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500字くらいでプレレンすうヌレ^p^

86どいたか:2010/11/08(月) 18:10:36
「ちゃんと手入れしろって言ってるのにーっ!」
「ぐええっ!」
中庭を歩いていると突然背後から掴み掛かられた。
何事かと思い振り返れば、斉藤が忌々しいものでも見るような目付きで睨みつけている。
驚いていると、無理矢理に引っ張り出された毛先を目の前に突き付けられた。
「先生…これ、どういうことですか」
斉藤は髪結いなだけあり、人の毛髪の状態に非常に厳しい。
どうして手入れしないんだ…と不機嫌そうにぶつぶつと呟いている。
仮にも教師に向かってこの態度とは…下級生やくのいちに懐かれる優しいお兄さんとは思えない。
あーおっかない。あまりの剣幕に思わず苦笑した。
誉められた行動ではないが、節介親切に言ってくれたのに忘れていた俺も悪かったのだ。
「わかったわかった」
「約束ですよ!」
顔の前に小指を差し出された。指切りなんていつ以来だろう。長い指は生傷だらけだった。
「…ああ、約束な」
なるべく傷に触れないように絡めると、斉藤はへらりと人懐っこい笑みを浮かべた。
その顔は気が抜けるほど平和で、つられて笑顔になってしまう。
斉藤は愛されて育ったんだな。
何故だか胸が切なくなる。
木の上から、煎餅を齧る音が聞こえたような気がした。

どいたかいきいきp^p^q


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