たちから『食欲旦那』とあだ名された甲谷悦雄中佐が行った。
その後、リシュコフは1939年1月にソチの別荘に滞在るスターリンに対し、詳細な暗殺計画を持ち掛け計画した。
参謀本部は、この生きて帰れぬ任務を遂行する白系ロシア人6人をソ連とトルコの国境から送り込もうとしたが、暗殺団にソ連のスパイが潜入しており大失敗に終わった。
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_-―ニ二ニ ‐、
_-=三ヽヾ`l ll l ! l l´、ヾ、
_=-ミミ l,lノ,ノリ川,lリノノノ川,l 、
/=三ミ`` ''''' u イリ,
. |三ニ=ミ lキl
lミ、ミミ` u |ミ!
_ミミ` ,,, .- 、、 ,,.-‐ 、、|ミl
〃 ヽ,, '' -‐t,テ、 ,-t,テ、|''
ll /'  ̄´ l l  ̄´| 俺は天下の内務人民委員様だぞ!
ヽ ‐ヽ /////, ( _、 ,_)///|
ーf'イ u _ _, ヽ l ヒック
_ ,,==l::.ヽ '' =ニ=` /-―-
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:::::::::l:::::::;|l、ヽ\::` ー―‐::''::/ /:::::::::::::
エジョフ派の凋落はとどまるところを知らなかった。
こうして失策が続き、スターリンの信任と権力を失い始めたニコライ・エジョフは、徐々に酒におぼれるようになっていった。
内務人民委員、水運人民委員、党統制委員会議長等の重職を兼任していたが、素面の日はほとんどなく、酒ばかり飲んでいたという。
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||! / 丶 l イ l
ヽJ ノ ーヽノ‐ヘ、 ,、,ノ
l ' _ ' ;,_ l
、 ´` ‐ ニ ‐ ''` , ,/ エジョフはもうおしまいだ、もはやNKVDは俺の天下だ。
ヽ /:l
∧` ー ''-- - '' ,,:‐^‐::l
そんな中、1938年8月22日、ラブレンチー・ベリヤが内務人民委員部第一次官に任命される。
グルジア共産党のトップであり、一貫してチェキスト畑を歩いてきた筋金入りのチェキストだ。
そのパワフルでエネルギッシュな仕事ぶりは、帰国間もないやる夫の耳にも届くほどであった。
だが、やる夫が知っているベリヤに関する情報はその程度であった。
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_ ,,,,,,,,,,, __
,,.'''"¨ ̄ ̄¨""''=、、
/ ヾ:、
/ ミ、
/l ミミ,
f,'! _,,_ _,,,_ ニl
lミ| '', = `、 ,,''´= 、` キl
/` l ,‐oヽlュ-tl ,.-o 、、l '' ヘ 君がやる夫だな、話は同志パゾフから聞いている。
|| , ヽ 二 ノ l lヽ 二 ノ l'ヽ,リ
||! / 丶 l イ l 早速だが、コノヴァーレツィとウクライナ民族主義組織への作戦について
ヽJ ノ ーヽノ‐ヘ、 ,、,ノ
l ' _ ' ;,_ l いくつか質問したいことがある。
、 ´` ‐ ニ ‐ ''` , ,/
ヽ /:l
∧` ー ''-- - '' ,,:‐^‐::l
ラブレンチー・ベリヤ(本人)
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/ u \ は、はじめまして。同志ベリヤ。
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/ し (○) (○) \ 私で答えられるものならなんでも聞いてください…。
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ / (これがあのグルジアの怪物…?)
パゾフに三階のベリヤの執務室に連れていかれたが、その部屋はNKVD長官エジョフの堂々とした執務室の隣にあった。
そしてこの執務室で、やる夫は初めてベリヤと対面した。
ベリヤはコノヴァーレツィとウクライナ民族主義者たちに対する作戦の経緯を当初の段階から細かに知りたがった。
案内役のパゾフは小間使いのように終治無言であった。
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_,,,,,_
,,...='''¨ ̄ ```丶、、
/::::''´´ `ヽ、
':::::´ ミ,
. {:::::´ ll
. |:::: ', ,r二ニフ' ゝニ二ヽ l!
l::::::', , -- 、 ,. --、. l
┌=、、 ! '- o‐l ⌒.l '‐ o-!│ なるほど、そのあたりは「スタフカ」に記載されているだろう。
|| / ゝ二.イ 丶 二 ' !
. llゝ,, , ( 、 _!. | パゾフ、機密資料室から「スタフカ」を持ってこい。
`ーイ ,/  ̄ ヽ |
. | . ─= ‐=─ ,ノ 俺の指示だといえば資料保管部は文句はいわん。
. | ,, イ
ノ:l、 ` .,, _ ,, _ .''.:/;ヽ
-‐,: :''´: : :.l ` ...,,__ _ ,,... ´,': : :`:.、.、
: /: : : : : : :.. /::;;;;;ヽ /: : : : : :\`: ...,,_
/: : : : : : : : :丶 /ヾ::::'イ丶 /: : : : : : : : :ヽ: : : : :
‐--: : : : : : : : \ / /::::::::| ∨: : : : : :--─: ¬: : :
: : : : : : : : : : : : : :\ !::::::::::| ,/: : : : : : : : : : : /: : :
__」ヽ./|/レ1イィ-z_
,> <、
. ,> ,vヘ/V∨Vv'Vvヘィ, <、
. 7 、く、‐-、 , -‐,.ゝ, ゝ
. l ト!\.\.ij`ー-‐' /./ム.l
| {___\_`j| |!´_/___} |
r'コ.|T::==。=;;ニ;;=。==::T|.lニヽ
!にl.! l:::::`ニ´:::j| |、::`ニ´::::ノ !|コ ! は、はい、ただいま!
ゞニ|:ij`,二フ´ | | `ニ二´ |ニン
/ ハ / ._ ‘‐∪‐’ _ ヽ ハ ヽ.
.-‐''7 | i {__二ニニ二__} / :| i`ー-
,' | l --- ./ | :!
. i. ト、 i_ ! ! ! ! ! ! / ,.| |
│ | \ 三三三三三 / | |
. | | \ 三三三 / | |
| | \ ./ | |
面会開始から一時間後、ベリヤは作戦の子細をすべて記録したファイル―コードネーム「スタフカ」―を持ってくるようパゾフに命じた。
当初十数分で終わるかと思った面会は、数時間たっても終わらず、ベリヤは次々とやる夫に質問を浴びせた。
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,,.'''"¨ ̄ ̄¨""''=、、
/ ヾ:、
/ ミ、
/l ミミ,
f,'! _,,_ _,,,_ ニl
lミ| '', = `、 ,,''´= 、` キl_
/` l ,‐oヽlュ-tl ,.-o 、、l '' ヘ
|| , ヽ 二 ノ l lヽ 二 ノ l'ヽ,リ
||! / 丶 l イ l 同志、たとえばフランス国内を移動する際に買う切符と
ヽJ ノ ーヽノ‐ヘ、 ,、,ノ
l ' _ ' ;,_ l フランスからドイツに行く際の切符は違う売り場に行かねばならんのかね?
、 ´` ‐ ニ ‐ ''` , ,/
ヽ /:l あぁ、後フランスではパリ郊外のアジトの非常口や出口の数は確認したかね?
∧` ー ''-- - '' ,,:‐^‐::l_
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) | いえ、同志ベリヤ。
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ そのあたりは駅員が直接対応するため、人相を覚えられる可能性が非常に高いですお。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 | パリではすでに到着時にくたくただったので、チェックはしませんでしたお。
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
やる夫はベリヤの繰り出す質問の意図を、後にどうやって非合法工作員として西側の生活に溶け込んでいったか詳しく知りたがっていたのだと理解した。
特に、ベリヤは大陸内の自由な行き来になくてはならない鉄道切符の基本的な買い方に興味を示した。
西側では切符を買う際、駅員が直接乗客をベルで呼んで一人ずつ対応する方式のため、顔を覚えられることを覚悟しなければならないことを伝えた。
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,, -――- 、
/ ヾ、
/ ‐ -- ‐ ミ、、
l ,,,.._ ` ´,,..._,,、 ゙ミ'
| ,, -、`,j i`,, -、 ,ミ_
l !-‐oィl!一t!'‐o-l!`ー '/ヽ!
l ゝ二,/´ ゝニイ '' ノ`,|l
| ,( 、 _ l、 、_ノ なん、だと…。まぁ、その話はあとにしよう。
| ノ _'' _ ヽ、 ,,イ
. l '´二 二''` ´ | とりあえず、次に任務後にスペインに赴任中のことでだが…。
,l 、 ,,_ _ ,,,ノ''´ ,,ノ、
_/:lヽ  ̄ ,,,//::::ヽ_
 ̄::::/::::::::l ` ‐, 、-‐ ''´ ,/::::::::::l:::::: ̄
:::::::/:::::::::::| /´ー-ヽ , /::::::::::::::|:::::::::::
ベリヤはやる夫にパリ郊外のアジトで、非常口や出口の位置や数を確認したかを尋ねた。
やる夫が到着時にくたくたのため、チェックをしなかったというと、ベリヤは非常に驚いた顔をしたという。
この質問は、ベリヤがグルジアチェーカー時代に実際に非合法工作活動に、ベリヤが従事していたことを窺わせた。
その後ベリヤは、バルセロナ近くで一緒になったゲリラグループについて関心を示したが、それは彼の下で働いていた人間がいたからだった。
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/ u \
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/ し (○) (○) \ (…なんか落ち着かないお……)
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ /
やる夫は面会中、気持ちが終治落ち着かなかった。
ベリヤは少しグルジア訛りのある流ちょうなロシア語で語り掛け、やる夫に対し丁寧な物腰で接した。
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,,...='''¨ ̄ ```丶、、
/::::''´´ `ヽ、
':::::´ ミ,
. {:::::´ ll
. |:::: ', ,r二ニフ' ゝニ二ヽ l!
l::::::', , -- 、 ,. --、. l
┌=、、 ! '- o‐l ⌒.l '‐ o-!│
|| / ゝ二.イ 丶 二 ' !
