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豚とオナホがキャピタルウェイストランドで目覚めたようです 2
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前スレ:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1403780444/
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2012って映画もこんな流れだったような、、結末が違うだけで、これも現実的にありえそうで怖い
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昭和四十年法律第三十三号
所得税法
所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の全部を改正する。
目次
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【2ch 面白いスレ】妥協して結婚しておけば良かったと人生の後悔を語る52歳婚活女子さんww【ゆっくり解説】
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【#箱舟はいっぱい】ココが凄い!一般人が主人公の世界の終わりの話 藤子・F・不二雄SF短編【NHKドラマ化記念独自解説】
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箱舟はいっぱい
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信じるか、信じないかは・・『箱舟はいっぱい』/藤子Fの箱舟伝説②
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「旧約聖書」のハイライト、大洪水とノアの方舟のエピソードは、その真偽が常に話題になるほどの、世界的な伝説である。
古今東西、この方舟伝説を基にした物語はたくさん生まれている。例えば、「風の谷のナウシカ」は、大海嘯と呼ばれる王蟲の津波が世の中を覆うという設定があり、これは明らかに方舟伝説を念頭にしたものだ。
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【藤子不二雄SF短編】箱舟はいっぱい
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本稿では、ノアの方舟をモチーフにした異色SF短編を取り上げる。全編不穏なブラックテイストなお話だが、都市伝説めいた展開はユーモアも感じさせる。
また、地球の破滅という事態に際して、政府がどのような対応を取るのかが、割とリアルに語られているのも特徴的。色々と広げられそうなテーマを含んだ作品なのである。
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『箱舟はいっぱい』
「S・Fマガジン」1974年10月増刊/大全集4巻
まずはよくある「都市伝説」のお話から。
世界の滅亡をいち早く知った世界各国の政府は、徹底した情報統制をするとともに、生き延びらせる人々を選び出し、食料や他の動物たちとともに地下シェルターに閉じこもる。
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この手の都市伝説には色々なバリエーションがあるが、ポイントは二つ。
①情報は一部の上級国民にしか共有されない
②情報は漏洩されるが、最終的には誤魔化される
人類の危機が世の中に知れ渡ると、無用なパニックを引き起こすという論理から、一部の組織だけで情報が留められるという展開である。これは最近のコロナにおいても似たような言説が飛び交った。
例えば、コロナウイルスは人工的に作られた殺人ウイルスで、それを世界のトップが隠してる、といったものだ。これは、中国政府が真実を隠しているとか、ワクチンメーカーの陰謀である、など様々なバリエーションがある。
まあ、都市伝説的には、良くあるお話だ。
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そうした良くある典型的な都市伝説のスタイルに挑戦した作品が、本作である。先述した二つのポイント通りのお話だが、特に②の部分が少しひねったものとなっている。
主人公は大山家の主人。奥さんと息子が一人。賃貸の家に住む平凡なサラリーマンの一家である。
そんな大山に、隣に新居を立てたばかりの細川から、急に現金が入用となったので500万で家を買ってほしいという申し出を受ける。相場としては土地代だけで2000万の家なので、大山はその話を聞いて、願ってもないと大喜びする。
