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500字くらいでプレレンすうヌレ^p^

79ざっぽじんざ:2010/11/04(木) 20:02:05
「私に手当てをさせて下されば、こんなに酷くはさせなかったのに」
自分の体に回されたざっぽさんの腕をさすり、じんざは低く呟いた。
「なんだ、まだ根に持っているのかい」
飽きるほど繰り返したやりとり。
とても人とは思えない、でこぼことしたざっぽさんの肌に触れるたび、じんざの心はあの日に巻き戻る。
ざっぽさんを失ってしまうかもしれないという焦燥と絶望。
自分がざっぽさんを手当てすると言って頑として譲らなかった幼いそなもんの姿。
ざっぽさんが苦しんでいる時に側についていられなかった、その後悔は、幾度体を重ねても埋められるものではなかった。
今こうして体深くざっぽさんを独占しているのは自分のはずなのに。
求められるそのたびに、ざっぽさんの全身にそなもんの父親を庇いそなもんに治療された痕が刻まれているのを意識しなければならないことが、たまらなく悔しい。
絡まる感情を吐き出すように、じんざは声をあげる。
「…ぐ、ぅあ、あ、ああっ」
「なんだい、じんざ」
「っあ…つい、です。組頭…」
内側からこの身を焼く嫉妬の業火が。
熱くて、熱くて、忍の本分も自分の立場も頭からかき消えてしまいそうだ。
「…………」
背中側から貫くざっぽさんが、じんざの顔を見ることは出来ない。
しかし、彼が果たしてどんな表情をしているのか、ざっぽさんには手に取るように分かった。
じんざの目からはいつもの鋭い光が失せ、初めてざっぽさんに抱かれた時と同じ、少年のような不安げな目をしているに違いなかった。
そしてざっぽさんもまた、
「じんざはいくつになっても可愛いねえ」
そう言って初めての夜と同じように喉を鳴らして笑い、目を細めるのだった。


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