. llゝ,, , ( 、 _!. |
`ーイ ,/  ̄ ヽ |
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ノ:l、 ` .,, _ ,, _ .''.:/;ヽ
-‐,: :''´: : :.l ` ...,,__ _ ,,... ´,': : :`:.、.、
: /: : : : : : :.. / ヽ /: : : : : :\`: ...,,_
/: : : : : : : : :丶 / 丶 /: : : : : : : : :ヽ: : : : :
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: : : : : : : : : : : : : :\ ,/: : : : : : : : : : : /: : :
近視用の鼻眼鏡をかけたベリヤは、一見して一見ごく普通のソヴィエト下級官吏のような印象があった。
恐らくは、ベリヤは意識的にそういう振りをしているのだろう、とやる夫は思った。
やる夫はこの面会で、ベリヤがとても地味なスーツを着ていたことをはっきりと覚えている。
しかし、奇異に感じたのは、彼がネクタイをつけず、ワイシャツは上等なものだったが袖が異様に長く、捲りあげていたことだった。
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/l ミミ,
f,'! _,,_ _,,,_ ニl
lミ| '', = `、 ,,''´= 、` キl_
/` l ,‐oヽlュ-tl ,.-o 、、l '' ヘ
|| , ヽ 二 ノ l lヽ 二 ノ l'ヽ,リ
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ヽJ ノ ーヽノ‐ヘ、 ,、,ノ
l ' _ ' ;,_ l
、 ´` ‐ ニ ‐ ''` , ,/
ヽ /:l
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後になって知ったことだが、ベリヤはエジョフの代理に任命されると、すぐに最重要工作員と情報提供者を各部署の責任者から取り上げ
直接自分のもとに集め、自ら彼らを操っていたという。
当時モスクワのNKVDのアジトのいくつかには複数の世帯が入居しており、ベリヤはこういった工作員に会うため秘密の会合場所等を訪ねた際
「普通のおじさん」として注意を払われないようにしていたのだろう。
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. f::=_::´ ミ,
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. ┌=、、 ! -=・=l ⌒.l -=・=l .│
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. . llゝ,, , ( 、 _!. . | ……
. `ーイ  ̄ |
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. ノ:l、 `... 二´ ,/ ,l
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. : /: : : : : : :.. /::;;;;;ヽ /: : : : : :\`: ...,,_
. /: : : : : : : : :丶 /ヾ::::'イ丶 /: : : : : : : : :ヽ: : : : :
. ‐--: : : : : : : : \ / /::::::::| ∨: : : : : :--─: ¬: : :
. : : : : : : : : : : : : : :\ !::::::::::| ,/: : : : : : : : : : : /: : :
しかし、この面会中ずっと平静を保っていたわけではなかった。
ウクライナ共産党執行部に対してテロを仕掛けるべきかどうか、その是非をめぐってやる夫とコノヴァーレツィの論争に話題が及ぶと
ベリヤは次第に顔をこわばらせていった。
-
___
/ \
,---、 \, 三_ノ \―、
.l l (●) (●) \ |
| | (__人__) | | 共産党執行部にテロなんてとんでもない!
.| | |!!il|!|!l| / /
ゝ |ェェェェ| ノ NKVDがどれだけ執念深いか、貴方は知っているはずですお!
\ /
/ |
/ |
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| それは我々が実行した場合だ。
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
ヽ:::::::/:::::::::::::::::::|ヾ:::::::::::::::::::::::| 我々と別の組織の連中を使えば、我々への追及は避けられる。
/::::\::::::::::::::::| |\::::::::::::::::::::|
\:::::::::::::::〈:::::|===ヽ::::::::::::::::ヽ. 我々は英雄的行動というものを民衆の心に焼き付けるべきだ。
|ヽ::::::ヾ〉ヘ:〈ヾソニ-ヘ::::::::::::::::ヽ.
| リヾ/ リ |ノ\:::::::::ヽ,
/ / /ノ ソ // ̄` ─---
`ヽ‐ |
ヽ─===- 、/
〉"'' 、/゙
ヾ;;__, , 、/`
" ̄ヾ
やる夫は「暗殺はNKVDの追及を受け、ネットワークは粉砕され組織は壊滅する」という立場に立った。
しかし、コノヴァーレツィは組織と無関係なグループを使い行動を起こせばいいと反論した。
-
,,...='''¨ ̄ ```丶、、
/::::''´´ `ヽ、
':::::´ ミ,
. {:::::´ ll
. |:::: ', ,r二ニフ' ゝニ二ヽ l!
l::::::', , -- 、 ,. --、. l …まぁ、その件についてはもう終わったことだ。
┌=、、 ! '- o‐l ⌒.l '‐ o-!│
|| / ゝ二.イ 丶 二 ' ! 同志、今日はご苦労だった。とても有意義な話が聞けたよ。
. llゝ,, , ( 、 _!. |
`ーイ ,/  ̄ ヽ | 久しぶりの祖国だ、休暇をやるから地元か保養地で骨休めしてくるといい。
. | . ─= ‐=─ ,ノ
. | ,, イ 休暇の後、君にはやってもらう仕事があるからな。
ノ:l、 ` .,, _ ,, _ .''.:/;ヽ
____
/ u \
/ / \\
/ し (○) (○) \ え…? あっ、はい。
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ / ありがとうございます、同志ベリヤ。
長時間にわたるベリヤとの会談の後、ベリヤはやる夫に五日間の休暇をくれた。
その休暇から戻り次第、対外情報部で再び仕事をすることになるらしかった。
-
__ __
_ヽ:::::`´:::::::::::::`ヽ、
,>:::::`:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ァ::::::;ィ::i::::ハ:::i:::;ィ:::、::::::::::l
イ:::ノlハノjノニ}ハ{ l;ハ:::::::::::| やる夫、同志ベリヤはとてもお喜びだった。
lイニ'_‐-i ┌_''ニ"-ヘ:::::::::|
F:f==。iー:f::=。=テ:元「ヽ:| 休暇後、君には大役を務めてもらうことになるぞ!
ト::`ニ/ ̄ヾ::ニ´:ノ :||^リ:ト、
l. r‐| _┐ー- 、 :lレ':::| \
/l l r`──‐┐ | ∧:::::| ヾ''‐- 、._
_,, -‐''7 l., , ̄二¨ ̄, , / ヽハ |‐- 、.._ ``'''‐ 、.._
. , -‐''"´_,, -‐''7. `ァr───‐'´ ./|:|. | ``'''‐ 、.._ ,>、
. /l ‐''"´ / |::|.\::::::::::: / |::| | / ヽ
,;彡ミミミ;'""'''""'''""""'''''""''彡ミミ;,
フ彡彡;;, ヽ、,, ,..:::.. ,.:' ゞ;;,ミミゝ
';彡ミシ,;r==::;,,':.':::::::..,,,;r=ニニゝ;,,ミ7"'
"'';;彡'",;;;;;;;;;;;;;;,ヽ:::....r;;;;;;;;;;;;;;;;;,,Y"'ヽ,
/"'iシi,;;;;;;;;;;;;;;;;;;',l::::"''!;;;;;;;;;;;;;;;;;,ノl⌒"l,
,i /,;"ソヾ::;;;;;;;::ノ.l:::.."''ヾ:::::;;;;,''"::l ノ ノ
i., y 'l, ....:::::::l',;'' ;,, ヽ、 l〆/
\ヽ;'i:. "',;':::::::::....ゝ "'ヽ.,:l /" 君の働きに、同志ベリヤはしっかり報いると言っていたよ。
\,'l.. "':::;;;'''"" ;''ゝ i''
"l,::.. r‐,_,. -―''''''ニニノ ..:::l モスクワに帰ったらまた忙しくなるぞ、やる夫。
l:::..."'ヽ,二ニニ‐''",,; .::/l
'lヽ、.::"'''''''""""""..:::/ .l
l;;;;;ヽ、 . :.: :::. . : ..::../ l
,r'"l;;;;;;;;;ヽ,,;;,,;,;;;;;;;;;;;;;;/ l"';,
l;(く;l..:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''"" ,;;l)):l
l;;,"''ー-::;;;;;;;;;;'' _,,,...r'':::::::;;ー;,,
-
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ そんな大役、やる夫に務まるかどうかわかりませんが、誠心誠意努力させていただきますお。
/ o゚((●)) ((●))゚o \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
建前
──────────────────
本音
/ ,,-‐'、 \
| | | | |
| | | | |
| | | | | ヒャッハー!出世じゃ!出世じゃ!!