細川はずっと暗い表情なのが唯一気にかかるところ・・。
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大山は家に帰ると、貯金350万とオヤジから100万出させて、残り50万も何とかかき集めると算段を付けて、その話に乗ろうと考える。奥さんは直感的にその話はおかしいと思うのだが、「楽しき我が家(埴生の宿)」を歌いながらご機嫌にお風呂に入ったりしているので、止められない。
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そこへ、一人の怪しい男が訪ねてくる。「ノア機構の連絡員」だと名乗り、ご主人に早く話したいという。ピンとこない大山に、男は一方的に話し出す。
・ノア計画の進行状況。ロケットの内装の仕上げ段階
・選出はランダムに実施。確率の低さは天文学的
・早く500万を渡して欲しい
話がすれ違っていることに男は気づく。隣人の細川を尋ねるはずだったようだ。勘違いと分かると、あっという間に姿を消す男。大山は何かが引っ掛かる。何だか気に入らない・・。
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この大山の「何か」をさらに増幅させる出来事がたて続く。
細川さんに500万で家を転売してもらう件を了承すると、急に顔色が曇り、胸が苦しいと言い出す。明らかに何かを隠している様子。
息子が隣(細川家)のやっちゃんから、「自分たちだけロケットに乗れる、他の人たちは星がぶつかって全員死んでしまう」と聞かされて、泣いて帰ってくる。その後、やっちゃんは「おしゃべりはだめだ」と言って叱られる。
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ここで過去の事実が明らかになる。
今から3年前に「カレー彗星」が地球に向かっており、3年後(つまり今月)に地球に激突するという騒ぎが起こった。世界天文学会議がすぐに公式で否定して、騒ぎは収まっていた。
この一連の騒ぎには後日談があると、大山の同僚が語る。
後から出た否定声明こそがウソ。世界中が大騒ぎとなったので、ネッシンジャー大統領補佐官が世界中を飛び回り、主要国首脳の支持を取り付けたあと、ウソの声明を出させた。その舞台裏では、ひそかに人類救済策を準備してきた。
さる確かな筋からの情報だと語る同僚だが、もう一人の同僚は「まんがじゃあるまいし」と笑い飛ばす。一方では出自の怪しい情報を信じ、一方は相手にしない。これがいわゆる「都市伝説」に対する二大反応である。
大山はこの話を聞いて、さらに考え込む・・。
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その晩のテレビ放送。「トップテン」のような音楽番組の司会者が、今週の1位の発表の前にとっておきの特ダネニュースを話すという。その中身が、大山の心をさらに突き刺す。
・富士山のふもとでジャンボロケットが建築中
・MASA開発の宇宙バス
・世界各国で作られている
・地球は彗星にぶつかって壊れる
・ロケットには少人数しか乗れない
この司会者はさらに狂ったように、「報道管制が敷かれている」などと騒ぎ立てて、他のスタッフに押さえ込まれてしまう。そして、放送事故のように扱われて、テレビ番組は終了してしまう。
大山はここで確信する。ノア計画は本当である、と。そして、隣の細川家に殴り込むのであった。
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この番組に端を発したのか、国民のパニックはあっと言う間に燃え広がっていく。国会前でデモ隊と警官隊が激突。総理は「彗星との衝突は断じてない」と声明を出すが、もう誰も信じようとはしない。
大山もすっかりしょげてしまう。家族を救ってやれないと言って、酒を飲んでは号泣するのであった。
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さて、ここからがお話は本番。
大山家では、久しぶりに家族三人の笑い声が響く。ノア機構を自称していた連中が一斉逮捕されたのである。3年前の彗星騒ぎを利用して、ロケットの搭乗券を売ると称して、一世帯あたり100万から7000万を搾取していたという。
このニュースは、さらに報道の解説で強化される。冷静に考えればジャンボロケットなんてものは世界中に存在していない。仮にロケットで脱出してもその先どこへ行こうというのか・・。
ノア機構のロケット騒ぎは、詐欺以前の話として片付けられて、国民のパニックは収まったのであった。
安堵した大山も、先日殴り込んだ細川に謝る。細川は腕を骨折している様子で、かなり酷く大山にやられたのだろう。細川も後ろめたかったと言って、逆にお詫びしてくる。両家は和解となった。