| | | | |
| |r┴-| |
\::::::⌒(~~人~~)⌒::::: /
o。((●)) ((●))。o
\~ノ ヽ´~/
 ̄ ̄ ̄
やる夫は家族とともに、休暇を利用してメリトポリにいる母親に会いに行くことにした。
翌日、シュピーゲリグラスとパゾフの二人が、モスクワのキエフ駅までやる夫を見送ってくれた。
二人はやる夫がベリヤと面会したことを非常によろ子に、帰省後の重要ポスト就任に太鼓判を押した。
-
____
/ \
/ \ なんてことだお…。
/ _ノ ::::::: ゝ、 \
| (○) (○) u | やる夫がヨーロッパにいる間にそんなことになってたのかお…。
\ (__人__) ,/
/ `⌒´ \
..,-=≡=-
_,. `
/ ミ 、
. / ィ ´ ̄  ̄`) ___ ヽ
〈、 .ニ ニ .... .. .|!
Y┬―┬:__,,.. .-‐―-..:__/ 偉い人たちですら粛清されちゃったのよ。
ノ'〈 ̄《 ̄ヘ___ .‐''''‐-___\
_,ノ ヘ 从 ゙´ヒi,},゙ //,弋ノi 人 下っ端はもっと悲惨な状況よ…。
ノ' | `、 |\ / ./| | ',
ー==≦ 人 `、\ ,-ァ´// / ヽ
〃 / `、从|__ > -イ// | :l \
〃 〃 , iノ |! |\ /∥ .| :l ト.. \
/⌒'ー==/ ヽ、__ゝ.// ツ: .(__) <≧レ丿___ |  ̄==ー
.ゝ´ ̄ //::::::::::::::.| |:::::::::::::::\ "'‐
列車の中で、やる夫はエマから以上で悲しむべき展開を見せるソ連とNKVDの状況を聞かされた。
冷酷無比な粛清―エジョフは37年にNKVD防諜機関の、翌年には対外情報部の粛清を行った―によって
絶対の信頼を寄せていた多くの近しい友人たちが反逆罪で逮捕されていた。
-
,,.. -- ――― -- ..,,
,z≦ /  ̄ / __ < ≧、
/ /___/__ / / > ,, < ≧、
/ / /___/_ _  ̄ `ヽ __ > ___ー >、
_ ./ ./ _{ __.:i ! `ヽ _ く. \\ ヽ
./ .///{ {___{_{_ / / \\___ ハ マ ∨
′ i く ./ ______  ̄ < ,.ィ≦////≧、 } .V
{ {,へ/イ ./ / ./ / \__ミ、///////////≧x、!
ン 〈__〈__{_{__{_{__ /  ̄ ̄ ̄イ///////}
∧ r'' /i´ ! i }! ト. ', 、 `ー― <_`ヾ//// 何もかもエジョフのせいよ。
.∧ ヾ-イ′ /| | / | ! メ ヽ\ \ __,,.. イ、 ヾ
∧ / i./ j |ー/- ! , ,ィ弐沁アi 、 ヽ. `''ー―― ァ あの男がNKVDのトップになってから
∧ ′ / /.| 、_.ィ沁' ./ 乂zツ .| i 、. ∨ __ /
/{、{/ /,|ハ ゞソ/ , / \. V ', 誰もかれも人民の敵になっちゃったわ。
/ 乂 .イ ト..{ ヽ/ 、 ./イ .! { ハ. ! \ 乂’__ ノ/
乂_ .イ {\ :、 j込 r -、 / .ィ ム.lイ.ハ | > __ /
∧.ゝ ',ー > こ .イ j ハ-、 } .} \
∧ .i .! rー≧=≦}___ //:::::::::{ j/ ヽ. \
やる夫はエマとともに、すべてエジョフの無能力によるものだと思った。
一例をあげると、エジョフは国内捜査を行う部局がないことを問題視し、NKVD内に特別捜査部を創設した。
しかし、その活動は客観的証拠ではなく容疑者から強制的に引き出したこじつけの自白をよりどころとしており
捜査官の思い込みと強制自白による逮捕の野放しを認める制度は権力の乱用だ、とやる夫たち現場要員は思っていた。
-
___
/ \
/ \ はぁ……、だけどあの同志ベリヤがNKVD次官(副長官)になったんだ。
/ ノ ヽ、_ \
| ( ●) (● ). | 彼がこの異常な状況が少しでも早く終わらせてくれることを祈るお。
\ l^l^ln__人__) /
/ヽ L⌒ ´
ゝ ノ
ベリヤがエジョフの副官に任命され、この明白な誤りを正すきっかけになってくれればと、やる夫は願っていた。
当時、やる夫たちは指導者たちの良識と誠実を心から信じ、疑いの気持ちなど一遍も持っていなかった。
そして、大粛清によって逮捕された、エマの元上司であるハタイェヴェッチが人民の敵だという容疑で逮捕されたことについても
彼がウクライナの統治でしくじりがあり、その結果逮捕されたのだろうと思っていた。
-
,;彡ミミミ;'""'''""'''""""'''''""''彡ミミ;,
フ彡彡;;, ヽ、,, ,..:::.. ,.:' ゞ;;,ミミゝ
';彡ミシ,;r==::;,,':.':::::::..,,,;r=ニニゝ;,,ミ7"'
"'';;彡'",;;;;;;;;;;;;;;,ヽ:::....r;;;;;;;;;;;;;;;;;,,Y"'ヽ,
/"'iシi,;;;;;;;;;;;;;;;;;;',l::::"''!;;;;;;;;;;;;;;;;;,ノl⌒"l,
,i /,;"ソヾ::;;;;;;;::ノ.l:::.."''ヾ:::::;;;;,''"::l ノ ノ
i., y 'l, ....:::::::l',;'' ;,, ヽ、 l〆/
\ヽ;'i:. "',;':::::::::....ゝ "'ヽ.,:l /" やる夫、喜べ!
\,'l.. "':::;;;'''"" ;''ゝ i''
"l,::.. r‐,_,. -―''''''ニニノ ..:::l お前さんは対外情報部長官の特別補佐官に任命されたぞ。
l:::..."'ヽ,二ニニ‐''",,; .::/l
'lヽ、.::"'''''''""""""..:::/ .l
l;;;;;ヽ、 . :.: :::. . : ..::../ l
,r'"l;;;;;;;;;ヽ,,;;,,;,;;;;;;;;;;;;;;/ l"';,
l;(く;l..:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''"" ,;;l)):l
l;;,"''ー-::;;;;;;;;;;'' _,,,...r'':::::::;;ー;,,
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/_ノ ヽ、_\ ━━┓┃┃
o゚((●)) ((●))゚o ┃ ━━━━━━━━
/::::::⌒(__人__)⌒:::: \ ┃ ┃┃┃
| ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚ ┛
\ 。≧ 三 ==-
-ァ, ≧=- 。
イレ,、 >三 。゚ ・ ゚
≦`Vヾ ヾ ≧
。゚ /。・イハ 、、 `ミ 。 ゚ 。 ・
メリトポリにいるやる夫の家族のもとで2日間、そしてエマの家族が住むハリコフで2日間を過ごした後、やる夫たちはモスクワへと戻った。
モスクワに戻ったやる夫を待っていたのは、対外情報部長官の特別補佐官(次長)に任命するという辞令だった。
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/ \
/ ─ ─\
/ (○) (○) \ そ、そそそんな重要なポストを!?
| (__人__) |
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|ェェェェ|
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フ彡彡;;, ヽ、,, ,..:::.. ,.:' ゞ;;,ミミゝ
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"'';;彡'",;;;;;;;;;;;;;;,ヽ:::....r;;;;;;;;;;;;;;;;;,,Y"'ヽ,
/"'iシi,;;;;;;;;;;;;;;;;;;',l::::"''!;;;;;;;;;;;;;;;;;,ノl⌒"l,
,i /,;"ソヾ::;;;;;;;::ノ.l:::.."''ヾ:::::;;;;,''"::l ノ ノ
i., y 'l, ....:::::::l',;'' ;,, ヽ、 l〆/
\ヽ;'i:. "',;':::::::::....ゝ "'ヽ.,:l /"
\,'l.. "':::;;;'''"" ;''ゝ i''
"l,::.. r‐,_,. -―''''''ニニノ ..:::l
l:::..."'ヽ,二ニニ‐''",,; .::/l それだけお前さんが高く評価されたんだ!
'lヽ、.::"'''''''""""""..:::/ .l
l;;;;;ヽ、 . :.: :::. . : ..::../ l しっかりと励むんだな!
,r'"l;;;;;;;;;ヽ,,;;,,;,;;;;;;;;;;;;;;/ l"';,
l;(く;l..:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''"" ,;;l)):l
l;;,"''ー-::;;;;;;;;;;'' _,,,...r'':::::::;;ー;,,
i''"";ii;;:::::::::::::;i::i:ヽニニン,i,;:,:::::::::::,;l'::ヾ:'i_,,
この役職は、ノーメンクラトゥーラ(ソビエト連邦における党が役職と役職に就く候補者の名前を一覧表にして用意するシステム)に指定された任命だった。
この一覧表に掲載された人物は、役職に就いていない候補者も含め、党中央委員会の承認を必要としていたため、別荘や年金などあらゆる面で優遇されていた。
1938年8月、やる夫は“赤い貴族”の一員となった。
-
__ __
_ヽ:::::`´:::::::::::::`ヽ、
,>:::::`:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ァ::::::;ィ::i::::ハ:::i:::;ィ:::、::::::::::l
イ:::ノlハノjノニ}ハ{ l;ハ:::::::::::| 西欧へのスパイ徴募とか管理?
lイニ'_‐-i ┌_''ニ"-ヘ:::::::::|
F:f==。iー:f::=。=テ:元「ヽ:| それなら担当部署を国別、地域別に管理している所を分けてるぞ。
ト::`ニ/ ̄ヾ::ニ´:ノ :||^リ:ト、
l. r‐| _┐ー- 、 :lレ':::| \ 受け取った情報?その辺は全部受け取ってすぐ目を通してるぞ?
/l l r`──‐┐ | ∧:::::| ヾ''‐- 、._
_,, -‐''7 l., , ̄二¨ ̄, , / ヽハ |‐- 、.._ ``'''‐ 、.._
. , -‐''"´_,, -‐''7. `ァr───‐'´ ./|:|. | ``'''‐ 、.._ ,>、
. /l ‐''"´ / |::|.\::::::::::: / |::| | / ヽ
i |. / |:::| \ / |:::| │ l l
. | l 二ニ=-|::::| /ヘ |::::|-=ニ二_ | 〉
ハ | ヽ. |:::::| ∧::∧ |:::::| / | /.〉
____
/ \
/三_',!`zx二 \
/ ´ー¨‐` ´ー¨‐'' \ ちょ、ちょっと待ってください…!?
| (__人__) |
\ ´ニニ` ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
このやる夫の新しい仕事は順風満帆とはいかなかった。
特に直属の上司たるパゾフが、情報工作活動の経験が皆無で、西側における工作委員の徴募や管理といった事柄にも疎かった。
彼は自分の工作員から情報を受け取ると、チェックの仕方がわからないまま、どんなものも鵜呑みにした。
枯れには、被疑者に共生自白させた経験しかないので、それも無理からぬことであった。
-
;‐'''"~~"'''‐-
r .ヾ
| i'`il`ヘlヽ|1ヽ|
| lヽ\===// |
.|∩||「 ̄;|=「 ̄|
|ヽ|| ヽ- 、.」ヽ- 上司が信じられないなら俺に直接いえ、なんとかしよう(キリッ
.| ∧ / ─一 .l
_/ |\\,_,_,_,_,_,.! ヽ_
,,..-‐'''": | ::| .\ / /::|:: "'''‐-
;:::::: |:: | /\ / < ::::::`;
! ::: | :>::ヽ/ [_] /::/:::::|:::l
やる夫がうろたえたのは、パゾフがどの工作管理官も上司が信じるに足りずと思う時は、パゾフ専用の暗号を用い、海外駐在官を飛び越して
本部に直接報告しろ、という指令まで鵜呑みにしたことであった。
この指令は1937年3月の党中央委員会総会が、海外の実直なヒラ要員から詰めた職務上の瑕疵に関する情報を使いNKVD対外情報部の粛清を要求した経緯があった。
これは情報機関幹部の追放を狙う首脳部の隠れ蓑であり、粛清の要求は犯罪行為と言えるものだった。
-
こうして多少の問題はあったが、やる夫には具体的な職務命令は出ることはなかった。
それが急展開を迎えた。
,,,,,,,,,,,,,,,
[|,,,,,,★,,|]
(;@∀@) 同志やる夫、大変です!
( ) ベリヤ次官が昨年のスペインからの金塊輸送で横領が疑われるので調査しろと!
| | |
(__)_)
____
. / \ !??
/ u ノ \
/ u (●) \ ちょ、どういうことだお!?
| (__人__)|
\ u .` ⌒/
ノ \
-
i\
マヘ
マヘ
マヘ
| ㌦ マヘ
! 人「癶㌫ マヘ
|| .|| r── - -----マヘ _ ___
∧ ∧ 「 ̄て ヽ : : : : : マヘ / | r----------l |膏l────,
. ┌┬┬┬──l┬┼‐┘ : : : : : : i .∨ ! 「トー───────┬┬了
.. l ̄ ̄ ̄i≧ 、.l l ___ {二二} .l l | | .!
. | .l  ̄ ̄ ̄ 「 | .| > ヽ .l .l≧ 、 __, ─────────,
___|_______!__㎞㎝㎡㍻㌫ | .l㎏㌣㍑㍑| ヽ \「二l二l二l二l二l二l二l二l二l二l/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
. ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ¨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
. \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
ゝ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`¨ ー────────────────-{
i ヽ
` < __________________________ _________________ \
閑話後編で述べたように、1937年、ソ連はスペインから金準備用の金塊を自国へ海上輸送していた。
-
rl^h
「| ||! ,.、 ____
| ''⌒,.l (/ \
ヽ__ ゙ _,/ _ノ '' ⌒\
} { (● ) (● ) \
| | ゝ | スペインから送られた金塊その他は、全てがモスクワに運ばれていない可能性があります。
| | ー=- / 至急、調査を行うよう通告いたします。
〈 ハ ヽ
しかし、パリでやる夫を手助けたアガヤンツ(4話さようなら コノヴァーレツィ参照)が、スペインから送った金塊その他の一部を
共和国政府とスペイン共産党が横領したのではないか、と疑っていた。
-
,. .:.:´;:;ll:l.ijijijijij``ヽ
/彡ミミミいj州 シノノノノハ
/;;;;;;;;ヲ ⌒'''ー'''''⌒ヾノノノ!
!;;ィ彡' ミ!
!ィ彡 rニ'''=, ,.z''ニヽ .ミ!
.!;:;:' ,rェテシ ヾテェ リ
ハ! ` ¨´ h
. !い ノ ,, ...ノヽ. l l
ヽ_, ,.ィ彡ノノハミミヽ レ' この件はベリヤに調べさせろ。
', '''"´ニニ `''''' j!
i ,.イj 事実だとすればその対応も検討させろ。
∧ 、 _ _,. イ /.:.\
/:.:.:ヽ /. :. :. :.ヽ
.,. イ.:.:.:.:.:.:.:.\ ___/. :. :. :. :. :/ .: .: .:
.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::\.:.:.:.:.:.:.:.:./ .: .:: .:
..:..:l .:.:.:.:.:./ 〇 \.:.:.:.:./. :. :.
___
,,r;;f_ニ三、ヾヾ`ヾ;;ヽ、
〃´ ̄````´ ゙ヽ::ヽ
,l ミ;ハ
l ミミ;i
| ,,-_=‐ , 、 _-_=、, l川
lf´=-。ヽ,‐f´=-。ヽ、_ '´ヽ
|ゝ 二ノ ヽ 二ノ ノ`!|
!´_,ノゝ、-::''、ヽ、` 、, 、りノ 了解しました、同志スターリン。
l ,,彡ノりヾミミ、、 ,l |´
. ! ´ `  ̄´''`` ,,ノ |
_ヽ  ̄ _,,.''´ ノハ、_
 ̄::/:::::lヽ、  ̄ _,,.''´ /:::::ヽ:::`::.、
::/:::::::::::| `,ーく´ ,/:::::::::::ヽ::::
ヴャチェスラフ・モロトフ(本人)
この知らせはすぐスターリンと人民委員会議議長(首相)モロトフのもとに報告され、モロトフは早速ベリヤに調査を命じた。
-
_ ,,,,,,,,,,, __
,,.'''"¨ ̄ ̄¨""''=、、
/ ヾ:、
/ ミ、
/l ミミ,
f,'! _,,_ _,,,_ ニl
lミ| '', = `、 ,,''´= 、` キl_
/` l ,‐oヽlュ-tl ,.-o 、、l '' ヘ
|| , ヽ 二 ノ l lヽ 二 ノ l'ヽ,リ
||! / 丶 l イ l 急ぎ、スペインのエイチンゴンに連絡を取れ!