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パニックは収まったが、もちろんこれにはもう一段の裏がある。
総理大臣に「特号秘」と書かれた書類を持って官僚がやってくる。彗星が地球をかすめる事実は、やはり本当であるというものだ。
・大暴風雨、大地震、大津波が予見され、地球は壊滅的な被害を受ける。
・シェルターを作り、僅かな人間を収容し、人類存続のチャンスを得る。
・世界各国で入居が開始され、日本でも今朝から目立たないように実施。
・国内16カ所のシェルターのキャパは4万人が限度。
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総理と官僚との会話から、ノア機構はダミーとして国民の目を逸らすために仕組まれていたものだとわかる。つまりは一連の国民のパニックは、想定の範囲内だったのだ。
ダミー作戦は大成功と呼べるが、総理にとっては痛恨の極みである。総理もどこかのシェルターに入るため、ヘリコプターに乗り込んで、空へと飛んでいく。
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空飛ぶヘリコプターを眺めていた大山の息子は、細川家のやっちゃんを呼び出す。和解した大山・細川は、両家連れ立っての遠足に出かけることになったのである。
すると、別の3人家族が通りがかる。大山と知り合いの家庭らしい。彼らも偶然に今日が遠足なのだという。・・・が、妙にこそこそした感じで、何かいわくありげの様子。大山はその違和感には気づかない。
その家族と別れて、大山と細川両家は遠足へと出発する。不穏な空模様とつむじ風が舞う。世界の終わりは、もう近くまできているようだ・・。
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今回の地球滅亡に際して政府が取った行動は以下のようなものだった。
①都市伝説を風潮して、国民にザワザワ感を与える(ノア機構)
②噂は本当だったという事実を出して一度パニックを呼び起こす(TVの司会者)
③再度やはり「都市伝説」だったと思わせて、パニックを沈める
④その裏で本当の人類救済策を講じる
なんか、現実でも起こりそうな手順である。いや、それは我々の預かり知らないところで、既に進行しているかも知れない。
信じるか信じないかは、あなた次第、なのだ。
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方舟伝説の起源を探る『誰が箱舟を造ったか』/藤子Fの箱舟伝説①
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「旧約聖書」の「創世記」に記された、大洪水と、予め惨事を知らされたノアが作り上げた巨大な船の物語。それが、ノアの方舟伝説だ。
神の怒りを買った人類が大洪水で一掃されるというショッキングな出来事は、信者たちの神への畏敬の念を強く感じさせる。
伝説ではあるものの、時おりノアの方舟が実際に見つかったというニュースが流れてきたり、聖書のモデルとなった大洪水は実際にあったのでは?と指摘する声もよく聞かれる。
調べていくと、実際に方舟を作って動物たちを入れることができるのかを研究している人がいたり、聖書の成立以前のギルガメッシュ叙事詩で、全く同じような記述が見つかっているなど、興味深い事実はどんどん出てくる。
方舟に関することを深掘りしているとキリがないので、ここでは重要なポイントだけ列挙しておく。
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・神は大洪水によって悪い人間を一掃することを考える
・正直者だったノアとその一家だけは、方舟を作らせて助ける
・ノアは神の指示通り、全ての生物を一つがいだけ船に乗せた
・方舟の大きさは長さ135m×幅23m×高さ13.5mほどだった
・雨は六日六晩降り続き、150日間水は引かなかった
・方舟はアララト山の頂に漂着。アララト山はトルコに実在する
・メソポタミアの神話「ギルガメッシュ叙事詩」に同様の記述がある
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【おれ、夕子】バイオテクノロジーが生んだ悲劇のフランケンシュタイン 藤子・F・不二雄SF短編【NHKドラマ化記念独自解説】
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伝説の基になった事実があったかどうかは、結局は憶測の域を出ないし、時々発見される方舟が本物かどうかは明らかとなっていない。
しかし、伝説や神話が実際の出来事を踏まえて作られているケースは、世界中どこにでもあって、それが古今東西の作家たちの創作意欲を掻き立てているのは間違いない。