ヽJ ノ ーヽノ‐ヘ、 ,、,ノ
l ' _ ' ;,_ l 輸送計画に関わる全ての事情と説明をさせろ!
、 ´` ‐ ニ ‐ ''` , ,/
ヽ /:l
∧` ー ''-- - '' ,,:‐^‐::l_
 ̄/:::::ヽ、、:::.:..... ,,,/、ヽ'^’/::::::: ̄
::::':::!イr,\::``, 、":::/、ヽ '::;/:::::::::::::
____
/ヽ /\
/(●) (●)丶
/::⌒(__人__)⌒:::uヽ りょ、了解ですお!
l |r┬-| l
\ `ー'´ /
/ ヽ
し、 ト、ノ
| _ l
!___/´ ヽ___l
やる夫たちは輸送業務関する詳しい事情とその説明を、スペインにいるやらない夫に求める電文を送った。
-
だが。
__
/ . \
/._ノ三ニヽ、\ 俺は会計係でも事務員でもないだろ!
| (⑪)(⑪) .|
. | (__人__).. |「rー__ヽヽ 金塊はスペイン共産党指導部と協力して秘密裏にちゃんと送り出したぞ!
| ` ⌒ | .\ \┌ーz__ ┐7
. ヽ , ィ==‐、/ / ̄ ̄乙/ /
ヽ ノ⌒) ∨/ / ̄ ̄/| あんな困難な状況下で横領だ? んなことするかよ、常識的に考えてな!
/ (_ ̄__/ ̄`く._ __∠ -┘」
| /〃 \ '" \ -┘
| ./¨\ \,_ ``ヾ}
. 人''" \ 、__ ` 、_/ ノノ
〈 " \ __.ヽ ヾ、._,)'´
/,ハ. ヽ. 、__`ン{ 〃
く / ∧ !、_ `'_,/
その返答は汚い言葉を使った怒りの電文だった。
-
,,,,,,,,,,,,,,,
[|,,,,,,★,,|]
ミ;゚Д゚彡
( ) とのことですが、いかがなさいましょうか?
| | | すぐ召喚命令を出し、モスクワで身柄を拘束いたしますか?
(__)_)
,, -――- 、
/ ヾ、
/ ‐ -- ‐ ミ、、
l ,,,.._ ` ´,,..._,,、 ゙ミ'
| ,, -、`,j i`,, -、 ,ミ_ ……スペインの海外駐在部の現場要員らの人間関係を調べろ。
l !-‐oィl!一t!'‐o-l!`ー '/ヽ!
l ゝ二,/´ ゝニイ '' ノ`,|l 失踪したオルロフについてもだ。急げ!
| ,( 、 _ l、 、_ノ
| ノ _'' _ ヽ、 ,,イ やる夫、お前は中央財産保護管理局にある当該輸送業務のファイルを調査しろ。
. l '´二 二''` ´ |
,l 、 ,,_ _ ,,,ノ''´ ,,ノ、
_/:lヽ  ̄ ,,,//::::ヽ_
 ̄::::/::::::::l ` ‐, 、-‐ ''´ ,/::::::::::l:::::: ̄
:::::::/:::::::::::| /´ー-ヽ , /::::::::::::::|:::::::::::
____
/ u \
/ \ /\ 了解しました!
/ し (○) (○) \
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ /
ベリヤはやる夫に中央財産保護管理局(GOKHRAN)にある金塊輸送に関わる業務資料を調査するよう命じた。
だが、言うは易く行うは難しだった。
-
r―-、 , -―/
| , ' ´ ̄ ̄` 丶.|
∨ ヾ、
/| _ _ |\
/三:\´ r―┐ `/::::::\ 同志やる夫、申し訳ありませんがモロトフ閣下はこの書類にサインできません。
|三:::::::::::::: ̄ТТ ̄_::::::::::::::::l
|三:::::::|:::::::::::::|ll|:::::: ̄::|::::::::::| ベリヤ次官だけでなく、エジョフ長官のサインのサインがなければ無理です。
|三::::::|::::::::::::::ll:::::::::::::::|:::::::::|
|三:::::|=::::::::::::|:::::::::::::::|::::::::|
|三::::l三:::::::::|:::::::::::::::|:::::::|
____
/ u.\
/ー‐-:::::::::::-‐' \
/ t j:::::::ィ ッ \ ま、まじですか…。
|. u `¨、__,、__,¨´ |
\ `こ´ / 出直してきます。
/ u .\
中央財産保護管理局の資料閲覧には、モロトフのサインが必要であったが、モロトフの秘書はやる夫の持ってきた書類を突き返した。
彼曰く、NKVD長官であるエジョフの署名がないと、モロトフのサインはもらえないと言われた。
お役所仕事に疎かったやる夫は、翌日エジョフの秘書に署名方を依頼し、書類を託した。
-
ところが。
____┘(
/\ / ⌒
/(○) (○.) \
/ (__人__) \ 署名がないとはどういうことだお!
| |::::::| |
\ l;;;;;;l ,/
/ヽ `ー´ ィ⌒ヽ
rー'ゝ 〆ヽ .)
ノヾ ,> ヾ_ノ,ヽ}
ヽ ヽ| ヽ_ノ
l\ /|
| \ / |
|u J \ / u u|
| u \── J |
| u し |
| し J |
| J ハ ハ u| も、申し訳ありません。
| u J |
\ u q J / ですが、エジョフ長官は最近ルビヤンカにおいでになられてはおりませんので。
> u <
| し J | 連絡を取ろうにも、連絡が取れずじまいでして…。
| u u |
この時点ではまだエジョフはNKVDの実権を(大半がベリヤの手に握られていたが)保持していた。
といっても、前述したように素面の日はほとんどなく、勤務のためルビヤンカに現れたことも滅多になかったという。
-
___
/ \
_/ / \ \
| | (○) (○) \ そういうわけで、モロトフ閣下のサインを頂けないんですお。
| | (__人__) | どうしましょうか?
| | ` ⌒´ /
|_|
§
∂
∽
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,, -――- 、
/ ヾ、
/ ‐ -- ‐ 」L ミ、、
l ,,,.._ ` ´,,..._,,、 7「 ゙ミ'
| ,, -、`,j i`,, -、 ,ミ_ この大ばか者が!
l !-‐oィl!一t!'‐o-l!`ー '/ヽ!
l ゝ二,/´ ゝニイ '' ノ`,|l サインがもらえんのは、貴様の怠慢が原因だ!!
| ,( 、 _ l、 、_ノ
| ノ _'' _ ヽ、 ,,イ
. l '´二 二''` ´ |
,l 、 ,,_ _ ,,,ノ''´ ,,ノ、
_/:lヽ  ̄ ,,,//::::ヽ_
 ̄::::/::::::::l ` ‐, 、-‐ ''´ ,/::::::::::l:::::: ̄
:::::::/:::::::::::| /´ー-ヽ , /::::::::::::::|:::::::::::
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-
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ そんな!
/ (__人__) \
| ヽ |!!il|!|!l| / | ルビヤンカにいないエジョフ長官にどう連絡取れっていうんですかお!?
\ |ェェェェ| /
:::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: :::: ::::
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,, -――- 、
/ ヾ、
/ ‐ -- ‐ 」L ミ、、
l ,,,.._ ` ´,,..._,,、 7「 ゙ミ'
| ,, -、`,j i`,, -、 ,ミ_ これは緊急の公務なんだぞ!?
l !-‐oィl!一t!'‐o-l!`ー '/ヽ!
l ゝ二,/´ ゝニイ '' ノ`,|l 貴様は解ってるのか、個人的なことじゃないんだ!
| ,( 、 _ l、 、_ノ
| ノ _'' _ ヽ、 ,,イ 同志エジョフは今体を壊して、モスクワ郊外の別荘で休んでるんだ!
. l '´二 二''` ´
,l 、 ,,_ _ ,,,ノ''´ ,,ノ、| 急使のカバンに書類を詰め込ませて急いでいけ!!
_/:lヽ  ̄ ,,,//::::ヽ_
 ̄::::/::::::::l ` ‐, 、-‐ ''´ ,/::::::::::l:::::: ̄
:::::::/:::::::::::| /´ー-ヽ , /::::::::::::::|:::::::::::
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-
________________
∠二二二二∠::l二二二二二二二二二二ヽ
`7/¨¨¨¨¨¨¨ 7.:「 ̄ ̄:.:||「 ̄ ̄||「 ̄|::|
//l | | | //l:| .:||| :||| :|::| バタン!