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当然、藤子F先生も「方舟伝説」には着目をしており、「ドラえもん」「ジャングル黒べえ」などで、ギャグ漫画として昇華させている。
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ぼんは、クラスメイトに方舟伝説が本当だと熱弁するのだが、そんなのは迷信だとして、ロマンチスト扱いされて笑われる。
ぼんはバカにされたのが悔しくて、T・P本部の資料室に方舟伝説の原形となった大洪水があったのかどうかを問い合わせる。すると、何とそれは実在していた。
有史以前、紀元前5000年ほどのチグリス・ユーフラテス河口一帯が大洪水に見舞われ、一部の村はペルシャ湾の底に沈んでいるという。実際にこの世の終わりのような大洪水は存在していたのだ。
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ぼんはT・Pのパートナーであるユミ子に、大洪水の現場に向かって、ノアを見つけ出そうと提案する。神様の役割を担おうというのだ。
歴史改変が禁じられているT・P隊員が、本部の指示なしで伝説をなぞるようなことをしてはまずかろう。ユミ子は懸念を示すが、ぼんは助けても歴史に影響を受けない人をチェックカードで選べば大丈夫だと主張する。
それで大丈夫なのか・・。ユミ子の悪い予感は、この後的中する・・。
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なお、メソポタミア神話における方舟伝説は、旧約聖書と固有名詞が異なっている。その点もまとめておこう。
エホバの神 → エンリル
ノア → ウトナピシュティム
アララト山 → ニシルの山
紀元前5世紀頃のメソポタミアは、灌漑技術の発達によって平野でも農耕が可能となっていた。しかし、チグリス川もユーフラテス川も毎年のように氾濫しており、洪水は日常茶飯事だった。
ぼんたちが向かった年は、そこへさらにペルシャ湾からの大津波が発生して、平野部のほとんどが水没したのだという。ぼんたちは、この世界で「ノア=ウトナピシュティム」を見つけて、方舟を作らせようと画策する。
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ぼんたちは旅人を装って心清き人を探す。が、村の長に敵対するヘブライ人(ユダヤ人)だと勘違いされ、迫害を受けて、逃げ出す二人。
ノアごっこは止めようかと思い始めた矢先に雨が降ってきて、近くにあった小屋で雨宿りをさせてもらおうとする。その家はアシで器用に編んで作られている。
心優しきこの家の主の名は、ウトナピシュティム。いきなり伝説の人物と遭遇である。チェックカードで調べると救出可能だとわかる。
そこでぼんたちはこれから大洪水がくるので、大きな舟を作るよう告げる。が、洪水は珍しくもなく畑の土を肥やすのに必要なことだと言って、本気で受け止めない。そればかりか、ぼんたちは頭がおかしいのではと思われてしまう。
T・Pぼんにおいて、しばしば出てくる「神様ごっこ」は、ここでも通用しない。人々は神のお告げなど簡単には信じないのである。
さらにユミ子は、この時代は石器時代なので、水漏れしない大きな船体など最初から作れないと思っていたと考えを述べる。方舟伝説は、やはり伝説だったということだろうか。
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ところが、ここから話はおかしな方向へ。
ウトナピシュティムが、村の長にぼんたちのお告げの話をすると、村長は策を巡らせて、大舟を作るようウトナピシュティムに依頼する。おかしな発言を信じたのかと、驚くウトナピシュティムだったが、もともと大きな舟を商売で使いたいと思っていたという。
なぜウトナピシュティムにお願いするかというと、アシで器用に自分の小屋を作る技術を見込んでのことだった。ウトナピシュティムは、借金の棒引きとどっさりと食料をくれることを条件に舟建造を引く受ける。
巨大な船を作っていると、村長の気が知れないと影口を叩かれる。ぼんたちは、チェックカードで村長を調べると、大きな反応が出てしまう。この男は、歴史上重大な影響を及ぼす人物であるらしい。
洪水が起こったとして、舟を建造している村長を救出することはできないという、ややこしい事態となってしまったのである。
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どうしたらよいかわからないうちに、豪雨が降り始める。大洪水は近い。船は未完成だが、仕方なく時間を停止させてぼんたちが完成させる。そして村長は、船の中に家畜や種もみや食料を詰め込ませる。
村長は洪水に備えて舟に荷を積んでいるわけではない。しかし、村中のネズミが何かの前兆を察知して逃げ出す姿を見た村民たちは、村長が何かを知っているのではないかと疑い始める。