. ,♀=-、――一'―-ミ―-ミ/厶l:l‐――┘|‐――┘|‐―┘::|
_ /---\\::::::::::::::::::::::::::::ヽOコ::::::::l :::::::::::::::::l:::::::::::::::::::l::::::::::::::::|
(iii))>…‐-|l:::::::::::::(iii))‐-=ミ:::::::::::::::::l-┘:::::::l :::::::::::::::::l:::::::::::::::::::l>…<|
/.::/.::::::::/ ̄|l::::::::::::/.::::::::, -‐-ミヽ||l:::::l:::::::::::::::l :::::::::::::::::l::::::::::::::/.::::/⌒ヽ
ーヘ::::::∧ |l:::::::::/.::::::::/ -‐- 、 \、::⊥、:::::::::l :::::::::::::::::l:::::::::::/.::::::/  ̄`ヽ::iニZ
=-{{竺{∠∠込...:;ー‐‐ァ' ,. -‐ 、 V/ヽー――┴――‐'┴―‐{::::::::{ '⌒ヽ }」ニZ
{{{{ー-=≡ニ二三Z{{{{{ ; } }///\三三三三三三三三L:::::::{ { } }
∨∧///∨‐-=≡V/, V ノ 厂 ̄ ̄`¨¨¨¨¨ヾ込彡'¨¨¨¨¨V//,. . ノ
. ヾ __ 彡' ヾ. 彡 ー--一
/ ̄ ̄ ̄ \
ノし ゙\, .,、,/"u\
/ ⌒ (◎)ヾ'(◎)u \ モスクワ郊外のNKVD長官用の別荘だお!
| u ⌒゙(__人__)"⌒ u |
\ u `ヾ,┬、/` ,/ 全速力で突っ走れ!
. /⌒/^ヽ、 )__( ,ィヽ、
/ ,ゞ ,ノ ゙⌒" , ゝ、 Давай!(ダワイ:急げ)Давай!Давай!
l / / ト/.\\
/|\从/ /|
/ .|___/ |
/ilil , 、 \_/ りょ、了解しました!
| ´ `ヽ. l |
| 厂\ J |
\_ゝ _ノ _∠
/::::::::|スフ´:::::::::::::\
-
ll /'  ̄´ l l  ̄´|
ヽ ‐ヽ /////, ( _、 ,_)///| あぁ、なんだ? 書類にサイン? あぁ、いくらでもしてやるよ。
ーf'イ u _ _, ヽ l なんたって俺は天下の内務人民委員様だからな(ヒック
_ ,,==l::.ヽ '' =ニ=` /-―-
:::::`:::::::::::|l\ヽ、 --- ,/l::::::::::::
:::::::::l:::::::;|l、ヽ\::` ー―‐::''::/ /:::::::::::::
____
/ \
/ ― ヽ
/ ( ●) '、
| (__ノ_) ……ありがとうございます、同志長官。
\ `_⌒
/ \
急使を乗せ、やる夫はモスクワ郊外にあるNKVD高官用の別荘に車を走らせた。
エジョフの様子はとてもおかしかった、と彼は記憶している。
まるで重病人かひどい二日酔い相手に書類の署名を求めているようだった。
質問や意見は一切なく、エジョフは書類に署名し、やる夫は辞去してすぐクレムリンに向かい、モロトフの秘書に書類を渡した。
-
アルファコンプレックスの二大元ネタなだけあるぜ( )
-
|┃
ガラッ. |┃
|┃ ノ// ./ ̄ ̄ ̄ \
|┃三 / \ / \ NKVDだ!
|┃ / (●) (●) \ スペインから輸送された金塊に関する書類を見せてもらう!
|┃ | (__人__) | これがモロトフ閣下からの正式な書面だ!
|┃三 \ ` ⌒´ /
|┃三 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
,、 , 、
l:. \ /.: i
|:.:. \ __ /.:.:. |
|:.:.:. ..::`´ `'.:.:.:. |
/:.:.:..:.:.:.::... ヽ
,':.:.::.:.:.:.::.:.::.. -― ',
l:.:.::.:.::.::.:.:.:.:.:.:... __l
{:.:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:..:.:.. し / } ど、どうぞ、書類は奥の資料室の棚にあります。
ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:::.:.::.:.:.::.:... 、___/
ヽ、:..:.:.:.:..:.:.:..:::.:.:.::.:.:.. ,/
/:.:.:.:.:. .:.:<
-
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \ じゃあ失礼するお。
| (__人__) |
\. `⌒ ´ / ベレンゾン主計官、一緒に来てほしいお。
/ !:::: ヘ
ゝ_|:::: ヘ ハ
|:::: \/
|:::: |
ヘ::::: / i
キュム キュム \: | /
ヘ\_/|
\_/
____
/- 、 ! ,. -`ヽ
/`二_爪_二ヘ `
/`ニ・ニハ ハニ・ニフ .∨
| / | | \ | コクッ
ゝ .ィニニニュ ノ
. __\ /リ 厂`'‐- .._
/ : : :介ーz<__」// |: : : : : : :ヽ
| : : : : ::〈 「`乂/ / 丿: : : : : : : |
| : : : : : /: | {::::} / `7: : : : : : : :│
. | : : : 〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |
アブラム・ベレンゾン(ねらう夫)
やる夫は二人の主計官を伴って、GOKHRANへ向かった。
主計官の一人は、1918年のNKVDの前身たるチェーカー創設時から主任主計官を務めているアブラム・ベレンゾンであった。
革命前は、ジェルジンスキーに接収されたロシア保険会社の主任主計官であり、チェーカーから組織がGPU、OGPU、NKVDと
名前とトップが何度変わっても、主任主計官として変わらず勤めていた人物だった。
-
,,.: ''''""~""'''‐..
/ \
/ ─‐ ── \
/ ( ● ) ( ● ) `、
/´ ', 二日もかけて調べてみたけど、証拠なんて全くなかったお…。
i ( 人 ) ',
! ~''''´⌒´''''´ |
\ ,.'
> /
/ -----‐‐‐'''"~ \
やる夫たちは調査に二日費やしたが、横領の事実や、金塊類がスペインやフランスのNKVD海外駐在官の工作活動に使われたという事実もなかった。
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.| | , z ´ /`ヽ、 ∥
ll.| 'i /| / _二>\ ∥
l | 'i /ヽ/_ =-‐冖 ̄ ̄ ̄冖‐-= _ ´ ヽ /
l .', 'i ./ / ┌/―┐ `ヽ Y /
.l | 'i /〃 /ム‐‐┼ォ ヽ | /
l | 'i /〃 ∠=-―// } / !
.'i ! |// j_/__´_| | / /
ヽ、ヽ _| j | /-- 、/
、ヽヽ /| | | / ヽ /
、`ヽ / | | _ _ _ | /_ .Y
\__{ _ヽ´ ` /||///| |/
/ .|〃//ヽ _________ /, ||///| |-
/ .|{{ ///ヽ/、-tッ;;;;;ヽ、: : : : ィ: -:t:ッ;;;`ヽ__/| |j/// //
ヽ__//ハ ヽ; ; ;┬:‐:‐: ´l: : :l: : : ー:-:-:-;;:::::::::〃/___/ //
ヽー--|、ヽ; ; !: : : : : :|: : |: : : : : : : : : ;;;:::://///Y 〃
\/ハ\\:!: : : / 、_/`ヽ : : : : : : :;// ヽ_j>''/
/ >、__', ヽヽ-" r_―__―__―ヾ: : :// / / .|
/ / ヽ .l .|:| ゙―-------"/ / | / / .|
/ / ヽ l l ヽ、 二二 / | | / | |
/ / /\| |、 ヽ/ /ヽ_/ .| | 〃 | |
| / / ヽ \ | / | / | | / | ヽ
, -――- 、
/三三三三=ヽ
/三三三三三三ヽ
l三三三三三三三}
l三三 三三三三/
ヽ=三三三三三{
∨ニ三三三三/
__/三三 三三/
_, - '" ´三三三三三 ヽ、_
/三三三三三三三三三三三三三三ヽ、
/三三三三三三三三三三三三三三三三ヽ
/三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
/三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
三三三三,三三三三三三三三三三三三三三三三三三三\
三三 / ヽ三三三三三三三三三三三三三三三!、三三三三ヽ
三/ ヽ三三三三三三三三三三三三三三| `ヽ、三三三 \
ニコライ・クレスチンスキー(アイドルマスター高木順一朗)
やる夫はこの調査で、金の輸送に関する文章に調印したのが、スペイン共和国首相フランシスコ・ラルゴ・カバレロと外務人民委員代理ニコライ・クレスチンスキーであることを知った。
しかし、どちらも話を聞ける状態ではなかった。
カバレロは、モスクワからはるか遠いスペインの地にいるし、クレスチンスキーはブハーリンの見世物裁判に弾き釣り出され、38年3月に銃殺されていた。
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V;;;ハ い;' "゙‐trぇr、.;;` ,斤ッ‐;イシ′
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`y二ヽヽ、. \ _ _,:'′
_/ ゙,1 r二ニヽY ̄〕
,.ィ<``丶、 レノ '  ̄`)i 1レハ
となると、最も怪しい人物は、この金輸送作戦の実行責任者であるオルロフ国家保安少佐(後のNKVD大佐クラス)であった。
もっとも優秀なスパイマスター出であった彼が、パゾフの後をうけ、対外情報部の責任者になるという噂があった。
彼はだれもが認める対外情報部の部長候補だったが、義理の兄弟であるウクライナNKVD長官が粛清され、そのことが経歴に影を落としていたのだろう。
だが、彼の部下として働いていた人間は、皆彼に畏敬の念を抱いていたという。
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_,,:-''" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`''-、,,
,,r'' _ ヽ、
,f ,;ニ--ニ、 ゙ヽ.
i' .;f ゙ヾ、:::... ヽ.
i',;;;;;l ゙ヾ、;;:;::....... .,,;.:.:,;,;;;i
i;;:;,i' | ``''ー-ニ=-''"`'''i;:;:;;|
{r'" j ,rニ''=ェ、,,_, ,,__,,,,ニ--:、, リヾリ
,l,=イ| ー゙モワ''''>i ;`'''Z't-ァ~`゙'' ,|、;|
i i''ヾ| ''"l! `ヽ  ̄ i;f''''l!
| | ,ハ l! ,i ,; l!
ヽ、.ミi` ィ l!__,i」,;; ,i f ノ
`''┐ `ー'" {,シ''"
. ト、  ̄二''ー-- /!
.. |`:、  ̄ ,/'|
,,| ゙:、 ,/ |、
ト-ニ'ー- ゝ、,,___/ -_''ニ-ri
また、彼はやる夫の良き理解者であるスルツキーと昵懇の間柄でもあった。
オルロフが、非公式の会計監査グループを組織して、1920年代の新経済政策(ネップ)の収入実態を暴いたことがあったが、これはスルツキーの指示によるものだった。
スルツキーはその後、オルロフをGPU経済部から対外情報部へと異動させ、オルロフはその期待に応え、海外駐在官として数々の活躍を見せる。
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/‐-、fr'"_,、、,,_`ヽ、 ヽヽ,
/ r'⌒'ー'゙──-ヽ ヽ ヾ、
i゙ ,! ゙、゙、 ゙i ゙! !
} ,! ゙i、 ゙、 ' ゙、
,!/!_ _,,..、、 i,ヾミ ゙i, ゙i
l ,! ィtテ:、 '"モェ-' レ,^'iミ゙i, |
゙、トl, ''"i ` ! り,! リイ
゙i、; ,! / ,ム-'゙ '゙ 「
| i, `_",,_ / | '゙ i゙ |
゙、.゙、 ゙ー─''´ ,ィ゙ ハ l ,/
|, , ゙、 ` ´ / / l「 ソ!
`ミトr゙、__,/.、_-'ニ"ヘリル′
,!=ミ,|゙r'',ニヽl「`_ノム、,,_
_, ィ'ト-'゙,!|.| !、__,,>,ニ゙-'~`''ー``''ーァ,、,,_
そして、今回のモスクワへの金輸送作戦後、オルロフは昇進しレーニン勲章を授与された。
これには金輸送のほかに、トロツキーの秘書であった(後に関係を絶つ)アンドレウ・ニンの殺害、現地トロツキスト殲滅に見事な手腕を発揮したことも評価されていた。
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.r-、 _00 /::::'┴'r'
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. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
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/ ノ_ ヽ,,\
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧
| (__人__)|
| |r┬| }
| | | | } 俺も作戦への功績が認められて叙勲されたぞ!やったぜ!
. |. `ニニ }
. ヽ }
ヽ ノ
後、やらない夫・エイチンゴンと他一名が、スペインでの功績を称えられ赤旗勲章を授与された
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,.-‐─-、、,,_
,r'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``ヽ,
,イ.:.:.:::::::::::::::::::::.:.:.:,r'゙,r;;!j
,!:l:;彳〃: ィイ;:;:,ィイソレ'゙``|
1;|;:ll;//:::;:::;:,r、゙'r'"´ー、,,.!
|;:;:';:゙;:;:;:;:;:;:〈 ドリ `‐=ュ〈
l;;;;;:;:;:;:;:;:1;:l;:.ハ . !
|;;,;;;;;;;;;:;:;:;:Y/`i ; ーr'
|;;|;;l;;|;;;;;;;:;:;ィイ!`、 ´了 ………。
,f;;j;i|;;|;;j;;;;i/'リ ー-ヽ j
_」f;:l::!l:;l;:l;:/二ニゞ, `Y「´
'"´ i;:!;リ;/ハ/ ̄`¨`ー- '{、_
ー- 、_ _____,二ニrf¨77tr'"´ ̄`i
;;:.:..  ̄  ̄ ̄ ̄ 、、 __ _, ,.,j 〉/ !/ ̄¨`ー 〈、
が、その数か月、オルロフは突如失踪してしまった。
それもバルセロナの海外駐在部の金庫に保管していた6万ドルの現金とともに。
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. 、 ィ -=ニ -=ミ 、ヾ 、 、 ヽi{ ,
_ ≧=- ニ=- -=ミj{ハミ \ \ Ⅵ }!
. ー=ミ=-- , -=ミ三三辷=- 、` ̄`^´\ 寸'/__
ノニニ/, ヽ } 、㌻´ ̄ __ 、 ヽル'⌒ `
. __∠二二! ′_} \ ´  ̄ ̄\ }! |/⌒
ヽ∠二二二| マ_/ \ _ ヾ! |
. ∧``````` ', ^/ \ ,ィ ==ミ_}}! l
. /∧ `7_, \_i{i{ rッ 仟‐'
/∧ /‐==ニ _ `尨´ 〃 「ノ
//∧ ,i{-=== /ィニ=- 找少 |
'///∧ /∧-‐==' ,ィニニヾ `く |
/////l //∧-‐== i{辷=- 、\__ヽ__ 」
/////| //∧-‐== ヽ  ̄\_ィ-′
∨///| / / 、-‐===' `フ オルロフがいないだと!
. ‘, ∨//|____/_/込-‐==‐ ' /
',∨/辷=' イ マム` -==‐' / どういうことだ、もっとよく探せ!
',∨ ////|! マ,ム  ̄
. ',∨,'///|! i}/Λ もう、この船に乗っているはずだぞ!?
1938年7月、オルロフはシュピーゲリグラスと密談を交わすため、フランス海域のソヴィエト船上で会うことになっていた。
シュピーゲリグラスは、白衛軍ロシア全軍連合議長エフゲニー・ミレル将軍を誘拐した一年前の事件の後、彼の工作員が何人か逮捕されていたため
フランス官憲に正体を握られているのではないかと危惧していたため、上陸せずに船で会うようセッティングしていた。
オルロフは、シュピーゲリグラスたちが自分をそこで逮捕し、モスクワへ連行するのではないかと危惧したため、船に現れなかったのだ。
-
,,,,,,,,,,,,,,,
[|,,,,,,★,,|]
(;@∀@) 同志やる夫、緊急電です!オルロフの所在が判明しました!
( )
| | |
(__)_)
____
. / \ 見つかった!?
/ u ノ \
/ u (●) \ ……アレクサンドル・オルロフ、家族とともにアメリカに亡命!?
| (__人__)|
\ u .` ⌒/
ノ \
それからしばらくして、調査に行き詰っていたやる夫の元に、オルロフがカナダ経由でアメリカに亡命していたという知らせが舞い込んだ。
西欧諸国におけるNKVDネットワークに精通するオルロフの失踪を心配し、多数のエージェントたちがオルロフの行方を追っていた中、その報告が飛び込んできた。
彼の背信行為で、様々なスパイネットワークや、英国のケンブリッジ五人組の正体が暴露されるのではないかと憂慮された。
-
しかし。
,,...='''¨ ̄ ```丶、、
/::::''´´ `ヽ、
':::::´ ミ,
. {:::::´ ll
. |:::: ', ,r二ニフ' ゝニ二ヽ l!
l::::::', , -- 、 ,. --、. l
┌=、、 ! '- o‐l ⌒.l '‐ o-!│
|| / ゝ二.イ 丶 二 ' ! やる夫、オルロフの件だが、奴の居場所探しを中断しろ。
. llゝ,, , ( 、 _!. |
`ーイ ,/  ̄ ヽ | 追って俺から直接指示があるまで、オルロフ捜索はすべて中止だ、いいな?
. | . ─= ‐=─ ,ノ
. | ,, イ
ノ:l、 ` .,, _ ,, _ .''.:/;ヽ
____
/ヽ /\
/(●) (●)丶
/::⌒(__人__)⌒:::uヽ え、いえ……はい、了解しましたお…。
l |r┬-| l
\ `ー'´ / ですが、よろしいのですか?