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一方のウトナピシュティムは、船が完成したので、豪雨の中家族のもとへと急ぐ。しかしその途中で、大地震が起こる。この大地震が大洪水を引き起こしたのである。
津波を察知したウトナピシュティムは、家族を連れて山岳地帯へと逃げ出す。けれどもう間に合わない。丘の上にはたどり着いたが、そこへ急流が押し寄せる。これ異常増水すると、水に吞み込まれてしまう。
絶体絶命のピンチに、ウトナピシュティムが村長のために作った舟が波に運ばれてくる。この舟を巡って村長と村民で争いが起こり、その間に舟が漂い出してきたのであった。
ウトナピシュティム一家は、この舟に乗って一命を取り留める。まるで奇跡のような展開に、ぼんたちは思う。
「神様ってほんとにいるのかもしれないね」
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話をまとめると、結局ぼんたちがウトナピシュティムに大洪水の話を聞かせたことで舟は建造され、それによって大洪水からウトナピシュティムは助かる。この事実が、ギルガメッシュ叙事詩で語られ、後の旧約聖書に採用される。
つまり、ぼんの思いつきの行動によって、方舟伝説は作られたということだ。なので逆に、ぼんが何も行動しなかったら歴史は変わってしまったかも・・。
そんな遊び心がT・Pぼんの魅力の一つである。
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旧約聖書の「創世記」序盤(天地創造と原初の人類)のクライマックスは、堕落した地上人に対して大洪水が引き起こされるシーンであろう。事前に神の警告を聞いていたノアは、巨大な箱舟を建設して家族と動物たちを乗船させ、大洪水の災厄を逃れることができた。これがノアの箱舟伝説である。
この話のポイントは、予言を得て箱舟を準備していたノアを、堕落した人間たちはバカにして見ていたという点である。神の存在を忘れてしまった人間の愚かさを描いた部分ではないかと思う。
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藤子作品では、ノアの箱舟を題材とした作品がいくつかある。『箱舟はいっぱい』のようなシリアスな話もあるが、大洪水を事前に知った登場人物たちが、ノアのようにバカにされながら洪水の準備をしつつ、結局は洪水が起こらないというギャグ篇もある。
本稿では後者、結局予知は外れてしまうという2作品を紹介していく。
ちなみに以下の記事にて、「予言」についてのF先生の懐疑的視点を明らかにしているので是非こちらも合わせてお読みください。
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「ドラえもん」『世界沈没』
「小学四年生」1972年11月号/大全集2巻
まずは初期ドラから『世界沈没』を見ていく。これはてんコミでも最初の方に収録されている有名な1本である。雑誌掲載時からかなりの加筆修正が行われているようだ。
本作ではズバリ未来を見ることができる凄いひみつ道具が飛び出す。その後未来予知を否定する作品を描いているF先生だが、本作では初期ドラ特有の大らかさが現れているように思う。
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冒頭、いきなり大洪水に人々が流される「世界のおわり」から始まる。その中で船を走らせ、のび太の家族やしずちゃんたちを救出する。そしてみんな口々にのび太に感謝の言葉をかける。
・・・すると、これはのび太が見ていた幻想のようである。
のび太が見ていたのは、未来を見ることのできる「イマニ目玉」という目の形をした道具で、10時間後に実際に起こる映像であった。のび太は信じられないが、道具が本物であることを知っているドラえもんの方が、
「なにィ。世界の終わり!?」
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イマニ目玉の故障の可能性もあるので、メモリを10分後に合わせるとのび太のママに叱られる映像が流れる。ママは夕方まで外出中なので、やっぱり故障かと思っていると、ママが出掛ける途中で帰ってきてのび太のいたずらを叱るのだった。
イマニ目玉は壊れてなんかいない。予知が当たれば、大雨でおぼれ死んでしまう。急いでドラえもんたちは、「自動のこぎり」「自動かなづち」などでノアの箱舟を作ることにする。
友人たちに大笑いされるが、
「気にするな、ノアがはこ船を作った時も笑われたんだ」
とドラえもんは意に介さない。
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ママやパパの反対の中、食料もありったけ船に積み込む。ママたちも乗るようお願いするが、逆に怒られてしまう。突然の世界の終わりなど、誰も信じてくれないのである。
洪水の映像は深夜12時のものだった。それまで晴天の夜空の下でその時を待つ。全く雨が降りそうもないので疑心暗鬼になる二人だったが、ともかくその時まで休むことにする。
「こんな時に眠れるわけないや」とのび太とドラえもんは船の中で寝床に就くが、次のコマでさっそくいびきをかいて寝てしまう。
すると、にわかにポツポツと雨が降り出し、あっという間に滝のような豪雨となる。雨音で起きだすと、一面泥水の海となっている。世界の終わりが本当に来てしまったのだ。
そして冒頭でのび太が見た映像のように、ママやパパや友だちを救出していく。そして皆に感謝され、いい気持ちとなるのび太。すると、そんなのび太にドラえもんが呼びかける。「起きろ」と。
なんとのび太は布団の中でおねしょをしており、今まで見てきた映像はのび太の夢であった。つまり、昼間にイマニ目玉で見たのは、のび太の夢であったのだ。
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未来を見ることのできる「イマニ目玉」は、その人の夢までも見ることのできる道具なのであった。でも、夢の可能性を残してしまうと、見えた映像について常に夢でないかと疑わなければならなくなる。半信半疑の未来予知の道具だとすると、使い勝手は悪そうである・・。
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庭に立てているベッカンコ神像が、近ごろ快晴なのに、なぜか毎朝濡れているのだという。これには、ピリミー王国の言い伝えがあると黒べえは言う。
「昔、世界中に大雨続いたとき、ベッカンコの神お告げを下さった。いいお天気の日神様ぐしょ濡れ、ピリミーの先祖 箱舟作って助かった」
ノア箱舟伝説そのものである。
これを聞いても、しし男やママは「きっと神さまがお漏らししたんだよ」と相手にしない。その反応に「神様バカにする者きっと滅びる」とがっかりする黒べえ。
そこで何とか信じてもらうために、成功したことのない「水鏡の魔法」で未来を写し出そうと考える。お風呂に水を張って水鏡として、そこにウラウラベッカンコーと魔法を掛けると、何かが写ってくる。
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その様子は、水浸しの家の中で大慌てのしし男やママたちの姿であった。黒べえはこれこそ大洪水の場面であると自信を深める。そんな矢先に雨が降り始め、しし男は黒べえ側に「転ぶ」。
急ぎいかだ作りを手伝おうとするが、材料が足りない。仕方なくミニプールに入ってこれをいかだ代わりにしようとする。ところが、雨は強くならずに降り止んでしまう。単なる夕立だったのか・・?
すると、ザアザアと水の音が聞こえ、部屋の中にチョロチョロと水が流れ込んでくる。廊下に出ると水浸し。先ほど水鏡の魔法で見た事態である。黒べえも「お告げの通り、ウーラ!」と叫ぶが、この水はお風呂場から流れ出てきたようである。
先ほど水鏡の魔法をする際に出した水ををそのまま流しっ放しにしていたのである。黒べえの未来予知の魔法は成功したのだが、家の中だけの洪水であった。。
どうやら、洪水は起きない模様。ではなぜ神像が濡れたのだろうか。黒べえが真相を明らかにするべく徹夜で見張っていると、タイガー(ジャイアンに相当)が犬の散歩に現われ、神像をトイレ代わりにしていたことが判明。罰当たりな行為に怒る黒べえなのであった。
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今回見てきた2本は、間違った未来予知をしたわけではない。その意味で「大予言のウソ」という括りにしてはいけない作品である。しかしながら、一方では夢、もう一方は凡ミスと、大洪水や世界の終わりとは一切関係ないものだった。
つまり映像によって未来予知ができたとしても、確定的な未来を見るのは難しいということなのだ。
前回の記事で書いたが、解釈の余地がのこされる未来予知は、あまり信じることはできない。今回の二本も、ほぼ同様の結論が導き出されるのではないだろうか?
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エスパーを主人公とした「エスパー魔美」の魔美は、まずテレポートの能力が開花し、続けてテレキネシス、伝導テレパシー、困っている人の念波を捉える、念写と超能力のレパートリーを増やしていく。
そんな中、予知能力については最後まで身に付かない。虫の知らせという話はあったが、未来の予測ではなかった。
下記の記事でも触れたが、藤子F先生は超能力のうち、予知については否定的な考えを持っていたようである。
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