/ ヽ
し、 ト、ノ (どういうことだお? オルロフを暗殺するならまだしも捜査中止って…)
| _ l
!___/´ ヽ___l
その後やる夫はすぐにベリヤのもとに呼ばれた。
やる夫は、ベリヤからいくつかの指示と合わせ、オルロフの捜査をすべて現時点で中断するよう命じられた。
捜査は結局再開されることなく、後日、ベリヤが党中央委員会がオルロフを放任しておくこと決定を下したと告げ、捜査は幕を閉じた。
-
_,,,,,,,,,,,,_ _,,,,,,,,,,,_
,;r'" ミf"'"三- `゙''-、
,;r'" ,,:r'''''''ー、ミi;ニ二─-:、 ゙ヽ.
,i' /" ,,:-─-:、,_ミi;ニ-─-:、_゙ヽ. .゙l;
,,f"〃 ,f" ̄ ̄ ̄~゙゙"~ ̄ ̄~`'ヽ.ヽヾi
f",i:.;| |; ゙l } i :}
|/j; リ ,|' | ! l ,l
{ ,/ ,ソ ゙l; ヽ ゙}
| /.,rj .,,,__ __,,,,,,... ゙l, ゙l;.}
( l リ-l -=wァ三''';;:. '''~←wァ=- ノミ、| }
l {ノl! ゙l.  ̄ ''´ :: `''  ̄ ト |,リ }
゙l;ヾヽ、l .::: ノ ノ,イ:{
,) :i ゙-i\ ;; ,, ,/f'"i ,}
{. i: l l゙i、 `_´ ,イ i l リ さて、私の送った手紙は、スターリン閣下の元へ届いているかな?
. ゙l, i l |゙、. -=====- ,i', { l :|
:| ; ; | ゙、. ''=='' .,/ ,l | ,リ ,リ
゙ヽi,ir"ヒ,,_ ゙ヽ. / /,ノ、'-'"
j-、`''-ニミ`''──''":-ー''" 'r゙li.
,(.(ヘ`f"-'"`'''i,`l! ̄"~て~'y',n }
なぜこんなことになったのか、それは、オルロフがアメリカからスターリン個人に宛てて書いた手紙が届いたのだ。
それは、オルロフがソヴィエト船での逮捕の危険を感じて逃亡したとする釈明の手紙であった。
手紙には、もし今後自分や家族に対し、居場所探しや監視が行われた場合、スイスの銀行に保管しているスペイン内政不干渉国際委員会の偽装資料について
示した書面を弁護士を通じて公表させると書いてあったのだ。
-
゙l;ヾヽ、l .::: ノ ノ,イ:{
,) :i ゙-i\ ;; ,, ,/f'"i ,} この手紙をあなたが読まれているということは、私が国外へ亡命した知らせが届いていることと存じます。
{. i: l l゙i、 `_´ ,イ i l リ 本官は祖国に対し常に忠実に任務をこなしてきましたが、逮捕の危険を感じたため逃亡の道を選ばせていただきました。
. ゙l, i l |゙、. -=====- ,i', { l :| 私の知るすべての機密は、西側情報機関が如何なる手段を用いても、決して口外は致しません。
:| ; ; | ゙、. ''=='' .,/ ,l | ,リ ,リ 逃亡者たる私めの言葉を信じてはいただけないでしょうが、私はスイスの銀行に様々な機密書類を保管させています。
゙ヽi,ir"ヒ,,_ ゙ヽ. / /,ノ、'-'"
j-、`''-ニミ`''──''":-ー''" 'r゙li.
,(.(ヘ`f"-'"`'''i,`l! ̄"~て~'y',n }
,,::-rvー''f">ミ ゝ ゙vっ /.,i゙|.| とヽ)ノ フフ`=ニェ-:rェ_
また、モスクワへの金輸送についても船積みリストを添えて洗いざらいぶちまけると書いてあった。
そして最後に、モスクワに残してきた年老いた母親を虐待しないよう訴え、これらが全て守られるなら自分の知る機密は一切口外しないと約束した。
金輸送計画が暴露されれば、ソ連政府にとっても、メキシコに逃れたスペイン内乱亡命者たちにとっても面目丸つぶれであった。
というのも、人民戦線側に対するソ連の軍事的支援は『社会主義の連帯』という名目のもとに行われいてたからである。
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,. .:.:´;:;ll:l.ijijijijij``ヽ
/彡ミミミいj州 シノノノノハ
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これにスターリンがどんな反応を示したのかは記載はまったくない。
だが結果として、スターリンはオルロフに対する調査を全て打ち切るよう命令を下した。
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こうして、金輸送を発端とする一連の騒動は幕を閉じた。
しかし、やる夫は知らなかった。
彼にもまた、粛清という肉挽き機の脅威が迫っていたことに。
第六話 ベリヤ-グルジアの怪物-と粛清の影 完
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投下終了です。
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乙でした!
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>>653
乙でした。
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乙でした!
>>650
現在(2016年)も、「モスクワの金」の全容は分かっていないんでしたっけ?
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>>656
全容はソ連崩壊後に確認できた資料でほぼわかっております。
ですが、この金輸送をもちかけたのがどちら(ソ連かスペインか)なのか、また閑話で書いたように金を入れた箱の総数はどちらが正しかったのかがわかっていません。
また、ウィキペディアによると、スペインの学会(史学関係)のディペードでは頻繁に議題に上がっているそうです。
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乙
>>657
横領といわれてもどさくさ紛れにほんの一部ですからね
もし本当にくすねたならオルロフの余生の生活費にでもあてえられたのでしょう
しかしスターリンもなかなか冷静な判断をする
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>>605-607
ベリヤ自身工作活動の経験があったから、手順段取りのことはわかるから
質問の方も具体的になるのだろうね
くたくたでチェックしなかったという返答は下手するとやる夫は無能のレッテルはられかねない材料だ
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KGB系列の機関にいて亡命というのはソ連崩壊後も起きてることだが
主義主張というより人脈の問題で弾かれるうえに命が危ない状況だったからというのが多そう
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ここのやる夫にしても、上層部の仲間入りする前にはどうにか粛清を免れてきたもんな
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>>632-633
ベリヤ氏、部下を叱るだけでなく、ちゃんと機転の利いた指示を出されておる
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スターリンスレで見たけど自分自身への徹底も凄かったらしいからねぇ…
単に一日中働いていただけではなくその作業密度もハンパなかったとか
決して単なるロリコンではない
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夜型人間スターリンにつきあってなおかつ作業密度半端ないとか、一種の天賦の物はあったのだな
そうでなきゃそもそもNKVD内部で中央に引っ張られるところまで出世できないか
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作者です、後残り3〜4話と言ったところなのですが、リアル事情のため執筆進んでおりません(汗
楽しみにしておられる方がおりましたら、申し訳ありません。
来年には完結しますので、もう少しお付き合いいただけると幸いです
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報告乙です
リアル大事に
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皆様遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。
最近は更新全くしていませんが、エターする気はないので、気長にお待ちくださると幸いです。
三月までには投下するつもりでおります。
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皆様、遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。
最近更新が途絶えてしまい、申し訳ありません。
本年度中に完結を目指しておりますので、気長にお待ちいただけると幸いです。
遅くても3月までには一本投下しますので、どうぞよろしく!
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報告乙です
気長に待ってます。
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>>621-622
こういう杓子定規なうえに実務を知らない上司は日本でも実例はあるかな?
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トロツキーの暗殺ってソ連政府にとって実益あったのかねぇ?
むしろ暗殺されることでトロツキストというグループがCIAのような西側諜報機関から援助を受けるようになった気がする
晩年のトロツキーは病死が迫っていると信じて書き物していたのと
メキシコの女流画家フリーダ・カーロに振られたことが印象に残る程度
同じ画家でもシケイロスはスターリン支持者でトロツキー暗殺を企てたという噂もあったそうな
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乙
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こんばんわ、三月に一話、と書きましたが全然進んでおりません。楽しみにされておられた方、申し訳ありません。
投下前にはアナウンスを出しますので、平にご容赦を…(土下座
>>671
トロツキー暗殺の意義というのは、ソ連政府、というよりもスターリン本人にとって実益があったのでは、と考えております。
スターリンはロシア革命時には裏方として暗躍し、華々しい表舞台にいた党指導部をモスクワ裁判で根こそぎ処刑しました。
そして、唯一残った無駄に弁説に長け、反スターリニストグループをまとめ上げ「第4インターナショナル」を結成する組織力と求心力をもったトロツキーを蔑みながらも恐れていたのでしょう。
さらに、当時のスターリンはロシア革命児にはレーニンの片腕として華々しく活躍していた、というでっちあげ話を広めていたので、本当のことを知るトロツキーは邪魔者以外の何物でもなかったはずです。
ダビッド・アルファロ・シケイロスですね。
彼の件も本作で書くつもりでした。
メキシコ共産党情勢も複雑怪奇で中々面白いんですよね。
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赤い皇帝スレの ◆J7qCZtZxmc先生がエター宣言。
楽しみにしていた作品だったのですが、残念無念。
私のとこは今のところエターする予定はないですが、忙しくて執筆時間が取れないと資料集めが進んでいない状況です。
読んでくれている方がいらっしゃるかわかりませんが、気長に待っていただけると助かります…(汗
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